JP2707506B2 - 自動変速装置のスリップ制御装置 - Google Patents

自動変速装置のスリップ制御装置

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JP2707506B2
JP2707506B2 JP2404432A JP40443290A JP2707506B2 JP 2707506 B2 JP2707506 B2 JP 2707506B2 JP 2404432 A JP2404432 A JP 2404432A JP 40443290 A JP40443290 A JP 40443290A JP 2707506 B2 JP2707506 B2 JP 2707506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直結機構を有する駆動
力伝達装置を備えた自動変速装置のスリップ制御装置
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に備えられた自動変速装置は、内
燃エンジンと歯車変速装置間に駆動力伝達装置、例えば
トルクコンバータが介装され、このトルクコンバータを
介してエンジンの駆動力を歯車変速装置に伝達してい
る。トルクコンバータは、エンジンのクランクシャフト
と連結され、フロントカバーと一体に回転するインペラ
と、作動油を介してインペラとの間でトルクの伝達を行
い、出力軸に連結されるタービンと、直結機構とを備え
ている。
【0003】直結機構は、タービンとインペラ間のスリ
ップ量を制御するものであり、内燃エンジンの所定運転
領域においては直結機構によりスリップ量を0にしてタ
ービンとインペラ間の滑りによるエネルギ損失を無くし
て燃費の改善を図っている。このスリップ量を0に制御
する直結運転領域は広ければ広いほど、燃費の向上に寄
与することになり、内燃エンジンの低回転速度領域等の
特定の運転領域においてもスリップ量を0に制御する直
結運転が要請されている。
【0004】しかしながら、この低回転速度領域等の特
定の運転領域において、スリップ量を完全に0にする
と、いわゆる「こもり音」と呼ばれる車体振動が発生し
てフィーリング上好ましくないという問題が発生する。
そこで、低回転速度領域等の特定の運転領域において
は、スリップ量を完全に0に制御するのではなく、僅か
にスリップを許容する、微小スリップ直結制御が提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような微小スリッ
プ直結制御においては、スリップ量ΔSを極めて小さい
領域で直結機構を安定的に制御することが重要であり、
図1の実線で示すように、スリップ量ΔSが小になる
程、直結機構の係合要素の摩擦係数μが小となるような
特性が得られる作動油を使用する必要がある。このよう
な特性を得るために、作動油には特別な添加剤が添加さ
れている。しかしながら、長期間の使用によりその作動
油が劣化し、図1の破線で示すように微小スリップ量領
域で摩擦係数が急激に増大するようになると、微小スリ
ップ量の制御が困難となり、スリップ量のハンチング現
象が生じたり、直結振動が生じるという問題がある。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、低回転速度領域等の特定の作動領域
において、微小のスリップを許容する直結制御を行って
燃費の向上を図ると共に、作動油の劣化による直結振動
が生じるようになると、この直結振動を検出してこれを
防止するように図った自動変速装置のスリップ制御装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明においては、エンジン側に連結された入
力要素、歯車変速装置側に連結された出力要素、および
上記入力要素と出力要素を連結可能な直結機構を有する
駆動力伝達装置と、上記入力要素と出力要素との回転数
差からスリップ量を検出するスリップ量検出手段とを備
え、検出したスリップ量が目標スリップ量となるように
上記直結機構をスリップ制御する自動変速装置のスリッ
プ制御装置において、更に、上記歯車変速装置又は上記
出力要素の出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手
段と、上記駆動力伝達装置の作動油の劣化を検出する作
動油劣化検出手段と、作動油の劣化を検出したとき上記
スリップ制御を禁止すると共に、上記入力要素と出力要
素を非連結状態とする非連結制御又は上記入力要素と出
力要素を完全に連結する完全結合制御を実行する直結機
構制御手段とを備え、上記作動油劣化検出手段は、上記
出力軸回転数の変動が許容範囲を超えたとき、上記入力
要素と出力要素が非連結状態となるように上記直結機構
を解放し、その後出力軸回転変動が上記許容範囲内に戻
ったことを検出したとき、上記作動油の劣化を判定する
第1劣化判定手段と、予め設定した期間中に、検出した
スリップ量が上記目標スリップ量の上限値および下限値
を横切って変化した回数を記憶し、記憶した変化回数が
判定回数となったとき、上記作動油の劣化を判定する第
2劣化判定手段とを備えてなることを特徴とする自動変
速装置のスリップ制御装置が提供される。
【0008】
【作用】内燃エンジンが所定の運転領域、例えば低速回
転速度領域で運転されているとき、駆動力伝達装置のス
リップ量を完全に0に制御せず、直結機構により、駆動
力伝達装置のスリップを僅かに許容するように制御する
と、所謂「こもり音」が発生せず、しかもスリップ量が
僅かであるからエネルギ損失も小さい。
【0009】このスリップ量の制御中に、駆動力伝達装
置の作動油の劣化に起因する振動、すなわち直結振動を
監視することにより、直結振動が発生したときに直ちに
対処することができるようになる。そして、直結振動が
生じない別の制御が実行され、作動油が劣化しても良好
な運転フィーリングが確保される。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。自動変速装置の構成 図2は、自動車用の自動変速装置の全体構成を示し、こ
の自動変速装置は、前進4段後進1段の歯車変速装置1
0、この歯車変速装置10と図示しない内燃エンジンと
間に介装されるトルクコンバータ20、歯車変速装置1
0の出力軸にトランスファシャフト12を介して接続さ
れ、前輪のアクスルシャフトに接続されるデファレンシ
ャル30、歯車変速装置10のクラッチやブレーキ装
置、並びにトルクコンバータ20の後述する直結機構等
に作動油を供給する油圧制御装置50、油圧制御装置5
0に制御信号を出力してトルクコンバータ20の直結機
構等に供給される作動油圧の制御をするトランスミッシ
ョンコントロールユニット(以下、TCUという)40
等から構成されている。
【0011】本実施例のトルクコンバータ20は、直結
機構としてスリップ式の直結クラッチ(ダンパクラッ
チ)26を備えている。また、油圧制御装置50には、
運転者のシフト操作によりバルブ位置が切り換えられ
る、図示しないシフトバルブ、油圧ポンプからのライン
圧を車速等に応じて減圧する減圧バルブ、トルクコンバ
ータ20に供給する作動油圧を調整するトルコンバル
ブ、後述するダンパクラッチ制御弁52等を備えてい
る。
【0012】図3は、トルクコンバータ20およびこれ
に作動油を供給する、油圧制御装置50のダンパクラッ
チ制御弁52を示す。トルクコンバータ20のフロント
カバー21およびインペラ22は、図示しないドライブ
プレートを介してエンジンのクランクシャフトに連結さ
れており、エンジンが回転するとこれらは一体にエンジ
ンと同じように回転する。一方、フロントカバー21内
にはタービン24が回転自在に収容され、出力軸(歯車
変速装置10の入力軸)25に固設されている。トルク
コンバータ20は、後述する直結機構のダンパクラッチ
26が開放されているときには、通常の作動を行い、作
動油を介してインペラ22とタービン24間にトルク伝
達が行われる。タービン24とフロントカバー21間に
は、ダンパクラッチ26が介装されており、ダンパクラ
ッチ26はロックリング28によりタービン24と一体
に回転する。
【0013】ダンパクラッチ26とフロントカバー21
間には空間26Aが画成され、この空間26Aは、トル
クコンバータ20のポート21aに連通している。ポー
ト21aを介して空間26Aに作動油が供給されると、
ダンパクラッチ26にはこれをフロントカバー21から
離反させる方向、すなわち、ダンパクラッチ26にスリ
ップが生じる方向に油圧が作用する。トルクコンバータ
20は別のポート21bを有しており、このポート21
bから後述するライン圧が供給されると、このライン圧
はダンパクラッチ26の、空間26Aに臨む面と反対側
の面に作用してダンパクラッチ26をフロントカバー2
1に押し付け、タービン24とインペラ22とが一体に
回転するようになり、スリップ量が0になる。なお、図
3中符号23はステータであり、ワンウェイクラッチ2
9を介してケーシング10aに連結されている(図
2)。
【0014】油圧制御装置50には、ダンパクラッチ制
御弁52および電磁弁54が備えられており、電磁弁5
4のオンオフないしはデューティ制御によりダンパクラ
ッチ26に作用する油圧を制御している。より具体的に
は、ダンパクラッチ制御弁52は、スプール53と、ス
プール53の左端面を押圧するバネ55を備えており、
スプール53はこのバネ55により常時図中右端方向に
付勢されている。スプール53は6つのランドを有して
おり、スプール53の移動により各種のポートを開閉す
ると共に、ランドの各端面には対応するポートを介して
油圧が作用している。すなわち、ポート52a,52b
には図示しない減圧弁からスプール53の左端のランド
面および右端近傍のランド面に作用する油圧が供給さ
れ、電磁弁54が閉のときには、ランド面の面積の違
い、従って、右および左方向に作用する油圧力の違い、
並びにバネ55のバネ力により、スプール53は図示右
端極限位置に移動している。このとき、ポート52cと
ポート52dが連通され、図示しないトルコンバルブか
ら供給される作動油がこれらのポート52c,52dを
介してトルクコンバータ20のポート21aに供給され
る。また、ポート52eおよびポート52fが連通さ
れ、トルクコンバータ20のポート21bから排出され
る作動油がこれらのポート52e,52fを介してオイ
ルポンプに還流される。
【0015】電磁弁54が開き、スプール53の左端の
ランド面に作用する油圧が減圧されると、スプール53
は左端極限位置に移動する。このとき、上述のポート5
2cとポート52fとが連通され、トルコンバルブから
の作動油圧はトルクコンバータ20に供給されることな
く、オイルポンプへ還流される。また、ポート52dは
ポート52gに連通されてドレインに接続され、ダンパ
クラッチ26の空間26Aに臨む面に作用していた作動
油は、ポート21aからこれらのポート52d,52g
を介してドレインに排出される。さらに、ポート52i
およびポート52jは油路52kで接続されており、ポ
ート52iは、ライン圧が供給されるポート52hに、
ポート52jは前述のポート52eに夫々連通される。
従って、トルクコンバータ20には、ポート52h,5
2i,52j,52e,およびポート21bを介してラ
イン圧が供給されることになり、このライン圧はダンパ
クラッチ26に作用してこれをフロントカバー21に押
し付ける。
【0016】なお、トルクコンバータ20に供給される
作動油としては、図1の実線で示される特性を有するも
のが使用され、この作動油を使用すると、スリップ量Δ
Sの極小さい領域でのダンパクラッチ26の摩擦係数μ
をスリップ量ΔSの減少に伴って減少させることができ
る。前述の電磁弁54は、TCU40の出力側に接続さ
れており、TCU40からの駆動信号によりオンオフな
いしはデューティ制御される。図2に戻り、TCU40
の入力側には、トルクコンバータ20のタービン24の
回転数Nt を検出するタービン回転数センサ(Ntセン
サ)42、トランスファシャフト12の回転数N0 を検
出するN0 センサ43、エンジン回転数Ne を検出する
Ne センサ44、内燃エンジンの吸気通路途中に配設さ
れるスロットル弁の弁開度θt を検出するスロットル開
度(θt)センサ46、油圧ポンプから油圧制御装置50
に供給される作動油の油温を検出する油温センサ(図示
せず)等が電気的に接続されており、これらのセンサか
らの検出信号がTCU40に供給される。
【0017】N0 センサ43は、図5に示すように、ト
ランスファシャフト12に固設されるトランスファシャ
フトトリブンギア12aの外周に、これに対向して取付
けられている。N0 センサ43は、ギア12aの各歯が
通過する毎にパルス信号を発生させ(図6参照)、パル
ス信号の発生時間間隔から回転数N0 が演算される。な
お、Nt センサ42は、N0 センサ43が検出するトラ
ンスファシャフト12の回転数N0 と、歯車変速装置1
0の確立している変速段の変速比とを乗算してタービン
回転数Nt を演算することができるので、これを省略す
ることもできる。
【0018】TCU40は、図示しないROM,RAM
等の記憶装置、中央演算装置、I/Oインターフェー
ス、カウンタ等を内蔵しており、記憶装置に記憶された
制御プログラムに従って変速制御および直結制御を実行
する。変速制御 先ず、TCU40は、油圧制御装置50のシフトバルブ
の切換位置、N0 センサ43が検出する回転数N0 (車
速)、スロットル開度センサ46が検出するスロットル
弁開度θt 等に応じて変速制御を行っている。この制御
は本発明に特に関係がないので詳細な説明は省略する
が、車速等に応じて油圧制御装置50に制御信号を出力
して歯車変速装置10の前述したクラッチやブレーキ装
置に作動油圧を供給させ、所要の変速段に切り換え制御
している。
【0019】直結制御 次に、TCU40はNt センサ42が検出するタービン
回転数Nt とスロットル開度センサ46が検出するスロ
ットル弁開度θt とで決定されるタンパクラッチ26の
制御領域を検出する。図4は、ダンパクラッチ26の各
種制御領域を例示するもので、図4中、領域Cは、ダン
パクラッチ26のスリップ量を0に制御する、完全直結
領域を示す。この領域は、ダンパクラッチ26を作動
させてトルクコンバータ20を完全直結状態にしても直
結による「こもり音」や車体振動が発生する虞がない領
域である。領域AおよびBは、それぞれ低回転速度領
域、および減速領域であり、スリップを僅かに許容する
スリップ直結制御領域を示す。この領域AおよびBは、
ダンパクラッチ26をフロットカバー21に摩擦係合さ
せて完全に直結状態に制御すると、直結による「こもり
音」や車体振動の発生の虞があるので、僅かなスリップ
を許容するのである。
【0020】より詳細には、変速操作が完了した状態に
あり、且つ、検出されたタービン回転数Nt とスロット
ル弁開度θt とにより、ダンパクラッチ26の制御が領
域Cに突入したと判定した場合には、TCU40は完全
直結制御を実行する。この領域Cでの完全直結制御は、
油圧制御装置50の電磁弁54を付勢(開)してダンパ
クラッチ制御弁52を左端位置に移動させ、ライン圧を
該制御弁52からトルクコンバータ20に供給してダン
パクラッチ26を作動させる。このとき、ダンパクラッ
チ26はフロントカバー21に押圧されてトルクコンバ
ータ20のスリップ量は0になる。
【0021】検出されたタービン回転数Nt とスロット
ル弁開度θt とにより、ダンパクラッチ26の制御が領
域AまたはBに突入したと判定した場合には、TCU4
0はスリップ直結制御を実行する。この制御は、トルク
コンバータ20に僅かなスリップを許容して略直結状態
にするもので、電磁弁54をデューティ制御することに
よりトルクコンバータ20の前述した空間26Aに供給
される作動油圧の大きさが調整され、スリップ量ΔSが
目標スリップ量(例えば、100rpm )近傍に制御され
る。このように、図4に示す領域AおよびBにおいて、
トルクコンバータ20を僅かなスリップを許容するもの
の、略直結状態に保持するので、エネルギ損失が減少
し、燃費の向上が図られる。なお、変速操作中や、図4
に示す上述の領域以外の制御領域では、ダンパクラッチ
26は開放され、非直結状態にされる。また、上述した
ダンパクラッチ26の完全直結制御方法、すなわち、ダ
ンパクラッチ26のスリップ状態から完全に直結の状態
に、或いは完全直結の状態からスリップ状態に移行させ
る制御方法や、スリップ量を所定値範囲内に制御するス
リップ直結制御方法は特に限定されるものではなく、種
々の方法を適用することができる。
【0022】長年の使用により、トルクコンバータ20
に供給される作動油が劣化すると、スリップ量ΔSとダ
ンパクラッチ26の摩擦係数μとの関係は、図1の破線
で示す特性を呈するようになり、直結振動の発生の虞が
ある。この直結振動の検出には種々の方法が考えられ、
例えば、加速度センサや歪み計等のセンサを取りつける
ことも出来る。また、このようなセンサを特別に取付け
なくても、変速制御や直結制御で既に取り付けられてい
るセンサを利用し、これらのセンサの出力信号から直結
振動を検出することもできる。以下に、回転数N0 の変
動およびスリップ量ΔSの変動から直結振動を検出する
方法について説明する。
【0023】回転数N0 の変動検出るよる直結振動の検
まず、スリップ直結制御時に回転数N0 の変動を監視し
て直結振動を検出し、直結振動を検出した場合の直結制
御方法について、図7ないし図13を参照して詳細に説
明する。図7に示す直結振動検知プログラムは、イグニ
ッションキーをオン操作すると同時に、TCU40によ
り実行される。TCU40は、先ず、ステップS10に
おいてカウント値n1の初期化(n1=0)を実行す
る。次いで、スリップ直結制御可能フラグをセットする
(ステップS12)。この制御可能フラグは、トルクコ
ンバータ20の作動油が所定温度(例えば、70℃)以
上であること、変速操作が終了していること、1速段以
外の変速段で運転されていること等の条件が同時に成立
している必要がある。この条件が成立していない場合に
は、このステップS12で待機することになる。そし
て、ステップS14に進み、ダンパクラッチ26がスリ
ップ直結制御領域(図4に示す領域AまたはB)内で制
御されているか否かを判別する。当該領域で制御されて
いない場合(判別結果が否定(No)の場合)、ステッ
プS14を繰り返し実行して待機する。
【0024】ステップS14の判別結果が肯定(Ye
s)であり、ダンパクラッチ26がスリップ直結制御さ
れている場合には、ステップS16に進み、N0センサ
43が検出する回転数N0 の変動から、トルクコンバー
タ20の出力軸の回転変動を検出する。回転数N0 の変
動の検出方法(1)に付いての詳細は後述するが、回転
数N0 の変動が許容できる範囲内である場合(ステップ
S16の判別結果が否定の場合)には、前述のステップ
S12に戻り、回転数N0 に変動が生じるまで当該ステ
ップ以下を繰り返し実行する。
【0025】一方、ステップS16において、回転数N
0 に許容することの出来ない変動が生じていることが検
出された場合には、ステップS18に進み、ダンパクラ
ッチ26を一旦強制的に開放してスリップ量制御を中止
し(強制非直結化)、再び、N0 センサ43が検出する
回転数N0 から、トルクコンバータ20の出力軸の変動
を検出する(ステップS20)。このステップS20に
おける回転数N0 の変動検出方法(2)も、ステップS
16における検出方法(1)と類似するが、その検出方
法(2)に付いても後述する。ステップS20における
回転数N0 の変動検出において、ダンパクラッチ26を
強制的に非直結化したにも関わらず、再び許容すること
のできない回転数N0 の変動が検出されると(ステップ
S20の判別結果が肯定の場合)、この回転数N0 の変
動は、ダンパクラッチ26をスリップ直結制御を行なっ
たことに起因して生じたものではなく、車輪から伝達さ
れる路面状態等に起因していることを意味している。こ
のような場合には、ダンパクラッチ26のスリップ直結
制御を復帰させても何ら差し支えがなく、ステップS1
2に戻ってスリップ直結制御可能フラグをセットする。
従って、ダンパクラッチ26がスリップ直結制御領域で
制御されるべき状態である場合には、その制御が再開さ
れる。
【0026】ステップS20の判別結果が否定の場合、
すなわち、ダンパクラッチ26を強制的に非直結化した
ことにより回転数N0 の変動が検出されなくなった場
合、ダンパクラッチ26のスリップ直結制御時に生じた
回転数N0の変動が、スリップ直結制御に起因して生じ
ていたことを意味することになる。従って、このような
場合には、トルクコンバータ20に供給している作動油
が劣化していること等が予測される。そこで、ステップ
S22に進み、記憶されているカウント値n1に値1を
加算しこれを新たなカウント値n1として記憶する。そ
して、このカウント値n1が所定値(例えば、4)以下
であるか否かを判別し(ステップS24)、未だこの所
定値(4)に到達していなければ、回転数N0 の変動が
スリップ直結制御に起因して生じているとは断定できな
いとして前述のステップS12に戻る。しかし、カウン
ト値n1が所定値(4)に到達した場合には、回転数N
0 の変動がスリップ直結制御に起因して生じていると断
定して、直結振動が検出されたことを示すフラグを設定
する(ステップS26)。このように、直結振動が検出
されると、図示しない故障診断装置の特定の警報灯を点
灯させてこれを記憶させると共に、作動油の交換等の適
宜な処置が実行されるまでダンパクラッチ26のスリッ
プ直結制御は禁止され、スリップ直結制御と異なる制
御、例えば非直結制御が実行される。前述の適宜な処置
が実行されたか否かは、例えば、バッテリ電源のターミ
ナルが外され、再び接続されたときに上述の直結振動検
出フラグがリセットされることにより識別される。そし
て、直結振動検出フラグがリセットされれば、スリップ
直結制御を再開してもよいことになる。
【0027】なお、直結振動が検知されスリップ直結制
御が禁止されたときに実行するダンパクラッチ26の制
御方法は、上述の非直結制御に限定することはなく、直
結振動が発生しない制御方法であればよい。従って、多
少「こもり音」が発生するが完全直結制御を行うことも
できる。図8ないし図10は、前述した図7のステップ
S16で実行される回転数N0 の変動の有無、すなわち
直結振動を検出する手順(1)を示す。TCU40は、
先ず、ステップS30ないし34において、カウント値
n2,n3およびタイマ値Timerをそれぞれ値0にリセ
ットする。タイマTimerは一演算周期(例えば、100mse
c に相当する値) を計時するためのカウンタであり、所
定時間が経過する毎にタイマ値を微小値宛増加させ、所
定値(例えば、1)に到達すると一演算周期が経過した
と判定するものである。カウント値n3はこの一演算周
期内に発生した、回転数N0 の、所定値を超える変動回
数を示し、このカウント値n3から振動周波数が検出さ
れる。カウント値n2は、スリップ直結制御領域での運
転中に所定周波数域の振動が連続して検出された回数を
示す。これらのカンウト値n2,n3は、前述した記憶
装置に記憶されている。
【0028】次いで、N0 センサ43が検出する回転数N
0 の今回値と前回値との偏差ΔN0 (=N0n−N0n-1)
が負数であるか否かを判別する(ステップS36)。負
数でなければ、次ステップS38でダンパクラッチ26
がスリップ直結制御領域で制御されているか否かを判別
した後、ステップS34に戻り、再びタイマ値Timerを
0にリセットして偏差ΔN0 が負数になるまで繰り返し
ステップS36を実行して待機することになる。上述の
ステップS38において、スリップ直結制御領域で制御
されていないと判定されると、ステップS40に進み、
回転数N0 の変動は無かったと判定し、例えば、所定の
フラグ値を0にリセットして当該ルーチンを終了する。
この場合、ステップS30に戻ってカウント値n2のリ
セットから再開される。
【0029】ステップS36の判別結果が肯定、すなわ
ち偏差ΔN0 が正数から負数に変化すると図9のステッ
プS42に進む。図6の(A)および(B)は、N0 セ
ンサ43より出力されるパルス信号の発生状況、および
出力されたパルス信号から演算された回転数N0 の時間
変化をそれぞれ示しており、上述のステップS36にお
いて、偏差ΔN0 が正数から負数に変化したということ
は、検出された回転数N0 が増加から減少に転じたこと
を意味し、ステップS34においてリセットされたタイ
マTimerは、図6のt0 時点からカウントを開始するこ
とになる。そして、ステップS42において、今度は偏
差ΔN0 が負数から正数に変化したか否かを判別する。
すなわち、回転数N0 が減少から増加に転じたか否かを
判別する。答えが否定であれば、ステップS44におい
てタイマ値Timerが所定値(1)に到達したか否かを判
別した後、再びステップS42を実行して回転数N0が
値0以上になるまで待機する。
【0030】ステップS42の判別結果が肯定になる
と、ステップS46に進み、N0 センサ43から出力さ
れた今回および前回のパルス信号の発生時間間隔をTma
x として記憶しておく(図6のt1 時点近傍)。次い
で、ステップS48に進み、今度は偏差ΔN0 が負数で
あるか否かを判別し、タイマ値Timerを監視しながら
(ステップS50)、偏差ΔN0が正数から負数に転じ
るまで待機する。そして、ステップS48において偏差
ΔN0 が負数に変化すると、ステップS52に進み、変
化した時点でのN0 センサ43のパルス信号発生時間間
隔をTa として記憶する(図6のt2 時点近傍) 。
【0031】このようにして求めたパルス信号発生時間
間隔Tmax およびTa の各逆数値を演算することにより
回転数N0 に対応する値を求めることになり、これらの
逆数値の差値が所定値(例えば、50rpm に対応する値
20)より大であるか否かを判別する(ステップS5
4)。 (1/Ta )−(1/Tmax )≧20 ・・・(A1) 上式(A1)の関係が成立することは(ステップS54の判
別結果が肯定の場合)、回転数N0 の変動が所定値(50r
pm) より大であることを意味し、このような場合には、
カウント値n3の記憶値に値1を加算してこれを記憶更
新しておく(ステップS56)。一方、式(A1)が成立し
ない場合(ステップS54の判別結果が否定の場合)、
カウント値n3に何らの変化を加えずにステップS42
に戻る。このようにして、再びステップS42以下の各
ステップを繰り返し実行し、一演算時間中に所定値を超
える回転数N0 の変動が何回あるかをカウントする。そ
して、ステップS44あるいはステップS50におい
て、タイマ値Timerが所定値に到達して一演算時間が経
過すると、図10のステップS58に進む。
【0032】ステップS58およびその後続のステップ
S60では、上述のようにして求めたカウント値n3が
所定の下限値(例えば、値1)と上限値(例えば、値
5)との間の値であるか否かを判別する。これらの判別
は、回転数N0 の変動による振動の周波数を識別するも
のであり、スリップ直結制御中に、トルクコンバータ2
0の作動油の劣化に起因して発生する振動であれば、カ
ウント値n3は上述した上下限値範囲内の値に対応する
周波数を有している。従って、ステップS58およびス
テップS60における判別が何れも否定であれば、直結
振動に該当する回転数N0 の変動は生じていないものと
判定する(ステップS70)。この場合、例えば、回転
数N0 の変動が生じていないことを意味する、前述の特
定のフラグ値がリセットされる。
【0033】ステップS58およびステップS60の判
別結果が何れも肯定の場合には、スリップ直結制御中に
直結振動が生じたことを意味し、このような場合には、
カウンタ値n2の記憶値に値1を加算してこれを新たな
記憶値して記憶する(ステップS62)。そして、この
カウンタ値n2の更新値が所定値(例えば、値5)以上
であるか否かを判別する(ステップS64)。この判別
結果が否定の場合にはステップS66においてスリップ
直結制御領域で制御されているか否かを判別し、このス
リップ直結制御領域で制御されていれば、前述のステッ
プS32に戻ってカウント値n3をリセットし、一演算
期間中の回転数N0 の変動回数の検出を繰り返えす。一
方、検出途中において、スリップ直結制御領域を離脱し
て他の制御領域に移行した場合、すなわちステップS6
6の判別結果が否定の場合には、前述のステップS70
に進み、回転数N0 の変動は生じていないと判定する。
【0034】ステップS64での判別結果が肯定の場
合、すなわち、スリップ直結制御中に連続して所定回数
(5回)、直結振動が検出されると、ステップS68に
進み、回転数N0 の変動が生じていると判定し、例え
ば、前述の特定のフラグをセットすることになる。図1
1ないし図13は、前述した図7のステップS20で実
行される、回転数N0 の変動が検出されるか否か、すな
わちダンパクラッチ26を強制的に非直結化した後に直
結振動が再び検出されるか否かを判別する手順(2)を
示す。この検出手順は、図8ないし図10において説明
したものと略同じであるから、以下簡単に説明する。
【0035】TCU40は、先ずステップS80ないし
ステップS84において、カウント値n4,n5および
タイマ値Timerをそれぞれ値0にリセットする。これら
のカウント値n4,n5およびタイマ値Timerは、前述
のカウント値n2等と同じ目的で使用され、タイマTim
erは一演算周期(例えば、100msec に相当する値) を計
時するためのカウンタである。カウント値n3はこの一
演算周期内に発生した、回転数N0 の、所定値を超える
変動の回数を示し、カウント値n2は、スリップ直結制
御領域での運転中に所定周波数域の振動が連続して検出
された回数を示す。
【0036】次いで、N0 センサ43が検出する回転数N
0 の今回値と前回値とを偏差ΔN0 (=N0n−N0n-1)
が負数であるか否かを判別し(ステップS86)、負数
でなければ、次ステップS88でタイマ値Timerが所定
値(1)に到達したか否かを判別した後、ステップS8
6に戻り、偏差ΔN0 が負数になるまで繰り返しステッ
プS86を実行して待機することになる。この待機中に
上述のステップS88において、タイマ値Timerが所定
値に到達してしまうと、ステップS90に進み、回転数
N0 の変動は無かったと判定し、例えば、所定のフラグ
値を0にリセットして当該ルーチンを終了する。
【0037】ステップS86の判別結果が肯定、すなわ
ち偏差ΔN0 が正数から負数に変化すると図12のステ
ップS92に進む。ステップS92およびステップS9
4は偏差ΔN0 が負数から正数に変化するまで待機する
ステップである。回転数N0 が減少から増加に転じてス
テップS92の判別結果が肯定になると、ステップS9
6に進み、N0 センサ43から出力されたパルス信号の
発生時間間隔をTmax として記憶しておく。次いで、ス
テップS98に進み、今度は偏差ΔN0 が負数であるか
否かを判別し、タイマ値Timerを監視しながら(ステッ
プS100)、偏差ΔN0 が正数から負数に転じるまで
待機する。そして、ステップS98において偏差ΔN0
が負数に変化すると、ステップS102に進み、変化し
た時点でのN0 センサ43のパルス信号発生時間間隔を
Ta として記憶する。
【0038】このようにして求めたパルス信号発生時間
間隔Tmax およびTa の各逆数値の差値が所定値(例え
ば、50rpm に対応する値20)より大であるか、すな
わち前式(A1)が成立するか否かを判別する(ステップS
104)。前式(A1)の関係が成立することは回転数N0
の変動が所定値(50rpm) より大であることを意味し、こ
のような場合には、カウント値n5の記憶値に値1を加
算してこれを記憶更新しておく(ステップS106)。
一方、式(A1)が成立しない場合、カウント値n5に何ら
の変化を加えずにステップS92に戻る。このようにし
て、再びステップS92以下の各ステップを繰り返し実
行し、一演算時間中に所定値を超える回転数N0 の変動
が何回あるかをカウントする。そして、ステップS94
あるいはステップS100において、タイマ値Timerが
所定値に到達して一演算時間が経過すると、図13のス
テップS108に進む。
【0039】ステップS108およびその後続のステッ
プS110では、上述のようにして求めたカウント値n
5が所定の下限値(例えば、値1)と上限値(例えば、
値5)との間の値であるか否かを判別する。これらの判
別は、前述したと同様に回転数N0 の変動による振動の
周波数を識別するものであり、ステップS108および
ステップS110における判別が何れも否定であれば、
直結振動に該当する回転数N0 の変動は生じていないも
のと判定する(ステップS116)。この場合、例え
ば、前述の特定のフラグ値がリセットされる。
【0040】ステップS108およびステップS110
の判別結果が何れも肯定の場合には、スリップ直結制御
を中断しても直結振動に類似の振動が生じたことを意味
し、このような場合には、カウンタ値n4の記憶値に値
1を加算してこれを新たな記憶値して記憶する(ステッ
プS112)。そして、このカウンタ値n4の更新値が
所定値(例えば、値5)以上であるか否かを判別し(ス
テップS114)、この判別結果が否定の場合には前述
のステップS82に戻ってカウント値n5をリセット
し、一演算期間中の回転数N0 の変動回数の検出を繰り
返えす。一方、ステップS114での判別結果が肯定の
場合、すなわち、スリップ直結制御を中断した後に連続
して所定回数(5回)、直結振動と類似の振動が検出さ
れると、ステップS118に進み、路面状態等に起因し
て回転数N0 の変動が生じていると判定し、例えば、前
述の特定のフラグをセットすることになる。
【0041】なお、上述の実施例では、トルクコンバー
タ20の出力軸の回転変動の有無は、トランスファシャ
フト12の回転数N0 を検出し、回転数N0 の変動の有
無により判定したが、これに限定されないことは勿論の
ことであり、タービン24の回転数Nt から直接検出す
るようにしてもよい。スリップ量ΔSの変動検出るよる直結振動の検出 次に、スリップ直結制御時にスリップ量ΔSの変動を監
視して直結振動を検出し、直結振動を検出した場合の、
別の態様の直結制御方法について、図14ないし図19
を参照して詳細に説明する。
【0042】図14に示す直結振動検知プログラムは、
イグニッションキーをオン操作すると同時に、TCU4
0により実行される。TCU40は、先ず、ステップS
200においてカウント値n6の初期化(n6=0)を
実行する。次いで、ステップS202に進み、ダンパク
ラッチ26がスリップ直結制御領域(図4に示す領域A
またはB)内で制御されているか否かを判別する。当該
領域で制御されていない場合(判別結果が否定(No)
の場合)、ステップS202を繰り返し実行して待機す
る。
【0043】ステップS202の判別結果が肯定(Ye
s)であり、ダンパクラッチ26がスリップ直結制御さ
れている場合には、ステップS204に進み、トルクコ
ンバータ20のスリップ(これを以下、「トルコンスリ
ップ」という)を検出する。トルコンスリップが許容範
囲(所定の上下限値)を超えるか否かの検出方法につい
ての詳細は後述するが、スリップ量が許容できる範囲内
である場合(ステップS204の判別結果が否定の場
合)には、前述のステップS202に戻り、許容するこ
との出来ないトルコンスリップが検出されるまでステッ
プS202およびステップS204を繰り返し実行す
る。一方、ステップS204において、許容することの
出来ないトルコンスリップが検出された場合には、直結
振動の発生が予測され、ステップS206に進み、記憶
されているカウント値n6に値1を加算しこれを新たな
カウント値n6として記憶する。そして、このカウント
値n6が所定値(例えば、4)以上であるか否かを判別
し(ステップS208)、カウント値n6が未だこの所
定値(4)に到達していなければ、トルコンスリップが
生じているとは断定できないとして前述のステップS2
02に戻る。しかし、カウント値n6が所定値(4)に
到達した場合には、直結振動が生じていると断定して、
直結振動が検出されたことを示すフラグを設定する(ス
テップS210)。このように、直結振動が検出される
と、前述したと同様に図示しない故障診断装置の特定の
警報灯を点灯させてこれを記憶させると共に、作動油の
交換等の適宜な処置が実行されるまでダンパクラッチ2
6のスリップ直結制御は禁止され、スリップ直結制御と
は別の制御、例えば非直結制御が実行される。前述の適
宜な処置が実行されたか否かは、例えば、バッテリ電源
のターミナルが外され、再び接続されたときに上述の直
結振動検出フラグがリセットされることにより識別され
る。そして、直結振動検出フラグがリセットされれば、
スリップ直結制御を再開してもよいことになる。
【0044】なお、直結振動が検知されスリップ直結制
御が禁止されたときに実行するダンパクラッチ26の制
御方法は、上述の非直結制御に限定することはなく、直
結振動が発生しない制御方法であればよい。従って、多
少「こもり音」が発生するが完全直結制御を行うことも
できる。図15ないし図18は、前述した図14のステ
ップS204で実行されるトルコンスリップの検出、す
なわち直結振動を検出する手順を示す。TCU40は、
先ず、ステップS220において、カウント値Kを値0
に、スロットル弁開度最小値Thminを値100(%)
に、およびスロットル弁開度最大値Thmaxを値0(%)
にそれぞれ初期設定を行う。カウント値Kは、後述する
ように、所定期間内にスリップ量が所定の上下限値を横
切って変化した回数を計数するものである。スロットル
弁開度最小値Thminおよびスロットル弁開度最大値Thm
axは、上述の所定期間内のスロットル弁開度の最小値と
最大値を記憶するための変数である。
【0045】次に、TCU40は、前述したスリップ直
結制御領域に突入した後、ダンパクラッチ26のスリッ
プ直結制御を開始してスリップ量が前述した目標スリッ
プ量近傍に十分静定したか否か、すなわち、突入制御が
完了したか否かをを判別する(ステップS222)。突
入制御が未だ完了していない場合には完了するまでこの
ステップS222を繰り返し実行して待機する。
【0046】突入制御が完了してステップS222の判
別結果が肯定になると、ステップS224に進み、タイ
マ値T2 を値0にリセットする。タイマT2 は所定期間
(例えば、4sec に相当する値) を計時するためのカウ
ンタであり、所定時間が経過する毎にタイマ値を微小値
宛増加させ、所定値(例えば、50)に到達すると前記
所定期間が経過したと判定するものである。
【0047】次いで、スリップ量ΔSが、上述した目標
スリップ量(100 rpm)より小さい値に設定されてい
る所定の下限値(例えば、50rpm)以下であるか否か
を判別する(ステップS226)。この答えが否定の場
合には、ステップS228においてダンパクラッチ26
がスリップ直結制御域で制御されているか否かを判別し
た後、再びステップS224を実行してタイマ値T2 を
値0にリセットし、スリップ量ΔSが下限値以下になる
まで待機する。なお、待機中にダンパクラッチ26がス
リップ直結制御領域以外の領域で制御すべき状態に移行
した場合、すなわち、ステップS228の判別結果が否
定になった場合には、後述するステップS256を実行
した後、ステップS262に進み、トルコンスリップは
検出されなかったものと判定して当該ルーチンを終了
し、例えば、所定のフラグ値を0にリセットしてトルコ
ンスリップが検出されなかったことを記憶する。この場
合、当該ルーチンが再び実行される場合にはステップS
220に戻ってカウント値K等のリセットから再開され
る。
【0048】ステップS226の判別結果が肯定、すな
わち、スリップ量ΔSが下限値(50rpm )以下になる
と、図16のステップS230に進む。このとき、タイ
マ値T2 の計時が実質的に開始されることになる(図1
9のt10時点)。ステップS230では、スリップ量Δ
Sが上述した目標スリップ量(100 rpm)より大きい
値に設定されている所定の上限値(例えば、150rpm)
以上であるか否かを判別する。スリップ量ΔSが上述の
下限値を超えたばかりの時点ではこの判別結果は当然な
がら否定であり、このステップS230の判別結果が肯
定になるまでステップS232ないしステップS240
が繰り返し実行される。これらのステップでは、検出さ
れたスロットル弁開度θt の内、その最大値と最小値と
を記憶するためのもので、ステップS232では検出さ
れたスロットル弁開度θt が記憶されている最大値Thm
axより大であるか否かを判別し、大であればステップS
234において記憶されている最大値Thmaxを今回検出
されたスロットル弁開度θt に更新する。ステップS2
36では、検出されたスロットル弁開度θt が記憶され
ている最小値Thminより小であるか否かを判別し、小で
あればステップS238において記憶されている最小値
Thminを今回検出したスロットル弁開度θt に更新す
る。そして、ステップS240では、タイマ値T2 が前
記所定値(50)に到達したか否かを判別し、未だ到達
していなければ再びステップS230以下が実行される
ことになる。このようにして、所定期間(4sec)が経過
するまで検出されたスロットル弁開度の最大値Thmaxと
最小値Thminとが順次更新されていく。
【0049】スリップ量ΔSが上限値(150rpm)を超
え(図19のt12時点)、ステップS230の判別結果
が肯定になると、図17のステップS242に進む。こ
のステップS242ではスリップ量ΔSが再び下限値
(50rpm)以下であるか否かを判別する。スリップ量Δ
Sが上限値を超えたばかりの時点ではこの判別結果は否
定となり、ステップS246ないしステップS254が
繰り返し実行されることになる。これらのステップは、
前述したステップS232ないしステップS240と同
様に、検出されたスロットル弁開度θt の最小値Thmin
と最大値Thmaxとを順次更新していくためのものであ
り、ステップS246とステップS248では最大値T
hmaxが更新され、ステップS250とステップS252
では最小値Thminが更新されることになる。そして、ス
テップS254においてタイマ値T2 が所定値(50)
と比較され、タイマ値T2 が所定値に到達していない場
合には再びステップS242以下が実行されることにな
る。
【0050】スリップ量ΔSが変化して下限値(50rp
m)以下となると(図19のt13時点)、ステップS24
4が実行される。このステップではカウント値Kの記憶
値に値1を加算してこれを新たな記憶値とする。そし
て、図16のステップS230に戻り、再び、スリップ
量ΔSが上限値(150rpm)以上であるか否かを判別す
る。このように、以下同様にしてステップS230ない
しステップS244を繰り返すことにより、カウント値
Kがカウントアップされていく。すなわち、スリップ量
ΔSが上限値を超えた後、下限値以下となる毎に、カウ
ント値Kが値1宛インクリメントされ、このようなスリ
ップ量ΔSの変動が所定期間が経過するまで順次カウン
トされていく。
【0051】前述したステップS240またはステップ
S254において、タイマ値T2 が所定値(50)に到
達したことが判別された場合、TCU40は図18のス
テップS256に進む。ステップS256およびこれに
続くステップS258は、トルコンスリップが所定期間
に所定回数発生したか、すなわち、例えば2回以上4回
以下であるか否かを判別するものである。トルクコンバ
ータ20の作動油が劣化して直結振動が生じるような場
合には、この種のトルコンスリップの発生回数が、経験
上上述した範囲内の値であることが分かっている。従っ
て、ステップS256およびステップS258の何れか
の判別結果が否定の場合には、直結振動に該当するトル
コンスリップが生じていないことを意味する、前述の特
定のフラグ値がリセットされる。
【0052】ステップS256およびステップS258
の判別結果が何れも肯定の場合には、スリップ直結制御
中にトルコンスリップが生じたことを意味し、このよう
な場合には、上述の所定期間に、スロットル弁開度θt
がトルコンスリップが生じる程度に変化したかを判別す
る。すなわち、所定期間中にスロットル弁開度θt が大
きく変化した場合にはエンジンの負荷が急変したことを
意味し、このような場合にはトルコンスリップが生じ易
いので、直結振動に該当するトルコンスリップが生じて
るか否かの判断が困難になる。具体的には、検出された
スロットル弁の最大値Thmaxと最小値Thminとの差が所
定値(例えば、30%)以下であるか否かが判別される
(ステップS260)。この判別が肯定の場合、すなわ
ち、スリップ直結制御中にトルコンスリップが生じ、且
つ、スロットル弁開度θt の変化が大でない場合には、
直結振動に該当するトルコンスリップが生じていると判
定し、例えば、前述の特定のフラグをセットすることに
なる(ステップS264)。
【0053】なお、上述の実施例では、スリップ量ΔS
が上限値(150rpm)を超えた後、下限値(50rpm)以
下になるような変化を計数するようにしたが、下限値以
下となった後、上限値以上となるスリップ量ΔSの変化
を計数するようにしてもよいし、これらの両方を計数す
るようにしてもよい。また、エンジン負荷を表すパラメ
ータ値としてスロットル弁開度θt を使用したが、本発
明はこれに限定されず、燃料供給量、吸気量、吸気通路
負圧等であってもよい。
【0054】さらに、直結機構としては、上述の実施例
のダンパクラッチ26に限られるものではなく、種々の
クラッチ装置が適用できることは勿論のことである。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
自動変速装置のスリップ制御装置によれば、第1及び第
2の劣化判定手段とを備えてなる作動油劣化検出手段に
より駆動力伝達装置の作動油の劣化に伴う振動を監視
し、この振動により作動油の劣化を検出したときスリッ
プ制御を禁止すると共に、直結機構制御手段により、駆
動力伝達装置の入力要素と出力要素を非連結状態とする
非連結制御又は入力要素と出力要素を完全に連結する完
全結合制御を実行することを特徴とする。従って、駆動
力伝達装置の作動油の劣化等に起因して、直結振動が生
じるまでは、直結機構によりスリップ量を目標スリップ
量近傍に制御することができ、燃費の向上を図ることが
できる一方、直結振動が生じた場合には直ちに別の制御
に切り換え、直結振動により搭乗者に不快感を与えるよ
うな事態を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルクコンバータのダンパクラッチのスリップ
量ΔSと摩擦係数μとの、好ましい関係を説明するため
のグラフである。
【図2】本発明の直結制御方法を適用した自動変速装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す自動変速装置のトルクコンバータ2
0および油圧制御装置の要部を示す油圧回路図である。
【図4】トルクコンバータ20の出力軸回転数Nt とス
ロットル弁開度θt により区画されるダンパクラッチ2
6の制御領域を示すグラフである。
【図5】図2に示す自動変速装置のトランスファシャフ
ト12の回転数N0 を検出するN0 センサ43の取付け
位置を示す図である。
【図6】N0 センサ43の出力パスル信号の発生状況と
そのパルス信号により検出されるトランスファシャフト
12の回転数N0 の時間変化との関係を示すグラフであ
る。
【図7】図2に示すトランスミッションコントロールユ
ニット(TCU)40により、回転数N0 の変動から直
結振動を検知する手順を示すフローチャートである。
【図8】同トランスミッションコントロールユニット
(TCU)40により回転数N0 の変動の有無を検出す
る手順(1)を示すフローチャートの部分図である。
【図9】同じく、回転数N0 の変動の有無を検出する手
順(1)を示すフローチャートの部分図である。
【図10】同じく、回転数N0 の変動の有無を検出する
手順(1)を示すフローチャートの部分図である。
【図11】同トランスミッションコントロールユニット
(TCU)40により、スリップ直結制御中断後に、回
転数N0 の変動の有無を検出する手順(2)を示すフロ
ーチャートの部分図である。
【図12】同じく、スリップ直結制御中断後に、回転数
N0 の変動の有無を検出する手順(2)を示すフローチ
ャートの部分図である。
【図13】同じく、スリップ直結制御中断後に、回転数
N0 の変動の有無を検出する手順(2)を示すフローチ
ャートの部分図である。
【図14】図2に示すトランスミッションコントロール
ユニット(TCU)40により、スリップ量ΔSの変動
から直結振動を検知する手順を示すフローチャートであ
る。
【図15】同トランスミッションコントロールユニット
(TCU)40によりトルクコンバータ20のスリップ
量の変動を検出する手順を示すフローチャートの部分図
である。
【図16】同じく、スリップ量の変動を検出する手順を
示すフローチャートの部分図である。
【図17】同じく、スリップ量の変動を検出する手順を
示すフローチャートの部分図である。
【図18】同じく、スリップ量の変動を検出する手順を
示すフローチャートの部分図である。
【図19】スリップ量ΔSの時間変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 歯車変速装置 12 トランスファシャフト 20 トルクコンバータ 26 ダンパクラッチ 30 デファレンシャル 40 トランスミッションコントロールユニット(T
CU) 42 タービン回転数(Nt)センサ 43 N0 センサ 44 エンジン回転数Neセンサ 46 スロットル開度(θt)センサ 50 油圧制御装置 52 ダンパクラッチ制御弁 54 電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古市 曜一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 健司 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−151457(JP,A) 特開 平2−125172(JP,A) 特開 平1−120479(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン側に連結された入力要素、歯車
    変速装置側に連結された出力要素、および上記入力要素
    と出力要素を連結可能な直結機構を有する駆動力伝達装
    置と、 上記入力要素と出力要素との回転数差からスリップ量を
    検出するスリップ量検出手段とを備え、 検出したスリップ量が目標スリップ量となるように上記
    直結機構をスリップ制御する自動変速装置のスリップ制
    御装置において、 更に、上記歯車変速装置又は上記出力要素の出力軸回転
    数を検出する出力軸回転数検出手段と、 上記駆動力伝達装置の作動油の劣化を検出する作動油劣
    化検出手段と、 作動油の劣化を検出したとき上記スリップ制御を禁止す
    ると共に、上記入力要素と出力要素を非連結状態とする
    非連結制御又は上記入力要素と出力要素を完全に連結す
    る完全結合制御を実行する直結機構制御手段とを備え、 上記作動油劣化検出手段は、 上記出力軸回転数検出手段が検出した出力軸回転数の変
    動が許容範囲を超えたとき、上記入力要素と出力要素が
    非連結状態となるように上記直結機構を解放し、その後
    出力軸回転変動が上記許容範囲内に戻ったことを検出し
    たとき、上記作動油の劣化を判定する第1劣化判定手段
    と、 予め設定した期間中に、検出したスリップ量が上記目標
    スリップ量の上限値および下限値を横切って変化した回
    数を記憶し、記憶した変化回数が判定回数となったと
    き、上記作動油の劣化を判定する第2劣化判定手段とを
    備えてなることを特徴とする自動変速装置のスリップ制
    御装置。
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