JP2719066B2 - カラー感熱プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギーで発色す
るカラー感熱記録材料を用いたカラー感熱プリンタに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】カラー感熱記録材料としては、例えば特
開昭６１ー２１３１６９号に記載されているように、マ
ゼンタ感熱発色層，シアン感熱発色層，イエロー感熱発
色層を支持体上に順次層設したものが知られている。こ
のカラー感熱記録材料は、下層の感熱発色層ほど熱記録
感度が低く、また各感熱発色層は特有の電磁線で光定着
する性質を備えている。

【０００３】前記カラー感熱記録材料に多色画像を熱記
録する場合には、複数の発熱素子をライン状に配列した
サーマルヘッドを用い、カラー感熱記録材料とサーマル
ヘッドとを相対的に移動しながら、まずサーマルヘッド
で最上層にあるイエロー感熱発色層（第１層）を熱記録
する。このイエロー画像の熱記録後に、イエロー感熱発
色層の未発色のジアゾニウム塩化合物のみを光分解する
波長域の光を照射し、イエロー感熱発色層を光定着す
る。次に、マゼンタ感熱発色層（第２層）に、イエロー
感熱発色層よりも高い熱エネルギーを用いて、マゼンタ
感熱発色層を熱記録してから、マゼンタ感熱発色層の未
発色のジアゾニウム塩化合物のみを光分解する波長域の
光を照射して光定着する。この後、最も大きい熱エネル
ギーを用いて、シアン感熱発色層（第３層）を熱記録す
る。最後に、シアン感熱発色層に残った未発色のジアゾ
ニウム塩化合物のみを光分解する波長域の光を照射して
光定着する。第３層が非ジアゾニウム塩のシアン感熱発
色層の場合は、最後の光定着は不要である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記カラー感熱記録方
法では、１個のサーマルヘッドを用いて記録紙を３回通
過させて各層を熱記録する方法（３パス方式）と、３個
のサーマルヘッドを用いて記録紙を通過させ、１回の通
過で各層を順時熱記録する方法（１パス方式）とがあ
る。３パス方式は、サーマルヘッドが１個で済み構成が
簡単になる反面、記録紙を３回通過させる必要があり、
記録に時間を要するという問題がある。また、１パス方
式は、１回の通過でカラー記録することができる反面、
３個のサーマルヘッドを用いる必要があり、構成が複雑
かつ大型化，高価格化するという問題がある。

【０００５】本発明は、上記課題を解決するためのもの
であり、１パス方式において、サーマルヘッドの周辺を
コンパクトにまとめて小型化が図れるようにしたカラー
感熱プリンタを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、第２のサーマルヘッドを縦型に構成し、
このサーマルヘッドにより第１及び第２のランプ間の遮
光を行うようにしたものである。

【０００７】

【実施例】図１において、カラー感熱記録材料１０は、
搬送ローラ対１１，１２により一定速度で送られる。搬
送ローラ対１１，１２の間には、３個のプラテンローラ
１３，１４，１５が順に設けられている。また、これら
各プラテンローラ１３〜１５の上部には、記録材料１０
の搬送方向における上流側から、イエロー感熱発色用サ
ーマルヘッド（第１サーマルヘッド）１６，マゼンタ感
熱発色用サーマルヘッド（第２サーマルヘッド）１７，
シアン感熱発色用サーマルヘッド（第３サーマルヘッ
ド）１８が順に設けられている。各サーマルヘッド１
６，１７，１８は縦型に構成されており、機枠１９に取
りつけられている。また、サーマルヘッド１６〜１８の
下端には、発熱素子アレイ２０が設けられている。発熱
素子アレイ２０は、周知のように記録材料１０の搬送方
向に直交する方向で長く形成されており、複数個の発熱
素子がライン状に並べて構成されている。

【０００８】第１及び第２のサーマルヘッド１６，１７
間には、イエロー層定着用ランプ２５が、第２及び第３
のサーマルヘッド１７，１８間には、マゼンタ層定着用
ランプ２６が設けられている。イエロー層定着用ランプ
２５は発光ピークがほぼ４２０ｎｍの棒状をした紫外線
ランプからなり、マゼンタ層定着用ランプ２６は発光ピ
ークがほぼ３６５ｎｍの紫外線ランプからなる。これら
各ランプ２５，２６は、各サーマルヘッド１６〜１８及
び機枠１９により形成されたランプハウス内に配置され
ているため、各サーマルヘッドで確実に遮光される。し
たがって、熱記録前にその色の感熱発色層が光定着され
ることがない。

【０００９】図２はカラー感熱記録材料１０の一例を示
すものである。支持体３０の上に、シアン感熱発色層３
１、マゼンタ感熱発色層３２、イエロー感熱発色層３
３、保護層３４が順次層状に設けられている。これらの
各感熱発色層３１〜３３は熱記録される順番に表面から
層設されているが、例えばマゼンタ、イエロー、シアン
の順番に熱記録する場合には、イエロー感熱発色層とマ
ゼンタ感熱発色層とが入れ換えられる。これらの感熱発
色層３１〜３３は、深層ほど発色熱エネルギーが高いた
め、この発色熱エネルギーを変えることで３色の感熱発
色層３１〜３３を選択的に記録することができる。各発
色層の間には図示されていない中間層が設けられるのが
望ましい。

【００１０】次に、本実施例の作用を説明する。搬送ロ
ーラ対１１により記録材料１０の記録位置が第１のサー
マルヘッド１６に位置したときに、このサーマルヘッド
１６は周知の駆動回路からのイエロー感熱発色信号によ
り駆動され、イエロー画像を１ライン分熱記録する。ま
た、記録材料の送りに同期させて次のラインの感熱発色
信号によりサーマルヘッド１６が駆動されるため、感熱
記録材料には、イエロー画像が１ラインずつ次々と記録
される。このイエロー画像はランプ２５により光定着さ
れる。

【００１１】次に、イエロー画像の先端が第２のサーマ
ルヘッドの発熱部に達すると、第２のサーマルヘッド１
７により同様にしてマゼンタ画像が１ラインずつ記録さ
れる。この記録時には、イエロー画像の熱記録，定着及
びマゼンタ画像の熱記録が並列に行われる。このマゼン
タ画像も同様にして光定着ランプ２６で光定着される。
このマゼンタ画像の記録時には、イエロー感熱発色層も
加熱されるが、既に発色能力が消失されているから、イ
エロー感熱発色層が発色することはない。次に、同様に
して第３のサーマルヘッド１８によりシアン画像が１ラ
インずつ熱記録される。この時、イエロー画像，マゼン
タ画像，シアン画像の熱記録及びイエロー画像，マゼン
タ画像の定着が全て並列に行われる。シアン感熱発色層
は、感熱発色するのに必要な熱エネルギーがかなり高
く、通常の保管状態では発色することはないので、この
シアン感熱発色層に対しては光定着が省略される。この
ようにして、各サーマルヘッド１６〜１８を感熱記録材
料１０が１回通過することで、カラー画像が熱記録され
ることになる。

【００１２】なお、上記実施例では、第１及び第３のサ
ーマルヘッド１６，１８も第２サーマルヘッド１７と同
じような縦型を用いたが、これらは、図３に示すよう
に、横型サーマルヘッド４１，４２を用いてもよい。な
お、上記第１実施例と同じ構成部材には同一符号を付し
てその説明を省略している。この第２実施例の場合に
も、前記第１実施例と同じように、各サーマルヘッド１
７，４１，４２を機枠４４に取りつけて、これらサーマ
ルヘッド及び機枠によりランプハウスを構成する。第２
のヘッドを横型にすると、ヘッド／ランプ部の全体のス
ペースが非常に大きくなるが、第２のヘッドだけ縦型に
するだけで大幅なスペースダウンが可能になる。

【００１３】また、上記各実施例では一直線状に熱記録
ラインを形成したが、図４に示すような円弧状の記録ラ
インとしてもよい。この場合には、１個の大径のプラテ
ンドラム５０を設け、これの周面に順にサーマルヘッド
５１〜５３と定着用ランプ５４，５５とを交互に配置し
てもよい。そして、クランプ５６で記録材料５７の端部
を挟みプラテンドラム５０で記録材料を搬送して１回の
回転でカラー感熱記録を行う。なお、クランプ５６で記
録材料の端部を挟持する代わりに、図５に示すように、
プラテンドラム５０に接する搬送ローラ６０，６１を設
け、これによりプラテンドラム５０上を通過させてもよ
い。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
サーマルヘッドを縦型に構成してこれを仕切り板とし光
定着ランプの遮光も行うようにしたので、特別に仕切り
板や仕切り板を兼ねたリフレクタ等を設ける必要がな
く、全体の構成を簡単にできるともにこれらをコンパク
トにまとめることができる。しかも、サーマルヘッドを
縦型にするだけで簡単に１パス型のサーマルプリンタを
構成することができ、カラー感熱記録用の一体型ヘッド
を用いる必要がないため、装置を安価に製造することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカラー感熱プリンタの要部を示す概略
図である。

【図２】カラー感熱記録材料の層構造の一例を示す説明
図である。

【図３】他のカラー感熱プリンタの要部を示す概略図で
ある。

【図４】他のカラー感熱プリンタの要部を示す概略図で
ある。

【図５】他のカラー感熱プリンタの要部を示す概略図で
ある。

【符号の説明】

１０ カラー感熱記録材料 １１，１２ 搬送ローラ対 １３，１４，１５ プラテンローラ １６〜１８，４１，４２，５１〜５３ 縦型サーマルヘ
ッド ２５，２６，５４，５５ 光定着ランプ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発色する色が異なった少なくとも第１な
   いし第３の感熱発色層を備えたカラー感熱記録材料を用
   い、各感熱発色層を熱記録する第１ないし第３のサーマ
   ルヘッドと、これらサーマルヘッドの間に設けられる第
   １及び第２の光定着用のランプとにより、最上層の第１
   の感熱発色層を第１のサーマルヘッドで熱記録した後
   に、この第１の感熱発色層に特有な電磁線を前記第１の
   ランプで照射してこれを光定着し、次に第２の感熱発色
   層を第２のサーマルヘッドで熱記録した後に第２の感熱
   発色層に特有な電磁線を前記第２のランプで照射してこ
   れを光定着し、最後に最下層にある第３の感熱発色層を
   熱記録するカラー感熱プリンタにおいて、 前記第２のサーマルヘッドを縦型に構成し、このサーマ
   ルヘッドにより第１及び第２のランプ間の遮光を行うこ
   とを特徴とするカラー感熱プリンタ。