JP2830442B2 - 熱感応性素子 - Google Patents
熱感応性素子Info
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- JP2830442B2 JP2830442B2 JP2256625A JP25662590A JP2830442B2 JP 2830442 B2 JP2830442 B2 JP 2830442B2 JP 2256625 A JP2256625 A JP 2256625A JP 25662590 A JP25662590 A JP 25662590A JP 2830442 B2 JP2830442 B2 JP 2830442B2
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- Japan
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- polymer
- film
- mixed
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、温度指示体や情報記録材料等に使用される
熱感応性素子に関する。
熱感応性素子に関する。
[従来の技術] 主鎖に沿ってπ電子共役系を有する高分子、例えばポ
リ(3−アルキルチオフェン)は、熱処理によりその色
が変化することが、インガナスらによって報告されてい
る(O.Ingaenas,et al.,Synthetic Metals,vol.22,p,39
5-406(1988))。このような色変化は、熱処理により
側鎖の構造が変化し、ポリマ主鎖構造の電子状態変化が
誘起されるために生ずるものと考えられている。
リ(3−アルキルチオフェン)は、熱処理によりその色
が変化することが、インガナスらによって報告されてい
る(O.Ingaenas,et al.,Synthetic Metals,vol.22,p,39
5-406(1988))。このような色変化は、熱処理により
側鎖の構造が変化し、ポリマ主鎖構造の電子状態変化が
誘起されるために生ずるものと考えられている。
特開平1-171884号公報には、主鎖に沿ってπ電子共役
系を有する高分子である複素5員環式化合物の重合体の
薄膜をキャスト法で作製し、その薄膜がレーザによる熱
変色を利用した記録材料として利用可能であることが示
されている。
系を有する高分子である複素5員環式化合物の重合体の
薄膜をキャスト法で作製し、その薄膜がレーザによる熱
変色を利用した記録材料として利用可能であることが示
されている。
最近、渡辺らはこれまで困難であったポリチオフェン
類のラングミュア・ブロジェット(Langmuir-Blodget
t、以下LBと略す。)膜の作製に成功した(I.Watanabe,
et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,123(1989))。彼
らはポリチオフェン類を両親媒性分子と混合することに
よって混合LB膜を作製し、X線回折等の結果からこの混
合LB膜が秩序性のよい層構造をもつことを確認した。
類のラングミュア・ブロジェット(Langmuir-Blodget
t、以下LBと略す。)膜の作製に成功した(I.Watanabe,
et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,123(1989))。彼
らはポリチオフェン類を両親媒性分子と混合することに
よって混合LB膜を作製し、X線回折等の結果からこの混
合LB膜が秩序性のよい層構造をもつことを確認した。
[発明が解決しようとする課題] 特開平1-171884号公報に記載されたキャスト法で作製
した薄膜は、温度変化に対する色相変化の感度が低いと
いう問題がある。また、この方法では、秩序化した薄膜
の作製や膜厚制御が困難である。
した薄膜は、温度変化に対する色相変化の感度が低いと
いう問題がある。また、この方法では、秩序化した薄膜
の作製や膜厚制御が困難である。
本発明は、秩序化されかつ膜厚が制御された薄膜を有
し、温度に対する色相変化の感度が高い高品質の熱感応
性素子を提供するものである。
し、温度に対する色相変化の感度が高い高品質の熱感応
性素子を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、主鎖に沿ってπ電子共役系を有する高分子
と、両親媒性分子との混合LB膜及び支持基板からなるこ
とを特徴とする熱感応性素子である。
と、両親媒性分子との混合LB膜及び支持基板からなるこ
とを特徴とする熱感応性素子である。
すなち本発明は、主鎖に沿ってπ電子共役系を有する
高分子と、両親媒性分子との混合LB膜の光学吸収スペク
トルのピークの波長が加熱によって顕著に変化し、その
結果混合LB膜の色が温度によって顕著に変化することを
見いだしたことに基づいてなされたものである。
高分子と、両親媒性分子との混合LB膜の光学吸収スペク
トルのピークの波長が加熱によって顕著に変化し、その
結果混合LB膜の色が温度によって顕著に変化することを
見いだしたことに基づいてなされたものである。
LB膜は、LB法で作製した膜をいい、LB法は、両親媒性
の分子が水面上で親水基を下に向けて単分子の層になる
ことを利用し、両親媒性の分子の単分子膜を支持基板上
に累積する方法である。この方法は分子レベルで膜厚や
配列を制御することが可能であり、得られたLB膜は単分
子膜が幾重にも累積した構造となっている。本発明では
チオフェン系化合物の重合体と両親媒性分子との混合LB
膜を作製する。
の分子が水面上で親水基を下に向けて単分子の層になる
ことを利用し、両親媒性の分子の単分子膜を支持基板上
に累積する方法である。この方法は分子レベルで膜厚や
配列を制御することが可能であり、得られたLB膜は単分
子膜が幾重にも累積した構造となっている。本発明では
チオフェン系化合物の重合体と両親媒性分子との混合LB
膜を作製する。
混合LB膜は以下の手順で作製する。
(1) 主鎖に沿ってπ電子共役系を有する高分子と、
両親媒性分子を展開溶媒に溶解して混合LB膜展開溶液を
作製する。
両親媒性分子を展開溶媒に溶解して混合LB膜展開溶液を
作製する。
(2) 混合LB膜展開溶液をテフロン製の水槽等に入っ
ている水の水面上に滴下することにより、水面上に混合
LB膜展開溶液を展開し、主鎖に沿ってπ電子共役系を有
する高分子と、両親媒性分子との混合単分子膜を水面上
に形成する。
ている水の水面上に滴下することにより、水面上に混合
LB膜展開溶液を展開し、主鎖に沿ってπ電子共役系を有
する高分子と、両親媒性分子との混合単分子膜を水面上
に形成する。
(3) テフロン製の板等を使用して混合単分子膜を水
平方向から圧縮する。
平方向から圧縮する。
(4) 支持基板の面を水面上の混合単分子膜に対して
水平に向け、支持基板の面を混合単分子膜と水面上から
接触させるか、又は支持基板の面を水面上の混合単分子
膜に対して垂直に向け、支持基板を水面上の混合単分子
膜中に浸漬させるか若しくは支持基板を水面上の混合単
分子膜中から引き上げることにより、支持基板上に混合
単分子膜を形成する。
水平に向け、支持基板の面を混合単分子膜と水面上から
接触させるか、又は支持基板の面を水面上の混合単分子
膜に対して垂直に向け、支持基板を水面上の混合単分子
膜中に浸漬させるか若しくは支持基板を水面上の混合単
分子膜中から引き上げることにより、支持基板上に混合
単分子膜を形成する。
(5) 混合単分子膜が形成された支持基板を上記
(4)の支持基板とし、(4)の操作を繰り返すことに
より、混合単分子膜を支持基板上に累積する。
(4)の支持基板とし、(4)の操作を繰り返すことに
より、混合単分子膜を支持基板上に累積する。
主鎖に沿ってπ電子共役系を有する高分子は、展開溶
媒に溶解できるものであれば特に限定されるものではな
く、チオフェン系の高分子等が使用できる。チオフェン
系の高分子としては、例えば下記の一般式(I)で表さ
れるチオフェン系化合物の重合体がある。
媒に溶解できるものであれば特に限定されるものではな
く、チオフェン系の高分子等が使用できる。チオフェン
系の高分子としては、例えば下記の一般式(I)で表さ
れるチオフェン系化合物の重合体がある。
上記一般式(I)において、R1はアルキル基、アル
コキシ基、アルキルチオ基又はアルキルスルホニル基を
示し、R2は水素原子又はR1で示される官能基を示す。
コキシ基、アルキルチオ基又はアルキルスルホニル基を
示し、R2は水素原子又はR1で示される官能基を示す。
アルキル基としては炭素原子数4から18個のもの、例
えばブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、
デシル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル等があ
り、アルコキシ基としては炭素原子数1から12個のも
の、例えばメトキシ、エトキシ等があり、アルキルチオ
基としては炭素原子数1から12個のもの、例えばメチル
チオ、エチルチオ、プロピルチオ等があり、アルキルス
ルホニル基としては炭素原子数1から12個のもの、例え
ばメチルスルホニル、エチルスルホニル等がある。
えばブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、
デシル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシル等があ
り、アルコキシ基としては炭素原子数1から12個のも
の、例えばメトキシ、エトキシ等があり、アルキルチオ
基としては炭素原子数1から12個のもの、例えばメチル
チオ、エチルチオ、プロピルチオ等があり、アルキルス
ルホニル基としては炭素原子数1から12個のもの、例え
ばメチルスルホニル、エチルスルホニル等がある。
チオフェン系化合物の重合体の具体例としては、ポリ
(3−ドデシルチオフェン)等のポリアルキルチオフェ
ン類がある。
(3−ドデシルチオフェン)等のポリアルキルチオフェ
ン類がある。
チオフェン系化合物の重合体は、チオフェン系化合物
を単量体とし、化学酸化重合法、化学的重合法又は電気
化学的重合法等によって作製する。化学酸化重合法で
は、単量体と、塩化第二鉄等の酸化剤をクロロホルム等
の溶媒に溶解し、撹拌することによって重合体を作製す
る。化学的重合法では、重合しようとする単量体に対応
する2,5−ジブロモ単量体又は2,5−ジヨード単量体と、
1,3−ビス(フェニルフォスフィノ)プロパンニッケル
(II)クロライド等のニッケル系触媒をテトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒に溶解し、撹拌することによっ
て重合体を作製する。電気化学的重合法では、単量体
と、テトラメチルアンモニウムパークロレート等の支持
電解質をニトロベンゼン等の溶媒に溶解した反応液に、
ITOガラス電極を陽極とし、白金電極を陰極とし、ヘリ
ウム、ネオン又はアルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で
電流を流すことにより、重合体を陽極上に析出させる。
得られた重合体はメタノール及びアセトン等を使用して
洗浄し、清浄な重合体とするのが望ましい。
を単量体とし、化学酸化重合法、化学的重合法又は電気
化学的重合法等によって作製する。化学酸化重合法で
は、単量体と、塩化第二鉄等の酸化剤をクロロホルム等
の溶媒に溶解し、撹拌することによって重合体を作製す
る。化学的重合法では、重合しようとする単量体に対応
する2,5−ジブロモ単量体又は2,5−ジヨード単量体と、
1,3−ビス(フェニルフォスフィノ)プロパンニッケル
(II)クロライド等のニッケル系触媒をテトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒に溶解し、撹拌することによっ
て重合体を作製する。電気化学的重合法では、単量体
と、テトラメチルアンモニウムパークロレート等の支持
電解質をニトロベンゼン等の溶媒に溶解した反応液に、
ITOガラス電極を陽極とし、白金電極を陰極とし、ヘリ
ウム、ネオン又はアルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で
電流を流すことにより、重合体を陽極上に析出させる。
得られた重合体はメタノール及びアセトン等を使用して
洗浄し、清浄な重合体とするのが望ましい。
チオフェン系化合物の重合体の分子量に特に制限はな
く、展開溶媒に溶解できる程度の重合度であればよい。
好ましくは、平均分子量(重量平均分子量、以下同
じ。)で102〜106、さらに好ましくは平均分子量で103
〜105の重合体を使用するのがよい。この重合体は共重
合のものであってもよい。
く、展開溶媒に溶解できる程度の重合度であればよい。
好ましくは、平均分子量(重量平均分子量、以下同
じ。)で102〜106、さらに好ましくは平均分子量で103
〜105の重合体を使用するのがよい。この重合体は共重
合のものであってもよい。
両親媒性分子は、分子内に親水性部位と疎水性部位を
有する分子であり、ステアリン酸やアラキン酸等の飽和
直鎖脂肪酸、ステアリン酸メチルエステルやアラキン酸
メチルエステル等の飽和脂肪酸エステル、ω−トリコセ
ン酸等の不飽和直鎖脂肪酸、下記の一般式(II)で表さ
れるジアセチレン誘導体化合物又は両親媒性のポリイミ
ド前駆体等の両親媒性の高分子等を用いることができ
る。
有する分子であり、ステアリン酸やアラキン酸等の飽和
直鎖脂肪酸、ステアリン酸メチルエステルやアラキン酸
メチルエステル等の飽和脂肪酸エステル、ω−トリコセ
ン酸等の不飽和直鎖脂肪酸、下記の一般式(II)で表さ
れるジアセチレン誘導体化合物又は両親媒性のポリイミ
ド前駆体等の両親媒性の高分子等を用いることができ
る。
R3−C≡C−C≡C−(CH2)n−A (II) (式(II)において、R3は疎水性基を示し、Aは親水
性基を示し、nは1以上の整数を示す。) 両親媒性分子はアセトン等の有機溶媒から再結晶する
ことにより精製したものが望ましい。
性基を示し、nは1以上の整数を示す。) 両親媒性分子はアセトン等の有機溶媒から再結晶する
ことにより精製したものが望ましい。
展開溶媒は、チオフェン系化合物の重合体等の主鎖に
沿ってπ電子共役系を有する高分子を溶解することがで
きてしかもLB膜の作製に使用できるものならば特に限定
されるものではなく、クロロホルムやベンゼン等水と混
ざらない揮発性の有機溶媒を用いることができる。
沿ってπ電子共役系を有する高分子を溶解することがで
きてしかもLB膜の作製に使用できるものならば特に限定
されるものではなく、クロロホルムやベンゼン等水と混
ざらない揮発性の有機溶媒を用いることができる。
チオフェン系化合物の重合体と両親媒性分子の混合割
合は、LB法で成膜するに際し、水面上で安定な水不溶性
単分子膜を形成できれば特に限定するものではなく、両
親媒性分子の混合割合が全体を1としたときのモル比率
で0.1〜0.8であるのが望ましい。なお、両親媒性分子の
上記モル比率は、ポリマの繰り返し単位の分子量を基準
として計算した値である。
合は、LB法で成膜するに際し、水面上で安定な水不溶性
単分子膜を形成できれば特に限定するものではなく、両
親媒性分子の混合割合が全体を1としたときのモル比率
で0.1〜0.8であるのが望ましい。なお、両親媒性分子の
上記モル比率は、ポリマの繰り返し単位の分子量を基準
として計算した値である。
混合LB膜展開溶液を展開する水面は清浄であるものを
使用し、水は塩化バリウム等の金属塩が溶解しているも
のでもよい。
使用し、水は塩化バリウム等の金属塩が溶解しているも
のでもよい。
支持基板としては、一般のシリカガラス、硬質ガラ
ス、石英、各種プラスチック、金・アルミニウム等の金
属又はシリコン等の半導体等を用いることができる。
ス、石英、各種プラスチック、金・アルミニウム等の金
属又はシリコン等の半導体等を用いることができる。
本発明の熱感応性素子は温度指示体、情報記録材料、
各種光学材料及ぶスイッチング素子等の電気電子材料等
に利用できる。
各種光学材料及ぶスイッチング素子等の電気電子材料等
に利用できる。
[実施例] 3−ドデシルチオフェンと塩化第二鉄をクロロホルム
に溶解し、撹拌して、3−ドデシルチオフェンを重合し
た。得られたポリ(3−ドデシルチオフェン)を、メタ
ノール及びアセトンを溶媒としたソックスレー抽出器で
それぞれ1週間洗浄し、清浄なポリ(3−ドデシルチオ
フェン)を得た。
に溶解し、撹拌して、3−ドデシルチオフェンを重合し
た。得られたポリ(3−ドデシルチオフェン)を、メタ
ノール及びアセトンを溶媒としたソックスレー抽出器で
それぞれ1週間洗浄し、清浄なポリ(3−ドデシルチオ
フェン)を得た。
次に、ポリ(3−ドデシルチオフェン)と、アセトン
から再結晶したステアリン酸をモル比率がそれぞれ0.5
となる割合でクロロホルムに溶解し、溶液1ml中に総溶
質1mgが含まれる溶液濃度の混合LB膜展開溶液を調製し
た。塩化バリウムが溶解している温度が20℃の水溶液の
水面上にこの展開溶液の所定量を展開し、水面上にポリ
(3−ドデシルチオフェン)とステアリン酸の混合単分
子膜を形成させた。この混合単分子膜を表面張力25mN/m
で圧縮して30分間放置した。面を水面上の混合単分子膜
に対して垂直に向けたガラス基板を、水面上の混合単分
子膜中に浸漬し、その後ガラス基板を水面上の混合単分
子膜中から引き上げ、これらの操作を繰り返し、ガラス
基板上に34層の混合単分子膜からなる混合LB膜を形成
し、熱感応性素子を作製した。混合単分子膜の累積には
LB膜作製装置(協和界面科学社製、HBM-AP4型)を用い
た。作製した熱感応性素子の可視光吸収スペクトルと温
度との関係を調べるため、この熱感応性素子を各温度に
8分間放置し、分光光度計(日立製作所製、U−3400
型)を使用して400〜800nmの吸収スペクトルを測定し
た。その結果、第1図のように熱処理温度によって吸収
ピークとなる波長が異なり、温度を上げるにつれてこの
素子の白が赤橙色から黄色に変化することが確認され
た。
から再結晶したステアリン酸をモル比率がそれぞれ0.5
となる割合でクロロホルムに溶解し、溶液1ml中に総溶
質1mgが含まれる溶液濃度の混合LB膜展開溶液を調製し
た。塩化バリウムが溶解している温度が20℃の水溶液の
水面上にこの展開溶液の所定量を展開し、水面上にポリ
(3−ドデシルチオフェン)とステアリン酸の混合単分
子膜を形成させた。この混合単分子膜を表面張力25mN/m
で圧縮して30分間放置した。面を水面上の混合単分子膜
に対して垂直に向けたガラス基板を、水面上の混合単分
子膜中に浸漬し、その後ガラス基板を水面上の混合単分
子膜中から引き上げ、これらの操作を繰り返し、ガラス
基板上に34層の混合単分子膜からなる混合LB膜を形成
し、熱感応性素子を作製した。混合単分子膜の累積には
LB膜作製装置(協和界面科学社製、HBM-AP4型)を用い
た。作製した熱感応性素子の可視光吸収スペクトルと温
度との関係を調べるため、この熱感応性素子を各温度に
8分間放置し、分光光度計(日立製作所製、U−3400
型)を使用して400〜800nmの吸収スペクトルを測定し
た。その結果、第1図のように熱処理温度によって吸収
ピークとなる波長が異なり、温度を上げるにつれてこの
素子の白が赤橙色から黄色に変化することが確認され
た。
[比較例] 3−ドデシルチオフェンと塩化第二鉄をクロロホルム
に溶解し、撹拌して、3−ドデシルチオフェンを重合し
た。得られたポリ(3−ドデシルチオフェン)を、メタ
ノール及びアセトンを溶媒としたソックスレー抽出器で
それぞれ1週間洗浄し、清浄なポリ(3−ドデシルチオ
フェン)を得た。
に溶解し、撹拌して、3−ドデシルチオフェンを重合し
た。得られたポリ(3−ドデシルチオフェン)を、メタ
ノール及びアセトンを溶媒としたソックスレー抽出器で
それぞれ1週間洗浄し、清浄なポリ(3−ドデシルチオ
フェン)を得た。
次に、ポリ(3−ドデシルチオフェン)を溶質濃度が
20mg/mlとなるようクロロホルムに溶解し、この溶液を
ガラス基板上にキャスティングして薄膜を形成させた。
ガラス基板上に形成した薄膜の可視光吸収スペクトルと
温度との関係を実施例と同じ方法で調べたところ、第2
図のように吸収ピークとなる波長は熱処理温度を変えて
もほとんど変化しなかった。
20mg/mlとなるようクロロホルムに溶解し、この溶液を
ガラス基板上にキャスティングして薄膜を形成させた。
ガラス基板上に形成した薄膜の可視光吸収スペクトルと
温度との関係を実施例と同じ方法で調べたところ、第2
図のように吸収ピークとなる波長は熱処理温度を変えて
もほとんど変化しなかった。
なお、実施例の熱感応性素子には、熱処理温度を変え
ると540nm付近の波長の光の吸光度が顕著に変化する性
質がある。この性質は温度指示体、情報記録材料及びス
イッチング素子等の電気電子材料等に利用できる。
ると540nm付近の波長の光の吸光度が顕著に変化する性
質がある。この性質は温度指示体、情報記録材料及びス
イッチング素子等の電気電子材料等に利用できる。
[発明の効果] 本発明の熱感応性素子は、主鎖に沿ってπ電子共役系
を有する高分子と、両親媒性分子との混合LB膜及び支持
基板から構成されており、キャスト法等の従来の方法で
作製したものに比べ、可視光吸収スペクトルのピークの
波長が加熱によって顕著に変化する性質を有する。本発
明により、秩序化され、膜厚が制御された薄膜を有し、
温度に対する色相変化の感度が高い高品質の熱感応性素
子が提供できた。
を有する高分子と、両親媒性分子との混合LB膜及び支持
基板から構成されており、キャスト法等の従来の方法で
作製したものに比べ、可視光吸収スペクトルのピークの
波長が加熱によって顕著に変化する性質を有する。本発
明により、秩序化され、膜厚が制御された薄膜を有し、
温度に対する色相変化の感度が高い高品質の熱感応性素
子が提供できた。
第1図は実施例の熱感応性素子について、熱処理温度と
光学特性の関係を示したグラフである。 第2図は従来の方法であるキャスト法で作製した薄膜に
ついて、熱処理温度と光学特性の関係を示したグラフで
ある。
光学特性の関係を示したグラフである。 第2図は従来の方法であるキャスト法で作製した薄膜に
ついて、熱処理温度と光学特性の関係を示したグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26 G01K 11/12 Q G01K 11/16 B32B 7/02 105 C09K 3/00 E
Claims (3)
- 【請求項1】主鎖に沿ってπ電子共役系を有する高分子
と、両親媒性分子との混合ラングミュア・ブロジェット
膜及び支持基板からなることを特徴とする熱感応性素
子。 - 【請求項2】主鎖に沿ってπ電子共役系を有する高分子
が、一般式(I)で示されるチオフェン系化合物の重合
体である請求項1記載の熱感応性素子。 (一般式(I)において、R1はアルキル基,アルコキ
シ基、アルキルチオ基又はアルキルスルホニル基を示
し、R2は水素原子又はR1で示される官能基を示す。) - 【請求項3】請求項1又は2記載の熱感応性素子を有す
る温度指示体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2256625A JP2830442B2 (ja) | 1990-09-26 | 1990-09-26 | 熱感応性素子 |
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---|---|---|---|
JP2256625A JP2830442B2 (ja) | 1990-09-26 | 1990-09-26 | 熱感応性素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04133790A JPH04133790A (ja) | 1992-05-07 |
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ID=17295213
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---|---|---|---|
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JP6352517B1 (ja) * | 2017-11-21 | 2018-07-04 | 住友化学株式会社 | 温度センサ用組成物 |
-
1990
- 1990-09-26 JP JP2256625A patent/JP2830442B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,123(1989) |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04133790A (ja) | 1992-05-07 |
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