JP2708154B2 - 外来遺伝子発現用に改良された酵母菌株 - Google Patents

外来遺伝子発現用に改良された酵母菌株

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Description

【発明の詳細な説明】 サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cere
visiae)は、外来ポリペプチド発現用の宿主菌種として
使用し得ることが実証された。様々な菌種に由来する多
数の異なるタンパク質がS.セレビシアエで発現された
が、一部のものは全細胞タンパク質中10%以上のレベル
まで発現された。典型的には、発現は、発現すべきポリ
ペプチドの構造遺伝子並びにS.セレビシアエ及び大腸菌
(Escherichia coli)の双方におけるプラスミドの選択
及び増幅のために他の配列及びそれに外接した酵母の調
節配列(転写プロモーター及びターミネーター)を有す
るプラスミドによって行われた。更に、発現すべきポリ
ペプチドの構造遺伝子とそれに外接した酵母の調節配列
を酵母染色体に組み込み、かつ高レベルの発現を達成す
ることができた。 S.セレビシアエは、炭素源としてのガラクトースの利
用に関与する酵素についてコードする4種の遺伝子を有
している。GAL1、GAL2、GAL7及びGAL10遺伝子はそれぞ
れガラクトキナーゼ、ガラクトースパーミアーゼ、α−
D−ガラクトース−1−リン酸ウリジルトランスフェラ
ーゼ及びウリジンジホスホガラクトース−4−エピメラ
ーゼについてコードする。ガラクトースが存在しない場
合、これら酵素の発現は極めてわずかにしか検出されな
い。細胞がまずグルコース含有培地で増殖せしめられ、
かつガラクトースが培養物に加えられる場合には、これ
ら4種の酵素は培地からグルコースが欠乏したときに少
なくとも1000倍まで調和的に誘導される。この誘導はRA
M転写段階で生じることが明らかになった。GAL1、GAL
2、GAL7及びGAL10遺伝子は分子としてクローニングされ
て配列決定された。各コード領域のいくつかの5′側に
ある調節配列及びプロモーター配列はlac Z遺伝子のコ
ード領域の隣りに位置していた。これらの実験により、
ガラクトース誘導のために必要かつ十分であってしかも
外来遺伝子の発現のために使用されるこれらのプロモー
ター及び調節配列を確定した。 GAL4及びGAL80遺伝子産物はGAL1、GAL2、GAL7及びGAL
10の発現に関与するそれぞれの正及び負のレギュレータ
ーであり、またこれらはメリビオース異化作用に必要な
酵素のα−ガラクトシダーゼをコードするMEL1遺伝子の
発現にも同じように働く。GAL4産物は、特定のDNA配列
にこれら遺伝子の構造情報の5′側で結合することによ
り、転写段階で正のレギュレーターとして機能する。ガ
ラクトシダーゼが存在しない場合、GAL80遺伝子産物
(タンパク質)はGAL4遺伝子産物またはDNA配列と相互
作用してこの転写活性化現象を妨げる。ガラクトースが
存在する場合、GAL80タンパク質はGAL4タンパク質に拮
抗することができず、したがってGAL4タンパク質は転写
アクチベーターとして機能し得るようである。GAL4遺伝
子の発現は非常に低レベルであり、その産物はGAL遺伝
子プロモーターの至適誘導において律速段階である。こ
のことは、細胞が外来遺伝子の発現をになうガラクトー
ス誘導性プロモーターを有するプラスミドの多数の複製
を含有している場合に特に妥当する。しかしながら、ガ
ラクトース添加前において外来遺伝子を最小でしか又は
全く発現させないことが目的である場合には、GAL4遺伝
子はガラクトースの非存在下において非常に低レベルで
しか発現されないようにすることが重要である。 様々な組換え微生物発現系において、多数の異なる外
来ポリペプチドの合成は宿主細胞にとって有害であるこ
とが示された。その結果として、かかる外来ポリペプチ
ドの発現に対して選択的に抑制が加わり、ひいてはかか
る組換え培養物の増産時に蓄積してくる細胞は、外来ポ
リペプチドを発現しないか又は培養物がかかるポリペプ
チドの非経済的な供給源となってしまうほど少量でしか
外来ポリペプチドを発現しない細胞種だけとなるのであ
る。このような組換え培養物の増産にとって最適の計画
案は、大規模容量及び高細胞密度に培養を拡大させるま
では外来遺伝子を最小でしか又は全く発現させず、しか
る後生成物単離前の培養増殖最終段階においてだけで外
来遺伝子を最大に発現させることであろう。 本発明の目的は、GAL4タンパク質が調節可能な様式で
過剰産生され得る新規な酵母菌株を提供することであ
り、この菌株によれば、ガラクトース誘導性プロモータ
ーにより作働せしめられる異種遺伝子の発現は培養を高
細胞密度に拡大させるまでは最小化され、生成物単離前
の培養増殖最終段階において最大化され得るようにな
る。本発明のこの及び他の目的は下記説明から明らかに
なるであろう。 GAL4タンパク質は、酵母菌株におけるガラクトース誘
導性プロモーター用の正のレギュレーターとして量的な
律速段階である。新規菌株は、GAL4タンパク質が調節可
能な様式で過剰産生され得る菌株であるとして説明され
る。これらの菌株は、ガラクトース誘導性プロモーター
により発現せしめられる外来遺伝子の酵母菌中における
調節可能な発現のために使用される。 本発明は、GAL4遺伝子産物が調節可能な様式で過剰産
生され得る新規酵母菌株の開発に関する。本発明は更
に、ガラクトース誘導性プロモーターで作働せしめられ
る外来遺伝子の発現用の宿主としてのかかる新規菌株の
用途にも関する。特に、外来遺伝子発現が培養を大規模
容量かつ高細胞密度に拡大させるまでは最小化され、し
かる後生成物単離前の培養増殖最終段階において最大化
され得るような組換え培養物の増産条件に関する。 GAL4構造遺伝子に融合したGAL10プロモーターを有す
る発現カセットは、HIS3座にこのカセットを組込んだ細
胞が選択され得るような方法で組立てられる。大腸菌−
S.セレビシアエシャトルベクターYEp51は酵母菌GAL10プ
ロモーター配列を有する。このプラスミドはSau3A及びS
al Iで切断され、0.5kbp GAL10プロモーター断片がプレ
パレーティブアガロースゲル電気泳動によって単離され
る。2種のオリゴヌクレオチドリンカーを合成し、0.5k
bp断片に結合せしめて、5′Sau3A及び3′Sal I未満を
それぞれEcoR I及びBgl II末端に変換する。しかる後、
EcoR I及びBgl IIで切断した後、0.5kbp EcoR I−Bgl I
I GAL10プロモーター断片がプレパレーティブアガロー
スゲル電気泳動により単離される。プラスミドベクター
pJJ42は酵母菌HIS3遺伝子を有する。酵母菌GAL4構造遺
伝子(翻訳開始部位を含む)はpSJ3から単離され、サブ
クローニングされて、pIAを形成する。このプラスミド
はBamH I及びHind IIIで切断され、2.9kbp GAL4断片が
プレパレーティブアガロースゲル電気泳動により単離さ
れる。プラスミドベクターpJJ42は酵母菌HIS3遺伝子を
有する。このプラスミドは、コード領域の中間部からHI
S3プロモーターのすぐ上流までのHIS3遺伝子部分を切除
するために、EcoR I及びHind IIIで切断される。12kbp
ベクター断片がプレパレーティブアガロースゲル電気泳
動により単離され、上記0.5kbp及び2.9kbp断片と同時に
結合せしめて、プラスミドpKHint−Aを製する。pGAL10
/GAL4発現カセットはBamH I切断によりpKHint−Aから
切除し、5.6kbp断片がプレパレーティブアガロースゲル
電気泳動により単離される。Hind III部位を欠いた改良
pBR322たるプラスミドベクターpJJ98はBamH Iで切断さ
れ、5.6kbpカセットに結合せしめられる。得られたプラ
スミドpKHint−BはGAL4コード配列のカルボキシ末端の
さきに位置する唯一のHind III部位を有する。十分に機
能する酵母菌URA3遺伝子は、Hind IIIによる消化及びプ
レパレーティブアガロースゲル電気泳動による1.2kbp断
片の分離によって、大腸菌−S.セレビシアエシャトルベ
クターYEp24から単離される。Hind IIIで切断後、プラ
スミドpKHint−BはURA3遺伝子をもつ1.2kbp Hind III
断片に結合せしめられ、酵母菌染色体に組込むための完
全な発現カセットを有するようになる。このカセットの
顕著な特徴は、1)酵母菌の調節可能なGAL10プロモー
ター、2)酵母菌GAL4翻訳開始部位及び構造遺伝子、
3)ura 3−酵母菌宿主における陽性選択のための酵母
菌URA3プロモーター及び構造遺伝子、並びに4)酵母菌
HIS3座中への組込み置換形質転換を行うためのHIS3遺伝
子の5′及び3′非翻訳配列の中に存在する2つのBamH
I部位である。 プラスミドpKHint−CをBamH Iで切断すると非翻訳HI
S3DNA配列を両方の末端に有する6.8kbp発現カセットを
生じる。切断されたDNAは、S.セレビシアエ宿主株sc252
(MATa、ura 3−52、leu 2−2−112、ade 1、MEL1)及
びSc294(MATα、ura 3−52、leu 2−2−112、Δgal 1
−10−7、MEL1)を形質転換させるために用いられる。
標的手段として作用した場合、BamH I末端は発現カセッ
トを染色体HIS3座に向かわせ、そこにおいてカセットが
同種組換えによる組込まれる。形質転換株はURA3+に関
して選択され、his 3-に関してスクリーニングされる。
Sc252(pGAL10/Gal4)及びSc294(pGAL10/GAL4)と呼ば
れるクローン単離株のサウザーンブロット分析(Southe
rnblot analysis)により、カセットがHIS3座に組込ま
れていることを確認する。形質転換株及びそれらの各々
の親株は、ガラクトース2%(W/V)含有又は非含有の
グリセロール−乳酸培地で増殖せしめられる。A600=1.
5の時点で回収後、RNA抽出物が得られ、ノザン(Northe
rn)ブロット分析により分析される。ガラクトース存在
下において、GAL4mRNAの転写量は、Sc252(pGAL10/GAL
4)及びSc294(pGAL10/GAL4)株の場合にそれらの各々
の親株の場合よりも少なくとも20倍高いことが確察され
る。菌株は、ガラクトース非存在下でGAL4mRNAの基底レ
ベルの発現を示す。したがって、新規な酵母菌株は、ガ
ラクトース非存在下において基底レベルでGAL4を発現さ
せ、かつガラクトース存在下においてGAL4を(野生株よ
りも)非常に高レベルで発現させるという望ましい表現
型を示す。 新規な酵母菌株が外来遺伝子の発現レベルに関して野
生株よりも高いか否かを試験するため、ガラクトース誘
導性プロモーター含有発現ベクターが菌株形質転換用に
製造される。このプラスミドの顕著な特徴は、1)大腸
菌におけるプラスミドの選択及び増幅のための大腸菌由
来配列、2)酵母菌におけるプラスミドの選択及び増幅
のためのS.セレビシアエ由来配列、3)酵母菌GAL10プ
ロモーター、4)翻訳産物を粗面小胞体に導入させるた
めの酵母菌α接合因子プレリーダー(pre−leader)、
5)N−グリコシル化シグナル配列についてコードしか
つKEX2及びSTE13プロテアーゼ(遺伝子産物)により切
断される酵母菌α接合因子プロリーダー(pro−leade
r)、6)エプシュタイン−バールウイルス(Epstein−
Barr virus,EBV)によってコードされた350,000及び22
0,000ダルトンの糖タンパク質であってかつEBV感染細胞
及びEBビリオンの表面に存在するエプシュタイン−バー
ルウイルス膜抗原(EBMA)についてのコード配列、7)
翻訳終結配列、及び8)酵母菌転写終結配列である。こ
の組換えプラスミドは、GAL4に関して野生型であるS.セ
レビシアエ株及びpGAL10/GAL4組込み体を有する同遺伝
子型S.セレビシアエ株に導入され、形質転換クローンが
選択される。細胞は合成選択性グリセロール−乳酸培地
で増殖せしめられ、ガラクトースがEBMA遺伝子を発現さ
せるために培養物に加えられる。RNAは両菌株から得ら
れ、ノザンブロット分析に供される。EBMAについてコー
ドするmRNAはpGAL10/GAL4組込み体に関して野生株より
少なくとも4〜5倍増幅せしめられている。細胞溶解物
が調製され、ポリアクリルアミドゲル中で電気泳動に付
され、ニトロセルロースによるウエスターン(Wester
n)ブロット法に付される。ヒト回復期EBV血清と特に反
応するEBMAタンパク質は、pGAL10/GAL4組込み体に関し
て野生株よりも約10倍増幅せしめられている。EBMAmRNA
又はEBMAタンパク質は培地にガラクトースを添加する前
にはpGAL10/GAL4組込み株において検出されない。 GAL4タンパク質はガラクトース誘導性プロモーターの
転写アクチベーターとして機能し、経験的に、ガラクト
ース誘導性プロモーターにより発現せしめられる外来遺
伝子産物が翻訳され翻訳後にプロセッシングされる過程
に対し悪影響を与えない。したがって、GAL4タンパク質
が調節可能な様式で過剰産生され得る酵母菌株を外来遺
伝子発現用宿主として利用するという概念はガラクトー
ス誘導性プロモーターから発現されるいかなる外来遺伝
子についても拡張し得ることは、当業者にとって明らか
である。しかも、ガラクトース誘導性プロモーターたる
GAL1、GAL2、GAL7、GAL10又はMEL1は、いずれもGAL4媒
介転写アクチベーターの支配下にあって、GAL4タンパク
質が調節可能な様式で過剰産生され得る酵母菌宿主にお
いて異種遺伝子を発現させるために利用し得ることは、
当業者にとって明らかである。もう1つのキー概念は、
GAL4タンパク質過剰産生が調節可能であるべきだという
ことであり、このことはGAL4遺伝子発現が格別限定され
ないが例えば培地へのガラクトース添加等の何らかの生
理学的手段により活性が調節され得るプロモーターによ
って作働せしめられるべきだということを意味する。し
たがって、GAL4タンパク質が調節可能な様式で過剰産生
され得る新規な菌株は、限別限定されないがアルコール
デヒドロゲナーゼ2、酸ホスファターゼ、ホスホグリセ
レートキナーゼ、インベルターゼ、酵母熱ショック及び
銅チオネイン遺伝子のプロモーターのようなガラクター
ゼ誘導性のもの以外のプロモーターによって発現せしめ
られるGAL4遺伝子を有することは、当業者にとって明ら
かである。しかも、調節可能なプロモーター及びGAL4コ
ード配列を有する配列は、酵母菌宿主において組込み型
として又はプラスミド上に存在することができ、同時GA
L4タンパク質を調節可能に過剰産生することは、当業者
にとって明らかである。 サッカロミセス属は様々な種から構成される。様々の
外来ポリペプチドの組換えDNA媒介発現用の宿主として
最も一般的に使用されるものは、サッカロミセス・セレ
ビシアエ、即ちパン酵母菌である。しかしながら、サッ
カロミセス属の他の種間の区別はいつも十分には規定さ
れない。これら種の多数はS.セレビシアエと交配するこ
とができ、ガラクトース誘導性遺伝子及び正の調節タン
パク質をかかる遺伝子の転写活性化のためにプロセッシ
ングすることが証明された。S.セレビシアエ中のGAL4と
して知られる正のレギュレーターは、GAL4とは異なる構
造又は名称を有していてもよく、その場合でもガラクト
ース誘導性プロモーターの転写アクチベーターとして機
能する。したがって、GAL4タンパク質又はガラクトース
誘導性プロモーターの転写活性化のために他の正のレギ
ュレーターが調節可能な様式で過剰産生され得る菌株を
利用するという概念は、格別限定されないが例えばカル
ルスベルゲンシス(carlsbergensis)、ノルベンシス
(norbensis)、ジアストチクス(diastaticus)、オビ
ホルミス(oviformis)、ウバルム(uvarum)、ロウキ
シイ(rouxii)、モンタヌス(montanus)、クルイベリ
(kluyveri)及びエロンギスポルス(elongisporus)等
のサッカロミセス属の他の菌種にまで拡張され得ること
は、当業者にとって明らかである。 ハンセヌラ(Hansenula)、カンジダ(Candida)、ト
ルロプシス(Torulopsis)及びピチア(Pichia)のよう
な数種の酵母菌属は、増殖用の唯一の炭素源としてメタ
ノールを利用する同様の代謝経路を有することが示され
た。この代謝経路に関与するアルコールオキシダーゼ酵
素の遺伝子は、ピチア・パストリス(Pichia pastori
s)から単離された。P.パストリスアルコールオキシダ
ーゼプロモーターも単離され、メタノール発現誘導に感
受的であることが示された。プロモーターは発現ベクタ
ー上に位置せしめられており、その隣で複製される外来
遺伝子の発現を促進させることが示された。酵母菌属の
菌種中において外来遺伝子を発現させる誘導性プロモー
ターを利用するという原理は十分に確立されている。し
かも、他の酵母菌属の菌種は増殖のためにガラクトース
をはじめとする様々な炭素源を利用することができる。
したがって、ガラクトース誘導性プロモーターにより発
現される外来遺伝子の発現量を増加させるガラクトース
誘導性プロモーターの転写アクチベーターとして、正の
調節要素の発現量を増加及び調節させるという概念は、
格別限定されないが、例えばピチア、カンジダ、ハンセ
ヌラ、トルロプシス、クルイベロミセス(Kluyveromyce
s)及びサッカロミコプシス(Saccharomycopsis)属等
のサッカロミセタセアエ(Saccharomycetaceae)及びク
リプトコッカセアエ(Cryptococcaceae)科に属する酵
母菌種までの如く適当た酵母菌宿主範囲にまで拡張され
ることは、当業者にとって明らかであろう。尚、本明細
書に記載された菌株は、いずれも当業者により容易に入
手可能なものである。 下記実施例は本発明を説明するものであるが、しかし
ながらそれと同一のもののみには限定されない。下記実
施例に記載された各文献の開示は、参考のため本明細書
に組入れられる。 実施例1 組込み形質転換用pGAL10/GAL4発現カセットの製造 大腸菌−S.セレビシアエシャトルベクターYEp51〔ブ
ローチら、遺伝子発現の実験操作、第83頁,アカデミッ
クプレス、1983年(Broach et al.,Experimental Manip
ulation of Gene Expression,p.83,Academic Press,198
3)〕は、酵母菌GAL10プロモーター配列を有する。この
プラスミドをSau3A及びSal Eで切断し、0.5kbp GAL10プ
ロモーター断片をプレパレーティブアガロースゲル電気
泳動により単離した(第1図、上図)。2つのオリゴヌ
クレオチドリンカーを合成し、0.5kbp断片に結合させ
て、5′Sau3A及び3′Sal I末端をそれぞれEcoR I及び
Bgl II末端に変換した。これらオリゴヌクレオチドの個
々の構造は下記のとおりである: EcoR I及びBgl IIで次に切断した後、0.5kbp EcoR I
−Bgl II Gal10プロモーター断片をプレパレーティブア
ガロースゲル電気泳動により単離した(第1図、上
図)。 自己の転写コントロール配列から切離されたGAL4構造
遺伝子を単離するため、pIA(第1図、中間図)を下記
操作により組立てた。pYe(CEN3)41〔クラーク及びカ
ーボン、ネーチャー、第287巻、第504頁、1980年(Clar
k and Carbon,Nature287:504(1980))〕Pst Iで切断
し、大断片を自己結合させ、LEU2遺伝子を切除し、bla
遺伝子を再生させた。得られるプラスミドpYCをBamH I
及びSal Iで切断し、BamH I−Sal I大断片を酵母菌LEU2
遺伝子をもつ2.4kbp Bgl II−Sal I断片と結合させた
が、この酵母菌LEU2遺伝子はBgl II及びSal IによるYEp
13〔ブローチら、ジーン、第8巻、第121頁、1979年(B
roach et al.,Gene8:121(1979))〕の切断によって単
離されたものである。この結合により、BamH I部位は得
られるプラスミドpYCL−1中において消失せしめられ
る。プラスミドpAAR6〔アミーラー、メソッズ・イン・
エンザイモロジー、第101巻、第192頁、1983年(Ammere
r,Methods in Enzymology 101:192(1983))〕をBamH
I及びHind IIIで切断し、酵母菌アルコールデヒドロゲ
ナーゼI(ADHI)遺伝子プロモーター含有の1.5kpb Bam
H I−Hind III断片を単離した。次いでプラスミドpYCL
−1をBgl II及びHind IIIで切断し、得られる大ベクタ
ー断片を1.5kbp・BamH I−Hind III ADHIプロモーター
断片と結合させ、BamH I部位のないpYCFを得た。次い
で、GAL4遺伝子をHind IIIでの切断によってpSJ3〔ジョ
ンストン及びホッパー、プロシーディング・オブ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンスU.S.A.,第79
巻、第6971頁、1982年(Johnston and Hopper,Proceedi
ng of National Academy of Science U.S.A. 79:6971
(1982))〕から単離した。次いで、得られるGAL4遺伝
子含有の3.3kbp Hind III断片を、ADHIプロモーターがG
AL4構造遺伝子の上流に位置するように、pYCLFの唯一の
Hind III部位に適当な向きで挿入した。得られるプラス
ミドYCpLF+4は唯一のBamH I部位を有しており、この
部位はADHIプロモーターの3′末端及びGAL4遺伝子の翻
訳開始位置から等距離(約0.45kbp)の位置に存在す
る。YCpLF+4をBamH I部位で切断し、次いでエキソヌ
クレアーゼをBal−31で処理し、様々な長さで切除し
た。形成された末端をDNAポリメラーゼIのクレノウ断
片によりフラッシュ(flash)末端化した。次いでBamH
Iリンカーを付加し、末端を再結合し、ADHIプロモータ
ーがGAL4遺伝子に多様な形で融合したプラスミド群を製
造した。得られるプラスミドの特徴に基づき特定のプラ
スミドpIAを単離したが、このプラスミドにおいて、ADH
Iプロモーター3′末端のBamH I部位はGAL4構造遺伝子
に関するATG翻訳開始コドンの5塩基対上流に存在して
いた。酵母菌GAL4構造遺伝子(翻訳開始部位を含む)を
プラスミドpIAから単離した。このプラスミドをBamH I
及びHind IIIで切断し、2.9kbp GAL4断片をプレパレー
ティブアガロースゲル電気泳動により単離した(第1
図、中間図)。プラスミドベクターpJJ42〔ストルール
ら、コールド・スプリング・ハーバー・シンポジア・オ
ン・クアンタティブ・バイオロジー、第47巻、第901
頁、1982年(Struhl et al.,Cold Spring Harbor Sympo
siaon Quantative Biolagy,47:901(1982))〕は酵母
菌HIS3遺伝子を有する。このプラスミドをHIS3プロモー
ター中及びHIS3遺伝子中でそれぞれ開裂させるEcoR I及
びHind IIIで切断した。12kbpベクター断片をプレパレ
ーティブアガロースゲル電気泳動により単離し、上記0.
5kbp及び2.9kbp断片に同時に結合させ、プラスミドpKHi
nt−Aを得た(第1図、下図)。pGAL10/GAL4発現カセ
ットを、BamH Iによる切断及びプレパレーティブアガロ
ースゲル電気泳動による5.6kbp断片の単離によって、pK
Hint−Aから取出した(第2図、上図)。Hind III部位
を欠く改良pBR322たるプラスミドベクターpJJ98をBamH
Iで切断し、5.6kpb断片に結合した(第2図、中間
部)。得られるプラスミドpKHint−Bは、GAL4コード配
列のカルボキシ末端に位置した唯一のHind III部位を有
する。完全に機能できる酵母菌URA3遺伝子を、大腸菌−
S.セレビシアエシャトルベクターYEp24〔ポトシュタイ
ンら、セル、第8巻、第17頁、1979年(Botstein et a
l.,Cell:17(1979))〕から、Hind IIIによる切断及
びプレパレーティブアガロースゲル電気泳動による1.2k
bp断片の分離によって単離した(第2図、中間図)。Hi
nd IIIで切断後、プラスミドpKHint−BをURA3遺伝子含
有の1.2kbp Hind III断片に結合させ、酵母菌染色体に
組込むための完全発現カセットを有するpKHint−Cを得
た。このカセットの顕著な特徴は、1)酵母菌調節可能
GAL10プロモーター、2)酵母菌GAL4翻訳開始部位及び
構造遺伝子、3)ura3-酵母菌宿主における+選択のた
めの酵母菌URA3プロモーター及び構造遺伝子、4)酵母
菌HIS3染色体座中への組込んで形質転換するためのHIS3
遺伝子の5′及び3′非翻訳配列の中に存在する2つの
BamH I部位である。 実施例2 組込みpGAL10/GAL4発現カセット含有の新規酵母菌株の
製造 プラスミドpKHint−CをBamH Iで切断すると非翻訳HI
S3DNA配列を両方の末端に有する6.8kbp発現カセットが
得られた(第3図、上図)。切断されたDNAを用いて、
S.セレビシアエ宿主株Sc252(MATa、ura 3−52、leu 2
−2−112、ade 1、MEL1)〔ジョンストンら、プロシー
ディング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンスU.S.A.,第79巻、第697頁、1982年(Johnston et
al.,Proceeding of National Academy of Science U.S.
A.,79:697(1982))〕及びSc294(Matα、ura 3−52、
leu 2−2−112、Δgal 1−10−7、MEL1)を形質転換
させた。標的手段として作用した場合、BamH I末端は発
現カセットを染色体HIS3座に向かわせ、そこにおいてカ
セットが同種組換えにより組込まれた(第3図、中間
図)。形質転換株をURA3+に関して選択し、his 3-に関
してスクリーニングした。クローン単離株のサウザーン
ブロット分析により、カセットがHIS3座に組込まれてい
ることを確認した。形質転換株及びそれらの各々の親株
をガラクトース2%(W/V)含有又は非含有の合成選択
性(leu-)グリセロール−乳酸培地〔シャーマンら、酵
母菌遺伝学の手法.実験マニュアル、コールド・スプリ
ング・ハーバー出版,1979年(Sherman et al.,Methods
in Yeast Genetics.A Laboratory Manual,Cold Spring
Harbor Press(1979))〕で増殖させた。A600=1.5の
時点で回収後、RNA抽出物を得〔ジトマーら、プロシー
ディング・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイ
エンスU.S.A,第76巻、第627頁;1979年(Zitomer et a
l.,Proceeding of National Academy of Science U.S.
A.76:627(1979))〕、ノザンブロット法により分析し
た〔トーマス(Thomas)、プロシーディング・オブ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンスU.S.A.,第77
巻、第5201頁、1980年〕。ガラクトースの存在下におい
て、GAL4mRNAの転写量はSc252(pGAL10/GAL4)及びSc29
4(pGAL10/GAL4)株の場合においてそれらの個々の親株
より少なくとも20倍高まっていることが観察される。こ
の菌株はガラクトース非存在下においてGAL4mRNAの基底
レベル発現を示す。したがって、新規酵母菌株は、ガラ
クトース非存在下においてGAL4を基底レベルで発現さ
せ、かつガラクトース存在下においてGAL4を(野生株よ
りも)非常に高レベルで発現させるという望ましい表現
型を示す。 実施例3 EBMA発現を指示するGAL10プロモーター含有の発現ベク
ターの製造 α接合因子(α因子)遺伝子MFα1をS.セレビシアエ
ゲノムDNA由来プラスミドベクターに組込んでクローニ
ングした〔クルジャンら、セル、第30巻、第933頁、198
2年(Kurjan et al.,Cell30:933(1982))〕。得られ
るプラスミドpKH2をEcoR Iで切断し、α接合因子遺伝子
含有の1.7kbp断片をプレパレーティブアガロースゲル電
気泳動により精製した(第4図、上図)。プラスミドpR
J148(Hind III部位を欠く改良pBR322)をHcoR Iで切断
し、1.7kbp断片に結合させ、プラスミドpRJ159を得た
(第4図、中間図)。このDNAをHind IIIで切断し、自
己結合させて、唯一のHind III部位を有するプラスミド
pRJ167を得た(第4図、中間図)。プラスミドpRJ167を
Hind IIIで切断し、合成オリゴヌクレオチドアダプター
を挿入して修正し、唯一のHind III部位を有する新規プ
ラスミド(pRJ178)を得たが、Hind III部位はプロモー
ター及びプレ・プローリーダーの3′側であってかつ全
部で3つの読取り枠に対応する翻訳終結シグナルの5′
側に位置する(第4図、下図)。Hind III部位をHind I
IIによる切断、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片によ
るフラッシュ末端化、BamH Iリンカーの付加及び自己結
合によってBamH I部位に変換し、プラスミドpJC193を得
た(第5図、上図)。このプラスミドをEcoR Iで切断
し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片でフラッシュ末
端化し、Bclリンカーの付加により修正し、Bcl Iで切断
し、α接合因子遺伝子含有の1.5kbp断片をプレパレーテ
ィブアガロースゲル電気泳動により単離した(第5図、
中間図)。次いでこのBcl I断片を子牛腸アルカルホス
ファターゼで処理してpC1/1の唯一のBamH I部位に挿入
し、その過程において元のBamH I部位を消失させた(プ
ラスミドpJC194;第5図、下部)。このDNAをBamH Iで切
断し、自己結合させて、過剰のBamH Iリンカーを切除し
た(プラスミドpJC197;第5図、下図)。 pJC197をFcoR I及びPst Iで切断した。α接合因子プ
レ・プローリーダー、3読取り枠翻訳ターミネーター及
びα接合因子転写ターミネーターの部分からなる0.7kbp
断片をプレパレーティブアガロースゲル電気泳動により
単離した(第6図、中間左図)。大腸菌−S.セレビシア
エシャトルベクターYEp51は酵母菌GAL10遺伝子プロモー
ター配列を有する。このDNAをSau 3Aで切断し、DNAポリ
メラーゼIのクレノウ断片でフラッシュ末端化し、下記
構造の合成BamH Iリンカーと結合させた: 結合せしめられたDNAをSal Iで切断し、0.5kbp GALプ
ロモーター断片をプレパレーティブアガロースゲル電気
泳動により単離した(第6図、上部左図)。下記構造を
有する35bpSal I−Pst I合成オリゴヌクレオチドアダプ
ターを合成した: このアダプターは、α接合因子非翻訳リーダーの11塩
基対、ATG及びα接合因子プレ・プローリーダーの最初
の8アミノ酸を有する。0.5kbp GAL10プロモーター及び
35bpアダプター断片を互いに結合し、BamH Iで切断し、
5′BamH I末端を形成した。得られる0.5kbp BamH I−P
st I GAL10プロモーター−α接合因子断片をプレパレー
ティブアガロースゲル電気泳動により単離した(第6
図、中間図)、プラスミドベクターpBR322をEcoR I及び
BamH Iで切断し、4.0kbpベクター断片をプレパレーティ
ブアガロースゲル電気泳動により単離した。4.0kbp、0.
7kbp及び0.5kbpの断片を互いに結合させて、プラスミド
pKH207−1を得た(第6図、下部左図)。pKH207−1を
EcoR Iで完全に切断し、PamH Iで部分的に切断した。1.
2kbp BamH I−EcoR I GAL10プロモーター−α接合因子
発現カセットをプレパレーティブアガロースゲル電気泳
動により単離し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片で
フラッシュ末端化さた(第7図、中間図)。大腸菌−S.
セレビシアエシャトルベクターpC1/1〔ベックス、ネー
チャー、第275巻、第104頁、1978年(Beggs,Nature 27
5:104(1978)):ローゼンベルグ(Rosenberg)ら、ネ
ーチャー、第312巻、第77頁、1984年〕をBamH I及びSal
Iで切断し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片でフラ
ッシュ末端化し、1.2kbpカセットと結合させて、新規な
発現プラスミドpKH4を得た(第7図、下部右図)。 EBMA遺伝子含有BamH I−LDNA断片を有するB68′プラ
スミド〔ヒュメルら、ジャーナル・オブ・バイラロジ
ー、第49巻、第413頁、1984年(Hummel el al.,Journal
of Viralogy,49:413(1984))〕をXbo II及びSca Iで
切断し、EBMA構造遺伝子含有2.5kbp断片をDNAポリメラ
ーゼIのクレノウ断片でフラッシュ末端化した(第8
図、上図)。発現ベクターpKH4をBamH Iで切断し、DNA
ポリメラーゼIのクレノウ断片でフラッシュ末端化し
た。2.5kbp EBMA断片をベクターに結合した。この組換
えプラスミドpKH4−EBMA(第8図、下図)は下記の顕著
な特徴を有する:(1)大腸菌における選択及び増幅の
ための大腸菌由来配列、(2)酵母菌におけるプラスミ
ドの選択及び増幅のためのS.セレビシアエ由来配列、
(3)酵母菌GAL10プロモーター、(4)翻訳産物を粗
面小胞体に導入させるための酵母菌α接合因子プレリー
ダー、(5)N−グリコシル化シグナル配列についてコ
ードしかつKEX2及びSTE13プロテアーゼ(遺伝子産物)
により切断される酵母菌α接合因子プロリーダー〔ユリ
ウスら、セル、第32巻、第839頁、1983年(Julius et a
l.,Cell32:839(1983));ユリウスら、セル、第37
巻、第1075頁、1984年〕、(6)EBMAについてコードす
る配列、(7)翻訳終結配列、及び(8)転写終結配
列。 実施例4 組込みpGAL10/GAL4発現カセットを含有した新規酵母菌
株におけるEBMA遺伝子の発現 発現ベクターpKH4−EBMA(第8図、下図)をS.セレビ
シアエSc252、Sc252(pGAL10/GAL4)及びSc294(pGAL10
/GAL4)に導入した。形質転換株(pKH4−EBMAによる)
をA600=0.5〜1.0まで選択用グリセロールー乳酸合成培
地で増殖させ、A600=0.5〜1.0の時点でガラクトースを
最終濃度2%(W/V)となるまで加えた。細胞溶解物を
得、ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動に供し、ニ
トロセルロースでのウエスターンブロット法に供した。
370,000、225,000及び175,000ドルトンのタンパク質を
検出したが、これらは形質転換株のみにおけるそれらの
存在、ヒト回復期EBV血清及びEBMA特異的モノクローナ
ル抗体〔クアルテアーら、プロシーディング・オブ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス、第79巻、第
616頁、1982年〔Qualtiere et al.,Proceeding of Nati
onal Academy of Science 79:616(1982))〕との反応
性、並びにプールされた陰性ヒト血清との反応性の欠如
からEBMAに対し特異的であった。EBMA非特異的タンパク
質はガラクトース非存在下での培養増殖時に検出され
た。ガラクトース添加24時間後において、2種のSc252
(pGAL10/GAL4)及びSc294(pGAL10/GAL4)株はそれぞ
れSc252株よりも10倍多くEBMA特異的タンパク質を含有
している。
【図面の簡単な説明】 第1図はpKHint−Aの製造法を示す。 第2図はpKHint−B及びpKHint−Cの製造法を示す。 第3図はSc252(pGAL10/GAL4)及びSc294(pGAL10/GAL
4)の製造法を示す。 第4図はpRJ178の製造法を示す。 第5図はpJC197の製造法を示す。 第6図はpKH207−1の製造法を示す。 第7図はpKH4の製造法を示す。 第8図はpKH4−EBMAの製造法を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジエームス イー.ホツパー アメリカ合衆国,17042 ペンシルヴア ニア,レバノン,ヘムロツク レーン 513 (72)発明者 ローレン デー.シユルツ アメリカ合衆国,19438 ペンシルヴア ニア,ハーレイスヴイル,オーク ドラ イヴ 421 (72)発明者 カスリン ジエー.ホフマン アメリカ合衆国,19406 ペンシルヴア ニア,キング オブ プルシア,ベンデ イング レーン 511 (72)発明者 ロナルド ダブリユ.エリス アメリカ合衆国,19151 ペンシルヴア ニア,オーヴアーブルツク ヒルズ,エ ツジヴエイル ロード 1407 (56)参考文献 Mol.Cell.Biol.,4 (2)(1984)p.268−275 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,79(1982)P.6971−6975 Mol.Gen.Genet.,191 (1983)p.31−38 Proc.Natl.Acad,Sc i.USA,79(1982)P.7410−7414 Mol.Cell.Biol.,4 (110)(1984)P.2467−2478 Mol.Cell.Biol.,4 (8)(1984)P.1140−1148

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.サッカロミセタセアエまたはクリプトコッカセアエ
    科に属し、ガラクトース誘導性プロモーターの転写アク
    チベーターとして機能する正の調節タンパク質の遺伝子
    と、それに連結されたガラクトース誘導性プロモーター
    からなるハイブリッド遺伝子を組み込んだ染色体を有す
    る菌株であって、 発現がガラクトース誘導性プロモーターによって行われ
    る外来遺伝子と、それに連結されたガラクトース誘導性
    プロモーターとを含む多コピー数プラスミドの宿主であ
    ることを特徴とする菌株。 2.宿主がサッカロミセス属の菌種である、特許請求の
    範囲第1項記載の菌株。 3.宿主がサッカロミセス・セレビシアエである、特許
    請求の範囲第2項記載の菌株。 4.正の調節蛋白質の遺伝子に連結されたガラクトース
    誘導性プロモーターがGAL10である、特許請求の範囲第
    1項記載の菌株。 5.正の調節タンパク質の遺伝子がGAL4である、特許請
    求の範囲第1項記載の菌株。 6.ガラクトース誘導性プロモーターがGAL1、GAL2、GA
    L7、GAL10またはMEL1である、特許請求の範囲第1項記
    載の菌株。 7.サッカロミセタセアエまたはクリプトコッカセアエ
    科に属し、ガラクトース誘導性プロモーターの転写アク
    チベーターとして機能する正の調節タンパク質の遺伝子
    と、それに連結されたガラクトース誘導性プロモーター
    からなるハイブリッド遺伝子を組み込んだ染色体を有す
    る菌株を栄養培地に生育させることからなる、所望の外
    来遺伝子を発現させる方法であって、 該菌株は、発現がガラクトース誘導性プロモーターによ
    って行われる外来遺伝子と、それに連結されたガラクト
    ース誘導性プロモーターとを含む多コピー数プラスミド
    の宿主であることを特徴とする方法。 8.宿主がサッカロミセス属の菌種である、特許請求の
    範囲第7項記載の方法。 9.宿主がサッカロミセス・セレビシアエである、特許
    請求の範囲第8項記載の方法。 10.正の調節蛋白質の遺伝子に連結されたガラクトー
    ス誘導性プロモーターがGAL10である、特許請求の範囲
    第7項記載の方法。 11.正の調節タンパク質の遺伝子がGAL4である、特許
    請求の範囲第7項記載の方法。 12.ガラクトース誘導性プロモーターがGAL1、GAL2、
    GAL7、GAL10またはMEL1である、特許請求の範囲第7項
    記載の方法。
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Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79(1982)P.6971−6975

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