JP2714824B2 - 分子線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する装置 - Google Patents
分子線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する装置Info
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- JP2714824B2 JP2714824B2 JP63198040A JP19804088A JP2714824B2 JP 2714824 B2 JP2714824 B2 JP 2714824B2 JP 63198040 A JP63198040 A JP 63198040A JP 19804088 A JP19804088 A JP 19804088A JP 2714824 B2 JP2714824 B2 JP 2714824B2
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- Japan
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- gas
- single crystal
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Description
【発明の詳細な説明】 〔概要〕 高純度のエピタキシャル成長結晶を得る為のガス・ソ
ース分子線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する
装置の改良に関し、 ガス・ソース分子線エピタキシャル成長方法を実施し
た場合、V族分子線源ファーネスからの不純物ガスの放
出を低減させ、また、III族材料からの有機基に依る単
結晶層中への不純物の取り込みを低減させ、高純度の化
合物半導体単結晶層を緩和された条件でエピタキシャル
成長させることを可能にすることを目的とし、 分子線源ファーネス内にアルシン・ガスと塩素ガスと
を導入して反応させ塩化水素分子線及び砒素分子線を取
り出して基板に照射し、それと共にIII族元素を含む有
機金属ガスを該基板に照射して砒素及びIII族元素を含
む化合物半導体単結晶層を成長させるよう構成する。
ース分子線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する
装置の改良に関し、 ガス・ソース分子線エピタキシャル成長方法を実施し
た場合、V族分子線源ファーネスからの不純物ガスの放
出を低減させ、また、III族材料からの有機基に依る単
結晶層中への不純物の取り込みを低減させ、高純度の化
合物半導体単結晶層を緩和された条件でエピタキシャル
成長させることを可能にすることを目的とし、 分子線源ファーネス内にアルシン・ガスと塩素ガスと
を導入して反応させ塩化水素分子線及び砒素分子線を取
り出して基板に照射し、それと共にIII族元素を含む有
機金属ガスを該基板に照射して砒素及びIII族元素を含
む化合物半導体単結晶層を成長させるよう構成する。
本発明は、高純度のエピタキシャル成長結晶を得る為
のガス・ソース分子線エピタキシャル成長(分子線エピ
タキシャル成長:molecular beam epitaxy:MBE)方法及
びそれを実施する装置の改良に関する。
のガス・ソース分子線エピタキシャル成長(分子線エピ
タキシャル成長:molecular beam epitaxy:MBE)方法及
びそれを実施する装置の改良に関する。
現在、真空中で化合物半導体単結晶基板を適切な温度
に加熱しておき、その上に半導体元素を分子状にして照
射することに依って化合物半導体単結晶層をエピタキシ
ャル成長させるMBE法は、超薄膜を制御性良く形成でき
ること或いはヘテロ接合構造に於ける界面が急峻である
ことなどの特徴から、新しい機能をもつ電子デバイスや
光デバイスなどを製造する場合の技術として期待されて
いる。
に加熱しておき、その上に半導体元素を分子状にして照
射することに依って化合物半導体単結晶層をエピタキシ
ャル成長させるMBE法は、超薄膜を制御性良く形成でき
ること或いはヘテロ接合構造に於ける界面が急峻である
ことなどの特徴から、新しい機能をもつ電子デバイスや
光デバイスなどを製造する場合の技術として期待されて
いる。
このMBE法を実施する際、分子線源となる材料、即
ち、金属ソースを真空容器(成長室)内に保持させる方
法が採られているが、近年、ガス状にしたソースを成長
室外からパイプとバルブなどを介して供給する、所謂、
ガス・ソースMBE法の開発が活発である。
ち、金属ソースを真空容器(成長室)内に保持させる方
法が採られているが、近年、ガス状にしたソースを成長
室外からパイプとバルブなどを介して供給する、所謂、
ガス・ソースMBE法の開発が活発である。
ガス・ソースMBE法は、ソース材料を充填するのに成
長室の真空を破る必要はないから、MBE装置を高効率で
稼動することができ、金属ソースMBE法に比較すると量
産性に優れている。然しながら、V族材料として例えば
アルシン(AsH3)を使用する場合、分子線源ファーネス
を高温に加熱してAsH3を熱分解することでAs分子線を取
り出している。そのように分子線源ファーネスを高温に
すると、ファーネス材料から不純物ガスが放出され、成
長させている単結晶層中に取り込まれ不所望の不純物が
添加されることになる。また、III族材料として有機金
属を使用するので、同じく単結晶層中に有機物が混入さ
れて結晶純度が低下する旨の問題もある。
長室の真空を破る必要はないから、MBE装置を高効率で
稼動することができ、金属ソースMBE法に比較すると量
産性に優れている。然しながら、V族材料として例えば
アルシン(AsH3)を使用する場合、分子線源ファーネス
を高温に加熱してAsH3を熱分解することでAs分子線を取
り出している。そのように分子線源ファーネスを高温に
すると、ファーネス材料から不純物ガスが放出され、成
長させている単結晶層中に取り込まれ不所望の不純物が
添加されることになる。また、III族材料として有機金
属を使用するので、同じく単結晶層中に有機物が混入さ
れて結晶純度が低下する旨の問題もある。
MBE法を採用して成長させる化合物半導体単結晶層の
高純度化を図る為には、V族用分子線源ファーネスの低
温化及び有機基の単結晶層中への混入防止が必要であ
る。
高純度化を図る為には、V族用分子線源ファーネスの低
温化及び有機基の単結晶層中への混入防止が必要であ
る。
従来、ガス・ソースMBE法に於いては、成長条件を最
適化することで高純度のGaAs単結晶層を成長できると報
告されている。例えば、Gaソース材料としてトリエチル
ガリウム(TEG:Ga(C2H5)3)が、また、Asソース材料と
してAsH3が良く使われている。TEGはガス状にして成長
室に導入され、基板表面に照射されるのであるが、その
場合に於ける最適基板温度を550〔℃〕程度に限定し、
また、AsH3とTEGとの流量比を10倍以上に高くすること
でGaAs単結晶層の高純度化を達成している。また、AsH3
は分子線源ファーネスの中で加熱分解され、AsとH2の分
子線として取り出すようにしているが、この際、ファー
ネスの温度が低いとA′sH3の分解を充分に行うことが
できないことからAs分子線を取り出すことができず、反
対に、ファーネスの温度が高過ぎるとファーネス材料か
らの放出ガスに依って結晶が汚染される。
適化することで高純度のGaAs単結晶層を成長できると報
告されている。例えば、Gaソース材料としてトリエチル
ガリウム(TEG:Ga(C2H5)3)が、また、Asソース材料と
してAsH3が良く使われている。TEGはガス状にして成長
室に導入され、基板表面に照射されるのであるが、その
場合に於ける最適基板温度を550〔℃〕程度に限定し、
また、AsH3とTEGとの流量比を10倍以上に高くすること
でGaAs単結晶層の高純度化を達成している。また、AsH3
は分子線源ファーネスの中で加熱分解され、AsとH2の分
子線として取り出すようにしているが、この際、ファー
ネスの温度が低いとA′sH3の分解を充分に行うことが
できないことからAs分子線を取り出すことができず、反
対に、ファーネスの温度が高過ぎるとファーネス材料か
らの放出ガスに依って結晶が汚染される。
このようなことから、ファーネスの温度は適切な値と
なるよう充分な制御が必要であるとされている。
なるよう充分な制御が必要であるとされている。
前記したように、ガス・ソースMBE法を実施する場合
には、結晶成長条件に種々な制約が存在し、金属ソース
を用いたMBE法で行われたようなヘテロ接合構造を形成
する際の成長条件の最適化を実現することは困難であっ
て、或る層で高純度の単結晶層が得られても、他の層で
は不可能であったりする。
には、結晶成長条件に種々な制約が存在し、金属ソース
を用いたMBE法で行われたようなヘテロ接合構造を形成
する際の成長条件の最適化を実現することは困難であっ
て、或る層で高純度の単結晶層が得られても、他の層で
は不可能であったりする。
本発明は、ガス・ソースMBE法を実施した場合、V族
分子線源ファーネスからの不純物ガスの放出を低減さ
せ、また、III族材料からの有機基に依る単結晶層中へ
の不純物の取り込みを低減させ、高純度の化合物半導体
単結晶層を緩和された条件でエピタキシャル成長させる
ことを可能にしようとする。
分子線源ファーネスからの不純物ガスの放出を低減さ
せ、また、III族材料からの有機基に依る単結晶層中へ
の不純物の取り込みを低減させ、高純度の化合物半導体
単結晶層を緩和された条件でエピタキシャル成長させる
ことを可能にしようとする。
第1図は本発明の原理を解説する為の説明図を表して
いる。
いる。
図に於いて、1はガス混合反応室、1Aは第一ガス送入
管、1Bは第二ガス送入管、2は加熱ヒータ、3はGaAs基
板をそれぞれ示している。
管、1Bは第二ガス送入管、2は加熱ヒータ、3はGaAs基
板をそれぞれ示している。
図に見られるガス混合反応室1には、第一ガス送入管
1Aを介してAsH3が、そして、第二ガス送入管1Bを介して
Cl2がそれぞれ送入される。AsH3とCl2とは反応してHCl
とAsを生成する。図中の加熱ヒータ2はAsH3及びCl2の
反応を促進する為にガス混合反応室1を加熱する働きを
なし、そして、それ等が反応することで生成されたAsと
HClとはGaAs基板3に照射される。この場合の反応式
は、 2AsH3+3Cl2→6HCl+As2 である。
1Aを介してAsH3が、そして、第二ガス送入管1Bを介して
Cl2がそれぞれ送入される。AsH3とCl2とは反応してHCl
とAsを生成する。図中の加熱ヒータ2はAsH3及びCl2の
反応を促進する為にガス混合反応室1を加熱する働きを
なし、そして、それ等が反応することで生成されたAsと
HClとはGaAs基板3に照射される。この場合の反応式
は、 2AsH3+3Cl2→6HCl+As2 である。
このようなことから、本発明に依るガス・ソース分子
線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する装置に於
いては、分子線源ファーネス内にアルシン・ガスと塩素
ガスとを導入して反応させ塩化水素分子線及び砒素分子
線を取り出して基板に照射し、それと共にIII族元素を
含む有機金属ガスを該基板に照射して砒素及びIII族元
素を含む化合物半導体単結晶層を成長させ、また、アル
シン・ガス送入管及び塩素ガス送入管が作り付けられた
ガス混合反応室を有する分子線源ファーネスを備えるよ
う構成する。
線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する装置に於
いては、分子線源ファーネス内にアルシン・ガスと塩素
ガスとを導入して反応させ塩化水素分子線及び砒素分子
線を取り出して基板に照射し、それと共にIII族元素を
含む有機金属ガスを該基板に照射して砒素及びIII族元
素を含む化合物半導体単結晶層を成長させ、また、アル
シン・ガス送入管及び塩素ガス送入管が作り付けられた
ガス混合反応室を有する分子線源ファーネスを備えるよ
う構成する。
前記手段を採ることに依り、ガス混合反応室の噴出口
からはAs分子線及びHCl分子線が取り出される。GaAs基
板上にはTEGを分解することで生成したIII族分子線であ
るGa分子線も同時に照射されるので、そのGa原子と前記
As原子が結合してGaAs単結晶層が成長される。この際、
HClガスは、加熱されているGaAs基板上でGaやAsと反応
してGaClやAsClを生成するので、GaAs基板表面から蒸発
・脱離してしまう。また、HClが分解する時に生ずる発
生期の活性なH*がGaAs基板表面の残留不純物である炭素
(C)と反応し、炭化水素として脱離する。このGaAs基
板表面のCは、有機金属の熱分解に依って発生する有機
基が更に分解されて発生するもの、或いは、有機金属ソ
ース中に残留している遊離Cなどが存在の原因である。
からはAs分子線及びHCl分子線が取り出される。GaAs基
板上にはTEGを分解することで生成したIII族分子線であ
るGa分子線も同時に照射されるので、そのGa原子と前記
As原子が結合してGaAs単結晶層が成長される。この際、
HClガスは、加熱されているGaAs基板上でGaやAsと反応
してGaClやAsClを生成するので、GaAs基板表面から蒸発
・脱離してしまう。また、HClが分解する時に生ずる発
生期の活性なH*がGaAs基板表面の残留不純物である炭素
(C)と反応し、炭化水素として脱離する。このGaAs基
板表面のCは、有機金属の熱分解に依って発生する有機
基が更に分解されて発生するもの、或いは、有機金属ソ
ース中に残留している遊離Cなどが存在の原因である。
従って、AsH3のガス混合反応室内にCl2ガスを供給し
て反応させることに依ってAsH3を低温で分解し、As分子
線を効率良く取り出すことができ、且つ、同時に生成さ
れるHClガスに依ってGaAs基板表面の残留不純物である
Cや結晶成長中に取り込まれる不純物Cを除去すること
ができる。
て反応させることに依ってAsH3を低温で分解し、As分子
線を効率良く取り出すことができ、且つ、同時に生成さ
れるHClガスに依ってGaAs基板表面の残留不純物である
Cや結晶成長中に取り込まれる不純物Cを除去すること
ができる。
第2図は本発明一実施例の要部説明図を表し、第1図
に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同
じ意味を持つものとする。
に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同
じ意味を持つものとする。
図に於いて、11は結晶成長室、12はゲート・バルブ、
13はヒータ、14は熱電対、15はサセプタ、16は液体窒素
シュラウド、17は分子線源ファーネス、18はバルブ、19
はマス・フロー・コントローラ(MFC)をそれぞれ示し
ている。
13はヒータ、14は熱電対、15はサセプタ、16は液体窒素
シュラウド、17は分子線源ファーネス、18はバルブ、19
はマス・フロー・コントローラ(MFC)をそれぞれ示し
ている。
本実施例では、化合物半導体基板としてはGaAs基板3
を用い、エピタキシャル成長のソース材料としては、As
H3とTEGを用いている。
を用い、エピタキシャル成長のソース材料としては、As
H3とTEGを用いている。
AsH3が送入される分子線源ファーネスに於けるガス混
合反応室1にはCl2ガスも同時に送入される。ガス混合
反応室1は常に約300乃至400〔℃〕程度の温度を維持す
るように加熱されている。この温度は、従来、AsH3の熱
クラッキングに適用される温度が約800乃至900〔℃〕程
度であるのと比較すると著しく低い値であるといえる。
TEGは分子線源ファーネス17を約60〜80〔℃〕程度に加
熱し、真空中で凝縮しないようにし、分子線としてGaAs
基板1に照射するようにした。
合反応室1にはCl2ガスも同時に送入される。ガス混合
反応室1は常に約300乃至400〔℃〕程度の温度を維持す
るように加熱されている。この温度は、従来、AsH3の熱
クラッキングに適用される温度が約800乃至900〔℃〕程
度であるのと比較すると著しく低い値であるといえる。
TEGは分子線源ファーネス17を約60〜80〔℃〕程度に加
熱し、真空中で凝縮しないようにし、分子線としてGaAs
基板1に照射するようにした。
GaAs基板1は基板準備室からゲート・バルブ12を通過
して結晶成長室11内に送られ、サセプタ15にセットされ
てからガス混合反応室1からのAs分子線及びHCl分子線
の照射を受けながら室温から徐々に昇温され約500
〔℃〕に保持される。
して結晶成長室11内に送られ、サセプタ15にセットされ
てからガス混合反応室1からのAs分子線及びHCl分子線
の照射を受けながら室温から徐々に昇温され約500
〔℃〕に保持される。
この段階で、結晶成長室11内に設置されている反射型
高エネルギ電子線回折(reflective high energy elect
ron diffraction:RHEED)装置を使用して表面観察を行
ったところ、表面の自然酸化膜は完全に除去されてい
て、GaAs結晶面が現れていることを確認した。
高エネルギ電子線回折(reflective high energy elect
ron diffraction:RHEED)装置を使用して表面観察を行
ったところ、表面の自然酸化膜は完全に除去されてい
て、GaAs結晶面が現れていることを確認した。
また、Siを6×1016〔cm-3〕ドーピングしてn型とし
たGaAs基板の上に同じくSiを6×1016〔cm-3〕ドーピン
グしたn型GaAs単結晶層をエピタキシャル成長させ、基
板とエピタキシャル成長単結晶層との界面近傍に於ける
キャリヤ空乏層を調べたところ、As分子線とHCl分子線
を使って成長させた試料では、1×1011〔cm-2〕以下で
あって著しく低減されていた。因みに、従来のAsH3熱ク
ラッキング法に依ってAs分子線を取り出した場合、キャ
リヤ空乏層は1×1012〔cm-2〕程度存在していた。この
ようなキャリヤ空乏層が存在する原因としては、基板表
面に残留しているCに起因するものであることが知られ
ているのであるが、As及びHClの分子線を照射しながら5
00〔℃〕に加熱したGaAs基板に於いては、この残留Cが
著しく低減されたものと考えられる。従来は、GaAs基板
表面に於ける自然酸化膜を除去するには、基板温度を60
0〔℃〕以上にすることが必要であったが、本発明に依
る場合、それよりも100〔℃〕以上も低い500〔℃〕程度
で充分に可能であり、しかも、従来の加熱に依る自然酸
化膜の除去だけでは不可能であった残留Cの低減を容易
に達成できる。
たGaAs基板の上に同じくSiを6×1016〔cm-3〕ドーピン
グしたn型GaAs単結晶層をエピタキシャル成長させ、基
板とエピタキシャル成長単結晶層との界面近傍に於ける
キャリヤ空乏層を調べたところ、As分子線とHCl分子線
を使って成長させた試料では、1×1011〔cm-2〕以下で
あって著しく低減されていた。因みに、従来のAsH3熱ク
ラッキング法に依ってAs分子線を取り出した場合、キャ
リヤ空乏層は1×1012〔cm-2〕程度存在していた。この
ようなキャリヤ空乏層が存在する原因としては、基板表
面に残留しているCに起因するものであることが知られ
ているのであるが、As及びHClの分子線を照射しながら5
00〔℃〕に加熱したGaAs基板に於いては、この残留Cが
著しく低減されたものと考えられる。従来は、GaAs基板
表面に於ける自然酸化膜を除去するには、基板温度を60
0〔℃〕以上にすることが必要であったが、本発明に依
る場合、それよりも100〔℃〕以上も低い500〔℃〕程度
で充分に可能であり、しかも、従来の加熱に依る自然酸
化膜の除去だけでは不可能であった残留Cの低減を容易
に達成できる。
更にまた、ノン・ドープGaAs基板にノン・ドープGaAs
単結晶層を厚さ約10〔μm〕程度にエピタキシャル成長
させ、その単結晶層中の残留不純物に依るキャリヤ濃度
をC−V特性及びホール測定で調べた。GaAs基板は前記
と同様に500〔℃〕の温度に維持した。分子線としてはA
sH3とCl2との混合反応に依って生成されたAsとHClを用
い、また、TEGを使用した。AsH3とCl2の流量は10〔cc/
分〕及び15〔cc/分〕とし、そして、TEGのそれは2〔cc
/分〕にした。従来の技術、即ち、Cl2を用いない方法の
場合には、単結晶の成長速度は約0.5〔μm/時間〕であ
ったが、本発明のようにCl2を混合すると、それに依っ
て発生するHClガスでGaAsの一部がGa塩化物(GaCl)やA
s塩化物(AsCl)になって脱離する為、この場合の成長
速度は0.3〔μm/時間〕に低下した。
単結晶層を厚さ約10〔μm〕程度にエピタキシャル成長
させ、その単結晶層中の残留不純物に依るキャリヤ濃度
をC−V特性及びホール測定で調べた。GaAs基板は前記
と同様に500〔℃〕の温度に維持した。分子線としてはA
sH3とCl2との混合反応に依って生成されたAsとHClを用
い、また、TEGを使用した。AsH3とCl2の流量は10〔cc/
分〕及び15〔cc/分〕とし、そして、TEGのそれは2〔cc
/分〕にした。従来の技術、即ち、Cl2を用いない方法の
場合には、単結晶の成長速度は約0.5〔μm/時間〕であ
ったが、本発明のようにCl2を混合すると、それに依っ
て発生するHClガスでGaAsの一部がGa塩化物(GaCl)やA
s塩化物(AsCl)になって脱離する為、この場合の成長
速度は0.3〔μm/時間〕に低下した。
本発明に依ってエピタキシャル成長させたGaAs単結晶
層に於けるキャリヤ濃度は1×1014〔cm-3〕程度が容易
に得られ、また、成長温度依存性も350〔℃〕から600
〔℃〕の範囲に亙って殆ど観察されなかった。従来の技
術では、高純度のGaAs単結晶層を得る為に必要な基板温
度は550〔℃〕前後に限定されていたが、本発明に依る
と、比較的広い温度範囲に亙って高純度のGaAs単結晶層
を得ることができる。
層に於けるキャリヤ濃度は1×1014〔cm-3〕程度が容易
に得られ、また、成長温度依存性も350〔℃〕から600
〔℃〕の範囲に亙って殆ど観察されなかった。従来の技
術では、高純度のGaAs単結晶層を得る為に必要な基板温
度は550〔℃〕前後に限定されていたが、本発明に依る
と、比較的広い温度範囲に亙って高純度のGaAs単結晶層
を得ることができる。
前記実施例では、As分子線を得る為の材料として100
〔%〕AsH3を用いたが、これはH2で希釈したものを用い
ても良い。また、TEGもキャリヤ・ガスとしてH2を利用
しても良い。更にまた、エピタキシャル成長させる単結
晶層は、GaAsに限定されることなく、AlGaAs、InGaAs、
InGaAsSbなどに於いても同様である。
〔%〕AsH3を用いたが、これはH2で希釈したものを用い
ても良い。また、TEGもキャリヤ・ガスとしてH2を利用
しても良い。更にまた、エピタキシャル成長させる単結
晶層は、GaAsに限定されることなく、AlGaAs、InGaAs、
InGaAsSbなどに於いても同様である。
本発明に依るガス・ソース分子線エピタキシャル成長
方法及びそれを実施する装置に於いては、分子線源ファ
ーネス内にアルシン・ガスと塩素ガスとを導入して反応
させ塩化水素分子線及び砒素分子線を取り出すようにし
ている。
方法及びそれを実施する装置に於いては、分子線源ファ
ーネス内にアルシン・ガスと塩素ガスとを導入して反応
させ塩化水素分子線及び砒素分子線を取り出すようにし
ている。
この構成を採ることに依り、低温で砒素分子線を取り
出すことができるから、ファーネス材料から不純物ガス
が放出されて成長中の単結晶層に取り込まれる虞は皆無
であり、また、砒素分子線と同時に発生される塩化水素
分子線の作用に依り、従来の前処理法では除去すること
ができなかった基板表面の残留炭素を除去することが可
能となり、且つ、成長条件を広い範囲に亙って変えても
高純度の単結晶層をエピタキシャル成長させることがで
きる。
出すことができるから、ファーネス材料から不純物ガス
が放出されて成長中の単結晶層に取り込まれる虞は皆無
であり、また、砒素分子線と同時に発生される塩化水素
分子線の作用に依り、従来の前処理法では除去すること
ができなかった基板表面の残留炭素を除去することが可
能となり、且つ、成長条件を広い範囲に亙って変えても
高純度の単結晶層をエピタキシャル成長させることがで
きる。
第1図は本発明の原理を解説する為の説明図、第2図は
本発明一実施例の要部説明図をそれぞれ示している。 図に於いて、1はガス混合反応室、1A及び1Bは第一ガス
送入管及び1Bは第二ガス送入管、2は加熱ヒータ、3は
GaAs基板、11は結晶成長室、12はゲート・バルブ、13は
ヒータ、14は熱電対、15はサセプタ、16は液体窒素シュ
ラウド、17は分子線源ファーネス、18はバルブ、19はマ
ス・フロー・コントローラ(MFC)をそれぞれ示してい
る。
本発明一実施例の要部説明図をそれぞれ示している。 図に於いて、1はガス混合反応室、1A及び1Bは第一ガス
送入管及び1Bは第二ガス送入管、2は加熱ヒータ、3は
GaAs基板、11は結晶成長室、12はゲート・バルブ、13は
ヒータ、14は熱電対、15はサセプタ、16は液体窒素シュ
ラウド、17は分子線源ファーネス、18はバルブ、19はマ
ス・フロー・コントローラ(MFC)をそれぞれ示してい
る。
Claims (2)
- 【請求項1】分子線源ファーネス内にアルシン・ガスと
塩素ガスとを導入して反応させ塩化水素分子線及び砒素
分子線を取り出して基板に照射し、 それと共にIII族元素を含む有機金属ガスを該基板に照
射して砒素及びIII族元素を含む化合物半導体単結晶層
を成長させる工程 が含まれてなることを特徴とする分子線エピタキシャル
成長方法。 - 【請求項2】アルシン・ガス送入管及び塩素ガス送入管
が作り付けられたガス混合反応室を有する分子線源ファ
ーネスを備えてなる分子線エピタキシャル成長装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63198040A JP2714824B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 分子線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63198040A JP2714824B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 分子線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0247826A JPH0247826A (ja) | 1990-02-16 |
JP2714824B2 true JP2714824B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=16384537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63198040A Expired - Lifetime JP2714824B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 分子線エピタキシャル成長方法及びそれを実施する装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2714824B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117431624B (zh) * | 2023-12-20 | 2024-03-26 | 苏州焜原光电有限公司 | 一种分子束外延生长方法及气态锑源供给装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2735190B2 (ja) * | 1987-04-02 | 1998-04-02 | 日本電気株式会社 | 分子線エピタキシヤル成長方法及び成長装置 |
-
1988
- 1988-08-10 JP JP63198040A patent/JP2714824B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0247826A (ja) | 1990-02-16 |
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