JP3272787B2 - 接合クラッド板の製造方法 - Google Patents
接合クラッド板の製造方法Info
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Description
面を同材質同士で突き合わせて溶接した接合クラッド板
とその製造方法に係り、溶接部において各クラッド板が
有する諸特性を保持させたままで、各種用途に応じた複
雑な形状や極めて大きな寸法形状の部材の形成に対応で
きる接合クラッド板の製造方法に関する。
は期待できない諸特性を実現させるため、必要な電気的
性質、磁気的性質、熱的性質、機械的性質、化学的性質
を有する種々の金属や合金板を、要求される機能や特性
に応じて選定組み合せて積層一体化したクラッド板が種
々提案されてきた。
属や合金が有する電気的性質、磁気的性質、熱的性質、
機械的性質、化学的性質などを併せ持ち、またはそれら
の相乗効果による諸性質を有することから、単一の金属
や合金のままでは期待できない性質や特性を要求される
用途、例えばバイメタルや半導体装置に用いるヒートシ
ンク材(ヒートスプレッダー材)等の電子部品用材料に多
用されている。
造材や、各種化学プラント(耐内部腐食用)、臨海地区建
造物(耐外部腐食用)などへの利用や、また各種パイプな
どの用途への応用もなされている。例えば、近年新たな
発電装置として注目される燃料電池装置の、該装置を構
成するセパレータ部にクラッド板を用いる場合は、燃料
電池装置に合わせた大きな寸法で、かつ方形枠状等の複
雑な形状のクラッド板が要求される。
合金等の金属系材料を板状に圧接することにより製造さ
れ、例えば上記の電子部品用材料を得るには、該板状の
クラッド板をプレス打ち抜き加工や曲げ加工などにより
所要の形状に加工される。しかし、クラッド板は、長さ
寸法や厚みは任意に調節できるが、幅寸法は素材を製造
する圧延装置の大きさにより寸法が制限され、また圧接
装置自体の寸法にも限界がある。
る場合は、単にクラッド板をプレス加工して、方形枠状
等の複雑な形状を得ることができても、その板幅寸法に
制限があるため当該クラッド板幅以上の寸法を得ること
ができず、また、その大きさに対応できる幅広のクラッ
ド板を得ることができたとしても、プレス打ち抜き加工
による製品歩留りが極めて悪いという問題がある。従っ
て、クラッド板の製造限界を越える極めて大きな寸法形
状や立体的または平面的に複雑な形状に対応できるクラ
ッド板を得るためには、溶接などの手段によりクラッド
板を繋ぎ合わせることが必要になる。
れる溶接方法、例えば、ガス溶接、フリクション圧接、
テルミット溶接、電気抵抗溶接、ロウ接、衝撃溶接、フ
ラッシュ・バット溶接等は、図3のAに示すように各々の
金属系材料の平面同士を重ね合わせた重合部を溶接した
り、図3のBに示すように各々の金属系材料の端面同士を
突き合わせ、該突き合わせ面を溶融して接合させたり、
また、図3のCに示すように各々の金属系材料の端面同士
の突き合わせ部に異種材料を介在させ、該異種材料を溶
融して金属系材料を溶接する手段によるものである。
厚み端面を同材質同士で突き合わせて溶接した溶接部に
おいて、接合クラッド板が有する諸特性を保持させたま
ま溶接するには不適な方法であった。
接されたそれぞれの金属材料が有する電気的性質、磁気
的性質、熱的性質、機械的性質、化学的性質などの諸性
質や相乗効果的性質を併せ持つことを特徴とするため、
溶接後の繋ぎ合わされたクラッド板においても、前記の
諸性質を維持することが望ましい。
ようにクラッド板10,11の平面同士を重合させて溶接す
るため、クラッド板10,11が段違いになり、該段違い部
でクラッド板の諸性質が途切れることとなり、また、図
3のB及び図3のCに示すように突き合わせ部の全体を溶融
させて溶接したり、異種材料を介在させてさらに全体を
溶融させるものなど、各クラッド板10,11を構成する個
々の金属や合金が有する諸性質を維持させながら繋ぎ合
わせるということについては考慮されていない。
材料10,11が有する諸性質が溶融部12や異種材料13の介
在で変化あるいは消失することとなり、溶接された接合
クラッド板全体としての性質、特性、機能、品質等が損
なわれる問題がある。
ク溶接、サブマージトメルト溶接、金属アーク溶接など
の溶接方法があるが、これらの溶接方法には所定の成分
からなる溶接棒14を用いなければならないため、図3のD
に示すようにクラッド板10,11の材料以外の元素成分が
溶接部12に混入することになり、上記の溶接方法と同様
に溶接後の接合クラッド板の諸特性を損なう問題があ
る。
質同士で突き合わせて溶接した溶接部において各クラッ
ド板が有する諸特性を保持させた接合クラッド板を得る
ことができなかった。
したクラッド板同士をその厚み端面で同材質同士を突き
合わせて溶接した溶接部において、各クラッド板が有す
る諸特性を保持させたまま溶接し、各種用途に応じた複
雑な形状や極めて大きな寸法形状の部材の形成に対応で
きる接合クラッド板の製造方法の提供を目的とする。
Alからなる低融点材料表面の一方面に該低融点材料よ
りも融点が高い高融点材料を圧接したクラッド板と、該
クラッド板と同一構成からなるクラッド板とを、同材質
同士が当接するように各々のクラッド板端面を突き合わ
せて、高融点材料側の表面の突き合わせ部から高融点材
料のみを溶接した後、低融点材料側の表面の突き合わせ
部から低融点材料を溶接し、溶接部において実質的に高
融点材料と低融点材料との溶け込みがなく、かつ溶接部
を介して隣接する各々の高融点材料及び低融点材料が各
々有する機能、特性が損なわれていない接合クラッド板
を得ること特徴とする接合クラッド板の製造方法であ
る。
明すると、まず、CuまたはAlからなる低融点材料表
面に、該低融点材料よりも融点が高い高融点材料を圧接
した2層クラッド板において、同一構成からなるクラッ
ド板同士を、同じ材料同士が当接するように各々のクラ
ッド板端面を突き合わせる。
部をレーザー溶接、電子ビーム溶接、イオンビーム溶
接、TIG、MIGなどの溶接手段により高融点材料側
のみを溶接し、さらにCuまたはAlからなる低融点材
料側の表面の突き合わせ部を同様の溶接手段により低融
点材料側を溶接することにより、溶接前のクラッド板が
有する諸性質、例えば、電気的性質(抵抗値等)、磁気
的性質(磁気特性等)、熱的性質(熱膨張、熱伝導
等)、機械的性質(強度、弾性等)、化学的性質(耐食
性、耐酸化性、耐溶剤性等)等を、溶接部(以下ビード
部という)でその諸性質を消失、変化させることなく維
持し、溶接後の接合クラッド板全体にわたって保持させ
ることができる。
材料と低融点材料との溶け込みがなく、かつ溶接部を介
して隣接する各々の高融点材料及び低融点材料が各々有
する機能、特性が損なわれていない接合クラッド板を得
ることができる。
途に応じた、例えば圧接装置の大きさによりクラッド板
の幅寸法が制限されるなどの理由により実現できなかっ
た極めて大きな寸法形状、平面的に複雑な形状及びパイ
プなどの円筒形状などにも十分対応でき、クラッド板の
特徴を最大限に発揮しながらその用途を大きく拡大する
ことができる。
を消失、変化させることなく維持し、溶接後のクラッド
板全体に溶接前のクラッド板が有する諸性質を保持させ
るには、クラッド板の一方の材料をCuまたはAlと
し、もう一方の材料をCuまたはAlよりも融点が高い
材料とし、さらにビード部において、クラッド板を構成
する各材料の互いの溶け込みをできるだけ最小限に制御
すること、すなわち、図1において、各々のクラッド板
2,3の溶接深さdまたはd’の寸法の制御を行なうこ
とが重要である。
を構成する各材料の各々の面に対して溶接を行なう必要
があるので、一方向から溶接できるもの、また、溶接の
ビーム径をなるべく細く絞れるもの、すなわち図1にお
いて、直径がaまたはa’、高さがdまたはd’とする円錐
状のビード部の体積を極力小さくできるものが好まし
く、それらには、レーザー溶接、電子ビーム溶接、イオ
ンビーム溶接、あるいは、TIG、MIGなどの溶接手段が適
している。
いて厚みtの高融点材料4と厚みt’のCuまたはAl
からなる低融点材料5との一対のクラッド板2,3を溶
接する場合、まず、高融点材料4の突き合わせ部8をレ
ーザーを照射して深さdまで溶接する。この時レーザー
溶接を用いるとビームを細く絞って突き合わせ部8を溶
接できるので、ビード部6のaの値が小さくなり好まし
い。
5の突き合わせ部8をレーザー溶接にて深さd’まで溶
接する。この場合も上記と同じく、ビード部7のa’の
値が小さくなる。この時、低融点材料5を深さd’まで
溶接しても、高融点材料4の方が融点が高いことから、
実質的に低融点材料5が高融点材料4に溶け込むことは
ない。すなわち、ビード部6,7においてもクラッド化
を達成でき、溶接前のクラッド板が有する諸性質を、ビ
ード部6,7を含む溶接後の接合クラッド板1全体が保
持することとなる。
は、高融点材料4と低融点材料5の界面部で重なり合わな
い、すなわち、溶け込まないようにすることが最も好ま
しいが、工業的規模の量産を行なう場合、深さd及び深
さd’を溶接後のクラッド板全体の諸性質が損なわれな
い程度に多少重複させることにより、深さ制御が緩和で
き、生産を円滑に行なえるようになる。その場合には、
高融点材料4の深さdはできるだけ厚みt内に収めるよう
にして、低融点材料5の溶接深さd’は厚みt’を多少越
えるようにすることが好ましい。すなわち、厚みt’を
越えたΔ(d’-t’)分だけの高融点材料4しか低融点材料
5に溶け込まないからである。
えるようにすると、厚みtを越えた溶接深さd部分及びそ
の周囲の低融点材料5が多量に高融点材料4に溶け込むこ
とになり、場合によっては、ビード部6,7全てが高融点
材料4と低融点材料5とが混じり合った合金になってしま
うこともあり、溶接前のクラッド板が有する諸性質を、
溶接後の接合クラッド板1全体が保持できなくなり好ま
しくない。
御を緩和させるためにも、前述の如く、溶接のビーム径
をなるべく細く絞れるもの、すなわち図1において、直
径がaまたはa’、深さがdまたはd’とする各円錐状のビ
ード部の体積を極力小さくできる溶接手段が好ましい。
や、現在工業的に用いられている圧接装置では製造が不
可能な極めて大きな寸法形状に対応できる接合クラッド
板を提供することができるので、今まで適用が不可能と
されていた用途、例えば、極めて大きな装置を構成する
材料や、各種化学プラントの薬品タンク(耐内部腐食用)
や、臨海地区建造物の材料(耐外部腐食用)などへの利
用、さらには、各種パイプなど円筒形状のものについて
も適用することができる。
に用いる場合、例えば耐腐食性が良好なSUS材等にAl等
を圧接したクラッド板を溶接により繋ぎ合わせて接合ク
ラッド板となした後、該接合クラッド板を所要の雰囲気
で拡散熱処理を施し、接合クラッド板全体にSUSとAlの
金属間化合物を形成させて、より一層耐腐食性にすぐれ
る接合クラッド板を得ることもできる。
長さ2500mmの42Ni-Fe合金、低融点材料5として厚さt’
が0.3mm、幅650mm、長さ2500mmのCuからなるクラッド板
2と、該クラッド板と同基板材料、同被着材料、同寸法
からなるクラッド板3とを、同じ材料が互いに接するよ
うに各々のクラッド板端面を突き合わせて、下記する条
件の電子ビーム溶接にて、まず42Ni-Fe合金側の突き合
わせ部8を溶接した後、次いでCu側の突き合わせ部8を溶
接した。
り、溶接前のクラッド板が有する諸性質をそのまま保持
する良好な接合クラッド板1が得られた。
で、クラッド面境界層のみを内部拡散熱処理をしたとこ
ろ、熱処理後の溶接クラッド板は、室温において、該ク
ラッド板を構成する各々の材料が有する機能、特性を損
なうことなく、すなわちCuの特徴である高熱伝導、高
電気伝導と、42Ni−Fe合金の特徴である低熱膨張
率を併せ持つすぐれた特性を有していた。
長さ2000mmのSUS304、低融点材料5として厚さt’が0.1m
m、幅100mm、長さ2000mmのAlからなるクラッド板2と、
該クラッド板と同基板材料、同被着材料からなるクラッ
ド板3とを、同じ材料が互いに接するように各々のクラ
ッド板端面を突き合わせて、YAGレーザーを用いたパル
ス方式シーム溶接にて、まずSUS304側の突き合わせ部8
をレーザー出力5ms/15pps(パルス幅/繰り返し)で溶接し
た後、次いでAl側の突き合わせ部8を2ms/15pps(パルス
幅/繰り返し)で溶接した。この時のビード部6,7の溶け
込み部9の厚みΔは13μmであり、良好な溶接が確保さ
れ、溶接前のクラッド板と同等の諸特性を有する接合ク
ラッド板1が得られた。
熱処理することにより、SUS304とAlを拡散処理して、SU
S304とAlの金属間化合物を形成させた。上記の熱処理を
施した溶接クラッド板を溶融炭酸塩型燃料電池のセパレ
ータマスク部に適用させたところ、該接合クラッド板は
長時間の使用にもかかわらず全く腐食を起こすことな
く、溶融炭酸塩型燃料電池をスムーズに作動することが
できた。
融点基板材料をの一方面に該低融点材料よりも融点が高
い高融点材料を圧接したクラッド板において、溶接前の
クラッド板が有する諸性質、例えば、電気的性質(抵抗
値等)、磁気的性質(磁気特性等)、熱的性質(熱膨
張、熱伝導等)、機械的性質(強度、弾性等)、化学的
性質(耐食性、耐酸化性、耐溶剤性等)等を、溶接部で
その諸性質を消失、変化させることなく、溶接後の接合
クラッド板全体がその諸性質を保持できる。
材料と低融点材料との溶け込みがなく、かつ溶接部を介
して隣接する各々の高融点材料及び低融点材料が各々有
する機能、特性が損なわれていない接合クラッド板を得
ることができる。
効果として有する各クラッド板の機能や特性をそのまま
維持することができ、従来のクラッド板では実現できな
かった極めて大きな寸法形状、平面的に複雑な形状、各
種パイプなどの円筒形状などにも対応できる接合クラッ
ド板を提供することができ、クラッド板の特徴を最大限
に発揮しながらその用途を大きく拡大することができ
る。
す縦断説明図である。
を示す縦断説明図である。
部分を示す縦断概略説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 CuまたはAlからなる低融点材料表面
の一方面に該低融点材料よりも融点が高い高融点材料を
圧接したクラッド板と、該クラッド板と同一構成からな
るクラッド板とを、同材質同士が当接するように各々の
クラッド板端面を突き合わせて、高融点材料側の表面の
突き合わせ部から高融点材料のみを溶接した後、低融点
材料側の表面の突き合わせ部から低融点材料を溶接し、
溶接部において実質的に高融点材料と低融点材料との溶
け込みがなく、かつ溶接部を介して隣接する各々の高融
点材料及び低融点材料が各々有する機能、特性が損なわ
れていない接合クラッド板を得ること特徴とする接合ク
ラッド板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31301092A JP3272787B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 接合クラッド板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31301092A JP3272787B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 接合クラッド板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06155030A JPH06155030A (ja) | 1994-06-03 |
JP3272787B2 true JP3272787B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=18036146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31301092A Expired - Lifetime JP3272787B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 接合クラッド板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3272787B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9944048B2 (en) | 2011-03-14 | 2018-04-17 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Laser-bonded component and production method for same |
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JP6408824B2 (ja) * | 2014-07-31 | 2018-10-17 | 公立大学法人大阪府立大学 | 金属クラッド溶接材および金属クラッド溶接材の製造方法 |
JP5788069B1 (ja) | 2014-08-29 | 2015-09-30 | 古河電気工業株式会社 | 平面型ヒートパイプ |
CN107717185A (zh) * | 2017-10-12 | 2018-02-23 | 首钢集团有限公司 | 三层双面不锈钢复合板的焊接方法 |
-
1992
- 1992-10-27 JP JP31301092A patent/JP3272787B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Publication number | Publication date |
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JPH06155030A (ja) | 1994-06-03 |
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