JP2712268B2 - 車両における表示制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は車両における表示制御装置に関するもので
ある。

［従来の技術］ 近年、産業車両にも電子制御式の車両が採用されてき
ており、例えば、第６図に示すリーチ式フォークリフト
において、車両本体にコントロールボックス１が内蔵さ
れ、そのコントロールボックス１内にはCPUボード２が
配置され同ボード２に中央処理装置（以下、CPUとい
う）３が配置されている。又、運転席にはそのCPU3にて
各種の表示仕様で表示動作される表示器４が設けられて
いる。そして、CPU3は例えば速度検出センサ（回転数検
出センサ）から信号を入力しており、CPU3は当該車両が
輸出仕様か国内仕様かの違いにて、例えばキロメートル
（km/hr），マイル（mile/hr）といったようにその表示
仕様に応じて速度検出センサからの信号をその単位に合
うように変換し、その変換値を所定の速度単位で前記表
示器４に表示させるようになっている。

又、速度検出センサは回転軸の回転を検出しているの
で、装着するタイヤの径に応じて前述したように速度検
出センサからの信号をその仕様（タイヤ径）に合う速度
に変換し、その変換値を前記表示器４に表示させるよう
になっている。

そして、この速度単位の表示仕様やタイヤ径（タイヤ
サイズ）に応じた表示仕様の設定は前記CPUボード２に
設けたディップスイッチ（デュアル・インライン・パッ
ケージ形スイッチ）５のセット状態にて決められる。即
ち、フォークリフト製造工場において、機種ごとに設定
済みのディップスイッチ５を備えたCPUボード２が予め
用意され、製造ラインで同ボード２が組付けられるよう
になっている。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、何らかの理由により表示仕様を切換える必
要が生じた際には、コントロールボックス１等の機器を
囲うカバー６を取り外す必要があり表示仕様の変更が大
変煩わしいものとなっていた。

この発明の目的は、機台組付後も容易に表示仕様を変
更することができる車両における表示制御装置を提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］ この発明は上記目的を達成すべく、車両の各種出力設
定或いは各種表示指示を行なうために車両本体の露出部
に入力手段が設けられているとともに、車両本体に内蔵
された電子制御機器にて所望の表示仕様で表示器に表示
動作を行なわせるようにした車両の表示制御装置におい
て、前記入力手段による前記各種出力設定或いは各種表
示指示のための入力操作とは異なる予め定められた複数
の特殊操作に対し個々に所定の表示仕様を決定するため
の仕様選択データを対応させるとともに、前記各特殊操
作によって対応する仕様選択データを記憶する不揮発性
の記憶手段を設け、該記憶手段と前記電子制御機器とを
通信可能として記憶手段に記憶された表示仕様を表示器
に表示させるようにした車両における表示制御装置をそ
の要旨とするものである。

［作用］ 操作者による入力手段の特殊操作にて表示仕様を決定
するための仕様選択データが入力され、その仕様選択デ
ータが不揮発性の記憶手段に記憶され、そのデータによ
り電子制御機器が所望の表示仕様で表示器に表示動作を
行なわせる。その結果、車両本体の露出部に設けられて
いる入力手段を特殊操作するだけで表示仕様を所望のも
のに切換えることができる。しかも、入力手段は車両の
各種出力設定或いは各種表示指示を行なうために従来よ
り車両に設けられているものを利用しているため、表示
仕様を切換えるための入力手段を新たに設ける必要がな
く、新たな入力手段を設置する場合と比べ、コスト面及
びスペース面で有利となる。又、従来の入力手段を利用
しているとしても、表示仕様の切換えの場合には、前記
各種出力設定或いは各種表示指示のための入力操作とは
異なる特殊操作が行なわれるため、各種出力設定或いは
各種表示指示のための通常の入力手段の使用形態におい
て不用意に表示仕様が切換られるおそれもない。

［実施例］ 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って
説明する。尚、本実施例においても、前述したバッテリ
により駆動されるリーチ式フォークリフトに具体化した
場合について述べ、同一の構成を成すものについては同
一の符号を付しその説明を省略する。

第１図に示すように、運転席には入力手段としてのキ
ーボード11と表示器としてのメータパネル12が設けら
れ、両機器11,12は車体本体内に設けられる前記CPU3に
接続されている。このキーボード11は第２図に示すよう
にアップキー13とダウンキー14とモードキー15とアワー
キー16とが配置されている。

又、メータパネル12は第３図に示すように、速度単位
を「mph（mile/hr）」あるいは「km/hr」で表示できる
速度表示部17が設けられるとともに、８つの表示体18a
を有するモータパワー表示部18が設けられている。本リ
ーチ式フォークリフトにおいては、走行モータ、リフト
モータ、ティルトモータのパワーをそれぞれ調整できる
ようになっており、前記キーボード11のモードキー15を
押下操作するたびに走行モータパワー調整モード、リフ
トモータパワー調整モード、ティルトモータパワー調整
モードに切換えられる。そして、その各モードでモータ
パワーが表示体18aの点灯個数により表示されるととも
に、前記アップ・ダウンキー13,14を操作することによ
りパワーを変更できるようになっている。

又、メータパネル12にはアワー表示部19が設けられ、
このアワー表示部19には前記キーボード11のアワーキー
16を押下操作するたびに車両のキースイッチが入力状態
であった合計時間、車両の走行距離、車両の走行時間
（走行モータの通電時間）、荷役動作時間（荷役モータ
の通電時間）が順に表示される。そのうち、キースイッ
チが入力状態であった合計時間，車両の走行時間，荷役
動作時間は時間（hr）単位で表示され、又、車両の走行
距離はkm若しくはmileで表示される。

さらに、第１図に示すように前記CPUボード２には不
揮発性の記憶手段としてのEEPROM（Electrically Erasa
ble Programmable ROM）20が配設され、このEEPROM20は
第４図に示すようにCPU3と接続されている。そして、同
フォークリフトのキースイッチがオフされてもEEPROM20
に記憶したデータはそのまま保存される。このEEPROM20
には、前記キーボード11の各キー（アップキー13,ダウ
ンキー14,モードキー15,アワーキー16）を仕様選択デー
タ入力手段として使用することにより表示仕様を決定す
るための使用選択データが記憶される。

即ち、前記キーボード11の各キーを特殊なパターンで
操作することによりそのための仕様選択モードを設定で
きるようになっている。より具体的には、モードキー15
とアワーキー16を同時に押した状態を保持することによ
り仕様選択モードが設定でき、この状態からアップキー
13→アップキー13→アップキー13→アップキー13という
順でキー操作することにより速度単位「mph（mile/h
r）」で，距離単位を「mile」による表示で、かつ、タ
イヤサイズ番号のタイヤを使用した場合の表示仕様と
なる。又、モードキー15とアワーキー16を同時に押した
状態で、アップキー13→アップキー13→ダウンキー14→
アップキー13という順でキー操作することにより速度単
位「km/hr」で，距離単位を「km」による表示で、か
つ、タイヤサイズ番号のタイヤを使用した場合の表示
仕様となる。さらに、モードキー15とアワーキー16を同
時に押した状態で、ダウンキー14→ダウンキー14→ダウ
ンキー14→ダウンキー14という順でキー操作することに
より速度単位「km/hr」で，距離単位を「km」による表
示で、かつ、タイヤサイズ番号のタイヤを使用した場
合の表示仕様となる。さらには、他の適宜の設定が可能
となっている。これらは、前記ディップスイッチ５のセ
ット動作に対応するものである。

CPU3には図示しない読み出し専用のメモリ（ROM）が
接続され、このメモリに記憶したデータに基づいて回転
数検出信号からタイヤ径（タイヤサイズ）に応じた車両
の走行距離km若しくはmileを求めたり、車両の走行速度
をkm/hr若しくはmph（mile/hr）で求めるための制御プ
ログラムが予め記憶されている。

次に、この車両における表示制御装置の作用を第５図
に基づいて説明すると、CPU3はキーボード11からの信号
を常時読取っており（ステップ１）、前述したような予
め定めたキー入力パターンでキー入力操作（モードキー
15とアワーキー16の同時押下操作）が行なわれたと判断
すると（ステップ２）、次に送られてくるキー入力デー
タをEEPROM20に書込んでいく（ステップ３）。そして、
このステップ1,2,3によって必要な機台ごとの輸出仕様
か国内仕様かの違い（km、mileによる表示）とタイヤサ
イズ番号によるデータを記憶させる。

そして、CPU3はこのEEPROM20に記憶したデータを読み
出し（ステップ４）、外部からの回転数検出信号を入力
してその表示仕様に合う表示のための演算を行い（ステ
ップ５）、その結果をパネルメータ12に表示する（ステ
ップ６）。

以下、CPU3はステップ4,5,6のEEPROM20のデータ読み
出し、外部からの回転数検出信号を入力して表示のため
の演算を行い結果を表示する処理を繰返す。

このように、従来ではフォークリフト製造工場での出
荷段階で、機種ごとに設定済みのディップスイッチ５を
備えたCPUボード２を製造ラインで組付けた後に何らか
の理由により表示仕様を切換える場合にはカバー６を取
り外す必要があり表示仕様の変更が大変煩わしいものと
なっていたが、本実施例においては、CPUボード２を組
付けた後に車両本体に露出する部分である運転席に設け
られたキーボード11をキー操作することによりカバー６
を取り外すことなく、表示仕様を決定するための仕様選
択データを不揮発性メモリ（EEPROM20）に記憶すること
により容易に表示仕様を変更することができる。従っ
て、フォークリフト製造工場内での出荷前の表示仕様の
変更、及びフォークリフト製造工場からの出荷後の表示
仕様の変更を極めて容易に行なうことができる。

又、本実施例では、ユーザがモータパワーを変更する
ために使用されるキーボード11を使用選択データ入力手
段として用いているので、表示仕様変更のための特別の
キーボード等の入力装置を用意する必要がない。

尚、この発明は上記実施例に限定されるものではな
い。

［発明の効果］ 以上詳述したようにこの発明によれば、機台組付後も
容易に表示仕様を変更することができるばかりか、その
表示仕様を変更するための入力手段は既存の入力手段を
利用しているため新たな入力手段を設置する場合と比べ
てコスト面及びスペース面で有利となり、更に、既存の
入力手段を利用していてもその操作を通常の操作では行
なわれない特殊操作としているため通常の入力手段の操
作によって不用意に表示仕様が切換えられる可能性も低
い優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した車両における表示制御装
置を搭載したリーチ式フォークリフトの側面、第２図は
キーボードの正面図、第３図はメータパネルの正面図、
第４図は表示制御装置の電気ブロック図、第５図は車両
における表示制御装置の作用を説明するためのフローチ
ャート、第６図は従来技術を説明するためのリーチ式フ
ォークリフトを示す側面図である。 11は入力手段としてのキーボード、12は表示器としての
メータパネル、20は不揮発性の記憶手段としてのEEPRO
M。

フロントページの続き (72)発明者 須賀 健治 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−157770（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−11204（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−264394（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−215970（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−204793（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両の各種出力設定或いは各種表示指示を
   行なうために車両本体の露出部に入力手段が設けられて
   いるとともに、車両本体に内蔵された電子制御機器にて
   所望の表示仕様で表示器に表示動作を行なわせるように
   した車両の表示制御装置において、 前記入力手段による前記各種出力設定或いは各種表示指
   示のための入力操作とは異なる予め定められた複数の特
   殊操作に対し個々に所定の表示仕様を決定するための仕
   様選択データを対応させるとともに、前記各特殊操作に
   よって対応する仕様選択データを記憶する不揮発性の記
   憶手段を設け、該記憶手段と前記電子制御機器とを通信
   可能として記憶手段に記憶された表示仕様を表示器に表
   示させるようにした車両における表示制御装置。