JPH06253858A - げっ歯類アポリポプロテインeを有する融合遺伝子、それを挿入したプラスミドおよびその用途 - Google Patents

げっ歯類アポリポプロテインeを有する融合遺伝子、それを挿入したプラスミドおよびその用途

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JPH06253858A
JPH06253858A JP5069446A JP6944693A JPH06253858A JP H06253858 A JPH06253858 A JP H06253858A JP 5069446 A JP5069446 A JP 5069446A JP 6944693 A JP6944693 A JP 6944693A JP H06253858 A JPH06253858 A JP H06253858A
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plasmid
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apolipoprotein
mpr
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Teruhiko Beppu
輝彦 別府
Sueji Horinouchi
末治 堀之内
Nobuhiko Nomura
伸彦 野村
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、遺伝子組換え技術によりげっ歯類アポリポプ
ロテインEを効率良く生産するためのムコールレンニン
との融合遺伝子、並びにそれを挿入したプラスミドおよ
びその用途に関する。 【構成】ムコールレンニン遺伝子のプレプロ、成熟配列
の一部または全部とげっ歯類アポリポプロテインE遺伝
子とが連結されてなる融合遺伝子、遺伝子が挿入されて
なるプラスミドおよび融合遺伝子が挿入されてなるプラ
スミドにより形質転換された酵母。 【効果】本発明のげっ歯類アポリポプロテインE融合蛋
白質は、高脂血症における血漿中コレステロール値を下
げる効果を持つ、げっ歯類アポリポプロテインEを製造
するための中間体として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子組換え技術によ
りげっ歯類アポリポプロテインEを効率良く生産するた
めのムコールレンニン(Mucor rennin:ムコール属に属
する凝乳酵素生産性微生物、たとえばムコールプシルス
(Mucor pusillus)や、ムコールミーハエ(Mucor mieh
ei)が生産する微生物レンニン(Microbial rennin)の
総称である。以下、MPRとする)との融合遺伝子、並
びにそれを挿入したプラスミドおよびその用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体の血漿中に存在する脂質、とくに非
極性脂質(トリグリセライド、コレステリルエステル
他)はほとんど水に不溶である。そのため、これらの生
体内での輸送にはそれらを核としてリポ蛋白質とリン脂
質で被い、球形粒子を構成し、組織から組織へと脂質を
運搬する。この複合体を称して血漿リポ蛋白質と呼ぶ。
リポ蛋白質は、その水和密度の違いによって幾つかの種
類に分けられ、また、それらの血中での代謝に重要な役
割を果たしているのがその表面に結合しているアポリポ
プロテインである。アポリポプロテインは現在10種類以
上が知られており、そのうちのひとつとしてアポリポプ
ロテインEが知られている。そして、生体内において、
このアポリポプロテインEは、体内のとくにレセプター
を介した末梢から肝細胞へのコレステロールの逆輸送系
に重要な役割を果たしていると考えられている。
【0003】たとえば、ウサギのアポリポプロテインE
を高脂血症の病態兎に投与して、コレステロールを有意
に下げた例が知られている(プロシーディングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスイズ
・オブ・ジ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.)第86巻、第665-669頁(198
9))。現在、多くの研究者によってアポリポプロテイン
Eの研究が全世界において行われており、ラット、マウ
スなどのげっ歯類のアポリポプロテインEは、研究用試
薬として有用である。
【0004】ヒト・アポリポプロテインEを酵母細胞 S
accharomyces cerevisiaeにおいて発現させた時、一般
的な栄養要求性株やプロテアーゼの欠損株(pep4,kex
2)を用いただけでは、菌体内に蓄積し、変異株を用い
ることによってのみ若干量培地中に分泌されることが知
られている(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー(J.Biol.Chem.)第266巻、第16273-16276頁(1
991))。
【0005】ところで、目的蛋白質を遺伝子組換え技術
により宿主に大量生産させる場合、分泌生産させること
には多くの利点がある。すなわち、目的蛋白質が組換え
宿主細胞内に生産、蓄積されると宿主の増殖、生存に不
都合な毒性を示す場合、目的蛋白質を分泌生産すること
でこの毒性を回避することができる。また、毒性を持た
ない場合でも、目的蛋白質が宿主細胞内に多量に蓄積す
ることによって宿主の増殖を妨げる場合があるが、分泌
生産することによって回避することが可能である。更
に、目的蛋白質を宿主細胞内に蓄積するような場合、目
的蛋白質が宿主内で変性し、不溶化する現象がよくみら
れるが、分泌生産の系ではこれらを回避できる。
【0006】また、商業的に遺伝子組換え技術を用いて
目的蛋白質を大量生産させる場合、目的蛋白質を宿主細
胞内に蓄積するような場合では、その目的蛋白質を精製
するためには、その宿主細胞を破壊し、その破壊液中か
ら目的蛋白質を精製する必要がある。このような精製は
組換え宿主由来の不純物が多く混入し、高純度の目的蛋
白質を得ることは困難である。一方、分泌生産系で目的
の蛋白質を生産する場合には、培養液から目的蛋白質を
精製すればよく、組換え宿主由来の不純物は最小限に防
ぐことができ大きな利点となる。
【0007】さらに、蛋白質の多くは糖鎖の付加、ジス
ルフィド結合の形成、不活性な前駆体蛋白質の限定分解
による活性化、特定のアミノ酸のリン酸化、カルボキシ
ル化等の修飾を受けるが、これらの中には各種細胞で共
通に備わった機能もあり、これらの修飾のいくつかは分
泌の過程で生じる。したがって、目的蛋白質を分泌生産
で生産する場合、細胞内に蓄積する系に比較してより自
然な蛋白質に近い機能及び構造を持った蛋白質の生産が
期待される。これまで目的の蛋白質を分泌生産させるた
めには、その宿主細胞由来のまたはその宿主細胞で分泌
生産する蛋白質のシグナルペプチド(プレ配列、プレプ
ロ配列)の下流に目的とする蛋白質を継いだものを発現
させることによって主に行われてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】蛋白質の中にはこれら
の手法を用いても効率的に分泌生産されないものも少な
くない。この場合、多くは宿主細胞の変異株を用いて分
泌生産を試みているが、その分泌量は十分なものではな
かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記事情に
鑑み、鋭意研究の結果、ムコールプシルスが産生する凝
乳酵素であるMPRの遺伝子をクローニングし(ニュー
クリーク・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Res.)
第14巻、第7557-7568頁(1986))、このMPRの下流に
げっ歯類アポリポプロテインEをつないで発現させるこ
とにより効率的な分泌生産に成功した。
【0010】つぎに、本願発明を詳細に説明する。これ
までにMPRのアミノ酸改変体の研究により、たとえば
プロテアーゼ活性を欠損させるために38番目または237
番目のアミノ酸を換えたもの、至適pHを変化させるため
に218番目および303番目のアミノ酸を換えたもの、糖鎖
結合部位を欠損させるために79番目および188番目のア
ミノ酸を換えたもの、基質結合性、特異性を変化させた
ものがあり、本発明ではこのようなMPRのアミノ酸改
変体をMPRの代わりに用いることもできる。以下、M
PRとそのアミノ酸改変体を含めてMPR様蛋白質とす
る。
【0011】得られた融合蛋白質は、これまでに特異的
なアミノ酸配列を認識して切断する酵素も多く知られて
おり(メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in
Enzymology)第185巻、第140-142頁(1990))、MPR
様蛋白質と目的の蛋白質をつなぐリンカー配列にこの様
なアミノ酸配列を導入することにより容易に融合蛋白質
より目的の蛋白質のみを得ることができる。
【0012】そこで、本発明者らは、ラット・アポリポ
プロテインE(アポE)を酵母細胞より分泌生産させる
ために鋭意研究を重ねた結果、ムコールプシルスが産生
するMPR遺伝子のプレ配列、プレプロ配列、プレプロ
成熟配列の一部または全部の下流域にアポEの遺伝子を
連結した融合遺伝子を酵母GAL7プロモーター等の強
力なプロモーターの支配下で発現させたところ、MPR
様遺伝子全長の下流にアポE遺伝子を連結した発現ベク
ターで形質転換した組換え酵母で顕著にその融合蛋白質
が培養上清中に検出された。各々のMPRの配列を持つ
遺伝子はMPR様蛋白質をコードする遺伝子(以下、M
PR様遺伝子とする)を担持するプラスミドを鋳型とし
て、適当な制限酵素認識配列と各々のMPR部分に相補
的な配列を持つ合成プライマーを用いてPCR法により
増幅し、リンカー配列と共にアポE遺伝子と制限酵素配
列を介してフレームを合わせて連結した。
【0013】本願発明において、酵母菌を形質転換する
ために使用されるプラスミドは、酵母菌中で自立複製可
能なものあるいは染色体への移入が可能なものであれば
特に限定されず、具体的にはpJDB207、pJDB
219等が例示される。プラスミドは、宿主酵母菌内で
の自立複製開始領域、たとえば2μmDNAの複製開始領
域やARS領域(Autonomous Replicating sequense)
を含んでいてもよく、またセントロメア(動原体)を含
んでいてもよい。
【0014】染色体への移入は特に有用であり、宿主酵
母菌染色体中に存在する遺伝子の一部のDNA配列(た
とえば、LEU2、HIS4、TRP1、URA3、リ
ボソームDNA遺伝子等)を含有するプラスミドが使用
される。相同な配列により、全プラスミドまたはその線
上断片は組換えにより宿主酵母染色体に安定に導入する
ことができる。すなわち、子孫細胞は選択圧が存在しな
い場合でも導入された遺伝物質を安定に保持する。
【0015】たとえば、酵母菌染色体遺伝子中の天然に
存在する配列及び異種遺伝子を含むプラスミドは、前記
染色体遺伝子の座に安定に組み込まれ得る。相同な配列
としては、特にアミノ酸または核酸合成系遺伝子、リボ
ソームDNA、Ty因子(Transposon of Yeast elemen
t)等が使用できる。特に、アミノ酸または核酸合成系
遺伝子は、宿主酵母菌がアミノ酸または核酸栄養要求性
株であるとき、すなわち、該アミノ酸または核酸合成系
遺伝子が欠損している株においては、宿主の変異を補完
する遺伝子であるので、形質転換体の選択マーカーとし
て使用することができる。この際、宿主酵母菌の栄養要
求性に原要求性をもたらす。アミノ酸または核酸合成系
遺伝子としては、たとえばLEU2、HIS4、TRP
1またはURA3が挙げられる。
【0016】酵母菌用の選択遺伝子マーカーとしては、
上記のように、宿主酵母菌が栄養要求性であるとき、ア
ミノ酸または、核酸合成系遺伝子のようなものが使用で
きるほか、宿主酵母菌が抗生物質感受性であるときは、
該抗生物質耐性を発現する遺伝子が使用できる。たとえ
ばアンピシリン、シクロヘキシミド、G418、クロラ
ムフェニコール、ブレオマイシンまたはハイグロマイシ
ン等の抗生物質に対して耐性を付与する遺伝子が挙げら
れる。
【0017】プロモーターは、高発現酵母菌遺伝子のプ
ロモーターを融合遺伝子の発現のために使用するのが好
ましい。すなわち、TRPI遺伝子、ADHIもしくは
ADHII遺伝子、酸性ホスファターゼ(PHO3もしく
はPHO5)遺伝子またはイソチトクロームC遺伝子の
プロモーター、ガラクトース代謝系のプロモーター(G
AL1、GAL10またはGAL7)、インベルターゼ
のプロモーター(SUC2)または解糖系をコードする
プロモーター、たとえばエノラーゼ、グリセルアルデヒ
ド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPD
H)、ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、ヘキソ
キナーゼ、ピルベートカルボイキシラーゼ、ホスホフラ
クトキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラ
ーゼ、ピルベートキナーゼ、トリオースホスフェートイ
ソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼの遺伝子の
プロモーター、α−ファクターまたはα−ファクターを
コードする酵母接合フェロモン遺伝子のプロモーターを
使用することができる。
【0018】好ましい態様においては、プラスミド中に
融合蛋白質を分泌させるためにMPRのそれ以外でもシ
グナル配列を導入することもできる。シグナル配列は、
酵母インベルターゼ(特開昭60-41488号)、α−ファク
ター遺伝子(特開昭59-132892号)のような酵母菌由来
のシグナル配列を使用することができる。また、酵母菌
での分泌生産のために特に合成されたシグナル配列(特
開平1-240191号、特開平2-167095号)を用いることもで
きる。このシグナル配列の導入により、融合遺伝子の発
現の後、遺伝子産物は分泌経路に入り、ペリプラズム空
間に輸送される。さらに細胞壁を通過し、培地中への分
泌を達成することができる。これにより収量の相当な増
加が可能となる。さらに細胞壁を破壊する必要がないの
で回収工程を単純化することが可能である。また、プラ
スミドはmRNAのポリA化と転写停止のための適当な
ターミネーター、たとえばPHO5もしくはGAP−D
Hターミネーター、GAL10ターミネーター等を、融
合遺伝子の3' 末端側に挿入することが望ましい。この
プラスミドはプロモーター、融合遺伝子領域とは別に、
細菌宿主、特に大腸菌のための複製開始点および遺伝的
選択マーカーを含有することもできる。大腸菌複製開始
点および大腸菌のための選択マーカーを酵母ハイブリド
ベクター中に使用することに関して有用な特徴が存在す
る。まず、大腸菌における増殖および複製により大量の
ハイブリドベクターを得ることができ、そして第2に、
大腸菌に基礎を置くクローニングの技法の全てを用いて
ハイブリドベクターの構築を容易に行うことができる。
【0019】大腸菌プラスミド、たとえばpBR322
等は大腸菌複製開始点、および抗生物質、たとえばテト
ラサイクリンおよびアンピシリンに対する耐性をもたら
す大腸菌遺伝マーカーを含有し、酵母ハイブリドベクタ
ーの部分として有利に使用される。よって、本プラスミ
ドは、プロモーター、該プロモーターに制御される融合
遺伝子領域、それに続く転写停止のためターミネーター
を含むものであり、また、本プラスミドは所望により、
分泌生産のためのシグナル配列、そのための蛋白質の一
部あるいは全長配列、酵母菌用の選択遺伝子マーカー、
大腸菌の複製開始領域または大腸菌用選択遺伝子マーカ
ーを含有することができる。
【0020】本プラスミドは、上述のプラスミド群から
各々、融合遺伝子からなるDNA、プロモーターを含む
DNA配列、ターミネーターを含むDNA配列を制限酵
素により切断した後に連結して適当なプラスミドに挿入
するか、または、一方のDNA配列を切断した後に他方
のプラスミド中に挿入するかのいずれかの方法によって
得られる。また、該プラスミドは、プロモーター、オペ
レーター、ターミネーター等の生理活性物質の発現制御
系を既に担持するものが好ましく、さらにMPR様遺伝
子およびげっ歯類アポリポプロテインEをコードする遺
伝子、その間をつなぐリンカー配列を担持する断片を入
手するために適した制限酵素部位を、当該プラスミドの
発現制御系遺伝子以外の部分に有することが望ましい。
また、適当な制限酵素部位がなくてもdCテイルおよび
dGテイルを付加する方法、リンカーを使用する方法、
S1ヌクレアーゼによる平滑末端により連結する方法を
応用することによって利用できる。配列の順序は上流か
ら下流に向かって、プロモーター、融合遺伝子、ターミ
ネーターとなるように調製する。該融合遺伝子を用いて
形質転換体を調製する方法としては、該融合遺伝子を挿
入したプラスミドを用いる方法、あるいは該融合遺伝子
を宿主の染色体上に挿入する方法等が挙げられる。
【0021】この組換えプラスミドを用いて形質転換体
を作る方法、さらに目的とする異種蛋白質を製造する方
法を以下に示す。組換えプラスミドを宿主細胞に導入す
る。宿主細胞としては酵母菌、特にサッカロマイセス
属、シゾサッカロマイセス属、ピキア属、クリーベロマ
イセス属、ハンゼヌラ属、ヤロウィア属等に属するもの
が使用される。好ましくは、栄養要求性株や、抗生物質
感受性株が使用できる。具体的には挿入されるプラスミ
ドが担持する酵母菌用選択マーカー遺伝子によって相補
する変異をもった変異株、たとえばロイシンおよびヒス
チジン要求性変異株でかつG418感受性株であるサッ
カロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisia
e)AH22株(MAT a,his4,leu2,can1)、MC16
株、SHY3株、AB103−1α株等が好適に用いら
れる。また、融合遺伝子を宿主細胞の染色体上に挿入す
る場合は、挿入するプラスミドの有する宿主細胞の染色
体に相同な配列中の任意の部位を制限酵素により切断
し、直線化したプラスミドを宿主に導入することが望ま
しい。直線化されたプラスミドは、宿主染色体上のプラ
スミドに組み込まれた領域と相同な領域に組み込まれ
る。直線化されたプラスミドは、環状プラスミドより宿
主染色体上に組み込まれる頻度が上昇する。宿主酵母菌
細胞の形質転換は公知の方法、たとえば、リチウム法、
プロトプラストポリエチレングリコール融合法、エレク
トロポレーシヨン法等により行う。
【0022】つぎに期待した部位へプラスミドが導入さ
れているか否か、および導入した融合遺伝子が安定であ
るか否かを調べる。具体的には、融合遺伝子を宿主細胞
の染色体上に挿入した場合は、サザンブロッテイング法
により、形質転換に利用した宿主細胞の染色体配列に相
同な配列をプローブとして、期待通りの部位へプラスミ
ドが導入されていることを確認する。以上、確認試験を
行った株は、確かに、目的異種蛋白質のコード領域を含
むプラスミドが宿主細胞に組み込まれた形質転換体であ
る。この形質転換体を宿主として使用して再度、該目的
蛋白質のコード領域を含む融合遺伝子を挿入したプラス
ミドで形質転換させることができる。この場合、細胞染
色体相同領域としては、始めの形質転換で使用した領域
以外の相同領域も使用できる。このほか、宿主細胞の染
色体配列に相同な配列として、リボゾームDNAやTy
因子が挙げられる。これらの遺伝子は細胞当たり複数個
存在するため、1回の形質転換で複数個の目的遺伝子を
宿主染色体に組み込むことができる。
【0023】得られた形質転換株は、宿主に適した自体
公知な培地で培養する。培地としては、たとえば酵母菌
の場合、YNB培地(0.7%イーストナイトロジェン ベ
ース(Yeast Nitrogen Base)(Difco社)、2%グルコ
ース、2%寒天)、YPD培地(1%イーストイクストラ
クト(Difco社)、2%バクトペプトン(Difco社)、2%
グルコース)、YPG培地(YPDの2%グルコースの
代わりに3%ガラクトースを使用)等が好適に用いられ
る。また、必要に応じてアミノ酸、核酸、抗生物質を加
えて用いることもできる。培養は、通常15-43℃(好適
には、30℃程度)で、通常20-100時間程度行い、必要に
応じ、通気や攪拌を行うこともできる。培養後、公知の
方法、たとえば、遠心分離法によって菌体を集め、たと
えば、適当な緩衝液に懸濁させた後、たとえば、遠心分
離によって上澄みを回収する。この上澄み中に目的とす
る異種蛋白質が産生されており、公知の方法たとえばエ
タノール沈澱等の手法を用い、濃縮した後、ウエスタン
ブロッティング法等によりその蛋白質が培養上清中に効
率的に分泌されていることを確認できる。
【0024】本発明においては、たとえば好適な具体例
としては、酵母GAL7プロモーターの下流にMPR様
遺伝子の一部または全部を介してげっ歯類アポリポプロ
テインEをコードする遺伝子を連結した融合遺伝子を挿
入し酵母生産用プラスミドを構築したものが挙げられ
る。これらをたとえば、サッカロマイセス・セレビシエ
MC16株に導入して形質転換させる。これら形質転換
体をガラクトースを含む培養液中1-2日間培養すること
により、MPR様全長遺伝子の下流に目的の蛋白質をコ
ードする遺伝子、たとえば、アポE遺伝子を連結したプ
ラスミドで形質転換した組換え酵母において顕著な量の
融合蛋白質を培養上清中に得ることができる。
【0025】本発明のMPR様遺伝子を有するげっ歯類
アポリポプロテインEとの融合遺伝子は発現の後、遺伝
子産物が分泌経路に入り、そしてペリプラズム空間に輸
送される。さらに細胞壁を通しての培地中への分泌を達
成することができる。目的とする異種蛋白質は培地中よ
り回収精製した融合蛋白質をそのリンカー配列にある酵
素で特異的に認識される配列を導入することによって、
その酵素で切断し、容易に目的とする異種蛋白質を得る
ことができる。
【0026】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に実施例を挙げて説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本発明で用いられる多くの技法、反応および分析
方法は、当業者においてはよく知られているものであ
る。また、特にことわりのない限り、全ての酵素は商業
的供給源たとえば宝酒造(株);ニューイングランド・
バイオラブス(NEB:New England Biolabs、マサチュー
セッツ、米国);アマーシャム(Amersham、英国)およ
びベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ(BRL:Bethesda
ResearchLaboratories、メリーランド、米国)から入
手することができる。酵素反応のための緩衝液および反
応条件は特にことわりのない限り、各酵素の製造元の推
奨にしたがって使用した。
【0027】実施例1 MPR遺伝子の単離 (1)材料と方法 (I)菌株、プラスミド、培地 ムコールプシルス IFO 4578(+)株をクローニング用のM
PR遺伝子のドナーとして用いた。FDT寒天培地は、
0.4%ジャガイモ抽出物(Difco社)、2%グルコース、2
mg/l塩酸チアミン、1.5%寒天(pH7.0)からなり、DN
A調製用の細胞を得るために用いた。大腸菌HB101
株は、0.2%マルトース含有L−broth中で培養さ
れコスミドベクター pJB8によるクローニングのた
めに用いた。pBR322は、MPR遺伝子のサブクロ
ーニングのために用いた。
【0028】(II)オリゴヌクレオチドプローブの合成 2種の14-merおよび2種の17-merを混合したオリゴヌク
レオチドプローブを、DNAシンセサイザー(日本ゼオ
ン社、ミリジェン社)を用いて自動フォスファミド法に
より合成した。合成プローブは、ポリヌクレオチドキナ
ーゼをγ-32P-ATP(ニューイングランド・バイオラ
ブス:New England Biolabs社)を用いてエンドラベル化
した。以下に、そのオリゴヌクレオチドプローブを示
す。
【0029】
【0030】(III)ムコールプシルスDNAの調製 PDT寒天培地での斜面培養からムコールプシルス IFO
4578(+)株の胞子を1lのYPD培地に摂取し、30℃で3
時間振盪培養した。湿潤菌糸体(約100g)を液体窒素で
凍結し、ホモジナイザーで粉砕した。粉砕した細胞を0.
5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびプロティ
ナーゼK100mg/lを含む0.5Mエチレンジアミン四酢酸
(EDTA)(pH8.0)溶液600mlで50℃、30分間抽出し
た。細胞残渣を除去後、抽出物をフェノールで処理し、
エタノールで核酸を抽出した。DNAを塩化セシウム平
衡濃度遠心勾配遠心法により精製した。
【0031】(IV)ムコールプシルスの遺伝子ライブラ
リーの構築精製 ムコールプシルスDNAをSau 3AIで部分切断し、アル
カリホスファターゼ処理後、25kb以上のDNA断片をア
ガロース電気泳動で集め、コスミドJB8DNAのアー
ムで連結し、インビトロパッケージングキット(アマシ
ャム社)を用いてファージ粒子中にパッケージした。大
腸菌HB101株をそのファージで感染させ、約2万株の
アンピシリン耐性形質転換株を得た。
【0032】(V)MPR遺伝子のクローニング 大腸菌のムコールプシルスの遺伝子ライブラリーを合成
プローブを用いたコロニーハイブリダイゼーションによ
りスクリーニングした(ニュークリーク・アシッズ・リ
サーチ(Nucleic Acids Res.)第9巻、第2989-2998頁(1
981))。ハイブリダイゼーションの温度は17-merプロー
ブで43℃、14-merプローブで28℃とした。プラスミドD
NAは、ゴッドソン(Godson)らの方法(バイオキミカ
エ・バイオフィジカ・アクタ(Biochim.Biophys.Act
a.)第299巻、第516-520頁(1973))により単離された。
組換えプラスミドによる大腸菌の形質転換は、ノルガー
ド(Norgard)らの方法(ジーン(Gene)第3巻、第279
-292頁(1978))により行った。各種の制限酵素およびそ
の他の酵素は、宝酒造(株)より購入した。
【0033】(VI)サザンブロット分析 DNA断片のアガロースゲルからニトロセルロース紙へ
の転写は、サザンの方法(ジャーナル・オブ・モレキュ
ラー・バイオロジー(J .Mol.Biol.)第98巻、第503-51
7頁(1975))により行った。ハイブリダイゼーションの
条件およびニックトランスレーションによるDNAハイ
ブリダイゼーションプローブのラベル化は、リグビー
(Rigby)らの方法(ジャーナル・オブ・モレキュラー
・バイオロジー(J.Mol.Biol.)第113巻、第237-251頁
(1977))により行った。
【0034】(VII)DNA配列決定 クローン化したDNAの特定の制限酵素断片を、M13
ベクターmp10または、mp11、あるいはpUC1
9またはpUC18に連結し、チェーンターミネーティ
ング・ダイデオキシ法(プロシーディングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスイズ・オ
ブ・ジ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.)第74巻、第5463-5467頁(1977))に
より配列決定した。
【0035】(2)結果 (I)MPR遺伝子のクローニング 大腸菌中のムコールプシルス遺伝子のコスミドライブラ
リーから、ラベル化した合成プローブを用いて、MPR
遺伝子をスクリーニングした。約1万株のコロニーのう
ち数個がプローブ(14T−1および14T−3)と陽
性のハイブリダイゼーションを生じた。その中で、他の
プローブ(14T−3、17T−2、17T−4)とハ
イブリダイゼーションを生じたものを選択した。pJB
8において約4.8kbのHindIII断片を有するプラスミ
ドを選択した菌株から回収し、pCT11を構築した。
各々のプローブを単離した挿入物とハイブリダイズし
た。HindIII断片をpBR322へサブクローニン
グして、組換えプラスミドpCT113を構築し、制限
酵素様式を決定した。ムコールプシルスの全DNAのH
indIII断片を32Pでラベル化した4.5kb断片と、サザ
ンブロットDNA−DNAハイブリダイゼーションを行
ったところ同一の分子量で単一バンドを示した。
【0036】(II)クローン化されたMPR遺伝子のD
NA配列決定 プローブでハイブリダイズしたクローン化DNA領域を
同定するために、pCT113の4.5kb-HindIII断
片を各種制限酵素で分解し、ラベル化したプローブ(1
7T−2)を用いて試験した結果、1.7kb−HaeIII断
片がプローブとハイブリダイズすることが判明した。そ
の断片および隣接領域は、配列決定したところ、イント
ロンを有しない1281bpの単一の転写解読枠が、427アミ
ノ酸のポリペプチドをコードしていることが判明した。
しかも、成熟MPR遺伝子のN末端上流域に66アミノ酸
が別に存在することが判明した。
【0037】実施例2 MPR様遺伝子配列を用いた
アポE融合蛋白質の製造方法 (I)発現ベクターの調製 MPR様遺伝子とアポE遺伝子との融合遺伝子を各々以
下のようにして調製した。 アポEcDNAは、ラット
肝細胞より得たmRNAを鋳型として合成した。すなわ
ち、組換えDNA手法は、モレキュラー・クローニング
第2版第7、第14章(Moleculr Cloning;A Laborator
y Manual)(1989)に記載の方法に準じて常法通りに行っ
た。すなわち、HindIII、EcoRIリンカーを導
入したラットcDNAをpUC19でクローニングした
(pTAE17)。このプラスミドを、EcoRIで消
化後、Klenowフラグメントで処理し、BamHI
リンカーを導入した(pTAB17)。(第1図参
照)。
【0038】一方、MPRの発現用プラスミドJP1
(モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティクス
(Mol.Gen.Genet.)第210巻、第462-467頁(1987))、G
AL7プロモーター配列(イースト(Yeast)第1巻、第
67-77頁(1985))に基づいて、以下の合成プローブを作
製した。
【0039】
【0040】プローブGAL7-5およびGAL7-3を用いプラス
ミドJP1を鋳型として以下の条件を用いてPCR反応
を行い、SalI、HindIIIリンカーを有するGA
L7プロモーター配列を取得した。すなわち 、プラス
ミドJP1を2μg、各々のプライマーを約100pmolに添
付のバッファー(100mM Tris-HClバッファー(pH8.3),50
0mM KCl,15mM MgCl2,0.01%(w/v)ゼラチン(オートクレ
ーブ済))を10倍希釈したバッファーを加え、94℃で8
分加熱後、氷中で5分冷却した。そこへTaqポリメラ
ーゼを5単位、dNTPを各々200μMになるよう加えミ
ネラルオイルを重層した。その反応液を94℃で1.5分間
反応させた後、94℃で1分間、40℃で1分間、72℃で1.5
分間を10回繰り返した後、72℃で1分反応させた。さら
に、反応液をフェノール・クロロホルムで処理した後、
エタノール沈澱させ、得られたDNA産物をHindII
I、SalIで消化し、前述したpTJB1をSal
I、BamHIで処理し、約10kbのDNA断片とpTA
B17からHindIII、BamHIで処理して得た約
1kbのアポEcDNA断片を連結した(第1図参照)。
このプラスミドをEcoRIで消化後、Klenowフ
ラグメントで処理しSalIリンカーを導入した。さら
にこのプラスミドをSalIで消化し、YEp13より
SalI、XhoIで消化し得られたLEU2 DNA
フラグメントを連結した(pSAN1)(第1図参
照)。以下に合成したプライマーを示す。
【0041】 プライマー MPR5 CGCAAGCTTCATGCTCTTCTCCAAGATC HindIII MPR3 GGGATCCTTAGTCTAGACTGTTGTTCTCGTATCCGG BamHI XbaI MPPRE5 CCAGCTCTCCCTC-AGCACTGGTAAG apoE MPR MPPRE3 CTTACCAGTGCT-GAGGGAGAGCTG MPR apoE MPRO3 CGGTCTAGAGCGAACGCCTTGATACCG XbaI MP170 GCGGATCCTTAGTCTAGACCGTCGTTGGTG BamHI XbaI XBAP5 CCCTCTAGACGAGGGAGAGCTGGAG XbaI RAP3 CGGAGCTCTGCAGCTCTTCCTG SacI
【0042】まず、JP1を鋳型にしてプライマーMPR
5,MPPRE5を用い、pTAB17を鋳型としてプライマー
MPPRE3,RAP3を用いて前述の条件でPCR反応を行い、
得られたDNA断片を、アガロースゲルより回収し合わ
せて、添付のバッファー(100mM Tris-HClバッファー(p
H8.3),500mM KCl,15mM MgCl2,0.01%(w/v)ゼラチン(オ
ートクレーブ済))を10倍希釈したバッファーを加え
て、そこへTagポリメラーゼを5単位、dNTPを各
々200μMになるよう加えて、94℃3min、40℃3min、72
℃2minで反応させた後、プライマーMPR5,RAP3を各々100
μmol加えて、再度94℃で1.5min反応させた後、94℃1mi
n、40℃1min、72℃1.5minを10回繰り返した後、72℃で1
min反応させる。得られたDNA断片を、HindIII、
SacIで消化しアガロースゲルより回収し、pTAB
17からSacI、BamHIで消化した約0.8kbのD
NA断片とともにHindIII、BamHIで消化した
pUC19にサブクローニングした(pTAE18)。
pSAN1をHindIII、BamHIで消化して得ら
れた約8kbの断片とpTAE18を同様に消化して得ら
れた約1kbの断片を連結してプラスミドpSAN2を得
た(第2図参照)。
【0043】次にpTAB17を鋳型にしてプライマー
XBAP5,RAP3を用いて前述の条件でPCR反応を行い、得
られたDNA断片を、アガロースゲルより回収し、pT
AB17からSacI、BamHIで消化した約0.8kb
のDNA断片とともにXbaI、BamHIで消化した
pUC19にサブクローニングした(pTAE19)。
さらにJP1を鋳型にして、プライマーMPR5,MPRO3を、
前述の条件でPCR反応を行い、得られたDNA断片
を、HindIII、XbaIで消化しアガロースゲルよ
り回収し、pSAN1をHindIII、BamHIで消
化して得られた約8kbの断片とpTAE19をXba
I、BamHIで消化して得られた約1kbの断片を連結
してプラスミドpSAN3を得た(第3図参照)。ま
た、JP1を鋳型にして、プライマーMPR5,MP170を、プ
ライマーMPR5,MPR3を、各々用いて、前述の条件でPC
R反応を行い、得られたDNA断片を、HindIII、
BamHIで消化し、アガロースゲルより回収し、pS
AN1をHindIII、BamHIで消化して得られた
約8kbの断片と連結し、pSMN1、pSMRNを得た
(第4図参照)。さらに、この両者のプラスミドをXb
aI、BamHIで消化し、pTAE19からXba
I、BamHIで消化して得られた約1kbの断片を連結
してプラスミドpSAN4、pSMANを得た(第4図
参照)。MPRのプロテアーゼ活性を欠損させたMPR
の発現ベクターJP1-38G(ジャーナル・オブ・バ
イオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)第264
巻、第16862-16866頁(1989))を鋳型にして、pSMR
N、pSMANのプラスミドを得るのと同様の方法で、
pSMRN-38G、pSMAN-38Gを得た(第4図
参照)。
【0044】(II)形質転換体の作製およびその培養 酵母の形質転換はスフェロプラスト法(ネイチャー(Na
ture)第275巻、第104-109頁(1978);プロシーディング
ズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンスイズ・オブ・ジ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・
アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.)第75巻、第1929-1933
頁(1978))に従って行った。プラスミドpSAN1、p
SAN2、pSAN3、pSMN1、pSAN4、pS
MRN、pSMRN38G、pSMAN、pSMAN3
8Gは、EcoRIで消化したものを形質転換に用い
た。形質転換に用いた株を表1に示す。
【0045】
【表1】 ─────────────────────────── 菌株 遺伝子型 ─────────────────────────── MC16 MATα leu2,his4,ade2 AB103-1α MATα*1 leu2,his4,ura3,pep4-3 AH22 MATа leu2,his4,can1 SHY3 MATа leu2,his4,ura3,ade2,trp1 8979-3A MATα*2 leu2,his4,ura3,ade2,kar2-1 YK6-42 MATа leu2,his4,ura3,ade2,trp1 ─────────────────────────── *1 は R.Scheckman から入手 *2 は G.Fink から入手
【0046】形質転換株をまずSDA(0.67%酵母窒素
塩基、2%グルコース、0.1%アデニン)培地で30℃で2
日間前培養した後、YPD(2%バクトーペプトン、1%
バクト酵母抽出液、2%グルコース)培地で30℃で18-24
時間培養した。その細胞を集菌し、1-3倍容のYPGA
(2-6%バクトーペプトン、1-3%バクト酵母抽出液、3-
9%ガラクトース、0.1%アデニン)培地で30℃で再び1-
3日間培養した。
【0047】(III)酵母によるアポE(融合蛋白質と
して)の生産 YPGA(6%バクトーペプトン、3%バクト酵母抽出
液、3%ガラクトース、0.1%アデニン)培地にて25-30
℃で2日間の培養により、各形質転換株が産生したアポ
Eの量を培養上清をエタノール沈澱により濃縮し、ウエ
スタンブロッティング法により確認した。その結果、p
SMRN、pSMRN38Gで形質転換した組換え酵母
より各々のMPRの分泌が確認され、pSMAN、pS
MAN38Gで形質転換した組換え酵母よりMPR、M
PR38GとアポEの融合蛋白質が確認された。すなわ
ち、得られた融合蛋白質は、常法によりMPRをウサギ
に免疫して得られた抗MPR血清、抗アポE抗体ととも
に融合蛋白質の目的の分子量である約80kDの位置で反
応し、またその分泌量を標品のMPRによりデンシトメ
ーターによりウエスタンブロッティング法の発色により
測定した結果、融合蛋白質がアポEの量として20mg/l以
上検出された。
【0048】
【発明の効果】本発明のげっ歯類アポリポプロテインE
融合蛋白質は、高脂血症における血漿中コレステロール
値を下げる効果を持ち、研究用試薬としても有用なげっ
歯類アポリポプロテインEを製造するための中間体とし
て有用である。
【0049】
【図面の簡単な説明】
第1図はpSAE1、pSAN2の製法を示す。第2図
はpSAN2の製法を示す。第3図はpSAN3の製法
を示す。第4図はpSAN4、pSMAN、pSMAN
38Gの製法を示す。第5図は各プラスミド、pSAN
1、pSAN2、pSAN3、pSAN4、pSMA
N、pSMAN38G、pSMAN1およびpSMRN
の構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/57 C12P 21/02 8214−4B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムコールレンニン遺伝子のプレプロ、成熟
    配列の一部または全部とげっ歯類アポリポプロテインE
    遺伝子とが連結されてなる融合遺伝子。
  2. 【請求項2】ムコールレンニン遺伝子のプレプロ、成熟
    配列の一部または全部とげっ歯類アポリポプロテインE
    遺伝子とが連結されてなる融合遺伝子が挿入されてなる
    プラスミド。
  3. 【請求項3】ムコールレンニン遺伝子のプレプロ、成熟
    配列の一部または全部とげっ歯類アポリポプロテインE
    遺伝子とが連結されてなる融合遺伝子が挿入されてなる
    プラスミドにより形質転換された酵母。
  4. 【請求項4】ムコールレンニン遺伝子のプレプロ、成熟
    配列の一部または全部とげっ歯類アポリポプロテインE
    遺伝子とが連結されてなる融合遺伝子が挿入されてなる
    プラスミドにより形質転換された酵母を発現させること
    を特徴とするげっ歯類アポリポプロテインE−ムコール
    レンニン融合蛋白質の製造方法。
JP5069446A 1993-03-04 1993-03-04 げっ歯類アポリポプロテインeを有する融合遺伝子、それを挿入したプラスミドおよびその用途 Pending JPH06253858A (ja)

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