JP2713757B2 - 医療用器具の無菌的接合方法 - Google Patents

医療用器具の無菌的接合方法

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JP2713757B2
JP2713757B2 JP1055020A JP5502089A JP2713757B2 JP 2713757 B2 JP2713757 B2 JP 2713757B2 JP 1055020 A JP1055020 A JP 1055020A JP 5502089 A JP5502089 A JP 5502089A JP 2713757 B2 JP2713757 B2 JP 2713757B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血液バックや輸血バックや採血セットなど
の医療用器具を無菌的に接合する方法に関する。
(従来の技術及び解決すべき課題) 血液バック、輸血バック、採血セットなどの医療用器
具は、通常滅菌されて包装袋に収納されている。
最近、これらの使用に際して、医療用器具同士をチュ
ーブで接合して使用する場合が多い。例えば、自己採血
を行なう場合、血液バックと採血セットとチューブで連
結する必要が生じる。しかして、血液バックと採血セッ
トが同一の滅菌手段で滅菌するのであれば、予めチュー
ブ同士を結合しておいてから滅菌することも考えられる
が、通常は、血液バックはオートクレーブ滅菌を行なう
のに対し、採血セットはエチレンオキサイド滅菌を行な
っており、滅菌処理後に、使用に当って、両者をチュー
ブの結合によって接合する必要がある。かかる場合、従
来は、これらの滅菌もしくは殺菌されて包装袋に収納さ
れている医療用器具同士を、包装袋より取り出した後、
例えば各医療用器具に取付けられているチューブを人手
で直接結合することにより接合していた。第1図はこの
従来例を示すものであり、第1図(a)の包装袋1aを開
封して採血セット2aを取り出し、採血セットに取付けら
れたチューブ3′aの先端Aと、第1図(b)の包装袋
1bを開封して取り出した血液バック2bのチューブ3′b
の先端Bとを直接人手で結合していた。そのため、無菌
状態のものが使用時には無菌状態でなくなり、更に血液
バックなどを取り扱うとき、人手で直接取り扱うために
感染の問題が生じた。これらの欠点を改良する目的で、
最近無菌的にチューブを接続する装置が開発され、市販
されているが、この装置は極めて高価であるばかりでな
く、取扱いも容易とは云えない。
本発明者等は上記の欠点をなくし、滅菌状態で収納さ
れている医療用器具を滅菌状態で接合すべく種々検討し
た結果、本発明を完成したもので、本発明の目的は、滅
菌状態で収納されている二つの医療用器具を、その滅菌
状態のままで接合する方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) すなわち、本発明は、 可撓性チューブが取付けられた医療用器具を、互いに
無菌的に接合する方法であって、 (1)それぞれの医療用器具2a,2bの可撓性チューブ3a,
3bの先端部に閉止部材4a,4bを取付けるとともに、 (2)前記部材4a,4bが取付けられた医療用器具を、そ
れぞれ透明かつ可撓性合成樹脂フィルムからなり、その
一部に外方に突出した接合するための、少なくとも一方
に、剥離紙8で保護された粘着剤層7が形成されたアル
ミニウム箔又は複合材料等の易開封材料6a,6bで閉塞さ
れた接合口部5a,5bを有する滅菌又は殺菌処理可能な包
装袋1a,1b内に収容して殺菌処理し、 (3)使用に当って、包装袋1a,1bに形成されている接
合口部の剥離紙を除去して易開封材料面同士を接合し、 (4)ついで、可撓性チューブの先端の閉止部材で接合
口部の易開封材料6a,6bを突き破り、この突き破った個
所を通して一方の可撓性チューブの先端部と他方の可撓
性チューブの先端部とを、各先端部の閉止部材を取りは
ずして結合することによりなる医療用器具を無菌的に接
合する方法。可撓性チューブが取付けられた医療用器具
を、使用に当って互いに無菌的に接合する方法である。
本発明を、その例を示す図面を用いて更に詳細に説明
する。
第2図は、本発明の接合して使用する医療用器具を、
滅菌処理ないし殺菌処理し包装袋に収納した状態を示す
平面図である。接合使用する一方の医療用器具、例えば
採血セット2a、及びこの採血セット2aに取付けられ、先
端に閉止部材4aを有する可撓性チューブ3aが包装袋1aに
密封収納されている。他方の医療用器具例えば血液バッ
ク2b、及びこの血液バック2bに取付けられ、先端に閉止
部材4bを有する可撓性チューブ3bが包装袋1bに密封収納
されている。これらの包装袋1a,1bには、後述する接合
口部5a,5bが設けられている。
第3図は包装袋1a,1bの断面図である。第3図(a)
は包装袋1aの断面図である。包装袋1aには外方に突出す
る接合口部5aが設けられており、その先端面は易開封材
料例えばアルミニウム箔6aで閉塞されている。また第3
図(b)は包装袋1bの断面図である。包装袋1bにも外方
に突出する接合口部5bが設けられており、その先端面が
易開封材料例えばアルミニウム箔6bで閉塞されている。
そして、このアルミニウム箔6bの全面に粘着剤層7が設
けられ、更にその上に剥離紙層8が設けられている。ま
た、接合口部は、包装袋に適当な孔を穿ち、その個所に
接合口部の接着部分9a,9bを接着することによって形成
する。
上記の採血セット2aと血液バック2bとを、使用に当っ
て、接合するには、先ず、包装袋1bの接合口部5bに貼着
している剥離紙8を剥離して粘着剤層7を露出させ、そ
の粘着剤層7を包装袋1aの接合口部5aのアルミニウム箔
6aに当接して包装袋1aの接合口部5aと包装袋1bの接合口
部5bとを接着する。
次いで、包装袋を拡げ、手で包装袋の外から操作し
て、可撓性チューブ3aの先端の閉止部材4a又は可撓性チ
ューブ3bの先端の閉止部材4bで、接合口部の相互に接着
したアルミニウム箔6a、6bを突き破り、この突き破った
個所を通して可撓性チューブ3aの先端部と可撓性チュー
ブ3aの先端部とを突合せ、各閉止部材を取り除き先端同
士を結合させる。第4図は、この結合部分の拡大図を示
したものである。斯くして、可撓性チューブ3aと可撓性
チューブ3bとは大気にさらされることなく、また手で直
接触れることなく結合でき、従って採血セット2aと血液
バック2bとは無菌的に接合されるのである。
本発明において使用する包装袋としては、オートクレ
ーブ滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌或は放射線滅菌
できるものでなければならなく、通常、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の単独ま
たは組合せの合成樹脂フィルムの縁部をヒートシールし
て製造したものが好ましい。包装袋のタイプとしては、
ガセット袋、自由袋等何れでもよい。ただ、包装袋の内
部に収納されている可撓性チューブを包装袋の外から手
で操作するため、包装袋は透明で且つ可撓性であること
が必要である。また、ガス滅菌できる包装袋にあって
は、ガス透過できるように包装袋の一部が紙などで構成
されていることを要する。
包装袋の接合口部は、例えば包装袋に適当な大きさの
孔をあけ、この個所にポリエチレン、ポリプロピレンな
どの合成樹脂製の接着部をもつ接合口部を、その接着部
を包装袋に接着して形成する。この接合口部を閉塞して
包装袋を密封するが、この閉塞にはアルミニウム箔、複
合材料等の易開封材料を用いる。その理由は突き破り易
く、また突き破った時に塵が出ないからである。易開封
材料上には粘着剤層を設けるが、これは双方の包装袋の
易開封材料上に施してもよく、どちらか一方のみに施し
ても良い。粘着剤層の上には剥離紙を貼着して、接着時
まで粘着剤層を保護する。粘着剤層及び剥離紙層を形成
するには、両面接着テープの片面の剥離紙を剥離して易
開封材料に接着して形成しても良い。また易開封材料で
閉塞した、あるいはその上に粘着剤層、剥離紙層を設け
た接合口部に覆蓋(キャップ)を被せて、易開封材料が
輸送時などに破けるのを防ぎ、使用に際して覆蓋を取り
去るようにしても良い。
包装袋1aの接合口部5aと包装袋1bの接合口部5bとを接
着した後、この接着を補強するために、接着部を外部よ
り補強しても良く、この補強は例えばテープを巻いた
り、補強治具をつけることにより行なう。
(発明の効果) 本発明においては、接合して使用する各医療用器具、
及びそれに取付けられ、先端に閉止部材を有するた可撓
性チューブを包装袋に密封包装し、この包装袋に取付け
られ、易開封材料で閉塞された接合口部を利用して包装
袋同士を接着し、その後、この接着部分の易開封材料を
突き破り、該突き破った個所の孔を通して可撓性チュー
ブ同士を密封状態の包装袋内で嵌合させて結合させるよ
うにしたから、予め滅菌ないし殺菌した包装袋内の可撓
性チューブを大気にさらすことなく、また、手で直接触
れることなく可撓性チューブ同士を結合することができ
る。従って、本発明によれば極めて簡単に且つ無菌的に
医療用器具同士を接合することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来例を示し、医療用器具が滅菌ないし殺菌さ
れて透明な包装袋に収納された状態を示す平面図であ
る。第2図は本発明の実施例を示し、本発明における接
合使用する各医療用器具一式がそれぞれ包装袋に収納さ
れた状態を示す平面図であり、第3図は本発明で用いる
包装袋の断面図を示し、第4図は包装袋の接合口部同志
を接着し、可撓性チューブを結合した状態を示す断面図
である。 1a,1b……包装袋、2a,2b……医療用器具 3a,3b……可撓性チューブ、4a,4b……閉止部材 5a,5b……接合口部、6a,6b……易開封材料 7……粘着剤、8……剥離紙 9a,9b……接合口部の接着部分

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性チューブが取付けられた医療用器具
    を、互いに無菌的に接合する方法であって、 (1)それぞれの医療用器具2a,2bの可撓性チューブ3a,
    3bの先端部に閉止部材4a,4bを取付けるとともに、 (2)前記部材4a,4bが取付けられた医療用器具を、そ
    れぞれ透明かつ可撓性合成樹脂フィルムからなり、その
    一部に外方に突出した接合するための、少なくとも一方
    に、剥離紙8で保護された粘着剤層7が形成されたアル
    ミニウム箔又は複合材料等の易開封材料6a,6bで閉塞さ
    れた接合口部5a,5bを有する滅菌又は殺菌処理可能な包
    装袋1a,1b内に収容して殺菌処理し、 (3)使用に当って、包装袋1a,1bに形成されている接
    合口部の剥離紙を除去して易開封材料面同士を接合し、 (4)ついで、可撓性チューブの先端の閉止部材で接合
    口部の易開封材料6a,6bを突き破り、この突き破った個
    所を通して一方の可撓性チューブの先端部と他方の可撓
    性チューブの先端部とを、各先端部の閉止部材を取りは
    ずして結合することによりなる医療用器具を無菌的に接
    合する方法。
  2. 【請求項2】易開封材料で閉塞された接合口部を覆蓋で
    覆い、接合口部を接着する時に、この覆蓋を取り去る請
    求項第1項記載の医療用器具を無菌的に接合する方法。
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