JP2703772B2 - ベルト巻掛伝動装置の無段変速機構 - Google Patents

ベルト巻掛伝動装置の無段変速機構

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JP2703772B2
JP2703772B2 JP63075175A JP7517588A JP2703772B2 JP 2703772 B2 JP2703772 B2 JP 2703772B2 JP 63075175 A JP63075175 A JP 63075175A JP 7517588 A JP7517588 A JP 7517588A JP 2703772 B2 JP2703772 B2 JP 2703772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ベルト巻掛伝動装置の無段変速機構に関す
る。
(従来の技術) 従来、駆動軸に設けられた駆動プーリと、従動軸に設
けられた従動プーリとにベルトを巻掛けて動力を伝達す
るものでは、従動軸を無段変速するために駆動軸の速度
そのものを変化させていた。
しかし、駆動軸が例えば内燃機関により駆動されるも
のでは、その変速のためには内燃機関の回転数を変化さ
せる必要があるが、内燃機関の回転数は機関効率と相関
関係にあるため、駆動軸そのものを変速するのは好まし
くない。
そこで本件出願人は、実願昭61-199647号にて、駆動
軸を変速することなく従動軸を無段変速することができ
る機構を提供している。
これは、駆動軸17に設けられた駆動プーリ18の巻掛溝
20と、中継軸40に設けられた中継プーリ41の第一巻掛溝
43とに第一ベルト46が巻掛けられ、中継プーリ41の第二
巻掛溝44と従動軸33に設けられた従動プーリ34の巻掛溝
47とに第二ベルト48が巻掛けられているベルト巻掛伝動
装置において、中継プーリ41の両巻掛溝43,44は径方向
内方に向かうに従い軸方向の溝幅が漸次狭くなるものと
されると共に、その両巻掛溝43,44の仕切部45が軸方向
移動自在とされ、この仕切部45の軸方向移動により中継
プーリ41の両巻掛溝43,44のピッチ円直径を変化させる
ことができるように、中継軸40は、駆動軸17と従動軸33
との一方から離反するときは他方に近接するように移動
可能とされている無段変速機構である。
これにより、中継軸40が駆動軸17から離反すると共に
従動軸33に近接すると、駆動プーリ18と中継プーリ41と
に巻掛けられた第一ベルト46の張力は大きくなり、中継
プーリ41と従動プーリ34とに巻掛けられた第二ベルト48
の張力は小さくなる。
すると、中継プーリ41の両巻掛溝43,44は径方向内方
に向かうに従い軸方向の溝幅が漸次狭いため、仕切部45
を第二巻掛溝44に向かって軸方向に動かす分力が生じ
る。これにより仕切部45が第二巻掛溝44側に軸方向移動
すると、第一巻掛溝43のピッチ円直径は小さくなり、第
二巻掛溝44のピッチ円直径は大きくなり、従動軸33は増
速されることになる。また、中継軸40を駆動軸17に近接
させると、上記とは逆に従動軸33は減速されることにな
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように中継プーリ41を移動させて変速する場
合、中継プーリ41には第一ベルト46と第二ベルト48を介
して常に張力が作用しているため、その張力に抗して移
動させる必要があり、その移動操作に大きな力を要する
という問題がある。
本発明は上記問題点を解決することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の特徴とするところは、駆動軸17に設けられた
駆動プーリ18の巻掛溝20と、中継軸40に設けられた中継
プーリ41の第一巻掛溝43とに第一ベルト46が巻掛けら
れ、中継プーリ41の第二巻掛溝44と従動軸33に設けられ
た従動プーリ34の巻掛溝47とに第二ベルト48が巻掛けら
れ、中継プーリ41の両巻掛溝43,44は径方向内方に向か
うに従い軸方向の溝幅が漸次狭くなるものとされると共
に、その両巻掛溝43,44の仕切部45が軸方向移動自在と
され、この仕切部45の軸方向移動により中継プーリ41の
両巻掛溝43,44のピッチ円直径を変化させることができ
るように、中継軸40は、駆動軸17と従動軸33との一方か
ら離反するときは他方に近接するように移動可能とさ
れ、第一ベルト46及び第二ベルト48の少なくとも一方に
対し、張力を作用する方向と張力を解除する方向とに移
動自在なテンションプーリ107が設けられているベルト
巻掛伝動装置の無段変速機構であって、 前記中継プーリ41は駆動プーリ18及び従動プーリ34に
対して三角配置され、テンションプーリ107はその三角
の範囲内に配置されている点にある。
(作用) 中継プーリ41を移動させて変速する場合は、テンショ
ンプーリ107を、第一ベルト46及び第二ベルト48の少な
くとも一方に対する張力を解除する方向に移動させる。
しかる後に中継プーリ41を移動させて変速を完了すれ
ば、テンションプーリ107を張力を加える方向に移動さ
せる。中継プーリ41は駆動プーリ18及び従動プーリ34に
対して三角配置されているため、変速時に駆動プーリ18
から離反する方向に移動すると、第一ベルト46の中継プ
ーリ41側の巻掛け径は小径となり、三角範囲内に位置す
るテンションプーリ107に当接しているベルトの変位量
は小さく、変速前後でテンションプーリ107が与える張
力の変化は微量となる。
(実施例) 以下、実施例を図面に基づき説明する。
図面は本発明を適用した歩行形モアー1に係り、この
モアー1は、第2図及び第3図に示すようにモアー本体
2、機体フレーム3、ハンドル4、前後輪5,6、エンジ
ン7、後輪駆動用ミッションケース8、燃料タンク9、
集草容器10により主構成されている。
モアー本体2は、デッキ11と、このデッキ11下方で縦
軸中心に回転駆動される三枚の刈刃12を備え、前記機体
フレーム3にリンク機構13を介して昇降自在に吊下げら
れ、ゲージ輪14を介して接地する。
機体フレーム3は、平面視矩形枠状で、前端のフレー
ム部材が左右突出され、そこに前輪5が縦軸15中心に回
転自在に取付けられている。
ハンドル4は平面視コ字形で、機体フレーム3の後端
から上方延出されると共にその上端から後方延出され、
後端が把持部16とされている。
エンジン7は機体フレーム3の前後略中央位置に搭載
され、その下面から駆動軸17が下向き突出されている。
この駆動軸17からベルト巻掛伝動装置を介して刈刃12と
後輪6とに動力が伝達される。
駆動軸17には、第5図示のように駆動プーリ18が同行
回転するよう設けられ、その外周には上下一対の巻掛溝
19,20が形成されている。
駆動プーリ18の上方の巻掛溝19と、前記三枚の刈刃12
のうち、中央の刈刃回転軸21に設けられた刈刃回転動力
受入用プーリ22とに、刈刃駆動用ベルト23が巻掛けられ
る。また、全刈刃12の回転軸には刈刃動力伝達プーリ24
が設けられると共に、これらプーリ24に刈刃動力伝達ベ
ルト25が巻掛けられている。これにより、エンジン7に
より刈刃12が回転駆動される。
ここで、前記刈刃駆動用ベルト23は通常は緩み状態で
動力を伝達せず、刈刃用テンションローラ26により押圧
されることで張状態とされ、動力を伝達する。このテン
ションローラ26は、第1図に示すように、機体フレーム
3に対して支軸27中心に揺動自在に支持されたV形ブラ
ケット28の一端に取付けられ、バネ29によってベルト23
からの離反方向に付勢されている。そして、そのブラケ
ット28の他端に、テンションローラ26がベルト23を押圧
するようブラケット28を揺動操作するためのプッシュプ
ルワイヤ30の一端が接続されている。このワイヤ30の他
端は、第14図及び第15図に示す刈刃駆動レバー31に連結
されいる。すなわち、刈刃駆動レバー31は前記ハンドル
4の把持部16に沿う平面視コ字形で、両端がハンドル4
に横軸32中心に回転自在に支持され、その支持部から上
向突出されたレバー端部にワイヤ30の他端が連結されて
いる。これにより、レバー31を押し下げて揺動させるこ
とで、テンションローラ26はベルト23を押圧し、刈刃12
を回転駆動させることができる。
後輪駆動用ミッションケース8は、エンジン7の後方
位置で機体フレーム3に取付けられ、第6図示のように
その下面からは従動軸33が下向き突出され、そこに従動
プーリ34が同行回転するよう設けられている。
また、ミッションケース8の下面には張出アーム35が
取付けられ、この張出アーム35の張出端に、第1図及び
第4図に示すように揺動アーム36が縦向支軸37中心に揺
動自在に取付けられている。この揺動アーム36は二部材
36a,36aを長孔38とボルト39とで連結して形成すること
で長さ調節自在とされ、その先端には中継軸40が下向き
突出するように取付けられている。
この中継軸40は、揺動アーム36の揺動により、駆動軸
17と従動軸33との一方から離反するときは他方に近接す
るものとされている。そして、中継軸40に中継プーリ41
が設けられている。
中継プーリ41は、中継軸40に対してスリーブ42を介し
て相対回転自在とされており、下方側の第一巻掛溝43と
上方側の第二巻掛溝44とが形成されている。ここで、両
巻掛溝43,44の軸方向の溝幅は、径内方向に向かうに従
い漸次狭くなるものとされている。また、両巻掛溝43,4
4の仕切部45は軸方向移動自在とされている。そして、
駆動軸17の下方の巻掛溝20と第一巻掛溝43とに第一ベル
ト46が、従動プーリ34の巻掛溝47と第二巻掛溝44とに第
二ベルト48が巻掛けられている。これにより、駆動軸17
の回転が従動軸33に伝達される。
また、中継軸40の上端からは操作ブラケット49が延設
され、このアーム49の先端と機体フレーム3とに掛張さ
れた引っ張りバネ50が、中継軸40を駆動軸17に近接させ
る方向に前記揺動アーム36を揺動付勢している。また、
操作ブラケット49の先端には、中継軸40を駆動軸17から
離反させるように揺動アーム36を揺動操作するプッシュ
プルワイヤ51の一端が連結されている。このワイヤ51の
他端は、第11図乃至第13図に示す走行用操作レバー52に
連結されている。
この走行用操作レバー52は、第一・第二・第三部材5
3,54,55により分割形成されている。第一部材53は、前
記ハンドル4の把持部16から前方突出された支軸56に左
右揺動自在に取付けられている。第二部材54は、第一部
材53に左右横軸57中心に前後揺動自在に取付けられてい
る。第三部材55は、第二部材54に上下動自在に嵌合さ
れ、上端が握り部とされている。そして操作レバー52
は、案内カバー58に覆われると共に、このカバー58の案
内溝59から第三部材55が外方突出されている。ここで案
内溝59は操作レバー52の前後方向の揺動を案内する第一
案内溝59aと、この第一案内溝59aの前端に連設されて操
作レバー52の左右方向の揺動を案内する第二案内溝59b
とで形成され、それぞれ複数の径大部60を有する。この
径大部60の径は、操作レバー52の第三部材55に外嵌固定
された位置設定用筒体61が通過可能なものとされてい
る。また、その筒体61の外径は、案内溝59の径大部60以
外の部分は通過できないものとされている。そして、筒
体61と第二部材54との間に設けられた圧縮バネ62により
第三部材55は弾性的に押し下げ可能とされ、押し下げた
ときに筒体61が径大部60の下方に位置し、操作レバー52
は案内溝59に沿って移動できるものとされている。
上記操作レバー52の第二部材54に、前記プッシュプル
ワイヤ51の他端が取付けられることで、操作レバー52の
後方移動操作によって中継軸40は駆動軸17から離反し、
前方移動操作によって駆動軸17に近接する。
いま、操作レバー52を後方移動させて第1図A位置に
ある中継軸40がB位置に移動し、駆動軸17から離反する
と共に従動軸33に近接すると、駆動プーリ18と中継プー
リ41とに巻掛けられた第一ベルト46の張力は大きくな
り、中継プーリ41と従動プーリ34とに巻掛けられた第二
ベルト48の張力は小さくなる。
すると、中継プーリ41の両巻掛溝43,44は径方向内方
に向かうに従い軸方向の溝幅が漸次狭いため、仕切部45
を第二巻掛溝44に向かって軸方向に動かす分力が生じ
る。これにより仕切部45が第二巻掛溝44側に軸方向移動
すると、両ベルト46,48の巻掛状態は第4図に実線で示
す状態から仮想線で示す状態となり、第一巻掛溝43のピ
ッチ円直径は小さくなり、第二巻掛溝44のピッチ円直径
は大きくなり、従動軸33は増速されることになる。
逆に、操作レバー52を前方移動させて中継軸40を駆動
軸17に近接させると、上記とは逆に従動軸33は減速され
ることになる。
そして、第一ベルト46の緩み側にテンションプーリ10
7が当接されている。このテンションプーリ107は、取付
アーム110の一端に縦軸心に回転自在に取付けられてい
る。この取付アーム110の中途部は、フレーム3に対し
固定された縦支軸111中心に揺動自在とされている。ま
た、取付アーム110の他端には引張バネ112の一端が掛止
され、この引張バネ112の他端はフレーム3に掛止され
ている。これにより取付アーム110は、テンションプー
リ107が第一ベルト46に張力を作用する方向に引張バネ1
12により揺動付勢されている。
また、取付アーム110の一端には操作ワイヤ113の一端
が取付けられ、この操作ワイヤ113の他端は操作レバー
(図示省略)に連結され、そのレバー操作により取付ア
ーム110を、テンションプーリ107が第一ベルト46への張
力を解除する方向に揺動させる。これにより、前記揺動
アーム36を揺動させて変速する際には、テンションプー
リ107による第一ベルト46への張力付加を解除しておく
ことができる。そうすることで、揺動アーム36の揺動の
ためのレバー52の操作力を軽減でき、変速操作の円滑化
を図れ、また、ワイヤ切断事故等の防止も図れる。
なお、上記のように、駆動プーリ18、中継プーリ41及
び従動軸33の各中心を一直線上ではなく三角形の頂点位
置となるように配置し、中継プーリ41も直線的でなく揺
動により移動するようにすることで、第一ベルト46の緩
み側の変速前後の位置移動を可及的に小さなものとでき
る。これにより、その三角配置の範囲内に配置されてい
て第一ベルト46の緩み側に当接するテンションプーリ10
7の最大変速前後の位置変更は、第1図のA位置とB位
置とで示すように非常に小さなものとできる。これによ
り、変速の際のテンションプーリ107のバネ112の弾性力
による揺動操作は、どのような変速状態であっても常に
一定のレバーフィーリングで行なうことができる。
上記のようにして増減速される従動軸33の回転は、ミ
ッションケース8内の歯車伝動装置63と操向用ベルト巻
掛伝動装置64を介して後輪6に伝達され、走行速度の増
減速がなされる。
すなわち、歯車伝動装置63は第6図乃至第8図に示す
もので、前記従動軸33がベアリング65によりミッション
ケース8に支持されると共に、その内端に第一ベベルギ
ヤ66が設けられ、この第一ベベルギヤ66に噛合する第二
ベベルギヤ67が設けられている。この第二ベベルギヤ67
は、ミッションケース8に両端支持された支軸68に嵌着
されている。この支軸68にはシフトギヤ69が軸方向移動
自在に嵌合されている。このシフトギヤ69の外周溝には
シフトフォーク70が係合され、シフトフォーク70はシフ
ト軸71に取付けられている。シフト軸71は、ミッション
ケース8に軸受部材72,73を介して軸方向移動自在に支
持され、バネ74によって第6図中右方に移動付勢されて
いる。
また、シフト軸71の図中右端外周には軸方向に並列す
る三位置に周溝75が形成され、この周溝75に嵌合するボ
ール76が一方の軸受部材73に内装されると共に、バネ77
によって周溝75との嵌合方向に付勢され、これによりシ
フト軸71は軸方向三位置に位置決め可能とされている。
この三位置はそれぞれ前進、ニュートラル、後進位置と
なる。
シフト軸71の図中左端にはシフトレバー78が取付けら
れている。このシフトレバー78は、上端が支軸79中心に
揺動自在にミッションケース8に枢支され、下端にはシ
フト操作ワイヤ80の一端が連結されている。このシフト
操作ワイヤ80の他端は前記操作レバー52の下端に接続さ
れ、操作レバー52の左右移動操作によってシフト軸71が
軸方向移動位置決めされ、シフトフォーク70を介してシ
フトギヤ69は前進位置、ニュートラル位置、後進位置に
位置決めされる。
そして、シフトギヤ69が前進位置にあるときに噛合す
る伝動ギヤ81と、後進位置にあるときに噛合するバック
ギヤ82とが設けられている。バックギヤ82は常に伝動ギ
ヤ81と噛み合うものとされている。伝動ギヤ81は伝動軸
83に嵌着されている。この伝動軸83はミッションケース
8から左右突出し、その各端は機体フレーム3の外側と
後輪6の内側との間に位置され、そこに操向用ベルト巻
掛伝動装置64の駆動プーリ84が嵌着されている。
操向用ベルト巻掛伝動装置64は左右後輪用に一対設け
られており、第9図及び第10図に示すように前記駆動プ
ーリ84と、後輪車軸85に設けられた従動プーリ86と、両
プーリ84,86に巻掛けられる伝動ベルト87を備える。
そして、伝動ベルト87の張り側と緩み側の双方にテン
ションプーリ100,101が当接されている。一方のテンシ
ョンプーリ100は第一リンク103の一端に回転自在に取付
けられ、他方のテンションプーリ101は第二リンク104の
一端に回転自在に取付けられている。両リンク103,104
は円弧状で駆動プーリ84を囲むように配置され、その各
他端はミッションケース8の側壁に横軸120中心に揺動
自在に取付けられている。
また、両リンク103,104の各一端は引張バネ102によっ
て連結され、これにより両テンションプーリ100,101
は、伝動ベルト87に張力を作用させる方向に付勢されて
いる。
さらに、第一リンク103の一端には第三リンク121の一
端が、第二リンク104の一端には第四リンク122の一端が
それぞれ横軸中心に揺動自在に連結され、第三リンク12
1と第四リンク122の他端は横軸123を介して揺動自在に
連結されている。そして、その横軸123にはワイヤ124の
一端が揺動自在に連結され、このワイヤ124の他端には
連動レバー(連動体)105の一端が連結されている。こ
の連動レバー105の中途部は横軸125中心にミッションケ
ース8に揺動自在に取付けられ、また、連動レバー105
の一端からは制動用ブラケット92が一体的に延設され、
その先端には制動子94が取付けられている。そして、連
動レバー105の他端には制動用プッシュプルワイヤ95の
一端が連結され、このワイヤ95の他端は第15図示のよう
に、ハンドル4に揺動自在に取付けられた制動レバー96
に連結されている。
これにより、制動レバー96を握持して揺動操作する
と、連動レバー105が第9図中仮想線の状態に揺動す
る。すると、その揺動がワイヤ124、各リンク121,122,1
03,104を介してテンションプーリ100,101に伝わり、図
中仮想線のようにテンションプーリ100,101の間隔はバ
ネ102の弾性力に抗して拡開される。これにより、伝動
ベルト87への張力付加が解除され、駆動プーリ84から従
動プーリ86への動力伝達は切断された状態となる。この
動力伝達の切断と同時に、制動子94も図中仮想線のよう
に揺動して従動プーリ86に圧接され、従動プーリ86の回
転を制動して後輪制動がなされる。
ここで、再び制動レバー96の握持を解除すると、制動
子94による制動は解除され、テンションプーリ100,101
により伝動ベルト87に張力を付加する状態となる。この
状態で駆動プーリ84を第16図示のように矢印X方向に正
転させてモアー1を前進させると、伝動ベルト87は図中
右方が張り側となり、左側が緩み側となるので、テンシ
ョンプーリ100,101によるベルト撓み量は左方の緩み側
の方が大きくなる。これに対し、第17図示のように駆動
プーリ84を矢印Y方向に逆転させてモアー1を後進させ
ると、伝動ベルト87は図中右方が緩み側となり、左方が
張り側となるので、テンションプーリ100,101によるベ
ルト撓み量は右方の緩み側の方が大きくなる。しかし、
駆動プーリ84が正逆いずれの方向に回転しても、バネ10
2の弾性力によるテンションプーリ100,101を介する伝動
ベルト87への付加張力は一定に保たれ、回転動力を円滑
に伝達できる。
上記モアー1によれば、操作レバー52の前後動操作に
よって走行速度が無段階に変速され、しかもその変速操
作に大きな力を要することもない。また、操作レバー52
の左右動操作によって前進・後進・ニュートラルの切換
ができ、しかも前後進切換を行っても、回転動力の伝達
に支障をきたすことはない。
また、モアー1の走行は左右の制動レバー96を同時揺
動操作すると停止させることができ、いずれか一方を操
作することで左右操向ができる。
さらに、刈刃駆動レバー31を押し下げて揺動操作する
ことで刈刃12を回転させて刈草作業を行なうことがで
き、押し下げ解除により刈刃12の回転を停止させること
ができる。
なお、前記集草容器10は第18図にも示すように、袋体
130の上方開口を硬質カバー131で覆うことで構成され、
モアー本体2により刈られた刈草の給送ダクト132が硬
質カバー131に連結されている。この場合、刈草のモア
ー本体2から集草容器10への給送は、刈刃12に設けられ
た起風板(図示省略)やダクト132途中に介装するブロ
ア(図示省略)等による空気流れを用いるが、その空気
流れがカバー131と集草袋130との継ぎ目からオペレータ
の顔面に向かい、オペレータにとり不衛生かつ不快感を
与える虞れがある。そこで、カバー131の外周から防塵
カバー133を下向き延設し、その袋体130とカバー131と
の継ぎ目を覆うことで、空気流れがオペレータの足元に
向かうようにしている。また、袋体130に設けられる空
気逃がしからの空気や細かい刈草もオペレータの足元に
向かうことになる。
第19図乃至第23図は、それぞれ操向用ベルト巻掛伝動
装置64の上記とは異なった構成を示すもので、上記と同
一部分は同一符号を示し、異なる部分のみ以下説明す
る。
第19図のものでは、各テンションプーリ100,101に連
結される第一リンク103と第二リンク104とは、駆動プー
リ84と従動プーリ86との間で交差され、その交差部分で
横軸140中心に揺動自在にミッションケース8に取付け
られている。この第一リンク103と第二リンク104の各他
端にはそれぞれカムローラ141,142が回転自在に取付け
られ、両ローラ141,142に側面視略三角形状のカム143が
挟持状とされて当接されている。このカム143は連動レ
バー105の中途部に連結されている。連動レバー105は一
端が横軸144を介してミッションケース8に揺動自在に
取付けられ、他端が制動用プッシュプルワイヤ95に連結
されている。
また、従動プーリ85の制動装置106は、従動プーリ85
と同行回転するブレーキドラム145を有し、このドラム1
45にバンド状の制動子94が巻回され、この制動子94の一
端はドラム145側に、他端はブレーキワイヤ146の一端に
連結されている。そのブレーキワイヤ146の他端は連動
レバー105の他端に連結されている。これにより、制動
用プッシュプルワイヤ95を引くと、連動レバー105の揺
動でカム143が図中上方移動して両カムローラ141,142の
間隔を大きくし、第一、第二リンク133,104の揺動でテ
ンションプーリ100,101による伝動ベルト87への張力付
加は解除される。これと同時にバンド状制動子94が引き
締められて従動プーリ86の制動がなされる。
第20図のものは、テンションプーリ100,101、カム14
3,、カムローラ141,142、連動レバー105の配置が第19図
のものと上下逆にされ、連動レバー105の揺動支点144が
カム連結部とワイヤ連結部との中間とされたものを示
し、その他の構成作用は第19図のものと同様である。
第21図のものでは、第一リンク103と第二リンク104と
は、駆動プーリ84の上方で交差されている。その他カム
143やカムローラ141,142を備えた構成は第19図のものと
同様で、連動レバー105も第19図のものと揺動支点144と
ワイヤ連結端とが前後逆配置とされているが備えられて
いる。また、制動装置106も第19図のものと同様にバン
ド状制動子94とブレーキドラム145を備えたもので、制
動子94と連動レバー105とはワイヤ146、L字形連結杆14
7を介して連結されている。これにより第19図のものと
同様の作用をなす。なお、L字形連結杆147はフレーム
3に対し横軸148中心に揺動自在に取付けられている。
第22図のものでは、第一リンク103と第二リンク104と
は、それぞれ中途部がミッションケース8に横軸149,15
0中心に揺動自在に取付けられ、第一リンク103の他端に
L字形第五リンク151の一端が、第二リンク104の他端に
L字形第六リンク152の一端がそれぞれ連結されてい
る。この第五、第六リンク151,152はミッションケース
8に横軸153,154中心に揺動自在に取付けられている。
そして、第五リンク151と第六リンク152の各他端は、相
互に横軸155中心に揺動自在に連結されると共に、第七
リンク156を介して連動レバー105に連結されている。連
動レバー105は上記同様に一端がミッションケース8に
揺動自在に取付けられ、他端に制動用プッシュプルワイ
ヤ95が連結され、その中途部にブレーキワイヤ146が連
結され、制動装置106は第19図のものと同様である。こ
れによっても、ワイヤ95を引いて連動レバー105を揺動
させると、テンションプーリ100,101が張力解除方向に
移動すると共に、従動プーリ86の制動がなされる。
第23図のものでは、テンションプーリ100,101を付勢
するバネ102が、一方のテンションプーリ用のもの102a
と他のテンションプーリ用のもの102aとに別個に設けら
れている。すなわち、一方のバネ102aは第一リンク103
とミッションケース8との間で掛張され、他方のバネ10
2bは第二リンク104とミッションケース8との間で掛張
されている。その他の構成は第20図のものと同様であ
る。これによっても上記それぞれのものと同様の作用を
奏する。
なお、上記実施例では歩行形モアーのベルト巻掛伝動
装置に本発明を適用したが、勿論これに限定されるもの
ではない。また、第一ベルト46にテンションプーリ107
を当接させたが、第二ベルト48に当接させてもよく、あ
るいは双方46,48に当接させてもよい。
(発明の効果) 本発明によれば、中継プーリを移動させて変速を行な
う際に、テンションプーリによる伝動ベルトへの張力を
解除しておくことで、その移動に大きな力を要せず、変
速操作の円滑化を図ることができる。その上、中継プー
リ41は駆動プーリ18及び従動プーリ34に対して三角配置
され、テンションプーリ107はその三角の範囲内に配置
されているので、変速のために中継プーリ41を一方のプ
ーリから離反移動させるとき、それらに巻掛けられてい
るベルトの中継プーリ41側の巻掛け径は小径となり、逆
に中継プーリ41を一方のプーリに近づけるように移動さ
せるとき、同ベルトの巻掛け径は大径となり、両方共に
テンションプーリ107に当接する側のベルトの変位量は
小さく生じ、変速前後におけるテンションプーリ107が
ベルトに与える張力の変化を微量にでき、適正なベルト
張力を維持できかつ張力調整を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例に係り、第1図は走行及び刈刃駆
動用ベルト巻掛伝動装置の平面図、第2図は歩行形モア
ーの全体側面図、第3図は歩行形モアーの全体平面図、
第4図は第1図の要部背断面図、第5図は同要部側断面
図、第6図はミッションケースの背断面図、第7図は同
側断面図、第8図はバックギャーの取付説明図、第9図
は操向用ベルト巻掛伝動装置の側面図、第10図は同背断
面図、第11図は走行用操作レバー装置の側断面図、第12
図は同背断面図、第13図は同平面図、第14図はハンドル
の部分平面図、第15図は同部分側面図、第16図は操向用
ベルト巻掛伝動装置の正転状態での側面図、第17図は同
逆転状態での側面図、第18図はモアーの集草容器の一部
破断背面図、第19図乃至第23図は、それぞれ異なった操
向用ベルト巻掛伝動装置の側面図である。 17……駆動軸、18……駆動プーリ{20……巻掛溝}、33
……従動軸、34……従動プーリ{47……巻掛溝}、40…
…中継軸、41……中継プーリ{43……第一巻掛溝、44…
…第二巻掛溝、45……仕切部}、46……第一ベルト、48
……第二ベルト、107……テンションプーリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福元 勝美 大阪府堺市石津北町64番地 久保田鉄工 株式会社堺製造所内 (72)発明者 古川 和雄 大阪府堺市石津北町64番地 久保田鉄工 株式会社堺製造所内 (56)参考文献 実開 昭55−20765(JP,U) 実公 昭45−14572(JP,Y1) 実公 昭26−12214(JP,Y1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸(17)に設けられた駆動プーリ(1
    8)の巻掛溝(20)と、中継軸(40)に設けられた中継
    プーリ(41)の第一巻掛溝(43)とに第一ベルト(46)
    が巻掛けられ、中継プーリ(41)の第二巻掛溝(44)と
    従動軸(33)に設けられた従動プーリ(34)の巻掛溝
    (47)とに第二ベルト(48)が巻掛けられ、中継プーリ
    (41)の両巻掛溝(43)(44)は径方向内方に向かうに
    従い軸方向の溝幅が漸次狭くなるものとされると共に、
    その両巻掛溝(43)(44)の仕切部(45)が軸方向移動
    自在とされ、この仕切部(45)の軸方向移動により中継
    プーリ(41)の両巻掛溝(43)(44)のピッチ円直径を
    変化させることができるように、中継軸(40)は、駆動
    軸(17)と従動軸(33)との一方から離反するときは他
    方に近接するように移動可能とされ、第一ベルト(46)
    及び第二ベルト(48)の少なくとも一方に対し、張力を
    作用する方向と張力を解除する方向とに移動自在なテン
    ションプーリ(107)が設けられているベルト巻掛伝動
    装置の無段変速機構であって、 前記中継プーリ(41)は駆動プーリ(18)及び従動プー
    リ(34)に対して三角配置され、テンションプーリ(10
    7)はその三角の範囲内に配置されていることを特徴と
    する巻掛伝動装置の無段変速機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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