JP2715665B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2715665B2
JP2715665B2 JP2402192A JP40219290A JP2715665B2 JP 2715665 B2 JP2715665 B2 JP 2715665B2 JP 2402192 A JP2402192 A JP 2402192A JP 40219290 A JP40219290 A JP 40219290A JP 2715665 B2 JP2715665 B2 JP 2715665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置に関し、特に
SOI(Silicon On Insulator)
構造とU字状の溝(以後、U溝と記す)構造の絶縁分離
領域とを有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン半導体装置が高速化されるに伴
ない、半導体素子を形成する拡散層等の寄生容量の低減
方法が重要になってきた。SOI構造は寄生容量を低減
する有力な方法である。SOI構造では、絶縁物からな
る基板あるいは膜の上にシリコン単結晶膜が形成されて
いる。このシリコン単結晶膜に半導体素子が形成されて
いる。
【0003】SOI構造の当初のもは、SOS(Sil
icon On Sapphireor Spine
l)構造であった。これは、サファイアあるいはスピネ
ルを基板とし、その表面にシリコンをヘテロエピタキシ
ャル成長させた構造である。しかしながらこれは、経済
性という面で不利であった。それ以上に、これらの基板
とシリコン単結晶膜との熱膨張係数が違いすぎるため、
取扱いが難かしく加工性に難があるという大きな問題点
があった。
【0004】その後、半導体素子の進展にともない、α
粒子に誘起されるソフトエラーに対する耐性の向上が重
要になってきた。また半導体素子の微細化の進展にとも
ない、3次元デバイスの研究開発が進められてきた。こ
れらの潮流に伴ない、SOSとは異なる新たな構造のS
OI構造が出現した。
【0005】これら最近のSOI構造は3種類ある。第
1の構造では、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板
の上に、シリコン単結晶膜が形成されている。これの形
成方法は以下の方法からなる。シリコン単結晶表面に絶
縁膜が形成され、その表面に非晶質シリコンあるいは多
結晶シリコンからなる堆積膜が形成され、この堆積膜は
例えばレーザ照射により単結晶化される。この構造で
は、シリコン単結晶膜の結晶性に難がある。
【0006】最近のSOIの第2の構造では、シリコン
単結晶基板の表面から浅い部分に、シリコン酸化膜が形
成されている。これは、SIMOX (Separati
onby IMplanted Oxygen )と呼ば
れている。これは、シリコン単結晶基板の表面に1017
〜1018cm-2の酸素を高エネルギーでイオン注入し、
1300℃前後の高温でアニールすることにより、得ら
れる。この構造での表面のシリコン単結晶層における転
位密度の最小値は104 cm-2である。このときのシリ
コン酸化膜の膜厚は高々200nm程度である。SIM
OX構造を実デバイスに採用するには、2つの障壁があ
る。第1の障壁は経済性である。SIMOX構造を実デ
バイスに用いるとすると、シリコン酸化膜の膜厚は厚く
する必要がある。寄生容量を低減するためには、表面の
シリコン単結晶層の下のシリコン酸化膜の膜厚は厚い方
が良い。これは、経済性を度外視すれば、イオン注入,
高温アニール,シリコンのエピタキシャル成長からなる
操作を複数回繰返すことにより実現できる。第2の障壁
は結晶欠陥に起因する接合リークである。この構造での
表面のシリコン単結晶層中には酸素がガウス分布してい
る。SIMOX構造の形成段階での転位の存在に加え
て、ガウス分布した酸素の析出が600〜700℃での
温度で起ることにより、積層欠陥が発生するとともに新
たな転位が発生する。
【0007】最近のSOIの第3の構造には、BESO
I (Bonding and Etch back S
OIの略)と呼ばれる構造がある。この構造では、表面
にシリコン酸化膜が形成された基板に、シリコン単結晶
基体が熱圧着されている。この構造は、シリコン酸化膜
上のシリコン単結晶の結晶欠陥密度が低く、安価に製造
できる。
【0008】ショットキー・クランプ型の1Kビットの
ECL RAMのセルに上述のBESOIを採用した例
が、アイ・イー・ディー・エム テクニカル ダイジェ
スト1988年,870〜872ページ(IEDM T
ech.Digest,pp.870−872,198
8)に報告されている。この報告におけるこの構造の採
用目的は、α粒子に誘起されるソフトエラー耐性の向上
と、寄生容量の低減である。例えば、シリコン基板とコ
レクタ領域との間の寄生容量は、通常のU溝構造を採用
した場合に比べて、1/4程度に低減される。シリコン
基板とコレクタ領域との間の寄生容量は、バイパーラ素
子全体の60〜70%を占めている。図13はこの報告
における半導体装置の略断面図である。
【0009】この半導体装置の構成は、以下のようにな
っている。例えばP型のシリコン基板101の表面に
は、膜厚1μm程度のシリコン酸化膜103が形成され
ている。シリコン酸化膜103表面に熱圧着されたシリ
コン単結晶基体はさらに研削( etch back )に
より薄くされ、これにN型の不純物が導入され、これは
+ 型の埋込み層112となる。埋込み層112表面に
シリコンのN- 型のシリコンエピタキシャル膜113が
堆積されている。この場合のシリコン単結晶層は、埋込
み層112およびシリコンエピタキシャル膜113によ
って構成される。シリコンエピタキシャル膜113表面
の所定位置からシリコン酸化膜103達するU溝131
が設けられている。U溝131の側壁表面には、側壁絶
縁膜132が設けられている。側壁絶縁膜132の膜厚
はシリコン酸化膜103の膜厚より薄い。U溝131の
内部には、側壁絶縁膜132を介して多結晶シリコン1
34が埋込まれている。シリコンエピタキシャル膜11
3表面には、N+ 型領域141,P+ 型のベース領域1
42,およびN+ 型のエミッタ領域143が設けられて
いる。N+ 型の狭義のコレクタ領域は、埋込み層112
およびN+ 型領域141からなる。広義のコレクタ領域
は、拡散領域が形成されずに残された部分のシリコンエ
ピタキシャル膜113,埋込み層112,およびN+
領域141からなる。シリコンエピタキシャル膜11
3,N+ 型領域141,P+ 型のベース領域142,N
+ 型のエミッタ領域143,およびU溝131の表面に
は、表面保護膜148が設けられている。表面保護膜1
48のN+ 型領域141,P+ 型のベース領域142,
+ 型のエミッタ領域143,およびシリコンエピタキ
シャル膜113に形成された開口部を介して、コレクタ
電極151,ベース電極152,エミッタ電極153,
およびショットキー電極154が設けられている。
【0010】広義のコレクタ領域と基板との間の寄生容
量(CCS)は、広義のコレクタ領域の底面と基板との間
の寄生容量(CCS(B) )および広義のコレクタ領域の側
面と基板との間の寄生容量(CCS(S) )の和である。上
述の半導体装置にけるCCS(B) は、シリコン基板101
と広義のコレクタ領域との間の厚いシリコン酸化膜10
3の存在により、通常のバイポーラ半導体装置より低減
する。上述の半導体装置におけるCCS(S) は通常のバイ
ポーラ半導体装置と同じである。このCCS(B) の低減に
より、CCSは通常のバイポーラ半導体装置の1/4程度
になる。なおこのCCS(S) は、広義のコレクタ領域の側
面と多結晶シリコン134との間に形成される容量(C
CI),および多結晶シリコン134とシリコン基板10
1との間に形成される容量(CIS)から構成される。絶
縁膜の膜厚,および対向面積の違いから、 CCI≫ C
ISとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】半導体装置の高速化に
とって、スピード・パワー積の向上という点から、寄生
容量の低減は重要である。半導体装置の高速化は、半導
体装置を構成する半導体素子の微細化の進展に伴なって
実現されている。半導体装置の高速化は、微細化された
半導体素子を駆動させるために多量の電流を流すことに
なる。半導体素子における電流密度は増大し、ジュール
熱の発生も局所的に急増する。この発熱を放置すると、
半導体素子の性能の劣化が起る。このため、半導体装置
の高速化にとって、寄生容量の低減とともに、半導体素
子からの発熱の放熱効果の向上が重要である。半導体素
子の上部は熱伝導率の低い気体が存在する。半導体素子
の底面は、直接,あるいは熱伝導率の高い材料を介し
て、半導体装置のパッケージを構成する金属材料と接続
している。したがって、半導体素子からのジュール熱
は、半導体素子の底面から放熱されるのが一般的であ
る。
【0012】ところが上述のBESOI構造では、放熱
効果が通常の場合より低下する。シリコン酸化膜の熱伝
導率がシリコン単結晶のそれに比べて2桁程度低い。こ
のため、バイポーラ素子の底面における放熱効果が低下
する。BESOI構造におけるシリコン基板上のシリコ
ン酸化膜の膜厚を薄くすれば放熱効果は上昇する。この
シリコン酸化膜の膜厚に関係した放熱効果の向上と寄生
容量の低減とは相反関係にあるため、上述の報告にある
BESOI構造でこの2つを両立させることは不可能で
ある。
【0013】本発明の目的は、ソフトエラー耐性を維持
しながら寄生抵抗を低減し、スピード・パワー積の高い
半導体装置を提供することにある。本発明の目的は、S
OI構造およびU溝構造の絶縁分離領域を採用し、SO
I構造を持たずにU溝構造の絶縁分離領域を有する半導
体装置の放熱効果に近ずける構造の半導体装置を提供す
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
表面にシリコン酸化膜が形成された基板上にシリコン単
結晶層を有し、シリコン単結晶層表面から基板に達する
U溝構造の絶縁分離領域を有している。基板は、好まし
くはシリコンあるいは炭化ケイ素(SiC)からなる。
U溝の側壁表面には絶縁膜が設けられている。この絶縁
膜は、好ましくはシリコン酸化膜、およびシリコン窒化
膜のうちの少なくとも1つからなる。U溝の内部には、
絶縁膜を介して埋設物が埋込まれている。埋設物は、好
ましくは炭化ケイ素である。基板上に設けられたシリコ
ン単結晶層の膜厚と基板上に形成されたシリコン酸化膜
の膜厚との和が、加工可能なU溝の深さ以下であること
が好ましい。基板がシリコンからなる場合、基板上に形
成されたシリコン酸化膜の膜厚はU溝の側壁表面に設け
られた絶縁膜の膜厚より厚いことが好ましい。本発明に
おける半導体装置はバイポーラ半導体装置、あるいはM
OS半導体装置であ
【0015】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0016】本発明の第1の実施例がバイポーラ半導体
装置に適用された場合について、図1〜図4に示す工程
順の略断面図を用いて説明する。
【0017】まず、例えばP型のシリコン基板201の
表面に、シリコン酸化膜203が形成される。この膜厚
は約1.0μmである。シリコン酸化膜203表面にシ
リコン単結晶基体が重ねられる。これに高温中で高電圧
が印加され、これはシリコン酸化膜203に圧着され
る。その後、シリコン単結晶基体は研磨(etch−b
ack)され、膜厚約1.0μmのシリコン単結晶基体
211となる〔図1〕。
【0018】次に、シリコン単結晶基体201に砒素が
拡散され、N+ 型の埋込み層212が形成される。続い
て、埋込み層212表面にN- 型のシリコンエピタキシ
ャル膜213が堆積される。シリコンエピタキシャル膜
213の膜厚は、約1.0μmである。本実施例を適用
したバイポーラ半導体装置におけるシリコン単結晶層
は、シリコンエピタキシャル膜213と埋込み層212
とから構成される。次に、シリコンエピタキシャル膜2
13表面にシリコン酸化膜221,シリコン窒化膜22
2が順次形成される。次に、通常のフォトリソグラフィ
ー技術と,反応性イオンエッチング(以下、RIEと記
す)による異方性エッチィングを行ない、シリコンエピ
タキシャル膜213,埋込み層212,およびシリコン
酸化膜203を貫通し、シリコン単結晶層表面からシリ
コン基板201に達するU溝231が形成される。U溝
231の幅,および深さは、約1.0μm,約4μmで
ある。U溝231により分割された埋込み層212の底
面の面積は、10×20μm2 である。続いて、表面全
面に高温CVD(HTCVDと記す)法により、シリコ
ン酸化膜233が堆積される〔図2〕。シリコン酸化膜
233の膜厚は約0.1μmである。HTCVD法を用
いる理由は、段差被覆性に優れており、かつ得られる堆
積膜の膜質が優れている(シリコン酸化膜の場合、熱酸
化によるシリコン酸化膜とほぼ同じ膜質である)からで
ある。なお、これの代りに熱酸化によるシリコン酸化
膜,あるいはCVD法によるシリコン窒化膜を用いても
よい。
【0019】次に、シリコン酸化膜233はRIEによ
るエッチバックが行なわれ、シリコン窒化膜222表
面,およびU溝231底部のシリコン酸化膜233が除
去される。U溝231側壁表面にのみシリコン酸化膜2
33が残存する。これは、側壁絶縁膜として機能するこ
とになる。続いて、全面に膜厚約2.0μmの多結晶シ
リコンが堆積され、これがエッチバックされ、U溝23
1内部に埋込まれた多結晶シリコン234が形成され
る。このエッチバックに際して、シリコン窒化膜222
はストッパーとして機能する。その後、表面に形成され
ていたシリコン窒化膜222,シリコン酸化膜221が
順次エッチング除去される。次に、シリコンエピタキシ
ャル膜213の表面に選択的に燐が拡散され、埋込み層
212と接続するN+ 領域241が形成される。これに
より、埋込み層212,およびN+ 領域241により構
成される狭義のコレクタ領域の形成が完了する〔図
3〕。
【0020】次に、シリコンエピタキシャル膜213の
表面に選択的にボロンがイオン注入され、P+ 型のベー
ス領域242が形成される。ベース領域242の拡散層
の深さは約0.3μmである。ベース領域242の表面
の面積は、10×12μm2 である。この段階で広義の
コレクタ領域の形成が完了する。これは、ベース領域2
42を除いたシリコンエピタキシャル膜213,N+
域241,および埋込み層212から構成される。次
に。表面保護用絶縁膜としてのシリコン酸化膜249が
表面全面に形成される。これの膜厚は0.2程度であ
る。シリコン酸化膜249に選択的に開口部が設けら
れ、燐が拡散され、N+ 型のエミッタ領域243が形成
される。引き続きシリコン酸化膜249に選択的に開口
部が設けられ、これらの開口部を介してN+ 領域24
1,ベース領域242,およびエミッタ領域243に接
続するコレクタ電極251,ベース電極252,エミッ
タ電極253が形成される〔図4〕。これらの電極は例
えばアルミニウム膜からなる。
【0021】図5は図4に対応する略平面図である。シ
リコン酸化膜203と接するコレクタ領域の底面の面積
は、前述のU溝231により分割された埋込み層212
の底面の面積と同一であり、200μm2 である。ま
た、ベース領域242側面の面積が0.3×(10+2
×12)μm2 (約10μm2 )であることから、広義
のコレクタ領域がU溝231と接する面積は、(1+
1)×(2×10+2×20)μm2 −10μm2 =1
10μm2 となる。
【0022】図13に示した従来のBESOI構造を有
しU溝構造の絶縁分離領域を有するバイポーラ半導体装
置,および通常のU溝構造の絶縁分離領域を有するバイ
ポーラ半導体装置を作成した。これらの各構成部品の素
材,および寸法は本実施例に示したものと同一にした。
これらのバイポーラ半導体装置と本実施例によるバイポ
ーラ半導体装置との比較を行なった。
【0023】広義のコレクタ領域とシリコン基板との間
の寄生容量(CCS)は、本実施例によるバイポーラ半導
体装置では図13に示した従来のものと同様に、通常の
U溝構造の絶縁分離領域を有するバイポーラ半導体装置
の約1/4であった。本実施例に示したように各構成部
品の素材,および寸法を設定するならば、本実施例によ
るバイポーラ半導体装置および図13に示した従来のも
のではCCS(S) =5.5CCS(B) となることから、CCS
においてCCS(S) (=CCI)が支配的となる。CCS(S)
の値は通常のU溝構造の絶縁分離領域を有するバイポー
ラ半導体装置でもほぼ同じである。それにもかかわらず
上述の結果を得たことは、SOI構造を採用することに
より、CCS(B) が通常の場合に比べて約1/20と大き
く低減したことになる。
【0024】本実施例におけるバイポーラ半導体装置で
は、バイポーラ素子の底面からの放熱より側面からの放
熱が主となる。上述の3種類のバイポーラ半導体装置に
関して、コレクタ電流Icに対する半導体装置の温度上
昇ΔTを測定した。図6はその結果である。同図におい
て、線Aは本実施例の測定結果であり、線Bは図13に
示した構造を有するバイポーラ半導体装置の測定結果で
ある。また線Cは、通常のU溝構造の絶縁分離領域を有
するバイポーラ半導体装置の測定結果である。同図にお
けるΔTの逆数を比較することにより、放熱効果の比較
ができる。図13に示した構造を有するバイポーラ半導
体装置の放熱効果は、通常のU溝構造の絶縁分離領域を
有するバイポーラ半導体装置の放熱効果の約1/6であ
る。本実施例の場合には、約1/2となる。全体の寄生
容量に占めるCCSが60%としてスピード・パワー積を
考察する。図13の構造の半導体装置におけるスピード
・パワー積は、通常のU溝構造の絶縁分離領域を有する
バイポーラ半導体装置のスピード・パワー積の約40%
である。一方、本実施例でのスピード・パワー積は、通
常のU溝構造の絶縁分離領域を有するバイポーラ半導体
装置のスピード・パワー積の約120%となる。これは
以下のことを示している。本実施例においては、放熱効
果が通常のU溝構造の絶縁分離領域を有するバイポーラ
半導体装置より低下するが、寄生容量の低減による効果
がそれを上回ることになる。さらに、ソフトエラー耐性
は通常のU溝構造の絶縁分離領域を有するバイポーラ半
導体装置より向上する。
【0025】バイポーラ素子がさらに微細化すると、バ
イポーラ素子の側面面積の縮小は底面面積の縮小より少
なくなる。このため、側面からの放熱効果が良い構造
は、ますます有効になる。ちなみに側面からの放熱効果
のみ比較するならば、本実施例の方が通常のU溝構造の
絶縁分離領域を有するバイポーラ半導体装置より優れて
いる。
【0026】なお、本実施例はバイポーラ半導体装置に
適用した例であるが、本実施例をMOS半導体装置に適
用することをできる。この場合には、まず図1に示した
シリコン単結晶基体211の膜厚は0.2〜0.5μm
程度に薄くする。その後U溝構造の絶縁分離領域が形成
され、引き続いてMOS素子が形成される。MOS半導
体装置における寄生容量は、ソース・ドレイン領域によ
るものが主である。本実施例をこれに適用するならば、
チャネル領域で対向するソース・ドレイン領域の側面の
寄生容量以外は1/20程度に低減できる。このため、
上述のバイポーラ半導体装置と同様の効果を得ることが
できる。
【0027】図7,図8は、本発明の第2の実施例を説
明するための略断面図である。図7はバイポーラ半導体
装置に適用した例であり、図8はMOS半導体装置に適
用した例である。本実施例においては、U溝231の内
部に埋込む材料が、第1の実施例での多結晶シリコンの
代りに、炭化ケイ素235である。
【0028】図7に示したバイポーラ半導体装置の場合
には、炭化ケイ素235が用いられること以外は第1の
実施例と同じである。炭化ケイ素235の形成方法につ
いて述べる。まず、U溝231の側壁表面にシリコン酸
化膜233を形成する。このとき、シリコン単結晶層
(埋込み層212とシリコンエピタキシャル膜213と
から構成される)の表面はシリコン窒化膜等により覆わ
れている。続いて、600℃程度の温度で、SiH2
2 ,C38 ,HCl,およびH2 からなる混合ガス
を用いたCVD法により、U溝231の内部に選択的に
炭化ケイ素235が成長する。
【0029】図8に示したMOS半導体装置について述
べる。この場合のシリコン単結晶層はPウェル214と
Nウェル215とから構成される。シリコン単結晶層の
膜厚は0.2〜0.5μm程度である。ゲート絶縁膜2
44およびゲート電極245に対して自己整合的にソー
ス・ドレイン領域が形成されている。N+ 型のソース・
ドレイン領域246はPウェル214に形成され、P+
型のソース・ドレイン領域247はNウェル215に形
成されている。ソース・ドレイン領域246,247の
底部はシリコン酸化膜203と接している。ソース・ド
レイン領域245,246は、チャネル領域側を除き、
U溝231に対して自己整合的に形成されている。表面
保護膜であるシリコン酸化膜249に設けられた開口部
を介して、ゲート電極245,ソース・ドレイン領域2
46,ソース・ドレイン領域247と接続する金属配線
255が設けられている。
【0030】炭化ケイ素の熱伝導率は多結晶シリコンの
熱伝導率より2〜3倍高い。このため、本実施例の半導
体装置では、第1の実施例より半導体素子側面からの放
熱効果が向上する。
【0031】図9は本発明の第3の実施例を説明するた
めの略断面図である。同図はバイポーラ半導体装置にお
けるバイポーラ素子の形成前の状態を示している。MO
S半導体装置にも、第1,第2の実施例と同様に、本実
施例は適用できる。本実施例では、シリコン基板201
上にCVD法により炭化ケイ素膜205を形成したもの
が、基板として用いられる。炭化ケイ素膜205の膜厚
は、2〜5μm程度である。シリコン酸化膜204の膜
厚は0.1〜0.5μm程度である。シリコン酸化膜2
04は、HTCVD法による形成するのが好ましい。こ
のシリコン酸化膜204は、BESOI構造を得るため
に必要である。動作速度が例えば1GHzであるなら
ば、炭化ケイ素の誘電率がシリコン酸化膜の約4倍であ
ることを考慮して、これら2つの膜厚の設定を行なう。
本実施例におけるその他は第1の実施例と同じである。
【0032】本実施例においては、バイポーラ素子の底
面における放熱効果が第1,第2の実施例より改善され
る。U溝231aが熱伝導率の高い炭化ケイ素膜205
に接続していることから、バイポーラ素子の側面におけ
る放熱効果は第1の実施例より多少改善される。また、
本実施例をMOS半導体装置に適用する場合にも、同様
の効果が得られる。
【0033】図10は本発明の第4の実施例を説明する
ための略断面図である。同図はバイポーラ半導体装置に
おけるバイポーラ素子の形成前の状態を示している。M
OS半導体装置にも、第1,第2,第3の実施例と同様
に、本実施例は適用できる。本実施例と第3の実施例と
の相違点は、U溝231a内に埋込まれる材料が炭化ケ
イ素235である点である。
【0034】本実施例においては、第3の実施例に比べ
て、半導体素子側面の放熱効果がさらに向上する。
【0035】図11は本発明の第5の実施例を説明する
ための略断面図である。同図はバイポーラ半導体装置に
おけるバイポーラ素子の形成前の状態を示している。M
OS半導体装置にも、第1,第2,第3,第4の実施例
と同様に、本実施例は適用できる。本実施例において
は、U溝231a内には多結晶シリコン234が埋込ま
れている。また、基板として炭化ケイ素基板202を用
いている。そのため、第3,第4の実施例におけるシリ
コン酸化膜204に対する誘電率に係わる膜厚の制約が
無くなる。シリコン酸化膜204の膜厚は、放熱効果の
面からはより薄くすることが好ましいが、シリコン単結
晶層を貼付けるに要する厚さだけは必要である。シリコ
ン酸化膜204の膜厚としては、0.05〜0.1μm
程度が好ましい。本実施例では、第1,第2,第3,第
4の実施例に比べて、半導体素子底面における放熱効果
は向上し、さらに半導体素子底面における寄生容量も低
減する。
【0036】図12は本発明の第6の実施例を説明する
ための略断面図である。同図はバイポーラ半導体装置に
おけるバイポーラ素子の形成前の状態を示している。M
OS半導体装置にも、第1,第2,第3,第4,第5の
実施例と同様に、本実施例は適用できる。本実施例と第
5の実施例えとの相違点は、U溝231a内に埋込まれ
ている材料が炭化ケイ素235であるという点である。
本実施例では、第5の実施例に比べて、半導体素子側面
における放熱効果は向上し、さらに半導体素子側面にお
ける寄生容量も低減する。
【0037】
【発明の効果】本発明の半導体装置において、以上説明
したような構造を採用することにより、U溝内部の埋設
物と基板との間に熱伝導率の低い層が存在しなくなり、
半導体装置における半導体素子から発する熱はU溝を介
して基板に放熱される。これにより、放熱効果はBES
OI構造を有しU溝構造の絶縁分離領域を有する従来の
半導体装置より向上する。通常のU溝構造の絶縁分離領
域を有する半導体装置に比較して放熱効果がこれ以下に
留まる場合にも、本発明の半導体装置における寄生容量
の低減の効果により、スピード・パワー積が通常のU溝
構造の絶縁分離領域を有する半導体装置より向上する。
また、ソフトエラー耐性に関しては、BESOI構造の
採用により、本発明の半導体装置は通常のU溝構造の絶
縁分離領域を有する半導体装置より向上する。
【0038】本発明がバイポーラ半導体装置に適用され
る場合、上述の効果が得られる。一方、本発明をMOS
半導体装置に適用する場合、MOS半導体素子に微細化
がさらに進み、例えばゲート長が0.1〜0.25μm
程度になり、動作速度が1GHzに近ずき、動作温度が
液体窒素温度程度になるならば、本発明の有効性は非常
に大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための略断面
図である。
【図2】本発明の第1の実施例を説明するための略断面
図である。
【図3】本発明の第1の実施例を説明するための略断面
図である。
【図4】本発明の第1の実施例を説明するための略断面
図である。
【図5】本発明の第1の実施例を説明するための略平面
図であり、図4の略平面図である。
【図6】本発明の第1の実施例の効果を説明するための
コレクタ電流に対する半導体装置の温度上昇を示すグラ
フである。
【図7】本発明の第2の実施例をバイポーラ半導体装置
に適用した例を説明するための略断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例をMOS半導体装置に適
用した例を説明するための略断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例を説明するための略断面
図である。
【図10】本発明の第4の実施例を説明するための略断
面図である。
【図11】本発明の第5の実施例を説明するための略断
面図である。
【図12】本発明の第6の実施例を説明するための略断
面図である。
【図13】従来のSOI構造,U溝構造を有する半導体
装置を説明するための略断面図である。
【符号の説明】
101,201 シリコン基板 103,203 シリコン酸化膜 112,212 埋込み層 113,213 シリコンエピタキシャル膜 131,231,231a U溝 132 側壁絶縁膜 134,234 多結晶シリコン 141,241 N+ 型領域 142,242 ベース領域 143,243 エミッタ領域 148 表面保護膜 151,251 コレクタ電極 152,252 ベース電極 153,253 エミッタ電極 154 ショットキー電極 201 炭化ケイ素基板 204 シリコン酸化膜 205 炭化ケイ素膜 211 シリコン単結晶基体 214 Pウェル 215 Nウェル 221 シリコン酸化膜 222 シリコン窒化膜 233 シリコン酸化膜 235 炭化ケイ素 244 ゲート絶縁膜 245 ゲート電極 246 N+ 型ソース・ドレイン領域 247 P+ 型ソース・ドレイン領域 249 シリコン酸化膜 255 金属配線

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板表面に形成されたシリコ
    ン酸化膜と、前記シリコン酸化膜上に形成されたシリコ
    ン単結晶層と、前記シリコン単結晶層表面から前記シリ
    コン酸化膜を貫通して前記基板に達するU字状の溝と、
    前記U字状の溝側壁表面に設けられた側壁絶縁膜と、前
    記U字状の溝内部に前記側壁絶縁膜を介して埋め込ま
    れ、前記U字状の溝底部において前記基板と接する炭化
    ケイ素と、前記シリコン単結晶層表面に露出した前記U
    字状の溝の側壁絶縁膜と前記炭化ケイ素を覆う絶縁膜と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】前記半導体装置がバイポーラ半導体装置で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】前記半導体装置がMOS半導体装置である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】前記基板がシリコン基板であることを特徴
    とする請求項1記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】前記半導体装置がバイポーラ半導体装置で
    あることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】前記半導体装置がMOS半導体装置である
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】前記U字状の溝の形成可能な深さと前記シ
    リコン単結晶層の膜厚の差より薄く、前記側壁絶縁膜よ
    り厚い膜厚の前記シリコン酸化膜を有することを特徴と
    する請求項4記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】前記半導体装置がバイポーラ半導体装置で
    あることを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】前記半導体装置がMOS半導体装置である
    ことを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】前記基板が炭化ケイ素基板であることを
    特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】前記半導体装置がバイポーラ半導体装置
    であることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】前記半導体装置がMOS半導体装置であ
    ることを特徴とする請求項10記載の半導体装置。
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