JP2715148B2 - 部分開口容器蓋 - Google Patents

部分開口容器蓋

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JP2715148B2
JP2715148B2 JP17510389A JP17510389A JP2715148B2 JP 2715148 B2 JP2715148 B2 JP 2715148B2 JP 17510389 A JP17510389 A JP 17510389A JP 17510389 A JP17510389 A JP 17510389A JP 2715148 B2 JP2715148 B2 JP 2715148B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、容器本体のフランジ上面に接着され、容器
を密封する積層材製の、部分開口となるべき部分を有す
る蓋の改良に関する。
(従来の技術) 上述の積層材製蓋(以下単に蓋という)は周知であ
り、内層,外層等には各種の金属箔,プラスチックフイ
ルムが適用され、それらの層を接着するものとして、感
圧接着剤,加熱加圧接着剤があるが、プラスチックフイ
ルム同志を加熱加圧して接着する場合もある。
而して上記部分開口構成をもつ容器蓋の一つが実願昭
60−173064公報に開示されている。この蓋は、第4図に
示すように、外層1と内層2と、内層2を容器本体3の
フランジ部3aの上面3bに接着する接着剤層4と外層1と
内層2とを接着する他の接着剤層5とからなる。尚、接
着剤層5はつまみ部6の部分には設けられていない。内
層2には部分開口部7(第3図)を限定するスリット8
が設けられてある。そして接着剤層5の接着力は接着剤
層4の接着力より小さく規定されている。そのため、つ
まみ部6を引上げると、まず、接着剤層5で内,外層が
分離し、内層2が露出するので、スリット8に囲まれた
部分を除去すれば、部分開口ができる。なお、上記公報
には、部分開口部7と外層1とを接着力の強い接着剤で
接着しておくと、内,外層が分離される際に部分開口部
7が外層と共に除去されるから、部分開口部7を取り除
く手間がいらないこと、またつまみ部6でも内層と外層
を接着しておき、容器本体のフランジ部3aの外端に対応
する内層個所に切込みを設ける構成も開示されている。
(発明が解決しようとする問題) 上記の蓋においては内層にスリット8を設けるので作
業工程が煩雑になり、又、容器に内容物を加熱充填して
から蓋をヒートシールした場合とか密封後に容器全体を
加熱した場合には、容器内の圧力上昇により部分開口部
が押し上げられてこの部分から四周に向って接着剤層5
の剥離を生じ、漏洩にいたるおそれがある。
(問題を解決するための手段) 本発明の容器は上記目的を達成するために、外層と内
層とから成る積層蓋にあっては、 これら内,外層を、内層の中、部分開口となるべき部
分においては第1の接着剤層を介して、その他の部分に
おいては第2の接着剤層を介して、夫々、接着し、 内層は、第3の接着剤層を介して、容器本体フランジ
上面に接着するようにし、 又、内,外層の他中間層をもつ蓋にあっては、 外層と中間層とを、第1の接着剤層を介して接着し、 中間層と内層とを、内層の中、部分開口となるべき部
分以外の部分において、第2の接着剤層を介して接着
し、 中間層には、該内層の部分開口となるべき部分に対応
する部分を除去して窓部を構成し、その窓部に、該第1
の接着剤層の接着剤を充満させ、 内層を、第3の接着剤層を介して、容器本体フランジ
場面に接着させて構成し、何れの場合においても、 内層の引裂抵抗力T1と、 外層の引裂抵抗力T2と、 第1接着剤層、第2接着剤層及び第3接着剤層の各接
着力F1,F2及びF3との間に、 T1>F2 F1>T1 F3>T1 T2>T1 という関係をもたせることで、解決したものである。
また、前記3層構成の蓋の変形として、内層と中間層
とを、直接ヒートシールすることのできる材料で構成
し、第2接着剤層で接着する代りに、これら両層を直接
ヒートシールして、両者の間に、第2の接着層を形成さ
せてもよい。この場合、上記関係式におけるF2は、「第
2の接着層の接着力F2′」とよみ替えられる。
(作用) 本発明の容器は上記の構成を有するので、蓋(のつま
み部)を引上げると、容器本体のフランジ部の上面の外
端に対応する箇所から第3接着剤層と内層とが第2接着
剤層方向に引裂かれ、次いで第2接着剤層が剥離され、
その剥離が内層の、部分開口となるべき部分(以下、開
口予定部と称する)に達すると内層と第3接着剤層とが
外層に付着したまま引裂かれ、開口予定部の引裂が終
り、開口した後は、再び第2接着剤層のみの剥離が続行
され、部分開口部を形成した内層及び第3接着剤層だけ
が、容器本体に付着して残る。
(実施例1) 第1図は、内,外二層構成の例を示す部分断面図であ
る。尚、図中、蓋10内にある破線は、蓋10の破断又剥離
する部分を示す。蓋10は40μ厚のポリエチレンテレフタ
レート(PET)からなる外層11、厚さ12μのアルミ箔か
らなる内層12、内層12の中、部分開口予定部17とこの部
分17と対面する外層11の対面部分11aとを接着する第1
接着剤層15A、内層12と外層11のその他の部分とを接着
する第2接着剤層15B、内層と容器本体13のフランジ部1
3aの上面13bとを接着する第3接着剤層14とから構成さ
れる。そして第1接着剤層をポリウレタン系(二液反応
型)接着剤(本例では、主剤として大日精化(株)のE
−320(商品名)、硬化剤として同社のC−75N(商品
名)を使用)で構成し、第2接着剤層をポリエステル系
接着剤(本例では、主剤として東レ(株)のKS303(商
品名)、硬化剤として日本ポリウレタン(株)のコロネ
ートL(商品名)を使用)で構成し、第3接着剤層を、
容器本体の内面の材料(本例ではポリプロピレンを使
用)と強接着する接着剤(本例では、東洋モートン
(株)の商品名78LJ10なるポリプロピレン系接着剤を使
用)で構成した。
この蓋を、容器本体フランジ部上面にヒートシールし
た。
この蓋において、内層12の引裂抵抗力T1(測定法:JIS
Z 1702に準じ、引張速度500mm/分)は、700g/15mm巾、
第2接着剤層5Bの接着力F2(測定法:JIS K 6854に準
じ、180°剥離引張速度300mm/分)は100g/15mm巾、第1
接着剤層5Aの接着力F1(測定法はF2の場合と同じ)は14
00g/15mm巾、第3接着剤層14の接着力F3(測定法はF2
同じ)は3000g/15mm巾、外層11の引裂抵抗力T2(測定法
はT1と同じ)は10kg/15mm巾とした。
この蓋10のつまみ部16を引上げると、容器本体のフラ
ンジ部13aの外端13cに対応する箇所から内層12が第3接
着剤層14ごと外層方向に向って引裂かれ、第2接着剤15
Bのところからはその第2接着剤層が剥離されて内,外
層が分離し、第1接着剤層15Aの箇所の周縁に到って、
内層12が第3接着剤層14と共に外層に付着したまま、引
裂かれて行き内層に開口部が形成される。以後、外層と
内層は第2接着剤層の剥離により再び分離される。
この蓋の開口に要する力は最大2kgでありスリットな
しでも、容易に開口できた。
(実施例2) 第2図により、説明する。図中、蓋20内の破線は、蓋
20の破断又は剥離する部分を示す。
本例では、蓋20は、内層22と、外層21と、それらの中
間層29とから成る。而して中間層29は、内層22において
部分開口となるべき部分27と対面する部分がくりぬかれ
窓部30となっている。
外層21は30μ厚のPETで成り、中間層29をポリアミド
フイルム(厚さ30μ)で成り、内層22は実施例1におけ
ると同様、厚さ12μのアルミ箔で成る。25Aは、該中間
層と外層とを接着する第1の接着剤層(実施例1の第1
の接着剤層15Aと同一物を使用)であり、このポリウレ
タン接着剤は、中間層29の窓部30を充満し、従って、内
層22と外層21とを、開口予定部27において直接に接着す
る形になっている。25Bは、中間層と内層とを、前記窓
部30を除く他の部分において、接着している第2の接着
剤層(実施例1における第2の接着剤層15Bと同一物を
使用)であり、24は内層と容器本体23(この内面の材料
はポリプロピレンで成ること、実施例1と同じ)のフラ
ンジ部23aの上面23bとを接着する第3の接着剤層(実施
例1における第3の接着剤層14と同一物を使用)であ
る。
内,外層の引裂抵抗力T1,T2、第1〜第3接着剤層の
接着力F1,F2,F3、の大きさは、すべて、実施例1と同
じである。
本実施例の蓋も実施例1と同様に部分開口された。
この実施例では窓部以外では中間層29と内層22とを第
2接着剤層25Bで接着したが、中間層と内層とが、直接
ヒートシール可能な物質で構成されているならば、この
二つの層を直ちにヒートシールして、第2接着剤層に代
る接着層を介して接着させてもよい。
(実施例3) 実施例2における中間層に該るものとして、ダイアミ
ド3000(商品名・ダイセル化学工業株式会社製)30μを
使用し、内層たるアルミ箔12μに、接着剤を介すること
なく、直接ヒートシールした。
この構造は、第2図示構造から接着剤層25Bを省略し
たものにひとしい。
本例でも、実施例2と同様に部分開口された。
なお、上記各実施例では、容器ごと加熱殺菌が行える
よう、アルミ箔を有する構成にしたが、錫箔等の金属箔
も使用可能である。
その他、材料としては、第2図で説明すると、外層21
としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン
(PS)、ポリアミド(PA)等のプラスチックフイルムや
合成紙が用い得るし、中間層29としては、外層と同じ材
料、即ち、PET,PE,PP,PS,PA等のプラスチックフイルム
や合成紙の他、アルミ箔や、錫箔等の金属箔が用いられ
る。又、第1接着剤層や、第2接着剤層の接着剤として
はウレタン系,ポリエステル系,酢ビ系,塩ビ系,ポリ
エチレン系,ポリプロピレン系,エポキシ系等の接着剤
が用いられ、内層22としては、20μ以下のアルミ箔(好
ましくは12μ以下)がふさわしいが、錫箔等の金属箔も
用いられ得る。第3接着剤層の接着剤としては、ポリエ
チレン系,ポリプロピレン系,アイオノマー系,エチレ
ン−酢ビ系,ポリエステル系,ポリアミド系接着剤や、
変性オレフィンが使用出来る。
本発明蓋との関係において、容器本体については、基
材層としてアルミ、ブリキ、ティンフリースチール等が
用いられ、容器本体の内層及び外層としては、エポキシ
系,フェノール系,アミノ系,ビニル系,ポリエステル
系等の熱硬化性樹脂を焼付塗装することが出来る他、PE
T,PS,PA,PE,PP等を積層したりすることもでき、又、耐
内容物性向上の為、蓋の第3の接着剤層と内層との間
に、ポリエステル系,エポキシ系,フェノール系,アミ
ノ系,ビニル系等の熱硬化性樹脂を焼付塗装することも
出来る。
(発明の効果) 本発明蓋は、接着剤層の接着力の差、内・外層の引裂
抵抗力の差、を利用することで、予じめ、内層に部分開
口部を規定するスリットを設けなくても、部分開口部を
形成した内層を残したまゝ、外層を除去できる。
従って、蓋の製作がスリットを設ける従来例に比べて
簡単であり、スリットがないので漏洩のおそれは皆無で
あるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明蓋の1実施例の構成を示す部分断面
図、第2図は他の実施例の構成を示す部分断面図、第3
図は従来例の蓋の平面図、第4図は第3図のIV−IV断面
拡大図である。 11,21……外層、12,22……内層、17,27……部分開口と
なるべき部分、15A,25A……第1接着剤層、15B,25B……
第2接着剤層、13,23……容器本体、13a,23a……フラン
ジ部、14,24……第3接着剤層、29……中間層、30……
窓部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外層と、内層とより成り、 これら内、外層は、内層の中、部分開口となるべき部分
    においては第1の接着剤層を介して、その他の部分にお
    いては第2の接着剤層を介して、夫々、接着されてお
    り、 内層は、第3の接着剤層を介して、容器本体フランジ上
    面に接着される 部分開口容器蓋であり、 内層の引裂抵抗力T1と、 外層の引裂抵抗力T2と、 第1接着剤層、第2接着剤層及び第3接着剤層の各接着
    力F1,F2及びF3との間に、下記関係を有することを特徴
    とする部分開口容器蓋。 T1>F2 F1>T1 F3>T1 T2>T1
  2. 【請求項2】外層と、中間層と、内層とから成り、 外層と中間層とは、第1の接着剤層を介して接着されて
    おり、 中間層と内層とは、内層の中、部分開口となるべき部分
    以外の部分において、第2の接着剤層を介して接着され
    ており、 中間層の中、該内層の部分開口となるべき部分に対応す
    る部分が除去されて、窓部を構成し、その窓部には、該
    第1の接着剤層の接着剤が充満しており、 内層が、第3の接着剤層を介して、容器本体フランジ上
    面に接着される 部分開口容器蓋であり、 内層の引裂抵抗力T1と、 外層の引裂抵抗力T2と、 第1接着剤層、第2接着剤層及び第3接着剤層の各接着
    力F1,F2及びF3との間に、下記関係を有することを特徴
    とする部分開口容器蓋。 T1>F2 F1>T1 F3>T1 T2>T1
  3. 【請求項3】外層と、内層と、内層と直接ヒートシール
    可能な材料から成る中間層とで構成され、 外層と中間層とは、第1の接着剤層を介して接着されて
    おり、 中間層と内層とは、内層の中、部分開口となるべき部分
    以外の部分において、直接ヒートシールされ、第2の接
    着層を形成して接着されており、 中間層の中、該内層の部分開口となるべき部分に対応す
    る部分が除去されて、窓部を構成し、その窓部には、該
    第1の接着剤層の接着剤が充満しており、 内層が、第3の接着剤層を介して、容器本体フランジ上
    面に接着される 部分開口容器蓋であり、 内層の引裂抵抗力T1と、 外層の引裂抵抗力T2と、 第1接着剤層、第2接着層及び第3接着剤層の各接着力
    F1,F2′及びF3との間に、下記関係を有することを特徴
    とする部分開口容器蓋。 T1>F2′ F1>T1 F3>T1 T2>T1
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