JP2713995B2 - インクジエツト記録方法及びインクジエツト記録装置 - Google Patents

インクジエツト記録方法及びインクジエツト記録装置

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JP2713995B2 JP63149876A JP14987688A JP2713995B2 JP 2713995 B2 JP2713995 B2 JP 2713995B2 JP 63149876 A JP63149876 A JP 63149876A JP 14987688 A JP14987688 A JP 14987688A JP 2713995 B2 JP2713995 B2 JP 2713995B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、疑似輪郭の発生のない、より高価質のフル
カラー画像を形成する新規なインクジエツト記録方法及
びインクジエツト記録装置に関する。
〔従来の技術〕
インクジエツト記録方法は、記録ヘツドのノズルから
インクの液滴を吐出させ、このインク滴を紙,布などの
被記録材に吸収させて画像等の記録を行うものであり、
騒音の発生が少なく、特別な定着処理を要することな
く、しかも高速記録、フルカラー記録の可能な記録方法
である。
フルカラーの記録は、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C)の3色またはブラツク(K)を加
えた4色を減法混色することによって行う。すなわち、
記録ヘツドの各色に専有のノズルから3色のインクある
いはブラツク(K)を加えた4色のインクを、各々の色
の吐出量を制御しながら吐出し、被記録材の1画素に各
々のインクを混合吸収させてフルカラーの記録を行う。
例えば、インクジエツト方式のプリンタヘツド内に円
筒状の圧電素子を用いた従来のプリンタにおいて、記録
紙に印字するドツト径を変化させることによって濃度階
調を出すことができる。
一方、最大ドツトと最小ドツトとの変化率がそれほど
大きくないので、カラー自然画像を出力するには濃度域
が不足する。そこで、互いに同一色であって、低濃度の
インク(淡インク)と高濃度のインク(濃インク)とを
用意し、低濃度域と高濃度域とでヘツドを切換えること
によって濃淡インクを使い分け、必要な濃度域を確保す
るようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、記録紙における所定位置に淡インクと他の色
のインクとを吐出した場合と、上記淡インクと同じ色の
濃インクと上記他の色のインクとを吐出した場合とで
は、色に違いが出るという問題が新たに起こった。
つまり、出力画像中で滑らかに色が変化している途中
で、濃淡インクの切換えを行うと、その切換え部分にお
いて、疑似輪郭が生じ、不自然な画像となる。
そこで、本発明の目的は、前述した従来の問題点に鑑
み、混色によって生ずる疑似輪郭を軽減し、高品質の画
像が得られる新規なインクジエツト記録方法及び装置を
提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。
即ち本発明は、複数色のインクを用い、そのうちの少
なくとも1色については、染料濃度の異なる複数のイン
クを用いて、インクの吐出量を変化させて混色部を含む
カラー画像を形成するインクジェット記録方法に於い
て、予め反射濃度補正手段に書き込まれた補正テーブル
に基づいて、インク吐出に係る反射濃度データを、1画
素当りに付与されるインクの総量に応じて補正すること
を特徴とするインクジェット記録方法である。
又本発明は、複数色のインクを用い、そのうちの少な
くとも1色については染料濃度の異なる複数のインクを
用いて、インクの吐出量を変化させることにより階調表
現を行い、カラー画像を形成するインクジェット記録装
置に於いて、1画素当たりに付与されるインクの総量に
応じて、インク吐出に係る反射濃度データを補正する反
射濃度補正テーブルが書き込まれた反射濃度補正手段を
有することを特徴とするインクジェット記録装置であ
る。
〔作用〕
本発明者は、係る疑似輪郭が発生する一因は、1画素
での混色時に生ずるインクの溶媒量の増加に伴う各色反
射濃度の局部的な上昇現象にあることをつきとめた。
また、フルカラーのインクジェット記録方法では所定
の反射濃度を実現するために、インク吐出量等との関係
から同じ色のインクで濃インクと淡インクとを使い分け
る必要があり、ある反射濃度を(淡インクと濃インクの
再現濃度が重複する領域)実現するためには濃インクと
淡インクを混在させて記録している。また、この反射濃
度域においては被記録材に記録されるドツトの大きさを
濃インクでは小さく淡インクでは大きくしている。従っ
て、濃インクと淡インクとを混在させて実現される画像
には、濃インクの小ドツトと淡インクの大ドツトが混在
するものであり、疑似輪郭発生の原因は、この濃淡ドツ
ト間における上記反射濃度の上昇の傾向に差があること
によるものと考えられる。
以下、第5図を用いて上記現象について説明する。
第5図はインク吐出量と反射濃度との関係を示した図
であり、図において、1は濃インクを単色記録した場
合、2は濃インクの吐出量に1画素当りの総インク量が
紙の最大吸収量となるような溶媒のみを打ち重ねて記録
した場合、3は淡インクを単色記録した場合、4は2と
同様淡インクに溶媒を打ち重ねて記録した場合の、それ
ぞれ反射濃度とインク吐出量との関係を示す図である。
線図1と線図2あるいは線図3と線図4との比較から
明らかなように溶媒量が増すと反射濃度が上昇する傾向
があり、さらに濃インクと淡インクとではその上昇率に
差があることが解かる。例えば、単色で記録した際に等
しい反射濃度である図中A1およびB1の場合が、溶媒量が
増すことによって図中A1およびB2で示すように変化し、
濃インクと淡インクとでは混色時、すなわち他色インク
が重なった時に反射濃度の上昇率に差が生ずることが理
解される。
この溶媒量を増すと反射濃度が上昇する現象およびイ
ンクの濃度によって反射濃度の上昇率に差があることの
原因は以下のように考えられる。
記録されたドツトに溶媒が付加されると、ドツト径は
広がる。すなわち、被記録材のある1点に高濃度に存在
していた色素が増加した溶媒によりその分布が広範囲に
広がる。ところで、反射濃度は色素が有する、一種の反
射に係る強度であるから、色素の分布が広がることによ
り、ある強度の色素が占める面積が増加し、従って、単
位面積当りの反射濃度は上昇することになる。濃インク
の場合、淡インクに比較してその含有色素が多いため、
この現象がより顕著に現われるものと考えられる。
従来は、この上昇分を考慮せずに画像処理を行ってい
たため、各色を混合した場合溶媒量が増加して、その結
果画素あたりの反射濃度に局部的上昇が生じて疑似輪郭
が発生していた。
本発明では、混色時の溶媒増加に伴う反射濃度の上昇
を考慮して、インク吐出に係る反射濃度データを補正す
ることにより画像形成時において疑似輪郭の発生を抑え
ることが可能となった。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
第6図は、ある色における溶媒量の増加率と溶媒が増
加することによる反射濃度の増加率との関係を表わす線
図であり、横軸を単位面積当りの溶媒増加率x、縦軸を
反射濃度の増加率yとする。
反射濃度増加率yと溶媒増加率xは近似的に比例関係
にあることが実験により確かめられている。従って、こ
の関係を式で表わすと、 y=kax (1) ただし、ka:a色(Y,M,C,Kのいずれか1色)における
比例定数 また、インクに含まれる染料(溶質)の割合は微少な
ものであるから、溶媒量を吐出インク量で近似すれば、
溶媒増加率xは以下のように表わされる。
x=(xS0−xa0)/xa0 (2) ただし、xS0単位面積当りの総インク吐出量 xa0:単位面積当りのa色のインク吐出量 さらに、反射濃度増加率は以下のように表わされる。
y=(ya1−ya0)/ya0 (3) ただし、ya1:ya0が溶媒の影響を受け上昇した時の反
射濃度 ya0:a色における単色印字時の反射濃度 (1)式,(2)式および(3)式から、 (ya1−ya0)/ya0=ka(xS0−xa0)xa0 (4) となる。ところで、実際に記録される画像の反射濃度
は、溶媒増加の影響によって反射濃度が上昇したもので
あるから、逆に反射濃度増加率ya1の記録画像を得るた
めには、記録ヘツドを駆動するヘツド駆動回路へ入力す
る反射濃度データはya0であることが必要となる。
すなわち、所望する反射濃度データya1は、以下に示
す式によって補正した値ya1′(ya0)をヘツド駆動回路
への入力データとすることによって実現される。すなわ
ち(4)式を変形して、 ya1′(ya0)=ya1/{ka(xs0−xa0)/xa0+1}
(5) (5)式において、xs0≡Qs,xa0≡Qa,ya1≡Daとすれ
ば、(5)式は以下のように表わされる。
Da′=Da/{ka(Qs−Qa)/Qa+1} (6) ただし、Daはa色における従来の入力信号、すなわち補
正前の反射濃度、Da′は補正後の入力反射濃度、Qsは1
画素あたりの吐出インク量の総和、Qaはa色のインク吐
出量である。
第1図は、本発明の一実施例を示す画像処理回路図で
ある。
この実施例は、説明を簡単にするために、シアン,マ
ゼンタ,イエローの3色のうち、マゼンタのみ濃淡イン
クを使用し、シアン,イエローについては濃度が1種類
のインクを使用するインクジエツト記録装置を示すもの
である。
この実施例は、画像データを記憶するRメモリ11,Gメ
モリ12,Bメモリ13,画像データを反射濃度値に変換するL
og ROM14と、反射色濃度値を色補正するマスクROM15
と、OD値補正手段20と、色補正された反射濃度をヘツド
にかける電圧値に変換するシアン用OD-V ROM31,マゼン
タ用OD-V ROM32,イエロー用OD-V ROM33と、シアン用ヘ
ツドの印加電圧Vcとイエロー用ヘツドの印加電圧Vyとを
加算する加算器34と、ヘツドドライバ40とを有する。
OD値補正手段20は、所定位置に吐出するインクの総量
の情報と、同一色のインクであって染料濃度の異なる複
数のインクのうちでどのインクを使用したかの情報と、
インクの反射濃度の情報とに基づいて、混色における反
射濃度上昇分を差引いた補正値を出力する手段の一例で
ある。
次に、上記実施例の動作について説明する。
まず、R,G,Bメモリ11,12,13に記憶された画像データ
は、Log ROM14において反射濃度値C,M,Yとなり、マスク
ROM15によって色補正を受け、C′,M′,Y′と濃淡信号
(マゼンタのインクとして濃インク、淡インクのいずれ
を使用するかを示す信号)とを出力する。色補正された
反射濃度値C′,Y′は、それぞれ、OD-V ROM31,33によ
って電圧値に変換され、これらの変換された電圧Vc,Vy
は加算器34によって加算され、この加算された結果Vcy
はOD値補正手段20に入力される。
OD値補正手段20は、ROMで構成され、上記濃淡信号
と、色補正された反射濃度値M′と加算器34の出力信号
とを入力し、これらの情報に基づいて、補正値M″が出
力され、この補正値M″が電圧値に変換される。このよ
うにして、電圧値Vc,Vm,Vyがヘツドドライバ40に送ら
れ、図示しないヘツドを駆動してインクを吐出する。
ところで、ヘツドにかかる電圧値とインク溶媒量の関
係は比例関係にあり、最小ドツトが出る25Vでのインク
溶媒量を1としたときに、最大ドツトが出る75Vでのイ
ンク溶媒量が3となる。
従って、電圧値をV(Vは25〜75)としたときのイン
ク吐出量x0は以下の(7)式で表わされる。
x0=(V-25)×2/(75-25)+1 (7) (7)式からインク溶媒量を求め、(2)式から溶媒
増加率を求め、(1)式から反射濃度増加率を求めるこ
とができるので、(3)式から混色によって上昇した反
射濃度ya1を求めることができる。
従って、反射濃度ya1を得ようとするには、反射濃度y
a0のインク量を吐出すれば良い。
kaの求め方については後述する。
上記実施例の場合、たとえばマゼンタ,イエロー混色
時におけるマゼンタの補正係数を求める時に必要なの
は、マゼンタの反射濃度の情報と、マゼンタの濃,淡イ
ンクのどちらを吐出するかの情報と、マゼンタとイエロ
ーの補正前の駆動電圧値であり、これらの情報からマゼ
ンタの補正反射濃度値を出力するROMテーブルを作成す
ることができる。
第2図は、上記実施例において、OD値補正手段20の一
例であるOD値補正ROMにテーブルを書込む動作を示すフ
ローチヤートである。
このフローチヤートにおいてK(0)はマゼンタ淡イ
ンクでのOD値上昇係数であり、K(1)はマゼンタ濃イ
ンクでのOD値上昇係数であり、ODV(M′)は、マゼン
タの反射濃度を電圧値へ変換するテーブルであり、tab
(M′、Vcy、Msel)は、OD値補正ROMへの書込みデータ
である。なお、マゼンタの濃淡を示す濃淡信号Mselは通
常、0または1であり、Vcyは50〜150であり、M′は0.
01〜1.27の間で変化する。
まず、濃淡インクのうち淡インクについてテーブルを
作成する(S1)。この場合、マゼンタ淡インクでのOD値
上昇係数をKaとし(S3)、Vcyを50にセツトし(S4)、
マゼンタの反射濃度値M′を0.01にセツトし(S6)、S8
に進む。
このS8において、(7)式に基づいて、シアン,マゼ
ンタの2色分の和xC+M,Oを求め、マゼンタの反射濃度値
M′から、テーブルを参照して電圧値Vmを求め、xM,O,
x,yを求めた後に、テーブルtab(M′,Vcy,Msel)に基
づいてyM,1(DM′)を求める。そしてM′を0.01インク
リメントし(S9)、上記S8の動作を繰返す。この場合、
M′が1.27以上になればVcyを1インクリメントし(S1
0)、上記動作を繰返す。なお、Vcyが150以上になれば
(S5)、Mselを1インクリメントし(S11)、上記動作
を繰返す。
上記実施例はマゼンタのみに濃淡インクを使用する場
合であるが、シアンまたはイエローに濃淡インクを使用
する場合も同様であり、また、シアン,マゼンタ,イエ
ローのうち複数色が濃淡インクを採用する場合も同様に
説明することができる。
第3図は本実施例に係る画像処理回路を示している。
第3図において、5は入力されたR,G,B信号のマスキ
ングを行うマスキング回路、10はマスキング回路からの
DYO,DMO,DCO信号の共通成分である無彩色成分Kを取
り出し、DYO,DMO,DCO信号からDYO′,DMO′,DCO′,
DKO′の各信号を得る下色除去回路である。各反射濃度
信号に基づいて記録を行うインクの濃度を選定するイン
ク濃度選定回路、7はインク濃度選定回路6から各色の
反射濃度信号DY,DM,DC,DKに応じて各色のインク吐出
量を設定する濃度−吐出量変換回路である。
8は本発明に係る補正回路であり、インク濃度選定回
路6からの各色の反射濃度信号DY,DM,DC,DKおよび濃
度−吐出量変換回路7からの各色のインク吐出量信号
VY,VM,VC,VKに応じて前記した(6)式で示す補正式
に基づいて補正を行う。9はヘツド駆動回路であり、補
正回路8からの補正された各色の反射濃度信号DY′,
DM′,DC′,DK′により第3図に示したような関係に基
づいて記録ヘツドにインク吐出量の信号を出力する。
第4図は、第3図の回路8の詳細な説明図である。
回路7にて変換されたVy,Vm,Vc,Vkは回路85〜88に
て式(2)の計算がなされVcmk,Vcyk,Vmyk,Vcmyとに
各々回路81〜84へ送られる。そこで回路6より送られて
きた反射濃度データと共に(6)式の計算が行われ、補
正値DY′,DM′,DC′,DK′が得られる。
次に、補正式(6)における比例定数kaを求めるため
の実験例を示す。
実験例1 下記組成の無色インクを作成し、そののちに染料を加
えイエロー,マゼンタ,シアン,ブラツクの下記に示す
ような4色のそれぞれ濃淡インクを調整した。
無色インク 組成比 水 50重量部 ジエチレングリコール 30重量部 N・メチル・2・ピロリドン 10重量部 ポリエチレングリコール 10重量部 上記インクのうちマゼンタ濃インク(インクNo.3)を
例にとると、ピエゾジエツトプリンタを使用し、マゼン
タ濃インクを25V,50V,75Vの駆動電圧で記録を行った。
その際、それぞれの記録に溶媒すなわち無色インクを0
V,25V,50V,75V,75+50Vの電圧で重ねて記録を行い、得
られたサンプルについて反射濃度を測定した。
駆動電圧とインクの吐出量は比例関係にあるので、電
圧を吐出量に変換し、マゼンタ濃インク量Q1に対しての
溶媒量Q2の増加分Q2/Q1を計算した。すなわち、駆動電
圧25(V)のときの吐出量を1として計算した。また単
色印字時に対する溶媒増加に伴う濃度上昇率を算出し
た。この結果を表わしたのが表1である。
溶媒増加率と濃度増加率とは線形関係にあるとしたか
ら、表1の両者の値から最小2乗法を用いてKMconcを求
めるとKMconc=8.2となった。
尚、反射濃度の測定は、インクジエツトプリンタRP-6
01(キヤノン製)の改造品を用いて、170dpiの記録密度
で記録した画像に対し、高速分光光度計CA-35型(村上
色彩技術研究所)を用いて行った。
同様にして他色のインクについての反射濃度−吐出量
関係定数kaを得た。
上記定数を用いて、各インクにおいて本発明に係る補
正を行い、入力データDaがマゼンタ(DM)0.88,シアン
(DC)0.45の2色混色のパツチを得た。
DM0.88は濃マゼンタインクを用い、インク量QMは2必
要である。DC0.45は淡シアンインクを用い、QCは2であ
る。これらを表にまとめると以下のようになる。
上記の値を式(6)に代入すると、 DM′=0.81 DC′=0.44 となり、補正値DM′,DC′が求まる。
入力データDa′)をDM′=0.81,DC′=0.44としてパ
ツチを得、反射濃度を測定したところ、マゼンタ成分0.
88、シアン成分0.45の所望どおりの反射濃度が得られ、
実際の画像においても疑似輪郭は軽減され、画質が著し
く向上した。
実験例2〜5 実験例1と同様の染料を用い、濃度の異なるインクを
作成し、定数kaを求めると表3のようになった。
実験例2〜5でkaを求めたインクを表4のように組み
合わせて、Y,M,C,Bkインクを用いたカラー画像形成を行
ったところ、実験例1同様、所望どおりの反射濃度が得
られ、実際の画像においても疑似輪郭は軽減され、画質
が著しく向上した。
以上の説明から明らかなように、混色時の溶媒増加に
伴なう反射濃度の上昇を考慮して、インク吐出に係る反
射濃度データを補正することにより画像形成時におい
て、所望の反射濃度を得ることが可能となった。この結
果、疑似輪郭が軽減され画質が向上するという効果が得
られた。
比較実験例1 実験例1の2色混色パツチを、補正を行わずに作成し
たところ、そのパツチの反射濃度は、マゼンタ成分0.9
7,シアン成分0.46となり、所望の色よりも赤味がかった
パツチとなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係る画像処理回路のブロツ
ク図、第2図は、上記実施例においてOD値補正手段の一
例であるOD値補正ROMにテーブルを書き込む動作を示す
フローチヤート図、第3図は本発明の別の実施例に係る
画像処理回路のブロツク図、第4図は、第3図の補正回
路の詳細説明図、第5図は、反射濃度とインク吐出量の
関係を示す図、第6図は、本発明の一実施例に係る反射
濃度増加率と溶媒増加率との関係を表わす図である。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数色のインクを用い、そのうちの少なく
    とも1色については、染料濃度の異なる複数のインクを
    用いて、インクの吐出量を変化させて混色部を含むカラ
    ー画像を形成するインクジェット記録方法に於いて、予
    め反射濃度補正手段に書き込まれた補正テーブルに基づ
    いて、インク吐出に係る反射濃度データを、1画素当り
    に付与されるインクの総量に応じて補正することを特徴
    とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】前記インク吐出に係る反射濃度データを、
    下記式に従って補正する請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録方法。 Da′=Da/{Ka(Qs−Qa)/Qa+1} 但し、a:インクの種類、 Ka:aインクの反射濃度増加率−インク吐出量増加率関係
    定数、 Da:aインクにおける補正時の反射濃度、 Da′:aインクにおける補正後の反射濃度、 Qs:1画素当りの吐出インク量の総和、 Qa:1画素当りのaインクの吐出インク量を表す。
  3. 【請求項3】前記複数色のインクのうち、マゼンタイン
    クとして、染料濃度の異なる複数のインクを用いる請求
    項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】前記複数色のインクのうち、シアンインク
    として、染料濃度の異なる複数のインクを用いる請求項
    1に記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】複数色のインクを用い、そのうちの少なく
    とも1色については染料濃度の異なる複数のインクを用
    いて、インクの吐出量を変化させることにより階調表現
    を行い、カラー画像を形成するインクジェット記録装置
    に於いて、1画素当たりに付与されるインクの総量に応
    じて、インク吐出に係る反射濃度データを補正する反射
    濃度補正テーブルが書き込まれた反射濃度補正手段を有
    することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】前記インク吐出に係る反射濃度データを、
    下記式に従って補正する請求項5に記載のインクジェッ
    ト記録装置。 Da′=Da/{Ka(Qs−Qa)/Qa+1} 但し、a:インクの種類、 Ka:aインクの反射濃度増加率−インク吐出量増加率関係
    定数、 Da:aインクにおける補正時の反射濃度、 Da′:aインクにおける補正後の反射濃度、 Qs:1画素当りの吐出インク量の総和、 Qa:1画素当りのaインクの吐出インク量を表す。
  7. 【請求項7】前記複数色のインクのうち、マゼンタイン
    クとして、染料濃度の異なる複数のインクを用いる請求
    項5に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】前記複数色のインクのうち、シアンインク
    として、染料濃度の異なる複数のインクを用いる請求項
    5に記載のインクジェット記録装置。
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