JP2710670B2 - 蒸気発生源用るつぼ - Google Patents

蒸気発生源用るつぼ

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JP2710670B2 JP1199567A JP19956789A JP2710670B2 JP 2710670 B2 JP2710670 B2 JP 2710670B2 JP 1199567 A JP1199567 A JP 1199567A JP 19956789 A JP19956789 A JP 19956789A JP 2710670 B2 JP2710670 B2 JP 2710670B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、真空蒸着やクラスタ・イオンビーム蒸着
等において、アルミニウムなどを加熱蒸発させるのに利
用する蒸気発生源用るつぼに関するものである。
〔従来の技術〕
第3図は例えば特公昭54−9592号公報に示された従来
の蒸気発生源用るつぼを持った薄膜形成装置を示す断面
図であり、図において、4は所定の真空度に保持された
真空槽、5は図示しない真空排気装置に接続されてお
り、真空槽4内の排気を行う排気通路、6は排気通路5
を開閉する真空用バルブ、1は第4図に示すような直径
1mm〜2mmのノズル1aを有する蓋1b、この蓋1bを内側に嵌
合している拡散遮蔽壁1cがそれぞれ設けられたるつぼ、
2はるつぼ1内に収容されているアルミニウム(Al)等
の蒸発物質、3はるつぼ1を保持するためのるつぼ支持
棒、7はるつぼ1に熱電子を照射して、これを加熱する
蒸発源加熱用フィラメント、8は蒸発源加熱用フィラメ
ント7からの輻射熱を遮断する熱シールド板、20はるつ
ぼ1を支持するるつぼ支持部材、19は熱シールド板8を
支持する絶縁支持部材である。このるつぼ1、蒸発源加
熱用フィラメント7及び熱シールド板8によって、基板
18に蒸着すべき物質の蒸気を真空槽4内に噴出してクラ
スタを生成する蒸気発生源9が構成されている。10はイ
オン化用の熱電子13を放出する第5図に示すようなイオ
ン化電子放出フィラメント、11はイオン化電子放出フィ
ラメントから放出された熱電子13を加速する電子引き出
し電極、8はイオン化電子放出フィラメント10からの輻
射熱を遮断する熱シールド板である。このイオン化電子
放出フィラメント10,電子引き出し電極11及び熱シール
ド板8によって、蒸気発生源9からのクラスタをイオン
化するイオン化手段12が構成されている。23は熱シール
ド板8を支持する絶縁支持部材、14は加速電極であり、
これが電子引き出し電極11との間に電圧が印加されて、
イオン化されたクラスタ・イオンを加速し、これをイオ
ン化されていない中性クラスタ15とともに基板18に衝突
させて薄膜を蒸着させる。24は加速電極14を支持する絶
縁支持部材、22は基板18を支持する基板ホルダ、21は基
板ホルダ22を支持する絶縁支持部材、17はクラスタ・イ
オン16と中性クラスタ15とからなるクラスタ・ビームで
ある。
次に、動作について説明する。まず、蒸発物質2をる
つぼ1内に充填し、真空排気装置(図示せず)により真
空槽4内を10-6Torr程度の真空度にする。次いで、蒸発
源加熱用フィラメント7に通電して発熱させ、蒸発源加
熱用フィラメント7からの輻射熱をるつぼ1に照射する
ことにより、又は蒸発源加熱用フィラメント7から放出
される熱電子をるつぼ1に衝突させること(電子衝突)
により、るつぼ1内の蒸発物質2を加熱して蒸発させ
る。るつぼ1内の蒸発物質2の蒸気圧が0.1〜10Torrに
なるように昇温すると、ノズル1aからアルミ蒸気が噴出
する。この蒸気はるつぼ1と真空槽4との圧力差により
断熱膨張してクラスタと呼ばれる多数の原子が緩く結合
した塊状原子集団となる。次いで、電子引き出し電極11
により、クラスタ・ビーム17にイオン化電子放出フィラ
メント10から放出された熱電子13を衝突させ、一部のク
ラスタを一個の原子がイオン化されたクラスタ・イオン
16にする。このクラスタ・イオン16は加速電極14と電子
引き出し電極11とにより形成された電界により適度に加
速され、イオン化されていない中性クラスタ15が、るつ
ぼ1からの噴出されるときの運動エネルギーで、基板18
に衝突し、これにより基板上にアルミニウムなどの蒸発
物質の薄膜が蒸着が形成される。従来、るつぼ1は蒸発
物質2であるアルミニウムと反応性の弱いBN−TiB2複合
材あるいはグラファイト等により形成されており、また
一重構造である。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の薄膜形成装置は以上のように構成されているの
で、BN−TiB2複合材又はグラファイトからなる蒸気るつ
ぼ1とアルミニウムなどの蒸発物質との濡れ性が大きい
こと、及びるつぼ1が通常の一重構造であり、蒸発物質
が充填されている部分のるつぼ1の温度を、るつぼ1の
他の部分の温度より常に低く制御することが困難である
ことなどによって、蒸発物質2がるつぼ1の内面をはい
上がり、遂にはノズル1aよりあふれ出して、この蒸発物
質2の蒸発により蒸気発生源9の動作が不安定になるほ
か、蒸気発生源9の構成部品と蒸発物質2の蒸気の反応
により、蒸気発生源9の寿命劣化を招くなどの課題があ
った。また、るつぼ1の外面を濡らした蒸気が蒸発する
ことにより、クラスタ内に単原子が混入し、膜質及び膜
厚分布に影響を与えるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、蒸発物質がるつぼ内面をはい上がり、ノズル
からあふれ出すことを防ぎ、さらに蒸気発生源の動作の
安定性と蒸気発生源の長寿命化を図ることができるとと
もに、蒸着膜の膜質及び膜厚分布を一定にできる蒸気発
生源用るつぼを得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る蒸気発生源用るつぼは、少なくとも内
部の蒸発物質と接触する部分が、その蒸発物質に対し濡
れ性の小さい材料で形成された内側るつぼと、この内側
るつぼを内部に収容する外側るつぼとを備え、内側るつ
ぼが加熱される面と外側るつぼとの間に空隙を設けたも
のである。
〔作用〕
この発明における空隙は、その断熱作用により内側る
つぼの温度を外側るつぼの温度に比較して低く保つよう
に機能し、濡れ性の小さい材料からなる内側るつぼは、
内部の蒸発物質がるつぼ内面をはい上がって、ノズルか
らあふれ出すのを防止するように機能する。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図において、1dはグラファイトなどからなる外側るつ
ぼで、これには拡散遮蔽壁1cが一体に設けられている。
1bはその拡散遮蔽壁1cの内側に嵌合された蓋、1aはこの
蓋1bの中心部に設けられた蒸発物質を噴出させるための
ノズルである。1eは内側るつぼで、内側るつぼ1eが加熱
される面と外側るつぼ1dとの間に一定の空隙Gを設けて
外側るつぼ1dの内部に設置されている。また、この内側
るつぼ1e内にはアルミニウムなどの蒸発物質2が収容さ
れ、少なくともこの蒸発物質2と接触する部分の内側る
つぼ1eは、蒸発物質2に対して濡れ性の小さいグラッシ
ーカーボンにより構成されている。また、かかる構成の
蒸気発生源用るつぼは、第2図に示すように、るつぼ支
持棒3などを介して、真空槽4の中心部に設置される。
なお、このほかの第3図及び第4図に示したものと同一
の構成部分には同一符号を付して、その重複する説明を
省略する。
次に、動作について説明する。まず、蒸発物質2を内
側るつぼ1e内に充填し、真空排気装置(図示せず)によ
り真空槽4内を排気して、真空槽4内を10-6Torr程度の
真空度にする。次いで、蒸発源加熱用フィラメント7に
通電して発熱させ、蒸発源加熱用フィラメント7からの
輻射熱を外側るつぼ1dに照射すること、及び蒸発源加熱
用フィラメント7から放出される熱電子を外側るつぼ1d
に衝突させること(電子衝突)により、内側るつぼ1e内
の蒸発物質2を加熱して蒸発させる。内側るつぼ1e内の
蒸発物質2の蒸気圧が0.1〜10Torr程度になるように昇
温すると、ノズル1aからアルミニウム蒸気が噴出する。
この蒸気は内側るつぼ1e内と真空槽4内との圧力差によ
り断熱膨張して、クラスタと呼ばれる多数の原子が緩く
結合した塊状原子集団となる。次いで、電子引き出し電
極11により、クラスタ・ビーム17にイオン化電子放出フ
ィラメント10から放出させた熱電子13を衝突させ、一部
のクラスタを一個の原子がイオン化されたクラスタ・イ
オン16にする。このクラスタ・イオン16は加速電極14と
電子引き出し電極11とにより形成された電界により適度
に加速され、イオン化されていない中性クラスタ15が内
側るつぼ1eから噴出されるときの運動エネルギーで、基
板18に衝突し、これにより基板18上にアルミニウム薄膜
が蒸着形成される。また、この発明では、上記の様にる
つぼ1が外側るつぼ1dと内側るつぼ1eとの間に空隙を設
けた二重構造となっており、また、内側るつぼ1eは蒸発
物質2と濡れ性の小さいグラッシーカーボンで構成され
ている。このため、内側るつぼ1e内の蒸発物質2を加熱
して蒸発させる時に、内側るつぼ1eの温度を外側るつぼ
1dの温度より常に低く保つことができ、蒸発物質2が内
側るつぼ1eの内面をはい上がり、ノズル1aよりあふれ出
すことを防げるとともに、急激な降温時においても、内
側るつぼ1eが蒸発物質2との濡れ性が小さいため、内側
るつぼ1e内面をはい上がることはない。
なお、上記実施例では蒸発物質2が金属アルミニウム
の場合を示したが、アルミニウムと同様の反応活性なチ
タンやシリコンなどを蒸発物質として用いてもよく、上
記実施例と同様の効果を奏する。
また、上記実施例では外側るつぼ1dをグラファイト、
内側るつぼ1eをグラッシーカーボンとした場合を示した
が、内側るつぼ1eは蒸発物質2に対する濡れ性の小さい
高密度グラファイトとしてもよく、上記実施例と同様の
効果を奏する。また、内側るつぼ1eを高密度グラファイ
トとした場合、機械加工で内側るつぼを制作すること
で、高精度の外形寸法が実現でき、外側るつぼとの空隙
を高精度に設定できるので、内側るつぼの温度を外側る
つぼの温度より再現性よく低く保てる効果を奏する。さ
らに、内側るつぼ1eの蒸発物質2と接触する内面に、グ
ラッシーカーボンのコーティングを施しても良く、上記
実施例と同様の効果を奏する。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によれば蒸気発生源用るつぼ
を外側るつぼと内側るつぼの二重構造とし、内側るつぼ
が加熱される面と外側るつぼとの間に空隙を設けるとと
もに、少なくとも内側るつぼの蒸発物質と接触する部分
を濡れ性の小さい材料で形成するように構成したので、
蒸発物質がるつぼ内面をはい上がり、ノズルからあふれ
出すのを防止でき、さらに蒸気発生動作の安定性と蒸気
発生源の長寿命化が図れるとともに、基板に形成される
蒸着膜の膜質及び膜厚分布を一定にできるものが得られ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による蒸気発生源用るつぼ
を示す概略断面図、第2図はこの発明の蒸気発生源用る
つぼを使用した薄膜形成装置を示す断面図、第3図は従
来の蒸気発生源用るつぼを示した薄膜形成装置を示す断
面図、第4図は従来の蒸気発生源用るつぼを示す概略断
面図、第5図は第4図に示した薄膜形成装置の主要部分
を示す斜視図である。 1dは外側るつぼ、1eは内側るつぼ、Gは空隙、2は蒸発
物質。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも内部に収容した蒸発物質と接触
    する部分を、この蒸発物質に対して濡れ性の小さい材料
    で形成した内側るつぼと、この内側るつぼを内部に設置
    する外側るつぼとを備え、上記内側るつぼが加熱される
    面と上記外側るつぼとの間に空隙を設けた蒸気発生源用
    るつぼ。
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