JP2713169B2 - 椅 子 - Google Patents

椅 子

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JP2713169B2
JP2713169B2 JP14055394A JP14055394A JP2713169B2 JP 2713169 B2 JP2713169 B2 JP 2713169B2 JP 14055394 A JP14055394 A JP 14055394A JP 14055394 A JP14055394 A JP 14055394A JP 2713169 B2 JP2713169 B2 JP 2713169B2
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智一 村上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフィス等で使用され
る椅子において背もたれが座に対して前後に傾動可能で
ある椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、背もたれが座に対して前後に傾動
可能な椅子として、座と、座を支持する支持部材と、背
もたれを構成する水平部と桿部を有する背支桿とからな
り、背支桿が支持部材に前後に傾動可能に枢支されてい
るものが広く普及している。このようなもののなかに
は、背もたれにもたれかからない執務姿勢のときには、
座の下面後端部と背支桿の水平部との間にほとんど隙間
が形成されておらず、背もたれにもたれかかった休息姿
勢のときには、座の下面後端部と背支桿の水平部との間
に大きな隙間が形成されるものがある。
【0003】一方、上述したように、休息姿勢のときに
座の下面後端部と背支桿の水平部との間に大きな隙間が
形成されるのを防ぐために、背支桿に軟質の、例えば蛇
腹等のカバーを取り付けたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成のカバーを取り付けていない椅子の場合、休息姿勢
をとると、背もたれが後傾して背支桿の水平部と座の後
端部下面との間に形成されている隙間が大きく開いてし
まい、指や衣服等が前記隙間に嵌まりこむ可能性があ
る。そしてその後、執務姿勢に戻った時に背支桿が前傾
方向に復帰し背支桿と座との間に形成されている隙間が
せばまり、その隙間が非常に小さい場合には、その隙間
に指や衣服等を詰めてしまうという危険性があった。
【0005】一方、背支桿に軟質のカバー等を取り付け
たものにあっては、軟質のカバーを押し付けるような外
力が加わらない限りは、衣服や指等を詰めるという危険
が生じないが、軟質のカバーを押し付けるような外力が
加わった場合には、やはり、衣服や指等を詰める危険性
がある。
【0006】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る椅子は、座を支持する支持
部材に背もたれを構成する背支桿を枢着してなるものに
おいて、前記背支桿を覆う硬質のカバー体の下端部前縁
を座の後縁に枢着し、カバー体の下端部後縁側を支持部
材の下側を覆う裏カバー内に没入可能に挿入してなるこ
とを特徴とする。
【0008】また、前記背支桿を覆う硬質のカバー体の
上端部を背もたれに枢支させるとともに、そのカバー体
の下端部を座の後縁と支持部材の下側を覆う裏カバーと
の間に形成される開口部に摺動可能に挿入し、カバー体
の下端部を座の後縁に常時摺接するようにしてなること
を特徴とするものであってもよい。
【0009】さらに、座の後縁下端部と支持部材の下側
を覆う裏カバーとの間に少なくとも後縁下端部に密接し
て回動可能に支持される円筒体を設け、背支桿の座より
下側に位置する部分を被覆し、かつ背支桿の揺動に応じ
て円筒体が座の後縁下端部に密接して回動するようにし
てなるものであってもよい。
【0010】
【作用】本願の請求項1記載の発明のものであれば、背
支桿を被覆するカバー体の下端部前縁が座の後縁に枢着
されているので、背支桿が荷重がかかることによって後
傾してもカバー体は座の後縁を回動中心として回動して
隙間が生じることはない。したがって、衣服や指を背支
桿と座の後縁との間に詰めることはなくなり、安全性を
高くすることができる。
【0011】本願の請求項2記載の発明のものであれ
ば、背支桿を被覆するカバー体の下端部は、座の後縁と
支持部材下側を覆う裏カバーとの間に形成される開口部
に摺動可能に挿入されているので、背支桿の後傾時に
は、カバー体がその開口部内に摺動しながら入っていき
背支桿と座の後縁との間に隙間は生じない。よって、危
険な隙間の形成を防止でき安全性を高くすることができ
る。
【0012】本願の請求項3記載の発明のものであれ
ば、円筒体が背支桿の座より下側にある部分を被覆した
状態で、背支桿の揺動に応じて座の後縁下端部に密接し
て回動するので、背支桿と座の後縁との間に隙間が生じ
ることはない。したがって、背支桿の外観を従来と変更
することなく、背支桿と座との間に隙間が生じるのを防
止する。
【0013】
【実施例】以下、本願の請求項1に係る発明の実施例を
図1〜3を参照して説明する。
【0014】この椅子は、図1に示すように、椅子本体
1が座2を支持する支持部材3に背もたれ4を構成する
背支桿5を枢着してなるもので、さらに背支桿5を覆う
カバー体6の下端部前縁6aを座2の後縁下端部2aに
枢着し、カバー体6の下端部後縁6b側を支持部材3の
下側を覆う裏カバー7内に没入可能に挿入してなるもの
である。
【0015】詳述すれば、背支桿5は、一端を支持部材
3に枢着した水平部8と、水平部8の他端に連続して形
成されている桿部9とからなる略L字形の通常のもので
あり、背支桿5の上縁には背もたれ部10を取着してあ
る。
【0016】カバー体6は、変形しにくい硬質の例えば
合成樹脂製で、下方に向かって拡開させた筒状のもの
を、背支桿5の湾曲にあわせて湾曲させたものである。
このカバー体6の下端部前縁6aは、座2の後縁下端部
2aの形状に対応して直線状に形成されており、たとえ
ば合成樹脂製の蝶番を介して座2の後縁下端部2aに枢
着されている。また、カバー体6が裏カバー7に没入し
た際に裏カバー7の後端部7aとカバー体6の下端部後
縁6bとの間に隙間が形成されないように、カバー体6
の下端部後縁6b近傍を座2の後縁下端部2aを中心に
円弧を描くような形状すなわち球面形状に形成してあ
る。カバー体6の上端部6cは、背支桿5の桿部9が上
下に摺動可能な上端開口に形成してある。
【0017】裏カバー7は、変形しにくい硬質の例えば
合成樹脂製のもので、カバー体6の下端を被包しつつ、
支持部材3の下側を包囲した状態で支持部材3に取着さ
れている。
【0018】このような構成のものであれば、図3に示
すように、背もたれ部10に荷重がかかると、背支桿5
は支持部材3に枢着された点を中心に回動し、背支桿5
の桿部9が後傾する。桿部9が後傾するのに伴って、カ
バー体6は座2の後縁下端部2aに枢着された下端部前
縁6aを中心に回動し、カバー体6の下端部後縁6bは
裏カバー7の後端部7aに摺接しながら裏カバー7内に
入り込む。したがって、背支桿5が後傾する状態となっ
ても、カバー体6が背支桿5の動きに対応して移動する
ので、背支桿5の動きを阻害することがなく、しかも座
2と背支桿5との間に隙間を生じさせることがない。
【0019】本願の請求項2に係る発明の実施例を図4
〜5を参照して説明する。
【0020】この実施例では、本願の請求項1に係る発
明の実施例と同様の椅子本体1に、背支桿5を覆う硬質
のカバー体106の上端部106cを背支桿5に枢支さ
せるとともに、そのカバー体106の下端部106dを
座2の後縁下端部2aと支持部材3の下側を覆う裏カバ
ー107との間に形成される開口部Sに摺動可能に挿入
し、カバー体106を座2の後縁下端部2aに常時摺接
するようにしてなるものである。
【0021】詳述すれば、カバー体106は、変形しに
くい硬質の例えば合成樹脂製で、下方に向かって拡開さ
せた側面視略台形で横断面円形の筒状のものである。カ
バ−体106は下端部前縁106aを座2の後縁下端部
2aに、さらに下端部後縁106bを裏カバー107の
後端部107aに摺動可能な状態で、上端部106cを
背支桿5に枢支させている。また、裏カバー107と座
2の後縁下端部2aとの間に形成される開口部Sにカバ
ー体106が没入した際に、隙間が形成されることのな
いように、カバー体106の下端部前縁106a近傍と
下端部後縁106b近傍を若干膨らませてある。カバー
体106の上端部106cは、背支桿5の桿部9が貫通
する上端開口に形成してある。
【0022】このような構成のものであれば、図5に示
すように、背もたれ部10に荷重がかかると、背支桿5
は支持部材3に枢着された点を中心として回動し、背支
桿5の桿部9が後傾する。桿部9が後傾するのに伴っ
て、カバー体106は座2の後縁下端部2aおよび裏カ
バ−107との間に形成される開口部Sに摺接しつつ裏
カバー107内に入り込む。したがって、背支桿が後傾
する状態となっても、カバー体106がその開口部S内
に摺動しながら入っていくので、背支桿5の動きを阻害
することがなく、しかも背支桿5と座2の後縁下端部2
aとの間に隙間を生じさせることがない。
【0023】本願の請求項3に係る発明の実施例を図6
〜8を参照して説明する。
【0024】この実施例では、本願の請求項1および2
に係る発明の実施例と同様の椅子本体1に、座2の後縁
下端部2aと支持部材3の下側を覆う裏カバー7との間
に少なくとも後縁下端部2aに密接して回動可能に支持
される円筒体206を設け、背支桿5の座2より下側に
位置する部分を被覆し、かつ背支桿5の揺動に応じて円
筒体106が座2の後縁下端部2aに密接して回動する
ようにしてなるものである。
【0025】詳述すれば、背支桿5の水平部8は、座2
の後縁下端部2aと裏カバー207とでその中心軸方向
を座2の後縁と略平行に位置させて回動可能に挾持され
ている円筒体206の周壁206eに穿設された、円周
方向の寸法の小さい第一開口211と大きい第二開口2
12を介して円筒体206を貫通している。
【0026】第一開口211は、背支桿5の水平部8に
対して上下方向に密接するように、すなわち、上縁21
1aが水平部8の上面に当接し、下縁211bが水平部
8の下面に当接するように円筒体206の周壁206e
に設けられている。
【0027】第二開口212は、背支桿5の水平部8の
動きを規制しないような位置に、かつ背支桿5の通常の
動きに対しては衝突しないような大きさに円筒体206
の周壁206eに穿設されていて、さらに、円筒体20
6が回動しても第二開口212が座2の後縁下端部2a
よりも外方へ位置することがないように形成されてい
る。すなわち、第二開口212の上縁212aは図6に
示す執務姿勢では背支桿5の水平部8の上面に当接し、
下縁212bは図7に示す休息姿勢でも背支桿5の水平
部8の下面が触れない程度の開口部を形成すべく、第一
開口211の上縁211aと下縁211bとからほぼ等
間隔を隔てた位置に穿設されている。
【0028】裏カバ−207は、変形しにくい硬質の例
えば合成樹脂製のもので、円筒体206の周壁206e
の下部に摺接しつつ円筒体206を回動可能に挾持して
いる。さらに、裏カバー207は、円筒体206の前部
および下部を被包しつつ、支持部材3の下側を包囲した
状態で支持部材3に取着されている。
【0029】このような構成のものであると、図8に示
すように、背もたれ部10に後方への荷重がかけられる
と、背支桿5は支持部材3に枢着された点を中心に揺動
する。その背支桿5の揺動に伴って、背支桿5が密接状
態で貫通している第一開口211を下方に向って押し下
げる。この時の背支桿5による押下力により、円筒体2
06は座2の後縁下端部2aと裏カバー207に常時摺
接した状態で回動する。したがって、背支桿5が揺動し
ても、円筒体206が背支桿5の座2より下側にある部
分を被覆した状態で、背支桿5の揺動に応じて座2の後
縁下端部2aに密接して回動するので、背支桿5と座2
の後縁下端部2aとの間に隙間が生じることはない。し
たがって、背支桿5の外観を従来と変更することなく、
背支桿5と座2との間に隙間が生じるのを防止する。
【0030】以上詳述したそれぞれの実施例の椅子であ
れば、執務姿勢では、カバ−体6、106及び円筒体2
06により座2の後端下面と背支桿5との間が覆われあ
るいは間接的に密着され、休息姿勢をとり背支桿5の桿
部9が後傾状態になっても背支桿5と座2の後縁下端部
2aとの間には、隙間が形成されることはない。さら
に、裏カバー7、107、207がカバー体6、106
もしくは円筒体206と摺接可能に配設されているの
で、カバー体6、106もしくは円筒体206により、
不測な隙間が形成されるのを確実に防止することができ
る。したがって、隙間に指や衣服等を挾むようなことは
なく、安全性を高くすることができる。
【0031】以上の実施例では、背支桿が1本のものに
ついて説明したが、2本の場合にも適用できるのはもち
ろんであり、その他、各部の構成も以上説明した実施例
のものに限定されるものではなく、例えば、カバー体の
前面は硬質の素材で形成し、後面は蛇腹等の可撓性を有
する素材で形成するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範
囲で種々変形が可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1記
載の発明は、背支桿を被覆するカバー体の下端部前縁が
座の後縁に枢着されているので、背支桿が荷重がかかる
ことによって後傾してもカバー体は座の後縁を回動中心
として回動して隙間が生じることはない。したがって、
衣服や指を背支桿と座の後縁との間に詰めることはなく
なり、安全性を高くすることができる。
【0033】また、本願の請求項2記載の発明は、背支
桿を被覆するカバー体の下端部は、座の後縁と支持部材
下側を覆う裏カバーとの間に形成される開口部に摺動可
能に挿入されているので、背支桿の後傾時には、カバー
体がその開口部内に摺動しながら入っていき背支桿と座
の後縁との間に隙間は生じない。よって、危険な隙間の
形成を防止でき安全性を高くすることができる。
【0034】さらに、本願の請求項3記載の発明は、円
筒体が背支桿の座より下側にある部分を被覆した状態
で、背支桿の揺動に応じて座の後縁下端部に密接して回
動するので、背支桿と座の後縁との間に隙間が生じるこ
とはない。したがって、背支桿の外観を従来と変更する
ことなく、背支桿と座との間に隙間が生じるのを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1に係る発明の実施例を示す一部
を破断した側面図。
【図2】同実施例の要部を拡大した斜視図。
【図3】同実施例の作用説明図。
【図4】本願の請求項2に係る発明の実施例を示す一部
を破断した側面図。
【図5】同実施例の作用説明図。
【図6】本願の請求項3に係る発明の実施例を示す一部
を破断した側面図。
【図7】同実施例の要部を示す斜視図。
【図8】同実施例の作用説明図。
【符号の説明】
1…椅子本体 2…座 2a…後縁 3…支持部材 4…背もたれ 5…背支桿 6、106、206…カバー体(円筒体) 6a…下端部前縁 6b…下端部後縁 6c、106c…上端部 206e…周壁 7…裏カバー S…開口部 211…第一開口 212…第二開口

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】座を支持する支持部材に背もたれを構成す
    る背支桿を枢着してなる椅子において、前記背支桿を覆
    う硬質のカバー体の下端部前縁を座の後縁に枢着し、カ
    バー体の下端部後縁側を支持部材の下側を覆う裏カバー
    内に没入可能に挿入してなることを特徴とする椅子。
  2. 【請求項2】座を支持する支持部材に背もたれを構成す
    る背支桿を枢着してなる椅子において、前記背支桿を覆
    う硬質のカバー体の上端部を背もたれに枢支させるとと
    もに、そのカバー体の下端部を座の後縁と支持部材の下
    側を覆う裏カバーとの間に形成される開口部に摺動可能
    に挿入し、カバー体の下端部を座の後縁に常時摺接する
    ようにしてなることを特徴とする椅子。
  3. 【請求項3】座を支持する支持部材に背もたれを構成す
    る背支桿を枢着してなる椅子において、座の後縁下端部
    と支持部材の下側を覆う裏カバーとの間に少なくとも後
    縁下端部に密接して回動可能に支持される円筒体を設
    け、背支桿の座より下側に位置する部分を被覆し、かつ
    背支桿の揺動に応じて円筒体が座の後縁下端部に密接し
    て回動するようにしてなることを特徴とする椅子。
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