JP2716176B2 - 板状電解用電極部材の製造方法 - Google Patents

板状電解用電極部材の製造方法

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JP2716176B2 JP63328343A JP32834388A JP2716176B2 JP 2716176 B2 JP2716176 B2 JP 2716176B2 JP 63328343 A JP63328343 A JP 63328343A JP 32834388 A JP32834388 A JP 32834388A JP 2716176 B2 JP2716176 B2 JP 2716176B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ソーダ電解、非鉄電解、表面処理、電気防
食等の電気化学工業の電極に使用する板状電解用電極部
材の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、上記用途の板状電解用電極部材を作るには、T
i、Ta、Nb、Zr及びその合金より選ばれた耐食性導電材
料製の板状母材に、Pt、Pd、Ir、Ru及びその合金より選
ばれた貴金属の薄板材を重ね合わせ、熱間中で加圧圧接
して接合し、一体化している。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記の製造方法では、面積の大きな板状電
解用電極部材を作ることが困難である。
即ち、上記の製造方法では、面積が大となると、板状
母材と薄板材の接合強度が不安定となり、しかも表面に
凹凸、異物付着、変色酸化が生じるようになって表面の
品質を維持できなくなるものであり、また全面均一に加
圧することが難しくなり、接合面において接合強度のば
らつきが発生するようになる。あえて面積の大きなもの
を作ろうとすれば、大型の設備を必要とし、生産性、経
済性が悪くなる。
そこで本発明は、大型の設備を必要とせずに、接合強
度が安定したしかも表面の品質を維持でき、また接合面
において接合強度のばらつきの無い面積の大きな板状電
解用電極部材を作ることのできる方法を提供しようとす
るものである。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するための本発明の板状電解用電極部
材の製造方法は、Ti、Ta、Nb、Zr及びその合金より選ば
れた耐食性導電材料製の板状母状に、Pt、Pd、Ir、Ru及
びその合金より選ばれた貴金属の層が一体に設けられた
板状電解用電極部材の側端面同志を、両面より電子ビー
ム、プラズマ、レーザー、TIGのいずれかの溶接方法を
用いて接合し、次いで板状母材状の貴金属層の側端面接
合部に同一貴金属を被覆し、表面全体を同一貴金属とし
て一体化することを特徴とするものである。
上記本発明の製造方法に於いて、板状母材上の貴金属
層の側端面接合部に同一貴金属を被覆する手段として
は、めっき、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリ
ングがあり、また板材又は棒材を電子ビーム、プラズ
マ、レーザー、TIGの各溶接方法があり、さらにテープ
をシーム溶接する方法がある。
(作用) 上述の如く本発明の板状電解用電極部材の製造方法
は、面積の小さな接合強度の安定したしかも接合面にお
いて接合強度のばらつきの無い電極部材の側端面同志
を、両面より電子ビーム、プラズマ、TIGのいずれかの
溶接方法を用いて接合して製板するので、表面の品質を
維持しながら面積を増大できる。また板状母材上の貴金
属層の側端面接合部は同一貴金属にて被覆され、再表層
として均一な表面となるので、電極使用時の機能が保持
される。
(実施例) 本発明の板状電解用電極部材の製造方法の一実施例を
第1図によって説明すると、厚さ2mmのTiの板状母材1
に、厚さ10μmのPt層2が一体にクラッドされた幅50m
m、長さ200mmの板状電解用電極部材3を左右二枚並べて
側端面を突き合わせ、その側端面同志を両面より第2図
に示す如くプラズマ溶接して接合し、次いで板状母材1
上のPt層2の側端面接合部4上にPtめっき55μm施して
被覆し、表面をPtとして一体化した。
次に他の実施例を説明すると、上記実施例と同一寸
法、同一材質の板状電解用電極部材3を左右二枚並べて
第1図と同様に側端面を突き合わせ、その側端面同志を
第3図に示す如く下面のTi側をプラズマ溶接して接合
し、次いで上面のPt層2を直径1mm、長さ200mmのPt溶接
棒を用いて電子ビームを溶接すると共に肉盛6し、表面
をPtとして一体化した。
次いでさらに他の実施例を説明すると、上記実施例と
同一寸法、同一材質の板状電解用電極部材3を左右二枚
並べて第1図と同様に側端面を突き合わせ、その側端面
同志を両面より第4図に示す如くプラズマ溶接して接合
し、次いで板状母材1上のPt層2の側端面接合部4上に
厚さ10μm、幅10mmのPtテープ7を重ね、通電圧延によ
るシーム溶接にて被覆し、表面をPtとして一体化した。
このようにして製造した各実施例の大型の板状電解用
電極部材8は、接合強度の安定したしかも接合面におい
て接合強度のばらつきの無い面積の小さな電極部材3の
特質がそのまま生かされたまま側端面同志が接合されて
製板されているので、表面に凹凸、異物付着、変色酸化
が無く、品質良好である。またこの大型の板状電解用電
極部材8のPt層2の側端面接合部4は同一のPtにて被覆
され、再表層として均一な表面となっているので、電極
使用時の機能が保持されている。
尚、上記各実施例は面積の小さな電極部材3を左右二
枚並べて側端面同志を接合した場合であるが、三枚以上
複数枚適宜に並べて所要の端面同志を接合する場合もあ
る。
また大型の板状電解用電極部材8のPt層2の側端面接
合部4を被覆したPtを、最終的に鋳造又は圧延にて仕上
げると、良好なものとなる。
さらに、第2図のPtめっき5は、側端面接合部4の表
面のみならず、全面に施しても良いものである。またそ
のPtめっき5は湿式めっきに限らず乾式めっきでも良い
ものである。
(発明の効果) 以上の説明で判るように本発明の板状電解用電極部材
の製造方法によれば、大型の設備を必要とせずに、板状
母材と貴金属層との接合強度が安定したしかも表面の品
質を維持でき、また板状母材と貴金属との接合面におい
て接合面のばらつきが無く、貴金属層の側端接合部が同
一の貴金属にて被覆されて再表層として均一な表面とな
って電極使用時の機能が保持された大型の板状電解用電
極部材を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1、2図は本発明の板状電解用電極部材の製造方法の
一実施例を示す工程図、第3図は第2図の工程に於ける
他の実施例を示す斜視図、第4図は第2図の工程におけ
るさらに他の実施例を示す斜視図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ti、Ta、Nb、Zr及びその合金より選ばれた
    耐食性導電材料製の板状母材に、Pt、Pd、Ir、Ru及びそ
    の合金より選ばれた貴金属の層が一体に設けられた板状
    電極部材の側端面同志を両面より電子ビーム、プラズ
    マ、レーザー、TIGのいずれかの溶接方法を用いて接合
    し、次いで板状母材状の貴金属層の側端面接合部に同一
    貴金属を被覆し、表面全体を同一貴金属として一体化す
    ることを特徴とする板状電解用電極部材の製造方法。
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