JP2910216B2 - 光電変換薄膜 - Google Patents

光電変換薄膜

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光電変換薄膜に係り、特にフォトダイオード
アレイ、フォトセンサーアレイ等に有効なドメイン構造
を有する光電変換薄膜に関する。
[従来の技術] 光電変換機能を有する有機薄膜の製法としては、基板
上に真空蒸着法やスピンコート、バーコートなどの塗布
法により、有機分子からなる膜を成膜する方法が知られ
ている。しかし、高い光電変換効率を得るためには、電
荷の生成効率が高いことと、光吸収により生じる励起エ
ネルギーや生成した電荷が効率良く有機分子間を移動す
ることが必要である。このためには、有機分子の配向性
を制御する必要があるが、従来の真空蒸着法や塗布法で
は配向の制御は困難であった。
一方、有機分子の累積膜形成方法として知られている
LB(ラングミュアブロジェット)法は、 Åオーダーで膜厚の制御された単分子膜ないし単分
子累積膜を形成することができる。
有機分子の配向を制御して並べることができる。
常温、常圧下で成膜できるため、種々の有機分子に
適用でき、容易にしかも安価に成膜することができる。
等の利点を有し、最近注目を集めている手段である。こ
のLB法によれば、単なる絶縁性の薄膜のみならず、様々
な機能を有する有機薄膜を作製することができることか
ら、例えば、光電変換素子、メモリー材料、導電性材
料、表示素子、非線形光学素子、レジスト材料、ガスセ
ンサー等の各種センサー等への応用が盛んに試みられて
いる。LB法は、更には、生体分子や有機分子の性質を分
子レベルで制御・利用した素子、いわゆるバイオ素子・
分子素子を実現する有力な手段と考えられている。とり
わけ、光電変換素子への応用を考えると、上記の特徴
、即ち、より高効率化な光電変換素子の実現が期待で
きる。
このため、多くの有機色素、例えばシアニン、メロシ
アニン、トリフェニルメタン、フタロシアニン、ポルフ
ィリン等についてLB法による累積膜を作製し、ショット
キー型あるいはp−n接合型ダイオードを作る試みなさ
られてきた(表面科学 第6巻、102頁、1985年)。ま
た、本発明者らは、LB法を用いることで光電変換素子の
高効率化が可能であることを実証している(次世代産業
基盤技術 第8回新機能素子技術シンポジウム予稿集、
229〜234頁、1989年)。
[発明が解決しようとする課題] ところが、従来のLB法は、膜内における2次元的な構
造を精密に制御できないという欠点を有する。このた
め、光電変換素子の2次元面内において複雑なパターン
を形成したり、2次元面内で光電変換素子を高集積化し
てフォトダイオードアレイやフォトセンサーアレイを作
製しようとする場合には、レジスト等を用いた微細加工
技術に頼る必要があり、このことが操作の煩雑化を招い
たり、レジストの塗布によってLB法により形成された光
電変換薄膜が変質してしまうという問題点が生じてい
た。この点を解決すべく、レジストを使用することな
く、単分子膜或いは単分子累積膜の形成時ないし形成後
に、電子線、X線、紫外線等のエネルギー線を照射する
ことにより望みのパターンを形成する等の方法が提案さ
れている。しかし、このような方法でも、エネルギー線
を照射するという過程が加わるため、操作の煩雑さは免
れない。しかも、かかるエネルギー照射が単分子膜或い
は単分子累積膜の成膜分子にどのような影響を与えるか
が十分には解明されているとは言い難く、LB法により制
御された膜構造及び膜機能が劣化してしまう恐れも十分
にある。
以上のような状況から、エネルギー線照射等の外部場
の力を必要とせずに、分子が自ら2次元的なパターンを
形成するような光電変換材料、及びそれを含む光電変換
薄膜の開発が望まれていた。特に、高い光電変換機能を
有する部分がドメイン構造を形成し、これらが光電変換
機能を有しない部分によって互いに隔てられている光電
変換薄膜は、フォトダイオードアレイやフォトセンサー
アレイ等への応用が可能であり、その開発が期待されて
いた。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明の光電変換薄膜は、導電性基板上に、一般式
(I)又は(II) で表されるポルフィリン誘導体及びマトリクス分子を含
む単分子膜を累積してなる光電変換薄膜において、前記
ポルフィリン誘導体がドメイン構造を形成し、このドメ
イン構造が前記マトリクス分子からなる領域によって互
いに隔てられていることを特徴とする。
即ち、本発明者らは、生体での光合成に関与するクロ
ロフィル等光電変換特性に優れ、自ら組織体を形成する
能力(自己組織化能)を有する化合物として知られてい
るポリフィリン誘導体について鋭意検討した結果、前述
の問題点を克服する有光電変換薄膜を見出し、本発明を
完成するに到った。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される導電性基板としては、アルミニウ
ム、金、銀、ニッケル、スズ等の金属又はそれらの合
金、或いは、ガラス板やプラスチックフィルム等の絶縁
性基板上に、金属やインジウム及び/又はスズの酸化物
等の導電性の金属酸化物又はポリピロール、ポリ(3−
メチルチオフェン)等の導電性樹脂等の薄膜を形成した
ものが用いられる。一般には、ガラスや石英板等の絶縁
性基板上に金属や金属酸化物の薄膜を形成したものが用
いられる。この場合、導電性薄膜の厚みは、必要とされ
る導電度と透明性により決定されるが、通常は10〜2000
Åの範囲である。
本発明において単分子膜を構成するポリフィリン誘導
体は、前記一般式(I)又は(II)で表される分子から
選ばれる。なお、前記一般式(I)及び(II)におい
て、Arは置換基を有していても良いベンゼン、ナフタレ
ン、アントラセン、アセナフテン、インデン、フルオレ
ン、アズレン等から誘導される1価の芳香族炭化水素基
を表す。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基等の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基等の低級アルコキシ基;フェノキシ基、トリル
オキシ基等のアリールオキシ基;ベンジル基,フェネチ
ル基等のアラルキル基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ
基等のハロゲン基;ニトロ基;シアノ基;水酸基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のエステル
基;アセチル基、ベンゾル基等のアシル基等が挙げられ
る。
Rは、炭素数が1〜30のアルキル基であるが、特にオ
クチル基、デシル基等の直鎖アルキル基が好ましい。
Mは金属原子を主体とする陰イオンを表し、銅、亜
鉛、マグネシウム、カドミウム、パラジウム等の2価の
金属イオンはもちろん、例えば3価以上のインジウム、
アルミニウム、スズ、ゲルマニウム、鉛、チタン、バナ
ジウム、ルテチウム等の金属イオンと塩素、臭素等のハ
ロゲン原子;酸素原子;メチル基、ブチル基等のアルキ
ル基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基等が結合し、2価のイオンとしてポルフィリン環の窒
素原子に配位しているものであっても良い。
Xとしては例えば、塩素、臭素、ヨウ素原子や硫酸、
トルエンスルホン酸等から誘導される1価の陰イオン基
が挙げられる。
前記一般式(I)又は(II)によって表されるポルフ
ィリン誘導体は、各々単独で用いても2種類以上を混合
して用いてもよい。
本発明において、マトリックス分子としては、親水基
と長鎖の疎水基とをバランス良く合わせ持つ両親媒性分
子が用いられる。ここで親水基としては、例えば、カル
ボキシル基、スルホン酸基、及びそれらの塩、或いは水
酸基、アミノ基、エステル基、アミド基、ピリジニウム
基等が挙げられる。また、疎水基としては、例えば、直
鎖状或いは分岐状のアルキル基、ビニル基等のオレフィ
ン系炭化水素基、ビニリデン基等のジオレフィン系炭化
水素基、エチニレン基等のアセチレン系炭化水素基、フ
ェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の芳香族炭化水
素基等が挙げられる。これらの疎水基には、フッ素原子
等の疎水性基が置換していても良い。
本発明に係るマトリックス分子は、このような親水基
と疎水基が、各々1つずつ、或いは2個以上組み合わさ
れて形成される両親媒性分子である。この際、各々の基
は直接結合していても良く、エーテル結合、エステル結
合、アミド結合等を介して結合していても良い。
本発明におけるマトリックス分子を更に具体的に例示
すると、アラキン酸、ステアリン酸、ω−トリコセン
酸、10,12−トリコサジイン酸等の長鎖脂肪酸やその金
属塩、又はそれらのエステルやアミド、或いはステアリ
ルアルコールやステアリルアミンのような長鎖脂肪族ア
ルコールやアミン等、親水性を有する長鎖アルカン類が
挙げられる。
本発明の光電変換薄膜は、公知のLB法(例えば、「LB
膜とエレクトロニクス」1〜15頁 33〜46頁、シーエム
シー、1986年)により作製するのが好ましい。即ち、親
水基と疎水基とを合せ持つ分子(両親媒性分子)を親水
性液体表面上に展開して、適当な表面圧を加えることに
より単分子膜を作製したのち、これを固体基板上に累積
する方法である。
液体表面上の分子は2次元系の特徴を有する。両親媒
性分子が展開される液体の表面積が大きい時は、分子は
まばらに存在しているが、仕切り板等にてこの表面積
(A)を圧縮して行くと、各分子は互いに接近して2次
元の集合状態を形成し、その集合状態に応じた表面圧
(π)を示す。そして、表面積が適当な大きさであれ
ば、分子は、単分子層を形成するが、更に圧縮を進める
と単分子層は崩壊してところどころ2分子層或いはそれ
以上の多層膜構造をとるようになり、圧縮によってもは
や圧力は増加しなくなる。この際の表面圧を「崩壊圧」
という。通常、崩壊圧が高いほど、その単分子膜は安定
であり、良好な2次元固体状の膜を形成する。
表面圧(π)を縦軸にし、表面積(A)を横軸にし
て、両者の関係をプロットした曲線をπ−A曲線と呼
び、当該単分子膜に特徴的な形を示す。
単分子膜が、崩壊圧の異なる2種類の成膜分子で構成
されている場合、そのπ−A曲線は、通常、その分子同
士の間に相互作用がないと、おのおのの分子によるπ−
A曲線を重ね合せた形になる。即ち、表面積を圧縮して
いくと、表面圧が増加していくが、一方の分子の崩壊圧
に達すると表面圧の増加はにぶり、π−A曲線の傾斜が
緩くなってくる。(以下、このような変化が起こる点
を、「転移点」と称す。)この転移点においては、表面
積の圧縮によって表面圧が殆ど変化しない平坦部が現わ
れることもある。ところが、更に圧縮を進めると再び表
面圧の増加が始まり、遂には他方の分子の崩壊圧に達す
ると再び表面圧の増加が停止する。
一方、崩壊圧の異なる2種類の成膜分子の間に何らか
の相互作用が働く場合、転移点の表面圧は一方の分子の
崩壊圧とは必ずしも一致せず、それよりも高くなったり
低くなったりすることがある。(以下、この場合の転移
点における圧力を、その分子の「崩壊圧に相当する圧
力」と称する。)。
特に、崩壊圧の異なる2種類の成膜分子間の相互作用
が強い場合、転移点の特徴、即ち、π−A曲線の傾斜の
緩み、或いは平坦部が全く観測されなくなり、あたかも
1種類の分子から構成された単分子膜の示すπ−A曲線
のように、単調な曲線になる場合もある。
以上のような性質は、単分子膜を構成する分子が3種
類以上であるときも同様に観測される。
しかして、2次元固体状の単分子膜において、表面圧
を一定に保ち、固体基板を垂直に上下させると、単分子
膜が一層ずつ移し採られ、累積膜が形成される。
この方法を本発明の光電変換薄膜の作製に適用するに
は、具体的には以下のようにする。
前記一般式(I)又は(II)で示されるポルフィリン
誘導体とマトリツクス分子とを混合して、クロロホルム
等の揮発性有機溶媒に溶かし、これを純水等の親水性液
体表面上に展開する。次に、液面上に設けた仕切り板を
移動させて表面積を圧縮する。圧縮に伴い、表面圧が増
加するが、通常、マトリックス分子の崩壊圧よりもポル
フィリン誘導体の崩壊圧の方が低いので、ポルフィリン
誘導体の崩壊圧に相当する圧力でπ−A曲線の傾斜の緩
み、或いは平坦部が現れる。この部分を超えて更に圧縮
を続けると、再び表面圧が大きく増加し始めるので圧縮
を止め、表面圧がポルフィリン誘導体の崩壊圧に相当す
る圧力よりも低くなるまで単分子膜を拡張する。この、
圧縮・拡張の操作を必要回数繰り返すことにより、マト
リックス分子からなる領域で互いに隔てられたポルフィ
リン誘導体のドメイン構造が形成される。目的のドメイ
ン構造が得られた時点で、単分子膜に一定の表面圧をか
け、静かに清浄な導電性基板を垂直に上下させることに
より、単分子膜を基板上に移し採る。この操作を必要回
数繰り返すことによりポルフィリン累積膜が形成され
る。
本発明におけるドメイン構造は、境界線によって囲ま
れた有限の面積を有する領域、を意味する。その大き
さ、形、は成膜分子の組合せ及びその混合割合、親水性
液体の諸条件、圧縮・拡張の回数等に依存して決定され
るので、これらの条件を適当に設定して目的とする構造
を実現する。この際、ドメイン構造が形成される様子或
いは形成されたドメイン構造は、ポルフィリン誘導体が
蛍光性であるので、蛍光顕微鏡によりその場観察が行な
え、便利である。
なお、ポルフィリン誘導体とマトリックス分子との混
合割合は、目的とするポルフィリン誘導体のドメインの
大きさ及びドメイン同士の間隔によって決定されるが、
通常はマトリックス分子がポルフィリン誘導体に対し、
モル数で5倍以上存在することが好ましい。マトリック
ス分子の比率が少なすぎると、ポルフィリンが明瞭なド
メイン構造を形成しなくなる傾向がある。
単分子膜を展開する親水性液体としては、通常、純水
又は純水にナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウ
ム、カドミウム等の金属塩を加えたものが好適に用いら
れるが、マトリックス分子として長鎖脂肪酸類を使用す
る場合は、ポルフィリン誘導体のドメイン構造を形成す
る前に限って、2価又はそれ以上の価数を有する陽イオ
ンを加えない方が好ましい。即ち、かかる陽イオンの存
在は長鎖脂肪酸を凝集させる効果を有し、ポルフィリン
誘導体のドメイン化を妨げる傾向にある。従って、かか
る陽イオンは、ポルフィリンのドメインが形成された後
に、単分子膜の安全性を向上させる等の目的に応じて、
親水性液体に適宜添加すれば良い。親水性液体の温度
は、ポルフィリン誘導体のドメインを形成させる前に限
って、通常10℃以上に設定し、好ましくは20℃以上に設
定される。この温度が低すぎると、ポルフィリン誘導体
が明瞭なドメインを形成しなくなる傾向がある。ポルフ
ィリン誘導体がドメインを形成した後では、この温度に
特に制限はないが、単分子膜の変質をさけるため、50℃
以下に保持することが好ましい。
本発明において、光電変換薄膜の単分子累積層数は特
に制限はなく、1層でも光電変換機能を発揮し得るため
1層以上であれば良い。
なお、本発明において、単分子膜を導電性基板上に移
す際に、基板と液体表面とのなす角度になんら制限はな
く、0〜90度の間の適当な角度に設定し、累積を行なう
ことができる。
基板上に形成した累積膜の光電変換特性を評価するた
めには、通常、対抗電極が用いられる。対抗電極は、単
分子累積膜と密着させた状態で用いる場合と、電解質を
含む液を隔てた状態で用いる場合とがある。
対抗電極を単分子累積膜と密着させた状態で用いる場
合は、単分子累積膜上に直接対抗電極を形成する。通常
は、アルミニウム、銀、金、マグネシウム、ニッケル、
パラジウム、テルル、インジウム等の金属或いはこれら
の合金を電極として真空蒸着法、スパッタリング法等に
より形成することが多いが、ピロールやチオフェン等
の、重合体として導電性ポリマーとなるモノマーの誘導
体からなるLB膜(LB法による薄膜)を形成し、重合とド
ーピングによる導電化処理により電極として用いても良
い。更に、これらの電極或いは、フィルムやガラス基板
上に形成されたインジウム及び/又はスズの酸化物等か
らなる、いわゆる透明電極を密着させて、対抗電極とし
て用いることもできる。これらのうち、通常は、蒸着法
により対抗電極を形成する。
また、光電変換素子として使用する場合は、導電性基
板と対抗電極のうち、少なくとも一方は光を透過する機
能を有していることが必要である。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
より限定されるものではない。
実施例1 下記構造式 で表されるポルフィリン誘導体(化合物No.1)とアラキ
ン酸とをそれぞれ、0.25mmol/、2.5mmol/の濃度と
なるようにクロロホルムに溶解した。この溶液を純水
(pH7、30℃)上に一滴ずつ落として単分子膜を形成し
た。仕切り板にて単分子膜を圧縮し、そのπ−A曲線を
測定した。これを第1図に示す。第1図に示す如く、圧
力30mN/m付近に、ポルフィリンの崩壊圧相当する平坦部
が確認された。
この単分子膜についてポルフィリンの発する蛍光を利
用し、蛍光顕微鏡を用いたドメイン構造の観察を行なっ
た。単分子膜を水面に展開した直後では、アラキン酸が
大きさ数ミクロン程度の円形のドメイン構造を形成して
おり、ポルフィリンは全くドメインを形成せずに、単分
子膜一面に広がっていた。この状態で単分子膜の圧力を
15mN/mに保持し、アルミニウムを蒸着したガラス基板
(ガラス板の厚さ:1mm、アルミニウムの厚さ:100Å)を
水面に垂直に上下させて単分子膜を一層累積した
(A)。次に、この単分子膜を40mN/mまで圧縮し、その
後すぐに、圧力が5mN/m以下になるまで単分子膜を拡張
した。この操作を3回繰り返すと、大きさ100μm程度
のほぼ円形に近いポルフィリンのドメイン構造が形成さ
れた。これらのドメイン構造はアラキン酸からなる領域
によって互いに隔てられ、単分子膜内に分布していた。
この状態で単分子膜の圧力を15mN/mに保持し、アルミニ
ウムを蒸着したガラス基板(ガラス板の厚さ:1mm、アル
ミニウムの厚さ:100Å)を水面に垂直に上下させて単分
子膜を一層累積した(B)。
このように累積された膜、A、Bの上に、保護層とし
て、下記構造式 で表されるポルフィリン誘導体とアラキン酸とが均一に
混合された単分子膜(混合比=1:5)を6層累積した。
更に、その上に銀を100Åの厚さに蒸着ち、光電変換素
子を形成した。銀側から、スポット径30μmの白色光を
照射し(強度:約200mW/cm2)、表面を30μmのステッ
プで走査しながら光短絡電流の変化を測定した。第2図
にその結果を示す。ポルフィリン(化合物No.1)がドメ
インを形成していない場合(A)は、電流の変化が殆ど
見られない。一方、ポルフィリン(化合物No.1)がドメ
インを形成している場合(B)は、大きな電流の変化が
観測される。しかも、電流の絶対値は極めて高い値を示
している。これはBがフォトダイオードアレイとして機
能していることを示している。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の光電変換薄膜は、膜内に
おいて高い光電変換機能を有する光電変換部がドメイン
構造を形成しているので、高機能かつ高集積なフォトダ
イオードアレイやフォトセンサーアレイ等への応用が可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はポルフィリン(化合物No.1)とアラキン酸との
単分子膜のπ−A曲線を表すグラフ、第2図はポルフィ
リン累積膜内における光短絡電流の分布を表すグラフで
あって、曲線A及びBは、それぞれポルフィリン(化合
物No.1)がドメイン化していない場合と、している場合
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−65384(JP,A) 特開 昭64−14290(JP,A) 特開 平1−245577(JP,A) 特開 平2−257682(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/10 H01L 31/04 H01L 31/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上に、一般式(I)又は(II) で表されるポルフィリン誘導体及びマトリクス分子を含
    む単分子膜を累積してなる光電変換薄膜において、前記
    ポルフィリン誘導体がドメイン構造を形成し、このドメ
    イン構造が前記マトリクス分子からなる領域によって互
    いに隔てられていることを特徴とする光電変換薄膜。
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