JP2717269B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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- JP2717269B2 JP2717269B2 JP63167294A JP16729488A JP2717269B2 JP 2717269 B2 JP2717269 B2 JP 2717269B2 JP 63167294 A JP63167294 A JP 63167294A JP 16729488 A JP16729488 A JP 16729488A JP 2717269 B2 JP2717269 B2 JP 2717269B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- resin composition
- flame
- retardant resin
- parts
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電線の被覆材料やモールド部品、自動車用
内装材、ホース等に好適する難燃性樹脂組成物に関す
る。
内装材、ホース等に好適する難燃性樹脂組成物に関す
る。
(従来の技術) 電線の被覆材料等に用いられる樹脂組成物には、優れ
た難燃性が要求されるとともに、燃焼しても低発煙性で
有害ガスを発生しないという特性が強く求められる傾向
にある。このような樹脂組成物としては従来からノンハ
ロゲンポリオレフィン等をベースポリマーに用い、難燃
剤として水和アルミナ、水酸化マグネシウム等の金属水
和物を配合したものが多用されている。しかしながら、
金属水和物は多量に添加しないと充分な難燃性が得られ
ないため重量比にしてベースポリマーの約1〜5倍量を
添加しなければならず、得られる樹脂組成物の引張り強
度や引張り伸び、電気特性や押出し時の成型性が不十分
になるという問題を生じている。そこで金属水和物の添
加量を減少させるために種々の難燃剤および難燃助剤が
検討されており、現在最も効果のあるものの1つとして
赤リンがあげられる。例えば、特開昭57−92037号公報
に示されるように赤リンと金属水和物とを併用した組成
物等が提案されている。しかし赤リンは加工時および燃
焼時に少量ではあるが有毒なホスフィンが発生するとい
う欠点がある。
た難燃性が要求されるとともに、燃焼しても低発煙性で
有害ガスを発生しないという特性が強く求められる傾向
にある。このような樹脂組成物としては従来からノンハ
ロゲンポリオレフィン等をベースポリマーに用い、難燃
剤として水和アルミナ、水酸化マグネシウム等の金属水
和物を配合したものが多用されている。しかしながら、
金属水和物は多量に添加しないと充分な難燃性が得られ
ないため重量比にしてベースポリマーの約1〜5倍量を
添加しなければならず、得られる樹脂組成物の引張り強
度や引張り伸び、電気特性や押出し時の成型性が不十分
になるという問題を生じている。そこで金属水和物の添
加量を減少させるために種々の難燃剤および難燃助剤が
検討されており、現在最も効果のあるものの1つとして
赤リンがあげられる。例えば、特開昭57−92037号公報
に示されるように赤リンと金属水和物とを併用した組成
物等が提案されている。しかし赤リンは加工時および燃
焼時に少量ではあるが有毒なホスフィンが発生するとい
う欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、このような問題点を解消するため、難燃剤
を多量に配合することなく充分な難燃性を有し、かつ加
熱時に有害ガスを発生しない難燃性樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
を多量に配合することなく充分な難燃性を有し、かつ加
熱時に有害ガスを発生しない難燃性樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本願第1の発明は即ち、ポリオレフィン100重量部に
対して、セレンを25重量%以上含有するセレン化合物1
〜30重量部と、粘度30万センチストークス以上のシリコ
ーン3〜30重量部を配合してなる難燃性樹脂組成物に関
し、本願第2の発明は即ちポリオレフィン100重量部に
対して、セレンを25重量%以上含有するセレン化合物1
−30重量部と、粘度30万センチストークス以上のシリコ
ーン3〜30重量部および無機水和物30〜150重量部を配
合してなる難燃性樹脂組成物に関する。
対して、セレンを25重量%以上含有するセレン化合物1
〜30重量部と、粘度30万センチストークス以上のシリコ
ーン3〜30重量部を配合してなる難燃性樹脂組成物に関
し、本願第2の発明は即ちポリオレフィン100重量部に
対して、セレンを25重量%以上含有するセレン化合物1
−30重量部と、粘度30万センチストークス以上のシリコ
ーン3〜30重量部および無機水和物30〜150重量部を配
合してなる難燃性樹脂組成物に関する。
本発明の組成物は、セレンを25重量%以上含有するセ
レン化合物を用いることにより、難燃剤を大量に添加す
ることなく充分な難燃性を得られることを特徴とする。
レン化合物を用いることにより、難燃剤を大量に添加す
ることなく充分な難燃性を得られることを特徴とする。
本発明におけるポリオレフィンとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン共重合体、エチレン−プ
ロピレンゴム等のノンハロゲンのポリオレフィンを用い
ることができる。
ン、ポリプロピレン、エチレン共重合体、エチレン−プ
ロピレンゴム等のノンハロゲンのポリオレフィンを用い
ることができる。
本発明におけるセレン化合物は、セレンを25重量%以
上含有するセレン化合物であり、例えば酸化セレン(Se
O2)、セレン酸ニッケル(NiSeO4)、セレン化マンガン
(MnSe)等があり、その配合量はポリオレフィン100重
量部に対して1〜30重量部である。配合量がこれより少
ないと充分な難燃性が得られず、これより多いと組成物
の耐水性、電気特性および機械特性が低下する。また、
セレン化ウラニル(UO2Se)、セレン酸鉄タリウム(TlF
e(SeO4)2)等のセレンを25重量%未満しか含有しな
いセレン化合物を用いると得られる組成物の難燃性が不
十分となる。
上含有するセレン化合物であり、例えば酸化セレン(Se
O2)、セレン酸ニッケル(NiSeO4)、セレン化マンガン
(MnSe)等があり、その配合量はポリオレフィン100重
量部に対して1〜30重量部である。配合量がこれより少
ないと充分な難燃性が得られず、これより多いと組成物
の耐水性、電気特性および機械特性が低下する。また、
セレン化ウラニル(UO2Se)、セレン酸鉄タリウム(TlF
e(SeO4)2)等のセレンを25重量%未満しか含有しな
いセレン化合物を用いると得られる組成物の難燃性が不
十分となる。
本発明においては、さらに高い難燃性が必要とされる
ような厳しい条件下での使用には、本願第2の発明に示
されるように粘度30万センチストークス以上のシリコー
ン3〜30重量部および/または無機水和物30〜150重量
部を添加してさらに難燃性を高めることができる。シリ
コーンの粘度が30万センチストークスよりも小さいか、
または配合量がこれより多いと加熱時にシリコーンベー
パーとなって蒸散しやすくなり、電気機器等への接点不
良の原因となることがある。また、無機水和物としては
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタ
ルサイト類化合物を単独であるいは混合して使用でき
る。配合量がこれより少ないと難燃性の向上が小さく、
これより多いと得られる組成物の加工性や機械的特性が
悪くなる。
ような厳しい条件下での使用には、本願第2の発明に示
されるように粘度30万センチストークス以上のシリコー
ン3〜30重量部および/または無機水和物30〜150重量
部を添加してさらに難燃性を高めることができる。シリ
コーンの粘度が30万センチストークスよりも小さいか、
または配合量がこれより多いと加熱時にシリコーンベー
パーとなって蒸散しやすくなり、電気機器等への接点不
良の原因となることがある。また、無機水和物としては
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタ
ルサイト類化合物を単独であるいは混合して使用でき
る。配合量がこれより少ないと難燃性の向上が小さく、
これより多いと得られる組成物の加工性や機械的特性が
悪くなる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、上述の各成分を混練機
にて混練して製造する。
にて混練して製造する。
(実施例) 本発明の実施例を説明する。
第1表に示す配合で各成分を加圧ニーダーで混練して
得た難燃性樹脂組成物を160℃でプレス成型し、2mm厚さ
のシートを作成した。得られたシートを用いて各種の物
性と難燃性を測定した。難燃性は、UL94規格に規定され
る燃焼試験方法により評価した。ハロゲン化水素量は、
JCS C53号に従って、800℃で加熱した時の発生量を測定
し、組成物1グラムあたりの重量を測定した。発煙量は
ASTM−E−662規格に従ってNF(ノンフレーミング)条
件下で試験し、最大発煙量を測定した。有毒性の判断基
準は、ハロゲン化水素およびホスフィンが検出されない
ものを○、ハロゲン化水素発生量が100ミリグラム以下
のものを△、ホスフィンが検出されるものを×とした。
なお、ホスフィンは、検知菅により定量した。
得た難燃性樹脂組成物を160℃でプレス成型し、2mm厚さ
のシートを作成した。得られたシートを用いて各種の物
性と難燃性を測定した。難燃性は、UL94規格に規定され
る燃焼試験方法により評価した。ハロゲン化水素量は、
JCS C53号に従って、800℃で加熱した時の発生量を測定
し、組成物1グラムあたりの重量を測定した。発煙量は
ASTM−E−662規格に従ってNF(ノンフレーミング)条
件下で試験し、最大発煙量を測定した。有毒性の判断基
準は、ハロゲン化水素およびホスフィンが検出されない
ものを○、ハロゲン化水素発生量が100ミリグラム以下
のものを△、ホスフィンが検出されるものを×とした。
なお、ホスフィンは、検知菅により定量した。
第1表に示されるように、本発明の実施例は電線被覆
等に必要とされる酸素指数25以上の難燃性を有してい
る。
等に必要とされる酸素指数25以上の難燃性を有してい
る。
*1…EEA A1150(日本石油化学社製 商品名) *2…三井EPT#1045(同上) *3…粘度100万センチストークス KF−96H(信越化学社製 商品名) *4…ノーバクウェルST100(日本燐化学工業社製 商
品名) *5…ハイジラシトH42M(昭和軽金属社製 商品名) *6…キスマA5(協和化学工業社製 商品名) *7…プラネロン101(三井東圧ファイン社製 商品
名) *8…ハイトロン(竹原化学社製 商品名) *9…TAIC(日本化成社製 商品名) *10…シースト116(東海カーボン社製 商品名) *11…HB/燃焼速度が3.0インチ/分を越えない。
品名) *5…ハイジラシトH42M(昭和軽金属社製 商品名) *6…キスマA5(協和化学工業社製 商品名) *7…プラネロン101(三井東圧ファイン社製 商品
名) *8…ハイトロン(竹原化学社製 商品名) *9…TAIC(日本化成社製 商品名) *10…シースト116(東海カーボン社製 商品名) *11…HB/燃焼速度が3.0インチ/分を越えない。
*12…V−0/炎にさらした後、10秒以上燃え続けない。
*13…V−1/炎にさらした後、30秒以上燃え続けない。
垂直試験を行った時、ドリップしない。
垂直試験を行った時、ドリップしない。
*14…V−2/炎にさらした後、30秒以上燃え続けない。
垂直試験を行った時、ドリップする。
垂直試験を行った時、ドリップする。
(発明の効果) 以上本発明の難燃性樹脂組成物は、優れた難燃性を有
し、また大量の難燃剤を添加しないので押出し加工性や
機械的特性、電気特性等を大幅に向上させることができ
る。
し、また大量の難燃剤を添加しないので押出し加工性や
機械的特性、電気特性等を大幅に向上させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 23/00 83:04)
Claims (2)
- 【請求項1】ポリオレフィン100重量部に対して、セレ
ンを25重量%以上含有するセレン化合物を10〜30重量部
と、粘度30万センチストークス以上のシリコーン3〜30
重量部を配合してなる難燃性樹脂組成物。 - 【請求項2】無機水和物30〜150重量部を配合してなる
請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63167294A JP2717269B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63167294A JP2717269B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0216136A JPH0216136A (ja) | 1990-01-19 |
JP2717269B2 true JP2717269B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=15847087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63167294A Expired - Lifetime JP2717269B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 難燃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2717269B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101118197B1 (ko) | 2008-12-24 | 2012-04-04 | 제일모직주식회사 | 난연성 열가소성 수지 조성물 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3115934B2 (ja) * | 1992-03-16 | 2000-12-11 | 協和化学工業株式会社 | 難燃助剤、難燃剤および難燃性樹脂組成物 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2508130B2 (ja) * | 1987-09-14 | 1996-06-19 | 日立電線株式会社 | 難燃性電線・ケ―ブル |
-
1988
- 1988-07-05 JP JP63167294A patent/JP2717269B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101118197B1 (ko) | 2008-12-24 | 2012-04-04 | 제일모직주식회사 | 난연성 열가소성 수지 조성물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0216136A (ja) | 1990-01-19 |
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