JP2712360B2 - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JP2712360B2
JP2712360B2 JP63220999A JP22099988A JP2712360B2 JP 2712360 B2 JP2712360 B2 JP 2712360B2 JP 63220999 A JP63220999 A JP 63220999A JP 22099988 A JP22099988 A JP 22099988A JP 2712360 B2 JP2712360 B2 JP 2712360B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両の各車輪毎の制動力を制御して操安性
を改善した制動力制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より、旋回制動中の操縦性の変化やステアリング
特性の変化を改善して、制動性と操安性の両立を図った
装置が提案されている。例えば、制動時の車両速度、操
舵角及び横運動のそれぞれをセンサで検出し、センサの
検出値から旋回制動中の横運動を目標値として設定し、
横運動基準値とセンサで検出した横運動の検出値との偏
差を所定の範囲内に保つように前後車輪の制動液圧アク
チュエータで独立に制御するようにして、旋回制動時に
は車両速度、操舵角で定まる所定の横運動、例えばヨー
レートを保つように前後車輪の制動力配分が自動制御さ
れ、旋回中の制動により挙動の変化を防止した装置が提
案されている(特開昭60−248466)。また、摩擦係数は
スリップ率が約20%のときに最大となり、スリップ率が
小さくなるほどサイドフォースが大きくなることに着目
して、ステアリングの中立位置からの操舵角度が小さい
ときには、高スリップ率を目標とするブレーキ圧制御
を、この操舵角度が大きいときには、低スリップ率を目
標とするブレーキ圧制御を行い、直進中の制動時には、
路面との摩擦係数を重視したスリップ率として、高い制
動効果を得て、また、旋回制動中には、横抗力係数を重
視したスリップ率とした装置が提案されている(特開昭
62−253560)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、こうした従来の装置で、前者のもので
は、旋回中の制動によるステア特性の変化を前後輪の制
動力を独立に制御して改善するものであるが、操舵角に
基づいてヨーレートを保つように前後輪のブレーキ圧力
を減圧するため、いわゆる逆ハンドル操作や左右輪で路
面の摩擦係数が異なる旋回またぎ路を走行中である場合
には、操安性が十分に改善されない場合があるという問
題があった。また、後者のものでは、操舵角度が大きく
なると、スリップ率を全車輪とも減少させて、車輪に働
く横力の増加によって安定した旋回を実現することがで
きるものの、同時に全車輪の制動力の減少をともなう。
例えば、第5図に示すように、ある一輪だけスリップ率
を変化させ、他の輪のスリップ率を20%近傍で制御した
ときには、操舵角一定の左旋回制動時には以下の挙動を
示す。前右輪fR(旋回外輪)はスリップ率の低い領域で
最大ヨーレートが大きく変化し、前左輪fL(旋回左輪)
はスリップ率の変化に対して最大ヨーレートは大きく変
化しないという挙動を示す。また、後右輪rR(旋回外
輪)はスリップ率が約20%で最大ヨーレートの極小値を
与える点であり、後左輪rL(旋回内輪)はスリップ率に
比例して最大ヨーレートが線形に増加するという挙動を
示す。更に、各車輪に働く垂直荷重でみると、前輪旋回
外輪の垂直荷重は四輪の内で最大であり、それに働く制
動力は摩擦係数の変化によって車両に働くヨーモーメン
トが大きく変化し、車両の挙動に大きな影響を与える。
後輪旋回内輪の垂直荷重は高摩擦路では急旋回時には零
となることもあり、積極的に制御に使用することはでき
ない。このように、旋回制動時には、各車輪は、それぞ
れ異なった挙動を示す。よって、操舵角度が大きいとき
に、全車輪同時にスリップ率を減少させることは、車両
の挙動に大きな影響を与え、操安性を損なう場合がある
という問題があった。
そこで本発明は上記の課題を解決することを目的と
し、旋回制動中の操安性の向上を図った制動力制御装置
を提供することにある。
[課題を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は課題を解決するた
めの手段として次の構成を取った。即ち、第1図に例示
する如く、 車両前後左右の各車輪M1毎に独立してブレーキ圧力を
制御する圧力制御手段M2と、 車両の横方向の運動状態を検出する横運動検出手段M3
と、 該運動状態に基づいて制動後の車両運動状態を推定し
た運動状態目標値を算出する運動状態目標値算出手段M4
と、 前記横方向の運動状態と前記運動状態目標値とを比較
して車両運動状態の増減方向を判定する運動状態判定手
段M5と、 該運動状態判定手段M5により減少方向にあると判定さ
れたときには、前記運動状態を増加させる方向に、また
増加方向にあると判定されたときには、前記運動状態を
減少させる方向に前後車輪と旋回内外輪とでは異なる制
御量を各車輪M1毎に独立して算出し、前記圧力制御手段
M2を制御して各車輪M1毎にブレーキ圧力を制御する制動
制御手段M6と、 を備えたことを特徴とする制動力制御装置の構成がそ
れである。
[作用] 前記構成を有する制動力制御装置は、横運動検出手段
M3が、車両の横方向の運動状態を検出し、運動状態目標
算出手段M4が、運動状態に基づいた制動後の車両運動状
態を推定した運動状態目標値を算出し、運動状態判定手
段M5が、横方向の運動状態と運動状態目標値とを比較し
て車両運動状態の増減方向を判定し、制動制御手段M6
が、運動状態判定手段M5により減少方向にあると判定さ
れたときには、運動状態を増加させる方向に、また、増
加方向にあると判定されたときには、運動状態を減少さ
せる方向に前後車輪と旋回内外輪とでは異なる制御量を
各車輪M1毎に独立して算出し、圧力制御手段M2を制御し
て各車輪M1毎にブレーキ圧力を制御する。
[実施例] 以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第3図は本発明の一実施例である制動力制御装置の概
略構成図である。この制動力制御装置は、各車輪1〜4
毎にその回転数を検出する回転数センサ5〜8がそれぞ
れ設けられている。また、各車輪1〜4毎に、それぞれ
に設けられたブレーキディスク9a〜12aを把持して制動
するブレーキシリンダ9b〜12bが設けられており、この
各ブレーキシリンダ9b〜12bには、ブレーキペダル13の
踏込によって駆動されるマスタシリンダ15が、各車輪1
〜4毎に設けられた圧力制御手段M2としての制御弁16〜
19を介して接続されている。この制御弁16〜19は、3ポ
ジションの電磁方向切換弁であり、入力モードに応じて
切り替わるものである。増圧モードの時には、マスタシ
リンダ15の高圧ブレーキ油供給口とブレーキシリンダ9b
〜12bとを連通する位置に、保持モードの時には、マス
タシリンダ15とブレーキシリンダ9b〜12bとの連通を遮
断する位置に、減圧モードの時には、ブレーキシリンダ
9b〜12bを低圧側に連通する位置に、それぞれ切り替わ
る構成のものである。
また、図示しないステアリングの操舵角度θを検出す
る操舵角センサ20が設けられており、この操舵角センサ
20、前記各回転数センサ5〜8と制御弁16〜19は、各々
電子制御回路30に接続されている。この電子制御回路30
は、周知のCPU31、制御用のプログラムやデータを予め
格納するROM32、読み書き可能なRAM33に、入出力回路34
がコモンバス35を介して相互に接続されて構成されてい
る。CPU31は、回転数センサ5〜8、操舵角センサ20か
らの信号を入出力回路34を介して入力し、これらの信
号、ROM32、RAM33内のプログラムやデータ等に基づいて
CPU31は、入出力回路54を介して制御弁16〜19に駆動信
号を出力する。
更に、第3図に示す如く、車両に加わる横方向の運動
を検出する横運動検出手段M3としての横運動センサ40を
備えている。この横運動センサ40としては、車両に加わ
る横方向の運動としてヨー角速度を検出するヨーレート
センサでもよく、あるいは、車両に加わる横方向の運動
として横方向加速度を検出する横加速度センサでもよ
い。また、横加速度センサを車両の前軸中心と後軸中心
とにそれぞれ設置して、ヨー角速度として検出してもよ
く、さらには、横加速度センサとヨーレートセンサの両
方を設置してもよい。本実施例では、ヨーレートセンサ
を設置して、ヨー角速度を検出している。
次に、電子制御回路30において行われる処理について
第3図(a)、(b)、(c)、(d)のフローチャー
トによって説明する。
本制動力制御装置は、図示しないキースイッチが投入
されると、第3図に示す制動力制御ルーチンを他の制御
ルーチンと共に実行する。まず、初期化が行われて、後
述する処理で用いられる各種フラグFABS,FFC,FRCが零に
設定される(ステップ100)。次に、車両走行中の、各
回転センサ5〜8により検出される各車輪1〜4の各車
輪速度が入出力回路34を介して入力される(ステップ11
0)。続いて、この各車輪速度に基づいて、例えば前回
入力された各車輪速度と今回入力された各車輪速度とに
基づいて、各車輪1〜4毎の車輪加速度が算出される
(ステップ120)。
次に、操舵角センサ20により検出されたステアリング
の操舵角度θが、入出力回路34を介して入力される(ス
テップ130)。続いて、この入力された操舵角度θに基
づいて、例えば、前回入力された操舵角度と今回入力さ
れた操舵角度に基づいて、操舵角速度が算出される
(ステップ140)。
次に、横運動センサ40により検出されるヨー角速度
が入出力回路34を介して入力される(ステップ141)。
続いて、このヨー角速度に基づいて、例えば前回入力
されたヨー角速度と今回入力されたヨー角速度とに
基づいて、ヨー角速度が算出される(ステップ14
2)。
更に、前記算出した各車輪速度とヨー角速度に基づ
いて、推定車体速度Vaと、前後輪の基準速度Vsf,Vsrと
を、下記算出式によって算出する(ステップ143)。
尚、添字のfは前輪を、rは後輪を、Rは右車輪を、L
は左車輪をそれぞれ表す(以下同様)。
Vωmax=max(VωfR,VωfL,VωrR,VωrL) Va=med(Vωmax, Va′−adw×Δt,Va′+aup×Δt) Vsf=Va+(Af×Va+Bf×+Cf) Vsr=Va+(Ar×Va+Br×+Cr) ここで、aup,adw,Af,Bf,Ar,Br,Cf,Crは予め実験等に
より求められた定数である。
次に、参照ヨー角速度 を算出する(ステップ144)。この参照ヨー角速度 の算出は、例えば、操舵角同様θが一定の状態で制動が
行われた場合には、下記式にて算出される。
ここで、toは制動開始時刻であり、toは時刻toにおけ
るヨー角速度であり、Vatoは時刻toにおける推定車体速
度であり、atiは時刻tiにおける推定車体速度Vaから算
出される推定車体減速度である。また、同様にして、参
照ヨー角速度 も算出される。
続いて、路面状態を判定中に、後述する処理により設
定される路面判定中フラグFμが1であるか否かが判定
される(ステップ145)。路面判定中フラグFμが零で
あると、路面判定が許可されているか否かを判定する
(ステップ146)。これは、車両が直進状態からステア
リングが操舵されて、旋回状態に移行した後、所定時間
が経過したか否かにより、例えば、500msecから1sec程
度の時間が経過したか否かにより判定する。
旋回状態に移行してから所定時間が経過し、路面判定
が許可されたと判定されると、路面状態の判定中である
ことを示す路面判定中フラグFμを1にセットする(ス
テップ147)。次に、ヨーレートゲインGを算出する
(ステップ148)。このヨーレートゲインGの算出は、
第6図に示すように、車両の直進状態からステアリング
が操舵されて操舵角度θが入力された後、例えば、時間
ti経過後に入力周波数が所定値以下になった後、この操
舵角度θがある一定時間t以上、一定値θssを有したと
き、ヨー角速度の定常値ssに対して下記式にて算出
される。
G=|ss/θss| 次に、このヨーレートゲインGの算出を終了したこと
により、路面判定を終了したか否かを判定する(ステッ
プ149)。路面判定を終了していると判定すると、算出
したヨーレートゲインGに基づいて、路面の状態が低摩
擦路であるか高摩擦路であるかを検出する(ステップ15
1)。これは、本実施例では4段階に、ヨーレートゲイ
ンGの値の大きさによって判断し、ヨーレートゲインG
が小さな値から大きな値になるにしたがって、順に極低
摩擦路、低摩擦路、中摩擦路、高摩擦路であると判断す
る。路面状態を検出すると、路面判定中フラグFμを零
にリセットする(ステップ152)。
路面判定中フラグFμをリセットし、若しくは、ステ
ップ149の処理の実行により路面判定を終了していない
と判定すると、ブレーキペダル13が踏まれてブレーキス
イッチ28がオンされたか否かを判定する(ステップ15
3)。ブレーキスイッチ28がオンされていないと、ステ
ップ110以下の処理を繰り返し、オンされていると判定
されると、外乱が発生しているか否かを判定する(ステ
ップ154)。この外乱が発生するような場合としては、
例えば、車両の左右輪で路面の摩擦係数が異なる様な場
合であり、冬期において、路面の片側が乾いており、他
の側に雪や氷があるような場合である。この様な路面を
走行中に前記ステップ141の処理により検出されたヨー
角速度が所定値以上となったときに、外乱が発生した
と判定する。外乱が発生していないと判定すると、ステ
ップ160以下の処理を実行する。
次に、後述する処理の実行により、制動力制御中にセ
ットされているアンチスキッド制御フラグFABSが、1に
セットされているか否かを判定する(ステップ160)。
ステップ100の処理の実行により、初めは零にリセット
されているので、1ではないと判定して、アンチスキッ
ド制御開始条件が成立しているか否かを判定する(ステ
ップ170)。ブレーキペダル13の操作、各車輪1〜4の
車輪速度、車輪加速度等の車輪にロックが生じる状態を
開始条件として判定する。例えば、ブレーキペダル13が
踏まれてブレーキスイッチ28がオンされ、各車輪1〜4
毎の車輪速度、車輪加速度が所定値以上となったときに
は、アンチスキッド制御開始条件が成立したとして、ア
ンチスキッド制御フラグFABSを1にセットする(ステッ
プ180)。尚、アンチスキッド制御条件が成立していな
いときには、ステップ100ないし170の処理を繰り返し実
行する。
次に、後述する処理の実行により、前輪旋回制御中に
セットされている前輪旋回制御フラグFFCが、1にセッ
トされているか否かを判定する(ステップ190)。初め
は零にリセットされているので、1ではないと判定し
て、前輪旋回制御開始条件が成立しているか否かを、推
定車体速度Vaをパラメータとして、ステップ130,140の
処理の実行による操舵角度θと操舵角速度とに基づい
て判定する(ステップ200)。ここでは、予めRAM33に格
納された第4図荷示す、推定車体速度Vaをパラメータと
する操舵角度θと操舵角速度との関係を示すグラフに
基づいて判定される。第4図では、ある推定車体速度Va
のときのグラフを示しているが、グラフの斜線部分にあ
るときには、緩やかな操舵であるとして、開始条件が成
立していないと判定する。即ち、緩やかな操舵とは、操
舵角度θと操舵角速度との両方が小さい場合である。
また、グラフの斜線部分以外にあるときには、急な操舵
であるとして、開始条件が成立していると判定する。即
ち、急な操舵とは、操舵角度θと操舵角速度とがある
程度大きい場合、若しくはその一方が大きい場合であ
る。一方、パラメータとしての推定車体速度Vaが大きく
なるにしたがって、緩やかな操舵であると判定するグラ
フの斜線部分の面積が小さくなる関係にある。
尚、前記グラフで、斜線部分が、縦軸と横軸とに対し
て対称でないのは、操舵の切り増し状態(θ×>0)
と、操舵の切り戻し状態(θ×<0)とによって制御
条件が異なるからである。
前輪旋回制御開始条件が成立すると、前輪旋回制御フ
ラグFFCに1をセットする(ステップ210)。次に、前記
ステップ141、144の処理により求められたヨー角速度
、参照ヨー角速度 に基づいて、ヨー角速度が減少する収束方向にあるの
か否かが判定される(ステップ211)。ヨー角速度が
参照ヨー角速度 より小さいときには、ヨー角速度が減少する収束方向
にあると判定して、その収束が緩やかな減少である緩収
束であるか否かを判定する(ステップ212)。これは、
前記ステップ142の処理により算出したヨー角速度
と、ステップ144の処理により算出した参照ヨー角加速
とに基づいて判定し、ヨー角加速度が参照ヨー角加速
以上であるときには、ヨー角速度は、緩収束であると
判定する。緩収束であると判定すると、前二輪1,2個々
について、旋回内輪が旋回外輪であるかにより、操舵角
度θ、操舵角速度に応じて、前輪基準速度Vsfから、
それぞれの基準速度を、下記算出式によって算出する
(ステップ213)。
Vsfi=Vsf+Afi+Bfi Vsfo=Vsf+Afo+Bfo ここで、Vsfiは前輪旋回内輪基準速度であり、Vsfoは
前輪旋回外輪基準速度である。また、Afi,Afo,Bfi,Bfo
は調整量であり、ヨー角速度、参照ヨー角速度 ヨー角加速度、参照ヨー角加速度 が参照されて、第8図〜第11図のグラフ及び下表に基づ
いて算出される。下表は、ヨー角速度、参照ヨー角速
ヨー角加速度、参照ヨー角加速度 に基づいて、ヨー角速度をどの方向に制御するかを表
したものである。
即ち、ステップ213の処理は、ヨー角速度が参照ヨ
ー角速度 より小さくてヨー角加速度が参照ヨー角加速度 以上であるときに実行される処理であり、この処理にお
いては、上表に示す如く、ヨー角速度を小さく増加さ
せる方向に、調整量Afi,Afo,Bfi,Bfoが選択される。Afi
は第8図に示すグラフによって、推定車体速度Vaと操舵
角度θに基づいて求められる内輪側の調整量である。例
えば、右旋回のときには、グラフ左側のAfi1〜Afi4まで
の値が、そして左旋回のときには、グラフ右側のAfi5〜
Afi8までの値が、それぞれ推定車体速度Vaと操舵角度θ
に基づいて求められる。
また、Bfiは第9図に示すグラフによって、操舵角速
度に基づいて求められる内輪側の調整量である。右旋
回のときには、グラフ左側の値が、そして左旋回のとき
には、グラフ右側の値が、それぞれ操舵角度θに基づい
て求められる。
更に、Afoは第10図に示すグラフによって、推定車体
速度Vaと操舵角度θに基づいて求められる外輪側の調整
量である。右旋回のときには、グラフ左側のAfo1、Afo2
の値が、そして左旋回のときには、グラフ右側のAfo3、
Afo4の値が、それぞれ推定車体速度Vaと操舵角度θに基
づいて求められる。
Bfoは第11図に示すグラフによって、操舵角速度に
基づいて求められる外輪側の調整量である。右旋回のと
きには、グラフ左側の値が、そして左旋回のときには、
グラフ右側の値が、それぞれ操舵角度θに基づいて求め
られる。
一方、ステップ212の処理において、ヨー角加速度
が参照ヨー角加速度 より小さいと、ヨー角速度は、緩やかな収束ではない
と判定し、ヨー角速度を大きく増加させる方向に制御
するために、前二輪1,2個々について、旋回内輪か旋回
外輪であるかにより、操舵角度θ、操舵角速度に応じ
て、前輪基準速度Vsfから、それぞれの基準速度Vsfi,Vs
foを、前記算出式によって算出する(ステップ214)。
この時の調整量Afi,Bfiは、前記ステップ213の処理と
同様にして、第8,9図に基づいて算出した値から、所定
値を減算したより小さな値であり、調整量Afo,Bfoは、
前記ステップ213の処理と同様にして、第10,11図に基づ
いて算出した値に、所定量を加算したより大きな値であ
る。これにより、ステップ214の処理により算出される
内輪側の基準速度Vsfiは、ステップ213の処理により算
出される内輪側の基準速度Vsfiよりも小さく、ステップ
214の処理により算出される外輪側の基準速度Vsfoは、
前記ステップ213の処理により算出される外輪側の基準
速度Vsfoよりも大きい。
一方、ステップ211の処理により、ヨー角速度が参
照ヨー角速度 に基づいた所定範囲 以上であり、ヨー角速度が収束方向にないと、即ち増
加方向であると判定されると、緩やかな増加である緩発
散であるか否かを判定する(ステップ215)。これは、
ヨー角加速度と、参照ヨー角加速度 とに基づいて判定し、ヨー角加速度が参照ヨー角加速
より小さいときには、ヨー角速度は、緩発散であると
判定する。緩発散であると判定すると、前二輪1,2個々
について、旋回内輪か旋回外輪であるかにより、操舵角
度θ、操舵角速度に応じて、前輪基準速度Vsfから、
それぞれの基準速度Vsfi,Vsfoを、前記算出式によって
算出する(ステップ216)。
このステップ216の処理では、第7図及び前記表に示
す如く、ヨー角速度が参照ヨー角速度 以上でヨー角加速度が参照ヨー角加速度より小さい
場合に行われる処理であり、ヨー角速度を小さく減少
させる方向に、調整量Afi,Afo,Bfi,Bfoが選択される。A
fiは、第8図のグラフによって、例えば、右旋回のとき
には、グラフ右側のAfi5〜Afi8までの値が、そして左旋
回のときには、グラフ左側のAfi1〜Afi4までの値が、そ
れぞれ推定車体速度Vaと操舵角度θに基づいて求められ
る。
また、Bfiは、第9図のグラフによって、右旋回のと
きには、グラフ右側の値が、そして左旋回のときには、
グラフ左側の値が、それぞれ操舵角度θに基づいて求め
られる。Afoは、第10図のグラフによって、右旋回のと
きには、グラフ右側のAfo3、Afo4の値が、そして左旋回
のときには、グラフ左側のAfo1、Afo2の値が、それぞれ
推定車体速度Vaと操舵角度θに基づいて求められる。Bf
oは、第11図のグラフによって、右旋回のときには、グ
ラフ右側の値が、そして左旋回のときには、グラフ左側
の値が、それぞれ操舵角度θに基づいて求められる。
あるいは、ステップ215の処理により、ヨー角加速度
が参照ヨー角加速度 以上であり、ヨー角速度は、緩発散ではないと判定す
ると、ヨー角速度を大きく減少させる方向に制御する
ために、前二輪1,2個々について、旋回内輪か旋回外輪
であるかにより、操舵角度θ、操舵角速度に応じて、
前輪基準速度Vsfから、それぞれの基準速度Vsfi,Vsfo
を、前記算出式によって算出する(ステップ217)。
この時の調整量Afi,Bfiは、前記ステップ216の処理と
同様にして、第8,9図に基づいて算出した値から、所定
値を減算したより小さな値であり、調整量Afo,Bfoは、
前記ステップ216の処理と同様にして、第10,11図に基づ
いて算出した値に、所定量を加算したより大きな値であ
る。これにより、ステップ217の処理により算出される
内輪側の基準速度Vsfiは、ステップ216の処理により算
出される内輪側の基準速度Vsfiよりも小さく、ステップ
217の処理により算出される外輪側の基準速度Vsfoは、
ステップ216の処理により算出される外輪側の基準速度V
sfoよりも大きい。
このように、基準速度Vsfi,Vsfoは、前輪旋回制御開
始条件が成立後、本制動力制御ルーチンを繰り返し実行
する毎に算出される。この内、前輪旋回内輪基準速度Vs
fiは、第8図,第9図のグラフに基づいて繰り返し算出
されて、第16図に破線で示すように、前輪旋回制御開始
条件成立時t1から時間が経過するに従って、推定車体速
度Vaの減少よりもある期間の間は、大きく低下した値と
して算出される。また、前輪旋回外輪基準速度Vsfoは、
第10図、第11図に基づいて繰り返し算出されて、第16図
に実線で示すように、推定車体速度Vaよりも大きな値と
して算出される。尚、前輪旋回制御開始条件成立時t1ま
では、ステップ200の処理によって、前輪旋回制御開始
条件が成立していないと判定されて、後述するステップ
320以下の処理を実行し、通常のアンチスキッド制御が
行われている。
前記ステップ213、216の処理を実行して基準速度Vsf
i,Vsfoを算出して、外乱発生中フラグFdisを零にリセッ
トすると(ステップ218)、あるいは、前記ステップ21
4、217の処理を実行して基準速度Vsfi,Vsfoを算出する
と、次に、前輪旋回制御終了条件が成立しているか否か
が判定される(ステップ230)。この終了条件は、ステ
ップ200の処理の際の開始条件と逆の条件であり、第5
図のグラフの斜線外にあるときには、終了条件が成立し
てないと判定する。終了条件が成立していないと、前二
輪1,2について、前記基準速度Vsfi,Vsfoに応じて、それ
ぞれアクチュエートパターンを選択する(ステップ24
1)。これは、前二輪1,2の前記制御弁16,17を、減圧モ
ード、保持モード、増圧モードの何れのパターンで駆動
するかの選択であり、基準速度Vsfi,Vsfo、車輪速度、
車輪加速度、路面の摩擦係数に応じて選択される。
本実施例では、ステップ110の処理により検出された
前二輪1,2の各車輪速度が、旋回内輪基準速度Vsfi及び
旋回外輪基準速度Vsfoとなるように、各車輪速度が基準
速度Vsfi,Vsfo以下となったときには、減圧モードが選
択される。また、各車輪速度が基準速度Vsfi,Vsfo以上
となって、車輪加速度が所定値以下の時には保持モード
が、車輪加速度が所定値以上の時には増圧モードが選択
される。また、この際、前記ステップ151の処理の実行
により判断された路面状態によって、即ち、極低摩擦
路、低摩擦路、中摩擦路、高摩擦路であるかによって、
減圧モード、保持モード、増圧モードに切り替わる時期
が異なる。尚、ステップ230の処理により、前輪旋回制
御終了条件が成立していると判定されると、前輪旋回制
御フラグFFCを零にリセットする(ステップ245)。
一方、前記ステップ154の処理により、外乱が発生し
ていると判定されると、外乱発生中フラグFdis、アンチ
スキッド制御フラグFABS、前輪旋回制御フラグFFCにそ
れぞれ1をセットする(ステップ221,222,223)。次
に、ヨー角速度と参照ヨー角速度 とに基づいて、ヨー角速度が収束方向にあるか否かを
判定する(ステップ224)。ヨー角速度が参照ヨー角
速度 に基づいた所定範囲 より小さいときには、ヨー角速度が減少する収束方向
にあると判定して、前記ステップ214の処理を実行す
る。即ち、ヨー角速度を大きく増加させる方向に制御
するめに、前二輪1,2個々について、旋回内輪か旋回外
輪であるかにより、操舵角度θ、操舵角速度に応じ
て、前輪基準速度Vsfから、それぞれの基準速度Vsfi,Vs
foを、前記算出式によって算出する。また、ヨー角速度
が算出ヨー角速度 以上であるときには、ヨー角速度が収束方向にないと
判定して、前記ステップ217の処理を実行する。即ち、
ヨー角速度を大きく減少させる方向に制御するため
に、前二輪1,2個々について、旋回内輪か旋回外輪であ
るかにより、操舵角度θ、操舵角速度に応じて、前輪
基準速度Vsfから、それぞれの基準速度Vsfi,Vsfoを、前
記算出式によって算出する。続いて、ステップ230以下
の処理を実行して前述した如く基準速度Vsfi,Vsfoに基
づいて、アクチュエートパターンを選択する。
このステップ221以下の処理を実行することにより、
ブレーキスイッチ28がオンされた制動後に(ステップ15
3)、第17図に示すように、内輪が高摩擦路上にあり、
外輪が低摩擦路上にあるときに、ヨー角速度が所定値
以上となって、外乱が発生したと判定され(ステップ15
4)、第16図に示すように、その時toから、ヨー角速度
を収束させる方向に制御が行われる。即ち、ヨー角速
度が参照ヨー角速度 より大きく、収束方向にないと判定されて(ステップ22
4)、急発散時の前二輪個々の基準速度Vsfi,Vsfoが算出
される(ステップ217)。
この第17図の状態となると、前内輪のブレーキングフ
ォースBF、センタリングフォースCF及び後内輪のブレー
キングフォースBFにより時計回りのヨーモーメントが増
加し、急速にスピンが生じる状態となる。このようなと
きには、スイッチ217の処理により、第16図に示す如
く、旋回外輪側のブレーキ油圧が減圧される。その後
に、比較的速い操舵角速度で修正操舵が行われると、ス
テップ211以下の処理が実行されて、前内輪の基準速度
が増加されて、ブレーキ油圧がかなり減圧される。
また、第18図の状態となると、車両旋回方向とは逆方
向にスピンしようとするが、その挙動は比較的緩やかな
ものであり、なぜなら、旋回制動時の前外輪の垂直荷重
は他の輪に比べて大きく、修正操舵で切り増しをするこ
とにより、前外輪のセンタリングフォースCFを大きく
し、反時計回りのヨーモーメントを減少させることがで
きるが、この時も、同様にブレーキ圧力が減圧される。
前二輪1,2についてアクチュエートパターンを選択す
ると、後二輪3,4について前二輪1,2と同様の処理を実行
する。まず、外乱発生中フラグFdisが1であるか否かを
判定し(ステップ246)、1でないと外乱が発生してい
ないと判定し、 続いて、後述する処理により、後輪旋回制御中に1に
セットされる後輪旋回制御フラグFRCが、1であるか否
かを判定する(ステップ250)。後輪旋回制御フラグFRC
が零であると、後輪旋回制御開始条件が成立しているか
否かを判定する(ステップ260)。これは、ステップ200
の処理と同様に、予めRAM33に格納された第5図と同様
のグラフによって、推定車体速度Vaをパラメータとする
操舵角度θと操舵角速度との関係に基づいて判定され
る。ある推定車体速度Vaのときに、操舵角度θと操舵角
速度とにより緩やかな操舵であると判定されたときに
は、開始条件が成立していないと判断する。また、操舵
角度θと操舵角速度とにより急な操舵であると判定さ
れ、かつ、前記前輪旋回制御フラグFFCがセットされて
おり、前輪旋回制御が実行されているときに、開始条件
が成立していると判断する。この開始条件が成立してい
ると、開始条件が成立してから所定時間Taが経過してい
るか否かが判定する(ステップ270)。即ち、前輪旋回
制御開始条件が成立してから所定時間Ta経過するまで
は、後述するステップ350の処理を実行し、後輪3,4につ
いては通常のアンチスキッド制御を行う。所定時間Taが
経過した後に、後輪旋回制御フラグFRCを1にセットす
る(ステップ280)。後輪旋回制御を前輪旋回制御開始
後所定時間Ta経過した後に行うことにより、全輪を同時
に旋回制動制御を実行することによる急激な車両挙動変
化を防止する。これは、後輪3,4が車両の安定性に大き
な役割を持っているからである。
後輪旋回制御開始条件が成立し、所定時間Taが経過し
ていると、ヨー角速度が収束方向にあるいか否かを判
定する(ステップ281)。ヨー角速度が参照ヨー角速
より小さいときには、ヨー角速度が収束方向にあると
判定して、その収束が緩収束であるか否かを判定する
(ステップ282)。ヨー角加速度が参照ヨー角加速度 以上であるときには、ヨー角速度は、緩収束であると
判定し、後二輪3,4について、旋回内輪か旋回外輪であ
るかにより、操舵角度θ、操舵角速度に応じて、後輪
基準速度Vsrから、ヨー角速度を小さく増加させるよ
うに制御するために、それぞれ基準速度Vsri,Vsroを下
記算出式により算出する(ステップ283)。
Vsri=Vsr+Ari+Bri Vsro=Vsf+Aro+Bro ここで、Vsriは前輪旋回内輪基準速度であり、Vsroは
後輪旋回外輪基準速度である。また、Ari,Aro,Bri,Bro
は調整量であり、ヨー角速度、参照ヨー角速度 ヨー角加速度、参照ヨー角加速度 が参照されて、第12図〜第15図のグラフに基づいて算出
される。
即ち、ステップ283の処理では、前記ステップ213の処
理と同様に、ヨー角速度が参照ヨー角速度 より小さくてヨー角加速度が参照ヨー角加速度 以上であるときにには、ヨー角速度を小さく増加させ
る方向に、調整量Ari,Aro,Bri,Broが選択される。Ariは
第12図に示すグラフによって、例えば、右旋回のときに
は、グラフ左側のAri1〜Ari4までの値が、そして左旋回
のときには、グラフ右側のAri5〜Ari8までの値が、それ
ぞれ推定車体速度Vaと操舵角度θに基づいて求められ
る。また、Briは第13図に示すグラフによって、右旋回
のときには、グラフ左側の値が、そして左旋回のときに
は、グラフ右側の値が、それぞれ操舵角度θに基づいて
求められる。
更に、Aroは第14図に示すグラフによって、右旋回の
ときには、グラフ左側のAro1、Aro2の値が、そして左旋
回のときには、グラフ右側のAro3、Aro4の値が、それぞ
れ推定車体速度Vaと操舵角度θに基づいて求められる。
Broは第15図に示すグラフによって、右旋回のときに
は、グラフ左側の値が、そして左旋回のときには、グラ
フ右側の値が、それぞれ操舵角度θに基づいて求められ
る。
一方、ステップ282の処理において、ヨー角加速度
が参照ヨー角加速度 より小さいと、ヨー角速度は、緩やかな収束ではない
と判定し、ヨー角速度を大きく増加させる方向に制御
するために、後二輪3,4個々について、旋回内輪か旋回
外輪であるかにより、操舵角度θ、操舵速度に応じ
て、後輪基準速度Vsrから、それぞれの基準速度Vsri,Vs
roを、前記算出式によって算出する(ステップ284)。
この時の調整量Ari,Briは、前記ステップ283の処理と
同様にして、第12,13図に基づいて算出した値から、所
定値を減算したより小さな値であり、調整量Aro,Bro
は、前記ステップ283の処理と同様にして、第14,15図に
基づいて算出した値に、所定量を加算したより大きな値
である。これにより、ステップ284の処理により算出さ
れる内輪側の基準速度Vsriは、ステップ283の処理によ
り算出される内輪側の基準速度Vsriよりも小さく、ステ
ップ284の処理により算出される外輪側の基準速度Vsro
は、ステップ283の処理により算出される外輪側の基準
速度Vsroよりも大きい。
一方、ステップ281の処理により、ヨー角速度が参
照ヨー角速度 に基づいた所定範囲 以上であり、ヨー角速度が収束方向にないと判定され
ると、緩発散であるか否かを判定する(ステップ28
5)。ヨー角加速度が参照ヨー角加速度 より小さいときには、ヨー角速度は、緩発散であると
判定し、後二輪3,4個々について、旋回内輪か旋回外輪
であるかにより、操舵角度θ、操舵角速度に応じて、
後輪基準速度Vsrから、それぞれの基準速度Vsri,Vsro
を、前記算出式によって算出する(ステップ286)。
即ち、ステップ286の処理では、ヨー角速度が参照
ヨー角速度 より大きいくてヨー角加速度が参照ヨー角加速度 より小さい場合に行われる処理であり、ヨー角速度を
小さく減少させる方向に、調整量Ari,Aro,Bri,Broが選
択される。Ariは、第12図のグラフによって、右旋回の
ときには、グラフ右側のAri4〜Ari6までの値が、そして
左旋回のときには、グラフ左側のAri1〜Ari3までの値
が、それぞれ推定車体速度Vaと操舵角度θに基づいて求
められる。
また、Briは、第13図のグラフによって、右旋回のと
きには、グラフ右側の値が、そして左旋回のときには、
グラフ左側の値が、それぞれ操舵角度θに基づいて求め
られる。Aroは、第14図のグラフによって、右旋回のと
きには、グラフ右側のAro3、Aro4の値が、そして左旋回
のときには、グラフ左側のAro1、Aro2の値が、それぞれ
推定車体速度Vaと操舵角度θに基づいて求められる。Br
oは、第15図のグラフによって、右旋回のときには、グ
ラフ右側の値が、そして左旋回のときには、グラフ左側
の値が、それぞれ操舵角度θに基づいて求められる。
あるいは、ステップ285の処理により、ヨー角加速度
が参照ヨー角加速度 以上であり、ヨー角速度は、緩発散ではないと判定す
ると、後二輪1,2個々について、旋回内輪か旋回外輪で
あるかにより、操舵角度θ、操舵速度に応じて、前輪
基準速度Vsrから、それぞれの基準速度Vsri,Vsroを、前
記算出式によって算出する(ステップ287)。
この時の調整量Ari,Briは、前記ステップ286の処理と
同様にして、第12,13図に基づいて算出した値から、所
定量を減算したより小さな値であり、調整量Aro,Bro
は、前記ステップ286の処理と同様にして、第14,15図に
基づいて算出した値に、所定量を加算したより大きな値
である。これにより、ステップ287の処理により算出さ
れる内輪側の基準速度Vsriは、ステップ286の処理によ
り算出される内輪側の基準速度Vsriよりも小さく、ステ
ップ287の処理により算出される外輪側の基準速度Vsro
は、ステップ286の処理により算出される外輪側の基準
速度Vsroよりも大きい。
基準速度Vsri,Vsroを算出すると、次に、後輪旋回制
御終了条件が成立しているか否かが判定される(ステッ
プ300)。この終了条件は、ステップ260の処理の際の開
始条件と逆の条件である。終了条件が成立していない
と、後二輪3,4について、前記基準速度に応じて、ステ
ップ241の処理と同様に、それぞれアクチュエートパタ
ーンを選択する(ステップ311)。
アクチュエートパターンを選択して、前輪旋回制御フ
ラグFFC及び後輪旋回制御フラグFRCに1がセットされて
いると、アンチスキッド通常制御を実行することなく
(ステップ330〜350)、アクチュエータ駆動制御を実行
す(360)。
このアクチュエータ駆動制御では、前述した処理で選
択したアクチュエートパターンに従って、制御弁16〜19
が駆動される。よって、本制動力制御ルーチンを繰り返
し実行することにより、第16図に示すように、前輪旋回
内輪の車輪速度Vωfiは前輪旋回内輪基準速度Vsfiとな
るように制御される。前輪旋回外輪の車輪速度Vωfoは
前輪旋回外輪基準速度Vsfoとなるように制御される。前
輪旋回制御開始条件成立直後には、前輪旋回内輪基準速
度Vsfiが低く設定されるので、前輪旋回内輪側のブレー
キ圧力Pfiは、外輪側のブレーキ圧力Pfoよりも、高めに
制御されることとなる。次に、この制御弁16〜19の駆動
時間をモニタして、駆動時間を監視する(ステップ37
0)。
アンチスキッド終了条件が成立していないときには、
前記ステップ110以下の処理を繰り返し実行する。一
方、終了条件が成立したときには、アンチスキッド制御
フラグFABSを0にリセットしてから、前記ステップ110
以下の処理を繰り返し実行する。
一方、前記ステップ200の処理の実行により、前輪旋
回制御開始条件が成立していないと判定されると、即
ち、アンチスキッド制御条件が成立しているときに、緩
やかな操舵が行われると、ステップ210ないし315の処理
を実行することなく、ステップ320以下の処理を実行す
る。ステップ320の処理の実行により、前輪旋回制御フ
ラグFFCが0にリセットされていると判定されて、前輪
側のアンチスキッド通常制御を実行する(ステップ33
0)。この通常制御においては、ステップ150の処理の実
行により算出した前二輪1,2の基準速度Vsfに基づいて制
御が行われる。例えば、ステップ110の処理の実行によ
り検出された車輪速度が、基準速度Vsfに対して予め定
められたスリップ率(例えば20%)となるように、前輪
側の制御弁16,17を減圧モード、保持モード、増圧モー
ドの何れのパターンで駆動するかのアクチュエートパタ
ーンが選択される。
次に、ステップ340の処理の実行により、後輪旋回制
御フラグFRCが零にリセットされていると判定されて、
後輪側のアンチスキッド通常制御を実行する(ステップ
350)。この通常制御においては、ステップ150の処理の
実行により算出した後二輪3,4の基準速度Vsrに基づいて
制御が行われる。例えば、ステップ110の処理の実行に
より検出された車輪速度が、基準速度Vsrに対して予め
定められたスリップ率(例えば20%)となるように、後
輪側の制御弁18,19を減圧モード、保持モード、増圧モ
ードの何れのパターンで駆動するかのアクチュエートパ
ターンが選択される。このアクチュエートパターンに従
って、前述したステップ360以下の処理が実行されて、
各制御弁16〜19が駆動される。
尚、ステップ144の処理の実行が運動状態目標値算出
手段M4として働き、ステップ211,224,281,292の処理の
実行が運動実行判定手段M5として働き、ステップ213,21
4,216ないし241,283,284,286ないし311の処理の実行が
制動制御手段M6として働く。
このように、本実施例の制動力制御装置は、例えば、
第17図に示すような、旋回内輪側が高摩擦路であるよう
な旋回またぎ路を走行しているときに、ブレーキペダル
13が踏まれて、ブレーキスイッチ28がオンされると(ス
テップ153)、ステップ154以下の処理を実行する。この
制動時に、まだ外乱が発生せず(ステップ154)、前輪
旋回制御開始条件が成立していないと(ステップ20
0)、通常のアンチスキッド制御を実行する(ステップ3
30,350)。この状態で、第16図に示すように、時間toに
おいて、ヨー角速度が参照ヨー角速度 以上となって外乱が発生したと判定されると(ステップ
154)、前後輪ともヨー角速度を大きく減少させる方
向に制御する(ステップ224,217,241,292,287,311)。
これにより、内輪の基準速度Vsfi,Vsriは大きく減少さ
れ、外輪の基準速度Vsfo,Vsroは大きく増加される。よ
って、内輪のブレーキ油圧Pfiは増加され、外輪のブレ
ーキ油圧Pfoは減少される。これは、第18図に示すよう
な、旋回外輪側が高摩擦路である場合にも同様に行われ
る。
このように、ヨー角速度を減少させて、ヨー角速度
が参照ヨー角速度 に基づいた所定範囲 より小さくなり外乱が発生していないと判定され(ステ
ップ154)、若しくは、当初から外乱が発生していない
と判定されており、時間t1で修正操舵等の操舵が行われ
た場合には、ヨー角速度が参照ヨー角速度 より大きいか否かにより(ステップ211,281)、また、
ヨー角加速度が参照ヨー角加速度 より大きいか否かにより(ステップ212,215,282,28
5)、ヨー角速度を減少若しくは増加させる方向に制
御する(ステップ213,214,216,217,283,284,286,28
7)。これにより、ヨー角速度を参照ヨー角速度 となりように制御する。
従って、ヨー角速度に応じた制御が可能となり、車
両のドリフト状態、例えば修正操舵や逆操舵の場合で
も、その状態に応じた適切な制御を実行し、操安性の向
上を図ることができる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の制動力制御装置は、操舵
方向に関わりなく、横方向の運動状態に基づいて制御す
るので、車両のドリフト状態、例えば修正操舵や逆操舵
の場合でも、その状態に応じた適切な制御を実行し、操
安性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本発明の一実施例としての制動力制御装置の概略
構成図、第3図(a),(b),(c),(d)は本制
御回路において行われる制動力制御ルーチンの一例を示
すフローチャート、第4図は本実施例の前輪制御開始条
件を説明するグラフ、第5図は従来の旋回制動が行われ
た場合の最大ヨーレートとスリップ率との関係を説明す
るグラフ、第6図は本実施例の路面判定条件を説明する
グラフ、第7図は本実施例のヨー角速度と参照ヨー角速
度及びヨー角加速度と参照ヨー角加速度との関係を示す
グラフ、第8図は本実施例の前輪旋回内輪基準速度の操
舵角度に基づいた調整量を求めるグラフ、第9図は同じ
く前輪旋回内輪基準速度の操舵角速度に基づいた調整量
を求めるグラフ、第10図は同じく前輪旋回外輪基準速度
の操舵角度に基づいた調整量を求めるグラフ、第11図は
同じく前輪旋回外輪基準速度の操舵角速度に基づいた調
整量を求めるグラフ、第12図は本実施例の後輪旋回内輪
基準速度の操舵角度に基づいた調整量を求めるグラフ、
第13図は同じく後輪旋回内輪基準速度の操舵角速度に基
づいた調整量を求めるグラフ、第14図は同じく後輪旋回
外輪基準速度の操舵角速度に基づいた調整量を求めるグ
ラフ、第15図は同じく後輪旋回外輪基準速度の操舵角速
度に基づいた調整量を求めるグラフ、第16図は本実施例
の制動時の基準速度の変化のタイミングチャート、第17
図は本実施例の旋回またぎ路での内輪側が高摩擦路であ
るときの車輪の作用力の説明図、第18図は同じく旋回ま
たぎ路での外輪側が高摩擦路であるときの車輪の作用力
の説明図である。 M1、1〜4…車輪、M2…圧力制御手段 M3…横運動検出手段 M4…運動状態目標値算出手段 M5…運動状態判定手段 M6…制動制御手段 5〜8…回転数センサ 9b〜12b…ブレーキシリンダ 13…ブレーキペダル 16〜19…制御弁 28…ブレーキスイッチ 30…電子制御回路 40…横運動センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 秀雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 土屋 義明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−232952(JP,A) 特開 昭61−291261(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両前後左右の各車輪毎に独立してブレー
    キ圧力を制御する圧力制御手段と、 車両の横方向の運動状態を検出する横運動検出手段と、 該運動状態に基づいて制動後の車両運動状態を推定した
    運動状態目標値を算出する運動状態目標値算出手段と、 前記横方向の運動状態と前記運動状態目標値とを比較し
    て車両運動状態の増減方向を判定する運動状態判定手段
    と、 該運動状態判定手段により減少方向にあると判定された
    ときには、前記運動状態を増加させる方向に、また増加
    方向にあると判定されたときには、前記運動状態を減少
    させる方向に前後車輪と旋回内外輪とでは異なる制御量
    を各車輪毎に独立して算出し、前記圧力制御手段を制御
    して各車輪毎にブレーキ圧力を制御する制動制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする制動力制御装置。
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