JP2720669B2 - レーザービームによる厚板の溶断方法 - Google Patents
レーザービームによる厚板の溶断方法Info
- Publication number
- JP2720669B2 JP2720669B2 JP3321453A JP32145391A JP2720669B2 JP 2720669 B2 JP2720669 B2 JP 2720669B2 JP 3321453 A JP3321453 A JP 3321453A JP 32145391 A JP32145391 A JP 32145391A JP 2720669 B2 JP2720669 B2 JP 2720669B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- laser beam
- nozzle
- assist gas
- thick plate
- concrete
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Laser Beam Processing (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融ドロスが溶断溝中で
再固化することなく効率的に除去できるようにしたレー
ザービームによる厚板の溶断方法の改良に関する。
再固化することなく効率的に除去できるようにしたレー
ザービームによる厚板の溶断方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザービームを照射して物体を切断す
る場合、レーザービームによって溶融したドロスを除去
するために従来からアシストガスを吹き付け、溶融ドロ
スを吹き飛ばす方法が取られている。
る場合、レーザービームによって溶融したドロスを除去
するために従来からアシストガスを吹き付け、溶融ドロ
スを吹き飛ばす方法が取られている。
【0003】しかし、切断対象が例えばコンクリートで
ある場合のように厚くなり、溶融温度が高くなると、溶
融ドロスの抜けが悪くなり、そのためレーザービームが
ドロスに遮られある深さ以上は切断深さを深くすること
はできない。つまり、ガスで吹き飛ばされたドロスが切
断溝の中で温度低下につれて再固化し、後から除去され
てくるドロスの進路を塞ぐからである。この対策として
アシストガスを高温にしてドロスの冷却を防止する方法
も実用化されている。
ある場合のように厚くなり、溶融温度が高くなると、溶
融ドロスの抜けが悪くなり、そのためレーザービームが
ドロスに遮られある深さ以上は切断深さを深くすること
はできない。つまり、ガスで吹き飛ばされたドロスが切
断溝の中で温度低下につれて再固化し、後から除去され
てくるドロスの進路を塞ぐからである。この対策として
アシストガスを高温にしてドロスの冷却を防止する方法
も実用化されている。
【0004】この従来方法は図2に示すように、レーザ
ービーム用ノズル1の内部に焦点距離の比較的長い集光
レンズ2を配置し、このレンズ2を用いて炭酸ガスレー
ザなどの高出力のレーザービーム3を集光させてノズル
口4を通し、その熱的現象を利用して物体5を溶断す
る。また、同時にパイプ6を通じてアシストガス7がノ
ズル1内に送り込まれ、切断によって生じた溶融ドロス
を吹き飛ばす。この場合、パイプ6の経路途中にヒータ
8を設けることによってアシストガス7を加熱してい
る。
ービーム用ノズル1の内部に焦点距離の比較的長い集光
レンズ2を配置し、このレンズ2を用いて炭酸ガスレー
ザなどの高出力のレーザービーム3を集光させてノズル
口4を通し、その熱的現象を利用して物体5を溶断す
る。また、同時にパイプ6を通じてアシストガス7がノ
ズル1内に送り込まれ、切断によって生じた溶融ドロス
を吹き飛ばす。この場合、パイプ6の経路途中にヒータ
8を設けることによってアシストガス7を加熱してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の溶断方法にあっては、アシストガスの温度が
高い場合には切断用ノズル1内の集光レンズ2を痛める
ため、焦点距離を長くしたとしても供給するアシストガ
スの温度に上限があり、思うような冷却防止効果が得ら
れなかった。
うな従来の溶断方法にあっては、アシストガスの温度が
高い場合には切断用ノズル1内の集光レンズ2を痛める
ため、焦点距離を長くしたとしても供給するアシストガ
スの温度に上限があり、思うような冷却防止効果が得ら
れなかった。
【0006】本発明は以上の問題を解決するものであっ
て、その目的は集光レンズに悪影響を与えずに溶融ドロ
スの冷却を防止しつつ排出することにより、板厚の厚い
物体であっても効率よく切断できるようにしたレーザー
ビームによる厚板の溶断方法を提供するものである。
て、その目的は集光レンズに悪影響を与えずに溶融ドロ
スの冷却を防止しつつ排出することにより、板厚の厚い
物体であっても効率よく切断できるようにしたレーザー
ビームによる厚板の溶断方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、レーザービーム用のノズルからレーザー
ビームのみを照射して厚板を溶断する際に、高温に加熱
されたアシストガスを前記ノズルとは別のノズルからレ
ーザービームの照射位置後方より前記レーザービームの
焦点位置に向けて吹き付けることを特徴とする。
めに本発明は、レーザービーム用のノズルからレーザー
ビームのみを照射して厚板を溶断する際に、高温に加熱
されたアシストガスを前記ノズルとは別のノズルからレ
ーザービームの照射位置後方より前記レーザービームの
焦点位置に向けて吹き付けることを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成により、アシストガスの温度及び吹き
付け圧力をレーザービーム用のノズルに影響されること
なく、自由に設定できる。
付け圧力をレーザービーム用のノズルに影響されること
なく、自由に設定できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面を用いて
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0010】図1はこの発明をコンクリート溶断に適用
したものである。図において、略L字形に形成されたレ
ーザービーム用ノズル10はレーザービームのみを照射
するものであり、その内部にはベントミラー12及び集
光レンズ14が配置され、炭酸ガスレーザなどの高出力
のレーザービーム16を屈折させると共に、集光レンズ
14を通じてノズル口18の先端におけるコンクリート
20の表面に対して直交し、かつ該コンクリート20の
表面よりやや奥で集光させることにより、この焦点位置
Fにおける熱的現象を利用してコンクリート20を溶断
する。
したものである。図において、略L字形に形成されたレ
ーザービーム用ノズル10はレーザービームのみを照射
するものであり、その内部にはベントミラー12及び集
光レンズ14が配置され、炭酸ガスレーザなどの高出力
のレーザービーム16を屈折させると共に、集光レンズ
14を通じてノズル口18の先端におけるコンクリート
20の表面に対して直交し、かつ該コンクリート20の
表面よりやや奥で集光させることにより、この焦点位置
Fにおける熱的現象を利用してコンクリート20を溶断
する。
【0011】このレーザービーム用ノズル10の矢印で
示す切断方向(同図中で左方向)の後部側にはアシスト
ガス用ノズル22がそのノズル口24を前記焦点位置F
に向けて配置され、アシストガス用ノズル22はレーザ
ービーム用ノズル10とともに切断方向に移動してい
る。このノズル22の後部にはヒータ26が配置され、
図示しないガス供給用ボンベあるいはコンプレッサより
パイプ28を通じて所定の圧力でノズル口24に向けて
送られるアシストガス30を加熱している。
示す切断方向(同図中で左方向)の後部側にはアシスト
ガス用ノズル22がそのノズル口24を前記焦点位置F
に向けて配置され、アシストガス用ノズル22はレーザ
ービーム用ノズル10とともに切断方向に移動してい
る。このノズル22の後部にはヒータ26が配置され、
図示しないガス供給用ボンベあるいはコンプレッサより
パイプ28を通じて所定の圧力でノズル口24に向けて
送られるアシストガス30を加熱している。
【0012】このヒータ24の手段としては例えばプラ
ズマアーク,レーザービームあるいは電熱線などの手段
が与えられるが、切断対象であるコンクリート20の溶
融温度より高い1000℃以上の高温が得られることが
望ましい。
ズマアーク,レーザービームあるいは電熱線などの手段
が与えられるが、切断対象であるコンクリート20の溶
融温度より高い1000℃以上の高温が得られることが
望ましい。
【0013】したがって、図に示すごとくコンクリート
20はレーザービーム16の照射により順次垂直に溶断
される。またこれによって生じた縦溝A内に吹き込まれ
たアシストガス30は既に溶断された溝Aの後方に向け
て高温で移動し、溶融ドロスを効率よく吹き飛ばすこと
になり、溶断深さDをその出力に応じて十分に深いもの
とすることができるのである。
20はレーザービーム16の照射により順次垂直に溶断
される。またこれによって生じた縦溝A内に吹き込まれ
たアシストガス30は既に溶断された溝Aの後方に向け
て高温で移動し、溶融ドロスを効率よく吹き飛ばすこと
になり、溶断深さDをその出力に応じて十分に深いもの
とすることができるのである。
【0014】なお、前記実施例では溶断対象としてコン
クリートを掲げたが、他の材料からなる溶融温度の高い
厚板でも十分に適用でき、この場合のアシストガスの温
度及び圧力はその素材に応じて設定できる。
クリートを掲げたが、他の材料からなる溶融温度の高い
厚板でも十分に適用でき、この場合のアシストガスの温
度及び圧力はその素材に応じて設定できる。
【0015】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明したよう
に、本発明にかかるレーザービームによる厚板の溶断方
法にあっては、アシストガス吹付用のノズルが一つでよ
いので構成が簡単であるとともに、アシストガスの温度
及び吹き付け圧力をレーザービーム用のノズルに影響さ
れることなく自由に設定できるため、十分に高温のガス
により溶融ドロスを吹き飛ばすことができ、従来に比べ
て溶断対象素材の範囲が広くなるとともに、さらにカー
フの下端が内部に位置するような厚板を溶断する際でも
溶融ドロスを効率よく吹き飛ばして溶断深さを深くする
ことができる。
に、本発明にかかるレーザービームによる厚板の溶断方
法にあっては、アシストガス吹付用のノズルが一つでよ
いので構成が簡単であるとともに、アシストガスの温度
及び吹き付け圧力をレーザービーム用のノズルに影響さ
れることなく自由に設定できるため、十分に高温のガス
により溶融ドロスを吹き飛ばすことができ、従来に比べ
て溶断対象素材の範囲が広くなるとともに、さらにカー
フの下端が内部に位置するような厚板を溶断する際でも
溶融ドロスを効率よく吹き飛ばして溶断深さを深くする
ことができる。
【図1】本発明をコンクリートの溶断に適用した実施例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図2】従来のアシストガスを用いた溶断方法を示す説
明図である。
明図である。
10 レーザービーム用ノズル 18 ノズル口 20 コンクリート(溶断対象物) 22 アシストガス用ノズル 24 ノズル口 26 ヒータ 30 アシストガス
Claims (1)
- 【請求項1】 レーザービーム用のノズルからレーザー
ビームのみを照射して厚板を溶断する際に、高温に加熱
されたアシストガスを前記ノズルとは別のノズルからレ
ーザービームの照射位置後方より前記レーザービームの
焦点位置に向けて吹き付けることを特徴とするレーザー
ビームによる厚板の溶断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3321453A JP2720669B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | レーザービームによる厚板の溶断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3321453A JP2720669B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | レーザービームによる厚板の溶断方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05131286A JPH05131286A (ja) | 1993-05-28 |
JP2720669B2 true JP2720669B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=18132733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3321453A Expired - Lifetime JP2720669B2 (ja) | 1991-11-11 | 1991-11-11 | レーザービームによる厚板の溶断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2720669B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4556618B2 (ja) * | 2004-10-29 | 2010-10-06 | ソニー株式会社 | レーザ加工装置 |
US8729427B2 (en) * | 2009-03-27 | 2014-05-20 | Electro Scientific Industries, Inc. | Minimizing thermal effect during material removal using a laser |
US8383984B2 (en) | 2010-04-02 | 2013-02-26 | Electro Scientific Industries, Inc. | Method and apparatus for laser singulation of brittle materials |
DE102011085772A1 (de) * | 2011-11-04 | 2013-05-08 | Hilti Aktiengesellschaft | Verfahren zum rückstandlosen Abtragen von mineralischen Baumaterialien und Werkzeugmaschine |
CN103008883B (zh) * | 2012-12-31 | 2015-06-24 | 中国科学院半导体研究所 | 一种高压水流辅助的激光切割装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5857916A (ja) * | 1981-10-02 | 1983-04-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 樹脂材料のレ−ザ加工方法 |
JPH02224886A (ja) * | 1989-02-28 | 1990-09-06 | Yoshiaki Arata | 複合レーザー切断ノズルとドロスフリー切断法 |
-
1991
- 1991-11-11 JP JP3321453A patent/JP2720669B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05131286A (ja) | 1993-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6800831B1 (en) | Method and device for rapid cutting of a workpiece from a brittle material | |
JP5105944B2 (ja) | レーザ装置 | |
US4684779A (en) | Laser welding metal sheets with associated trapped gases | |
US4377735A (en) | Laser working treatment process capable of controlling the form of heated portion of a steel material | |
JPS60251138A (ja) | ガラスの切断方法 | |
JP2720669B2 (ja) | レーザービームによる厚板の溶断方法 | |
JP3083320B2 (ja) | 取り除き工具に対して移動される金属被加工物から物質を取り除く装置 | |
JP2004306106A (ja) | レーザ加工ヘッド | |
JPS60216989A (ja) | レ−ザビ−ム加工装置 | |
JPH03501364A (ja) | レーザビームを用いてワーク表面を微細加工する方法 | |
JP3635199B2 (ja) | 熱間圧延鋼片の突合せ溶接用レーザ溶接ノズル | |
JP4709599B2 (ja) | レーザ加工方法,レーザ加工装置,およびレーザ加工方法にて製造された構造部材 | |
JPS61135497A (ja) | レ−ザ反射光阻止用遮幣装置 | |
JPH06198472A (ja) | 高速レーザ溶接法 | |
JP2865543B2 (ja) | レーザ加工ヘッド | |
Powell et al. | Laser cutting stainless steel with dual focus lenses | |
JPH03107447A (ja) | プラズマ溶射方法 | |
JPH08118053A (ja) | ワーク切断方法 | |
JP2003053579A (ja) | レーザ加工装置及び加工方法 | |
US7191509B2 (en) | Method for adjusting the switch-gap between the contact tongues of a reeds switch | |
KR100347952B1 (ko) | 유리 절단 방법 | |
JPH01202387A (ja) | レーザー切断方法 | |
JPS61159293A (ja) | レ−ザ加工方法 | |
JPS6174795A (ja) | レ−ザ−加工ヘツド | |
JPH09239577A (ja) | レーザ加工装置の加工ノズル |