JP2719619B2 - 移動通信チャネル割当て制御方法 - Google Patents

移動通信チャネル割当て制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は移動通信のチャネル割当て制御方法に関し、
特に周波数の有効利用を図るために空間的な繰り返し利
用度の向上を目指して各基地局で分散的に行うチャネル
割当て制御技術に関する。
(従来の技術) 移動通信においては、需要の増加に対応するためにゾ
ーンの半径を狭めて同一周波数の繰り返し利用度を高め
る小ゾーン化、極小ゾーン化が進められる。同様に繰り
返し利用度を高める手段として、無線チャネルを固定的
に配置して繰り返すのではなく、個々の通信毎に所望の
希望波対干渉波電力比(D/U比)を必要最小限に満足す
るチャネルをダイナミックに配置して割り当て、フレキ
シブルに繰り返し利用間隔を定めることにより、平均の
繰り返し利用間隔を縮小するチャネル割当て制御方法が
ある(特願昭63−292450号明細書「移動通信方式」参
照)。この方法は、基地局の上位の制御局、あるいは基
地局において、周辺の基地局の詳細なチャネル使用状況
情報を収集し、各チャネルを比較して最適なチャネルを
選択することにより、最大の周波数の有効利用を実現す
るものである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来の方法においては、チャネル
割当ての制御のための処理の負荷、情報の転送のための
局間の情報伝送量が増大するといった面が存在した。こ
れらは、システムコストや接続遅延等に影響を及ぼす要
因となり、周波数の有効利用が重要な移動通信システム
において問題であった。
本発明の目的は、制御負荷の増大を抑制し、チャネル
割当ての制御のための情報転送を行う必要がなく、かつ
周波数の空間的な利用度も向上させるチャネル割当て制
御方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は前記問題点を解決するために、複数の移動局
と通信接続を行う小無線ゾーンを構成する複数の基地局
がサービスエリア内に分布し、各基地局には各移動局と
の通信に用いる複数の無線通信チャネルと、通信時以外
に制御情報の伝送に用いる無線制御チャネルを配置し、
通信接続要求が発生した時点で品質条件を満足する無線
通信チャネルを選択して割り当てる移動通信方式におい
て、全無線通信チャネルを複数のチャネルグループに分
割し、該チャネルグループを通信における受信レベルに
応じて使い分けるために該チャネルグループのチャネル
を使用する移動局と基地局間の通信のために必要な受信
レベルの下限値を各チャネルグループ毎に設定したこと
に特徴がある。
(作用) 以上のような構成を有する本発明によれば、次の条件
を満足する無線通信チャネルを選択して割り当てる。第
1の条件として、各無線ゾーン内で生起する通信接続要
求に割り当てる無線通信チャネルとして、通信接続要求
を行っている移動局と基地局間の無線制御チャネルの受
信レベルから求まる通信における受信レベルが前記下限
値を満足するチャネルグループに属する。第2の条件と
して、通信接続に使用された場合に希望波対干渉波電力
比が品質条件を満足する。
したがって、本発明は前記問題点を解決でき、制御負
荷の増大を抑制し、チャネル割当ての制御のための情報
転送を行う必要がなく、かつ周波数の空間的な利用度も
向上できる移動通信チャネル割当て制御方法を提供でき
る。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
はじめに、本発明において周波数の利用効率向上が可
能な原理を第5図を用いて説明する。
第5図は移動通信システムにおいて、周波数が繰り返
し利用されている状況を表したものであり、図には説明
上3つの無線ゾーン、2周波数の繰り返し利用しか表さ
れていないが、実際にはサービスエリアは無線ゾーンで
すきまなく埋められ、より多くの周波数が繰り返し利用
されている。同図において、1,2,3は無線ゾーン、4,5,6
は無線基地局、7〜10は移動局、11〜14は基地局とそれ
ぞれの移動局との通信接続を表す。ここで、通信接続1
1,13が12,14より太い線で表されているのは、11,13は1
2,14と比較して通信条件が良いため同一送信条件に対し
てより高い受信レベルが得られることを表す。
ここで、通信接続11と13、12と14でそれぞれ同一周波
数を繰り返し利用できることを示す。通信条件がより11
と13においては、高希望波受信レベルが得られるため高
干渉波受信レベルに耐えられ、所要の希望波対干渉波電
力比(D/U)は繰り返し利用間隔15で満足される。一
方、通信条件がそれほど良くない12と14においては、所
要D/Uを満足するため干渉波受信レベルを低く抑えるた
めに間隔16離れた距離で再利用可能となる。つまり、よ
り通信品質が良いものに対してはより短い間隔で周波数
の繰り返し利用が可能であることから、通信における希
望波受信レベルと干渉波受信レベルを見てチャネル割当
て時に必要最小限の利用間隔のチャネルを選択すること
により周波数の利用効率を向上できる。
次に、本発明において上記の周波数利用効率向上可能
なチャネル割当て制御を基地局における分散制御で実現
できる原理を説明する。
チャネル割当てにおいて、1周波数を繰り返し利用す
るためには干渉が生じないことが必要条件であるが、そ
れは干渉が発生する可能性のある箇所すべてに対して保
証されなければならない。第6図の2通信間の周波数の
繰り返し利用を例に説明する。17,18は無線ゾーン、19,
20は無線基地局、21,22は移動局、23,24は通信接続、2
5,26は干渉波の到来を表し、27〜30は干渉が発生する箇
所を表す。例えば、無線ゾーン17の基地局19と移動局21
の間の通信接続23にあらたにチャネルを割当てる時、27
〜30の箇所すべてにおいて所要のD/Uを満足することを
確認する必要がある。従って、チャネルを割り当てるゾ
ーン17のみならず周辺で同一チャネルを使用するゾーン
18の状況も考慮する必要があるため、従来技術では基地
局の上位の局にそれら周辺ゾーンすべての情報を集めて
判断させる方式やゾーン17に情報を転送させて割当てチ
ャネルを選択させる方式が検討されてきた。
本発明では、それらと同等のことをチャネル割当てを
行うゾーン内で得られる情報のみで行うために、各ゾー
ンでそれぞれのチャネルを使用する通信の品質が推定で
きるように予め各チャネルを使用するための受信レベル
条件を規定することを特徴とする。これにより、システ
ム内で同一チャネルを使用する各通信の受信レベルは同
等になることと、各通信間相互が受ける干渉状態は高い
相関を持つことにより、チャネル割当てを行おうとする
ゾーンにおいて所定のD/Uを満足することが認められる
と、周辺の同一チャネルを使用する通信においても品質
を満足することが適当な確率で保証される。
上記のことを第6図を用いて、i)送信電力制御を行
わない場合、ii)送信電力制御を行う場合、iii)上り
のみ送信電力制御を行う場合について、それぞれ具体的
に説明する。
同図のP,P′はそれぞれ基地局19,20の実行送信出力
[dB]、p,p′はそれぞれ移動局21、22の実行送信出力
[dB]を表すものとする。受信電界レベルは実行送信出
力と伝搬損失の差で求まり、D/Uは希望波レベルと干渉
波レベルの差で求まる。27〜30の干渉発生箇所における
D/U1〜4は次式で求まる。
干渉箇所27:D/U1=(p−L1)−(p′−L3) 干渉箇所28:D/U2=(P−L1)−(P′−L4) 干渉箇所29:D/U3=(p′−L2)−(p−L4) 干渉箇所30:D/U4=(P′−L2)−(P−L3) 上記で述べたように本発明では、同一周波数は同等の
通信条件で使用されるため、L1≒L2の関係がある。
i)送信電力制御を行わない場合 P≒P′、p≒p′より、 D/U1≒L3−L1≒D/U4 D/U2≒L4−L1≒D/U3 D/U3≒L4−L2≒D/U2 D/U4≒L3−L2≒D/U1 よって干渉箇所27と29のD/Uは同等である。
ii)送信電力制御を行う場合 受信レベルが一定になるように制御されるため、P−
L1≒P′−L2、p−L1≒p′−L2より、 D/U1≒L3−L2≒D/U4 D/U2≒L4−L2≒D/U3 D/U3≒L4−L1≒D/U2 D/U4≒L3−L1≒D/U1 よって、干渉箇所27と30、干渉箇所28と29のD/Uは同
等である。
iii)上りのみ送信電力制御を行う場合 P≒P′、p−L1≒p′−L2より、 D/U1≒L3−L2≒D/U4 D/U2≒L4−L1≒D/U3 D/U3≒L4−L1≒D/U2 D/U4≒L3−L2≒D/U1 よって、干渉箇所27と30、干渉箇所28と29のD/Uは同
等である。
いずれの場合においても、ゾーン18内のD/Uはゾーン1
7内のD/Uと同等となるため、ゾーン17内で所定のD/Uを
満足することが確認できると割当てチャネルとして品質
が保証されることになる。
上記の例は、2通信間の単純なモデルで条件も簡単化
したため、2通信間のD/Uはほぼ等しくなる結果となる
が、実システムでは必ずしも理想的な条件ではないため
一概に同等になるとあ言えない。しかしながら、各通信
間で同等の条件でチャネルを使用することにより相互の
D/Uは高い相関を持つことになり、所要D/Uにある程度の
マージンを持たせて割当てチャネルを選択することによ
り、十分な確率で周辺ゾーンにおいても所定の条件を満
足させることが可能となる。
第1図は本発明の一実施例の構成例を示したものであ
る。同図において、31,32,33は無線ゾーン、34,35,36は
移動局、37は基地局の制御チャネル用無線機、38,39,40
は基地局の通信用無線機、41は基地局制御装置である。
全無線通信チャネルは複数のチャネルグループに分割さ
れて、各チャネルグループには通信のために必要な受信
レベルの下限値が設定されている。つまりその下限値以
上の受信レベルがある時にそのチャネルで通信できる。
通信接続以前においては、基地局と移動局は無線通信チ
ャネルを介して制御情報のやりとりを行い、通信に用い
る無線通信チャネルは制御装置で選択されて割り当てら
れる。
以下、待ち受け時から移動局35との間に通信接続要求
が生じてからチャネルが割り当てられるまでの基地局の
動作を第3図のフローチャートを用いて説明する。
待ち受け時において、基地局ではシステムに割当てら
れたチャネルであって、使用中でないものを空き通信用
無線機38に設定し、受信レベルを検出し、制御装置41に
通知する。このレベルはこの無線ゾーンにおいては未使
用のチャネルから周辺ゾーン32,33において同一チャネ
ルを使用している移動局34,36からの干渉波受信レベル
(Uはレベル)に相当する。このレベルに応じて制御装
置41はチャネルの分類を行うが、その分類テーブルの一
例を第2図に示す。第2図の縦軸はチャネルグループ、
横軸は待ち受け時に検出した上りの干渉波受信レベルで
あり、#1〜#5はグループ番号、l1〜l5は各グループ
のチャネルの受信レベルの下限値、図中太い線はチャネ
ルグループ#3において所定のD/Uを満足する干渉波受
信レベルのしきい値である。このしきい値は各チャネル
グループで異なり、ここでは、チャネルf1、f2は所定の
D/Uを満足するが、f3は満足していない例を示してい
る。
移動局35との間に通信接続要求が生じたとき、移動局
35と基地局の間の通信における希望波受信レベルは制御
用無線機37での移動局38からの制御信号の制御チャネル
の受信レベル(つまりD波レベル)より推定され、制御
装置41に通知される。制御装置41では、該受信レベルか
ら第2図のチャネル分類テーブルを参照し、満足する下
限値のうち最大の下限値のチャネルグループを割当てチ
ャネルを選ぶグループとする。つまり受信レベルの余裕
が最も少ないチャネルグループを選ぶ。そして、グルー
プ内のチャネルのうち所定D/Uのしきい値を満足する1
ないし複数のチャネルを割当てチャネル候補として選択
する。もし、該グループにしきい値を満足するチャネル
が存在しなければ、1ランク下のグループつまり受信レ
ベルの余裕が少しあるグループの中から選択する。選択
された割当てチャネル候補は無線制御チャネルを介して
移動局35に通知され、移動局35は指定された割当てチャ
ネル候補に無線制御チャネルから一旦切り替え、受信レ
ベルを検出する。このチャネルも移動局が使用している
のでないからこのレベルは周辺ゾーン32、33において同
一チャネルを使用している基地局の通信用無線機39、40
からの干渉波受信レベル(つまりU波レベル)に相当す
る。この干渉波受信レベルは同様に無線制御チャネルを
介して基地局に通知され、制御装置41において下りのD/
Uが満足されるかどうかの確認がされて、最終的にひと
つのチャネルが選択されて割り当てられる。
上記の例において、チャネル分類テーブルから割当て
チャネルの候補を絞っていく段階や、移動局で下りD/U
の確認を行って割当てチャネルを選択する段階で各種の
アルゴリズムが考えられる。例えば、所定の条件に対し
て余裕が小さいものから、あるいは大きいものから選ぶ
か、いくつ残すが、選び直しを行うか等各種考えられる
が、本発明の範囲においてはいずれの適応可能であり、
限定するものではない。
ここで説明に用いた構成例は、発明の内容を説明する
ために用いた一例であり、本発明の主旨を実現するもの
は上記の構成に限ったものではなく、他のD/U検出法に
おいても適応可能である。また、上り下り両方のD/Uの
確認を行わなくても片方の確認だけで、所定のD/Uに他
方の品質も保証するだけのマージンを加えることによっ
て、周波数の利用効率は劣るが実現可能である。
また、上記のように送信電力制御適用時においても本
発明は適応可能である。その場合は、受信レベルが各チ
ャネルグループ毎にその下限値になるように送信電力は
制御される。
第4図は本実施例の効果を示すシミュレーション結果
である。同図(a)は従来の固定チャネル配置を用いた
場合の呼損率、周辺干渉率を、同図(b)は従来のダイ
ナミックチャネル配置を用いたとき、同図(c)は本発
明を用いたときの結果を示す。同図(b)と(c)はシ
ステムに割当てられた全チャネルを対象にダイナミック
チャネル割当てを行う場合である。従って、同図(b)
では干渉率が大きくなるが、本実施例により干渉率が軽
減される。また、従来の固定チャネル配置の場合より呼
損率は小さくなる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、周波数の空間
的な利用度を向上させるチャネル割当て制御を基地局に
閉じ込めた分散制御で実現させるため、集中的な制御を
行うための大規模な制御装置や多くの情報を集めるため
の制御回線が必要なくなり、経済的にも優れた大容量な
移動通信システムの構築が可能な利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成例を示す図、 第2図は本実施例におけるチャネル分類テーブルの一例
を示す図、 第3図は本実施例の動作を示すフローチャート、 第4図は本実施例の特性を示す図、 第5図は本発明に係る移動通信システムにおける周波数
が繰り返し利用されている状況を表した図、 第6図は2通信間の周波数の繰り返し利用の一例を表す
図である。 1,2,3,17,18,31,32,33……無線ゾーン、 4,5,6,19,20……無線基地局、 7〜10,21,22,34,35,36……移動局、 11〜14、23、24……通信接続、 15,16……同一周波数の繰り返し利用間隔、 25,26……干渉波、 27〜30……干渉が発生する箇所、 37……制御チャネル用無線機、 38,39,40……基地局の通信用無線機、 41……基地局制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 淳 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−141036(JP,A) 特開 昭63−180229(JP,A) 特開 平2−192231(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の移動局と通信接続を行う小無線ゾー
    ンを構成する複数の基地局がサービスエリア内に分布
    し、各基地局には各移動局との通信に用いる複数の無線
    通信チャネルと、通信時以外に制御情報の伝送に用いる
    無線制御チャネルを配置し、通信接続要求が発生した時
    点で品質条件を満足する無線通信チャネルを選択して割
    り当てる移動通信方式において、 全無線通信チャネルを複数のチャネルグループに分割
    し、該チャネルグループを通信における受信レベルに応
    じて使い分けるために該チャネルグループのチャネルを
    使用する移動局と基地局間の通信のために必要な受信レ
    ベルの下限値を各チャネルグループ毎に設定し、 各無線ゾーン内で生起する通信接続要求に割り当てる無
    線通信チャネルとして、該通信接続要求を行っている移
    動局と基地局間の無線制御チャネルの受信レベルから求
    まる通信における受信レベルが前記下限値を満足するチ
    ャネルグループに属し、かつ通信接続に使用された場合
    に希望波対干渉波電力比が品質条件を満足する無線通信
    チャネルを選択して割り当てることを特徴とするチャネ
    ル割当て制御方法。
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