JP2706044B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示パネルなどの駆
動に用いる薄膜ダイオードを備える半導体装置の構造に
関する。 【0002】 【従来の技術】液晶表示パネルは広く用いられ、この液
晶表示パネルの駆動には、最近は薄膜アクティブ素子に
よるアクティブ・マトリクスが高密度表示として有望視
されている。 【0003】このアクティブ素子としては、薄膜トラン
ジスタ(TFT)や薄膜ダイオードがあり、とくに非晶
質シリコン(a−Si)を用いた薄膜ダイオードを並列
逆接続(ダイオード・リング接続)して非線形抵抗とし
て使う手段は、前出願(特願昭57−167945号)
で示したように、製造の容易さや、表示品質や、拡張性
などからきわめて有望である。 【0004】このような用途に使われる薄膜ダイオード
に要求される条件は幾つかあるが、なかでも製造上の簡
易さ、および素子容量の低さがとくに重要である。 【0005】図1は、薄膜ダイオードをダイオード・リ
ング接続して形成するダイオード・リングの半導体装置
の等価回路を示す回路図である。 【0006】この図1に示すようなダイオードを並列逆
接続するような回路を薄膜ダイオードで実現するには、
前出願(特願昭57−167945号)で述べたよう
に、図2(a)、図2(b)に示す構造を用いるとよ
い。 【0007】図2(a)は従来技術による薄膜ダイオー
ド・リングを示す平面図であり、図2(b)は図2
(a)のA−A'−A"における断面を示す断面図であ
る。 【0008】パタン1は下層の第1の電極層6を示し、
パタン2は上層の第2の電極層8を示し、破線のパタン
3はダイオード主部となる半導体層9を示し、パタン4
は第1の電極層6と第2の電極層8とを絶縁する層間絶
縁膜7に形成するコンタクトホールを、それぞれ示す。 【0009】そして第1の電極層6と半導体層9と層間
絶縁膜7と第2の電極層8とからなる非線形素子10を
基板5上に形成している。このように非線形素子10を
形成するためには、独立した4層のパタンが必要であ
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ここで液晶表示パネル
の製造コストを考える。能動素子を用いたアクティブ・
マトリクスと、このアクティブ・マトリクスを用いない
パッシブ・マトリクスとでは、表示品質と多分割性で前
者が優れ、製造コストで後者が優れている。 【0011】しかし近年パッシブ・マトリクスの表示品
質の改善も目覚しく、ポータブルテレビにまで応用され
始めているのに対し、アクティブ・マトリクスは、主に
製造コストが高すぎることにより一部の分野にしか実用
化されていない。 【0012】非線形抵抗型のアクティブ・マトリクスは
TFT型に比べコスト面で優れてはいるが、図2の構造
ではまだまだパッシブ・マトリクスには太刀打ちできな
い。 【0013】図2に示す非線形素子10を製造する場合
の困難さは、パタン1からパタン4までの4つのパタン
を、それぞれの位置を正確に合わせてパターニングする
工程にある。 【0014】このパタン合わせが正確でないと、素子特
性のばらつきとなって表示品質を低下させる。 【0015】したがって、パタンの数を減らし、しかも
相互の合わせ精度を問わないような構造の薄膜ダイオー
ドが望まれる。 【0016】本発明は従来の欠点を解決し、低容量でし
かも製造の容易な薄膜ダイオードを備える半導体装置の
構造を提案することを目的とするものである。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体装置においては、下記記載の手段を
採用する。 【0018】本発明の半導体装置は、複数の薄膜ダイオ
ードを備える半導体装置であって、薄膜ダイオードは第
1の電極層と半導体層とバッファー層と第2の電極層と
を有し、第1の電極層は基板上に設け、半導体層は第1
の電極層の上面と側壁と基板上とに設け、そして基板上
から順次N型の非晶質シリコン層と低不純物濃度の非晶
質シリコン層とP型の非晶質シリコン層とからなり、バ
ッファー層は半導体層の上面に設け、第2の電極層はバ
ッファー層上面と側壁と半導体層の側壁と基板上とに設
け、バッファー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物
濃度の非晶質シリコン層とは膜厚方向に自己整合形状に
なっており、さらにN型の非晶質シリコン層はバッファ
ー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度の非晶質
シリコン層よりパタン形状を小さくして第2の電極層と
N型の非晶質シリコン層とのあいだに空隙を設けて第1
の電極層と第2の電極層とを絶縁化し、複数の薄膜ダイ
オードは、相互の薄膜ダイオードの半導体層が基板によ
り絶縁分離されていることを特徴とする。 【0019】 【作用】本発明の半導体装置においては、第1の電極層
と第2の電極層とは、半導体層の最下層のN型の非晶質
シリコン層に設ける空隙により絶縁化されている。この
ため薄膜ダイオードは、従来必要であったの層間絶縁膜
が不要となる。さらに、半導体層の最上層のP型の非晶
質シリコン層と第2の電極層との間にはバッファー層を
設けており、半導体層と第2の電極層とのあいだの相互
拡散を防止できる。 【0020】さらに、第2の電極層と、バッファー層
と、半導体層のP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度
の非晶質シリコン層とは、膜厚方向に自己整合形状を有
する。さらにこの構成を有する薄膜ダイオードを複数個
有し、相互の薄膜ダイオードは半導体層が基板により絶
縁分離されている。このため、薄膜ダイオードの面積が
縮小化でき、薄膜ダイオードの容量を大幅に低減でき
る。 【0021】 【実施例】以下、図面に基づき本発明の半導体装置を構
成する薄膜ダイオードの構造を詳細に説明する。また、
本発明の薄膜ダイオードの説明に先立ち、まづ本発明の
薄膜ダイオードの構造に関する比較例を示し、続いて比
較例を参照し本発明の薄膜ダイオードの構造を説明す
る。 【0022】図3(a)は本発明の第1の比較例におけ
る半導体装置に利用する薄膜ダイオード・リングを示す
平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A’線に
おける断面を示す断面図である。 【0023】図3に示すように、第1の電極層14、2
0上に半導体層15を設け、この半導体層15上に第2
の電極層16を設ける。 【0024】そして第1の電極層14と半導体層15と
第2の電極層16とを設けた領域が薄膜ダイオード2
3、26となる。なお24、25で示す領域はコンタク
ト領域である。 【0025】本発明の第1の比較例では、その製造工程
においては3つのマスクパタンしか用いていない。 【0026】すなわち第1の電極層14、20をパタン
形成するときに用いる第1のパタン11と、半導体層1
5をパタン形成するときに用いる第2のパタン13と、
第2の電極層16をパタン形成するときに用いる第3の
パタン12との3つである。 【0027】本発明の第1の比較例の特徴は、第2のパ
タン13、すなわち薄膜ダイオード23、26は、第1
のパタン11と第3のパタン12との重なり部分よりも
大きいことである。 【0028】このような3つのパタンを使用し、基板上
の第1の電極層14、20と、半導体層15と、第2の
電極層16とを順次パタン形成して形成する薄膜ダイオ
ードは図3(b)の断面図に示すように、第2の電極層
16を薄膜ダイオード上から引き出す電極引き出し部2
7の領域において、パタンの幅が第1の電極層14、2
0、半導体層15、第2の電極層16の順に矢印17、
18、19に示した寸法であり、矢印19が一番大きく
矢印17が一番小さくなっている。 【0029】この構造では電極引き出し部27では、第
1の電極層14と第2の電極層16は半導体層15によ
って分離されており、従来技術を示す図2における層間
絶縁膜7が不要になっている。 【0030】以上の説明のように、本発明の第1の比較
例は、従来技術を示す図2と比較して、パタン数および
層数が低減化され、製造工程が大幅に簡略化されてい
る。 【0031】さらに本発明の第1の比較例では、第1の
電極層14と第2の電極層16との重なりは、それぞれ
のパタンの交点のみであり、層間絶縁膜7を用いた図2
と比べると、同一パタンルール使用時で面積が約1/6
に縮小化されている。その結果、薄膜ダイオード素子の
容量は大幅に低減さえている。 【0032】図4(a)、図4(b)は本発明の第2の
比較例における薄膜ダイオードを示し、図4(a)は平
面図、図4(b)は製造工程を説明するための図4
(a)のA−A’線における断面、B−B’線における
断面での断面図である。 【0033】なお、図4(b)は一番上が最初の工程、
一番下が最後の工程であり、下に行くにつれ順次つぎの
工程を示している。さらにそれぞれの工程において左側
の図は図4(a)のA−A’断面を示し、右側の図は図
4(a)のB−B’断面を示している。 【0034】図4に示す第1のパタン11と第2のパタ
ン13と第3のパタン12とは、図3と同一である。 【0035】この第2の比較例と第1の比較例の相違
は、半導体層33が斜線交差部28、29にのみ残され
ている点である。 【0036】製造工程を説明する。まず基板5の上に第
1の電極層30、31、32を第1のパタン11でパタ
ーニングする。引き続いて半導体層33、34を第2の
パタン13でパターニングする。さらに第2の電極層3
5、36を第3のパタン12でパターニングすることに
より、図3に示すような薄膜ダイオード23、26が完
成する。 【0037】本発明の第2の比較例では、さらに第2の
電極層35、36をマスクとして半導体層33、34を
もう一度パターニングする。 【0038】以上の工程により斜線交差部28、29に
示すように、第2のパタン13と第3のパタン12との
重なり部に半導体層を形成することができる。 【0039】本発明の第2の比較例は、第1の比較例と
同じ効果を有し、さらに別の効果としては第1の比較例
と比較して半導体層の面積がより縮小化され、薄膜ダイ
オードの低容量化を実現している。 【0040】この半導体層の小面積化は、自己接合技術
を用いているため、製造工程はエッチング工程が増える
のみで、被膜形成工程と、感光性樹脂の形成とフォトマ
スクを用いた露光処理と現像処理のフォトリソ工程とは
必要でない。 【0041】以上説明した第1の比較例と第2の比較例
における第1の電極層と第2の電極層は、Al、Cr、
Mo、Auなどの金属材料や、あるいはドープされたS
i、Geなどの半導体材料や、In2O3、SnO2な
どの透明電極材料や、あるいは以上記載の材料の複合層
が適用可能である。 【0042】半導体層は非晶質Si、SiNx、SiC
x、SiGex、SiSnxなどが適用可能であり、そ
して半導体層の構造は下からPIN型、NIP型、NI
型、PI型、IN型、IP型、I型などが適用可能であ
る。 【0043】図5はNIP型の非晶質Siを半導体層と
した本発明の第3の比較例を示す断面図である。 【0044】In2O3からなる第1の電極層41上に
第1の導電型(NまたはP)不純物をドープした非晶質
シリコン層42と、ノンドープの非晶質シリコン層43
と、第2の導電型(PまたはN)の不純物がドープされ
た非晶質シリコン層44を設ける。 【0045】そして第1の導電型の不純物をドープした
非晶質シリコン層42と、ノンドープの非晶質シリコン
層43と、第2の導電型の不純物ドープした非晶質シリ
コン層44とにより、半導体層45を構成する。 【0046】この3層構造からなる半導体層45は、同
時にパタン形成されている。さらに半導体層45上に第
2の電極層46を設ける。この第2の電極層46はA
l、またはCrで構成する。 【0047】本発明の第3の比較例は、第1の導電型の
不純物ドープした非晶質シリコン層42を通じて第1の
電極層41と第2の電極層46とがショートしないよう
な工夫が必要である。 【0048】これは、非晶質Siのエッチング速度がI
P型に比べてN型が格段に速い性質を用いて、半導体層
45のパターニング工程で、N型の不純物をドープした
非晶質Si層42をアンダーエッチングすることによ
り、空隙47、48を設け、第1の電極層41と第2の
電極層46とのショート発生を防止している。 【0049】さらに電極引き出し部(27に相当)の長
さLと幅W(図示せず)の比W/Lを充分小さくし、第
1の導電型不純物をドープした非晶質Si層42の厚さ
d1(図示せず)を薄くすることにより、実効的にショ
ート発生を回避することができる。 【0050】たとえばN型の非晶質Si層42の導電率
ρ1を10-4(Ωcm)-1とし、表示要素の保持容量C
sを1PFとし、保持時間を10msecとすると、d
1=約10nm、W/L=約1〜5とすればよい。 【0051】図6は本発明の第4の比較例を示す断面図
である。金属材料あるいは透明電極層材料からなる下層
電極層49と、非単結晶シリコン材料からなり第1の導
電型(NまたはP)の不純物ドープにより低抵抗化され
た不純物ドープ層50とで第1の電極層54を構成す
る。このように第1の電極層54は複合層である。 【0052】第1の電極層54上にノンドープSi層5
1と、第2の導電型(PまたはN)不純物をドープした
ドープSi層52とを設ける。薄膜ダイオード主部とな
る半導体層53はノンドープSi層51と、ドープSi
層52との2層よりなる。 【0053】さらにこの半導体層53上に第2の電極層
46を設ける。 【0054】薄膜ダイオードは、第1の電極層54を構
成するたとえばN型のドープSi層50と、半導体層5
3を構成するノンドープSi層51(I型層)と、P型
の不純物ドープしたドープSi層52との3層(PIN
型)により形成されている。 【0055】本発明の第4の比較例の特徴は、第1の電
極層54として金属あるいは透明電極からなる下層電極
層49と、半導体材料からなる不純物ドープ層50との
2層構造を用いている点である。 【0056】このことによりNIP型構造を実現しなが
らも第1の電極層54と第2の電極層46間は高抵抗な
ノンドープSi層51により絶縁され、ショートの問題
は回避できる。 【0057】図7は本発明の第5の比較例を示す断面図
である。第1の電極層411はたとえばMoであり、半
導体層531はノンドープSi層511とN型Si層5
21とで構成し、第2の電極層461はN型Si層52
1とオーミック接触を有するAl、Crである。 【0058】本発明の第5の比較例の特徴は、薄膜ダイ
オードが第1の電極層411と半導体層531との間の
ショットキー障壁により形成されている点である。 【0059】本発明の第5の比較例でも第1電極層41
1と第2の電極層461とは、電極引き出し部(27に
相当)において高抵抗ノンドープSi層511で分離さ
れている。このためショートの問題を生じることなし
に、良好な特性の薄膜ダイオードが得られる。 【0060】図8は本発明の第6の比較例における薄膜
ダイオードを示す断面図である。第1の電極層412は
たとえばMgで構成し、半導体層542はノンドープS
iで構成し、第2の電極層462はたとえばMoで構成
する。 【0061】本発明の第6の比較例の特徴は、第1の電
極層412と半導体層542とがオーミック接触をして
おり、第2の電極層462と半導体層542とがショッ
トキー接触している点である。 【0062】本発明の第6の比較例もショートの問題が
解決されており、しかも構成も簡単である。さらに第6
の比較例ではショットキー障壁が最後の工程で形成され
るため、他の膜形成工程などの加熱過程がなく、良好な
障壁が得られる。 【0063】図8と逆に第1の電極層412と半導体層
542の間をショットキー接触、半導体層542と第2
の電極層462の間をオーミック接触としても、ショー
トの問題は回避される。 【0064】図9は本発明の第7の比較例における薄膜
ダイオードを示す断面図である。第1電極層413上に
設ける半導体層543と第2の電極層463の間にバッ
ファー層553を有する。 【0065】たとえば第2の電極463がAl、半導体
層543が非晶質Siの場合バッファー層553として
Crを100nm程度の膜厚で用いることは、後工程に
おける相互拡散を防止する上で有効である。 【0066】本発明の第7の比較例ではバッファー層5
53は、半導体層543と同じパタンでパターニングす
ることにより、バッファー層553形成のための膜形成
工程を増やすのみで、工程を余り変えずに実現してい
る。 【0067】本発明の第7の比較例のようにバッファー
層などの付加的な構造を加えても、本発明は有効であ
る。以上の比較例を参照し第1の実施例として説明す
る。 【0068】この第1の実施例の複数の薄膜ダイオード
の平面パタン形状は、図3を用いて説明した第1の比較
例、または図4を用いて説明した第2の比較例の形状と
し、複数の薄膜ダイオードは、相互の薄膜ダイオードの
半導体層が基板により絶縁分離されている。その構造の
詳細な説明は、さきに説明したので省略する。 【0069】この第1の実施例の断面形状は、図5を用
いて説明した第3の比較例と、図9を用いて説明した第
7の比較例とを組み合わせたものである。すなわち、図
5に示すように、薄膜ダイオードは、基板側から順次、
第1の電極層41と、半導体層45と、第2の電極層4
6とを有する。 【0070】半導体層45は、第1の電極層41側から
順次、N型の非晶質シリコン層42と、低不純物濃度の
非晶質シリコン層43と、P型の非晶質シリコン層44
とからなる。 【0071】さらにP型の非晶質シリコン層44と第2
の電極層46とのあいだに、図9に示すバッファー層5
53を設ける。図5に示すように、第1の電極層41は
基板上に設け、半導体層45は第1の電極層41の上面
と側壁と基板上とに設ける。第2の電極層46は、バッ
ファー層(図5には図示せず)上面と側壁と半導体層4
5の側壁と基板上とに設ける。 【0072】そして図5および図9には図示していない
が、バッファー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物
濃度の非晶質シリコン層とは膜厚方向に自己整合形状に
なっている。さらにN型の非晶質シリコン層はバッファ
ー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度の非晶質
シリコン層よりパタン形状を小さくして、第2の電極層
とN型の非晶質シリコン層とのあいだに空隙47、48
を設ける。この空隙47によって、第1の電極層41と
第2の電極層46とを完全に絶縁化することができる。
さらにバッファー層を設けることにより、半導体層と第
2の電極層とのあいだの相互拡散を防止することができ
る。 【0073】さらに、図5〜図9以外の構造も、図3、
図4で示した第1、第2の比較例で明らかにした構造を
有するものは本発明に含まれる。 【0074】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の半導体装置は層間絶縁膜を必要とせず、少ないパタン
数、層数で電極間リークの少ない良好な特性をもつ薄膜
ダイオードを実現することができる。さらに自己整合技
術を用いることにより素子面積と、素子容量とを大幅に
低減することができ、液晶などを用いた表示パネル用の
スイッチング素子、あるいは非線形素子としてきわめて
適した薄膜ダイオードを備える半導体装置を提供するこ
とができる。
動に用いる薄膜ダイオードを備える半導体装置の構造に
関する。 【0002】 【従来の技術】液晶表示パネルは広く用いられ、この液
晶表示パネルの駆動には、最近は薄膜アクティブ素子に
よるアクティブ・マトリクスが高密度表示として有望視
されている。 【0003】このアクティブ素子としては、薄膜トラン
ジスタ(TFT)や薄膜ダイオードがあり、とくに非晶
質シリコン(a−Si)を用いた薄膜ダイオードを並列
逆接続(ダイオード・リング接続)して非線形抵抗とし
て使う手段は、前出願(特願昭57−167945号)
で示したように、製造の容易さや、表示品質や、拡張性
などからきわめて有望である。 【0004】このような用途に使われる薄膜ダイオード
に要求される条件は幾つかあるが、なかでも製造上の簡
易さ、および素子容量の低さがとくに重要である。 【0005】図1は、薄膜ダイオードをダイオード・リ
ング接続して形成するダイオード・リングの半導体装置
の等価回路を示す回路図である。 【0006】この図1に示すようなダイオードを並列逆
接続するような回路を薄膜ダイオードで実現するには、
前出願(特願昭57−167945号)で述べたよう
に、図2(a)、図2(b)に示す構造を用いるとよ
い。 【0007】図2(a)は従来技術による薄膜ダイオー
ド・リングを示す平面図であり、図2(b)は図2
(a)のA−A'−A"における断面を示す断面図であ
る。 【0008】パタン1は下層の第1の電極層6を示し、
パタン2は上層の第2の電極層8を示し、破線のパタン
3はダイオード主部となる半導体層9を示し、パタン4
は第1の電極層6と第2の電極層8とを絶縁する層間絶
縁膜7に形成するコンタクトホールを、それぞれ示す。 【0009】そして第1の電極層6と半導体層9と層間
絶縁膜7と第2の電極層8とからなる非線形素子10を
基板5上に形成している。このように非線形素子10を
形成するためには、独立した4層のパタンが必要であ
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】ここで液晶表示パネル
の製造コストを考える。能動素子を用いたアクティブ・
マトリクスと、このアクティブ・マトリクスを用いない
パッシブ・マトリクスとでは、表示品質と多分割性で前
者が優れ、製造コストで後者が優れている。 【0011】しかし近年パッシブ・マトリクスの表示品
質の改善も目覚しく、ポータブルテレビにまで応用され
始めているのに対し、アクティブ・マトリクスは、主に
製造コストが高すぎることにより一部の分野にしか実用
化されていない。 【0012】非線形抵抗型のアクティブ・マトリクスは
TFT型に比べコスト面で優れてはいるが、図2の構造
ではまだまだパッシブ・マトリクスには太刀打ちできな
い。 【0013】図2に示す非線形素子10を製造する場合
の困難さは、パタン1からパタン4までの4つのパタン
を、それぞれの位置を正確に合わせてパターニングする
工程にある。 【0014】このパタン合わせが正確でないと、素子特
性のばらつきとなって表示品質を低下させる。 【0015】したがって、パタンの数を減らし、しかも
相互の合わせ精度を問わないような構造の薄膜ダイオー
ドが望まれる。 【0016】本発明は従来の欠点を解決し、低容量でし
かも製造の容易な薄膜ダイオードを備える半導体装置の
構造を提案することを目的とするものである。 【0017】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の半導体装置においては、下記記載の手段を
採用する。 【0018】本発明の半導体装置は、複数の薄膜ダイオ
ードを備える半導体装置であって、薄膜ダイオードは第
1の電極層と半導体層とバッファー層と第2の電極層と
を有し、第1の電極層は基板上に設け、半導体層は第1
の電極層の上面と側壁と基板上とに設け、そして基板上
から順次N型の非晶質シリコン層と低不純物濃度の非晶
質シリコン層とP型の非晶質シリコン層とからなり、バ
ッファー層は半導体層の上面に設け、第2の電極層はバ
ッファー層上面と側壁と半導体層の側壁と基板上とに設
け、バッファー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物
濃度の非晶質シリコン層とは膜厚方向に自己整合形状に
なっており、さらにN型の非晶質シリコン層はバッファ
ー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度の非晶質
シリコン層よりパタン形状を小さくして第2の電極層と
N型の非晶質シリコン層とのあいだに空隙を設けて第1
の電極層と第2の電極層とを絶縁化し、複数の薄膜ダイ
オードは、相互の薄膜ダイオードの半導体層が基板によ
り絶縁分離されていることを特徴とする。 【0019】 【作用】本発明の半導体装置においては、第1の電極層
と第2の電極層とは、半導体層の最下層のN型の非晶質
シリコン層に設ける空隙により絶縁化されている。この
ため薄膜ダイオードは、従来必要であったの層間絶縁膜
が不要となる。さらに、半導体層の最上層のP型の非晶
質シリコン層と第2の電極層との間にはバッファー層を
設けており、半導体層と第2の電極層とのあいだの相互
拡散を防止できる。 【0020】さらに、第2の電極層と、バッファー層
と、半導体層のP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度
の非晶質シリコン層とは、膜厚方向に自己整合形状を有
する。さらにこの構成を有する薄膜ダイオードを複数個
有し、相互の薄膜ダイオードは半導体層が基板により絶
縁分離されている。このため、薄膜ダイオードの面積が
縮小化でき、薄膜ダイオードの容量を大幅に低減でき
る。 【0021】 【実施例】以下、図面に基づき本発明の半導体装置を構
成する薄膜ダイオードの構造を詳細に説明する。また、
本発明の薄膜ダイオードの説明に先立ち、まづ本発明の
薄膜ダイオードの構造に関する比較例を示し、続いて比
較例を参照し本発明の薄膜ダイオードの構造を説明す
る。 【0022】図3(a)は本発明の第1の比較例におけ
る半導体装置に利用する薄膜ダイオード・リングを示す
平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A’線に
おける断面を示す断面図である。 【0023】図3に示すように、第1の電極層14、2
0上に半導体層15を設け、この半導体層15上に第2
の電極層16を設ける。 【0024】そして第1の電極層14と半導体層15と
第2の電極層16とを設けた領域が薄膜ダイオード2
3、26となる。なお24、25で示す領域はコンタク
ト領域である。 【0025】本発明の第1の比較例では、その製造工程
においては3つのマスクパタンしか用いていない。 【0026】すなわち第1の電極層14、20をパタン
形成するときに用いる第1のパタン11と、半導体層1
5をパタン形成するときに用いる第2のパタン13と、
第2の電極層16をパタン形成するときに用いる第3の
パタン12との3つである。 【0027】本発明の第1の比較例の特徴は、第2のパ
タン13、すなわち薄膜ダイオード23、26は、第1
のパタン11と第3のパタン12との重なり部分よりも
大きいことである。 【0028】このような3つのパタンを使用し、基板上
の第1の電極層14、20と、半導体層15と、第2の
電極層16とを順次パタン形成して形成する薄膜ダイオ
ードは図3(b)の断面図に示すように、第2の電極層
16を薄膜ダイオード上から引き出す電極引き出し部2
7の領域において、パタンの幅が第1の電極層14、2
0、半導体層15、第2の電極層16の順に矢印17、
18、19に示した寸法であり、矢印19が一番大きく
矢印17が一番小さくなっている。 【0029】この構造では電極引き出し部27では、第
1の電極層14と第2の電極層16は半導体層15によ
って分離されており、従来技術を示す図2における層間
絶縁膜7が不要になっている。 【0030】以上の説明のように、本発明の第1の比較
例は、従来技術を示す図2と比較して、パタン数および
層数が低減化され、製造工程が大幅に簡略化されてい
る。 【0031】さらに本発明の第1の比較例では、第1の
電極層14と第2の電極層16との重なりは、それぞれ
のパタンの交点のみであり、層間絶縁膜7を用いた図2
と比べると、同一パタンルール使用時で面積が約1/6
に縮小化されている。その結果、薄膜ダイオード素子の
容量は大幅に低減さえている。 【0032】図4(a)、図4(b)は本発明の第2の
比較例における薄膜ダイオードを示し、図4(a)は平
面図、図4(b)は製造工程を説明するための図4
(a)のA−A’線における断面、B−B’線における
断面での断面図である。 【0033】なお、図4(b)は一番上が最初の工程、
一番下が最後の工程であり、下に行くにつれ順次つぎの
工程を示している。さらにそれぞれの工程において左側
の図は図4(a)のA−A’断面を示し、右側の図は図
4(a)のB−B’断面を示している。 【0034】図4に示す第1のパタン11と第2のパタ
ン13と第3のパタン12とは、図3と同一である。 【0035】この第2の比較例と第1の比較例の相違
は、半導体層33が斜線交差部28、29にのみ残され
ている点である。 【0036】製造工程を説明する。まず基板5の上に第
1の電極層30、31、32を第1のパタン11でパタ
ーニングする。引き続いて半導体層33、34を第2の
パタン13でパターニングする。さらに第2の電極層3
5、36を第3のパタン12でパターニングすることに
より、図3に示すような薄膜ダイオード23、26が完
成する。 【0037】本発明の第2の比較例では、さらに第2の
電極層35、36をマスクとして半導体層33、34を
もう一度パターニングする。 【0038】以上の工程により斜線交差部28、29に
示すように、第2のパタン13と第3のパタン12との
重なり部に半導体層を形成することができる。 【0039】本発明の第2の比較例は、第1の比較例と
同じ効果を有し、さらに別の効果としては第1の比較例
と比較して半導体層の面積がより縮小化され、薄膜ダイ
オードの低容量化を実現している。 【0040】この半導体層の小面積化は、自己接合技術
を用いているため、製造工程はエッチング工程が増える
のみで、被膜形成工程と、感光性樹脂の形成とフォトマ
スクを用いた露光処理と現像処理のフォトリソ工程とは
必要でない。 【0041】以上説明した第1の比較例と第2の比較例
における第1の電極層と第2の電極層は、Al、Cr、
Mo、Auなどの金属材料や、あるいはドープされたS
i、Geなどの半導体材料や、In2O3、SnO2な
どの透明電極材料や、あるいは以上記載の材料の複合層
が適用可能である。 【0042】半導体層は非晶質Si、SiNx、SiC
x、SiGex、SiSnxなどが適用可能であり、そ
して半導体層の構造は下からPIN型、NIP型、NI
型、PI型、IN型、IP型、I型などが適用可能であ
る。 【0043】図5はNIP型の非晶質Siを半導体層と
した本発明の第3の比較例を示す断面図である。 【0044】In2O3からなる第1の電極層41上に
第1の導電型(NまたはP)不純物をドープした非晶質
シリコン層42と、ノンドープの非晶質シリコン層43
と、第2の導電型(PまたはN)の不純物がドープされ
た非晶質シリコン層44を設ける。 【0045】そして第1の導電型の不純物をドープした
非晶質シリコン層42と、ノンドープの非晶質シリコン
層43と、第2の導電型の不純物ドープした非晶質シリ
コン層44とにより、半導体層45を構成する。 【0046】この3層構造からなる半導体層45は、同
時にパタン形成されている。さらに半導体層45上に第
2の電極層46を設ける。この第2の電極層46はA
l、またはCrで構成する。 【0047】本発明の第3の比較例は、第1の導電型の
不純物ドープした非晶質シリコン層42を通じて第1の
電極層41と第2の電極層46とがショートしないよう
な工夫が必要である。 【0048】これは、非晶質Siのエッチング速度がI
P型に比べてN型が格段に速い性質を用いて、半導体層
45のパターニング工程で、N型の不純物をドープした
非晶質Si層42をアンダーエッチングすることによ
り、空隙47、48を設け、第1の電極層41と第2の
電極層46とのショート発生を防止している。 【0049】さらに電極引き出し部(27に相当)の長
さLと幅W(図示せず)の比W/Lを充分小さくし、第
1の導電型不純物をドープした非晶質Si層42の厚さ
d1(図示せず)を薄くすることにより、実効的にショ
ート発生を回避することができる。 【0050】たとえばN型の非晶質Si層42の導電率
ρ1を10-4(Ωcm)-1とし、表示要素の保持容量C
sを1PFとし、保持時間を10msecとすると、d
1=約10nm、W/L=約1〜5とすればよい。 【0051】図6は本発明の第4の比較例を示す断面図
である。金属材料あるいは透明電極層材料からなる下層
電極層49と、非単結晶シリコン材料からなり第1の導
電型(NまたはP)の不純物ドープにより低抵抗化され
た不純物ドープ層50とで第1の電極層54を構成す
る。このように第1の電極層54は複合層である。 【0052】第1の電極層54上にノンドープSi層5
1と、第2の導電型(PまたはN)不純物をドープした
ドープSi層52とを設ける。薄膜ダイオード主部とな
る半導体層53はノンドープSi層51と、ドープSi
層52との2層よりなる。 【0053】さらにこの半導体層53上に第2の電極層
46を設ける。 【0054】薄膜ダイオードは、第1の電極層54を構
成するたとえばN型のドープSi層50と、半導体層5
3を構成するノンドープSi層51(I型層)と、P型
の不純物ドープしたドープSi層52との3層(PIN
型)により形成されている。 【0055】本発明の第4の比較例の特徴は、第1の電
極層54として金属あるいは透明電極からなる下層電極
層49と、半導体材料からなる不純物ドープ層50との
2層構造を用いている点である。 【0056】このことによりNIP型構造を実現しなが
らも第1の電極層54と第2の電極層46間は高抵抗な
ノンドープSi層51により絶縁され、ショートの問題
は回避できる。 【0057】図7は本発明の第5の比較例を示す断面図
である。第1の電極層411はたとえばMoであり、半
導体層531はノンドープSi層511とN型Si層5
21とで構成し、第2の電極層461はN型Si層52
1とオーミック接触を有するAl、Crである。 【0058】本発明の第5の比較例の特徴は、薄膜ダイ
オードが第1の電極層411と半導体層531との間の
ショットキー障壁により形成されている点である。 【0059】本発明の第5の比較例でも第1電極層41
1と第2の電極層461とは、電極引き出し部(27に
相当)において高抵抗ノンドープSi層511で分離さ
れている。このためショートの問題を生じることなし
に、良好な特性の薄膜ダイオードが得られる。 【0060】図8は本発明の第6の比較例における薄膜
ダイオードを示す断面図である。第1の電極層412は
たとえばMgで構成し、半導体層542はノンドープS
iで構成し、第2の電極層462はたとえばMoで構成
する。 【0061】本発明の第6の比較例の特徴は、第1の電
極層412と半導体層542とがオーミック接触をして
おり、第2の電極層462と半導体層542とがショッ
トキー接触している点である。 【0062】本発明の第6の比較例もショートの問題が
解決されており、しかも構成も簡単である。さらに第6
の比較例ではショットキー障壁が最後の工程で形成され
るため、他の膜形成工程などの加熱過程がなく、良好な
障壁が得られる。 【0063】図8と逆に第1の電極層412と半導体層
542の間をショットキー接触、半導体層542と第2
の電極層462の間をオーミック接触としても、ショー
トの問題は回避される。 【0064】図9は本発明の第7の比較例における薄膜
ダイオードを示す断面図である。第1電極層413上に
設ける半導体層543と第2の電極層463の間にバッ
ファー層553を有する。 【0065】たとえば第2の電極463がAl、半導体
層543が非晶質Siの場合バッファー層553として
Crを100nm程度の膜厚で用いることは、後工程に
おける相互拡散を防止する上で有効である。 【0066】本発明の第7の比較例ではバッファー層5
53は、半導体層543と同じパタンでパターニングす
ることにより、バッファー層553形成のための膜形成
工程を増やすのみで、工程を余り変えずに実現してい
る。 【0067】本発明の第7の比較例のようにバッファー
層などの付加的な構造を加えても、本発明は有効であ
る。以上の比較例を参照し第1の実施例として説明す
る。 【0068】この第1の実施例の複数の薄膜ダイオード
の平面パタン形状は、図3を用いて説明した第1の比較
例、または図4を用いて説明した第2の比較例の形状と
し、複数の薄膜ダイオードは、相互の薄膜ダイオードの
半導体層が基板により絶縁分離されている。その構造の
詳細な説明は、さきに説明したので省略する。 【0069】この第1の実施例の断面形状は、図5を用
いて説明した第3の比較例と、図9を用いて説明した第
7の比較例とを組み合わせたものである。すなわち、図
5に示すように、薄膜ダイオードは、基板側から順次、
第1の電極層41と、半導体層45と、第2の電極層4
6とを有する。 【0070】半導体層45は、第1の電極層41側から
順次、N型の非晶質シリコン層42と、低不純物濃度の
非晶質シリコン層43と、P型の非晶質シリコン層44
とからなる。 【0071】さらにP型の非晶質シリコン層44と第2
の電極層46とのあいだに、図9に示すバッファー層5
53を設ける。図5に示すように、第1の電極層41は
基板上に設け、半導体層45は第1の電極層41の上面
と側壁と基板上とに設ける。第2の電極層46は、バッ
ファー層(図5には図示せず)上面と側壁と半導体層4
5の側壁と基板上とに設ける。 【0072】そして図5および図9には図示していない
が、バッファー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物
濃度の非晶質シリコン層とは膜厚方向に自己整合形状に
なっている。さらにN型の非晶質シリコン層はバッファ
ー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度の非晶質
シリコン層よりパタン形状を小さくして、第2の電極層
とN型の非晶質シリコン層とのあいだに空隙47、48
を設ける。この空隙47によって、第1の電極層41と
第2の電極層46とを完全に絶縁化することができる。
さらにバッファー層を設けることにより、半導体層と第
2の電極層とのあいだの相互拡散を防止することができ
る。 【0073】さらに、図5〜図9以外の構造も、図3、
図4で示した第1、第2の比較例で明らかにした構造を
有するものは本発明に含まれる。 【0074】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の半導体装置は層間絶縁膜を必要とせず、少ないパタン
数、層数で電極間リークの少ない良好な特性をもつ薄膜
ダイオードを実現することができる。さらに自己整合技
術を用いることにより素子面積と、素子容量とを大幅に
低減することができ、液晶などを用いた表示パネル用の
スイッチング素子、あるいは非線形素子としてきわめて
適した薄膜ダイオードを備える半導体装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイオード・リング接続による非線形素子の等
価回路を示す回路図である。 【図2】従来技術によるリング接続した薄膜ダイオード
を示す図面である。 【図3】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る複数の薄膜ダイオードを示す図面である。 【図4】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る複数の薄膜ダイオードを示す図面である。 【図5】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図6】本発明の比較例における半導体装置を構成する
薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図7】本発明の比較例における半導体装置を構成する
薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図8】本発明の比較例における半導体装置を構成する
薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図9】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る薄膜ダイオードを示す断面図である。 【符号の説明】 413 第1の電極層 463 第2の電極層 543 半導体層 553 バッファー層
価回路を示す回路図である。 【図2】従来技術によるリング接続した薄膜ダイオード
を示す図面である。 【図3】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る複数の薄膜ダイオードを示す図面である。 【図4】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る複数の薄膜ダイオードを示す図面である。 【図5】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図6】本発明の比較例における半導体装置を構成する
薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図7】本発明の比較例における半導体装置を構成する
薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図8】本発明の比較例における半導体装置を構成する
薄膜ダイオードを示す断面図である。 【図9】本発明の実施例に利用する半導体装置を構成す
る薄膜ダイオードを示す断面図である。 【符号の説明】 413 第1の電極層 463 第2の電極層 543 半導体層 553 バッファー層
フロントページの続き
(72)発明者 反町 和昭
埼玉県所沢市大字下富字武野840番地
シチズン時計株式会社技術研究所内
(72)発明者 田辺 浩
埼玉県所沢市大字下富字武野840番地
シチズン時計株式会社技術研究所内
審査官 藤原 敬士
(56)参考文献 特開 昭58−101469(JP,A)
特開 昭57−100770(JP,A)
特開 昭58−114453(JP,A)
特開 昭57−5372(JP,A)
特開 昭58−84467(JP,A)
特開 昭58−78473(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.複数の薄膜ダイオードを備える半導体装置であっ
て、 薄膜ダイオードは第1の電極層と半導体層とバッファー
層と第2の電極層とを有し、 第1の電極層は基板上に設け、 半導体層は第1の電極層の上面と側壁と基板上とに設
け、そして基板上から順次N型の非晶質シリコン層と低
不純物濃度の非晶質シリコン層とP型の非晶質シリコン
層とからなり、 バッファー層は半導体層の上面に設け、 第2の電極層はバッファー層上面と側壁と半導体層の側
壁と基板上とに設け、 バッファー層とP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度
の非晶質シリコン層とは膜厚方向に自己整合形状になっ
ており、さらにN型の非晶質シリコン層はバッファー層
とP型の非晶質シリコン層と低不純物濃度の非晶質シリ
コン層よりパタン形状を小さくして第2の電極層とN型
の非晶質シリコン層とのあいだに空隙を設けて第1の電
極層と第2の電極層とを絶縁化し、 複数の薄膜ダイオードは、相互の薄膜ダイオードの半導
体層が基板により絶縁分離されていることを特徴とする
半導体装置。
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