JP2706821B2 - 電子部品の樹脂封と成形用金型 - Google Patents

電子部品の樹脂封と成形用金型

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JP2706821B2
JP2706821B2 JP1176334A JP17633489A JP2706821B2 JP 2706821 B2 JP2706821 B2 JP 2706821B2 JP 1176334 A JP1176334 A JP 1176334A JP 17633489 A JP17633489 A JP 17633489A JP 2706821 B2 JP2706821 B2 JP 2706821B2
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道男 長田
龍樹 東浦
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トーワ株式会社
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、例えば、IC、ダイオード、コンデンサー
等の電子部品を樹脂封止成形するための成形用金型の改
良に係り、特に、モールドパッケージの焼けを防止する
ものに関する。
〔従来の技術〕
電子部品を樹脂材料によって封止成形する金型として
は、例えば、固定上型と、該上型に対設した可動下型
と、該上下両型のいずれか一方側に配置したポットと、
該ポットに嵌合させる樹脂材料加圧用のプランジャーと
を備えたトランスファーモールド金型が知られている。
また、上記ポット及びプランジャーの配設態様によ
り、単一のポット及びプランジャーを配置し且つ該ポッ
トと多数のキャビティとを長尺の溶融樹脂材料移送用通
路を介して夫々連通させる構造のシングルプランジャー
方式と、複数のポット及びプランジャーを配置し且つ該
各ポットとその近辺部に配設したキャビティとを短尺で
均等長さの溶融樹脂材料移送用通路を介して夫々連通さ
せる構造のマルチプランジャー方式とがある。
また、これらの金型による電子部品の樹脂封止成形
は、通常、次のようにして行なわれる。
まず、上下両型の型開きを行なって、該両型のP.L
(パーティングライン)面の所定位置に電子部品を装着
したリードフレームを供給セットすると共に、ポット内
に樹脂タブレットを供給し、この状態で下型を上動させ
て該両型の型締めを行なう。このとき、ポット内の樹脂
タブレットは該両型に設けたヒータにて加熱溶融化され
る。
次に、この溶融樹脂材料をプランジャーにて加圧して
これをその移送用通路を通してキャビティ内に加圧注入
する。そして、所要のキュアタイム後に下型を下動させ
て両型を再び型開きすると共に、移送用通路内及びキャ
ビティ内の樹脂成形体を上下の両エジェクターピンにて
離型する。
なお、上記樹脂成形体の不要部分及びリードフレーム
の不要部分を除去することにより、金型キャビティ形状
に対応するモールドパッケージ内に電子部品を封止成形
した製品を得ることができるものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、上記した金型加熱手段として用いられるヒ
ータ等は、通常、上下両型を夫々固着するための金型プ
レート(ボルスタ)に配置されて、上下両型は該金型プ
レート側からの伝導熱により樹脂成形温度にまで加熱で
きるように設けられている(例えば、特開昭62−207615
号・特開昭64−89522号・特開昭63−126714号公報等参
照)。
この樹脂成形温度は両型の各キャビティ部において得
られる必要があるので、金型プレート部における加熱温
度は実際の樹脂成形温度よりも高めに設定されるのが通
例である。従って、樹脂成形時におけるこのような実情
に起因して、次のような樹脂成形技術上の問題がみられ
る。
即ち、金型のキャビティ面付近は過加熱状態となり易
い傾向にある。
このため、過加熱状態となったキャビティ面にてモー
ルドパッケージの表面に所謂「焼け」の現象が発生しそ
の耐久性が低下して製品の高品質性及び高信頼性を損な
うと云った弊害があり、特に、樹脂材料に白色系のもの
を用いるときは、これに加えて、該製品の外観を損なう
と云った弊害がある。
なお、該キャビティ面付近が過加熱状態となり易い要
因としては、例えば、該キャビティ内の溶融樹脂材料に
対する加熱を所定温度で行なうための温度管理が一般的
に困難であること、また、該キャビティ内に残溜したエ
アや樹脂材料中の可撓剤や離型剤等が悪影響を及ぼして
いるものと推測される。
このような弊害を解消するために、例えば、金型キャ
ビティ部の付近に冷却水を循環させる冷却機構等を備え
ることも考えられる(特開昭63−126714号公報参照)
が、例えば、多数個取りの金型の場合や、溶融樹脂材料
の移送時間或はそのキャビティ内充填時間等が異なる金
型の場合等では、実際上、各キャビティ部を均等な加熱
温度に維持すると云った厳密な温度管理を行なうことが
できない。また、この種の金型は比較的に小さいため、
該金型にそのような冷却機構を採用する場合はその構造
が極めて複雑化され且つその全体形状が必然的に大型化
されると共に、該金型が高価なものとなる等の問題があ
る。
本発明は、金型キャビティ部の構造を改善して該キャ
ビティ面における加熱温度の均等化を図ることにより、
上記した問題点を解消することができる電子部品の樹脂
封止成形用金型を提供することを目的とするものであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型は、ポッ
ト内の溶融樹脂材料をその移送用通路を通してキャビテ
ィ内に加圧注入することにより、該キャビティ内に嵌装
した電子部品を樹脂封止成形する金型であって、上記キ
ャビティ部の所要個所に、断面凹溝形状から成る該キャ
ビティ面の過加熱防止用の温度均等化手段を配設して構
成したことを特徴とするものである。
また、本発明に係る樹脂封止成形用金型は、ポット内
の溶融樹脂材料をその移送用通路を通してキャビティ内
に加圧注入することにより、該キャビティ内に嵌装した
電子部品を樹脂封止成形する金型であって、上記キャビ
ティ部の所要個所に、空冷用ヒレから成る該キャビティ
面の過加熱防止用の温度均等化手段を配設して構成した
ことを特徴とするものである。
また、本発明に係る樹脂封止成形用金型は、上記した
断面凹溝形状又は空冷用ヒレから成るキャビティ面の過
加熱防止用の温度均等化手段を強制的に冷却する強制空
冷機構を配設して構成したことを特徴とするものであ
る。
また、本発明に係る樹脂封止成形用金型は、上記した
キャビティの底面部に穿設した孔部に製品離型用のエジ
ェクターピンを嵌装すると共に、該キャビティ底面部に
連通する連通孔の孔径を該エジェクターピンの先端部と
摺動状態に嵌合する大きさに形成し、且つ、該連通孔に
連続するその他の部位の孔径を該連通孔よりも大きく形
成して構成したことを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明によれば、金型のキャビティ部に配設した温度
均等化手段により、電子部品の樹脂封止成形時における
各キャビティ部の加熱温度を所定の樹脂成形温度に維持
すると共に、各キャビティ面の加熱温度を所要温度に均
等化して、その過加熱を防止することができる。
即ち、該温度均等化手段は、各キャビティ部の所要個
所に配設した断面凹溝形状又は空冷用ヒレ等から成る放
熱構造に基づく放熱作用によって各キャビティ面付近が
過加熱状態となるのを効率良く防止できるものである。
更に、上記した温度均等化手段に加えて強制空冷機構
を併用することにより、各キャビティ面付近が過加熱状
態となるのを迅速に且つ確実に防止することができるも
のである。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例図に基づいて説明する。
第1図には、本発明に係る金型を備えた電子部品の樹
脂封止成形装置の型開状態を、また、第2図にはその型
締状態を夫々示している。
この成形装置は、上部固定盤1側に装着される固定上
型部3と、該上部固定盤1に対設した下部可動盤2側に
装着される可動下型部4とから構成されている。
上記固定上型部3には、取付板5とスペーサーブロッ
ク6及び断熱板7を介して、上型プレート8が装着され
ている。
また、該上型プレート8には、カルブロック91とキャ
ビティブロック92とから成る上型ブロック9、及び、該
上型ブロック9を加熱するヒータ等の適宜な加熱部材10
が装着されている。
また、該固定上型部3には、上型ブロック9のカル93
とキャビティ94及び該カル93とキャビティ94との間の樹
脂通路95で成形される樹脂成形体を離型させるための適
宜な離型機構11が備えられている。
なお、上記した上型ブロック9及び上部離型機構11は
上型プレート8に対して容易に交換できるように着脱自
在に構成されている。
更に、上記した可動下型部4には、取付板12と両スペ
ーサーブロック13・14及び断熱板15を介して、下型プレ
ート16が装着されている。また、該下型プレート16に
は、ポットブロック171及びキャビティブロック172とか
ら成る下型ブロック17、及び、該下型ブロック17を加熱
すると共に、下型ポット173内に供給した樹脂材料18を
加熱溶融化するヒータ等の適宜な加熱部材19が装着され
ている。
また、該可動下型部4には、ポット173内の溶融樹脂
材料を上型カル93及び樹脂通路95を通して上下両キャビ
ティ94・174内に加圧移送するためのトランスファー機
構20と、キャビティ174内で成形される樹脂成形体(モ
ールドパッケージ)を離型させるための適宜な離型機構
21とが備えられている。
なお、上記した下型ブロック17及び下部離型機構21は
下型プレート16に対して容易に交換できるように着脱自
在に構成されている。
また、該下型ブロック17のP.L面には、電子部品22を
装着したフープ材やリードフレーム23を所定位置にセッ
トするためのセット用溝部175が形成されている。
更に、P.L面(両キャビティ94・174)面とは反対側と
なる両キャビティブロック(92・172)の背面位置に
は、成形時における該キャビティ部の加熱温度を所定の
樹脂成形温度に維持すると共に、上下両キャビティ(94
・174)面、即ち、モールドパッケージの外表面と接合
する両キャビティの底面及びその側壁面における加熱温
度を適正温度に均等化するための適宜な放熱構造から成
る該両型キャビティ面の温度均等化手段24が夫々配設さ
れている。
該温度均等化手段24の放熱構造は、キャビティ面の過
加熱を防止することができる所要の形状を有しておれば
よい。
この放熱構造としては、例えば、第3図に示すような
所要の断面凹溝形状241を、過加熱状態となり易いキャ
ビティ面付近の所要個所に形成してその部分を放熱用の
肉薄構造部とすればよい。また、該肉薄構造部は第4図
或は第5図に示すような矩形の断面凹溝形状242或は円
形の断面凹溝形状243であってもよく、また、第6図に
示すような放射状(星形)の断面凹溝形状244に形成し
たものであってもよい。
なお、上記断面凹溝形状244は、空冷用ヒレの構造を
も兼ね備えることになるが、このような各断面凹溝形状
(241〜244)から成る放熱構造に換えて、若しくは、こ
のような各放熱構造に加えて該両キャビティブロック
(92・172)の背面位置に所要の空冷用ヒレ(図示な
し)を配設してもよい。
また、前記した上下両離型機構(11・21)における製
品離型用のエジェクターピン(111・211)は上下両キャ
ビティ(94・174)面に嵌装され、更に、該両エジェク
ターピンの先端面は、型締時に、該両離型機構に備えた
リターンピン(図示なし)を介して夫々両キャビティ
(94・174)の底面にまで後退し、且つ、型開時には、
弾性部材112若しくはエジェクターバー212を介して夫々
P.L面側へ前進するように設けられている(第1図及び
第2図参照)。
このとき、該上下両エジェクターピンの先端部は、両
キャビティ(94・174)底面の連通孔(96・176)に夫々
嵌合されており、従って、型締時及び型開時には該連通
孔(96・176)内を摺動することになる。このため、実
施例図には、上下両エジェクターピンを効率よく摺動さ
せること、及び、該上下両エジェクターピンを利用して
上下両キャビティ(94・174)底面の過加熱を防止する
ことができるように構成したものを示している。
即ち、図に示すように、上下両キャビティ(94・1
74)の底面部に穿設した孔部に製品離型用の上下両エジ
ェクターピン(111・211)を夫々嵌装すると共に、該上
下両キャビティ(94・174)の底面部に連通する比較的
短い連通孔(96・176)の孔径を該上下両エジェクター
ピン(111・211)の先端部と摺動状態に嵌合する大きさ
として形成し、且つ、該連通孔(96・176)に連続する
その他の部位の孔径を該連通孔(96・176)よりも大き
く形成して該部位と該上下両エジェクターピンとが摺動
状態に嵌合しないように構成している。
従って、このような上下両エジェクターピン(111・2
11)の嵌装構造は、該両キャビティ底面部の熱量の一部
を該両エジェクターピンを介して外部へ逃がすことがで
きるため、実質的に上記した温度均等化手段24と同じ作
用・機能を備えることになるから、上記した各断面凹溝
形状(241〜244)と該両エジェクターピン(111・211
とによって温度均等化手段24を構成できるものである。
なお、同様に、上記温度均等化手段24を、両キャビテ
ィ(94・174)面の過加熱を防止する所要形状の空冷用
ヒレ(図示なし)と、該両キャビティ面に嵌装した製品
離型用のエジェクターピン(111・211)とから構成する
ようにしてもよい。
また、上記温度均等化手段24を、両キャビティ(94
174)面の過加熱を防止する所要の断面凹溝形状(241
244)又は所要形状から成る空冷用ヒレと、これに対す
る強制空冷機構25とから構成するようにしてもよい。例
えば、第1図の下型部4に示したように、断面凹溝形状
を設けたキャビティブロック172の背面を開放すると共
に、該背面に一方から常温或は冷却したエア251を給送
して該背面の冷却(即ち、キャビティ174面の過加熱防
止)を行ない、且つ、他方からそのエアを吸引排除する
構成を採用してもよい。この場合、上記給送エアをキャ
ビティブロック172の背面に対して直接的に吹き付ける
ことが効果的であるが、その過冷却を防止してキャビテ
ィ174面の適正温度を維持するために、適当な温度検出
機構を介して上記エア給送作用を制御することが好まし
い。
なお、該強制空冷機構を配設するときは、これを上型
部3側にも同時に配設すればよい。更に、上記したエア
の供給源及び吸引源は、上下両型(1・2)のクリーナ
ーに用いられるコンプレッサー等のエアブロー機構及び
バキューム機構を併用することができる。
また、上記したトランスファー機構20における樹脂加
圧用プランジャー201の下端部202は、下スペーサーブロ
ック13内のプランジャーホルダー203に対して自在(フ
リーの状態)に嵌装支持されている。
即ち、上記プランジャーの下端部202はプランジャー
ホルダー203に自在に嵌装支持されており、また、その
上端部204はポット173内に常時嵌合されている。更に、
該プランジャーの下端部202には、プランジャーホルダ
ー内に備えた弾性押圧部材205の弾性が座206を介して、
上方向へ加えられるように設けられている。この座206
は、両型(1・2)の型開時には押圧部材205の弾性に
よってホルダー本体内のストッパー面に当接されている
ため、その弾性はプランジャー201に対して直接的には
加えられていないが、該両型の型締後に該プランジャー
ホルダー203を上動してポット173内の樹脂材料18を夫々
加圧すると該プランジャー201は停止状態となり、従っ
て、該プランジャーはプランジャーホルダー203との関
係では下動することになるため、該プランジャーには弾
性押圧部材205の弾性が該プランジャーを上動させる力
(樹脂材料18の加圧力)として夫々直接的に加えられる
ことになる。
なお、上記プランジャーの下端部202には、第1図に
示すように、適当な回止及び抜止手段が設けられてお
り、また、上記弾性押圧部材205の弾性がプランジャー
の下端部202に直接的に加えられていないときには、該
プランジャーの下端部はプランジャーホルダーとの間に
設けられた周方向及び軸方向の間隙の範囲内でフリーの
状態に嵌装支持されている。
更に、上記プランジャーホルダー203は、例えば、所
要のサーボモータと、該サーボモータにて正逆方向へ駆
動回転する回転軸と、該回転軸の正逆両回転に伴って同
じく正逆両方向へ回転するように軸装した上下方向の回
転ナット部材と、該ナット部材に螺装したスクリューシ
ャフトと、該スクリューシャフトと上記ナット部材との
係合螺子溝内に嵌装した多数の回転ボールと、上記スク
リューシャフトに対する回止手段等から成り、上記サー
ボモータを正逆両方向へ回転させることにより、スクリ
ューシャフトを上下方向へ往復動するように構成した電
動ボールスクリュージャッキ機構等の適宜な上下の往復
動機構(図示なし)により上下往復動自在となるように
設けられている。
また、この成形装置には、下部可動盤2を介して可動
下型部4の全体を上下往復動させることにより上下両型
(1・2)を型開き(第1図参照)し、或は、型締め
(第2図参照)するための適宜な型開閉機構(図示な
し)が備えられている。
また、上記したプランジャーホルダー203の上面に
は、ポット173とプランジャー201との間隙から落下する
微細な樹脂残渣が該ホルダー203内に侵入するのを防止
するための適当なカバー207が取り付けられている。な
お、この樹脂残渣を確実に外部へ排出するためには、ポ
ット173の下部にエア流路を設けると共に、該流路に圧
縮エアを給送し且つ該給送エアを上記樹脂残渣と共に外
部へ強制的に吸引除去する構成を採用してもよい。更
に、上記圧縮エアの供給源及び吸引源は、両型(1・
2)のクリーナーに用いられるコンプレッサー等のエア
ブロー機構及びバキューム機構を併用することができ
る。
なお、上記した金型構成は、前述したシングルプラン
ジャー方式、或は、マルチプランジャー方式のいずれに
も応用することができ、また、そのトランスファー機構
20やポット173等を上型部3側に配設するアッパープラ
ンジャー方式にも同様に応用し得ることは明らかであ
る。
以下、上記構成を備えた金型を用いて電子部品を樹脂
封止成形する場合について説明する。
まず、上下両型プレート8.16に対して上下両型ブロッ
ク9.17が嵌装されているときは、該両型ブロックを上下
両加熱部材10・19によって所要温度まで加熱する。
なお、成形作業時において、加熱された両型プレート
8・16に別の金型を交換する場合があるが、交換すべき
金型が常温であるときはこれを所要温度まで加熱するた
めの所要時間が必要となる。従って、このような場合
は、その金型(即ち、両型ブロック9・17及び離型機構
11・21等の交換部材の全体)を、予め、所要温度まで加
熱しておけばよい。ところで、この交換金型の予備加熱
は適宜な加熱室内において行なえばよいが、該交換金型
の表面がその加熱作用により酸化されると云う問題があ
る。しかしながら、この問題は、例えば、上記交換金型
の予備加熱時において、該加熱室内に適当な還元剤を給
送し、若しくは、これを混在・充填させることによって
解消することができるものである。また、該還元剤とし
ては、例えば、窒素・水素・炭素・亜鉛・亜硫酸ガス・
マグネシウム等の物質から適当なものを任意に選択・採
用できるものである。
次に、型開閉機構により下型部4側を下動させて、第
1図に示すように上下両型(1・2)の型開きなどを行
なうと共に、トランスファー機構20によってプランジャ
ーホルダー203を下動させる。
次に、この状態で下型ブロック17のP.L面におけるセ
ット用溝部175の所定位置に電子部品22を装着したリー
ドフレーム23を嵌合セットする。
次に、下型ブロックのポット173内に樹脂材料18を供
給すると共に、型開閉機構により下型部4側を上動させ
て、第2図に示すように両型(1・2)の型締めを行な
う。なお、このとき、上記リードフレーム上の電子部品
22は、上下の両キャビティ94・174内に嵌装セットされ
ることになる。
次に、トランスファー機構20にてプランジャーホルダ
ー203を上動させると、プランジャー201の上端部204
ポット173内の樹脂材料18を加圧する。このとき、その
加圧力が一定値以上になると該プランジャー201の上動
作用が停止するが、該プランジャー201には、座206を介
して、前述した弾性圧力部材205による上向きの弾性が
加えられるように構成されているため、樹脂材料18は該
プランジャーを押し上げようとする該弾性押圧部材205
の弾性によって所定の加圧力を受けることになるもので
ある。また、このとき、該樹脂材料18はポット173内に
おいて加熱部材(19・10)により加熱溶融化されると共
に、該溶融樹脂材料はプランジャー201の加圧力より上
型のカル93・樹脂通路95を通して両キャビティ94・174
内に注入充填されるから、該両キャビティ内に嵌装され
たリードフレーム上の電子部品22はその溶融樹脂材料に
よって封止成形されることになる。
次に、型開閉機構により下型部4側を再び元位置にま
で下動させて両型(1・2)の型開きを行なうと共に、
リードフレーム23・電子部品22を封止した両キャビティ
内のモールドパッケージ・カル93と樹脂通路95内の樹脂
成形体の全体を両離型機構におけるエジェクターピン11
1・211により両型のP.L面間に離型すればよい。
なお、上記した全樹脂封止成形工程が終了すると、次
の樹脂封止成形工程を開始する前に、上下両型のP.L面
やキャビティ内面等に付着した樹脂バリやその他の異物
を除去するための、所謂、クリーニング工程を行なうの
が通例である。
ところで、電子部品を樹脂封止成形する場合におい
て、そのボンディングワイヤの変形防止や、素子表面の
保護膜及びパッケージのクラックを防止する目的で、近
時、可撓剤を添加した低応力の樹脂材料が使用されてい
る。この低応力化樹脂材料を用いるときは、該樹脂材料
中に含まれる上記した可撓性自体が、或は、熱履歴を受
けた離型剤が金型キャビティ内に残り且つ堆積して、所
謂、金型汚れが発生し易いと云った傾向があり、従っ
て、該クリーニング工程においてはキャビティ内面の確
実なクリーニングを行なう必要がある。
上記したクリーニング工程の態様として、例えば、金
型P.L面の残存異物を金型クリーナーにおけるエアブロ
ー機構により冷却する作用、及び/又は、その平ブラシ
部材の往復動(又は振動若しくは叩打加傷)作用により
剥離する作用、及び/又は、そのバキューム機構により
剥離した異物を吸引除去する作用等を連続して或は交互
に行なうことが知られている。しかしながら、このよう
なクリーニング工程を実施しても、特に、上下両キャビ
ティの内面に残存付着した上記異物等を確実に除去でき
ないことが多い。
これは、金型クリーナーにおける平ブラシ部材の往復
動(又は振動若しくは叩打加傷)作用による該異物の剥
離作用が不充分であることに起因している。従って、上
記した平ブラシ部材の往復動作用等に加えて、その平ブ
ラシ部材の先端部を上下両キャビティの内面に押し込む
該平ブラシ部材の押圧作用を行なえばよい。即ち、この
押圧作用を行なうことによって、金型P.L面に凹所とし
て形成されているキャビティや、樹脂通路等の内面に平
ブラシ部材の先端部を有効に作用させ得るため、金型P.
L面及び上下両キャビティの内面等に残存付着している
上記異物を効率良く確実に除去できるものである。
本発明は、上述した実施例図のものに限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に
応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採用できるも
のである。
例えば、プランジャーのトランスファー機構20を電動
ボールスクリュージャッキ機構から構成した場合につい
て説明したが、プランジャー201を上下往復摺動させる
機構としては、通常の油圧或は空圧その他の流体駆動源
を利用した適当な上下往復摺動機構を任意に採用するこ
とができるものである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、金型キャビティ部の所要個所に該金
型キャビティ面の過加熱を防止する所要形状の放熱構造
から成る該金型キャビティ面の簡易な温度均等化手段を
配設して構成したものであるから、成形されたモールド
パッケージの表面に「焼け」の現象が発生するのを確実
に防止することができ、従って、高品質性及び高信頼性
を備えたこの種製品用の樹脂封止成形用金型を提供する
ことができると云った優れた実用的な効果を奏するもの
である。特に、使用する樹脂材料が白色系のものである
場合は、製品の外観不良と云った従来の弊害を確実に解
消することができる効果がある。
また、本発明によれば、上記金型キャビティ部に冷却
水を循環させる冷却機構等を備える必要がなく、従っ
て、金型の全体構造・形状が複雑・大型化され、且つ、
高価なものとなる等の従来の問題点を確実に解消するこ
とができると云った優れた実用的な効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型
を備えた樹脂封止成形装置の要部を示す一部切欠縦断面
図であり、該金型の型開状態を示している。 第2図は、第1図に対応する金型の型締状態を示す一部
切欠縦断面図である。 第3図は、上型キャビティブロックの拡大縦断面図であ
る。 第4図は、上型キャビティブロックの一部切欠拡大平面
図である。 第5図及び第6図は、温度均等化手段の他の実施例を示
すものであり、いずれも上型キャビティブロックの一部
切欠平面図である。 〔符号説明〕 1……固定盤 2……可動盤 3……上型部 4……下型部 5……取付板 6……スペーサーブロック 7……断熱板 8……上型プレート 9……上型ブロック 91……カルブロック 92……キャビティブロック 93……カル 94……キャビティ 95……樹脂通路 96……連通孔 10……加熱部材 11……離型機構 111……エジェクターピン 112……弾性部材 12……取付板 13……スペーサーブロック 14……スペーサーブロック 15……断熱板 16……下型プレート 17……下型ブロック 171……ポットブロック 172……キャビティブロック 173……ポット 174……キャビティ 175……セット用溝部 176……連通孔 18……樹脂材料 19……加熱部材 20……トランスファー機構 201……プランジャー 203……プランジャーホルダー 205……弾性押圧部材 207……カバー 21……離型機構 211……エジェクターピン 22……電子部品 23……リードフレーム 24……温度均等化手段 241……断面凹溝形状 242……断面凹溝形状 243……断面凹溝形状 244……断面凹溝形状 25……強制空冷機構 251……エア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 31:34

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポット内の溶融樹脂材料をその移送用通路
    を通してキャビティ内に加圧注入することにより、該キ
    ャビティ内に嵌装した電子部品を樹脂封止成形する金型
    であって、上記キャビティ部の所要個所に、断面凹溝形
    状から成る該キャビティ面の過加熱防止用の温度均等化
    手段を配設して構成したことを特徴とする電子部品の樹
    脂封止成形用金型。
  2. 【請求項2】断面凹溝形状から成るキャビティ面の過加
    熱防止用の温度均等化手段を強制的に冷却する強制空冷
    機構を配設して構成したことを特徴とする請求項1に記
    載の電子部品の樹脂封止成形用金型。
  3. 【請求項3】キャビティの底面部に穿設した孔部に製品
    離型用のエジェクターピンを嵌装すると共に、該キャビ
    ティ底面部に連通する連通孔の孔径を該エジェクターピ
    ンの先端部と摺動状態に嵌合する大きさに形成し、且
    つ、該連通孔に連続するその他の部位の孔径を該連通孔
    よりも大きく形成して構成したことを特徴とする請求項
    (1)、又は、請求項(2)に記載の電子部品の樹脂封
    止成形用金型。
  4. 【請求項4】ポット内の溶融樹脂材料をその移送用通路
    を通してキャビティ内に加圧注入することにより、該キ
    ャビティ内に嵌装した電子部品を樹脂封止成形する金型
    であって、上記キャビティ部の所要個所に、空冷用ヒレ
    から成る該キャビティ面の過加熱防止用の温度均等化手
    段を配設して構成したことを特徴とする電子部品の樹脂
    封止成形用金型。
  5. 【請求項5】空冷用ヒレから成るキャビティ面の過加熱
    防止用の温度均等化手段を強制的に冷却する強制空冷機
    構を配設して構成したことを特徴とする請求項3に記載
    の電子部品の樹脂封止成形用金型。
  6. 【請求項6】キャビティの底面部に穿設した孔部に製品
    離型用のエジェクターピンを嵌装すると共に、該キャビ
    ティ底面部に連通する連通孔の孔径を該エジェクターピ
    ンの先端部と摺動状態に嵌合する大きさに形成し、且
    つ、該連通孔に連続するその他の部位の孔径を該連通孔
    よりも大きく形成して構成したことを特徴とする請求項
    (4)、又は、請求項(5)に記載の電子部品の樹脂封
    止成形用金型。
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