JP2705958B2 - 工作機械、殊に研削盤の高速回転主軸の軸受装置 - Google Patents

工作機械、殊に研削盤の高速回転主軸の軸受装置

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JP2705958B2 JP63323817A JP32381788A JP2705958B2 JP 2705958 B2 JP2705958 B2 JP 2705958B2 JP 63323817 A JP63323817 A JP 63323817A JP 32381788 A JP32381788 A JP 32381788A JP 2705958 B2 JP2705958 B2 JP 2705958B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、工作機械、殊に研削盤の高速回転主軸の軸
受装置であって、主軸フランジ近くに配置された少なく
とも１つの前側軸受と少なくとも１つの後側軸受とを有
し、該前側及び後側軸受がそれぞれ少なくとも３つの、
等しい角度的間隔で主軸に係合し該主軸を軸受けする、
主軸よりも大きな直径を有する支持ローラを有してお
り、該支持ローラがその両側に設けられた支持ローラジ
ャーナルで、主軸及び支持ローラを受容しているケーシ
ング内の小直径の精密軸受に軸受けされている形式のも
のに関する。
現代の工作機械の主軸若しくは駆動軸には作業速度に
関して高い要求が課される。このため、工具が回転する
工作機械、例えば研削盤の場合には、工具若しくはこれ
を駆動する主軸に高い回転数が要求される。高速研削作
業では、100,000回転毎分以上の主軸回転数が必要とな
るが、このような高い回転数の主軸を従来の転がり軸受
又は滑り軸受によって良好に軸受けすることはもはや不
可能である。就中、極めて大きな遠心力が発生するた
め、精密加工のために必要な剛性を軸受装置内に維持す
ることができない。
従って、このような剛性を達成するため、従来の軸受
技術から転じて、例えば主軸を大きな直径の支持ローラ
間に支承し、かつ該支持ローラを遊星ギヤ状に公転する
ローラとして、主軸ケーシングの不動の外輪内に軸受け
するという実験的な試みも存在した。このような試みに
よれば、公転する支持ローラの大きな直径により回転数
の低減が行われ、その結果少なくとも理論的には軸受装
置内における遠心力が良好に制御される。しかしこのよ
うな手段の実施は実施には断念された。それというの
は、ここで問題とされている型式の工作機械に課される
極めて高い精度上の要求を充たすことができなかったか
らである。多くの軸受面、即ち主軸と支持ローラとの軸
受面及び支持ローラと外輪との軸受面が種々異なる型式
で空間的に配置されるため、この軸受装置には、その構
成部分を極めて精密に製作し組立てても、不可避的に遊
びが生じ、従って精密加工を可能にするために十分な剛
性を有することができない。
本発明の課題は、150,000回転毎分の回転数域におい
てもなお十分な剛性を保有し、このような高い回転数に
おいてもなお工作機械の精密加工を可能ならしめる軸受
装置を提供することにある。
この課題は本発明によれば、はじめに述べた形式の軸
受装置において、主軸が軸受面として互いに向かい合っ
て傾斜した円錐区分を有しており、かつ支持ローラがそ
の軸線が円錐区分の円錐外周面に対して平行になるよう
に配置されており、かつ一方の軸受の少なくとも支持ロ
ーラが主軸に対して軸平行に調節可能となっている。
主軸がこれより直径の大きい支持ローラ間に軸受けさ
れることにより、本発明の軸受装置においてもまず、支
持ローラのところで、支持ローラ直径と主軸直径との比
で、回転数の低減が行われる。この、より低い回転数
は、支持ローラが定置に配置されていることに基いて、
軸受技術上、小さい、例えば15mm孔径の精密玉軸受で、
比較的問題なく軸受けすることができる。支持ローラが
定置に配置されていることに基き、軸受装置は高い剛性
を有し、かつ、全軸受装置内において、高い加工精度を
達成するために必要な狭い公差を実現することができ
る。
また、長期間に亘る運転後にも、遊びが生じないよう
にするために、本発明の構成によれば、主軸が軸受面と
して互いに向かい合って傾斜した円錐区分を有してお
り、かつ支持ローラがその軸線が円錐区分の円錐外周面
に対して平行になるように配置されており、かつ一方の
軸受の少なくとも支持ローラが主軸に対して軸平行に調
節可能となっている。
上記の構成によれば、少なくとも一方の軸受の支持ロ
ーラが調節可能であることにより、軸受装置にプレロー
ドを負荷することができる。この場合少なくとも一方の
軸受の各支持ローラが、個別的に及び又は全て一緒に、
主軸に対して軸平行に調節可能であるようにすることが
できる。
個々の支持ローラを調節することにより又は全ての支
持ローラを一緒に調節することにより、軸受は主軸の軸
方向でプレーロードを負荷され、要するに遊びのない軸
受機能がえられ、これは長い運転時間に亘って維持され
る。
個々の支持ローラにプレロードを負荷するため又は全
ての支持ローラを一緒に調節するために、圧力媒体（液
力若しくは空気力）又はばね力を用いることができ、こ
れに対して１つの軸受の全ての支持ローラを一緒に調節
するためには調節サーボモータを用いることもできる。
個々の支持ローラの調節はさらに、所定の角度だけ主
軸を傾斜させて配置することを可能にし、その結果小さ
い円錐頂角の円錐面を研削することができ、又は砥石車
を工作物に当付けて逃げ角を工具側に形成することがで
きる。
プレロードを専ら、工具が取付けられる主軸フランジ
から遠い方の後側軸受の支持ローラのみ与えることも可
能である。
支持ローラの精確な転動を保証するために、支持ロー
ラの転動面を球面状に構成し、その結果、少なくとも理
論的には、支持ローラが主軸の円錐区分にたんに一点で
接触するようにするのが有利である。
最後に本発明のさらに別の構成によれば、主軸が該主
軸上に嵌着されたHF−モータにより駆動され、軸受が該
HF−モータの両側に配置されている。
この構成によれば軸受装置の短いかつコンパクトな構
造が得られる。
次に図示の実施例につき本発明を説明する。
第１図には主軸２のケーシング１が示されており、主
軸２はその前端部に、工具、例えば砥石車が取付けられ
る主軸フランジ３を有している。主軸２上にはHF−モー
タのロータ４が嵌込まれており、このロータ４は緊締リ
ング５によって主軸２上に固定されている。HF−モータ
のロータ４に対して同心的に該モータのステータ６が配
置されており、このステータはモータケーシング７によ
って取囲まれている。ステータ６及びモータケーシング
７は供給路８及び排出路９を介して冷却剤を供給排出さ
れる。
モータケーシング７は、前側ケーシング部分10と後側
ケーシング部分11とから成る主軸ケーシング１の一部を
なしている。両ケーシング部分10,11内にはそれぞれ１
つの軸受12若しくは13が配置されており、これらの両軸
受は主軸２の軸受装置を構成している。軸受12,13は、
それぞれ、３つの支持ローラ14を有し、これらは、第２
図から判るように、１つの仮想円の円周上に等しい角度
的間隔で配置されている。さらに主軸２は軸受の範囲に
それぞれ１つの円錐区分15,16を有し、これらの区分は
主軸２の軸受面を形成し、これらの軸受面上で支持ロー
ラ14が転動する。前側軸受の円錐区分15が主軸２の一部
であるのに対して、後側軸受13の円錐区分16は、主軸上
にはめられた軸受ブッシュ17に形成されており、軸受ブ
ッシュ17はこの目的でくびれた部分を有している。
前側及び後側の軸受12,13の支持ローラ14の転動面18
は、第３図から判るように、球面状に構成されており、
その結果これらの転動面は円錐区分15,16上にほぼ線接
触して転動する。
支持ローラ14は両側に配置されたジャーナル19,20を
以て小径の精密アンギュラ玉軸受21,22内に軸受けされ
ており、該精密アンギュラ玉軸受自体は軸受ケーシング
23,24（前側軸受）若しくは25,26（後側軸受）内にはめ
込まれている。この場合それぞれ外側に位置する精密ア
ンギュラ玉軸受21が調節可能な軸受として構成されてお
り、これに対してそれぞれ内側に位置する精密アンギュ
ラ玉軸受22は定置の軸受として構成されている。さらに
精密アンギュラ玉軸受21,22の全体は、支持ローラ14を
遊びなく軸受けするために、それぞれ１つのカバー27,2
8によってプレロードを有する状態に緊締することがで
きる。
支持ローラ14は、殊に第２図から判るように、これと
協働する主軸の軸受面よりも著しく大きな直径を有して
おり、従って支持ローラは相応して少ない回転数で回転
する。さらに第１図から判るように、円錐区分15,16は
相互に向かい合って等しい角度で傾斜している。
支持ローラの軸線はそれぞれ円錐区分に対して平行で
あり、従って該支持ローラの回転平面は円錐区分に対し
て垂直である。
軸受12,13にプレロードを負荷することができるよう
にするため、少なくとも、後側軸受13の支持ローラ14が
主軸２に対して軸平行に調節可能になっている。この目
的で軸受ケーシング25,26は調節ピストン29に嵌着され
ており、この調節ピストン29は、一方では、後側のケー
シング11内において、他方ではピストンロッド30及び鍔
31を介して外側のシリンダ32内において、案内される。
ピストン29は、支持ローラ14にプレロードを負荷するた
め、シリンダ32内に設けられたばね33により、外側へ押
圧されている。このようなばね負荷の代りに圧力媒体を
負荷することも可能であり、さらには、３つの全てのピ
ストン29に作用する調節サーボモータを全ての支持ロー
ラを一様に等しく調節するために設けることも可能であ
る。軸受装置の本発明による構成によれば、主軸の高い
回転数は、軸受ローラのところで減速され、慣用の主軸
軸受（精密アンギュラ玉軸受）及び従来の油霧潤滑手段
によって主軸の申し分のない軸受が可能である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は主軸及
びその軸受装置の縦断面図、第２図は第１図のII−II線
による断面図、第３図は支持ローラの拡大詳細図であ
る。 １……ケーシング、２……主軸、３……主軸フランジ、
４……ロータ、５……緊締リング、６……ステータ、７
……モータケーシング、８……供給路、９……排出路、
10……前側ケーシング部分、11……後側ケーシング部
分、12,13……軸受、14……支持ローラ、15,16……円錐
区分、17……軸受ブッシュ、18……転動面、19,20……
ジャーナル、21,22……精密アンギュラ玉軸受、23,24…
…前側軸受ケーシング、25,26……後側軸受ケーシン
グ、27,28……カバー、29……調節ピストン、30……ピ
ストンロッド、31……鍔、32……シリンダ、33……ばね

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】工作機械の高速回転主軸の軸受装置であっ
    て、主軸フランジの近くに配置された少なくとも１つの
    前側軸受と少なくとも１つの後側軸受とを有し、上記前
    側及び後側軸受がそれぞれ、少なくとも３つの、等しい
    角度的間隔で主軸に係合し該主軸を軸受する、該主軸よ
    り大きな直径の支持ローラを有しており、該支持ローラ
    がその両側に設けられた支持ローラジャーナルで、主軸
    及び支持ローラを受容しているケーシング内の小直径の
    精密軸受に軸受けされている形式のものにおいて、 主軸（２）が軸受面として互いに向かい合って傾斜した
    円錐区分（15,16）を有しており、かつ支持ローラ（1
    4）がその軸線が円錐区分の円錐外周面に対して平行に
    なるように配置されており、かつ一方の軸受（12,13）
    の少なくとも支持ローラ（14）が主軸（２）に対して軸
    平行に調節可能であることを特徴とする、工作機械、、
    殊に研削盤の高速回転主軸の軸受装置。
  2. 【請求項２】少なくとも一方の軸受（12,13）の各支持
    ローラ（14）が個別的に及び又は一緒に、主軸（２）に
    対して軸平行に調節可能であることを特徴とする、請求
    項１記載の軸受装置。
  3. 【請求項３】全ての各支持ローラ（14）が圧力媒体又は
    ばね力（13）により調節可能であることを特徴とする、
    請求項１又は２記載の軸受装置。
  4. 【請求項４】一方の軸受（13）の各支持ローラ（14）が
    調節サーボモータによって一緒に調節可能であることを
    特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記載の
    軸受装置。
  5. 【請求項５】後側軸受（13）の支持ローラ（14）だけが
    主軸（２）に対して軸平行に調節可能であることを特徴
    とする、請求項１から４までのいずれか１項記載の軸受
    装置。
  6. 【請求項６】支持ローラ（14）が球面状の転動面（18）
    を有していることを特徴とする、請求項１から５までの
    いずれか１項記載の軸受装置。
  7. 【請求項７】軸受（12,13）が、主軸（２）上に嵌着さ
    れた、主軸（２）を駆動するHF−モータ（4,6）の両側
    に配置されていることを特徴とする、請求項１から６ま
    でのいずれか１項記載の軸受装置。
JP63323817A 1987-12-24 1988-12-23 工作機械、殊に研削盤の高速回転主軸の軸受装置 Expired - Lifetime JP2705958B2 (ja)

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DE3744522C2 (ja) 1992-07-30

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