JP2715301B2 - 光電子ビーム変換素子 - Google Patents

光電子ビーム変換素子

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JP2715301B2 JP3393688A JP3393688A JP2715301B2 JP 2715301 B2 JP2715301 B2 JP 2715301B2 JP 3393688 A JP3393688 A JP 3393688A JP 3393688 A JP3393688 A JP 3393688A JP 2715301 B2 JP2715301 B2 JP 2715301B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光電子ビーム変換素子に関し、特に固体電子
ビーム発生装置を用いた光電子ビーム変換素子に関する
ものである。
[従来の技術] 固体電子ビーム発生装置として、半導体中に形成され
た異種接合に電界を印加して半導体表面から外部に電子
ビームを放射させる装置が知られている。
例えば特公昭54−30274号公報には、AlPとGaPの混晶
に形成したn−p接合に順方向電圧を印加してP型領域
の表面から電子を放出させる装置が開示されている。特
開昭54−111272号公報には半導体表面の絶縁層に設けた
開口内に少くとも一部を露出させたp−n接合に逆方向
電圧を印加し、かつ開口の縁まで絶縁層に加速電極を設
けている固体電子ビーム発生装置が、また特開昭56−15
529号公報には、半導体表面の絶縁層に設けた開口部の
縁部に加速電極を設け、開口内で半導体表面に平行に伸
長しているp−n接合に逆方向電圧を加えて半導体外部
に電子を放出させる半導体装置が開示され、またこれら
特開昭54−111272号公報、特開昭56−15529号公報には
それぞれ半導体基板上に集積された電子ビーム発生装置
が開示されている。また特開昭57−38528号公報には、
p−n接合に順方向バイアス電圧をかけて半導体表面か
ら電子を放出させる素子を半導体基板上に集積させたマ
ルチ冷電子放出陰極が開示されている。
これらの、固体電子ビーム発生装置は、小型でかつp
−n接合に印加する電圧により電子放出を変調できる等
の多くの利点を有する。小型化できる利点をいかし、複
数個の電子ビームを配置した装置が考えられるが、その
電子ビーム発生装置を駆動するための配線が複雑になり
問題点となっていた。
一方、D.J.Barteling,J.L.Moll,N.I.Meyerらは、Phy
s.Rev.Vol.130 Number 3(1963)972〜985の中で、p−
n接合に逆方向電圧を印加し、電子なだれを起こし、電
子を発生させる場合、P型領域に光を照射し、電子を励
起し、駆動することもできると報告している。しかし、
励起用の光は、電子ビーム放出側から入射しており、電
子ビームを利用した装置を作製する上でこの点が大きな
制約となっていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上述した従来例の欠点を除去し、簡単な構
成で光入力に応じて、電子ビームを出射させる素子を提
供すること、および入力信号として広い波長範囲の光が
使用できる光電子ビーム変換素子を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段および作用] このような目的を達成するために、本発明の光電子ビ
ーム変換素子は、一対の電極間に配置した絶縁性薄膜を
有する電子放出部位を有し、更に光照射により、電気的
な高抵抗状態から低抵抗状態へ遷移する光スイッチング
部位が該電子放出部位と直列に接続されていることを特
徴とする。
即ち、本発明の素子は前記スイッチング部位が光照射
により高抵抗状態から低抵抗状態へ遷移し、MIM型電子
放出部位に閾値以上の高電界が印加され電子ビームを発
生するため電子ビームの駆動が光により容易にできる。
またさらに前記スイッチング特性にメモリ性をもたせ
ることも可能であり、またさらには入力信号用の光とし
ては広範囲の波長を使用できる。
以下、本発明の好ましい実施態様について説明する。
第1a図は本発明の光電子ビーム変換素子の構成断面図
である。第1a図に示す素子は、光或いは光パルスを照射
することにより電気的なスイッチオフの状態からスイッ
チオン状態にスイッチするスイッチング薄膜11と、その
上に一対の電極1及び3と、該電極間に配置した絶縁性
薄膜2が設けられており、MIM層と光スイッチング膜に
直列にDC電圧が印加できる様になっている。
MIM型電子放出素子としては、従来、Al/Al2O3/Auのよ
うに薄い絶縁層としてAl,Ta等の陽極酸化により形成さ
れた酸化膜を用いて研究されていた。しかし均質性等多
くの問題のため、未だ実用化されるに至っていない。
最近の有機化学の技術進歩にともない、耐熱性、機械
的強度に対してもすぐれた性能をもつ有機材料が生まれ
ている。また新しい有機薄膜の作成方法も開発されてい
る。
我々は有機材料の安価かつ製造容易であること、機能
性に富むこと等の利点を生かすべく、鋭意研究の結果、
有機薄膜を絶縁層としたMIM構造電子放出素子の作成に
成功した。
以下、有機薄膜を絶縁層としたMIM型電子放出素子に
ついて具体例を述べる。
有機薄膜絶縁層の形成に関しては、蒸着や分子線エピ
タキシー、電解重合などの適用も可能である。しかしポ
テンシャル障壁を電子がトンネルできる長さは非常に短
いため、有機絶縁層は超薄膜であること、即ちその膜厚
が数Å〜数百Åの範囲、好ましくは200Å以下、更に好
ましくは100Å以下であり5Å以上である。更に係る絶
縁性薄膜面内及び膜厚方向の均質性の有無は、素子特性
及びその安定性に著しい影響を与えるので注意を要す
る。
本発明においては、LB法によって形成される有機化合
物の単分子膜又はその累積膜、即ちLB膜を絶縁性薄膜と
して用いる。
このLB法によれば、1分子中に疎水性部位と親水性部
位とを有する有機化合物の単分子膜、又はその累積膜を
任意の電極上乃至は任意の電極を含む任意の基板上に容
易に形成することができ、分子長オーダーの膜厚を有
し、かつ大面積に亘って均一,均質な有機超薄膜を安定
に供給することができる。
LB法は、分子内に親水性部位と疎水性部位とを有する
構造に於いて両者のバランス(両親媒性のバランス)が
適度に保たれている時、分子は水面上で親水基を下に向
けて単分子の層になることを利用して単分子膜又はその
累積膜を作成する方法である。
疎水性部位を構成する基としては、一般に広く知られ
ている飽和及び不飽和炭化水素基や縮合多環芳香族基及
び鎖状多環フェニル基等の各種疎水基が挙げられる。こ
れらは各々単独又はその複数が組み合わされて疎水性部
分を構成する。一方親水性部分の構成要素として最も代
表的なものは、例えばカルボキシル基,エステル基,酸
アミド基,イミド基,ヒドロキシル基,スルホニル基,
リン酸基,アミノ基(1,2,3及び4級)等の親水基を挙
げる事ができる。
これらの疎水性基と親水性基をバランスよく併有する
分子であれば、水面上で単分子膜を形成することが可能
である。一般的にはこれらの分子は絶縁性の単分子膜を
形成し、よって単分子累積膜も絶縁性を示すことから本
発明に対し極めて好適な材料といえる。一例としては下
記の如き分子を挙げることができる。
(1)π電子準位を有する分子 フタロシアニン,テトラフェニルポルフィリン等のポ
ルフィリン骨格を有する色素、スクアリリウム基及びク
ロコニックメチン基を結合鎖としてもつアズレン系色素
及びキノリン,ベンゾチアゾール,ベンゾオキサゾール
等の2ケの含窒素複素環、スクアリリウム基及びクロコ
ニックメチン基により結合したシアニン系類似の色素、
又はシアニン色素,アントラセン,ピレン等の縮合多環
芳香族及び芳香環乃至複素環化合物が縮合した鎖状化合
物など。
(2)高分子化合物 ポリイミド誘導体,ポリアミック酸誘導体,ポリアミ
ド誘導体各種フマル酸共重合体,各種マレイン酸共重合
体,ポリアクリル酸誘導体,各種アクリル酸共重合体,
ポリジアセチレン誘導体,各種ビニル化合物,合成ポリ
ペプチド類,バクテリオロドプシンやチトクロームCの
如き生体高分子化合物など。
(3)脂肪酸類 長鎖アルキル基を有するカルボン酸及びカルボン酸塩
乃至はこれらのフッ素置換体、少なくとも一本の長鎖ア
ルキル基を有するエステル,スルホン酸及びこれの塩,
リン酸及びこれの塩乃至はこれらのフッ素置換体など。
これらの化合物の内、特に耐熱性の観点からは高分子
化合物の利用或いはフタロシアニン等の大環状化合物の
使用が望ましく、殊にポリイミド類,ポリアクリル酸
類,各種フマル酸共重合体,或は各種マレイン酸共重合
体等の高分子材料を使用すれば係る耐熱性に優れるばか
りでなく1層当りの膜厚を5Å程度にできる。
本発明では、上記以外でもLB法に適している材料であ
れば本発明に好適なのは言うまでもない。
係る両親媒性の分子は水面上で親水基を下に向けて単
分子の層を形成する。この時、水面上の単分子層は二次
元系の特徴を有し、分子がまばらに散開している時は一
分子当り面積Aと表面圧πとの間に二次元理想気体の
式、 πA=kT が成り立ち“気体膜”となる。ここにkはボルツマン定
数、Tは絶対温度である。Aを十分に小さくすれば分子
間相互作用が強まり、二次元固体の“(凝縮膜(又は固
体膜)”になる。凝縮膜はガラス、樹脂或は金属の如き
種々の材質や形状を有する任意の物体の表面へ一層づつ
移すことができる。この方法を用いて単分子膜又はその
累積膜を形成し、これを本発明が示す光スイッチング素
子用の絶縁領域即ちポテンシャル障壁層として使用する
ことができる。
具体的な製法としては、例えば以下に示す方法を挙げ
ることができる。
所望の有機化合物をクロロホルム,ベンゼン,アセト
ニトリル等の溶剤に溶解させる。次に添付図面の第2図
に示す如き適当な装置を用いて、係る溶液を水相21上に
展開させて有機化合物を膜状に形成させる。
次にこの展開膜22が水相21上を自由に拡散して広がり
すぎないように仕切板(または浮子)23を設け、展開膜
22の展開面積を制限して膜物質の集合状態を制御し、そ
の集合状態に比例した表面圧πを得る。この仕切板23を
動かし、展開面積を縮小して膜物質の集合状態を制御
し、表面圧を徐々に上場させ、膜の製造に適する表面圧
πを設定することができる。この表面圧を維持しながら
静かに清浄な基板24を垂直に上昇又は下降させることに
より有機化合物の単分子膜が基板24上に移し取られる。
このような単分子膜31は第3a図または第3b図に模式的に
示す如く分子が秩序正しく配列した膜である。
単分子膜31は以上で製造されるが、前記の操作を繰り
返すことにより所望の累積数の累積膜が形成される。単
分子膜31を基板24に移すには、上述した垂直浸漬法の
他、水平付着法,回転円筒法等の方法でも可能である。
水平付着法は、基板を水面に水平に接触させて単分子
膜を移し取る方法であり、回転円筒法は円筒形の基板を
水面上を回転させて単分子膜31を基板24表面に移し取る
方法である。
前述した垂直浸漬法では、表面が親水性である基板24
を水面を横切る方向に水中から引き上げると有機化合物
の親水性部位32が基板24側に向いた有機化合物の単分子
膜31が基板24上に形成される(第3b図)。前述のように
基板24を上下させると、各行程ごとに一枚ずつ単分子膜
31が積み重なって累積膜41が形成される。成膜分子の向
きが引上行程と浸漬行程で逆になるので、この方法によ
ると単分子膜31の各層間は有機化合物の疎水基性部位33
aと33bが向かいあうY型膜が形成される(第4a図)。こ
れに対し、水平付着法は有機化合物の疎水性部位33が基
板24側に向いた単分子膜31が基板24上に形成されている
(第3a図)。この方法では、単分子膜31を累積しても成
膜分子の向きの交代はなく全ての層において、疎水性部
位33bが基板24側に向いたX型膜が形成される(第4b
図)。反対に全ての層において親水性部位32bが基板側2
4側に向いた累積膜41はZ型膜と呼ばれる(第4c図)。
単分子膜31を基板24上に移す方法は、上記方法に限定
されるわけではなく、大面積基板を用いる時にはロール
から水相中に基板を押し出していく方法なども採り得
る。また、前述した親水性基および疎水性基の基板への
向きは原則であり、基板の表面処理等によって変えるこ
ともできる。
以上の如くして有機化合物の単分子膜31またはその累
積膜41からなるポテンシャル障壁層が基板24上に形成さ
れる。
上記の如き有機材料が積層された薄膜を支持するため
の基板24は、金属,ガラス,セラミックス,プラスチッ
クス材料等いずれの材料でもよく、更に耐熱性の著しく
低い生体材料も使用できる。
上記の如き基板24は任意の形状でよく平板状であるの
が好ましいが、平板に何ら限定されない。すなわち前記
成膜法においては、基板の表面がいかなる形状であって
もその形状通りに膜を形成し得る利点を有するからであ
る。
一方、係るLB膜を挟持する電極材料も高い伝導性を有
するものであれば良く、例えばAu,Pt,Ag,Pd,Al,In,Sn,P
bなどの金属やこれらの合金、さらにはグラファイトや
シリサイド、またさらにはITOなどの導電性酸化物を始
めとして数多くの材料が挙げられ、これらの本発明への
適用が考えられる。係る材料を用いた電極形成法として
も従来公知の薄膜技術で充分である。但し、ここで注意
を要するのは本発明におけるMIM素子作成において該LB
膜上に電極を形成する際、LB層に損傷を与えてはなら
ず、そのためには高温(>100℃)を要する製造或いは
処理行程を避ける。また基板上に直接形成される電極材
料はその電極表面がLB膜形成の際、絶縁性の酸化膜をつ
くらない導電材料、例えば貴金属やITOなどの酸化物導
電体を用いることが好ましい。
トンネル電子を電極外へ取り出すためには電極の厚さ
は500Å以下が好ましく、更には200Å以下が好適であ
る。
以下実施例により詳細な説明を行う。
[実施例1] 以下に示す手順で、光スイッチング層11,中間電極3,
絶縁性薄膜2,電極1の構造を有する素子(第1図)を作
成した。洗浄したITOガラス基板上に膜厚1000Åのアモ
ルファスシリコン膜を形成し、光スイッチング膜11を形
成した。この際の製膜はグロー放電法によった(導入ガ
スSiH4/H2,rfパワー0.05W/cm2,圧力0.12torr,基板温度2
50℃,堆積速度30Å/min)。次に抵抗加熱法によりAlを
真空蒸着(膜厚600Å)し、中間電極を形成した。この
後LB法を用いてポリイミド単分子膜の10層累積膜(膜厚
約40Å)を形成し、絶縁性薄膜2とした。
以下ポリイミド単分子累積膜の作成方法の詳細を記
す。
(1)式に示すポリアミド酸をN,N′−ジメチルアセ
トアミド−ベンゼン混合溶媒(1:1V/V)に溶解させた
(単量体換算濃度1×10-3M)後、別途調製したN,N−ジ
メチルオクタデシルアミンの上述混合溶媒による1×10
-3M溶液とを1:2(V/V)に混合して(2)式に示すポリ
アミド酸オクタデシルアミン塩溶液を調製した。
係る溶液を水温20℃の純水から成る水相21(第2図)
上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除
去後、仕切板23として浮子を動かして展開面積を縮小せ
しめ、表面圧を25mN/mに迄高めた。表面圧を一定に保ち
乍ら上述下部電極付き基板を水面を横切る方向に速度5m
m/minで静かに浸漬した後、続いて3mm/minで静かに引き
上げて2層のY型単分子累積膜を作成した。係る操作を
繰り返して10層のポリイミド酸オクタデシルアミン塩の
単分子累積膜を形成した。次に係る基板を無水酢酸、ピ
リジン及びベンゼンの混合溶液(1:1:3)に12時間浸漬
し、ポリイミド酸オクタデシルアミン塩をイミド化し
(式3)、 10層のポリイミド単分子累積膜を得た。
次に係るポリイミド単分子累積膜面上にAuを真空蒸着
(膜厚300Å)し、電極1を形成し、さらに、加速電極
8を別に設け、光電子ビーム変換素子(第1a図)を作成
した。
以上の様にして作成した素子に電極1を陽極として10
Vの直流電圧を印加し、ITOガラス基板側から、赤色光を
照射したところ、Au電極1より電子ビームの放出が確認
された。
[実施例2〜5] 表1に示した絶縁材料を用いて、LB法により、絶縁性
薄膜2を形成した他は、実施例1と全く同様にして素子
を作成し、その電子ビーム変換効率を観測した結果、表
1に示すような結果を得た。なお、評価は容易に十分な
変換効率の得られたものを◎とし、印加電圧の増加によ
らなければ、十分な変換効率の得られないものを△と
し、その中間的なものを○とした。
[実施例6〜10] 表2に示した金属材料を用いてEB(エレクトロンビー
ム)法を用いた真空蒸着法により電極1を形成した他は
実施例1と全く同様にして素子を作成し、その電子ビー
ム変換効率を観測した。表2に示したように、実施例1
と同様に十分な電子ビーム変換効率をもって電子ビーム
が放出された。
[実施例11] 光スイッチング層をアモルファスSi膜にかえて、CdS
蒸着膜を用いた以外は全て実施例1と同様にして光電子
ビーム変換素子を製作した。
白色光の照射により、十分な変換効率で電子ビームが
放出された。
[参考例] 絶縁層の作製をLB法にかえて、蒸着法を用いた以外は
全て実施例1と同様にして光電子ビーム変換素子を作製
した。
金電極を陽極として10V印加したところ電子ビームの
放出が観測された。電子ビーム変換効率は実施例1より
多少劣っていた。
蒸着法による絶縁層の形成について述べる。
ポリフェニレンスルフィド(PPS)の粉末をルツボに
入れ傍熱型ヒーターで加熱して蒸発させる。PPSの融解
に伴う脱ガスを十分に行った後、ルツボ温度を400℃、
基板温度を200℃に設定し、膜厚計をモニターしながら5
0Åの膜厚のPPSを蒸着した。
電極の形成に関しても既に述べている様に均一な薄膜
を作成しうる成膜法であれば良く、本発明はこれを何ら
限定するものではない。更に基板材料や素子形状も本発
明は何ら限定するものではない。
[実施例12] ITOガラス基板及び光スイッチング膜にかえて、pnpn
型光制御ダイオード基板を用いた以外は全て実施例1と
同様にして光電子ビーム変換素子を作製した。電子放出
部(第1図(a)1,2,3)はpnpn型光制御ダイオードの
陽極側に積層した。白色光の照射により十分な変換効率
で電子ビームが放出されるとともに、白色光の照射を中
止しても電子ビームが放出され続け、メモリー性が付与
された。更に素子に印加された電圧を下げることによ
り、電子ビームの放出を止め得た。
[実施例13] 第1b図に示す如く、基板10の上に一対の電極(透明あ
るいは半透明電極7,中間電極3)と、該電極7と3の間
に配置した絶縁性薄膜6,導電性薄膜(又は半導電性薄
膜)5と絶縁性薄膜4からなる交互積層構造体とが設け
られた光スイッチング部位と、該スイッチング部位の上
に一対の電極(中間電極3,電極1)と、該電極3と1の
間に配置した絶縁性薄膜2からなる電子放出部位が直列
に積層された構造をもつ光電子ビーム変換素子を形成し
た。
具体的な作成法を以下に示す。
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の飽和蒸気中に一昼
夜放置して、疎水処理を行なったガラス基板(第1b図の
10)上に、下引き層としてCrを真空蒸着法により厚さ30
0Å堆積させ、更にAuを同法により蒸着(膜厚600Å)
し、半透明電極7を形成した。係る基板上にLB法を用い
てポリイミド単分子膜の10層累積膜(膜厚40Å)を形成
し、絶縁性薄膜6とした。ポリイミド単分子累積膜の作
成方法は実施例1と同様である。
次に係るポリイミド単分子累積膜面上にAlを真空蒸着
(膜厚20Å)し、導電性薄膜5を形成した。この際、基
板表面の温度を室温以下に保ち、この時の成膜速度は3
Å/secであった。この後、チャンバー内を常圧に戻し係
るAl導電性薄膜の表面を酸化せしめAl2O3の絶縁性薄膜
4を形成した。この後、再度チャンバー内を真空にし、
Al(膜厚600Å)を蒸着して中間電極3とした。
更に係るAl中間電極3上に実施例1に従いLB法を用い
てポリイミド単分子膜の10層累積膜(膜厚40Å)を形成
し絶縁性薄膜2とし、この後、Auを真空蒸着(膜厚300
Å)し電極1とした。次に加速電極8を別に設け光電子
ビーム放出素子を形成した。
以上の様にして作成した試料の電極1と半透明電極7
との間に電極1を陽極として、10Vの直流電圧を印加
し、ガラス基板側から白色光を照射することにより、電
子ビームの放出が観測された。
[実施例14] ガラス基板10上に下引き層としてCrを真空蒸着法によ
り厚さ300Å堆積させ、更にAuを同法により蒸着し(膜
厚600Å)、半透明電極7を形成した。係る基板10上に
実施例1と同様の手法により10層のポリイミド単分子累
積膜を形成し絶縁性薄膜6とした。
次に係るポリイミド単分子累積膜面上に膜厚30Åのア
モルファスシリコン膜を形成し、半導電性薄膜5とし
た。この際の製膜は、グロー放電法に依った(導入ガ
ス,SiH4,H2,rfパワー0.01W/cm2,圧力0.5torr,基板温度2
50℃,堆積速度40Å/min)。引き続きシラン(SiH4)ガ
スとアンモニアガスとの混合ガスを導入し、窒化シリコ
ン(Si3N4)膜を膜厚15Åに堆積し(rfパワー0.02W/c
m2,圧力0.5torr,基板温度250℃,堆積速度50Å/min)、
絶縁性薄膜4を形成した。
次に、係る窒化シリコン膜面上にAlを真空蒸着(膜厚
600Å)し中間電極3とした。更に、実施例13と同様の
手法によって、絶縁性薄膜2,電極1を形成した。係る試
料を実施例13と同様にして電子放出特性を測定した結
果、同様の光電子ビーム変換特性を示した。
[発明の効果] 本発明の有する効果は以下の通りである。
簡単な構成で、光入力に応じて、電子ビームを出射
させる素子を提供した。
入力信号として広い波長範囲の光が使用できる光電
子ビーム変換素子を提供した。
素子構成が簡単になり、安価な光電子ビーム変換素
子を提供できるようになった。
薄膜絶縁層をLB法により形成することにより分子オ
ーダーの膜厚制御が容易に実現でき、又、制御性が優れ
ている為、素子を形成する時の再現性が高く生産性に富
む。
【図面の簡単な説明】
第1a図と第1b図は、本発明の光電子ビーム変換素子の断
面図である。 第2図は、本発明の絶縁層をLB法によって形成する方法
を図解的に示す説明図である。 第3a図と第3b図は単分子膜の模式図であり、 第4a図、第4b図、第4c図は累積膜の模式図である。 符号1は電極、2,4,6,9は絶縁性薄膜、3は中間電極、
5は導電性薄膜、7は透明あるいは半透明電極、8は加
速電極、10は基板、11は光スイッチング膜、21は水相、
22は展開膜、23は仕切板、24は基板、31は単分子膜、3
2,32a,32bは親水性部位、33,33a,33bは疎水性部位、41
は単分子累積膜を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河出 一佐哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ャノン株式会社内 (72)発明者 柳沢 芳浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ャノン株式会社内 (72)発明者 森川 有子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ャノン株式会社内 (72)発明者 江口 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ャノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−299089(JP,A) 特開 昭63−10448(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】輻射線の照射により電気的高抵抗状態から
    低抵抗状態へ遷移する光スイッチング層と、該光スイッ
    チング層の上に一対の電極と該電極間に配置した絶縁性
    薄膜を積層してなり、該絶縁性薄膜が有機化合物の単分
    子膜又はその累積膜である光電子ビーム変換素子。
  2. 【請求項2】上記単分子膜又はその累積膜の膜厚が5Å
    〜200Åの範囲である請求項1記載の光電子ビーム変換
    素子。
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