JP2718229B2 - 生物学的流体中のリガンドの遊離画分を測定する方法 - Google Patents

生物学的流体中のリガンドの遊離画分を測定する方法

Info

Publication number
JP2718229B2
JP2718229B2 JP1501274A JP50127489A JP2718229B2 JP 2718229 B2 JP2718229 B2 JP 2718229B2 JP 1501274 A JP1501274 A JP 1501274A JP 50127489 A JP50127489 A JP 50127489A JP 2718229 B2 JP2718229 B2 JP 2718229B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ligand
antibody
binding
free
thyroxine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1501274A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03502243A (ja
Inventor
ミッドグレイ,ジョン・エドワード・マウリス
シーハン,クリストファー・ペーター
クリストフィデス,ニコス・デメトリオー
Original Assignee
アマーライト・ダイアグノスティクス・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27516786&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2718229(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by アマーライト・ダイアグノスティクス・リミテッド filed Critical アマーライト・ダイアグノスティクス・リミテッド
Publication of JPH03502243A publication Critical patent/JPH03502243A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2718229B2 publication Critical patent/JP2718229B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
    • G01N33/743Steroid hormones
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • G01N33/57415Specifically defined cancers of breast
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
    • G01N33/78Thyroid gland hormones, e.g. T3, T4, TBH, TBG or their receptors

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は生物学的流体中の有機物質またはリガンドの
遊離画分の特異的結合アッセイ法に関するものであり、
その際これらの有機物質またはリガンドは遊離画分と平
衡状態で流体中に存在する蛋白質(または他の結合種)
と結合している。特に本発明は競合リガンド結合アッセ
イの分野に関するものであり:より詳細には本発明は非
−蛋白質結合物質、たとえばホルモン、生化学的メッセ
ンジャー、ステロイド、薬物、薬物代謝産物、ポリペプ
チドもしくは蛋白質、ビタミン、腫瘍抗原、毒素、アル
カロイド、単糖類、二種類もしくは多糖類の、生物学的
流体、たとえば血漿または血清中における濃度を、その
物質の蛋白質結合形の存在下で測定するために用いられ
るイムノアッセイ法に分野に関する。
多くの生理活性リガンドは生物学的流体、たとえば血
液中に遊離形および蛋白質結合形の双方として見出され
る。結合形は恐らくそのリガンドのキャリヤーとして作
用し、これは遊離リガンドが生理過程で使用し尽される
のに伴って質量作用により解離して遊離リガンドを形成
すると思われる。通常、この種類のリガンドについて
は、また特にここに述べる本発明に関しては、低い割合
のリガンドが遊離形で存在するにすぎない。従って現在
では、全体(主量の結合画分および副量の遊離画分の双
方を含む)よりむしろ遊離リガンドの濃度がこれらの物
質に付随する生理過程の制御に関与すると確信されてい
るので、生理活性の指標として遊離画分を測定する方が
診断上は重要であると思われる。
この懸念の詳細な例は、甲状腺疾患において甲状腺の
活動および臨床状態を判定する際の甲状腺ホルモンおよ
びそれらに付随する結合性蛋白質の役割によって示され
る。チロキシンに関しては循環して全ホルモンの約99.9
8%が蛋白質結合状態であり、付随するホルモン、トリ
ヨードチロニンに関しては約99.7%が同様に蛋白質結合
形である。血清または血漿中の天然蛋白質3種がチロキ
シンおよびトリヨードチロニンを結合し、実質的にすべ
ての蛋白質結合ホルモンに関与する:これらはチロキシ
ン結合性グロブリン(TBG)、チロキシン結合性プレア
ルブミン(トランスサイレチン、TBPA)およびアルブミ
ン(A)である。それにもかかわらず、現在では甲状腺
機能不全の程度は全濃度または蛋白質結合体濃度より遊
離甲状腺ホルモンの方に関連があることが認められてい
る。従ってエストロゲン療法または妊娠などの状態は遊
離ホルモン濃度に有意の平行な影響を与えることなく甲
状腺ホルモン結合性蛋白質の一部または全部の濃度の変
化を生じる可能性がある。その理由は、全(大部分は蛋
白質結合)甲状腺ホルモンの濃度が甲状腺ホルモン結合
性蛋白質の変化に合わせて変化し、その結果質量作用効
果によって一定の遊離甲状腺ホルモン濃度が維持される
からである。
上記の一般的概念の重要性を示す第2の例はヒトにお
いて性的活動および生殖活動の調節に関与するステロイ
ドホルモン、テストステロンの役割によって示される。
テストステロンは血漿および血清中に遊離形(全体の約
2%)、ならびに天然の血漿蛋白質である性ホルモン結
合性グロブリン(SHBG)およびアルブミン(A)に結合
した形(約98%)の双方で見出される。現在では、健康
な個体の下垂体−生殖腺軸を調節するのは非結合(遊
離)テストステロン濃度であると考えられている。これ
に関して唾液中の“遊離テストステロン”の測定が進め
られた。唾液腺は血液中の遊離画分のテストステロンを
ごく少量抽出しており、従って患者の状態についての比
較的正確な臨床評価を与えると考えられるからである。
さらに唾液は有意量のSHBGを含有しないので、唾液中の
テストステロンを直接に測定することにより血液中のホ
ルモンの非結合(遊離)画分がかなり正確に推定される
と思われる。同様な見解が生殖腺−下垂体軸に関与する
他のステロイドホルモン、たとえばエストラジオールお
よびプロゲステロンの調節上の重要性にも適用される。
これらの場合は高い割合のホルモン(>90%)が血漿ま
たは血清中のSHBGおよびアルブミンへの蛋白質結合形で
ある。さらにコルチゾール、すなわち副腎−下垂体軸の
調節に関与するステロイドホルモンの場合、90%以上の
ホルモンが血清または血漿中の主要コルチゾール結合性
蛋白質、トカランスコルチンに、およびアルブミンに結
合している。同様に、生理的調節において最も重要なも
のは全(結合+遊離)濃度ではなく遊離(約8%)画分
のコルチゾールであると考えられる。この場合も血液中
の遊離(非結合)画分をより正確に推定するものとし
て、唾液コルチゾールの測定が進められた。トランスコ
ルチンは唾液中に分泌されず、従って唾液コルチゾール
の測定値は遊離血漿コルチゾールに関連するからであ
る。
ある物質の遊離画分または濃度を蛋白質結合物質の存
在下で測定するための古典的方法は、平衡透析または限
外濾過の採用による。これらの方法は双方とも大部分の
環境下で大部分の物質の遊離画分の濃度について妥当な
程度に正確な推定をもたらすが、これらは検量または研
究の目的で用いられることが多く、一般的にルーティン
用としては緩慢すぎ、方法論的には冗長であり、かつ熟
練者による操作を必要とする。従って、多数の試料を処
理しなければならない臨床化学または病理研究所におい
ては、臨床的に重要な被分析体の遊離画分をルーティン
に測定しうる、技術的にこれらより簡単な方法を開発す
ることが要望されていた。
血清または血漿中の遊離甲状腺ホルモンを測定するた
めの簡便な簡単な方法が幾つか開発され、多くの研究室
で現在用いられている。直接リガンドアッセイ法、より
詳細には遊離チロキシンおよび遊離トリヨードチロニン
に関する方法は、計算による遊離リガンド濃度、たとえ
ば遊離チロキシン指数に関連する他の方法によるのでは
なく、遊離リガンド自体の測定を特徴とする。実質的に
すべての直接遊離リガンドアッセイ法が以下の事実に依
存する。すなわち血清または血漿中の平衡系(内在蛋白
質結合および遊離リガンドを定める)中の無視しうるほ
ど小さな部分のリガンドを、測定のために特異的結合
剤、たとえば抗体により除去することによって、特異的
リガンド結合剤の添加前に血清または血漿中に当初存在
していた遊離リガンドの濃度が有意に変化することはな
い。リガンドであるチロキシンまたはトリヨードチロニ
ンについては、全有効リガンド(蛋白質結合形または遊
離形)のうち5%以下を特異的リガンド結合剤により封
鎖すべきである。全リガンドの5%以上を特異的リガン
ド結合剤により封鎖する場合は、アッセイ用量−反応曲
線の直接内挿による遊離リガンドの測定で妥協するか、
または特異的リガンド結合剤を血清または血漿に添加す
る前に存在していた濃度にその変化した遊離リガンド濃
度を補正するための計算を行わなければならない。しか
しすべての方法がリガンド結合性蛋白質の濃度(従って
蛋白質結合リガンド濃度)の変異による妨害を遊離リガ
ンドの推定に関して無視しうるものとすることを目標に
している。これまでに開発された各種の方法はこの目標
を達成する方法において異なる。
クリニカル・アッセイズにより商業的に開発された最
初の方法(英国特許第2030290号)の場合、まず内表を
固定化された特異的リガンド結合剤(チロキシンに対し
て形成された、それに対する抗体)で被覆された試験管
中で血清または血漿をインキュベートすることにより、
血清または血漿中のチロキシンの内在蛋白性結合剤がチ
ロキシンの遊離画分の推定を妨害するのを防ぐ。ごく少
量のチロキシン(5%よりかなり少ない)が管壁に固定
化された特異性リガンド結合剤により封鎖されるように
条件が調整される。これによって、遊離および蛋白質結
合リガンドの血清平衡系から除去されるチロキシンが当
初の内在平衡に、従って当初の遊離リガンド濃度に有意
な影響を与えないために十分なほど少量となることが保
証される。遊離リガンド、内在蛋白性結合剤および特異
的リガンド結合剤に結合したリガンドの間に新たな平衡
が成立するまで適宜インキュベートしたのち、血清また
は血漿を注ぎ出しまたは吸引により分離し、処方量の放
射性標識チロキシンを含有する緩衝液と共に試験管中で
2回目のインキュベーションを行うと、1回目のインキ
ュベーションでチロキシンにより既に占有されていない
特異的リガンド結合剤がこの時点で放射性標識チロキシ
ンにより占有される。1回目のインキュベーションにお
ける特異的リガンド結合剤の結合部位の分別占有量は内
在遊離リガンド(チロキシン)濃度に比例するので、放
射性標識チロキシンによりそれまで空席であった部位が
その後占有される量は当初の遊離リガンド濃度に反比例
する。この方法は、血清または血漿中の全チロキシン濃
度の推定において周知の試薬をこの遊離リガンド(チロ
キシン)濃度の推定法に使用しうるという利点をもつ。
しかしこれは推定を行うために2回の逐次インキュベー
ションを必要とする欠点を有し、“ドリフト(drif
t)”現象も受けやすく、これによって2回目のインキ
ュベーションに際し1回目のインキュベーションからの
結合−非標識リガンドが2回目のインキュベーションに
おける放射性標識リガンドによりある程度置換され、結
果に影響を与える可能性がある。
直接遊離リガンドアッセイのための他の方法は欧州特
許第0 026 103号明細書(アメルシャム・インターナシ
ョナルPlc)に記載されている。この方法の場合、血清
または血漿中の内在リガンド結合剤の影響は化学的に修
飾されたリガンド誘導体(リガンドの“同族体”)と用
いて中和される。これはきわめて親和性の特異的リガン
ド結合剤に対する反応性および結合性を保持し(遊離リ
ガンドと競合して)、一方では血清また血漿中の内在蛋
白性リガンド結合剤に対し著しく低下した結合性をもつ
という特性を兼ね備えている。従って血清または血漿中
に内在するリガンド結合性蛋白質によるリガンド結合の
影響を分離法により物理的に排除するのではなく、この
方法は化学特異性の差を利用してそれらの影響を防止し
ている。この方法はアッセイに際し1回のインキュベー
ションを必要とするにすぎず、基本的技術はリガンド分
析技術の分野で周知の通常の1工程式競合リガンドイム
ノアッセイ法に一般的なものであるという点で、先の方
法より技術的に簡便であるという利点をもつ。特異的リ
ガンド結合剤に対するリガンド同族体トレーサーの親和
性は測定すべき遊離リガンドのものほど大きい必要はな
い:実際にウイルキンス、ミッドグレイおよびギルス
(Wilkins,Midgley & Giles(1982))はリガンド同族
体に対する特異的リガンド結合剤の親和定数と、遊離リ
ガンドの最適アッセイに必要な特異的リガンド結合剤お
よびリガンド同族体の量との間に相関関係があることを
教示している。ただしこれらのパラメーターに関する正
確な数値がいかなるものであっても、リガンドに対する
特異的リガンド結合剤の高い親和性の必要性は絶対であ
り、血清または血漿中の内在リガンド結合剤に対するリ
ガンド同族体の残留結合性の程度を可能な限り最小限に
抑えることがきわめて重要である。さもなければこの方
法による遊離リガンドの測定は同族体が不当に強力に結
合する内在結合剤の濃度の変化により影響され、このア
ッセイ法はこれらの内在結合剤の濃度と全く無関係では
なくむしろある程度の相関関係を示すであろう。この方
法を用いて開発された現在の遊離チロキシンおよび遊離
トリヨードチロニンのアッセイ法はそれらが内在TBGお
よびTBPA濃度の変化と無関係であるという点では成功し
たが、遊離チロキシンアッセイ値と血清アルブミン濃度
との若干の弱い相関関係を避けるのに十分なほどアルブ
ミン結合部位に対するチロキシン同族体の親和性を低下
させるのはかなり困難であることが分かった。さらにこ
のアッセイ法はある種の血清中でまれに高濃度で生じ
る、高い親和性をもつチロキシン特異性自己抗体により
影響される。これらの抗体はチロキシン同族体を強く封
鎖し、それにアッセイから除去する可能性があるからで
ある。最後にこの方法は遊離形被分析体の測定に適した
特異的にデザインされたトレーサーの合成を必要とし、
それぞれの場合、対応する被分析体に対する類似性、被
分析体特異性リガンド結合剤との反応性、および血清ま
たは血漿中の内在結合性蛋白質との本質的な被反応性と
いう必須特性を備えたトレーサーの開発に新たな化学的
試みを課す。
欧州特許出願公開第89806号明細書には、特異的結合
剤が標識されており、被分析体誘導体が固定化されてい
る点以外は一般に同様な競合アッセイ法が記載されてい
る。
これらのアッセイ法において試薬の調製を簡略化する
ために、エキンズ(国際特許出願公開83/03306号明細
書)に記載の方法が述べられている。この方法では、ト
レーサーとして標識されているのは特異的リガンド結合
剤(抗体)である。この抗体はアッセイトレーサーとし
て125−Iにより、または活性酵素、蛍光もしくは化学
ルミネセント分子との結合により標識することができ
る。このアッセイ反応においては、血清または血漿中の
遊離被分析体が、標識された特異的リガンド結合剤との
結合に対して、固定化された、または他の分離可能な、
非標識−示差結合性リガンド同族体と競合する。この方
法は本質的には欧州特許第0 026 103号明細書に記載の
直接イムノアッセイ法に類似するイムノメトリー法であ
るが、ただし前者の場合は同族体が標識されているのに
対し、国際特許出願公開83/03306号明細書に記載の方法
では抗体が標識されている。両方法において、同族体
(標識または非標識)は血清または血漿に内在するリガ
ンド結合性蛋白質に対する結合性が相対的に弱いことが
必要である。国際特許出願公開83/03306号明細書の場
合、リガンド特異性ポリクローナル抗体を125−I原子
で標識する前に精製する必要があると考えられる。さら
にその著書による特許明細書および他の著書によれば、
十分に確証され、適度に高い親和性をもつ(会合定数約
1011L/mol)抗体を用いる必要がある(遊離チロキシン
アッセイに際して)。この要件が考えられた理由は、こ
のアッセイ作用が遊離形リガンド、血清または血漿中に
内在するリガンド結合剤に結合したリガンド、および標
識抗体に結合したリガンドの間に分布するリガンドの真
の平衡であると推定されるからである。従って平衡状態
において、チロキシンに対して形成された抗体に結合し
たリガンドの分布を表わす質量作用の項は下記の形とな
る: [FT4]・Kab.Pab/(1+Kab[FT4]) 式中、[FT4]=遊離リガンド(チロキシン)濃度、 Kab=チロキシンに対する抗体の解離定数、および Pab=抗体の濃度。
実際の遊離リガンドイムノアッセイ法の作用を十分に
説明するものとしてそのアッセイ法の真の平衡状態を仮
定すると、これらのアッセイに用いるのに適した抗体の
結合アッセイ法に著しい制限が課される。遊離チロキシ
ンの濃度は甲状腺機能正常中間領域(mid−euthyroidra
nge)の甲状腺臨床状態では約10-11mol/Lであるので、
上記の項はKabの値が1011L/molに近い場合は[FT4]の
変化の大部分にわたってゼロから甲状腺機能亢進値5×
10-11mol/Lまで変動するであろう。従って項Kab値[FT
4]はアッセイの中間領域では1に近く、それがゼロか
ら甲状腺機能亢進血清の5以上まで変化することにより
用量−反応曲線はいかなるアッセイにも適度な感度をも
つが、使用できないほどではない。これに対しKabの値
が1011L/molよりはるかに大きい場合(たとえば1012L/m
olより大きい)、項Kab[FT4]の大きさは[FT4]のす
べての妥当な値について1よりはるかに大きく、従って
上記式の分母における項1は用量曲線全体にわたって無
視しうる量であり、曲線は過剰感度となる。同様にKab
値が1011L/molよりはるかに小さい場合(たとえば1010L
/mol以下)、上記項の分母のKab[FT4]の値は[FT4]
の妥当な値すべてについて1と比べて小さく、従って感
度の低い用量−反応曲線を与える。これらの要件から、
さらに下記の結果となる。示差結合性リガンド同族体に
ついてのKabの値が遊離リガンド自体の値と同じオーダ
ーのものである場合、Pab(標識された特異的リガンド
結合剤)および示差結合性リガンド同族体の濃度も双方
とも10-11mol/Lに近くなければならない。さもなけれ
ば、これより高い濃度の示差結合性リガンド同族体の濃
度が有効遊離リガンドと過度に強く競合し、感度の低い
用量−反応曲線を与える。従って実際には抗体はトレー
サー物質によって高い比放射能に標識されていなければ
ならない。遊離チロキシンに関するアッセイの場合はポ
リクローナル源以外からこのように高い親和性をもつ抗
体を得ることが困難であるので、有効なアッセイを得る
のに十分なほど高い比放射能、十分な量および十分な純
度にまでチロキシン特異性抗体の標識を行うための精製
工程を行わなければならない。さらに、抗体を遊離リガ
ンドまたは示差結合性リガンド同族体に対するその結合
親和性の損傷なしに、必要な高い比放射能に標識するの
は困難であろう。それらに関する大部分の親和性結合性
血清蛋白質に対する結合がTBGに対するチロキシンの結
合より弱いホルモン、たとえばコルチゾールについて
は、遊離リガンドアッセイ用抗体の親和性に対する要求
はより厳密度が低く、感度の良好な有効アッセイには約
108L/モルが適切であろう。しかし、上記方法のこの必
須工程が実行可能であるとすれば、この方法は抗体の標
識処理をそれぞれの場合同様な化学的方法により実施し
うるという点で、各種の遊離リガンドアッセイ法に用い
るトレーサーの製造の合成経路がより簡単であるという
利点をもつ。さらに各種の示差結合性リガンド同族体の
合成における簡便さという利点もあり、これは各被分析
と共通マトリックスとの同様な化学結合法によって達成
され、その際結合したリガンドである被分析体は内在す
るリガンド結合性血清蛋白質の結合部位とは非反応性に
されるであろう。従って国際特許出願公開83/03306号明
細書に記載のアッセイ法は、非験試料、リガンド抗体、
および非標識−示差結合性リガンド同族体を混和し、混
合物をインキュベートして被験試料中の遊離リガンドお
よび示差結合性リガンド同族体をリガンド抗体との結合
に対して競合させることよりなる。示差結合性リガンド
同族体に結合した特異的リガンド結合剤(抗体)の量
は、被験試料中に存在する遊離リガンドの量と逆相関関
係にある。
実際には、異なる親和性をもつリガンド特異性ポリク
ローナル抗体混合物において、結合性がより弱い画分は
抗血清からアフィニティカラム法によって、結合性がよ
り強い抗体画分(上記発明において有効な性能を得るた
めに必要な種類である)よりはるかに容易に精製される
であろう。さらに、内在するリガンド結合性血清蛋白質
と示差結合性リガンド同族体との残留結合性が生じる可
能性があるとすれば、示差結合性リガンド同族体のデザ
インを慎重に配慮しなければならない。内在するリガン
ド結合血清蛋白質の親和性が、示差結合性リガンド同族
体中のリガンド残基に対する抗体の親和性と比べて小さ
い示差結合性リガンド同族体を用いる際は、このような
潜在的妨害は十分に無視しうる水準にまで低下するであ
ろう。この場合留意すべきことは、内在するリガンド結
合性血清蛋白質および抗体が双方とも、測定したい遊離
リガンドに対する抗体の親和性と比べて、示差結合性リ
ガンド同族体中のリガンド残基に対してかなり低い親和
性をもつ場合はさらに有利であるという点である。その
場合、この系には幾つかの利点が生じる。第1に、標識
抗体の量と比べかなり多量の示差結合性リガンド同族体
を用いることができ、リガンド結合性蛋白質の濃度およ
びリガンドに対する親和性が広範に異なる多種多様な血
清を包含しうる系を考案する際に、より柔軟性が得られ
る。第2に、アッセイの一般的特性、たとえば精度およ
び用量−反応感度がこの柔軟性の増大によって改良され
る。第3に、同族体がリガンドの場合よりはるかに弱く
抗体に結合する場合は、抗体に結合したリガンドが示差
結合性リガンド同族体によって徐々に置換されることに
より生じるアッセイ“ドリフト”の問題が少なくなる。
詳細な例を挙げると、示差結合性リガンド同族体とし内
在リガンド結合性蛋白質に弱く結合するにすぎないリガ
ンド残基を用いるイムノメトリー式遊離リガンドアッセ
イ法には、特定の患者血清中に生じるリガンド(または
実際にはその交叉反応体)に対する親和性自己抗体と結
合するのに十分な量の示差結合性リガンド同族体を用い
ることができ、これによってアッセイ用抗体に影響を与
えることはない。示差結合性リガンド同族体中のリガン
ド残基が内在リガンド結合性蛋白質または抗体に対して
リガンドと同程度に、またはより強く結合する種類のも
のである場合、はるかに少量の示差結合性リガンド同族
体が用いられる。さもなければ実質的にすべての抗体が
遊離リガンドとの結合を犠牲にして同族体に結合するで
あろう。従ってさらにリガンドに対する親和性自己抗体
が存在する場合は、抗体の結合を強く妨害すると思われ
る。内在リガンド結合性蛋白質および抗体の双方に対す
る親和性が比較的低いリガンド同族体残基を含む示差結
合性リガンド同族体を用いると、内在リガンド結合性蛋
白質−一般的なもの、または稀なものいずれであっても
−により遊離リガンドアッセイが妨害される機会は少な
くなる。しかし抗体のみが示差結合性リガンド同族体に
対し低い親和性をもつ場合、内在リガンド結合性蛋白質
による妨害の可能性は残るであろう。さらに、示差結合
性同族体複合体中に結合性の弱いリガンド同族体を用い
ると、内在結合性蛋白質が示差結合性同族体複合体自体
と相互作用しうるものであったとしても、内在結合性蛋
白質に結合したリガンドを置換する可能性は低下するで
あろう。これによっても、遊離リガンド濃度の測定値が
結合リガンドと遊離リガンドとの平衡状態の妨害によっ
て変化する機会は少なくなる。
本発明においては、示差結合性リガンド同族体をデザ
インする際に先に述べた配慮を、血清または血漿中の遊
離リガンド濃度のアッセイを行うのに十分なほど高い親
和性をリガンドに対してもつモノクローナル抗体の使用
と組合わせる。リガンドに対し適切な親和性をもつモノ
クローナル抗体の使用によって、ポリクローナル源から
リガンドに対し高い親和性をもつ抗体を精製するという
国際特許出願公開83/03306号における難点、および適度
に高い比放射能に標識された十分な抗体を調製するとい
う同等な難点が大幅に低下する。さらに、モノクローナ
ル抗体の調製法は、リガンドに対する親和性が不当に低
い種類が存在する可能性の高い精製ポリクローナル調製
法の場合よりリガンドに対する親和性に関してはるかに
均質な分子の採取からなる。従って、弱い示差結合性リ
ガンド同族体をリガンド自体によって占有されていない
画分の抗体に対する受容体として効果的に用いること
は、リガンド結合画分と非−リガンド結合画分の分離に
際して、リガンドに対する抗体の親和性を高めるのに役
立つ。
本発明は、1種または2種以上の天然結合剤に結合し
たリガンド部分をも含有する生物学的流体試料中の遊離
リガンド部分を、該リガンドに対する抗体であるシグナ
ル試薬、および該抗体への結合に対しリガンドと競合す
る示差結合性リガンド同族体を用いてアッセイする方法
であって、試料を上記の同族体および抗体と共にインキ
ュベートし、そして同族体に対する抗体の結合度を観察
することよりなる方法において、 抗体が該リガンドに対するモノクローナル抗体であ
り、かつ同族体が該抗体との結合性に関してリガンドよ
り低い親和性をもつべく選ばれることを特徴とする方法
を提供する。
示差結合性リガンド同族体は生物学的流体中の天然結
合剤に全く競合しないか、さもなければリガンドが結合
するよりはるかに弱く結合するものでなければならな
い。これは遊離リガンドアッセイのための標準的要件で
あり、これは上記同族体が“示差(differential)”リ
ガンド同族体と呼ばれる理由である。このリガンド同族
体はリガンドに類似する分子であってもよいが、これが
必要ではない。これはたとえば欧州特許第106615号明細
書(アメルシャム・インターナショナルplc)に記載の
抗遺伝子型抗体であってもよい。リガンド同族体の必須
要件は、これがリガンドと同一かまたは隣接部位におい
て抗体と結合し、従って抗体への結合に対してリガンド
と競合することである。
同族体はさらに生物学的流体中の天然結合剤、および
抗体の双方に対するその結合親和性を低下させるため
に、大型分子に共有結合して示差結合性リガンド同族体
複合体を形成してもよい。この大型分子は水溶性であっ
てもよく、固体マトリックスであってもよい。好ましく
は同族体はインキュベーション工程の前に、たとえばセ
ルロースまたはポリスチレンの粒子に共有結合させるこ
とにより不溶化される。同族体とのインキュベーション
を溶液中で行うこともできるが、続いて同族体を溶液か
ら取出す場合は、これはそれに結合した抗体を排除する
ことなく行われなければならない。
モノクローナル抗体はアッセイに慣用されるいずれか
の標識、たとえばルミネセント、蛍光および酵素標識
系、特に放射性標識、たとえば125−Iにより標識する
ことができる。あるいはリガンドに対するモノクローナ
ル抗体は非標識であり、標識第2抗体を用いてもよい。
これにはユニバーサル標識試薬を用いることができる。
示差結合性リガンド同族体とモノクローナル抗体の結
合親和性は好ましくは遊離リガンドとモノクローナル抗
体の結合親和性の0.01〜10%である。本発明はかなり低
い親和性をもつ同族体をかなり高い濃度で用いることが
でき、従ってインキュベーション混合物中における有効
同族体濃度一対−抗体濃度の比は好ましくは10〜105
ある。この種類のアッセイ法すべてについてと同様に、
各種試薬の親和性および濃度を考慮に入れた最適化処理
が必要である。
a)が(同族体に対する抗体の親和定数×同族体の有
効濃度)であり、b)が(リガンドに対する抗体の親和
定数×インキュベーション終了時に抗体に結合している
リガンドの濃度)である場合、比a):b)は0.1〜10で
あることが好ましい。
同様に、好ましくは抗体に対する同族体結合部位の濃
度、および遊離リガンド濃度は双方ともインキュベーシ
ョン工程の開始時と終了時おい実質的に等しい。たとえ
ばインキュベーション工程における濃度の変化はいずれ
も5%以下であると思われる。
なお、本願の請求の範囲第1項および第2項に記載の
方法は、少なくとも以下の態様を含むものと解釈されな
ければならない。
−示差結合性リガンド同族体がインキュベーション前に
不溶化される方法; −示差結合性リガンド同族体がセルロースまたはポリス
チレンの粒子に共有結合することにより不溶化される方
法; −抗体がI−125で標識される方法; −a)が(同族体に対する抗体の親和定数×同族体の有
効濃度)であり、b)が(リガンドに対する抗体の親和
定数×インキュベーション終了時に抗体に結合している
リガンドの濃度)である場合、比a):b)が0.1〜10で
ある方法; −有効同族体濃度−対−抗体濃度の比が10〜105である
方法; −抗体に対する同族体結合部位の濃度、および遊離リガ
ンド濃度がインキュベーションの開始時と終了時におい
て実質的に等しい方法; −リガンドが甲状腺ホルモン、ステロイド、またはコル
チゾールである方法: −リガンドがチロキシンであり、示差結合性リガンド同
族体がトリヨードチロニンである方法。
添付の図面について述べる。
第1図はのちに詳述する遊離T4アッセイにおいて得ら
れる一般的な用量−反応曲線である。
第2図は各種の既知遊離チロキシン濃度の血清を用い
た、T3−セルロース固相に結合した標識抗体の平衡の動
力学的研究を示す。
第3図は遊離チロキシンに適用した本発明のアッセイ
法と、商業的に行われている遊離T4アッセイ法との相関
をグラフで示す。
発明の発明 抗体に対する結合親和性は保有するが、血清または血
漿中の内在リガンド結合性蛋白質とは本質的に不活性で
ある適切な示差結合性リガンド同族体の製法は当技術分
野で十分に報告されている。標準的なイムノアッセイ法
の例も欧州特許0 026 103号明細書およびそこに引用す
る参考文献に示されている。対応するイムノメトリー式
遊離リガンドアッセイ法に用いられるリガンドを数種の
方法で修飾して同じ目的を達成することができる。リガ
ンドの電荷または立体プロフィルを変化させて、血清ま
たは血漿中の内在結合性受容体に対するリガンドの親和
性に影響を与えることができ、または抗体の結合特性が
弱い交叉反応体でありかつ内在結合性受容体に対しアッ
セイにおいて測定すべき遊離リガンドより弱い結合剤で
あることが知られているリガンドまたはリガンド同族体
を用いることができる。これらのリガンドまたはリガン
ド同族体はさらに、大型分子、たとえば蛋白質または合
成もしくは天然ポリマー上への置換によって内在結合性
蛋白質との反応を抑制することができる。このように、
内在結合性受容体に対するリガンド同族体の既に弱めら
れた結合性(測定される遊離リガンドと比較して)が、
嵩高な置換体により生じる立体障害または帯電妨害によ
ってさらに低下する。さらに考慮すべき点は、リガンド
同族体がそれらの残基は抗体との結合に関し立体的に有
効であり、なおかつ内在結合性受容体の占有されていな
い部位との結合に関し有効となるほどには露出しない状
態で大型分子に付着すべきであるという点である。この
点で、弱いリガンド同族体を示差結合リガンド同族体複
合体の一部として用いることは有利である。比較的多量
を用いることができ、従って少量の内在結合性受容体の
結合は、それによって示差結合性リガンド同族体複合体
上の抗体が結合しうる部分の数が検知しうるほど減少す
ることはないので許容されるからである。この示差結合
性リガンド同族体複合体への内在リガンド結合剤の少量
の付着が遊離リガンドと内在リガンド結合性受容性に結
合したリガンドとの間に存在する平衡状態に影響を与え
ない限り、この作用はアッセイ結果にほとんど影響を与
えないであろう。これは特にリガンド同族体残基が弱い
結合剤である場合にはそうであるが、示差結合性リガン
ド同族体複合体中のリガンド同族体残基が強く結合する
場合には妨害が十分に予想される。チロキシンの場合、
結合性の強いリガンドであるチロキシンを示差結合性リ
ガンド同族体複合体に用いることによって内在蛋白質で
ある結合性受容体による妨害が増強される可能性があ
り、これに対しその同族体であるトリヨードチロニンは
相対的に弱い結合剤であるので、妨害しない可能性が多
い。
リガンドである遊離チロキシンのアッセイに用いる不
溶性の示差結合性リガンド同族体複合体を形成するのに
適した材料には下記のものが含まれる。ポリスチレンラ
テックス粒子(場合により−ただし必須ではない−磁気
分離法による示差結合性リガンド同族体複合体の分離を
可能にするために、強磁性コアを含む)、これには示差
結合性リガンド同族体が共有結合または物理的吸着によ
り結合しうる;また低密度セルロース(場合により−た
だし必須ではない−磁気分離法による示差結合性リガン
ド同族体複合体の分離を可能にするために、強磁性コア
を含む)、これはブタン−1,4−ジオールジグリシジル
エーテルを用いてセルロースを活性化することによりL
−トリヨードチロニン(または他のリガンド同族体)に
共有結合する。示差結合性リガンド同族体により被覆し
た。強磁性コアを含まないポリスチレンまたはセルロー
スの粒子は遠心分離法によりアッセイ系において分離す
ることができる。さらに、トリヨードチロニンまたは目
的特性を備えた他の適切なチロキシン関連リガンド同族
体を標準的な化学的方法で蛋白質にアミド結合により、
好ましくは−ただし必須ではない−トリヨードチロニン
またはリガンド同族体のアミノ基を介して共有結合させ
ることができる。この蛋白質−リガンド同族体をプラス
チック試験管の内壁上に吸着させることにより固定化す
るか、またはこの吸着前に周知の方法によりグルタルア
ルデヒドなどの試薬により架橋することもできる。他の
方法、たとえば抗−(リガンド抗体)−ポリエチレング
リコール沈殿法を組合わせたものもインキュベーション
後に反応体を分離するための周知の方法である。
抗−リガンドモノクローナル抗体は適切なハイブリド
ーマ調製物から当業者に周知の方法で精製される。抗体
は最終アッセイにおいて遊離リガンドとして測定したい
リガンドに対して特異的に形成されるか、または適切な
リガンド同族体に対して形成することができ、ただし最
終抗体調製物はいかなる場合もリガンドに対し親和性の
種類のものからなる。さらに、それからモノクローナル
抗体が誘導された動物血清に対して形成された抗体を標
識のための第2抗体として用いることができる(ユニバ
ーサル抗体標識試薬)。第1(モノクローナル)および
第2(ユニバーサル)抗−抗体を放射性原子、たとえば
125−I、酵素、化学ルミネセント分子または蛍光分子
により標識することができる。
抗−リガンド抗体の使用量は、有効な遊離リガンドア
ッセイ法(前記)により設定された基準に従うべきであ
り、かつ固定化または不溶化された示差結合性リガンド
同族体の量より少なくなければならない。これらの基準
内の適切な用量−反応曲線の作成は当技術分野でルーテ
ィンに行われている実験に従って行われる。定められた
遊離リガンド濃度をもつ血清を用いて臨床的に重要な領
域にわたる許容感度の用量−反応曲線を求めることがで
きる。
トリヨードチロニン誘導体化セルロース粒子(示差結
合性リガンド同族体複合体)の合成化学 強磁性コアを含む低密度セルロース粒子(下記)を次
式によりブタン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル
と反応させる: ジグリシジルエーテルの分子の両端に位置するエポキシ
ド基は求核性基(たとえば−OH基、−NH2基)と下記の
様式で容易に反応するであろう。
セルロースの−OH基はいずれも反応しうるので、活性、
複合体の多数の異性体が可能である。さらに、セルロー
スの攻撃された−OH基いずれについても、ジグリシジル
エーテルが付加された立体異性体2種が可能である: 形態(A)の方が立体的に好ましいであろう。
次いで、活性セルロースをトリヨードチロニンと反応さ
せて、可能な異性体2種を得る: この場合も異性体(A)の形態の方が立体的に好ましい
であろう。
第3工程では、誘導体化セルロース中に残存する反応
性基をエタノールアミンとの反応により除去する: これは、残存エポキシド基と他のセルロース分子の他の
−OH基との反応によりセルロース粒子が架橋するのを防
ぐために必要であり、これを行わない場合、凝集体の形
成が促進されるであろう。
示差結合性リガンド同族体で被覆した活性セルロース粒
子の調製 強磁性コアを含む(粒子の酸化第二鉄含量25%w/w)
低密度セルロース粒子(サイパック社、英国ケント)
(粒径範囲2〜10)の水懸濁液−濃度50g/L−20mgを沈
降させ、次いで吸引し、遠心分離した。分離した粒子の
ペレットを水20mlに再懸濁し、沈降させ、遠心分離し
た。この操作を3回行った。粒子の洗浄をさらに3回行
い、その都度0.1M水酸化ナトリウム溶液20mlに再懸濁し
た。次いで水酸化ナトリウム20ml中の最終懸濁液を、ブ
タン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル0.53mlを添
加し、混合物を37℃で100分間インキュベートすること
により活性化した。次いで活性セルロース粒子懸濁液に
つき3回の遠心分離および0.05M炭酸ナトリウム/炭酸
水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)20mlへの再懸濁を行っ
た。次いでL−トリヨードチロニンナトリウム塩13.3mg
を添加した(ジメチルホルムアミド中の溶液を使用)。
混合物を37℃で3時間インキュベートした。粒子懸濁液
を沈降させ、吸引し、遠心分離し、0.05M炭酸ナトリウ
ム/炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH9.6)20ml中での洗
浄を3回行った。次いでエタノールアミン0.06mlを粒子
懸濁液20mlに添加して、未反応の基を遮断した。混合物
のインキュベーションを室温で一夜行った。次いで粒子
懸濁液を遠心分離および再懸濁のサイクルを上記の炭酸
塩/炭酸水素塩緩衝液中で3回、0.1M水酸化ナトリウム
溶液中で3回、ならびに0.1M塩酸中で3回行った。粒子
は最後に0.067Mリン酸ナトリウムおよびリン酸カリウム
を含有する緩衝液、pH6.7(希釈用緩衝液)20mlに懸濁
された。これを1/100の希釈でアッセイにルーティンに
用いた。
チロキシン特異性モノクローナル抗体の入手先および特
性 マウスハイブリドーマに由来するチロキシン特異性モ
ノクローナル抗体調製物はイムノリサーチ社、米国ニュ
ージャージー州トムズ・リバーから得られた。このクロ
ーン(no.02−911−112)は業者により、0.85%(w/v)
の塩化ナトリウムおよび0.1%(w/v)のナトリウムアジ
ドを含有する0.015Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.2)中
の免疫グロブリン(サブクラスIgG2B)画分として供給
された。免疫グロブリンの精製は業者のプロトコールに
従ってジエチル(アミノエチル)セルロース(DEAE)を
用いるカラムクロマトグラフィーにより行われた。チロ
キシン、トリヨードチロニンおよびトリヨードチロニン
複合体形成セルロース(上記参照)に対する抗体の親和
定数は古典的なスカッチャード(Scatchard)分析によ
り測定された。37℃における会合定数(association co
nstant)はa)チロキシンについては4.6×109L/mol
(業者によれば約1010L/molと見積られている)、b)
トリヨードチロニンについては3.4×107L/mol(チロキ
シンと比較して抗体結合に対し約1%の交叉反応性を示
唆)、およびc)遊離チロキシンアッセイにおいて固相
として用いられるトリヨードチロニン−セルロース複合
体については6.7×105L/molであった。比較のため、モ
ノクローナル抗チロキシン抗体の検体を後記のようにヨ
ウ素化抗体の製法により処理し、ただし放射性物質の代
わりに非放射性ヨウ素化物を用いた。精製するとこのヨ
ウ素化抗体は37℃で下記の会合定数を与えた:a)チロキ
シンについては4.4×109L/mol、b)トリヨードチロニ
ンについては4.0×107L/molおよびc)アッセイにおい
て固相として用いたトリヨードチロニン−セルロース複
合体については5.5×105L/mol.ヨウ素化および非ヨウ素
化抗体調製物について、抗体の親和性は同一物質に関し
ては実質的に等しく、チロキシンについては抗体親和性
はそれぞれの場合その交叉反応性同族体トリヨードチロ
ニンのものより大幅に高かった。セルロース粒子へのト
リヨードチロニンの複合体形成は複合体に対する抗体の
親和性をいっそう低下させた。これは大部分が前述の付
加的な立体障害および“嵩高分子”作用によるものと思
われる。トリヨードチロニン−セルロース複合体に対す
る抗体の親和性が明らかに低下することに関与するの
は、さらに複合体形成したトリヨードチロニン残基の一
部が抗体に対する結合に用いられないことによるのであ
ろう。しかしチロキシンに対する抗体の親和性は国際特
許出願公開83/03306号明細書に有効遊離チロキシンアッ
セイ法に必須であると明記されているものよりかなり低
かった。モノクローナル抗体調製物は必要な時点まで業
者(上記)から受取った状態のまま緩衝液中に1g/Lの濃
度で保存された。
125−I標識抗チロキシン抗体の調製 下記の反応において、操作はすべて室温(約20℃)で
行われた。下記の試薬をまず混和した:45mCi(1.67GB
q)[125−I]−ヨウ化ナトリウム(エーメルシャム・
インターナショナル、コードIMS 300,濃度範囲350−600
mCi/ml(12.9−22.2GBq/ml))0.3M NaClを含有する0.1
Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)中;0.6mlのモノクロ
ーナル抗チロキシン抗体調製物溶液、凍結乾燥により5m
g/mlに濃縮し、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)
0.1mlに再懸濁。次いで0.02mlのクロラミン−T溶液
(同一リン酸緩衝液中に10mg/mlのクロラミン−Tを含
有)を添加し、溶液を5秒間混合した。混合物を55秒間
インキュベートし、この時点で0.02mlのメタ重亜硫酸ナ
トリウム溶液(同一リン酸塩緩衝液中の20mg/mlメタ重
亜硫酸ナトリウム)を添加して反応を停止した。混合物
を高性能液体クロマトグラフィーカラム、スーペローズ
(Superose)12[HR 10/30]、寸法1cm×30cm(ファル
マシア社)に装入し、0.1Mリン酸ナトリウム+0.3M塩化
ナトリウムの緩衝液(pH6.0)により1ml/分の溶離量で
溶離した。出現した標識抗体ピークを紫外線吸収検出器
により280nmにおいて検出し、一致する標識抗体の放射
能プロフィルを追跡した。[125−I]−標識抗チロキ
シン抗体調製物は2〜3mlの流体中に採取され、これは
カラムから約20分後に溶離した。標識抗体調製物の比放
射能は2.4×106mCi/mmol(88.8 TBq/mmol)蛋白質であ
った。これは抗体の分子当たり125−I分子の放射性原
子約1個であることを示した。従ってアッセイ試験管当
たりの[125−I]放射能量は約0.05マイクロキュリー
(18.5hBq)[1.1×105dpmであった。
血清/血漿遊離チロキシンに関するイムノメトリーアッ
セイ法の説明 血清試料50μlを0.5mlの固相トリヨードチロニン(T
3)−共役セルロース複合体懸濁液(濃度0.5g/L、作用
力価濃度の調製の章を参照されたい)−複合体形成T3を
253pmol含有−と混合した。次いで0.5mlの[125−I]
−標識抗チロキシン抗体溶液(3ng[20fmol]抗体)を
添加した。複合体形成T3と[125−I]−標識抗体のモ
ル比は約12600/1であった。溶液を渦流攪拌し、37℃で3
0分間インキュベートした。血清中の遊離チロキシンは
[125−I]−標識抗チロキシン抗体の結合に対しT3−
セルロース複合体と競合し、複合体に結合した[125−
I]カウントの画分は血清遊離チロキシン濃度と反比例
した。[125−I]−抗チロキシン抗体と会合した磁性T
3−セルロース複合体はこの時点で、反応混合物を含有
する試験管を底面が磁化されたラック(アメルシャム・
インターナショナルplc)に乗せ、これにより不溶性T3
−セルロース複合体を試験管の底に引きつけて安定なペ
レットを形成することにより沈殿した。溶液からのセル
ロース複合体の分離を完了させるためには磁化された分
離ラックとの接触時間10分間で十分であった。次いで試
験管を逆転させて(ラックと接触した状態で)溶液を廃
棄し、逆転位置で5分間排液したのち、磁性T3−セルロ
ース粒子に結合した標識抗体のみを含む試験管を常法に
より60秒間、標準的な放射性同位体検出器を用いて[12
5−I]放射につきカウントした。未知血清の遊離チロ
キシン濃度は、予想される全アッセイ範囲の数値に及ぶ
既知の遊離チロキシン濃度を含む試料を用いて作成され
た用量−反応曲線から内挿された。一般的な用量−反応
曲線を第1図に示す。
他の抗チロキシン−モノクローナル抗体調製物−チロ
キシンに対する会合定数は約108L/mol−はT3−セルロー
スを用いた場合<5%という低いB(o)のため実用的
でなかった。これは親和性の低い抗体が本発明によるア
ッセイ法の開発に不適当であったことを示す。しかしT4
−セルロースは上記抗体の親和定数が108L/molに近づく
(すなわち許容値範囲内)ので、利用可能な曲線を与え
た。リガンド同族体−セルロース固相複合体との結合に
関する抗体会合定数範囲の妥当な推定値−遊離チロキシ
ン推定に利用しうる用量−反応曲線を与えるもの−は従
って105〜108L/molである。これは下限−これ未満では
リガンド同族体−セルロース固相に対する抗体の安定な
結合は得られない−および上限−これを越えると複合体
に対する抗体の会合定数はチロキシンに対するものに近
づく−を包含し、従ってリガンド同族体−セルロース複
合体の望ましい量の限界を定める(前記の考案を参照さ
れたい)。
抗体の会合定数(Kab)とT3−セルロース固相複合体
の濃度(C)の積は5.5×105×2.53×10-10すなわち1.3
9×10-4であった。同様に遊離チロキシンについては、
対応する積は4.6×109×1.5×10-14すなわち6.9×10-5
であった(10-7mol/Lのチロキシンを含有する甲状腺機
能正常血清0.05ml中の有効ホルモンの約0.3%が抗体に
より封鎖されると仮定した場合)。競合するT3−セルロ
ース複合体と封鎖されたチロキシンのKab×Cの積が近
似することは、抗体がいずれの部分に対してもほぼ等し
い有効親和性をもつことを証明し、有効な用量−反応曲
線を予想させる。
第2図は種々の既知遊離チロキシン濃度の血清を用い
た、T3−セルロース固相に結合した標識抗体の平衡に関
する動力学的研究を示す。このアッセイ法は37℃で30分
までに実質的に完全な平衡状態に達した。
このアッセイにおいてチロキシンに対するヨウ素標識
抗体の親和定数は<5×109L/molであった。国際特許出
願公開83/03306号明細書、および本出願に包含される発
明において考察された事項に関連する同著者の他の著書
によれば、血清遊離チロキシン濃度(一般に約1.3×10
-11mol/L)の逆数により与えられる値より大幅に低い親
和定数をもつ抗チロキシン抗体を用いると、著しく感度
の低い、使用し得ない用量−反応曲線が得られるはずで
ある。
このアッセイが純粋に古典的な質量作用による平衡原
理に従って進行すると仮定すると、この予想は遊離チロ
キシンアッセイにおける抗体へのチロキシンの結合を表
わす方程式(前記)を検討することによって強められ
る。抗体への遊離チロキシンの結合を表わすために先に
述べた方程式[FT4].Kab.Pab/(1+Kab[FT4])の分
母において、1011L/molよりはるかに小さいKabの値はKa
b[FT4]の大きさを生理学的に実在する[FT4]の値す
べてについて1よりはるかに小さなものとし、従ってKa
b≪5×1010L/molである場合は利用可能な用量−反応は
得られないはずであることを示す。
本発明の作用は意外にも、標識抗体と競合性の固相T3
−セルロース複合体および血清遊離チロキシン(これは
抗体に取込まれるのに伴ってチロキシン結合性血清蛋白
質から連続的に放出される)との反応全体を通して、競
合する両部分の有効濃度は標識抗体との結合反応工程全
体にわたって本質的に変化しないという考慮から得られ
る。標識抗体に取込まれるチロキシン画分が無視しうる
ほど小さいので、遊離チロキシン濃度は血清中の遊離体
−結合体平衡の再調整によって実質的に不変であり、弱
結合性のT3−セルロース複合体が標識抗体の濃度よりき
わめて大過剰モルであると、抗体に対する有効結合部位
の濃度は反応工程全体にわたって実質的に同一に維持さ
れることが保証される。従って、一定濃度の遊離チロキ
シンと遊離T3−セルロース結合部位の間に抗体の結合に
対する単純な競合があり、これはそれらの相対的な親和
性および濃度のみに基づく。従って遊離チロキシンまた
はT3−セルロース結合性複合体上の未結合部位のいずれ
かに対する標識抗体の会合の前進速度は式K(a)[fA
n][fPab]である。式中、K(a)は被分析体または
示差結合性リガンド同族体に対する抗体の会合定数であ
り、[fAn]は遊離被分析体または示差結合性リガンド
同族体上の有効部位の濃度である。[fPab]は抗体上の
未占有部位の濃度を表わす。
アッセイの操作様式に関する古典的な質量作用による
説明に対抗する他の知見は、遊離チロキシンによる既に
形成されたT3−セルロース−[125−I]−抗体複合体
の“逆置換”速度が無視しうる程度であるという所見に
由来する。まず、種々の濃度の遊離チロキシンを含有す
る一群の血清につき標準的アッセイを行い、T3−セルロ
ース粒子に結合した[125−I]−標識抗体を前記のよ
うに磁気分離法により分離した。次いで粒子を1mlのト
レーサー用緩衝液−ただし抗体は追加しない−に再懸濁
し、追加量の血清と共に通常のアッセイ条件下で240分
までインキュベートした。次いでT3−セルロース−[12
5−I]−抗体複合体を磁気分離器により排除した。
第1表は、推奨されるアッセイインキュベーション時
間より8倍長い期間にわたる2回目のインキュベーショ
ンに際して、1回目のインキュベーション中にT3−セル
ロースに結合した抗体が“逆反応”して可溶性遊離チロ
キシンに結合した有意量の抗体を生じる速度はきわめて
緩徐であるにすぎなかったことを示す。1回目のインキ
ュベーションが等速の前進反応と逆反応の平衡に達する
ことにより行われていたとすれば、2回目のインキュベ
ーションに際してT3−セルロースからの速やかな抗体置
換が予想されたであろう。これはこのアッセイ法が“真
の”平衡の項よりむしろ“擬似”平衡の項によってより
良く表わされることを示唆する。
このように実験による所見から、このアッセイ法は本
質的に変化しない濃度の反応体である遊離チロキシンと
磁性T3−セルロース固相複合体上の結合部位との間で、
[125−I]−抗体結合部位の飽和が効果的に達成され
るまで前進する単純かつ急速な競合反応により行われる
ことが示される。抗体からのチロキシンまたはT3−セル
ロースの解離速度はきわめて緩徐であるため、この因子
は30分のアッセイインキュベーション期間にわたる反応
の動力学的条件にとっては無視しうる程度のものであ
る。
本発明に記載したT3−セルロース複合体の代わりにチ
ロキシン−セルロース複合体を用いた実験も同様な結果
を与え、固相に結合した[125−I]−標識抗体の長期
インキュベーション中の減少率は同様に緩徐であった。
アッセイに際して封鎖される血清チロキシンの割合 有効な遊離チロキシンアッセイ法は、血清中の有効チ
ロキシン(結合体+遊離体)を封鎖する割合が著しく小
さく、従って血清中の結合体−遊離体の関係を支配する
平衡の自動的再調整によって遊離チロキシン濃度が有意
に変化することはないという主要基準に従わなければな
らない。この封鎖はその血清中の全チロキシンの約5%
を越えるべきでない。従って5種類の血清をそれらがこ
の基準を最大限に満たす能力につき調べた; a)甲状腺機能低下−、b)正常TBG甲状腺機能正常
−、c)甲状腺機能亢進−、d)三カ月期妊娠(高TB
G)−およびe)甲状腺機能正常ゼロ−TBG血清。
この実験では0.5mlの血清を10μlの[125−I]−標
識チロキシン(高比放射能、アメルシャム・インターナ
ショナルplc、コード IM 141)と30分間平衡化した。50
μlアリコートにアッセイ操作に用いる濃度のT3−セル
ロース固相懸濁液0.5mlを添加した。1アリコートの混
合物に、アッセイ法において[125−I]−標識抗体溶
液に用いた緩衝液0.5mlを添加した(対応する“ブラン
ク”として用いる)。他のアリコートに、この緩衝液中
の非標識−抗チロキシン抗体−抗体濃度はアッセイ操作
に用いたものの25倍−を添加した。次いですべての試験
管を混合後に37℃で30分間インキュベートした。次いで
1.5mlの50%(w/v)ポリエチレングリコール(PEG600
0)溶液を添加し、試験管内容物を渦流混合し、1500×
gで20分間遠心分離した。抗体である免疫グロブリンは
抗体結合部位に結合した[125−I]−チロキシンの量
を考慮に入れて、ポリエチレングリコールにより沈殿さ
せた。上澄液をデカントしたのち、ペレットを水0.5ml
に再懸濁し、再びポリエチレングリコールを用いて沈殿
させ、遠心分離した。デカンテーション後にペレットを
1分間カウントした。“ブランク”効果につき補正した
のち、抗体に結合した[125−I]−チロキシンの%を
計算し、標準アッセイに通常存在するより25倍高い抗体
濃度につき補正した。結果を第2表に示す。
すべての場合、アッセイ条件で抗体により封鎖された
全血清チロキシンの%は、有効な遊離チロキシンアッセ
イに必要であることが確立された基準内に十分に包含さ
れていた。
遊離チロキシンアッセイ法の希釈特性 血清中にTBGが欠如するため全チロキシン濃度が比較
的低く、これによって正常な遊離チロキシン水準が得ら
れる(従って有効なアッセイにおいて抗体によるチロキ
シンの封鎖が大きすぎる可能性がある)ゼロ−TBG被験
者の大部分の調査例においてすら、[125−I]−標識
抗体によるチロキシン取込みの%は上記の基準限度内に
ある。従って[125−I]−標識抗体および/または固
相T3−セルロース結合性複合体がいかなる内在チロキシ
ン結合性蛋白質(TBG、TBPAまたはアルブミン)とも有
意な相関を示さない限り、血清を徐々に希釈しても全チ
ロキシンの約5%をサンプリングするまでは遊離チロキ
シン濃度測定値に有意の変化は生じないはずである。そ
の理由は、この点までは血清中の結合チロキシン−遊離
チロキシン平衡はこの水準の封鎖に耐容し、実質的に一
定の遊離チロキシン濃度を維持すべく速やかに再調整し
うるからである。これは甲状腺機能亢進血清について真
実性が少ない。それは、結合チロキシンが遊離相へ失わ
れて、内在結合性血清蛋白質(特にTBG)上に見られる
結合部位/遊離部位の比率が変化し、従って遊離チロキ
シン水準が変化する傾向がより大きいからである。これ
以上の血清の希釈に対する反応につき上記の遊離チロキ
シンアッセイ法の性能を調べるために、数種の甲状腺機
能低下、甲状腺機能亢進および三か月期妊娠の試料を用
いた。これらの試料を希釈せずに、または0.01M・HEPES
緩衝液(pH7.4)を用いて1/2もしくは1/4に希釈して、
遊離チロキシン濃度を測定した。結果を第3表に示す。
予想したように、甲状腺機能低下、甲状腺機能正常お
よび妊娠血清は血清希釈に対し良好な反応を示し、上記
の理由から希釈全般にわたってはほぼ一定の値を示し
た。同様にゼロ−TBG甲状腺機能正常検体は、未希釈血
清中で抗体により封鎖されているチロキシンの%が他の
血清より既にかなり高く、従って希釈に対する耐容性の
範囲の縮小が予想されるという事実により、希釈によっ
て影響を受けた。このように甲状腺機能正常または甲状
腺機能低下血清においては希釈係数4によって遊離チロ
キシン測定値が約10〜20%低下したにすぎないので、こ
のアッセイは遊離チロキシンアッセイの有効性に関する
古典的試験において良好な性能を示す。
遊離チロキシンアッセイにおける内在血清チロキシン結
合性蛋白質の非妨害性 遊離チロキシンアッセイの妨害に関して支障をもたら
す血清チロキシン結合性蛋白質はTBGおよびアルブミン
である。前者は潜在的な妨害物質として排除されなけれ
ばならない。これは血清中における主要チロキシン結合
性蛋白質であり、T3−セルロース固相へのTBGの副次的
結合が遊離チロキシン推定値の歪曲を生じ(結合に対す
るTBGと[125−I]−標識−抗チロキシン抗体との競合
による)、従ってアッセイとTBG濃度の相関を生じる可
能性があるからである。同様にアルブミンが固相との抗
体結合を妨害する可能性についても検討しなければなら
ない。チロキシンの標識同族体を用いる遊離チロキシン
アッセイにおいて、アルブミンへのこれらの同族体の残
留結合を防止するのは困難であることが認められている
からである。事実、血清アルブミンの結合部位を“遮
断”しうる試薬の添加−これを添加しなければアルブミ
ンはリガンドチロキシンの標識同族体の一部を封鎖する
可能性がある−は改良された“同族体”遊離チロキシン
ラジオイムノアッセイ法として記載があり(欧州特許出
願0 155 104号明細書)、これは結果と血清中のアルブ
ミンの濃度との望ましくない相関を減少させることを目
的とする。
これらの現象が本発明に影響を与える可能性を下記に
より調べた。検出可能なチロキシンを含有しない純粋な
TBGを種々の濃度でアメルレックス−M遊離チロキシン
ラジオイムノアッセイ(アメルシャム・インターナショ
ナルplcによりアメルレックス−M FT4 RIAキット、コー
ドIM3050)の“ゼロ”基準に添加した。このキットの
“ゼロ”基準は他の点では正常な血清(TBG、TBPAおよ
びアルブミンの濃度に関して)からなるが、チロキシン
を含有しない(イオン交換ストリッピングにより除
法)。従って第4表に示すすべてのTBG濃度について、
標準の内在TBG含量を含めるためにさらに20mg/Lを添加
しなければならない。同様に、結合チロキシンを含まな
い純粋なヒト血清アルブミンを他のアリコートの“ゼ
ロ”基準に添加した。標準液中に存在する内在アルブミ
ンを補うために、第4表に挙げる濃度に40g/Lの濃度を
付加すべきである。普通のアッセイに用いる濃度のT3−
セルロース固相、[125−I]−標識抗体、血清容量、
およびインキュベーション条件を用いて実験を行った。
この表は“ゼロ”基準により示されるアッセイのB
(o)値に150mg/Lまでの内在TBGまたは100g/Lまでのヒ
ト血清アルブミンの付加が影響を与えなかったことを示
す。添加したTBGまたはアルブミンの最高濃度は血清中
で生理学的に生じる最高濃度よりかなり高いので、これ
はこのアッセイがこれらの蛋白質によって検出しうるほ
どの妨害を受けないことを示す。
さらに、緩衝液中に4倍まで希釈された血清における
アッセイ遊離チロキシン推定値が一定であることは上記
の所見を間接的に確認し、かつTBPAがアッセイにおいて
有意な程度に妨害しないことも示す。さもなければTBPA
濃度が順次血清希釈に際して低下するのに伴ってアッセ
イの希釈特性が低下するであろう。
患者パネル血清中の遊離チロキシンアッセイの性能 甲状腺機能正常(n=37)、甲状腺機能低下(n=3
4)および甲状腺機能亢進(若干は抗甲状腺治療中)
(n=40)のパネルを本発明に記載した方法により遊離
チロキシンにつきアッセイし、既に商業的に“同族体”
遊離チロキシンアッセイ法として得られる方法(エーメ
ルシャム−M−FT4 RIA キット、エーメルシャム・イン
ターナショナルPlc)により得た値と比較した。結果を
第3図に示す。
両アッセイ間に良好な、有意性の高い(p<0.001)
相関が得られ(r=0.965)、種々の患者群に同様に良
好な区別が認められた。相関直線の勾配は1.052であっ
た。これは新規アッセイ法が遊離チロキシン濃度の測定
用として受容されている既存の方法と均等であることを
証明する。甲状腺機能低下、甲状腺機能正常および27の
甲状腺機能亢進血清に関する遊離チロキシンの範囲(比
較“同族体”アッセイ法における正常範囲を上回る値を
もつもの)を第5表に示す。
このアッセイも結果とアルブミンまたはTBGの血清濃
度に有意の相関を示さなかった。これはT3−セルロース
固体相に対する[125−I]−標識抗体の結合に及ぼす
影響が無いことから予想されたものである(第4表に示
すとおり)。第6表には甲状腺機能正常被験者であって
TBG濃度が低い(無い)かまたは高いもの、および血清
アルブミン濃度が低い(アルブミン欠乏血症)かまたは
異常に強いチロキシン結合部位を含む分子形のアルブミ
ンの血清濃度が高いもの(家族性アルブミン不全血性過
チロキシン血症[FDH]症候群)から得た血清について
の結果を示す。“同族体”遊離チロキシンアッセイ法
(この場合、正常アルブミンまたはFDH症候群に見られ
る形のものへの標識同族体トレーサーの残留結合があ
り、従ってFDHまたはアルブミン欠乏血症においてこの
アッセイ法の結果が歪曲することが知られている)とは
対照的に、本発明のイムノメトリーアッセイ法は影響を
受けず、正常な結果を与える。甲状腺ホルモンに対する
親和性自己抗体を含む血清(この内在抗体分子によるト
レーサー封鎖のため、同族体アッセイ法に影響を与え
る)もイムノメトリーアッセイ法においては適切に測定
される。各種の非甲状腺疾患を伴うが、他の点では甲状
腺機能正常であると判定された被験者から得た結果も示
す。これらの結果も、このアッセイ法は有効遊離チロキ
シンアッセイ法において起こるはずの血清TBG濃度の変
異について補正し、アルブミン濃度または結合親和性の
変異によっても影響されないという概念を支持する。
これらの結果は、TBG変異形(低および高TBG非妊娠、
三か月期妊娠)および非甲状腺疾患(正常TBG、ただし
アルブミン濃度が多少低下)の状態の遊離チロキシンに
ついては市販の“同族体”ラジオイムノアッセイ法との
均等性を示す。しかしイムノメトリーアッセイ法はアル
ブミンの濃度またはチロキシン結合に対する親和性が著
しく変異した症例(FDH症候群、アルブミン欠乏血症)
および血清中に甲状腺ホルモン結合性自己抗体が存在す
る症例においては、より良い性能を示す。これは、“同
族体”アッセイ法が血清中のアルブミンの濃度または親
和性にはわずかしか依存しないが、アルブミンが正常の
ものと著しく異なる場合は結果に影響を与えるという知
見と一致する。イムノメトリーアッセイ法はアルブミン
により影響されないので、この依存性を示さない。
実施例2 遊離テストステロンのイムノメトリーアッセイ法 示差結合性リガンド同族体で被覆した活性セルロース粒
子の調製 活性低密度セルロース粒子の水懸濁液20mlを実施例1
の記載に従って調製した。エチコラン−17β−オール−
3−カルボキシメチルオキシム(5β−DHT−3CMO)は
標準法により、5β−DHTをカルボキシメチルオキシム
・1/2塩酸塩と反応させることによって製造された。生
成物を抽出および再結晶により精製した。5β−DHT−3
CMOを活性エステル法によりウシ血清アルブミン(BSA)
と結合させ、ゲル濾過クロマトグラフィーにより精製し
たのち凍結乾燥した。トリニトロベンセンスルホン酸を
用いて結合アミノ基数を測定することによりDHTの取込
みを測定した。この調製物はDHT:BSA比5:1を示した。炭
酸塩/炭酸水素塩緩衝液中の5β−DHT−3CMO−BSA溶液
を125mg/mlの希釈度で調製した。
次いでこの溶液0.5mlを活性セルロースに添加した。
混合物を37℃で2時間インキュベートした。この粒子懸
濁液を沈降させ、吸引し、遠心分離し、10mlずつの0.05
M炭酸塩/炭酸水素塩緩衝液(pH9.6)で3回の洗浄のの
ち、0.1M・NaOHで3回の洗浄、および0.1M・HClで3回
の洗浄を行った。最後に粒子を0.1Mリン酸塩緩衝液(pH
7.0)中で3回洗浄し、リン酸塩緩衝液20mlに再懸濁し
た。アッセイのためには粒子を同一緩衝液中で1/10に希
釈した。
テストステロン特異性モノクローナル抗体の入手先およ
び特性 テストステロン特異性モノクローナル抗体の調製物は
インターファーム・ラボラトリーズ(イスラエル)から
得られた。この抗体はN50/1マウス骨髄腫細胞とBSA共役
テストステロン−3−カルボキシメチルオキシムで免疫
処理したウイスターラットの脾臓細胞とのハイブリダイ
ゼーションにより形成されたクローンから産生された。
このクローン(ナンバーF2)は業者によって高純度免疫
グロブリン(サブクラスIgGI)凍結乾燥画分として提案
された。この抗体の親和定数は業者によれば1×1010l
/モルと見積られた。5β−DHTに対するその交叉反応
性は15%と見積られた。不溶化5β−DHTに対するこの
抗体の親和定数は1.5×107l/モルと推定された。
125−I標識−抗テストステロン抗体の調製 以下の反応において、操作はすべて室温(約20℃)で
行われた。以下の試薬をまず混和した:0.3M・NaClを含
有する0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)中の125−I
ヨウ化ナトリウム1.0mCi;0.05mlのモノクローナル抗テ
ストステロン抗体調製物溶液、蒸留水中2mg/mlの濃度。
次いで0.04mlのクロラミン−T溶液(リン酸カリウム緩
衝液(pH7.5)中にクロラミン−T100μg/mlを含有)を
添加し、溶液を5秒間混合した。混合物を60秒間インキ
ュベートし、この時点で0.04mlのメタ重亜硫酸ナトリウ
ム溶液(同一リン酸緩衝液中に200μg/mlのメタ重亜硫
酸ナトリウム)を添加して反応を停止した。混合物にセ
ファデックスS25(PD−10カラム、ファルマシア社)に
よるサイズ−エクスルージョン(Size−exclusion)ク
ロマトグラフィーを施し、0.1Mリン酸塩緩衝液プラス0.
1%BSA(pH7.5)で溶離した。出現する標識抗体ピーク
はカラムの空隙(void volume)において溶離された。
標識抗体調製物の比放射能は1.5×106mCi/mmol蛋白質で
あった。
血清/血漿遊離テストステロンのイムノメトリーアッセ
イ法の説明 血清試料50μlを0.2mlの固相5β−DHT−3CMO−BSA
−共役セルロース複合体懸濁液と混合した。次いで0.1M
リン酸カリウムプラス1%BSA緩衝液(pH7.5)中の標識
テストステロン抗体0.2ml(5ng、33fmolの抗体を含有)
を添加した。溶液を渦流混合し、37℃で1時間インキュ
ベートした。血清中の遊離テストステロンは標識抗体と
の結合に対し5β−DHT−セルロース複合体と競合し、
複合体に結合した125−I画分は血清遊離テストステロ
ン濃度と反比例した。抗体と会合した磁性5β−DHT−
セルロース複合体は、反応混合物を入れた試験管を底面
が磁化したラックに乗せ、これにより不溶性5β−DHT
−セルロース複合体を試験管の底に引きつけて安定なペ
レットを形成することにより沈殿した。磁化した分離用
ラックとの接触時間10分で溶液からのセルロース複合体
の分離を完了するのに十分であった。次いで試験管を逆
転させて(ラックと接触した状態で)、溶液を廃棄し
た。次いでペレットを水1mlに再懸濁し、再び磁化ラッ
クに10分間乗せ、次いで逆転させた。逆転位置で5分間
排液したのち、磁性5β−DHT−セルロース粒子に結合
した標識抗体のみを含む試験管を60秒間カウントした。
未知血清の遊離テストステロン濃度は、予想値の全アッ
セイ範囲を包含する既知の遊離テストステロン濃度の試
料を用いて作成された用量−反応曲線から内挿された。
下記の結果は得られたものの代表例である。
同族体に対する抗体の親和定数は1.5×107l/molであ
り;同族体の有効濃度はアッセイ試験管当たり1.7×10
-8molであり;これら両数値の積は2.6×10-1である。リ
ガンドに対する抗体の親和定数は1×1010l/molであ
り;インキュベーション終了時に抗体に結合していたリ
ガンドの濃度は4×10-11molと推定され;これら両数値
の積は4×10-1である。これら両方の積の比は0.65であ
る。有効同族体濃度と抗体濃度の比は約5×104であ
る。
遊離テストステロンアッセイにおける内在−性ホルモン
結合の非妨害性 テストステロンはヒトの血流中で大部分が2種の天然
蛋白質、SHBG(TsBG)およびアルブミンに結合した状態
で輸送される。女性の場合、ほぼ79%のテストステロン
がSHBG(TsBG)に結合している。SHBG(TsBG)の水準、
および結果的に全テストステロン濃度は妊娠中に上昇す
る。しかし遊離テストステロン濃度は妊娠女性において
非妊娠女性のものと有意には異ならない。
非妊娠女性(n=38)および三か月期妊娠血清(n=
25)のパネルを上記方法により遊離テストステロン濃度
につきアッセイした。非妊娠血清中の平均(±SD)遊離
テストステロン濃度は15.6±5.06pg/mlであり、これは
妊娠パネルのもの(12.5±2.9pg/ml)と有意差がなかっ
た。
実施例3 遊離トリ−ヨードチロニン(T3)試薬のイムノラジオメ
トリーアッセイ法 標準法により精製されたT3−BSA複合体を用いて抗−T
3モノクローナル抗体を産生させ(in−house)、次いで
実施例1の記載に従って125−Iで標識した。
リガンド同族体はジヨードチロニン(T2)であった。
これを実施例1に記載の方法により活性セルロースに結
合させた。
T3に対する標識抗体の親和定数は5×109l/molであ
り;T2に対する標識抗体の親和定数は1×108l/molであ
り;不溶化T2に対する標識抗体の親和定数は5×106l/m
olと推定された。
アッセイ法 血清試料50μlを、2.5×10-9mol/lのT2を含むT2−セ
ルロース粒子懸濁液0.5ml(アッセイ試験管当たり1.25
×10-4gのセルロースに対し0.25×10-10molのT2);お
よび標識抗体溶液0.5ml(試験管当たり5×10-15molの
標識抗体を含有)を混合した。希釈用緩衝液、インキュ
ベーション条件および磁性粒子分離法は実施例1に記載
したとおりであった。下記の結果は一般的に得られたも
のである。遊離T3(pg/ml) 結合放射能% 0 39 2.5 37 5 32 10 30 20 22 40 16 このアッセイにおいては、積a)(同族体に対する標
識抗体の親和性×同族体の有効濃度)は1.25×10-2であ
り;積b)(リガンドに対する同族体の親和定数×イン
キュベーション終了時に抗体に結合していたリガンドの
濃度)は3×10-2である。従ってa)対b)の比は0.4
である。有効同族対濃度−対−抗体濃度の比は約5×10
4である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シーハン,クリストファー・ペーター イギリス国シーエフ4・8エルイー,カ ーディフ,モーガンズタウン・ヘオル・ シア・ルイス 23 (72)発明者 クリストフィデス,ニコス・デメトリオ ー イギリス国カーディフ,ラニシェン,レ イドル・クローズ 13 (56)参考文献 特開 昭55−39089(JP,A) 特表 昭59−500632(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1種または2種以上の天然結合剤に結合し
    たリガンド部分をも含有する生物学的流体試料中の遊離
    リガンド部分を、該リガンドに対する抗体であるシグナ
    ル試薬、および該抗体への結合に対しリガンドと競合す
    る示差結合性リガンド同族体を用いてアッセイする方法
    であって、試料を上記の同族体および抗体と共にインキ
    ュベートし、そして同族体に対する抗体の結合度を観察
    することを含む方法において、抗体が該リガンドに対す
    るモノクローナル抗体であり、かつ同族体が該抗体との
    結合に関してリガンドより低い親和性をもつように選択
    され、同族体の親和性が遊離リガンドの抗体との結合親
    和性の0.01−10%である、前記方法。
JP1501274A 1988-01-08 1989-01-05 生物学的流体中のリガンドの遊離画分を測定する方法 Expired - Lifetime JP2718229B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB888800419A GB8800419D0 (en) 1988-01-08 1988-01-08 Method for measuring free fraction of ligands in biological fluids
GB8800419 1988-01-08
US47396490A 1990-04-17 1990-04-17
US55158090A 1990-07-02 1990-07-02
US88507092A 1992-05-18 1992-05-18
US08/022,416 US5278080A (en) 1988-01-08 1993-02-11 Method for measuring the free fraction of ligands in biological fluids

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03502243A JPH03502243A (ja) 1991-05-23
JP2718229B2 true JP2718229B2 (ja) 1998-02-25

Family

ID=27516786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1501274A Expired - Lifetime JP2718229B2 (ja) 1988-01-08 1989-01-05 生物学的流体中のリガンドの遊離画分を測定する方法

Country Status (12)

Country Link
US (1) US5278080A (ja)
EP (1) EP0324540B2 (ja)
JP (1) JP2718229B2 (ja)
AT (1) ATE64469T1 (ja)
AU (1) AU619712B2 (ja)
CA (1) CA1340536C (ja)
DE (1) DE68900106D1 (ja)
ES (1) ES2029114T5 (ja)
FI (1) FI92884C (ja)
GB (1) GB8800419D0 (ja)
WO (1) WO1989006363A1 (ja)
ZA (1) ZA8918B (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3626468A1 (de) * 1986-08-05 1988-02-11 Hoechst Ag Verfahren und testkit zur bestimmung freier wirkstoffe in biologischen fluessigkeiten
DE3727238A1 (de) * 1987-08-14 1989-02-23 Henning Berlin Gmbh Immunologisches bestimmungsverfahren zur bestimmung von hapteneigenschaften aufweisenden freien substanzen
US5364796A (en) * 1989-07-11 1994-11-15 Pb Diagnostics Systems, Inc. Diagnostic assay system
IT1254858B (it) * 1992-04-14 1995-10-11 Metodo per la determinazione della frazione libera di sostanze presenti nei fluidi biologici.
DE4214922C2 (de) * 1992-05-06 1996-06-13 Brahms Diagnostica Gmbh Verfahren zur quantitativen Bestimmung des Anteils der freien Form eines Schilddrüsenhormon-Liganden in einer biologischen Flüssigkeit und Kit zur Durchführung eines solchen Verfahrens
EP0606950A3 (en) * 1993-01-13 1995-07-12 Eastman Kodak Co Method for determining the reaction rate of analytes.
ATE237137T1 (de) * 1994-11-24 2003-04-15 Inverness Medical Switzerland Rückgewinnung und verwendungen von spezifischen bindungsreagenzen
DE19504198A1 (de) 1995-02-09 1996-08-14 Behringwerke Ag Kompetitiver Immuntest unter Verwendung komplexierter Analytderivate
US6143578A (en) * 1996-05-10 2000-11-07 Bayer Corporation Method and apparatus for wash, resuspension, recollection and localization of magnetizable particles in assays using magnetic separation technology
US5888835A (en) * 1996-05-10 1999-03-30 Chiron Diagnostics Corporation Method and apparatus for wash, resuspension, recollection and localization of magnetizable particles in assays using magnetic separation technology
JP3864261B2 (ja) * 1996-07-18 2006-12-27 ベーリングウエルケ、アクティエンゲゼルシャフト マイコフェノリック酸アッセイのための試薬
US6087088A (en) * 1997-01-31 2000-07-11 Bayer Corporation Binding assays using more than one label for determining analyte in the presence of interfering factors
JP5085736B2 (ja) * 2008-07-31 2012-11-28 日東紡績株式会社 複合体の測定方法およびそれに用いるキット
JP5997446B2 (ja) 2011-02-03 2016-09-28 アークレイ株式会社 甲状腺ホルモン固定化担体の液体試薬およびその用途
CN114544831B (zh) * 2022-02-21 2024-05-10 成都翼泰生物科技有限公司 分离血液中游离甲状腺激素的方法及其应用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4292296A (en) * 1978-09-12 1981-09-29 Baxter Travenol Laboratories, Inc. Diagnostic method
US4366143A (en) * 1979-09-24 1982-12-28 Amersham International Public Limited Company Assay for the free portion of substances in biological fluids
WO1983003306A1 (en) * 1982-03-19 1983-09-29 Roger Philip Ekins Method and composition for free ligand assays
DE3380125D1 (en) * 1982-03-22 1989-08-03 Amersham Int Plc Assay for the free portion of substances in biological fluids
ZA837119B (en) * 1982-10-07 1984-12-24 Amersham Int Plc Assay for the free portion of substances in biological fluids
GB2134806B (en) 1983-02-07 1986-07-16 English Clays Lovering Pochin A tube pressure filter
GB8408193D0 (en) * 1984-03-30 1984-05-10 Cambridge Patent Dev Antibodies
DE3727238A1 (de) * 1987-08-14 1989-02-23 Henning Berlin Gmbh Immunologisches bestimmungsverfahren zur bestimmung von hapteneigenschaften aufweisenden freien substanzen

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03502243A (ja) 1991-05-23
CA1340536C (en) 1999-05-11
GB8800419D0 (en) 1988-02-10
US5278080A (en) 1994-01-11
EP0324540B2 (en) 2000-12-27
FI903348A0 (fi) 1990-07-03
FI92884C (fi) 1995-01-10
DE68900106D1 (de) 1991-07-18
ES2029114T3 (es) 1992-07-16
ZA8918B (en) 1989-10-25
ES2029114T5 (es) 2001-04-16
FI92884B (fi) 1994-09-30
AU2925189A (en) 1989-08-01
EP0324540A1 (en) 1989-07-19
WO1989006363A1 (en) 1989-07-13
AU619712B2 (en) 1992-01-30
EP0324540B1 (en) 1991-06-12
ATE64469T1 (de) 1991-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2718229B2 (ja) 生物学的流体中のリガンドの遊離画分を測定する方法
FI67760C (fi) Foerfarande foer bestaemning av koncentrationen av en fri ligand fraon en biologisk vaetska
US4034074A (en) Universal reagent 2-site immunoradiometric assay using labelled anti (IgG)
CA1222449A (en) Monoclonal antibody mixtures and use thereof for enhanced sensitivity immunoassays
US4248965A (en) Immunochemical process of measuring physiologically active substances
EP0238353A2 (en) Methods of immunoassay
Alexander et al. Radioimmunoassay of serum triiodothyronine on small, reusable Sephadex columns
JPH0326346B2 (ja)
EP0103605B1 (en) Method for free ligand assays
JP2001505999A (ja) Tshレセプター自己抗体を検出するためのレセプター結合アッセイ
CA1110165A (en) Double antibody immunoassay using enzyme-labelled antibody and solid phase antigen
TAKEDA et al. Radiometric measurement of thyroglobulin-antithyroglobulin immune complex in human serum
HUT69994A (en) Method for the determination of the amount of a ligand in a biological fluid and kit for carrying out such a method
US5304498A (en) Method and composition for free ligand assay
EP0218309B1 (en) Method for measuring free ligands in biological fluids
Rubin et al. The effect of high antigen density on solid-phase radioimmunoassays for antibody regardless of immunoglobulin class
JPH0731191B2 (ja) チログロブリンを使用する甲状腺ホルモンの免疫定量法
JPS637621B2 (ja)
Nambara et al. Determination of estrone sulfate in plasma by radioimmunoassay without deconjugation
JP2729917B2 (ja) 生体液中アナライトの遊離部分の測定方法
Paradkar et al. An immunoradiometric assay for human follicle stimulating hormone using a monoclonal antibody coupled to magnetisable cellulose
JPH0228558A (ja) 超高感度特異的抗体の測定法
EP0597902B1 (en) Method for eliminating erroneous results in an immunoassay
JPH10221341A (ja) 体液中の遊離リガンドの測定方法
JPH0122905B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071114

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081114

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091114

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091114

Year of fee payment: 12