JP2711439B2 - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2711439B2 JP7206468A JP20646895A JP2711439B2 JP 2711439 B2 JP2711439 B2 JP 2711439B2 JP 7206468 A JP7206468 A JP 7206468A JP 20646895 A JP20646895 A JP 20646895A JP 2711439 B2 JP2711439 B2 JP 2711439B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、映像スクリーン
が電子写真技法を使って製造される陰極線管(CRT)
に、更に詳しくは、スクリーン製造用の乾燥粉末状の蛍
光体粒子がその摩擦荷電(トライボエレクトリック・チ
ャージング)特性を制御するために、ポリマーで表面処
理あるいは被覆されている陰極線管に、関するものであ
る。
【0002】
【発明の背景】普通のシャドウマスク形CRTは、相異
なる3種の色光を発生する蛍光体素子が循環的に配列さ
れたアレイより成る映像スクリーンを内部に有する排気
された外囲器、このスクリーンに向かって3本の集中電
子ビームを生成投射する手段、および上記のスクリーン
とビーム生成手段との間に正確に配置された多孔金属シ
ートから成る色選択構体すなわちシャドウマスクと、を
持っている。この多孔金属シートは、スクリーンの陰に
なり、また各ビームの集中角度の違いによって各ビーム
の一部分をそれぞれ通過させて所要発光色の蛍光体素子
を選択的に励起させる。その各蛍光体素子の周囲は吸光
性材料のマトリクスで囲まれている。
【0003】CRTのフェースプレート上に蛍光体素子
の各アレイを形成する従来法の一つでは、フェースプレ
ートの内面を、感光性のバインダと3つの発光色のうち
の一つの色光を発生するような蛍光体粒子とのスラリー
で被覆する。このスラリーを乾燥させて塗膜(コーティ
ング)を作り、この乾燥塗膜上にシャドウマスクの多数
の開孔を通して光源から光場を投射する。このときシャ
ドウマスクは写真のマスタとして働く。次に、この露光
された塗膜を現像して、第1の色光を発生する蛍光体素
子を生成する。第2および第3の色光を発生する蛍光体
素子の作成にも、上記と同じシャドウマスクを使用し、
ただ各露光ごとに光源の位置を変えて、上記の工程を繰
返して行う。この光源の上記各工程における位置は、そ
の光路の集中角をそれぞれの色光発生蛍光体素子を励起
する1本の電子ビームの集中角に近似させる。ホトリソ
グラフィック湿式法として知られるこの方法のより詳し
い説明は、1953年1月23日にロウ氏(H.B.L
aw)に与えられた米国特許第2625734号の明細
書に開示されている。
【0004】上記の湿式法の欠点は、次世代の娯楽用装
置が要求する高解像度およびカラー英数字テキストを必
要とするモニタ、ワークステーションおよびその他の用
途で要求する更に高い解像度用としては適合しない可能
性のあることである。更に、この湿式ホトリソグラフィ
ック法(マトリクス工程を含む)は主要な工程として1
82ステップを必要とし、長大な配管と清浄な水を要す
ると共に、蛍光体材料の露光と乾燥のため多量の電力を
使用する。
【0005】1969年10月28日にランジ氏(H.
G.Lange)に与えられた米国特許第347516
9号明細書には、カラー陰極線管の電子写真式スクリー
ン製造法が開示されている。これは、CRTフェースプ
レートの内面を可蒸発性の導電材料で被覆し、次いでそ
の上を可蒸発性の光導電性材料の層で被覆する。この光
導電性層を、次に、均一に荷電し、シャドウマスクを通
した光で選択的に露光して電荷潜像を形成し、高分子量
のキャリヤ液で現像する。このキャリヤ液は懸濁液とし
て所定発光色の蛍光体粒子を多量に含み、その蛍光体粒
子は光導電性層の適切に荷電された部分に選択的に被着
して上記の潜像を現像する。この荷電、露光および被着
の過程をスクリーンの3種の発光色の蛍光体すなわち
緑、青、および赤の蛍光体のそれぞれについて繰返す。
電子写真式スクリーン製造法の一改良案が、1984年
5月15日付でオリスレージャーズ氏(H.G.Oli
eslagers)他に与えられた米国特許第4448
866号中に開示されている。この特許の方法では、各
被着工程後に蛍光体粒子の被着パターンの隣接部分相互
間に在る光導電性層の部分を一様に光に露出して残留電
荷をすべて放電させるか減少させ後続被着工程のために
光導電体を一層均一に再荷電できるようにすることで、
蛍光体粒子の付着度を増強し得るということである。上
記した最後の2つの特許に開示されている電子写真式方
法も本質的に湿式法であるから、米国特許第26257
34号の湿式ホトリソグラフィック法に関して前述した
欠点の大多数のものは、上記前後の2特許における湿式
電子写真法にも当てはまる。
【0006】1988年12月21日付でダッタ氏
(P.Datta)他が出願した米国特許出願第287
356号(特開平2−284331号公報対応)および
第287357号は、それぞれ、摩擦荷電した乾燥スク
リーン構造粉末と、極性と付与電荷量を調節するため表
面にカップリング剤を有する表面処理済みのキャリヤ・
ビードと、を使用してCRTスクリーン構体を製造す
る、改良法が記述されている。
【0007】処理を施していない蛍光体粒子を使用して
電子写真技法によりCRTのスクリーンを製造すること
は可能であるが、蛍光体粒子に表面処理を施すとその粒
子上の摩擦電荷の量が増してより多量の蛍光体粒子を各
キャリヤ・ビードに付着させ得ることを、この発明者は
確認した。この様にすれば、乾式電子写真法の効率を高
め、表面処理をした蛍光体を使用して製造したスクリー
ンのスクリーン重量を約2乃至9倍も増加させることが
できる。
【0008】
【発明の概要】この発明の陰極線管は、電子写真技法に
より製造された発光映像スクリーンとこのスクリーンの
各部を選択的に励起して発光させる手段とを有する。そ
のスクリーンは、可視スペクトル中の特定部分の光を放
射する乾燥粉末状蛍光体粒子の層より成り、この乾燥粉
末状蛍光体粒子は、上記スクリーンの製造工程中に表面
処理されているキャリヤ・ビードと共に使用したときの
その摩擦荷電特性を制御するための表面電荷制御ポリマ
ー材料で被覆されており、このポリマー材料はゼラチ
ン、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリアミド、ポリビ
ニルピリジン、ポリブチルメチルメタクリレート、ポリ
ビニルアルコール、ポリイソブチルメタクリレート、ポ
リ(トリフルオルエチルメタクリレート)およびニトロ
セルロースからなる群から選ばれた材料である。
【0009】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつこの発明の実
施例を説明する。
【0010】図1は、矩形のフェースプレート・パネル
12と、それに矩形ファンネル部15によって結合され
た管状ネック部14とより成るガラス外囲器11を持っ
たカラーCRT10を示す。ファンネル部15は、アノ
ードボタン16に接しかつネック部14内まで延長して
いる内部導電被覆(図示省略)を持っている。パネル1
2は、観察用のフェースプレートすなわち基板18と、
ファンネル部15に対してガラスフリット21によって
封着された周辺フランジすなわち側壁20とを有する。
このフェースプレート18の内面には3色カラー蛍光ス
クリーン22が支持されている。図2に示されたスクリ
ーン22は、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ放
射する蛍光体ストライプR、G、Bより成る多数のスク
リーン素子を含んだ線スクリーンであることが好まし
い。上記の各ストライプは、繰返し循環的に並べられた
3本のストライプすなわち3つ組のカラー群として配列
されていて、3本の電子ビームの発生進行面に対してほ
ぼ直交する方向に延びている。この実施例のCRTを正
常な観察位置におけば、上記蛍光体ストライプは垂直方
向に延びている。これらの蛍光体ストライプは、周知の
ように、吸光性のマトリックス材料23により互いに隔
てられていることが好ましい。このスクリーンは、また
別の形としてドット形であってもよい。アルミニウムで
あることを可とする薄い導電層24がスクリーン22の
上に載っていて、スクリーンに均一な電位を与えると共
に蛍光体素子から放射された光をフェースプレート18
を通過させるように反射する手段となっている。スクリ
ーン22とその上に在るアルミニウム層24はスクリー
ン構体を構成している。
【0011】再び図1に戻って、多孔色選択電極すなわ
ちシャドウマスク25が、上記スクリーン構体に対し所
定の間隔をもって普通の手段で取外し可能に取着けられ
ている。図1に破線で略示した電子銃26は、ネック1
4内の中心部に設けられていて、3本の電子ビーム28
を発生しこれを集中経路に沿ってマスク25の開孔を通
してスクリーン22に投射する。この電子銃26は、例
えばモレル氏(Morrell)他の米国特許第4,6
20,133号に示されているような形式のバイポテン
シャル型その他任意適当な形式のものでよい。
【0012】この管10は、ファンネル部とネック部の
連結部付近に設けられたヨーク30のような、外部磁気
偏向ヨークと共に使用するように構成されている。この
偏向ヨークを付勢すると、磁界を発生して3本のビーム
28に作用させ、これらビームで水平および垂直方向に
スクリーン22上を走査して矩形ラスタを描かせる。初
期偏向面(ゼロ偏向面における)はヨーク30のほぼ中
央、図1の線P−Pで示されている。簡単化のため、こ
の偏向域における偏向されたビームの経路の実際のわん
曲は示していない。
【0013】スクリーン22は、図3のa乃至eに略示
されまた前述した米国特許出願第287356号に記載
された新規な電子写真式方法によって製造される。先
ず、パネルを苛性アルカリ溶液で洗滌し、水ですすぎ洗
いをし、緩衝弗化水素酸でエッチングした後もう一度水
ですすぎ洗いをする。これらの処理工程は周知である。
次にフェースプレート18の内面を導電性材料の層32
で被覆して、その上に形成する光導電性層34用の電極
とする。導電性層32を、揮発性の有機高分子材料と適
当な光導電性染料(ダイ)および溶剤から成る光導電性
層34で被覆する。この導電性層32と光導電性層34
の、組成と形成法は前記米国特許出願第287356号
(特開平2−284331号対応)に記載されている。
【0014】導電性層32上を覆うこの光導電性層34
に、図3のbに略示された普通の正性コロナ放電装置3
6を使って、暗黒状態下で、荷電する。この装置36は
層34を横断移行して、+200〜+400Vを可とす
る+200〜+700Vの範囲で上記層を荷電する。パ
ネル12内にシャドウマスク25を挿入した後このマス
クを通してクセノン・フラッシュ・ランプ38からの光
で上記正に帯電した光導電体を露光する。ランプ38
は、図3のcのレンズ40で略示された普通のライトハ
ウス(スリー・イン・ワンライトハウス)内に配置され
ている。各一回の露光処理の後、ランプを異なった位置
に移動させて、その光路の入射角で電子銃からの電子ビ
ームの入射角を模しそれに対応させる。光導電体のう
ち、スクリーンを形成するために後で光放射性蛍光体が
被着されるべき部分の電荷を放電させるために、相異な
る3つのランプ位置から計3回の露光を行うことが必要
である。この露光工程の後、パネル12からシャドウマ
スク25を取外して、パネルを第1の現像器42(図3
のd)へ移す。この現像器42は、適切に調製された乾
燥した粉末状の吸光性ブラック・マトリクス・スクリー
ン構造材料の粒子と、直径が約100乃至300ミクロ
ンでここに説明するように上記のブラック・マトリクス
材料の粒子に摩擦電荷を与える表面処理された絶縁性キ
ャリヤ・ビード(図示せず)と、を収容している。
【0015】適当なブラック・マトリクス材料は、一般
に管の処理温度450℃で安定な黒色顔料を含んでい
る。マトリクス材料の生成に使用するに適した黒色顔料
には、酸化鉄マンガン、酸化鉄コバルト、硫化亜鉛鉄お
よび絶縁性カーボンブラックなどがある。このブラック
・マトリクス材料は、顔料、ポリマー、およびマトリク
ス材料に与えられる摩擦電荷の量を制御する適当な電荷
制御剤を、溶融−配合(メルト−ブレンディング)して
調製する。この材料は、平均粒径が約5ミクロンとなる
ように粉砕する。
【0016】重量で約1乃至2%のブラック・マトリク
ス材料を使って、ブラック・マトリクス材料と表面処理
されたキャリヤ・ビードとを現像器42中で混合する。
両材料は、微細に粉砕されたマトリクス粒子が、表面処
理されたキャリヤ・ビードと接触しかつ同ビードによっ
てたとえば負に荷電されるように、混合する。負に荷電
されたマトリクス粒子は現像器42から押出されて、正
に荷電された光導電性層34の非露光部に吸引され、そ
の部分を直接現像する。次に赤外線を使って、マトリク
ス材料のポリマー成分を溶融させて光導電性層に熱的に
固着させることにより、図2および図3のeに示すマト
リクス23を形成する。
【0017】マトリクス23を含むこの光導電性層34
は、3種の色光を発生する乾燥粉末状の蛍光体スクリー
ン構造材料のうちの最初のものを施すために、約200
乃至400Vの正の電位に均一に再荷電する。シャドウ
マスク25をパネル12内へ再び挿入し、緑色発光蛍光
体が被着されるべき位置に相当する光導電性層34上の
選択された部分を、ライトハウス内の第1の位置から到
来する可視光に露光してその被露光部を選択的に放電さ
せる。この第1の光の位置は緑色の蛍光体を衝撃する電
子ビームの集中角に(光路を)近似させるものである。
シャドウマスク25をパネル12から取外して、適当に
調製された緑色発光蛍光体スクリーン構造材料の乾燥粉
末状粒子と表面処理されたキャリヤ・ビードが入った第
2の現像器42に移す。この蛍光体粒子はここに記載す
るような適当な電荷制御材料で表面処理即ち表面被覆さ
れたものである。表面処理されたキャリヤ・ビード10
00gと表面処理された蛍光体粒子15乃至25gと
は、共にこの第2現像器42の中で一緒にされる。キャ
リヤ・ビードは蛍光体粒子上に、たとえば正の電荷を与
えるように処理されている。この正に荷電された緑色光
放射蛍光体粒子は現像器から押出され、光導電性層34
とマトリクス23の正に荷電された部分によって反発さ
れて、反転(リバーサル)現像として知られている工程
で、光導電性層の放電された被露光部に被着する。被着
した緑色光放射蛍光体粒子は、その表面処理された蛍光
体を赤外線に露光して、蛍光体を溶融または光導電性層
に熱的に固着させることによって、光導電性層に定着さ
せる。
【0018】この、荷電、露光、現像および定着の過程
を、スクリーン構造材料の乾燥粉末状の青および赤色光
放射表面処理済み蛍光体粒子について繰返す。光導電性
層34の正に荷電された部分を選択的に放電させるため
の可視光に対する露光は、ライトハウス内の第2の位置
から、次に第3の位置から行って、青色光放射蛍光体と
赤色光放射蛍光体をそれぞれ衝撃する電子ビームの各集
中角に(光路を)近似させる。摩擦電気により正に荷電
された乾燥粉末状の蛍光体粒子は表面処理されたキャリ
ヤ・ビードと上記の割合で混合され、第3の現像器42
から次いで第4の現像器42から押出され、前に被着し
たスクリーン構造材料の正に荷電した部分で反発され
て、光導電性層34の放電された部分に被着して、青色
光および赤色光放射蛍光体素子を、それぞれ形成する。
【0019】乾燥粉末蛍光体粒子は適当なポリマーで被
覆することにより表面処理される。被覆混合物は、約
0.5〜5.0重量%、好ましくは、約1.0〜2.0
重量%のポリマーを適当な溶媒に溶かして形成される。
被覆混合物の蛍光体粒子への付加は、回転蒸発器(ロー
タリーエバポレータ)と流動乾燥機(フルーイダイズド
・ドライヤ)を用いて(例1〜12)、あるいは、吸着
法により(例13〜15)、あるいは、噴霧乾燥機を用
いて(例16〜18)行うことができる。被覆された蛍
光体粒子は乾燥され、分離され、必要とあれば、400
メッシュのふるいを通され、必要とあれば流れ調整剤、
例えば「Cabosil」の商標を付して市販(米国イ
リノイ州タスコラのCabot Corporatio
nから市販)されているシリカ材料またはその等価物と
共に乾燥微粉砕(ドライミル)される。流れ調整剤の濃
度は表面処理された蛍光体粒子の約0.1〜2.0重量
%の範囲である。
【0020】例1 250gの青色蛍光体(ZnS/Ag)を、例えば商品
名「Unires,1548」として(米国ジョージア
州サバナのUnion Camp Companyか
ら)市販されているポリアミドまたはその等価物2.5
gとイソプロパノール500mlからなる1重量%の被
覆混合物で被覆する。蛍光体と被覆混合物は丸底フラス
コ中で混合され、回転蒸発器に供給されて、半真空下、
約85℃の温度に加熱される。イソパノールは混合物か
ら蒸発し、フラスコ付きの凝縮器に集められる。半乾燥
された表面処理された蛍光体は丸底フラスコから取出さ
れ、約70℃で30分間、または、溶媒が全て蒸発して
しまうまで、流動床被覆機上で乾燥される。乾燥蛍光体
フレークは、極低温装置付きの高剪断ミルで、60℃で
1〜2分間粉砕され、その後、4つの400メッシュの
篩を通してふるわれる。ポリマーで表面処理された蛍光
体は、前述したように、流れ調整剤と共に乾燥微粉砕さ
れる。
【0021】3gの乾燥粉末化されたポリアミド表面処
理された青色蛍光体粒子を約150gのフルオロシラン
で表面処理されたキャリヤ・ビードと混合する。フルオ
ロシラン処理したビードは、摩擦電気的に負であり、従
って、ポリアミドで表面処理した蛍光体粒子に正の電荷
を誘起する。この方法によって作った蛍光体の電荷対質
量比と電子写真スクリーン(EPS)特性(スクリーン
重量)をここに記載したようにテストした。その結果を
表1に示す。
【0022】例2 ポリアミドの代わりにポリ(エチルオキサゾリン)(P
EOX)を用い、イソプロパノールの代わりにメタノー
ルを用いる以外は、例1と同じ。乾燥温度は65℃であ
る。テストの結果は表1に示す。
【0023】例3 ポリアミドの代わりにポリブチルメチルメタクリレート
(PBMA)を、イソプロパノールの代わりにテトラヒ
ドロフラン(THF)を用いる以外は例1と同じ。乾燥
温度は70℃である。テスト結果は表1に示す。また、
摩擦電気的に正で、従って、表面処理した蛍光体粒子に
負の電荷を誘起するアミノシラン処理したビードを用い
てテストを再び行った。PBMA処理した蛍光体の電荷
対質量比とスクリーン重量を表2に示す。
【0024】例4 ポリアミドの代わりにポリイソブチルメタクリレート
(PIBMA)を、イソプロパノールの代わりにTHF
を用いる以外は例1と同じとした。フルオロシランおよ
びアミノシランで処理したビードで荷電した場合のテス
ト結果を、それぞれ、表1と2に示す。
【0025】例5 ポリアミドの代わりにポリビニルピリジン(PVPY)
を用い、イソプロパノールの代わりにクロロホルムを用
いる以外は例1に同じ。乾燥温度は85℃である。テス
ト結果を表1に示す。
【0026】例6 ポリアミドの代わりにポリビニルアルコール(PVA)
を用い、溶媒として、イソプロパノールの10重量%水
溶液を用いる以外は例1に同じ。乾燥温度は100℃で
ある。フルオロシランおよびアミノシランで処理したビ
ードについてのテスト結果をそれぞれ表1と表2に示
す。
【0027】例7 ポリアミドの代わりにポリ(トリフルオルエチルメタク
リレート)(PTFEMA)を用い、イソプロパノール
の代わりにフレオンを用いる以外は例1と同じ。乾燥温
度は45℃である。テスト結果を表2に示す。
【0028】例8 ポリアミドの代わりにニトロセルローズ(NCL)を用
い、イソプロパノールの代わりにメタノールを用いる以
外は例1と同じ。テストの結果は表2に示す。
【0029】例9 芯となる赤色蛍光体粒子(Y2 2 S/Eu)250g
を、例1で述べたように、ポリアミドとイソプロパノー
ルからなる1重量%の被覆混合物で被覆する。このポリ
アミドで表面処理した赤色蛍光体をここに記載の通りに
テストした。その結果を表1に示す。
【0030】例10 ポリアミドの代わりにPEOXを用い、イソプロパノー
ルの代わりにメタノールを用いる以外は例9に同じとし
た。テスト結果を表1に示す。
【0031】例11 芯となる緑色蛍光体粒子(ZnS/Cu、Al)250
gを例1で述べたように、ポリアミドとイソプロパノー
ルからなる1重量%の被覆混合物で被覆する。このポリ
アミドで表面処理した緑色蛍光体をここに記載の通りに
テストした。その結果を表1に示す。
【0032】例12 ポリアミドの代わりにPEOXを用い、イソプロパノー
ルの代わりにメタノールを用いる以外は例11と同じ。
テスト結果を表1に示す。
【0033】例13 150gの青色蛍光体(ZnS/Ag)粒子を1lの脱
イオン水中に浮遊(サスペンド)させ、米国ペンシルバ
ニア州レディングのPremier MillCo.か
ら市販されているプレミヤ(Premier)分散機を
用いて105Vで5分間分散処理する。その後、蛍光体
粒子を沈降するままにし、デカントする。再び蛍光体粒
子を1lの脱イオン水中にサスペンドさせ、調整したば
かりのゼラチン溶液をこの蛍光体懸濁液に加える。この
ゼラチン溶液は0.56gのゼラチンを500mlの脱
イオン水中で膨潤させ、透明溶液とするために溶液を3
8℃に加熱して作る。ゼラチンと蛍光体の混合物を約3
0分間攪拌して沈降させ、液体をデカントする。ゼラチ
ン被覆された蛍光体粒子を2度洗い、再び1lの脱イオ
ン水中にサスペンドさせた。100mlの脱イオン水に
0.25gのアルミン酸コバルトを加えて作る。この青
色顔料懸濁液を400Wで3分間、超音波により分散さ
せる。青色顔料懸濁液をゼラチンで被覆された蛍光体粒
子の懸濁液に加えて、30分間攪拌する。こうして出来
た混合物を沈降させ、デカントし、2度洗い、ブフナー
漏斗を用いて濾過する。この青色蛍光体を約6時間12
5℃で乾燥させ、その後、6mmのガラスビーズを半分
まで満たした1.5lのボールミル中で約30分間乾燥
微粉砕し、その後、400メッシュの篩を通す。
【0034】3gの乾燥粉末化された青色顔料付きゼラ
チン表面処理された蛍光体粒子を、摩擦電気的に負で、
ゼラチン被覆された蛍光体粒子に正の電荷を誘起するフ
ルオロシランで表面処理したキャリヤ・ビード150g
と混合した。この方法により作った蛍光体の電荷対質量
比とEPS特性(スクリーン重量)とをここに記載の通
りにテストした。その結果を表1に示す。
【0035】例14 青色蛍光体粒子の代わりに赤色蛍光体(Y2 2 S/E
u)粒子を用い、ゼラチン被覆した蛍光体をアルミン酸
コバルトではなく酸化鉄粒子で色付けする以外は例13
と同じとした。また、このようにして得た乾燥粉末赤色
蛍光体は、乾燥ステップに続くボールミル工程を必要と
しない。記載の通りにテストを行った。このゼラチン被
覆蛍光体についてのテスト結果を表1に示す。
【0036】例15 450gの緑色蛍光体(ZnS/Cu、Al)粒子を、
6mmのガラス・ビーズを半分まで入れた1.5lの実
験用ボールミルで30分間、乾燥粉末化して、400メ
ッシュの篩を通す。ついで、この蛍光体粒子を2lの脱
イオン水中にサスペンドさせて懸濁液を作る。1.5g
のゼラチンを1.5lの脱イオン水で膨潤させ、透明溶
液とするために溶液38℃に加熱して、新鮮なゼラチン
溶液を作る。このゼラチン溶液を蛍光体懸濁液に加え、
約30分間攪拌する。次いで蛍光体を沈降させ、液体を
デカントする。ゼラチン被覆された蛍光体を2度洗い、
デカントし、125℃で約6時間乾燥させる。この乾燥
粉末・ゼラチン被覆緑色蛍光体を400メッシュの篩に
通す。記載の通りにテストを行った。その結果を表1に
示した。
【0037】例16 例えば、米国ニューヨーク州ウエストベリーのBrin
kman Co.から市販されているモデル193のよ
うな噴霧乾燥機を用いて、250gの青色蛍光体(Zn
S/Ag)粒子をポリアミドまたはその等価物とTHF
とからなる1重量%の被覆混合物で被覆する。乾燥機の
入口温度は70℃に保たれ、出口温度は、乾燥速度が1
0ml/分の時、約43℃〜53℃の間で変化する。表
面処理された、ポリマー被覆された蛍光体粒子は400
メッシュの篩に通す。この噴霧乾燥蛍光体被覆法を用い
ると、微粉砕処理あるいは乾燥微粉砕(ドライ・ミリン
グ)処理を必要としないさらさらした表面処理蛍光体材
料が得られる。
【0038】3gの乾燥粉末ポリアミド表面処理蛍光体
粒子を、約150gのフルオロシラン表面処理したキャ
リヤ・ビードと混合する。このフルオロシラン表面処理
キャリヤ・ビードは摩擦電気的に負であり、従って、ポ
リアミド表面処理した蛍光体粒子上に正の電荷を誘起す
る。噴霧乾燥機を用いて作ったこの蛍光体の電荷対質量
比とEPS特性(スクリーン重量)とを記載のようにテ
ストした。その結果を表1に示す。
【0039】例17 青色蛍光体粒子の代わりに赤色蛍光体(Y2 2 S/E
u)粒子を用いる以外は例16と同じ。テスト結果を表
1に示す。
【0040】例18 青色蛍光体粒子の代わりに緑色蛍光体(ZnS/Cu、
Al)粒子を用いる以外は例16に同じ。テスト結果を
表1に示す。
【表1】 蛍光体 正電荷対質量比 EPS特性スクリーン重量 のタイプ ポリマー (μc/gm) (mg/cm2) 青 な し 2.2 0.8 例 1 ポリアミド 43 4.5 例 2 PEOX 45 4.6 例 3 PBMA 28 4.0 例 4 PIBMA 24 3.2 例 5 PVPY 49 3.0 例 6 PVA 20 2.1 例13 ゼラチン 38 3.3 例16 ポリアミド 48 4.5 ───────────────────────────────── 赤 な し 0.9 1.0 例 9 ポリアミド 39 4.0 例10 PEOX 42 4.2 例14 ゼラチン 35 3.0 例17 ポリアミド 41 4.2 ───────────────────────────────── 緑 な し 0.2 0.5 例11 ポリアミド 35 4.0 例12 PEOX 37 4.5 例15 ゼラチン 37 3.4 例18 ポリアミド 40 3.8
【表2】 蛍光体 負電荷対質量比 EPS特性スクリーン重量 のタイプ ポリマー (μc/gm) (mg/cm2) 青 な し 1.5 0.8 例 3 PBMA 35 3.2 例 4 PIBMA 36 3.5 例 6 PVA 34 3.5 例 7 PTFEMA 45 4.2 例 8 NCL 44 4.0
【0041】この試験結果は、図示していない試験パネ
ルを使って測定したもので、この試験パネルは、各主表
面上に金属導体を積層し、しかもその中央に両主表面お
よび上記両導体を貫通して延びる開孔を持った絶縁板か
ら成るものである。この開孔の直径は約2.54cmで
あることが好ましい。約50〜100メッシュの金属ス
クリーンを上記開孔上に張って金属導体の一方に接続し
てある。またもう一方の金属導体の上には上記開孔を横
切ってTIC被覆を施したガラス板をその被覆を金属導
体に接触させた形で配置してある。正に荷電された蛍光
体粒子の測定を行うために、金属スクリーンに接続され
た導体に100〜600Vの電位を与え、一方TIC被
覆に接触する導体は接地しておく。上記メッシュとガラ
ス間の電位差は、約103 V/cmである。この試験パ
ネルを、例1、3、13および16について述べたよう
に、表面処理された蛍光体粒子とキャリヤ・ビードとを
入れた現像器の上方約7.62cmの位置に置く。この
現像器の一端を、微細に粉砕された蛍光体は通すがキャ
リヤ・ビードは通さないような適当なスクリーンで閉じ
る。パフ状に空気を吹きつける(流速は約104 cm/
秒)と、蛍光体はキャリヤ・ビードから分離されて荷電
した(例えば、正に荷電された)蛍光体粒子が金属スク
リーンとTIC被覆ガラス板に向かって現像器から押出
される。こうしてTIC被覆ガラス板上に生じた静電荷
を、電位計で測定し、また蛍光体粒子の質量は試験の前
後にこのガラス板の重量を測定して決定した。これら両
測定値間の商が平均摩擦電荷対質量比である。TIC被
覆ガラス板上の被着面積は既知で試験パネルの開孔寸法
によって調節できる。この試験結果は表1と2に要約さ
れている。表面処理されたガラスビードは蛍光体粒子に
正の電荷を与えるフルオロシランの被覆または蛍光体粒
子に負の電荷を与えるアミノシランの被覆を持ってい
る。一つの比較試料が、試験される各色発光蛍光体を通
じて使用される。比較試料である蛍光体は表面処理を施
されていない。上記の試験結果は、表面処理された蛍光
体は無処理蛍光体よりも遙に高い電荷対質量比を有し、
また表面処理された蛍光体のスクリーン重量は無処理蛍
光体のそれよりも大幅に高いこと、を示している。
【0042】蛍光体粒子に負の電荷を生じさせるアミノ
シラン処理したキャリヤ・ビードに関しては、表面処理
した青色蛍光体粒子のみについてテストしたが、アミノ
シラン処理したキャリヤ・ビードに接触させた赤色およ
び緑色表面処理蛍光体についても同様の結果が得られよ
う。テストの結果は、例3、4および6の青色表面処理
蛍光体粒子については、アミノシラン処理したキャリヤ
・ビードによって誘起される負電荷対質量比が、フルオ
ロシラン処理したキャリヤ・ビードにより誘起される対
応する正電荷対質量比より大きいことを示している。例
3、4および6(表1)の正に荷電されたサンプルにつ
いてのスクリーン重量は2.1mg/cm2 から4.0
mg/cm2 の範囲にあるが、同じサンプルが負に荷電
された場合(表2)は、3.2〜3.5mg/cm2
なっている。このことは、正に荷電された蛍光体につい
ても、負に荷電された蛍光体についても良好な結果が得
られるので、光導電性層34は、電荷像を直接現像と反
転現像の何れでも利用できるように、正負何れにも荷電
できる。蛍光体の表面被覆用ポリマーとキャリヤ・ビー
ドの表面被覆の選択は所望の現像の種類と必要なスクリ
ーン重量によって左右される。ここに記載した表面処理
した蛍光体材料は全てスクリーンの製造用として満足で
きるものであり、従って、材料費や表面処理の容易さ
等、種々考慮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従って作られたカラー陰極線管の一
部軸上断面で示した平面図である。
【図2】図1に示す陰極線管のスクリーン構体の断面図
である。
【図3】図3のa〜eは図1に示す陰極線管の製造の各
ステップを示す図である。
【符号の説明】
10 カラー陰極線管 12 パネル 18 フェースプレート 22 3色蛍光体スクリーン 23 吸光性マトリクス材料 24 薄い導電層 25 シャドウマスク 32 導電性材料層 34 光導電性層 36 コロナ放電装置 38 ランプ 40 レンズ(ライトハウス) 42 現像器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド ノーマン フリール アメリカ合衆国 ニユージヤージ州 ハ ミルトン・スクエア アクレス・ドライ ブ 125 (72)発明者 ロバート ポール トンプソン アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 ミ ラーズビルニユー・ストリート 177 (56)参考文献 特開 昭54−102299(JP,A) 特開 昭57−5785(JP,A) 特開 昭63−135480(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真技法により製造された発光映像
    スクリーンとこのスクリーンの各部を選択的に励起して
    発光させる手段とを有し、 上記スクリーンは、可視スペクトル中の特定部分の光を
    放射する乾燥粉末状蛍光体粒子の層より成り、この乾燥
    粉末状蛍光体粒子は、上記スクリーンの製造工程中に表
    面処理されているキャリヤ・ビードと共に使用したとき
    のその摩擦荷電特性を制御するための表面電荷制御ポリ
    マー材料で被覆されており、このポリマー材料はゼラチ
    ン、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリアミド、ポリビ
    ニルピリジン、ポリブチルメチルメタクリレート、ポリ
    ビニルアルコール、ポリイソブチルメタクリレート、ポ
    リ(トリフルオルエチルメタクリレート)およびニトロ
    セルロースからなる群から選ばれた材料である陰極線
    管。
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