JP2720693B2 - オーステナイト系ステンレス鋼連続鋳造鋳片の分塊圧延法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼連続鋳造鋳片の分塊圧延法

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JP2720693B2
JP2720693B2 JP7032392A JP7032392A JP2720693B2 JP 2720693 B2 JP2720693 B2 JP 2720693B2 JP 7032392 A JP7032392 A JP 7032392A JP 7032392 A JP7032392 A JP 7032392A JP 2720693 B2 JP2720693 B2 JP 2720693B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オーステナイト系ス
テンレス鋼、特にSUS316系の連続鋳造鋳片の分塊
圧延法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ステンレス鋼の連続鋳造鋳片は、一
旦常温まで冷却され全面手入れを施したのち、加熱炉に
おいて1200〜1280℃の高温で長時間加熱した
、必要な形状に分塊圧延されていた。しかしながら、
オーステナイト系ステンレス鋼は、熱伝導率が悪く、特
に加熱に長時間を要するため、高温長時間加熱に要する
エネルギーと時間は莫大なものである。
【0003】このため、連続鋳造における鋳造温度をタ
ンディッシュ温度と当該オーステナイト系ステンレス鋼
の融点との差ΔT(℃)、鋼の窒素含有量を重量%でN
(%)として表示した時、N×ΔTの値にしたがって、
熱間圧延のための加熱温度HT(℃)を1130℃から
1320℃の範囲で、かつHT(℃)≦1325(℃)
−50×[N×ΔT]の関係に制御する方法(特開昭5
7−127506号公報)、Cr:18〜20%、N
i:8〜10.5%を含むオーステナイト系ステンレス
鋼の化学成分を重量%で表示し、δcal(%)=3
(Cr+1.5Si+Mo)−2.8(Ni+0.5M
n+0.5Cu)−84(C+N)−19.8で決まる
δcal(%)とN(%)が1000×N+7×δca
l≦77を満たすように溶製し、連続鋳造したのち、連
続鋳造鋳片のδcal(%)を知って1150〜128
0℃の温度で必要時間保持し、δフェライトの残存量が
0.3%を超えないようにしてから熱間圧延する方法
(特開昭57−155322号公報)、Cr:16〜2
6%、Ni:12〜22%を含有する高合金オーステナ
イト系ステンレス鋼の鋼塊あるいは連続鋳造鋳片を、1
100〜1300℃に均熱した後、950℃以下の表面
温度で圧延を開始する方法(特開昭59−53623号
公報)等の提案が行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭57−12
7506号公報の方法は、連続鋳造における鋳造温度を
タンディッシュ温度と当該オーステナイト系ステンレス
鋼の融点との差ΔT(℃)、鋼の窒素含有量を重量%で
N(%)として表示した時、N×ΔTの値に応じて加熱
温度を選択し、割れを抑制する技術であるが、S含有量
0.003%以上の場合、割れ抑制効果が不十分とな
る。また、特開昭57−155322号公報の方法は、
δフェライトを0.3%未満に消滅せしめる必要がある
が、本発明者らの研究によると、δフェライトを必ずし
も0.3%未満に消滅させる必要がなく、しかも熱間変
形能を悪化させる要因はδフェライトだけではない。さ
らに特開昭59−53623号公報の方法は、均熱後、
950℃以下の表面温度で圧延を開始することによっ
て、割れを防止するものであるが、割れ防止効果が十分
とはいえない。
【0005】この発明の目的は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼の連続鋳造鋳片の熱間圧延時における熱間変形
能の悪化を抑制して割れの発生を防止する分塊圧延法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意試験検討を行った。その結果、オース
テナイト系ステンレス鋼のSUS316Lの連続鋳造鋳
片のフェライト量、S含有量、高温引張試験(1000
℃)における断面減少率の間には、図1に示すとおり、
フェライト量が1〜4%の場合断面減少率が大きく、変
形能が高いことが判明した。そこでオーステナイト系ス
テンレス鋼の連続鋳造鋳片のフェライト量と化学成分を
重量%で表し、Niバランス=30(C+N)+0.5
Mn+Ni+8.21.1(1.5Si+Cr+Mo
+0.5Nb)で決まるNiバランスとの関係を調査し
たところ、図2に示すとおりであった。すなわち、Ni
バランスを0.0ないし1.5とすれば、オーステナイ
ト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片のフェライト量を1〜
4%に制御できることが判明した。そこでこの結果を明
らかにするため、Niバランスと断面減少率の関係を調
査した。その結果図3に示すとおり、Niバランス
0.0ないし1.5とすれば、断面減少率40%以上を
確保することができる。
【0007】さらに、オーステナイト系ステンレス鋼の
分塊圧延における割れに関連する熱間変形能に及ぼすS
の影響を調査するため、熱間変形能を表わす高温ねじり
試験を実施し、S含有量とねじり回数との関係を求め
た。その結果図4に示すとおり、連続鋳造鋳片のS含有
量を0.001%(10ppm)以下とすることによ
り、ねじり回数が向上し、熱間変形能の悪化が抑制でき
ることを見い出した。さらにまた、連続鋳造後の加熱
度と加熱時間および分塊圧延における割れの発生につい
て試験したところ、図5に示すとおり、1240℃〜
250℃で7時間〜10時間加熱することによりオース
テナイト粒の粗大化が抑制され、分塊圧延における割れ
の発生を防止できることを見い出し、この発明に到達し
た。
【0008】すなわちこの発明は、Cr:16〜18
%、Ni:12〜15%、Mo:2〜5%を含有するオ
ーステナイト系ステンレス鋼の化学成分を重量%で表示
し、Niバランス=30(C+N)+0.5Mn+Ni
+8.21.1(1.5Si+Cr+Mo+0.5N
b)で決まるNiバランスを0.0ないし1.5、S≦
0.001%を満たすように溶製して連続鋳造したの
ち、1240℃〜1250℃で7時間〜10時間加熱
分塊圧延するのである。
【0009】
【作用】この発明において、Cr:16〜18%、N
i:12〜15%、Mo:2〜5%を含有するオーステ
ナイト系ステンレス鋼の化学成分を重量%で表示し、N
バランス=30(C+N)+0.5Mn+Ni+8.
1.1(1.5Si+Cr+Mo+0.5Nb)で
決まるNiバランスを0.0〜1.5としたのは、Ni
バランスが1.5を超えるとフェライト量が少なくなり
すぎて熱間変形能が低下し、割れ発生が多くなり、ま
た、逆にNiバランスが0.0以下になると、フェライ
ト量が多くなりすぎてかえって熱間変形能が低下し、割
れ発生量が多くなるからである。
【0010】Cr:16〜18%、Ni:12〜15
%、Mo:2〜5%を含有するオーステナイト系ステン
レス鋼のS含有量を0.001重量%以下としたのは、
S含有量が0.001重量%を超えると熱間変形能が急
激に悪化すると共に、NiS等の高融点化合物あるいは
主としてγ粒界へのSの偏析による割れが発生するから
である。また、連続鋳造後の加熱温度および加熱時間を
1240℃〜1250℃で7時間〜10時間としたの
は、1240℃未満では温度が低いために熱間加工性が
悪化し、割れが発生し、また、1250℃以上の温度に
加熱するとオーステナイト粒が粗大化して熱間加工性が
悪化し、同様に割れが発生するからである。また、12
40℃〜1250℃であっても、加熱時間が7時間未満
では割れが発生し、また、10時間を超えると熱間加工
性が悪化し、同様に割れが発生するからである。
【0011】この発明においては、上記のとおりCr:
16〜18%、Ni:12〜15%、Mo:2〜5%を
含有するオーステナイト系ステンレス鋼の化学成分を重
量%で表示して決まるNiバランスを0.0〜1.5、
S≦0.001%に溶製し、連続鋳造後得られた鋳片を
1240℃〜1250℃で7時間〜10時間加熱して
塊圧延するから、熱間加工性が改善され、しかも、オー
ステナイト粒の粗大化による変形能の悪化が抑制され、
分塊圧延における割れの発生を防止することができる。
【0012】
【実施例】実施例1 VOD炉にて表1に示す基本成分、Niバランスのオー
ステナイト系ステンレス鋼を溶製し、連続鋳造により4
13mm×540mmのブルームを得た。他の鋳造条件
は、冷却条件、電磁攪拌条件を含めて通常作業とした。
得られた各ブルームは、上面および側面に断熱材をかぶ
せて放熱を防ぎ高温ブルームを製造した。この各高温ブ
ルームを分塊圧延工場へ運搬し、保温カバー内で10分
間保持したのち、加熱炉に装入して1240℃ないし
280℃に急速加熱し、6.0ないし12時間加熱
ち抽出し、分塊圧延して直径178〜335mmの丸
鋼あるいは丸ビレットとした。そして各丸鋼あるいは丸
ビレットの割れの有無を調査した。その結果を表2に示
す。なお、表2中の焼出しとは、ひび割れにより圧延不
能となった場合をいう。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】表1および表2に示すとおり、オーステナ
イト系ステンレス鋼のNiバランスを0.0〜1.5、
S≦0.001重量%に溶製し、連続鋳造したのち、
られた鋳片を1240℃〜1250℃で7時間〜10時
加熱したのち分塊圧延した試験No.1、2、4およ
び7の本発明法の場合は、いずれも割れの発生がない
が、1250℃を超える温度または10時間以上加熱
るいはNiバランスが0.0以下または1.5を超える
場合は、いずれも割れが発生し、あるいは焼出しが発生
してそのままでは製用素材としては使用不能であっ
た。
【0016】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片の分
塊圧延において、熱間変形能の悪化を抑制して割れの発
生を防止できるから、製品歩留の向上ならびに分塊圧延
材の手入れロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片
のフェライト量、S含有率、高温引張試験における断面
減少率の関係を示すグラフである。
【図2】オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片
のフェライト量、S含有率、Niバランスとの関係を示
すグラフである。
【図3】オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片
のS含有率、Niバランスと高温引張試験における断面
減少率の関係を示すグラフである。
【図4】オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片
のS含有量と高温ねじり試験におけるねじり回数との関
係を示すグラフである。
【図5】オーステナイト系ステンレス鋼の連続鋳造後の
加熱温度と加熱時間および分塊圧延における割れの発生
の関係を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:16〜18%、Ni:12〜15
    %、Mo:2〜5%を含有するオーステナイト系ステン
    レス鋼の化学成分を重量%で表示して、Niバランス
    30(C+N)+0.5Mn+Ni+8.21.1
    (1.5Si+Cr+Mo+0.5Nb)で決まるNi
    バランスを0.0ないし1.5、S≦0.001%を満
    たすように溶製して連続鋳造したのち、1240℃〜
    250℃で7時間〜10時間加熱して分塊圧延すること
    を特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼連続鋳造鋳
    片の分塊圧延法。
JP7032392A 1992-02-19 1992-02-19 オーステナイト系ステンレス鋼連続鋳造鋳片の分塊圧延法 Expired - Lifetime JP2720693B2 (ja)

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