JP2718123B2 - 変性水添共役ジエン系重合体、その組成物および製造方法 - Google Patents

変性水添共役ジエン系重合体、その組成物および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、耐候性および耐熱性に優れ、かつ接着性、
塗装性などの性質を改良でき、さらに複合系においては
極性樹脂との相溶性が高く、耐衝撃性、機械強度などの
改良効果に優れた変性水添共役ジエン系重合体、重合体
組成物およびその製造方法に関する。
b.従来の技術 重合体中に不飽和二重結合を有するジエン系重合体
は、熱安定性、耐候性および耐オゾン性が劣るため、こ
れを改良する手段として、不飽和二重結合を水素添加
(以下「水添」という)する方法が知られており、その
方法として、例えば特公昭43−19960号、特公昭45−392
75号、特公昭48−3555号、特開昭56−62805号、特開昭5
9−133203号などが挙げられる。これらの方法で得られ
た水添ポリマーは、期待どうりの耐熱性、耐候性および
耐オゾン性を示すため、樹脂の改質用途などに多く使わ
れている。
しかしながら、この水添ポリマーは極性基を持たない
ため極性樹脂との相溶性が悪く、ブレンド物は満足でき
る物性を示さない。また、非極性樹脂とのブレンド物に
おいても、ブレンド物の接着性や塗装性が悪いという欠
点があった。
ところで、水添前の芳香族ビニル化合物と共役ジエン
化合物との共重合体に対して、イソシアネート基または
イソシアネート基から誘導される極性基を導入する方法
は、既に公知であり、例えば米国特許3838108号、米国
特許4070344号などには、リビングポリマー末端にポリ
イソシアネートを反応させたアミン末端ポリマーが開示
されている。
しかしながら、これらの方法で得られた極性基含有ポ
リマーの不飽和二重結合を通常の方法で水添したものに
は水添率の高いものがない。
すなわち、末端にイソシアネート基またはイソシアネ
ート基から誘導される極性基を含有し、かつ高水添され
た重合体は知られていなかった。
c.発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、極性樹脂との相溶性に優れ、耐衝撃
性、機械特性などの物性を改良でき、かつ非極性樹脂と
の良好な相溶性を有し、耐衝撃性、接着性、塗装性など
の性質を改良できる耐熱性、耐候性、耐オゾン性の優れ
た重合体を提供することにある。
d.課題を解決するための手段 本発明者らは、上記の課題を解決できる重合体を得る
べく種々検討した結果、重合体末端をイソシアネート基
またはイソシアネート基から誘導される極性基で変性し
た、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合
体の不飽和二重結合を高度に水添した重合体が、この目
的に合致することを発見し、本発明を完成するに至った
ものである。
本発明は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物と
の共重合体であって、該重合体の少なくとも一方の末端
にイソシアネート基もしくはイソシアネート基から誘導
される極性基を結合した重合体を全重合体の少なくとも
30重量%含有し、かつ、全共重合体中の共役ジエン成分
に基く不飽和二重結合の少なくとも60%が水素添加され
ている変性水添共役ジエン系重合体およびこれと他の樹
脂との組成物、ならびにその製造方法を提供するもので
ある。
すなわち、本発明は、芳香族ビニル成分5〜90重量%
と共役ジエン成分95〜10重量%を含有するポリスチレン
換算数平均分子量が1,000〜500,000であるブロックまた
はランダム共重合体であって、該共重合体の共役ジエン
部分の不飽和結合の少なくとも60%が水素添加されてお
り、かつ、共重合体分子の少なくとも一方の末端にイソ
シアネート基またはイソシアネート基から誘導される極
性基が結合されている共重合体分子を少なくとも30重量
%含有する変性水添共役ジエン系重合体; 該変性水添共役ジエン系重合体(A)1〜99重量%
と、極性樹脂(B)および非極性樹脂(C)から選ばれ
た少なくとも一種の樹脂99〜1重量%とからなる重合体
組成物; 有機リチウム化合物を開始剤として、共役ジエン化合
物と芳香族ビニル化合物を共重合したのち、得られた共
重合体の少なくとも30重量%の共重合体分子の末端の少
なくとも一方の多官能性イソシアネート化合物で変性さ
せた変性共重合体を、不活性溶媒中にて、(i)ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウム化合物およびビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウム化合物から選ばれ
た少なくとも一種と、(ii)アルミニウム化合物、亜鉛
化合物、マグネシウム化合物、有機リチウム化合物およ
びアルコキシリチウム化合物から選ばれた少なくとも一
種を含有する還元性有機金属化合物 を、(i)成分/(ii)成分(モル比)=1/0.5〜1/20
の割合で混合した触媒の存在下で、水素と接触させるこ
とにより、上記変性重合体中の共役ジエン部分の不飽和
結合の少なくとも60%を水素添加することを特徴とする
上記変性水添共役ジエン系重合体の製造方法; さらに、上記水素との接触の前または後に、上記変性
共重合体をイソシアネートと反応性の化合物と反応させ
る上記変性水添共役ジエン系重合体の製造方法を提供す
るものである。
まず本発明で用いる芳香族ビニル化合物と共役ジエン
化合物との(共)重合体としては、共役ジエン重合体あ
るいは共役ジエン化合物と、芳香族ビニル化合物とのラ
ンダム共重合体およびブロック共重合体が挙げられる。
上記共役ジエン重合体としては、共役ジエンホモポリ
マーおよび共役ジエン相互あるいは共役ジエンの少なく
とも1種と共役ジエンと共重合可能なオレフィンモノマ
ーの少なくとも1種とを共重合して得られるコポリマー
などが包含される。かかる共役ジエン重合体の製造に用
いられる共役ジエンとしては、一般的に4〜約12個の炭
素原子を有する共役ジエンであり、具体的な例として
は、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3
−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、
クロロプレンなどが挙げられる。
工業的に有効に利用でき、物性の優れたエラストマー
を得るためには、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に
好ましく、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエ
ン/イソプレンコポリマーの如き弾性体が特に好まし
い。かかるポリマーにおいては、そのミクロ構造は特に
制限されずいかなるものも好適に使用できるが、1,2−
ビニル結合が少ないと水添後のポリマーの溶解性が低下
し、均一に水添を行うためには溶媒が限定されるので、
1,2−ビニル結合を約10%以上含有するポリマーがより
好ましい。
また、本発明の方法は、共役ジエンの少なくとも1種
と共役ジエンと共重合可能なオレフィンモノマーの少な
くとも1種とを共重合して得られるコポリマーの水添に
好適に用いられる。かかるコポリマーの製造に用いられ
る好適な共役ジエンとしては、前記共役ジエンが挙げら
れ、一方のオレフィンモノマーとしては、共役ジエンと
共重合可能な全てのモノマーが挙げられるが、特にビニ
ル置換芳香族炭化水素が好ましい。
工業的に有用で価値の高いエラストマーや熱可塑性エ
ラストマーを得るためには、共役ジエンと芳香族ビニル
とのコポリマーが特に重要である。かかるコポリマーの
製造に用いられる芳香族ビニルの具体例としては、スチ
レン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニル
エチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレ
ン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニ
ルピリジンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチル
スチレンが好ましい。具体的なコポリマーの例として
は、ブタジエン/スチレンコポリマー、イソプレン/ス
チレンコポリマー、ブタジエン/αメチルスチレンコポ
リマーなどが工業的価値の高い水添コポリマーを与える
ので最も好適である。
かかるコポリマーには、モノマーがポリマー類全体に
統計的に分布しているランダムコポリマー、漸滅ブロッ
クコポリマー、完全ブロックコポリマーが含まれる。
工業的に有用な重合体を得るためには、芳香族ビニル
重合体の含有量が5重量%ないし90重量%であることが
必要である。
また共役ジエン単位の1,2−ビニル結合が共役ジエン
単位全体の10重量%以上であると、水添後のポリマー性
能に優れ、好ましい。
重合体の分子量は、取扱いの容易さや加工性などから
ポリスチレン換算数平均分子量で1,000〜500,000であ
り、好ましくは5,000〜300,000、さらに好ましくは10,0
00〜200,000である。
重合体の製法も限定されないが、末端に官能基を導入
する必要があることから、有機アルカル金属化合物、好
ましくは有機リチウム化合物を開始剤としたリビングア
ニオン重合で製造することが望ましい。
有機リチウム化合物としては、有機モノリチウム化合
物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が
用いられる。これらの具体例としては、エチルリチウ
ム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチ
ルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニル
ジリチウム、イソプレニルジリチウムなどがあげられ
る。
本発明の共役ジエンと芳香族ビニルとからなるランダ
ム共重合体は、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの炭化水素溶媒中、またはテトラヒドロフラン、エチ
ルエーテルなどのエーテル溶媒中で、共役ジエン化合物
と芳香族ビニル化合物を−70〜130℃の範囲で上記の有
機アルカリ金属化合物を開始剤として(共)重合体を行
うことにより得ることができる。
一方、共役ジエンと芳香族ビニルとからなるブロック
共重合体の製造方法は、公知のいかなる方法でもよく、
例えば特公昭36−19286号、特公昭43−17979号、特公昭
45−31951号、特公昭46−32415号などに記載された方法
が挙げられる。これらの方法は炭化水素溶剤中で前記の
有機アルカリ金属化合物などの重合開始剤を用い、共役
ジエンと芳香族ビニルをブロック共重合する方法であ
り、得られるブロック共重合体は 一般式:(A−Bn,AB−A)n,BA−B) 〔式中、Aは芳香族ビニルを主とする重合体ブロックで
あり、Bは共役ジエンを含むエラストマー状重合体ブロ
ックである。AブロックとBブロックとの境界は必ずし
も明瞭に区別される必要はない。また、nは1以上の整
数である。〕 あるいは一般式: [(B−An m+1X,[(A−B) m+1X [(B−AnBm+1X, [(A−BnAm+1X 〔式中、AおよびBは上記と同じであり、Xは多官能有
機リチウム化合物などの開始剤を示し、mおよびnは1
以上の整数である。〕 で表されるものである。
共重合体ブロック中の芳香族ビニルは均一に分布して
いてもまたテーパー状に分布していてもよい。均一に分
布した部分および/またはテーパー状に分布した部分は
各ブロック中に複数個共存してもよい。
本発明の末端変性ブロック共重合体の製造のために使
用するブロック共重合体は、上記一般式で表されるブロ
ック共重合体の任意の混合物でもよい。
本発明において特に好ましいブロック共重合体は、少
なくとも2個の芳香族ビニルを主とする重合体ブロック
と少なくとも1個の共役ジエンを主とする重合体ブロッ
クを含有するブロック共重合体である。
本発明において、水素化に先だち重合体にイソシアネ
ート基またはイソシアネート基から誘導される極性基を
導入する方法としては、例えば次の方法がある。
すなわち、前記の方法で重合したリビングアニオンの
活性アルカリ金属末端と多官能イソシアネート化合物を
反応させることによりポリマー末端にイソシアネート基
を導入する方法である。
多官能イソシアネート化合物としては特に制限はない
が、例えば2,4−および2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、5−クロル−2,4−または5−クロル−
2,6−トリレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,
4−ジフェニルジイソシアネート、1,3−または1,4−キ
シレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−また
は1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、1−メチル
−2,4−または1−メチル−2,6−シクロヘキシルジイソ
シアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシ
アネート)などの脂肪族ジイソシアネート、4,4′,4″
−トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルイソシアネートなどのポリイソシアネー
ト、およびこれらの混合物が用いられる。
イソシアネート化合物の添加量は、アルカリ金属1原
子当り0.2〜1.5、好ましくは0.7〜1.3モルである。重合
体へのイソシアネート基の導入個数は任意であるが好ま
しくは重合体鎖当り0.5〜10、さらに好ましくは0.6〜5
である。
本発明の変性水添共役ジエン系重合体においては、イ
ソシアネート基が重合体分子の少なくとも一方の末端に
結合した重合体分子が、全重合体分子の少なくとも30重
量%、好ましくは40%以上占めることが必要である。30
重量%未満では十分な改良効果が得られない。こうして
得られたイソシアネート変性重合体は、このまま水素添
加されてもよいし、さらに次に挙げる化合物群の中の少
なくとも一種と反応させてイソシアネート誘導体とした
のち、水添されてもよい。また、イソシアネート変性の
まま水素添加し、その後、次に挙げる化合物群の中の少
なくとも一種と反応させてイソシアネート誘導体にして
もよい。イソシアネート基と反応すべき化合物群として
は、水、アルコール類、アミン類、アミド類、ヒドロラ
ジン類、ヒドラジド類、エポキシ基含有化合物、カルボ
ン酸類、酸無水物類、メルカプタン類、リン酸類、亜リ
ン酸類、アセチルアセトン、シアン化水素および下記式
(II): 〔XおよびYは−CN基またはCOOR基(Rはアルキル基)
を表わす。〕 で示される活性メチレン化合物が挙げられる。
本発明で用いられるイソシアネート基と反応させるア
ルコール類の具体例としては、次の如き化合物が例示で
きる。
アリルアルコール、イソアミルアルコール、オクタノ
ール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、2
−エチルヘキサノール、3−クロロプロパノール、ブタ
ノール、ヘプチルアルコール、メタノール、メチルイソ
ブチルカルビノール、3−メチル−3−メトキシブタノ
ール、メトキシブタノール、p−エチルフェノール、p
−オクチルフェノール、キシレノール、グアヤコール、
p−クミルフェノール、クレゾール、クロロフェノー
ル、シクロヘキサノール、2,4−ジクロロフェノール、
2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロ
キノン、2,4,6−トリクロロフェノール、2,4,6−トリ
(ジメチルアミノメチル)フェノール、ナフトール、p
−ニトロフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビスフェノール−A、ヒドロキシベンズアミ
ド、フェニルフェノール、フェノール、p−フェノール
スルホン酸、p−t−ブチルフェノール、メチルシクロ
ヘキサノール、メトール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、オクタンジ
オール、トリドデシルアルコール、トリメチロールプロ
パン、ネオペンチルグリコール、ノニルアルコール、4
−ヒドロキシ−2−ブタノン、ブタンジオール、2−t
−ブチルヒドロキノン、プロピレングリコール、1,6−
ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ペンタエリ
スリトール、1,5−ペンタンジオール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、3−メチルペン
タン−1,3,5−トリオール、カテコール、ハイドロキノ
ン、レゾルシンなど。
アミン類、アミド類、ヒドラジン類およびヒドラジド
類の具体例としては、イソプロピルアミン、エチルアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、イソブチルアミン、3
−エトキシプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルア
ミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、t−ブチルアミ
ン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メトキシプ
ロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、イソ
プロパノールアミン、エタノールアミン、エチレンイミ
ン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、ブチルアミ
ン、メチルアミン、アニリン、アニシジン、2−アミノ
−チオフェノール、p−アミノベンズアルデヒド、エチ
ルアニリン、p−クレシジン、クロロアニリン、シシク
ロヘキシルアミン、ジクロロアニリン、2,6−ジクロロ
−4−ニトロアニリン、ジシクロヘキシルアミン、シク
ロヘキシルアミン、ジクロロアニリン、2,6−ジクロロ
−4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、ジベンジル
アミン、トリジンベース、トルイジン、α−ナフチルア
ミン、ニトロアニリン、p−フェネチジン、フェネチル
アミン、フタルイミド、メタニル酸、メチルアミン、ア
ミノピリジン、1−アミノエチルピペラジン、N−アミ
ノプロピルモルホリン、イミダゾール、4−メチルイミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、ピペラジン、ピペリジン、ピロリ
ジン、ヘキサメチレンイミン、メラミン、モルホリン、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジアミノプ
ロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ポリエチレンイミン、m−キシリレンジアミン、ジ
アニシジン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフェ
ニルメタン、3,3′−ジクロロベンジジン、3,3′−ジメ
チル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、スルファニ
ル酸、m−トルイジンジアミン、N−t−オクチルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、エチ
レンビスステロアミド、オレイン酸アミド、ステアリン
酸アミド、メチレンビスステアロアミド、メチロールス
テアロアミド、チオアセトアミド、フォルムアミド、メ
タクリルアミド、N,N−ジメチルビス(アクリルアミ
ド)、N−メチロールアクリルアミド、ε−カプロラク
タム、α−アミノε−カプロラクタム、グアニルチオウ
レアなどが挙げられる。
エポキシ基含有化合物の具体例としては、酸化プロピ
レン、シクロヘキサンオキサイド、ジブロモクレジルグ
リシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジル
エーテル、ネオペンピルグリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリプロピ
レンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
カルボン酸類および酸無水物類の具体例としては、イ
ソ酪酸、オクチル酸、ギ酸、グリオキシル酸、クロトン
酸、β−クロロプロピオン酸、β−メルカプトプロピオ
ン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、セバシン酸、チオグリ
コール酸、チオ酢酸、ピルビン酸、プロピオン酸、マロ
ン酸、β−ブロモプロピオン酸、アジピン酸、p−アミ
ノ安息香酸、安息香酸、クロロ安息香酸、4−クロロ−
3−ニトロ安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、2,4
−ジクロロ安息香酸、ナフテン酸、フェニル酢酸、プロ
トカテキュ酸、o−ベンゾイル安息香酸、レブリン酸、
イタコン酸、アントラニル酸、イソフタル酸、オキシナ
フトエ酸、ガンマー酸、サリチル酸、テレフタル酸、p
−ヒドロキシフェニル酢酸、クロログリシノール、シト
ウシジン酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無水酢
酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無
水酪酸、無水クロレンド酸、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、無水フタル酸などが挙げられる。
メルカプタン類の具体例としては、メチルメルカプタ
ン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデ
シルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ヘキサ
デシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、
チオグリコール、2−メルカプトエタノール、チオ安息
香酸、チオフェノール、チオサリチル酸などが挙げられ
る。
リン酸類および亜リン酸類の具体例としては、ホスホ
ン酸、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、フェニルホスホン酸、ジ
メチルジチオリン酸、ジエチルジチオリン酸、ジイソプ
ロピルジチオリン酸、トリメチルホスファイトなどが挙
げられる。
式(I)で表わさせる活性メチレン化合物の具体例と
しては、シアノ酢酸、ジシアノメチレン、シアノ酢酸メ
チル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸プロピル、シアノ
酢酸ブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジプロピル、
マロン酸ジブチルなどが挙げられる。
これらの化合物の添加量はイソシアネート基と等モル
反応を起こすのでイソシアネート基と等モル量が好まし
い。
本発明の共役ジエン系共重合体は、不活性溶媒、例え
ばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼンなどの炭化水素溶媒またはメチ
ルエチルケトン、酢酸エチル、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどの極性溶媒中で、下記の如き水素化触
媒または水素化化合物を用いて水素化される。
水素化された本発明の共役ジエン系共重合体は、直脱
ロールによる脱溶凝固処理またはスチームストリッピン
グにより脱溶媒後、またはアルコールにより凝固した
後、乾燥することにより得られる。
重合体を水素添加する方法としては種々の方法が使用
できるが、前記イソシアネート基で変性された(共)重
合体あるいはイソシアネート基から誘導された極性基で
変性された(共)重合体を水添する上においては、高割
合で水添できる点での次の水添触媒を溶いることが好ま
しい。すなわち水添触媒として、 (i)ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合
物、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム化合物
およびビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム化合物
から選ばれた少なくとも一種と、 (ii)アルミニウム化合物、亜鉛化合物、マグネシウム
化合物、有機リチウム化合物およびアルコキシリチウム
化合物の少なくとも一種を含有する還元性有機金属化合
物を、好ましくは、 (i)成分/(ii)成分(モル比)=1/0.5〜1/20の
割合で混合した触媒を用いることができる。
上記変性(共)重合体は、不活性溶媒中で上記(i)
および(ii)成分からなる触媒の存在下に、水素と接触
させることにより好適に水添することができる。
水添の割合(水添率)としては、重合体中の共役ジエ
ンに基く不飽和結合の60%以上、好ましくは70%以上、
さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上で
ある。水素添加率が60%未満では耐熱性、耐候性および
耐オゾン性が劣る。これらの性質を十分発揮するには水
素添加率は高いほど好ましい。
なお、本発明の変性水添共役ジエン系重合体を得る方
法としては、次の方法を用いることもできる。すなわち
有機リチウム化合物を開始剤として、共役ジエン化合物
と芳香族ビニル化合物を(共)重合したのち、重合体末
端の少なくとも30重量%を多官能性イソシアネート化合
物で変性させた重合体を、不活性溶媒中にて、 (i)ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合
物、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム化合物
およびビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム化合物
の少なくとも一種と、 (ii)アルミニウム化合物、亜鉛化合物、マグネシウム
化合物、有機リチウム化合物およびアルコキシリチウム
化合物の少なくとも一種を含有する還元性有機金属化合
物を、(i)成分/(ii)成分(モル比)=1/0.5〜1/2
0の割合で混合した触媒の存在下で、水素と接触させて
該重合体の共役ジエン部分の不飽和結合の少なくとも60
%水素添加したのち、該イソシアネート変性水添重合体
を水、アルコール、アミン類、アミド類、ヒドラジン
類、ヒドラジド類、カルボン酸類、酸無水物類、メルカ
プタン類、リン酸類、亜リン酸類、アセチルアセトン、
シアン化水素および下記式(II): 〔XおよびYは−CN基またはCOOR基(Rはアルキル基)
を表わす。〕 で示される活性メチレン化合物から選ばれた一種以上の
化合物と反応させることにより末端がイソシアネートま
たはイソシアネート誘導体で修飾された水添ジエン系重
合体を得ることができる。
ここで上記水添触媒の各成分について述べる。
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物は、
下記式(III): 〔式中、R1およびR2はハロゲン原子、炭化水素基、アリ
ロキシ基、アルコキシ基またはカルボニル基を表わし、
R1およびは同一であっても異なっていてもよい。〕 で示される化合物である。
かかる化合物の具体例としては、ビス(シクロペタジ
エニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエ
ニル)チタニウムジエチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジ−n−ブチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)チタニウムジ−sec−ブチル、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジヘキシル、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジオクチル、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス(シク
ロペンタジエニル)チタニウムジブトキシド、ビス(シ
クロペンタジエニル)チタニウムジフエニル、ビス(シ
クロペンタジエニル)チタニウムジ−m−トリル、ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジ−p−トリル、
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ−m,p−キ
シリル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ−
4−エチルフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムジ−4−ブチルフェニル、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジ−4−ヘキシルフェニル、ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフルオライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロラ
イド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジブロ
マイド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジイ
オダイド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
カルボニル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
クロライドメチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムクロライドエトキサイド、ビス(シクロペンタジ
エニル)チタニウムクロライドフェノキシド、ビス(シ
クロペンタジエニル)チタニウムジベンジンルなどが挙
げられ、これらは単独あるいは相互に組み合わせて用い
ることができる。これらのビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウム化合物のうち、ポリマー中のオレフィン
性不飽和二重結合に対する水添活性が高く、かつ温和な
条件で不飽和二重結合を良好に選択的に水添する好まし
いものとしては、ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウ
ムジ−n−ブチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムジ−p−トリル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジカルボニル、ビス(シクロベンタジエ
ニル)チタニウムジベンジルが挙げられ、特に好ましい
ものはビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロ
ライドである。
また、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム化
合物は、下記式(IV): 〔式中、R3およびR4はハロゲン原子、炭化水素基、アリ
ロキシ基、アルコキシ基、またはカルボニル基を表わ
し、R3およびR4は同一であっても異なっていてもよ
い。〕 で示される化合物である。
かかる化合物の具体的例としては、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジエチル、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウム−n−ブチル、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジ−sec−ブチル、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヘキシル、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジオクチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメトキシ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジエト
キシド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
ブトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジ−m−トリル、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジ−p−トリル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム−m,p−キシリル、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジ−4−エチルフェニル、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェノキシ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフル
オライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジブロマイド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジイオダイド、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジカルボニル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムクロライドメチルなどが挙げられ、こ
れらは単独あるいは相互に組み合わせて用いることがで
きる。これらのビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウム化合物のうち、ポリマー中のオレフィン性不飽和二
重結合に対する水添活性が高く、かつ温和な条件で不飽
和二重結合を良好に選択的に水添する好ましいものとし
ては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメ
チル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ−
n−ブチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジブロマイド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジ−p−トリル、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジカルボニルが挙げられる。さらに
安定に取扱え、(ii)の還元性金属化合物と組み合わせ
た場合に最も活性の発現しやすいより好ましいものは、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロ
マイド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジ−p−トリルであり、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジ−p−トリルは溶解性にも優れるので最
も好ましい。
ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム化合物は、
下記式(V): 〔式中、R5およびR6はハロゲン原子、炭化水素基、アリ
ロキシ基、アルコキシ基、またはカルボニル基を表わ
し、R5およびR6は同一であっても異なっていてもよ
い。〕 で示される化合物である。
その具体的例としては、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジエチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジ−n−ブチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ハフニウムジ−sec−ブチル、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジヘキシル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジメトキシド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ハフニウムジエトキシド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ハフニウムジブトキシド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ハフニウムジフェニル、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ハフニウムジ−m−トリル、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ハフニウムジ−p−トリル、ビス(シク
ロペンタジエニル)ハフニウムジ−m,p−キシリル、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェノキシ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフルオ
ライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジク
ロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジ
プロマイド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム
ジイオダイド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウ
ムジカルボニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニ
ウムクロライドメチルなどが挙げられる、これらは単独
あるいは相互に組み合わせて用いることができる。これ
らのビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム化合物の
うち、ポリマー中のオレフィン性不飽和二重結合に対す
る水添活性が高く、かつ温和な条件で不飽和二重結合を
良好に選択的に水添する好ましいものとしては、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジ−n−ブチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジブロマ
イド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェ
ニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジ−p
−トリル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジ
カルボニルが挙げられる。さらに安定に取扱え、(ii)
の還元性金属化合物と組み合わせた場合に最も活性の発
現しやすいより好ましいものは、ビス(シクロペンタジ
エニル)ハフニウムジクロライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ハフニウムジブロマイド、ビス(シクロペン
タジエニル)ハフニウムジフェニル、ビス(シクロペン
タジエニル)ハフニウムジ−p−トリルであり、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジ−p−トリルは
溶解性にも優れるので最も好ましい。
還元性有機金属化合物(ii)の具体例としては、アル
ミニウム化合物として、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニ
ウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアル
ミニウムヒドリド、トリフェニルアルミニウム、トリ
(2−エチルヘキシル)アルミニウムなどが挙げられ、
亜鉛化合物として、ジエチル亜鉛、ビス(シクロペンタ
ジエニル)亜鉛、ジフェニル亜鉛などが挙げられ、さら
にマグネシウム化合物として、ジメチルマグネシウム、
ジエチルマグネシウム、メチルマグネシウムブロマイ
ド、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウ
ムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、フェニ
ルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウムクロ
ライド、ジメチルマグネシウム、t−ブチルマグネシウ
ムクロライドなどが挙げられる。これらの他にリチウム
アルミニウムヒドライドの如き還元性金属を2種以上含
む化合物も包含される。
工業上の入手難易度、取扱いの容易性などを加味する
と、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニ
ウムジクロライドが好ましい。有機リチウム化合物とし
ては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピル
リチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム、イソブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、フェ
ニルリチウム、p−トリルリチウム、キシリルリチウ
ム、重合活性末端リチウムなどが挙げられる。
また、アルコキシリチウム化合物の具体例としては、
メトキシリチウム、エトキシリチウム、n−プロポキシ
リチウム、i−プロポキシリチウム、n−ブトキシリチ
ウム、sec−ブトキシリチウム、t−ブトキシリチウ
ム、ペンチルオキシリチウム、ヘキシルオキシリチウ
ム、ヘプチルオキシリチウム、オクチルオキシリチウ
ム、フェノキシリチウム、4−メチルフェノキシリチウ
ム、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシリチ
ウム、ベンジルオキシリチウム、さらにはアルキルリチ
ウム化合物とアルコール性化合物またはフェノール性水
酸基化合物との反応生成物などが挙げられる。
触媒(i)成分と組合せた場合に最も活性の発現しや
すいより好ましものは、2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チル−フェノキシリチウムである。
また、次の方法を用いて本発明の変性水添共役ジエン
系重合体を得ることもできる。
すなわち、有機リチウム化合物を開始剤として、共役
ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を(共)重合したの
ち、得られた重合体の少なくとも30重量%の重合体末端
の少なくとも一方をイソシアネート化合物で変性させた
変性重合体を、活性イソシアネート基と等モル以上の有
機リチウム化合物と反応させた後、不活性溶媒中にて水
素添加触媒、好ましくは前記の (i)ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合
物、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム化合物
およびビス(シクロペンタジエニル)ハウニウム化合物
から選ばれた少なくとも一種と、 (ii)アルミニウム化合物、亜鉛化合物、マグネシウム
化合物、有機リチウム化合物およびアルコキシリチウム
化合物から選ばれた少なくとも一種を含有する還元性有
機金属化合物 とを、(i)成分/(ii)成分(モル比)=1/0.5〜1/2
0の割合で混合した触媒の存在下で、水素と接触させる
ことにより、上記変性重合体中の共役ジエン部分の不飽
和結合の少なくとも60%を水素添加したのち、該有機リ
チウム付加イソシアネート変性水添重合体をスズ化合
物、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、ホスフ
ェート基含有化合物、ハロゲン基含有化合物、カルボニ
ル基含有化合物、ニトロソ基含有化合物、オレフィン性
二重結合および三重結合含有化合物、ニトリル基含有化
合物、イソシアネート化合物、活性水素含有化合物など
から選ばれた有機リチウムと反応性の化合物一種以上の
化合物と反応させることにより末端がイソシアネート誘
導体で修飾された水添ジエン系重合体を得ることができ
る。
活性イソシアネート基と水添反応前に反応させるべき
有機リチウム化合物を例示すると、エチルリチウム、n
−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチ
ウムなどが挙げられる。
有機リチウム付加イソシアネート基と反応できる化合
物の具体例は、スズ化合物としてはクロロトリメチルス
ズ、クロロトリブチルスズ、クロロトリオクチルスズ、
ジクロロジメチルスズ、ジクロロジブチルスズ、ジクロ
ロジオクチルスズ、トリフェニルモノクロルスズなどの
ハロゲン化合物、テトラビニルスズ、テトラアリールス
ズ、ジビニルジブチルスズ、ジブチルスズジステアレー
ト、ジブチルスズジオレエート、ジオクチルスズジステ
アレート、ジブチルスズマレエート、ジオクチルスズマ
レエートなどのアルケニルスズ化合物、アルキルスズの
カルボン酸塩も用いられる。
アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物としては上
記のイソシアネート基と反応させるアミン類、アミド類
と同等の化合物が用いられる。
ホスフェート基含有化合物としては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、トリノニルフェニルホスフェート、トリブチル
フェニルホスフェート、トリフェニルホスフェートなど
トリアルカリホスフェート、トリアルキルフェニルホス
フェートなどが用いられる。
ハロゲン基含有化合物としては、クロルベンゼン、ア
リルクロライド、塩化シアヌール、p−ブロムアニリ
ン、p−ブロム安息香酸、塩化ベンゾイル、クロロプレ
ンゴム、クロルスルホン化ポリエチレンなどが用いられ
る。
カルボニル基含有化合物としては、アセチルアセト
ン、アセトン、ベンゾフェノン、無水マレイン酸、メチ
ルメタクリル酸メチルエステルなどが用いられる。
オレフィン性二重結合、三重結合含有化合物として
は、1−ブテン、シクロヘキセン、メタクリル酸エチル
エステルなどが用いられる。
ニトリル基含有化合物としてはアクリルニトリル、ア
セトニトリルなどが用いられる。
イソシアネート化合物としては、上記のポリマー末端
にイソシアネート基を導入するのに用いられるのと同等
の多官能イソシアネート化合物とフェニルイソシアネー
ト、メチルイソシアネートなどの単官能イソシアネート
が用いられる。
活性水素化合物としては、水、メチルアルコール、酢
酸、塩酸などが用いられる。
本発明の変性水添共役ジエン系重合体(A)は単独で
使用することができるが、極性樹脂(B)や非極性樹脂
(C)、あるいはゴム状重合体とブレンドして用いるこ
ともできる。
変性水添共役ジエン系重合体とブレンドされる樹脂の
比率は、1〜99重量%であり使用目的により最適混合比
率は変わる。
しかし本発明の変性水添共役ジエン系重合体での改質
効果は1重量%未満の添加では発現できない。
本発明で使用する極性樹脂としては、熱可塑性プラス
チックとして、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル
アミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポ
リアクリル酸アルキル、ポリアクリル酸メチル、ポリア
クリロニトリル、ポリアクリロニトリルスチレン、ポリ
メタクリルアミド、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸アルキル、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリメタクリロニトリル、アセタール樹
脂、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、イオノマ、
塩素化ポリエーテル、クマロン・インデン樹脂、再生セ
ルロース、石油樹脂、セルロース誘導体、アルカリセル
ロース、セルロースエステル、セルロースアセテート、
セルロールアセテートブチレート、セルロースザンテー
ト、セルロースニトレート、セルロースエーテル、カル
ボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、エステ
ル、フッ素樹脂、FEP、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニル、ポリアミド、脂肪族ポリアミ
ド、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6,
10、ナイロン6,12、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド、
ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリフェニレンテレ
フタルアミド、ナイロン4,6、ポリイミド、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、メタキ
シリレンジアミンアジパミド、ポリアミドイミド、ポリ
アリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、ポリカーボネート、CR−3
9、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ンアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステ
ル、ポリケイ皮酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
エーテル、ポリイソブチルビニルエーテル、ポリメチル
ビニルエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレ
ンテレフタレート、熱硬化性プラスチックとして、アミ
ノ樹脂、アニリン樹脂、尿素樹脂、ポリスルホンアミ
ド、メラミン樹脂、アリル樹脂、CR−39、フタル酸ジア
リル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ノボラッ
ク、レソルシノール樹脂、不飽和ポリエステル、低収縮
不飽和ポリエステル、フラン樹脂などが挙げられる。好
ましい極性樹脂はポリアミド、ポリアセタール、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキ
シド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂である。
本発明の変性水添共役ジエン系重合体(A)と極性樹
脂(B)のブレンド比率は1〜99重量%/99〜1重量%
であるが、(A)を添加することにより(B)の改質効
果を十分に発揮するには、(A)成分のブレンド比率は
3〜50重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。
(A)成分のブレンド比率が低いと十分な改質効果が得
られにくいし、(A)成分のブレンド比率が高すぎると
(B)成分本来の性能を損ないやすい。
本発明に使用する非極性樹脂としては、ポリエチレ
ン、高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、LLDPE(直鎖状
低密度ポリエチレン)、ポリエチレン、高分子量ポリエ
チレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、HIPS(ハイインパクトポリスチレ
ン)、ポリメチルスチレン、ポリメチレンなどが挙げら
れる。
好ましい非極性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンおよびポリスチレンである。
本発明の変性水添共役ジエン系重合体(A)と非極性
樹脂(C)のブレンド比率は1〜99重量%/99〜1重量
%であるが、(A)成分を添加することによる(C)成
分の改質効果を十分に発揮するには、(A)成分のブレ
ンド比率は3〜50重量%、さらに好ましくは5〜30重量
%である。(A)成分のブレンド比率が低いと十分な改
質効果が得られにくいし、(4)成分のブレンド比率が
高すぎると(C)成分本来の性能を損ないやすい。
本発明の変性水添共役ジエン系重合体(A)とブレン
ドできるゴム状重合体の代表的な例としては、天然ゴム
(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)などのジエン系合成ゴムおよびエチレン−プロ
ピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エンゴム(EPDM)、アクリル系ゴム(ACM、ANM)、フッ
素ゴム、ウレタンゴム、(ポリエステルウレタン、ポリ
エーテルウレタン)、クロルスルホン化ポリエチレン、
ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、シリコーンゴム、
エピクロルヒドリンゴム等のポリエーテルゴムなどの非
ジエン系合成ゴムが挙げられる。これらのゴム状重合体
は、目的により本発明の水素添加重合体(A)と任意な
比率でブレンドして用いられる。
本発明の変性水添共役ジエン系重合体(D)は、前記
極性樹脂(B)と、1〜99重量%/99〜1重量%の割合
でブレンドされる。
本発明の変性水添共役ジエン系重合体およびその軟質
組成物は、架橋、非架橋、発泡、非発泡が任意に選択で
き、かつ押出成形、フィルム成形、ブロー成形、真空成
形、プレス成形がいずれも可能で、その用途としてはタ
イヤ、防振ゴム、ルーフィングスポンジなどのゴム用
品、日用部品、音響部品、ベルト、パッキン、クッショ
ン材、シーライトなどの工業用品、輸送部品、ブーツ、
モール、ホース、シール材料、バンパー、ウェザースト
リップ、自動車内外装品などの自動車部品、電線履物
材、緩衝材、フィルム、シートなどの包装材など広範な
用途に亘って提供するものであり、産業上の利用価値は
極めて大きい。
また、本発明の変性水添共役ジエン系重合体を樹脂に
混ぜた樹脂組成物は、通常の熱可塑性樹脂に比し、耐衝
撃性、耐熱性および成形加工性に優れているので、LED
ランプ、リレーケース、スイッチ、コネクター、コイル
ボビン、抵抗器、コンピュータ部品、電話交換器部品、
コンデンサーケース、チューナー、端子台、タイマーケ
ースなどの電気通信部品用:ヘアードライヤー、アイロ
ン、シェーバー、卵ゆで器、コーヒーメーカー、VTR部
品、電子レンジ部品、TV部品、音響部品、コンパクトデ
ィスク、冷蔵庫部品、エアコン部品、ワードプロセッサ
ー、照明カバーなどの家庭電気部品用:カメラボディ
ー、カメラ部品、時計部品、ストロボ部品、双眼鏡、顕
微鏡部品、映写機部品などの精密機械部品用:電動工
具、自動販売機部品、ハンドラベラー、エレベーター部
品、エスカレーター部品、モーターケース、オイルフィ
ルターケース、ポンプ部品、ボルト、ナット、ギヤ、カ
ム、繊維ボビン、カウンターフレーム、オフィスコンピ
ュータ部品、レジスター部品、電卓部品、タイプライタ
ー部品、製図器部品、ファクシミリ部品、複写機部品な
どの機械関係部品用:自動車・車両関係として、カーヒ
ーターファン、バンパー、インスツルメントパネル、計
器盤、オートバイ風防、ヘッドランプ、テールランプ、
整風板、レール絶縁部品、車両肘掛け、カーテンカバ
ー、ワイパーカバー、モールドグリップ、メーター針、
ホイールカバーなどの自動車・車両関係部品用、そのほ
かサーフライダー、ゴルフ用品などのレジャー関係部
品、ハウジング、各種カバー、表面処理剤、塗装用など
の用途にとくに有用である。
実施例 以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例において、水素添加率は、四塩化炭素を溶媒と
して用い、15重量%の濃度で測定した100MHzの1H−NMR
の不飽和結合部のスペクトルの減少から算出した。イソ
シアネート基の含有量は、ポリマー2gを溶解したヘキサ
ン溶液100mlに1Nのn−ブチルアミン溶液10mlを加え、
よく混合したのち、蒸留水100mlを加え混合後水層を分
離し、メチルレッドを指示薬として、0.1N硫酸で未反応
のn−ブチルアミンを滴定することにより算出した。
実施例1 10オートクレーブに脱気脱水したシクロヘキサン5k
gおよびスチレン150gを仕込んで、テトリヒドロフラン5
gおよびn−ブチルリチウム0.8gを加えて30℃から断熱
重合を行なった。15分後にブタジエン700gを仕込み30分
重合を行なったのち、スチレン150gを加えさらに15分間
重合を行った。ここで4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート2.6gを加え、ポリマー末端をイソシアネート
で修飾した。このとき一部カップリングが起こり、約30
重量%がカップリングポリマーとなった。残りの70%の
ポリマーは末端がイソシアネートで修飾された。反応液
を40℃にし、n−ブチルリチウム0.8gと2,6−ジ−t−
ブチル−p−クロゾール1.5gの混合物を加え、さらにビ
ス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.5g
とジエチルアルミニウムクロリド2gを加え、水素圧10kg
/cm2で1時間水添した。ブタジエン重合部分のオレフィ
ン性二重結合の水素添加率が98%で、数平均分子量が15
0,000の水添ポリマーが得られた。水添反応前のブロッ
ク共重合体の結合スチレン量は30%で、ブタジエン部の
40%が1,2結合であった。滴定分析により−NCO基の定量
を行ない、数平均分子量から求めた平均分子数で割るこ
とにより求めた分子当りの平均イソシアネート基導入数
は約0.7であった。ポリマー溶液は、直脱ロールにより
脱溶乾燥し、固形重合体とした。
実施例2 10オートクレーブに脱気脱水したシクロヘキサン5k
g、スチレン200gおよび1,3−ブタジエン800gを仕込んだ
のち、テトラヒドロフラン5gおよびn−ブチルリチウム
0.7gを加えて、重合温度が30℃から70℃の昇温重合を行
なった。転化率がほぼ100%となったのち、2,4−トリレ
ンジイソシアネート2gを加えポリマー末端をイソシアネ
ートで修飾した。このとき約20重量%のポリマーがカッ
プリングしたが、残り80%のポリマーは末端がイソシア
ネート基で修飾された。反応液を70℃にし、n−ブチル
リチウム1gと2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1g
を加え、さらにビス(シクロペンタジエニル)チタニウ
ムジクロリド0.5gとジエチルアルミニウムクロリド2gを
加え、水素圧10g/cm2で1時間水添した。
水素転化率が95%で数平均分子量が200,000の重合体
が得られた。滴定分析により−NCO基の定量を行ない、
数平均分子量から求めた平均分子数で割ることにより求
めた分子当りの平均イソシアネート基導入数は約0.8で
あった。
実施例3 10オートクレーブに脱気脱水したシクロヘキサン5k
gおよびスチレン200gを仕込んで、テトラヒドロフラン5
gおよびn−ブチルリチウム0.8gを加えて30℃からの断
熱重合を行なった。15分後にブタジエン600gを仕込み30
分重合を行なったのち、スチレン200gを加えさらに15分
間重合を行った。ここで4,4′,4″−トリフェニルメタ
ントリイソシアネート5.0gを加えポリマー末端をイソシ
アネートで修飾した。このとき一部カップリングが起こ
り、約30重量%がカップリングポリマーとなった。残り
の70%ポリマーは末端がイソシアネートで修復された。
反応液を40℃にし、ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムジクロリド0.5gとジエチルアルミニウムクロリド
2gを加え、水素圧10kg/cm2で2時間水添した。
水素添加率が100%で数平均分子量が150,000の水添ポ
リマーが得られた。滴定分析により−NCO基の定量を行
ない、数平均分子量から求めた平均分子数で割ることに
より求めた分子当りの平均イソシアネート基導入数は約
1.4であった。
実施例4 実施例1で得られたイソシアネート基末端の水素添加
ポリマーを脱溶乾燥処理する前にn−ブチルアルコール
1gと反応触媒成分としてトリエチレンジアミン(以下DA
BCOという)0.3gとを加えN2F、室温で30分間反応を行っ
た。
生成物は滴定分析でイソシアネート基が存在しないこ
とおよび赤外分光分析(IR)から、イソシアネート基と
アルコールが反応して末端極性基がウレタンに変ったこ
とが立証された。
実施例5〜12 実施例4と同様に実施例1〜3で得られたイソシアネ
ート基末端の水素添加ポリマーをイソシアネート基と等
モルの種々の化合物と反応させて、表−1に示す如きイ
ソシアネート誘導体末端の水素添加ポリマーを得た。
実施例13 10オートクレーブに脱気脱水したシクロヘキサン5k
g、スチレン100gおよび1,3−ブタジエン900gを仕込んだ
のち、テトラヒドロフラン200g、n−ブチルリチウム0.
7gを加えて、重合温度が5℃からの断熱重合を行なっ
た。転化率がほぼ100%となったのち、2,4−トリレンジ
イソシアネート2gを加えポリマー末端をイソシアネート
で修復した。このとき約20重量%のポリマーがカップリ
ングしたが、残り80%のポリマーは末端がイソシアネー
ト基で修飾された。ポリマーの数平均分子量は200,000
で結合スチレン量は10%、ブタジエン部分の80%は1,2
結合であった。滴定分析により−NCO基の定量を行な
い、数平均分子量から求めた平均分子数で割ることによ
り求めた分子当りの平均イソシアネート基導入数は約0.
8であった。このポリマー溶液中にイソシアネート基と
等モルのジ−n−ブチルアミンを添加し、室温で30分間
撹拌したのち反応液を90℃にし、n−ブチルリチウム1g
と2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1gを加え、さ
らにビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリ
ド0.5gとジエチルアルミニウムクロリド2gを加え、水素
圧10g/cm2で30分間水添した。ブタジエン重合部のオレ
フィン性二重結合の98%が水素添加されたポリマーが得
られた。本水添ポリマーは赤外分光分析より尿素基を含
有することが同定された。
実施例14 10オートクレーブに脱気脱水したシクロヘキサン5k
gおよびスチレン150gを仕込んで、テトラヒドロフラン5
gおよびn−ブチルリチウム0.7gを加えて30℃からの断
熱重合を行なった。15分後にイソプレン700gを仕込み30
分重合を行なったのち、スチレン150gを加えさらに15分
間重合を行った。ここで4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート2.6gを加えポリマー末端をイソシアネート
で修飾した。このとき一部カップリングが起こり、約30
重量%がカップリングポリマーとなった。残りの70%の
ポリマーは末端がイソシアネートで修飾された。得られ
たポリマーは数平均分子量150,000、結合スチレン量30
%のブロックポリマーで滴定分析により−NCO基の定量
を行ない、数平均分子量から求めた平均分子数で割るこ
とにより求めた分子当りの平均イソシアネート基導入数
は約0.7であった。引き続きこのポリマー溶液中にイソ
シアネート基と等モルのオクチルアルコールを添加し70
℃で15分間撹拌した。反応液を40℃にし、n−ブチルリ
チウム0.8gと2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.5
gを加え、さらにビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウムジクロリド0.5gとジエチルアルミニウムクロリド2g
を加え、水素圧10kg/cm2で2時間水添した。
実施例15 10オートクレーブに脱気脱水したシクロヘキサン5k
gおよびスチレン150gを仕込んで、テトラヒドロフラン5
gおよびn−ブチルリチウム0.8gを加えて30℃からの断
熱重合を行なった。15分後にブタジエン700gを仕込み30
分間を行なったのち、スチレン150gを加えさらに15分間
重合を行った。ここで4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート2.6gを加え、ポリマー末端をイソシアネート
で修飾した。このとき一部カップリングが起こり、約10
重量%がカップリングポリマーとなった。残りの90%の
ポリマーは末端がイソシアネートで修飾された。反応液
を40℃にし、n−ブチルリチウム0.93gを加え、さらに
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.
5gとジエチルアルミニウムクロリド2gを加え、水素圧10
kg/cm2で1時間水添した。
水素添加率が98%で、数平均分子量が150,000の水添
ポリマーが得られた。水添反応前のブロック共重合体の
結合スチレン量は30%で、ブタジエン部の40%が1,2結
合であった。滴定分析により−NCO基の定量を行ない、
数平均分子量から求めた平均分子数で割ることにより求
めた分子当りの平均イソシアネート基導入数は約0.9で
あった。水添反応後のポリマー溶液は、スチームストリ
ッピング後熱風乾燥し、固形重合体とした。
得られた重合体は、赤外スペクトルにより、アミド基
含有重合体であることが同定された。
実施例16〜23 実施例15で得られた水添反応後のn−ブチルリチウム
付加イソシアネート末端の水添ポリマーに2倍モルの種
々の化合物(表−2)を反応させて、極性基末端の水素
添加ポリマーを得た。
比較例1、2 実施例1、2と同じ重合反応を実施したのち、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネートを加えずに水添反
応を実施した。水素添加率が98%で数平均分子量が150,
000の水添ポリマーが得られた。
水添反応前のブロック共重合体の結合スチレン量は30
%で、ブタジエン部の40%が1,2結合であった。
比較例3〜5 比較例1と同様に実施例3〜5と同じ重合反応を実施
したのち、イソシアネート化合物を加えずに水添反応を
実施することにより、表−3に示す如き水添ポリマーを
得た。
前記実施例2、5、7、13、15、21および比較例1、
2、3、5で得られたポリマーと表−4に示す熱可塑性
樹脂を混合し、二軸押出機で溶融混合したのち、表−4
に示す如きペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。十
分乾燥したのち、射出成形機にて評価用試験片を得、下
記の評価基準に従って評価した。
評価方法: 耐衝撃性 ASTM D256に従って厚み1/4″,ノッチ付23℃で測定し
た。
成形品表面外観 板状の成形品を得、下記の評価基準に従って目視評価
した。
○;外観良好 ×;パール光沢を有する、フローマークを有する、表
面が荒れている等の外観不良現象がみられる。
前記の実施例4、13、15、16および比較例1、4で得
られたポリマー25重量部とポリプロピレン75重量部をバ
ンバリミキサーで溶融混合した。
混練り後、ペレタイザーでペレット化し、その後6.5
オンス射出成形機(日本製鋼(株)製、6.5オンスイン
ラインスクリュウタイプ)でテストピースを作製した。
射出成形条件を下記に示す。
また、物性試験の結果を、表−5に示す。
記 射出圧 :一次圧 500kg/cm2 二次圧 400kg/cm2 射出時間:一次圧+二次圧で15秒 成形温度:240℃ 冷却時間:40℃ 用いたオリプロピレンは三菱油化(株)製ノーブレン
BC−2である。
各物性の測定方法は次の方法に従った。
(1) メルトフローレート(MFR):JIS K 7210に従
い、温度230℃、荷重2.16kgで測定した。
(2) アイゾット衝撃強度 :JIS K 7110に従っ
た。
(3) 曲げ弾性率(FM) :JIS K 7203に従っ
て測定した。
(4) 表面光沢(GL) :JIS K 7105に従っ
て測定した。
(5) 塗膜の接着強度 射出成形によって得られた厚さ2mmのシートを、エタ
ノールで脱脂したのち、トリクロロエタン蒸気で表面処
理し、このシートにまずプライマー(日本ビーケミカル
(株)製RB291H)を塗布し、次にポリウレタン系塗料
(日本ビーケミカル(株)製R263)を乾燥厚膜で約50μ
mに塗布した。乾燥・硬化後塗膜を引張速度30mm/分で1
80゜剥離し、接着強度を測定した。
結果を表−5に示す。
上記実施例および比較例で示した結果から明らかなよ
うに、本発明の末端イソシアネートまたはイソシアネー
ト誘導体導入水添ポリマーは、極性樹脂の衝撃強度を上
げ成形外観を改良する効果があるし、非極性樹脂の塗装
接着性向上の効果がある。
f.発明の効果 本発明の変性水添共役ジエン系重合体組成物は単独
で、あるいは各種の樹脂改質用に用いられ、自動分野、
電気・電子分野など各方面へ広く応用でき産業上の利用
価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/02 C08L 53/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル成分5〜90重量%と共役ジエ
    ン成分95〜10重量%を含有するポリスチレン換算数平均
    分子量が1,000〜500,000であるブロックまたはランダム
    共重合体であって、該共重合体の共役ジエン部分の不飽
    和結合の少なくとも60%が水素添加されており、かつ、
    共重合体分子の少なくとも一方の末端にイソシアネート
    基またはイソシアネート基から誘導される極性基が結合
    されている共重合体分子を少なくとも30重量%含有する
    変性水添共役ジエン系重合体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の変性水添共役ジエン系重合
    体(A)1〜99重量%と、極性樹脂(B)および非極性
    樹脂(C)から選ばれた少なくとも一種の樹脂99〜1重
    量%とからなる重合体組成物。
  3. 【請求項3】有機リチウム化合物を開始剤として、共役
    ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を共重合したのち、
    得られた共重合体の少なくとも30重量%の共重合体分子
    の末端の少なくとも一方を多官能性イソシアネート化合
    物で変性させた変性共重合体を、不活性溶媒中にて、 (i)ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合
    物、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム化合物
    およびビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム化合物
    から選ばれた少なくとも一種と、 (ii)アルミニウム化合物、亜鉛化合物、マグネシウム
    化合物、有機リチウム化合物およびアルコキシリチウム
    化合物から選ばれた少なくとも一種を含有する還元性有
    機金属化合物 を、(i)成分/(ii)成分(モル比)=1/0.5〜1/20
    の割合で混合した触媒の存在下で、水素と接触させるこ
    とにより、上記変性共重合体中の共役ジエン部分の不飽
    和結合の少なくとも60%を水素添加することを特徴とす
    る請求項1記載の変性水添共役ジエン系重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】さらに、上記水素との接触の前または後
    に、上記変性共重合体をイソシアネートと反応性の化合
    物と反応させる請求項3記載の変性水添共役ジエン系重
    合体の製造方法。
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