JP2713956B2 - 低温ドライエッチング装置 - Google Patents
低温ドライエッチング装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低温ドライエッチング装置に係り、特に低
温における反応ガス制御を可能とする高精度微細加工に
好適な低温ドライエッチング装置に関する。
温における反応ガス制御を可能とする高精度微細加工に
好適な低温ドライエッチング装置に関する。
低温ドライエッチングは、通常の常温におけるドライ
エッチングと異なり、試料を載置する高周波印加電極を
例えば液体窒素(融点−209.86℃、沸点−195.8℃)で
冷却することにより、試料を低温に保持した状態で反応
ガスをプラズマ化して加工する技術であり、加工深さ方
向に強い異方性があり、サイドエッチングの少ない優れ
た微細加工が実現するものとして最近提案され注目され
てきた。この種のものとして、例えば特開昭60−158627
号公報を挙げることができる。
エッチングと異なり、試料を載置する高周波印加電極を
例えば液体窒素(融点−209.86℃、沸点−195.8℃)で
冷却することにより、試料を低温に保持した状態で反応
ガスをプラズマ化して加工する技術であり、加工深さ方
向に強い異方性があり、サイドエッチングの少ない優れ
た微細加工が実現するものとして最近提案され注目され
てきた。この種のものとして、例えば特開昭60−158627
号公報を挙げることができる。
この低温ドライエッチング技術は、第4図に要部を示
すような通常の冷却水40を試料台(電極を兼ねる)41内
部に循環させるものとは基本的に試料台41の冷却目的が
異なる。つまり、通常の試料台を冷却する目的は、周知
のようにドライエッチング中に試料42及び試料台41がプ
ラズマ43下に晒され、それにもとずき試料42の温度が所
定値以上に上昇するため、この温度上昇を防止し、常時
一定温度でエッチング処理が行われるようにするもので
ある。なお、同図において44は反応ガス、45は対向電
極、そして46は高周波電源をそれぞれ示す。
すような通常の冷却水40を試料台(電極を兼ねる)41内
部に循環させるものとは基本的に試料台41の冷却目的が
異なる。つまり、通常の試料台を冷却する目的は、周知
のようにドライエッチング中に試料42及び試料台41がプ
ラズマ43下に晒され、それにもとずき試料42の温度が所
定値以上に上昇するため、この温度上昇を防止し、常時
一定温度でエッチング処理が行われるようにするもので
ある。なお、同図において44は反応ガス、45は対向電
極、そして46は高周波電源をそれぞれ示す。
これに対し、低温ドライエッチングは第5図にその要
部を示すように、その表面が電極を兼ねる試料台41の内
部空間にパイプ50を通し液溜め47を設け、これに液体窒
素のごとき冷媒を供給することにより試料台41を介して
試料42を常温とは比較にならぬ例えば−100℃を越える
低温に保持した状態でプラズマ処理する技術である。な
お、同図において48は電極内部空間の排気装置であり、
49は電気的、熱的絶縁パッキングをそれぞれ示す。この
低温ドライエッチング装置においては、上述のとおり試
料台冷却のため例えば液体窒素などの低温冷媒を用いて
いるので、この試料台及びこれに接する部分の一部は最
低−196℃になる。このような状況下で、プラズマエッ
チングの反応ガスとして例えばSF6を真空処理室内に導
入すると、SF6は10〜100mTorrのガス圧力において約−1
03〜150℃で液化するので試料台のプラズマ照射領域以
外の部分では、−150℃以下になり反応ガスの一部が液
化し吸着される。つまり、プラズマ照射下に晒される試
料台の表面は、プラズマにより加熱され、しかも、試料
台の試料載置部分には、例えばヒーターのごとき温度制
御手段が設けられ試料台の表面温度を任意に制御できる
ので、これらの領域においてはガスの吸着は殆んど生じ
ない。しかし、それ以外の部分、大部分は側壁となる
が、このようにプラズマに晒されない領域は反応ガスを
液化吸着する温度域に冷却されるため最早真空処理室内
のSF6のガス圧力を制御することが困難となり、エッチ
ング処理ができなくなる。
部を示すように、その表面が電極を兼ねる試料台41の内
部空間にパイプ50を通し液溜め47を設け、これに液体窒
素のごとき冷媒を供給することにより試料台41を介して
試料42を常温とは比較にならぬ例えば−100℃を越える
低温に保持した状態でプラズマ処理する技術である。な
お、同図において48は電極内部空間の排気装置であり、
49は電気的、熱的絶縁パッキングをそれぞれ示す。この
低温ドライエッチング装置においては、上述のとおり試
料台冷却のため例えば液体窒素などの低温冷媒を用いて
いるので、この試料台及びこれに接する部分の一部は最
低−196℃になる。このような状況下で、プラズマエッ
チングの反応ガスとして例えばSF6を真空処理室内に導
入すると、SF6は10〜100mTorrのガス圧力において約−1
03〜150℃で液化するので試料台のプラズマ照射領域以
外の部分では、−150℃以下になり反応ガスの一部が液
化し吸着される。つまり、プラズマ照射下に晒される試
料台の表面は、プラズマにより加熱され、しかも、試料
台の試料載置部分には、例えばヒーターのごとき温度制
御手段が設けられ試料台の表面温度を任意に制御できる
ので、これらの領域においてはガスの吸着は殆んど生じ
ない。しかし、それ以外の部分、大部分は側壁となる
が、このようにプラズマに晒されない領域は反応ガスを
液化吸着する温度域に冷却されるため最早真空処理室内
のSF6のガス圧力を制御することが困難となり、エッチ
ング処理ができなくなる。
以上の説明では、冷媒として液体窒素、反応ガスとし
てSF6を例に述べたが、この種の低温ドライエッチング
処理におては、エッチング加工する被加工物の種類に応
じて反応ガスの種類と試料冷却用の冷媒種とを選択する
ことになり、真空処理室内でのこの反応ガスの吸着の問
題は避けて通れない技術課題である。この点、従来にお
いては全く配慮されていなかった。したがって、本発明
の目的は、この技術課題を解決することにあり、いかな
る反応ガスと試料冷却用冷媒を用いようとも、真空室内
での反応ガスの吸着のない常時高精度に反応ガス圧力の
制御可能な改良された低温ドライエッチング装置を提供
することにある。
てSF6を例に述べたが、この種の低温ドライエッチング
処理におては、エッチング加工する被加工物の種類に応
じて反応ガスの種類と試料冷却用の冷媒種とを選択する
ことになり、真空処理室内でのこの反応ガスの吸着の問
題は避けて通れない技術課題である。この点、従来にお
いては全く配慮されていなかった。したがって、本発明
の目的は、この技術課題を解決することにあり、いかな
る反応ガスと試料冷却用冷媒を用いようとも、真空室内
での反応ガスの吸着のない常時高精度に反応ガス圧力の
制御可能な改良された低温ドライエッチング装置を提供
することにある。
上記目的は、中空の高周波印加電極内に、試料冷却手
段が設けられると共にプラズマ照射下に晒される試料台
を構成する電極表面と前記試料冷却手段との間に温度制
御手段の設けられた低温ドライエッチング装置におい
て、前記電極のプラズマ照射下に晒されない領域に断熱
手段を設けると共に、前記断熱手段として、少なくとも
上記電極側壁を含むプラズマ照射下に晒されない領域を
真空層から成る隔壁で包囲したことを特徴とする低温ド
ライエッチング装置によって達成される。そして、望ま
しくは上記断熱手段と共に少なくとも上記試料台の側壁
に加熱手段を設けることにより、2重隔壁構造とし電極
側壁表面の温度を或る範囲内で制御可能とすることであ
る。なお、上記真空層を構成する隔壁内の真空度として
は、1×10-2Torr以下とすることが望ましい。上記加熱
手段としては、例えば真空隔壁の外周に常温の空気等の
熱媒体から成る流体を循環供給する隔壁を設けてもよい
し、また、真空断熱隔壁内の少なくとも試料載置面近傍
に局部的に熱媒体を循環供給するパイプを配設して加熱
するようにしてもよい。
段が設けられると共にプラズマ照射下に晒される試料台
を構成する電極表面と前記試料冷却手段との間に温度制
御手段の設けられた低温ドライエッチング装置におい
て、前記電極のプラズマ照射下に晒されない領域に断熱
手段を設けると共に、前記断熱手段として、少なくとも
上記電極側壁を含むプラズマ照射下に晒されない領域を
真空層から成る隔壁で包囲したことを特徴とする低温ド
ライエッチング装置によって達成される。そして、望ま
しくは上記断熱手段と共に少なくとも上記試料台の側壁
に加熱手段を設けることにより、2重隔壁構造とし電極
側壁表面の温度を或る範囲内で制御可能とすることであ
る。なお、上記真空層を構成する隔壁内の真空度として
は、1×10-2Torr以下とすることが望ましい。上記加熱
手段としては、例えば真空隔壁の外周に常温の空気等の
熱媒体から成る流体を循環供給する隔壁を設けてもよい
し、また、真空断熱隔壁内の少なくとも試料載置面近傍
に局部的に熱媒体を循環供給するパイプを配設して加熱
するようにしてもよい。
また、断熱手段としては上記のように真空隔壁を設け
るほか、試料冷却手段として用いる冷媒の種類によって
は例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹
脂、その他の出来る限り熱伝導率の小さな断熱材で被覆
した構造としてもよい。
るほか、試料冷却手段として用いる冷媒の種類によって
は例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹
脂、その他の出来る限り熱伝導率の小さな断熱材で被覆
した構造としてもよい。
さらにまた、上記試料冷却手段としては上記中空の高
周波印加電極内に低温冷媒を充てんもしくは循環供給さ
せる機構を備えると共に上記温度制御手段としては、ヒ
ーターもしくは熱媒体を循環供給させる加熱機構を備え
て成るが、この温度制御手段は試料温度を任意に設定す
る上で重要となる。そして試料温度を正確に設定するた
めに、温度制御手段は熱電対等の温度検出手段を有して
いることが望ましい。また。上記低温冷媒としては液体
窒素に限らず、その他液体アンモニウム、フレオン(デ
ュポン社商品名)等が使用される場合もあり、これらは
ドライエッチング処理用の反応ガス組成の種類により適
宜選択されるものである。しかし、低温冷媒としては工
業的に大量生産されており、取扱いの容易さから一般に
液体窒素が実用的である。
周波印加電極内に低温冷媒を充てんもしくは循環供給さ
せる機構を備えると共に上記温度制御手段としては、ヒ
ーターもしくは熱媒体を循環供給させる加熱機構を備え
て成るが、この温度制御手段は試料温度を任意に設定す
る上で重要となる。そして試料温度を正確に設定するた
めに、温度制御手段は熱電対等の温度検出手段を有して
いることが望ましい。また。上記低温冷媒としては液体
窒素に限らず、その他液体アンモニウム、フレオン(デ
ュポン社商品名)等が使用される場合もあり、これらは
ドライエッチング処理用の反応ガス組成の種類により適
宜選択されるものである。しかし、低温冷媒としては工
業的に大量生産されており、取扱いの容易さから一般に
液体窒素が実用的である。
上記のような構成とすることにより、試料台が−150
℃以下に冷却されている時においても隔壁表面の温度を
−20℃以上に制御することが可能となる。
℃以下に冷却されている時においても隔壁表面の温度を
−20℃以上に制御することが可能となる。
上記のような装置構成とすることにより、試料冷却の
ための低温冷媒導入に基づく試料台を除く電極周縁低温
部にエッチングガスが吸着されることによりエッチング
処理室内の反応ガス圧力の制御が困難であったという従
来の技術課題は解消された。プラズマ照射下に晒されな
い領域の低温部は、断熱手段で保護され、この部分の表
面温度は試料載置面の温度より格段に高く保持可能であ
る。特に断熱手段の上に加熱手段を付加した場合には、
断熱手段が多少不十分であっても、この加熱手段が表面
温度の上昇を補う作用を果し好ましい。また、断熱手段
としての例えば真空隔壁は電極空間に設けられた冷媒格
納容器の外周を保護するという作用をも有する。真空隔
壁は通常1×10-2Torr以下に排気されるが、好ましくは
1×10-3Torr以下とすることが望ましく、これらの真空
度は、電極に高周波を印加した場合に放電を防止する上
からも必要である。
ための低温冷媒導入に基づく試料台を除く電極周縁低温
部にエッチングガスが吸着されることによりエッチング
処理室内の反応ガス圧力の制御が困難であったという従
来の技術課題は解消された。プラズマ照射下に晒されな
い領域の低温部は、断熱手段で保護され、この部分の表
面温度は試料載置面の温度より格段に高く保持可能であ
る。特に断熱手段の上に加熱手段を付加した場合には、
断熱手段が多少不十分であっても、この加熱手段が表面
温度の上昇を補う作用を果し好ましい。また、断熱手段
としての例えば真空隔壁は電極空間に設けられた冷媒格
納容器の外周を保護するという作用をも有する。真空隔
壁は通常1×10-2Torr以下に排気されるが、好ましくは
1×10-3Torr以下とすることが望ましく、これらの真空
度は、電極に高周波を印加した場合に放電を防止する上
からも必要である。
以下、図面により本発明の実施例を具体的に説明す
る。
る。
<実施例1> 第1図は、本発明装置を平行平板型の反応性スパッタ
エッチング装置へ適用した場合の一例を示したものであ
る。図において、1は反応処理ガス導入管、2は上部対
向電極、3は真空処理室、4は反応処理ガスで、試料5
の載置された電極を兼ねた冷却試料台19の上部表面19′
と対向電極2との間に高周波が印加されるとその空間に
おいてプラズマが発生する。6は熱供給機構を構成する
熱媒体〔例えば空気、第1図(b)を参照〕を循環供給
する導入パイプ、7は温度制御手段を構成するヒータ
ー、8は断熱手段を構成する真空隔壁、9は電極内部空
間に格納された試料冷却手段の冷媒となる液体窒素、10
はその導入口、11は電気絶縁を兼ねた断熱材(パッキン
グ)、12は絶縁材、13は窒素ガス排出口、14は真空処理
室3内を排気するポンプ、15は真空隔壁内を排気するポ
ンプ、16はヒーター7へ供給するヒーター電源、17は電
極に供給する高周波電源、18は供給する液体窒素、20は
熱供給源(この場合空気供給ポンプ)をそれぞれ示す。
この装置の特徴としては、ステンレス製の冷却試料台
(電極を兼ねる)19の側壁と底部とをステンレス製の真
空隔壁8で包囲し、かつ試料載置面近傍の接続部(冷却
試料台と隔壁との接続部)に熱供給機構として熱媒体
(この場合、常温の空気)を循環供給するパイプを配設
して局部的に加熱可能な構造とし、真空層による断熱手
段と熱媒体による冷却試料台19と隔壁8との接続部の熱
的補強を強化したところにある。熱供給機構6〔第1図
(b)を参照〕には空気を用いたが、その他周知の気
体、液体等の熱媒体を循環させ得ることは云うまでもな
い。上記接続部の封止が完全であれば、この熱供給機構
6を省略してもよい。また、排気ポンプ15は必ずしも必
要ではないが、真空処理室3と隔壁内部との真空漏れや
脱ガス等の影響をできるだけ避けるためには配設するこ
とが望ましい。
エッチング装置へ適用した場合の一例を示したものであ
る。図において、1は反応処理ガス導入管、2は上部対
向電極、3は真空処理室、4は反応処理ガスで、試料5
の載置された電極を兼ねた冷却試料台19の上部表面19′
と対向電極2との間に高周波が印加されるとその空間に
おいてプラズマが発生する。6は熱供給機構を構成する
熱媒体〔例えば空気、第1図(b)を参照〕を循環供給
する導入パイプ、7は温度制御手段を構成するヒータ
ー、8は断熱手段を構成する真空隔壁、9は電極内部空
間に格納された試料冷却手段の冷媒となる液体窒素、10
はその導入口、11は電気絶縁を兼ねた断熱材(パッキン
グ)、12は絶縁材、13は窒素ガス排出口、14は真空処理
室3内を排気するポンプ、15は真空隔壁内を排気するポ
ンプ、16はヒーター7へ供給するヒーター電源、17は電
極に供給する高周波電源、18は供給する液体窒素、20は
熱供給源(この場合空気供給ポンプ)をそれぞれ示す。
この装置の特徴としては、ステンレス製の冷却試料台
(電極を兼ねる)19の側壁と底部とをステンレス製の真
空隔壁8で包囲し、かつ試料載置面近傍の接続部(冷却
試料台と隔壁との接続部)に熱供給機構として熱媒体
(この場合、常温の空気)を循環供給するパイプを配設
して局部的に加熱可能な構造とし、真空層による断熱手
段と熱媒体による冷却試料台19と隔壁8との接続部の熱
的補強を強化したところにある。熱供給機構6〔第1図
(b)を参照〕には空気を用いたが、その他周知の気
体、液体等の熱媒体を循環させ得ることは云うまでもな
い。上記接続部の封止が完全であれば、この熱供給機構
6を省略してもよい。また、排気ポンプ15は必ずしも必
要ではないが、真空処理室3と隔壁内部との真空漏れや
脱ガス等の影響をできるだけ避けるためには配設するこ
とが望ましい。
上記装置の作用について説明すると、先ず、液体窒素
18をその導入口10から冷却試料台19のタンクの中に溜め
た。この時、タンクに液体窒素が半分以上入った状態で
タンク壁面の温度は−170℃以下になった。また、ヒー
ター7に通電し、試料載置部、すなわち上部表面19′の
温度を−100℃に制御した。同時に、空気供給ポンプ20
を動作させ空気導入パイプ6〔第1図(b)を参照〕に
室温の空気を導入しつつ、真空隔壁8内をポンプ15で排
気した。この時、隔壁8の真空処理室3内に面した外壁
の温度は約0℃であった。
18をその導入口10から冷却試料台19のタンクの中に溜め
た。この時、タンクに液体窒素が半分以上入った状態で
タンク壁面の温度は−170℃以下になった。また、ヒー
ター7に通電し、試料載置部、すなわち上部表面19′の
温度を−100℃に制御した。同時に、空気供給ポンプ20
を動作させ空気導入パイプ6〔第1図(b)を参照〕に
室温の空気を導入しつつ、真空隔壁8内をポンプ15で排
気した。この時、隔壁8の真空処理室3内に面した外壁
の温度は約0℃であった。
この温度制御された冷却試料台上に試料5を載置し、
エッチングガス4としてSF6を対向電極2の中心より導
入した。SF6接触する温度の最も低い部分は、冷却試料
台の上面で−100℃であるため、SF6の電極周縁での吸着
は全く生じなかった。つまり、SF6をエッチングガスと
し、冷媒を液体窒素とした場合には、試料載置面下の温
度制御手段により試料面上の温度はSF6が吸着されない
所定温度に設定可能であると共に、本発明の隔壁手段に
より従来試料台周縁部において避けられなかった低温部
でのガス吸着をも完全に防止することができ、極めて低
温の試料冷却媒体を使用してもエッチングガス圧の制御
が容易となった。
エッチングガス4としてSF6を対向電極2の中心より導
入した。SF6接触する温度の最も低い部分は、冷却試料
台の上面で−100℃であるため、SF6の電極周縁での吸着
は全く生じなかった。つまり、SF6をエッチングガスと
し、冷媒を液体窒素とした場合には、試料載置面下の温
度制御手段により試料面上の温度はSF6が吸着されない
所定温度に設定可能であると共に、本発明の隔壁手段に
より従来試料台周縁部において避けられなかった低温部
でのガス吸着をも完全に防止することができ、極めて低
温の試料冷却媒体を使用してもエッチングガス圧の制御
が容易となった。
この装置を用いて実際に試料をドライエッチングした
例について、以下に説明する。
例について、以下に説明する。
SF6のガス導入量及びポンプ14の排気量との関係によ
り、真空処理室3内のSF6のガス圧力を10〜100mTorrの
範囲に調整し、エッチングを行った。このガス圧力の範
囲内では、SF6ガスは通常−130〜−150℃で液化する
が、本発明においては上述のとおり、試料表面が−100
℃に温度制御されており、隔壁8の外周が約0℃に保持
されているのでSF6ガスの液化による真空処理室内での
ガス吸着の問題は完全に解消されている。
り、真空処理室3内のSF6のガス圧力を10〜100mTorrの
範囲に調整し、エッチングを行った。このガス圧力の範
囲内では、SF6ガスは通常−130〜−150℃で液化する
が、本発明においては上述のとおり、試料表面が−100
℃に温度制御されており、隔壁8の外周が約0℃に保持
されているのでSF6ガスの液化による真空処理室内での
ガス吸着の問題は完全に解消されている。
第2図は第1図に示した本発明実施例による隔壁8の
ガス吸着防止効果を、隔壁を設けない比較例と対比した
場合の特性曲線図を示したもので、縦軸は真空処理室内
のSF6のガス圧力(Pa表示)を、横軸は真空処理室内に
供給したSF6のガス流量(cc/min.表示)をそれぞれ示し
たものである。図において、曲線aは本発明実施例の隔
壁のある電極構造の場合を示しているが、SF6のガス流
量の増大と共にガス圧力が増大している様子がわかる。
一方、比較例の曲線bの場合は、隔壁が設けられておら
ず、SF6が冷却試料台側面に吸着するので、流量を増大
してもガス圧力は増大しなかった。
ガス吸着防止効果を、隔壁を設けない比較例と対比した
場合の特性曲線図を示したもので、縦軸は真空処理室内
のSF6のガス圧力(Pa表示)を、横軸は真空処理室内に
供給したSF6のガス流量(cc/min.表示)をそれぞれ示し
たものである。図において、曲線aは本発明実施例の隔
壁のある電極構造の場合を示しているが、SF6のガス流
量の増大と共にガス圧力が増大している様子がわかる。
一方、比較例の曲線bの場合は、隔壁が設けられておら
ず、SF6が冷却試料台側面に吸着するので、流量を増大
してもガス圧力は増大しなかった。
試料5として、シリコンウェーハを用い所定のマスク
を介してドライエッチングし、800nm/min.のエッチング
速度で良好なエッチング加工ができた。エッチング形状
も低温ドライエッチング特有のサイドエッチングのほと
んどない異方性エッチングが達成できた。
を介してドライエッチングし、800nm/min.のエッチング
速度で良好なエッチング加工ができた。エッチング形状
も低温ドライエッチング特有のサイドエッチングのほと
んどない異方性エッチングが達成できた。
なお、試料5としては他の材料、例えばタングステ
ン、モリブデン、タンタル、アルミニウム等も勿論エッ
チングできるが、最適温度及びその他のエッチング条件
はシリコンとは異なり適宜選択することになる。また、
上記装置において、絶縁断熱材(パッキング)11として
テフロンを用いたが、構造上の工夫によっては必ずしも
絶縁断熱材を用いなくとも実用上問題のない断熱性、す
なわち隔壁8の冷却防止を図をことができる。ただし、
断熱隔壁を真空処理室の壁面から電気的に絶縁する必要
のあることは云うまでもない。
ン、モリブデン、タンタル、アルミニウム等も勿論エッ
チングできるが、最適温度及びその他のエッチング条件
はシリコンとは異なり適宜選択することになる。また、
上記装置において、絶縁断熱材(パッキング)11として
テフロンを用いたが、構造上の工夫によっては必ずしも
絶縁断熱材を用いなくとも実用上問題のない断熱性、す
なわち隔壁8の冷却防止を図をことができる。ただし、
断熱隔壁を真空処理室の壁面から電気的に絶縁する必要
のあることは云うまでもない。
次に、第1図(b)〜(d)は、上記第1図(a)に
例示した装置の冷却試料台19まわりの異なる実施例とな
る断熱隔壁手段の要部を示したものである。
例示した装置の冷却試料台19まわりの異なる実施例とな
る断熱隔壁手段の要部を示したものである。
第1図(b)は、隔壁8全体を中空2重構造とし、そ
の内部に第1図(a)と同様の真空隔壁8aを、そしてそ
の外周部に熱供給手段の設けられた隔壁8bを設けたもの
である。この熱供給手段としてここでは空気等の流体熱
媒体を循環する構造としたものである。つまり真空断熱
隔壁の外周一面に熱媒体隔壁を設けたもので先に示した
第1図(a)の構造よりも若干複雑になるが、隔壁全体
の温度分布はより均一に制御でき、ガス吸着防止効果の
信頼性は一層向上する。
の内部に第1図(a)と同様の真空隔壁8aを、そしてそ
の外周部に熱供給手段の設けられた隔壁8bを設けたもの
である。この熱供給手段としてここでは空気等の流体熱
媒体を循環する構造としたものである。つまり真空断熱
隔壁の外周一面に熱媒体隔壁を設けたもので先に示した
第1図(a)の構造よりも若干複雑になるが、隔壁全体
の温度分布はより均一に制御でき、ガス吸着防止効果の
信頼性は一層向上する。
第1図(c)は、冷却試料台19と真空隔壁8との接続
部に断熱材21、例えばテフロン等を設置したものであ
る。この場合は第1図(a)、(b)のように接続部に
熱供給源がないため、構造は簡略化できるが真空処理室
3と隔壁8内部との真空シールの信頼性の点ではやや低
下する。
部に断熱材21、例えばテフロン等を設置したものであ
る。この場合は第1図(a)、(b)のように接続部に
熱供給源がないため、構造は簡略化できるが真空処理室
3と隔壁8内部との真空シールの信頼性の点ではやや低
下する。
第1図(d)は、第1図(b)の熱媒体循環方式に代
り、ヒーター22による加熱方式としたものである。図示
のように、真空隔壁8の外周部内壁にコイル状のヒータ
ー22を配設したものであり、電源は試料台の温度制御手
段のヒーター電源16と共用とした。ただし、電源16とヒ
ーター22との間には高周波漏洩防止用フィルタ23を介し
て接続した。この構造のものは、熱媒体循環方式に比
べ、加熱効率が高く、また、電気的に制御できるので、
制御精度が高い。しかし、電極に高周波電力が印加され
ることから、電気配線の途中に高周波漏洩防止フィルタ
が必要となる。
り、ヒーター22による加熱方式としたものである。図示
のように、真空隔壁8の外周部内壁にコイル状のヒータ
ー22を配設したものであり、電源は試料台の温度制御手
段のヒーター電源16と共用とした。ただし、電源16とヒ
ーター22との間には高周波漏洩防止用フィルタ23を介し
て接続した。この構造のものは、熱媒体循環方式に比
べ、加熱効率が高く、また、電気的に制御できるので、
制御精度が高い。しかし、電極に高周波電力が印加され
ることから、電気配線の途中に高周波漏洩防止フィルタ
が必要となる。
<実施例2> 第3図は、周知のマイクロ波イオン源を用いたプラズ
マエッチング装置の試料台に本発明の断熱隔壁を有する
冷却試料台を設けた応用例を示したものである。実施例
1の平行平板型電極を用いたエッチング装置では、断熱
隔壁8の主要部が真空処理室3内にあったが、このマイ
クロ波プラズマエッチング装置の例では、その主要部を
大気に接する構造とした。
マエッチング装置の試料台に本発明の断熱隔壁を有する
冷却試料台を設けた応用例を示したものである。実施例
1の平行平板型電極を用いたエッチング装置では、断熱
隔壁8の主要部が真空処理室3内にあったが、このマイ
クロ波プラズマエッチング装置の例では、その主要部を
大気に接する構造とした。
なお、同図の24はマグネトロン、25は導波管、26は磁
場発生コイル、27は石英管をそれぞれ示す。この装置の
場合も隔壁及び熱媒体の循環機構等は第1図(a)の場
合とほぼ同様である。
場発生コイル、27は石英管をそれぞれ示す。この装置の
場合も隔壁及び熱媒体の循環機構等は第1図(a)の場
合とほぼ同様である。
上述のとおり、本発明の低温ドライエッチング装置に
よれば試料台表面のみを選択的に低温とすることがで
き、その他のプラズマ照射下に晒されない領域の電極部
を熱的に試料台表面よりも著しく高く設定することがで
き、それにより反応処理ガスの吸着という課題が解消さ
れ、エッチング処理室内の反応ガス圧力を10-4〜10-1To
rr台の広範囲で容易に制御できるようになった。
よれば試料台表面のみを選択的に低温とすることがで
き、その他のプラズマ照射下に晒されない領域の電極部
を熱的に試料台表面よりも著しく高く設定することがで
き、それにより反応処理ガスの吸着という課題が解消さ
れ、エッチング処理室内の反応ガス圧力を10-4〜10-1To
rr台の広範囲で容易に制御できるようになった。
前述のとおり、冷媒として液体窒素を使用した場合を
例にとれば、試料を−150℃以下に保持しながら、隔壁
を設けることにより、隔壁表面の温度を−20℃以上に保
持することが可能となった。これにより低温ドライエッ
チングのすぐれた特徴を十分に発揮させることができ、
高精度微細加工の実用化を可能とするもので、産業の発
展に多大な貢献をするものである。
例にとれば、試料を−150℃以下に保持しながら、隔壁
を設けることにより、隔壁表面の温度を−20℃以上に保
持することが可能となった。これにより低温ドライエッ
チングのすぐれた特徴を十分に発揮させることができ、
高精度微細加工の実用化を可能とするもので、産業の発
展に多大な貢献をするものである。
なお、本発明の効果はこれまで述べたエッチング装置
以外にも適用可能であり、例えば、試料を液体窒素で冷
却しながら周知のCVD装置やスパッタリング装置で所望
の物質をデポジションさせ薄膜を形成する場合にも応用
できる。
以外にも適用可能であり、例えば、試料を液体窒素で冷
却しながら周知のCVD装置やスパッタリング装置で所望
の物質をデポジションさせ薄膜を形成する場合にも応用
できる。
第1図は本発明の一実施例で、平行平行板反応性スパッ
タ装置への適用例、第2図は本発明の効果を示す特性曲
線図、第3図は本発明の他の実施例で、マイクロ波プラ
ズマエッチング装置への適用例、そして第4図及び第5
図ははそれぞれ従来装置の要部断面図を示す。 図において、 1、1′……ガス導入管、2……上部電極、 3、3′……真空処理室、4、4′……処理ガス 5、5′……試料、6、6′……空気導入管 7、7′……ヒーター、8、8′……隔壁 9、9′……液体窒素 10、10′……液体窒素導入口 11、11′……絶縁、断熱材 12、12′……絶縁材 13、13′……液体窒素排出口 14、14′……ポンプ、15、15′……ポンプ 16、16′……ヒーター電源 17……高周波電源、18、18′……液体窒素 19、19′……冷却試料台、24……マグネトロン 25……導波管、26……磁場発生コイル 27……石英管 28……プラズマ。
タ装置への適用例、第2図は本発明の効果を示す特性曲
線図、第3図は本発明の他の実施例で、マイクロ波プラ
ズマエッチング装置への適用例、そして第4図及び第5
図ははそれぞれ従来装置の要部断面図を示す。 図において、 1、1′……ガス導入管、2……上部電極、 3、3′……真空処理室、4、4′……処理ガス 5、5′……試料、6、6′……空気導入管 7、7′……ヒーター、8、8′……隔壁 9、9′……液体窒素 10、10′……液体窒素導入口 11、11′……絶縁、断熱材 12、12′……絶縁材 13、13′……液体窒素排出口 14、14′……ポンプ、15、15′……ポンプ 16、16′……ヒーター電源 17……高周波電源、18、18′……液体窒素 19、19′……冷却試料台、24……マグネトロン 25……導波管、26……磁場発生コイル 27……石英管 28……プラズマ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−229947(JP,A) 特開 昭60−171728(JP,A) 特開 昭57−67173(JP,A) 実開 昭61−196528(JP,U)
Claims (5)
- 【請求項1】中空の高周波印加電極内に、試料冷却手段
が設けられると共にプラズマ照射下に晒される試料台を
構成する電極表面と前記試料冷却手段との間に温度制御
手段の設けられた低温ドライエッチング装置において、
前記電極のプラズマ照射下に晒されない領域に断熱手段
を設けると共に、前記断熱手段として前記電極側壁を真
空層からなる隔壁で包囲して成ることを特徴とする低温
ドライエッチング装置。 - 【請求項2】上記真空層の外周に加熱層を設けた2重隔
壁構造としたことを特徴とする請求項1記載の低温ドラ
イエッチング装置。 - 【請求項3】上記加熱層として流体からなる熱媒体を循
環供給する構成としたことを特徴とする請求項2記載の
低温ドライエッチング装置。 - 【請求項4】上記加熱層としてヒーターを設けたことを
特徴とする請求項2記載の低温ドライエッチング装置。 - 【請求項5】上記真空層を構成する隔壁内の真空度を1
×10-2Torr以下としたことを特徴とする請求項1記載の
低温ドライエッチング装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63049661A JP2713956B2 (ja) | 1988-03-04 | 1988-03-04 | 低温ドライエッチング装置 |
US07/258,468 US4911812A (en) | 1987-10-21 | 1988-10-17 | Plasma treating method and apparatus therefor |
KR1019880013555A KR960014435B1 (ko) | 1987-10-21 | 1988-10-18 | 플라즈마 처리방법 및 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63049661A JP2713956B2 (ja) | 1988-03-04 | 1988-03-04 | 低温ドライエッチング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01225121A JPH01225121A (ja) | 1989-09-08 |
JP2713956B2 true JP2713956B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=12837365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63049661A Expired - Lifetime JP2713956B2 (ja) | 1987-10-21 | 1988-03-04 | 低温ドライエッチング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2713956B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104750140A (zh) * | 2013-12-31 | 2015-07-01 | 北京北方微电子基地设备工艺研究中心有限责任公司 | 反应腔加热控制方法及装置 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01315135A (ja) * | 1988-03-11 | 1989-12-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | プラズマエッチング装置 |
US6466426B1 (en) * | 1999-08-03 | 2002-10-15 | Applied Materials Inc. | Method and apparatus for thermal control of a semiconductor substrate |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6056431B2 (ja) * | 1980-10-09 | 1985-12-10 | 三菱電機株式会社 | プラズマエツチング装置 |
JPS5797616A (en) * | 1980-12-10 | 1982-06-17 | Anelva Corp | Base plate for vacuum equipment |
JPS60171728A (ja) * | 1984-02-17 | 1985-09-05 | Hitachi Ltd | ドライエツチング装置 |
JPS61196528U (ja) * | 1985-04-17 | 1986-12-08 | ||
JPS62229947A (ja) * | 1986-03-31 | 1987-10-08 | Tokuda Seisakusho Ltd | ドライエツチング装置 |
-
1988
- 1988-03-04 JP JP63049661A patent/JP2713956B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104750140A (zh) * | 2013-12-31 | 2015-07-01 | 北京北方微电子基地设备工艺研究中心有限责任公司 | 反应腔加热控制方法及装置 |
CN104750140B (zh) * | 2013-12-31 | 2017-09-01 | 北京北方微电子基地设备工艺研究中心有限责任公司 | 反应腔加热控制方法及装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01225121A (ja) | 1989-09-08 |
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