JPH0249715B2 - - Google Patents

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JPH0249715B2
JPH0249715B2 JP59102685A JP10268584A JPH0249715B2 JP H0249715 B2 JPH0249715 B2 JP H0249715B2 JP 59102685 A JP59102685 A JP 59102685A JP 10268584 A JP10268584 A JP 10268584A JP H0249715 B2 JPH0249715 B2 JP H0249715B2
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yeast
gene
expression vector
gal7
dna
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Toshio Fukazawa
Yasuhisa Nogi
Masahiro Tajima
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
    • C12N15/81Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、分子生物学の分野に関し、更に詳し
くは異種遺伝子のcDNAなどの任意のポリペプチ
ドをコードする遺伝子を酵母内で、ガラクトーの
誘導にぐり発現させるために好適なプラスミド・
ベクターに関する。 従来技術 近年、組み換えDNA技術の発達はめざましく、
特に大腸菌プラスミドによる遺伝子増幅は分子生
物学の飛躍的進歩の原因となつている。しかし、
外来DNA遺伝子の発現、つまり蛋白質の生産に
関する技術については実施例は比較的少ない。や
はり、大腸菌の宿主―ベクター系で発現ベクター
の技術が最も進歩しており、大腸菌由来のアミノ
酸配列を含まない外来遺伝子由来の蛋白質の生産
方法が開発されている。 ところが、大腸菌自体は人体に対して充分安全
とは言えず、実際に外来遺伝子由来の蛋白質を人
体に適用するためには、リピツドAなどの大腸菌
由来の人体発熱因子を充分除去しなければならな
いという欠点をもつている。 このため、人体安全性の高い発現ベクター系の
開発が望まれており、この条件を満たすことがで
きる系が、酵母発現ベクター系である。つまり、
サツカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)に代表される酵母は、高度に発達し
た遺伝系統を持つており、実際に外来遺伝子由来
の蛋白質の生産に有利な大量培養技術が古くから
蓄積されているという特徴を有し、しかも、酵母
菌自体は、人体に対し特に有害な物質の生産は行
なつておらず、乾燥酵母は日本薬局方に記載され
ているほどである。 最近、以上の目的のためにいくつかの酵母発現
ベクター系、例えば、TRP1(トリプトフアン合
成系の蛋白質をコードする遺伝子)、GAP―DH
(グリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ
をコードする遺伝子)、PGK(3―フオスフオグ
リセレート キナーゼをコードする遺伝子)など
のプロモーター領域に外来遺伝子をつないだもの
などが開発されている。しかし、これら発現ベク
ター系では、発現が構成的なために酵母の成育に
有害な物質をコードする外来遺伝子の発現はむず
かしいという欠点を持つていた。 発明の目的 従つて、本発明の目的は、酵母の生育時には、
外来遺伝子由来の蛋白質を全く生産せず、大量培
養した後、外来遺伝子由来の蛋白質を生産するこ
とができる酵母発現ベクター系を開発することに
ある。 発明の目的を解決するための手段とその作用及び
効果 本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究を
進めた結果、酵母GAL7(ガラクトース1リン酸
ウリジルトランスフエラーゼをコードする遺伝
子)プロモーター及びその上流に存在する調節領
域を発現ベクターのプロモーター部分に使用すれ
ば、上記目的を達成し、非常に好適な発現ベクタ
ーが得られることを見出し、本発明を完成するに
至つた。 即ち、本発明に従えば、酵母GAL7遺伝子の転
写開始点から上流域241塩基対(プロモーターお
よび上流調節領域)を含む酵母発現ベクターが提
供される。この酵母発現ベクターは、炭素源とし
て、ガラクトースを培養液に添加した場合に外来
遺伝子由来の蛋白質を生産することができる。本
発明に従えば、また前記発現ベクターを持つ酵
母、及びそれらを活用した外来遺伝子由来のポリ
ペプチドの生産方法が提供される。 本発明に係る酵母発現ベクターは、酵母の複製
源、酵母の選択マーカー、およびGAL7プロモー
ター並びに上流調節領域により構成される。本発
明に係る酵母発現ベクターは、例えば大腸菌など
の他生物プラスミドの複製源及び選択マーカーを
持つのが好ましい。即ち、大腸菌―酵母のシヤト
ルベクターとすることにより、遺伝子増幅を大腸
菌などで行うことが可能となる訳である。 酵母の複製源としては、一般に使用されている
YEp系プラスミド(2μプラスミドの複製源を持
つ)、YRp系プラスミド(酵母染色体DNAから
得られる自己複製配列―ARS―を持つ)、YCp系
プラスミド(ARSに加えて、酵母染色体PNAか
ら得られた動原体―セントロメアーのDNAを持
つ)いずれも好適に使用できる。外来遺伝子由来
の蛋白質を大量に生産する目的のためには、細胞
あたりのコピー数が数十であるYEp系プラスミ
ドが好ましい。 また、酵母の選択マーカーとしては、クローニ
ングされた遺伝子であれば何でも良く、例えば汎
用されているものでは、TRP1、LEU2、URA3、
HIS3などがあげられる。 本発明の根幹となるGAL7プロモーター並びに
上流調節領域は、転写開始点(禾ら、Nucleic
Acids Research11巻8555〜8568頁、1983年参照)
より上流少なくとも241塩基対を含むDNA塩基配
列である。第1図にGAL7遺伝子の5領域の塩基
配列を示した。GAL7遺伝子の転写開始点を1番
として上流を正の整数で、上流を負の整数で塩基
配列をナンバー付けした。+23からのATGが翻訳
開始点である。また、塩基配列はノンコーデイン
グストランド(mRNAの鋳型とならないDNA
鎖)のみを示しており、実際のDNAは相補鎖を
持つ2本鎖DNAである。 前記塩基配列のうち、本発明に必須の塩基配列
は、プロモーターとして−63位5′―TATAAA―
3′(TATAボツクス)(T:チミン、A:アデニ
ン)と正の調節遺伝GAL4蛋白質の結合部位と考
えられる−180位5′−GCGCTCGG―3′(上流調節
領域)で示される塩基配列近傍に存在するものと
推察される。この2つの特徴的なDNA配列が遺
伝子上に並んでいることによりTATAボツクス
からの転写が調節遺伝子により制御されるものと
考えられる。つまり、例えばブドウ糖、シヨ糖な
どのガラクトース以外の物質を炭素源として、酵
母を生育させたときには、この遺伝子の転写は行
なわれず、ガラクトースが存在すると転写は行な
われる。 上記の根幹となるDNA塩基配列、つまり、
TATAボツクスと上流調節領域は、酵母GAL7
遺伝子を酵母染色体DNAからシヨツトガン法に
よりクローニングして得ることもできるし、
DNA合成機などにより化学合成して得ることも
できる。いずれの方法によつても得られたDNA
塩基配列は、化学分解法(Methods in
Enzymology65巻499−580頁、1980年)または、
ジデオキシヌクレオチド酵素法(Methods in
Enzymology101巻20−78頁、1983年)によつて
確認することができる。 TATAボツクスと上流調節領域の塩基配列以
外のDNA配列は、第1図に示した配列と異なつ
ていてもよいし、また、両特定配列の間に挿入さ
れる塩基数は、50〜500bpが好ましい。 このようなプロモーター及び上流調節領域を持
つ塩基配列の下流に、発現させたい外来遺伝子を
連結すると、上述のガラクトースによる調節を受
け外来遺伝子を発現することができる。 本発明の発現ベクターに連結させることのでき
る外来遺伝子は、例えばサツカロミセス・セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)、及びノイ
ロスポラ・クラツセ(Neurosora crassa)、シ
ゾサツカロミセス・ポンベ
Schizosaccharomyces pombe)などの近縁の
カビ類ではイントロンを含んだ遺伝子でも良い
し、cDNAでも良い。その他の高等真核生物の遺
伝子ではcDNAが好ましい。また、原核生物の遺
伝子は、イントロンを含まないので遺伝子のまま
使用できる。また、アミノ酸に対応させて人工に
作つたDNAは好適に使用できる。蛋白質をコー
ドする遺伝子のオープンリーデイングフレームを
すべて発現することができる。発現させる蛋白質
は種類を問わず、たとえ、酵母の成育に有害な蛋
白質でも、ガラクトース誘導型の本発明ベクター
では、充分発現できる。例えば、インシユリン、
血小板由来の成長因子(PDGF)、インターフエ
ロン(α、β、γ)、性腺刺激ホルモン、成長ホ
ルモン、エンケフアリン酸、エンドルフイン類、
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、カルシトニ
ン、副甲状腎ホルモン、神経成長因子(NGF)、
エリスロポエチン、血液凝固因子、ウロキナー
ゼ、血清アルブミン、サイトカイン、上皮成長因
子(EGF)、プロラクチン、レンニン、胎盤ラク
トゲン、チモポイエチン、胃液分泌抑制ポリペプ
チド(GIP)、コレチストキニン(CCK−39)、ガ
ストリン(BG)、カルシトニン、グルカゴン、
セクレチン、モチン、ソマトスタチン、色素細胞
刺激ホルモン、エラスチン、コラーゲン、リパー
ゼラクターゼ、β―ガラクトテターゼ、インベル
ターゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ
などの蛋白質に関して好適に使用できる。 本発明の発現ベクターに含まれるGAL7プロモ
ーターの外来遺伝子の結合は、+15位に認識部位
5′−CCTC−3′が存在する制限酵素Mn1Iを用いる
のが良い。この制限酵素部位は、GAL7転写開始
点上流少なくとも241塩基対には存在しておらず、
容易にプロモーター及び調節領域を含むDNA断
片を得ることができる。しかしMn1Iは、認識部
位の下流7塩基対目でブラントエンドでDNAを
切断する。つまり、23位のATG(翻訳開始点の
G)の後で切れる。従つて、得られたATGまで
のDNA断片に外来遺伝子のオープンリーデイン
グフレームからATGを除いたDNA断片をつなげ
ば、外来遺伝子のみを発現することになり、目的
とする蛋白質を完全な形で得ることができる。ま
た、外来遺伝子にATGを持つたものを使つた場
合は、+23位のATGより上流でGAL7遺伝子につ
なげば、外来遺伝子を完全な形で発現できる。ま
た、+23位のATG以後でも、外来遺伝子のコーデ
イングフレーム読み取りわくさえ合えば、GAL7
−外来遺伝子融合蛋白質を発現することができ
る。 本発明の発現ベクターは、上記、外来遺伝子の
発現をガラクトースで制御する能力を持つ酵母発
現ベクターである。また、本発明では、この酵母
発現ベクターを含む宿主酵母並びにその酵母を利
用した外来遺伝子由来のポリペプチドの生産方法
に関する。 発現ベクターの宿主となる酵母は、サツカロミ
セス・セレビシユ(Saccharomyces
cerevisiae)及び、例えばサツカロミセス・カー
ルスベンゲンシス(Saccharomyces
carlsbergensis)などの近縁種が好適に使用され
る。ガラクトース誘導機構を充分発揮するために
は、ガラクトース代謝系調整遺伝子GAL4
GAL80、GAL11が遺伝的に野性型でなければな
らない。また、発現ベクターの脱落を防ぐため、
発現ベクターの選択マーカー遺伝子を次く変異株
が用いられる。発現ベクターによる酵母の形質転
換は、Hinnenらの方法(Proc.Natl.Acad.Sci.
USA75巻1929〜1933頁、1978年)及びItoらの方
法(J.Bacteriol.153巻163〜168頁、1983年)のい
ずれの方法も好適に使用できる。 さらに、外来遺伝子を含む本発明の発現ベクタ
ーにより形質転換された酵母を選択マーカーを欠
いた培地で生育させ、ガラクトースを炭素源とし
て培地中に0.1%〜10%、好ましくは1〜3%添
加すれば、外来遺伝子よりポリペプチドが生産さ
れる。このとき、0.1%以下ではほとんど誘導が
かからず、10%以上では、宿主菌の生育が悪くな
る。また、ガラクトースは、単一炭素源でも、併
用炭素源でも良く、また、添加時期は、細胞の生
育において、最初からでも、対数増殖期でも、静
止期でもいずれでも良い。外来遺伝子産物が酵母
の生育に悪影響を及ぼす場合には、最初ブドウ糖
及びシヨ糖などの他の炭素源で培養し、対数増殖
期後期〜静止期にガラクトースを添加する方法が
良好である。 実施例 以下、本発明を実施例によつて詳細に説明する
が、本発明の技術範囲をこれらの実施例に限定す
るものではないことは言うまでもない。 実施例 1〜4 まず、酵母GAL7遺伝子を酵母染色体よりクロ
ーニングした。 酵母サツカロミセス・セレビシエ
Saccharomyces cerevisiae)S288C株
(ATCC26108)を栄養培地(YPD)で生育させ、
クライヤー法(Methods in cell biology12巻39
−44頁、アカデミツクプレス製、1975年)によ
り、染色体DNAを精製した。制限酵素SalIで完
全消化し、DNA断片を調整した。一方、酵母ク
ローニングベクターYEp24(Gene8巻17−24頁、
1979年)をSalIで切断し、このSalI部位に、上記
染色体由来のDNA断片を挿入し、T4DNAリガ
ーゼにより結合した。得られたハイブリツドプラ
スミドにより、大腸菌JA221株を形質転換し、ア
ンピシリン(30μg/ml)耐性株を得た。この形
質転換株を、栄養培地(LB)―アンピシリン30μ
g/ml添加―で生育さ、アルカリ法(Nucl.Acid.
Res.7巻、1513−1523頁)により、ハイブリツド
プラスミドを多量に得た。さらに得られた全ハイ
ブリツドプラスミドを用いてItoらの酢酸リチウ
ム―ポリエチレングリコール法によつて、GAL7
欠失変異酵母―サツカロミセス・セレビシエ
Saccharomyces cerevisiae)S416B(B4)株
(Yeast genetic stock center,
DonnerLaboratory,University of California,
Berkeley,CA94720USA)遺伝子型a,gal7,
met1,urm1,ade6.ade2―を形質転換した。
EBGal寒天培地(0.002%臭化エチジウム、2%
ペプトン、1%酵母エキス、2%ガラクトース、
2%寒天)を選択培地として、GAL7遺伝子がク
ローニングされたハイブリツドプラスミドを選択
した。つまり、プラスミド上にS288C株由来の
GAL7遺伝子が存在すれば、GAL7遺伝子を欠失
している宿主S416B(B4)株が形質転換により、
ガラクトースを資化できるようになり、EBGal
寒天培地に生育できるようになるわけである。 このようにして得られたハイブリツドプラスミ
ドはSalI部位に約2.3キロ塩基対の酵母DNA遺伝
子を持ちこんでいた。このDNA配列にはGAL7
遺伝子のコーデイング配列、及びプロモーター、
上流調節領域が含まれていた。上流のSalI部位を
部分消化法によりBamHI部位に置換し、プラス
ミドを扱いやすくした。 次に、酵母GAL7遺伝子の5′領域に基づいた多
数の発現ベクターを作り、ガラクトース代謝系調
節遺伝子産物の関係するDNA部位を特定しその
必須のDNA配列を持つ発現ベクターを作製した。
発現させる外来遺伝子としては、大腸菌由来の
lacZ′遺伝子(β―ガラクトシダーゼをコードす
る遺伝子)を用いた。 作成したプラスミドの構造を第2図に示した。
大腸菌プラスミドpBR322に2μプラスミド由来の
酵母複製開始配列及び酵母マーカーとして、
URA3遺伝子をそれぞれEcoRIHind部位に
連結した、多コピー酵母ベクター(YEp24)の
BamHI―SalI部位にGAL7遺伝子―271より下流
1472塩基対をクローニングした本発明に係る発現
ベクターpYT5003をBamHIで切断後、切断点を
起点として、エキソヌクレアーゼBal31により部
分消化し、その断片の未端にpBamHリンカー
を連結した。BamH―Salで切断し、GAL7
遺伝子の5′側がpYT5003より短くなつた多種の
DNA断片を得た。 一方、YEp24をBamHSal切断した2μ複
製開始部位、URA3、pBR332のアンピシリン耐
性部位、複数起点を含む断片を用意し、GAL7
片とT4DNAリガーゼにより連結し、実施例及び
比較例となる多種のハイブリツドプラスミド
()を得た。さらに、外来遺伝子lacZ′遺伝子を
含む大腸菌プラスミドpMC874よりlacZ′を含む
BamH―Sal断片を得、これをGAL7遺伝子
+421位のBgl部位から+1195位のSal部位まで
除いたプラスミドにT4DNAリガーゼにより連結
した。GAL7遺伝子のBgl部位の読み取りわく
と、lacZ′遺伝子の読み取りわくは、それぞれの
切断部位で一致しており、連結後も同じ読み取り
わくとなる。つまり、トランスフエラーゼのN末
端から133アミノ酸の配列の後にβ―ガラクトシ
ターゼのN末端から8番目のアミノ酸残基以後の
アミノ酸配列がつらなつた融合蛋白質をコードす
る遺伝子となるわけである。 このようにして得られた()の発現ベクター
GAL7 5′び領域のBamHリンカーの結合位
置をジデオキシヌクレオチド酵素法による塩基配
列決定により決め、第4図―1及び第4図―2に
BamH部位を各プラスミドについて示した。
実施例1及び2については、第2図に示した作成
方法に準じて、転写開始点上流約1.2キロベース
から削つて得た。BamH部位の上流はそれぞ
れpBR322のBamH部位(EcoRを1として
375位である)より上流の配列となつている。 これらの実施例及び比較例の発現ベクターに第
2図の方法でlacZ′遺伝子をつなぎ、発現につい
て、β―ガラクトシダーゼ活性により評価した。
本発明に係るGAL7lacZ′ハイブリツドプラス
ミドにより、サツカロミセス・セレビシエ
Saccharomyces cerevisiae)MT8―1株
(ura3,ade,trp1,leu2,his3)―ガラクトース
代謝調節遺伝子野性株―,YH5―2A株(a,
gal4,ura3,his,trp1,ade)及び、KK4株
(α、gal80,ura3,his1,trp1)の3株を、それ
ぞれ、Itoらによる酢酸リチウム―ポリエチレン
グリコール法によつて形質転換した。ウラシルを
欠いた寒天培地により、形質転換株を選択し、本
発明に係る酵母ベクターによつて形質転換された
酵母を得た。これらの形質転換について、β−ガ
ラクトシダーゼ活性発現を評価した。評価は、X
―Gal(5―臭化4―塩化―3―インドリル―β
―D―ガラクトシド)を用いた発色法により行な
つた。使用した寒天培地の組成は次の通りであ
る。 重量% 1 炭素源 2.0 2 酵母窒素源(アミノ酸なし) 0.7 3 カザミノ酸 0.5 4 硫酸アデリン 0.002 5 トリプトフアン 0.002 6 KH2PO4 1.36 7 水酸化カリウム (PH7に調整) 8 XGal 0.004 9 寒天 2.0 10 イオン交換水 93.5 この寒天培地に、発現ベクターを含む酵母スト
リークし、30℃で2日培養する。β―ガラクトシ
ダーゼ活性により培地は青色に変化する。また、
青色の濃さは、比活性の強さに比例することが知
られている。 上記形質転換酵母についてβ―ガラクトシダー
ゼ活性を評価した結果を第1表に示した。なお、
実施例3のうちサツカロミセス・セレビシエ
Saccharomyces cerevisiae)MT8―1
〔pYT5013〕(微工研菌寄託第7633号)は微工研
に寄託した。 【表】 実施例1〜4の発現ベクターによつて形質転換
したMT8―1株は、ブドウ糖、シヨ糖で生育さ
せたときには、β―ガラクトシダーゼ活性は見ら
れないが、ガラクトースまたは、シヨ糖+ガラク
トースで生育させたときには、β―ガラクトシダ
ーゼを顕著に発現していた。つまり、発現ベクタ
ーの、GAL7プロモーター、上流調節領域がガラ
クトースによる誘導に充分対応する塩基配列を持
つていることを示していた。このことは、正の調
節因子GAL4遺伝子を欠いているYH5―2A株で
は、β―ガラクトシダーゼ活性が、炭素源にかか
わらず発現されず、また負の調節因子GAL80
伝子を欠いているKK―4株では、炭素源にかか
わらず発現することからも支持される。これに対
して、比較例1では、若干、ガラクトース誘導傾
向が見られなくなり、比較例2では、炭素源にか
かわらずβ―ガラクトシダーゼ活性は見られなく
なる。このことからも、−176近傍の塩基配列、
5′―GCGCTGG−3′(上流調節領域)がGAL4
産物と重要なかかわり合いを持つていることが示
唆される。更に、比較例3では、炭素源にもかか
わらず若干の酵素活性が認められるが、比較例4
及び5では、いずれの菌株においても、炭素源を
変えても全く酵素活性は見られない。この現象は
−63位に存在するTATAボツクスを欠いてしま
つたために、転写ができなくなつたためと考えら
れる。このことはまた、上述の酵素活性の発現
が、あくまで、酵母GAL7遺伝子領域の機能に由
来するものであり、その上流に位置するpBR322
遺伝子の影響によるものでないことを意味してい
た。 以上の通り、本発明に係る酵母ベクターは、ガ
ラクトース代謝調節遺伝子が野性型の酵母の中
で、外来遺伝子の発現をガラクトースにより良好
に誘導していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、酵母GAL7遺伝子の転写開始点周辺
のDNA塩基配列を示す図面である。ノンコーデ
ング鎖のみを示したが、実際のDNAは相補鎖と
結合した2本鎖である。転写開始点を1番とし、
上流を−、下流を+の整数で塩基に番号をつけ
た。第2図は、実施例及び比較例に示した発現ベ
クターの作成方法並びにGAL7lacZ′融合遺伝
子の作成方法を示す図面である。第3図は、発現
ベクターとlacZ′遺伝子の結合部分の塩基配列を
示す図面である。第4図―1及び第4図―2は、
実施例及び比較例に示した発現ベクターの持つて
いるGAL7遺伝子の5′領域の塩基配列を示す図面
てある。それぞれ、矢印より下流をもつていて、
それより上流を欠いている意味である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酵母GAL7遺伝子の転写開始点から上流域
    241塩基対を含むことを特徴とする酵母発現ベク
    ター。 2 任意のポリペプチドをコードする遺伝子をプ
    ロモーター領域下流に含む特許請求の範囲第1項
    に記載の酵母発現ベクター。 3 酵母GAL7遺伝子の転写開始点から上流域
    241塩基対を含む酵母発現ベクターによつて形質
    転換された酵母。 4 酵母GAL7遺伝子の転写開始点から上流域
    241塩基対を含む酵母発現ベクターによつて形質
    転換された宿主酵母に、前記発現ベクター由来の
    任意のポリペプチドを発現させることを特徴とす
    るポリペプチドの生産方法。
JP59102685A 1984-05-23 1984-05-23 酵母発現ベクタ− Granted JPS60248181A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59102685A JPS60248181A (ja) 1984-05-23 1984-05-23 酵母発現ベクタ−

Applications Claiming Priority (1)

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JP59102685A JPS60248181A (ja) 1984-05-23 1984-05-23 酵母発現ベクタ−

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JPS60248181A JPS60248181A (ja) 1985-12-07
JPH0249715B2 true JPH0249715B2 (ja) 1990-10-31

Family

ID=14334090

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JP59102685A Granted JPS60248181A (ja) 1984-05-23 1984-05-23 酵母発現ベクタ−

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JPS5948082A (ja) * 1982-08-09 1984-03-19 チバ−ガイギ−・アクチエンゲゼルシヤフト 酵母発現ベクター系
JPS5974987A (ja) * 1982-10-20 1984-04-27 Suntory Ltd 解糖系酵素支配遺伝子プロモ−タ−利用酵母発現ベクタ−プラスミドおよびその利用方法
JPS5974986A (ja) * 1982-10-20 1984-04-27 Suntory Ltd 酵母の高発現ベクタープラスミドを用いたペプチドの生産方法

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