JP2703316B2 - 立毛構造物の立毛先端先細化方法 - Google Patents

立毛構造物の立毛先端先細化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は立毛繊維構造物の立毛先端を尖鋭化する方法
に関するものである。
〈従来の技術〉 ミンクや狐などの動物の毛皮の立毛先端は、テーパー
状に先細になつていて触感や外観に寄与していることは
良く知られている。
合成繊維においてもこれらの獣毛に近似した尖鋭化端
を得る試みが成されている。
(1)極細繊維、分割繊維または、海島型繊維を立毛繊
維に用いて、その先端を溶剤や膨潤剤等で一部の成分を
溶解したり或いは成分間を分割して立毛先端を極細化す
る方法 (2)繊維の先端部を摺擦研磨する方法 (3)繊維の先端部を溶剤や分解剤に浸漬または接触さ
せる方法 (4)繊維を加熱させながら牽引する方法 (5)立毛布帛の立毛先端部を処理液に浸漬または接触
させる方法 (6)立毛構造物の立毛面に溶剤または分解剤をコーテ
イングして処理する方法 しかし、これらの従来法は生産性、コスト或いは先細
状態の品位や均斉度などの面で満足するものが得難いた
め、量産化が難しく、また生産してもコストが高い物に
なつている。
上記従来法(1)〜(4)について多くの提案が成さ
れているが、1回当たりの処理で少量の繊維しか処理出
来ない、処理速度が遅い、バツチ式の処理しかできな
い、或いは繊維間または処理間の先細化のバラツキが大
きい等の問題が有つた。たとえ良好な先細化された繊維
が得られたとしても、これを利用して立毛構造物を得る
ためにパイル織物やスライバーニツトなどに適用する場
合良好な品位を得るためにパイルを切断したり剪毛した
りする工程が必要となり、立毛の先端が切断されて非先
細部が表面に出てきて外観や風合いを損なうという問題
があつた。
また、立毛布帛の状態で立毛先端部を先細化する方法
として特公昭48−4910号公報などで立毛布帛の立毛先端
部を処理液に浸漬する方法が提案されている。しかし、
工業的規模で実施する場合広い面積の布帛の立毛部を処
理液に均一に浸漬することは、例えばベロア、モケツト
類の短パイル長の物については極めて難しく、また立毛
密度のバラツキ、処理液の濃度や温度管理等の難しさか
ら広い面積に渡つて均一に先細化することも極めて難し
い等の問題がある。さらに立毛布帛の先細化方法として
特開昭55−57069号公報や特開昭56−58067号公報などに
示されるように溶剤または分解剤の粘性処理剤をコーテ
イングや捺染の方法で立毛面に付与し、次いで加熱処理
する方法がある。しかし、この方法では立毛の先端部の
極短い部分は細くなるが、粘性のある処理液のために処
理斑を生じ、本発明の目的とするソフトで腰のある触感
が得られるような良好なテーパー状の先細状態とならな
い。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、上記の従来の欠点を解消し、獣毛の
触感を持つ均一なテーパーを有する高品位の立毛構造物
を容易に製造することを可能にする立毛構造物の立毛先
端尖鋭化方法を提供することである。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討し
た結果、溶解または分解除去可能な繊維で構成される立
毛構造物に溶解剤または分解剤を含む処理液を含浸させ
た後、立毛先端側からのみ片面加熱処理することによつ
て立毛構造物の立毛先端を尖鋭化することを見出だし本
発明に至つたものである。
即ち、本発明は、立毛繊維構造物の立毛の先端部を含
む少なくとも一部に、該立毛を構成する繊維を溶解又は
分解する能力のある化合物を含む処理剤を付与し、立毛
先端側より80〜200℃の加熱体に立毛先端を接触させる
ことからなる片面加熱処理を行なうことを特徴とする立
毛繊維構造物の立毛先端先細化方法である。
本発明において立毛構造物とは、パイル織り、パイル
編み、スライバーニツト、タフテイング、電気植毛など
によつて得られる商品形態に限定されるものではなく、
これら以外にもブラシの場合のようなプラスチツクの構
造物あるいはスライバーを束ねた繊維束そのものでも本
発明を適用できる。本発明の立毛構造物は、立毛の長さ
に限定されるものではないが、処理時に立毛が直立して
いるものや、立毛の方向が比較的揃つているものが好ま
しい。
本発明において立毛を構成する繊維としては、例えば
ポリエステル繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフイン
系繊維などを適用できる。しかしこれらの繊維に限定さ
れるものではなく、立毛構造物の表面部を形成している
立毛繊維が溶解または分解除去可能な繊維であればいず
れでも良く、またこれらを混合して使用しても良い。も
ちろん、これらの繊維の断面、デニールは特に限定され
るものではない。
先細にするための処理剤として使用される溶解剤や分
解剤としては、例えば次のような薬剤があげられる。
(1)ポリエステル系繊維:テトラクロロエタン/フエ
ノール混合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等 (2)ポリアミド系繊維:フエノール、m−クレゾー
ル、ギ酸等 (3)ポリオレフイン系繊維:四塩化炭素、四塩化エタ
ン、シクロヘキサン等 上記の溶解剤や分解剤はそのまままたは水溶液や水分
散液にして、それに適当な分散剤、分解促進剤あるいは
浸透剤などを添加して使用される。これらは使用される
繊維の種類、断面形状、繊度、および熱処理の方法や条
件等によつて適宜選択するのが好ましい。
本発明は、上記の溶解剤や分解剤の溶液または分散液
に必要に応じて他の添加物を添加してなる処理剤を立毛
構造物に付与し、立毛先端側からの片面加熱処理により
立毛先端を先細にする事から構成されているが、立毛部
のどの部分まで処理剤を付与するかは、所望とする立毛
構造物の風合等によつて適宜選択すればよい。
例えば、立毛先端にのみ付与する場合、製造は立毛先
端部のみ尖鋭化して根元部分はそのままで残るため基材
のクツシヨン性を保持したうえに獣毛ライクなソフトタ
ツチの触感を付与することができる。また工程的利点と
しては、付与量を少なくして加工が可能であるため、熱
処理時間を短くすることができて省エネになることが上
げられる。立毛先端部のみへの付与方法としては、立毛
先端側からの泡塗工法、スプレー法、グラビア法等が上
げられるが工程的には比較的多量の塗布量から少量の塗
布量までコントロール可能な泡塗工方法が適している。
また、立毛部全体に付与する場合は、製品は立毛先端
の尖鋭化に加えて立毛全体が溶解あるいは分解され細化
されるため、全体がソフトに成り且つ先端先細化によつ
てソフトタツチな触感を持つ。立毛部全体に付与する方
法としては、上記の立毛先端部のみへの付与方法の付与
条件をきつくして立毛部の根元迄処理剤を付与すること
ができる。又、立毛構造物全体を処理液に浸漬させるパ
デイング法によつても立毛部全体に処理剤を付与するこ
とが可能であるが、この場合、立毛構造物全体が溶解あ
るいは分解されやすいのでいわゆる”痩せ”を生じた
り、基布部材あるいはバツキング剤の耐薬品性が必要と
なり使用する素材が限定されたり、ピツクアツプ量が多
くなり従つて熱処理時間が長くなるなど不都合な面が生
じやすい。
次に処理剤を付与された立毛構造物は片面加熱処理さ
れる。加熱処理は単に温度を上げて処理速度を早くする
ためばかりでなく立毛構造物の先端部を尖鋭化するため
選択的に立毛先端部を加熱することが必要である。すな
わち立毛先端部から根元部に行くにしたがつてテーパー
状先細状態を作るためには溶解あるいは分解速度を先端
部では早く、根元部では遅くするようにコントロールす
ることが必要である。そのためには立毛先端部の温度は
高く根元に行くに従つて温度を低くし、分解速度あるい
は溶解速度をコントロールする必要がある。この条件を
満足させ得る連続的加熱処理方法としては、加熱体に立
毛構造物の先端部を密着させて熱処理することのできる
シリンダー乾燥機などのいわゆる片面加熱処理の慣用技
術が適用できる。これらの熱処理条件については立毛繊
維の種類、処理液の内容およびその他の処理条件などか
ら加熱温度および時間等を適宜選択するのが好ましい。
本発明は、上述のように溶解剤または分解剤を含む処
理剤の付与された立毛先端側から片面加熱処理すること
によつて、立毛先端を先細状にして獣状様の外観と触感
を得ることを特徴とするものであるが、次に本発明の内
容を立毛繊維がポリエステル系繊維である場合について
詳細に説明する。
ポリエステル系繊維とは、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはこれ
らを主成分としてイソフタル酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、あるいはポリアルキレングリコール等を
共重合したポリエステルなどであり必要に応じて変性剤
や添加剤を加えたものや他の熱溶融ポリマーと複合また
は混合したものも含まれる。
立毛繊維がポリエステル系繊維の場合、処理剤として
テトラクロロエタン/フエノール混合物、O−クロロフ
エノールなども使用できるが、取扱い性や安全性の面か
らアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムの水溶
液が好ましく、その濃度は5〜500g/l、好ましくは10〜
300g/lである。ポリエステルの加水分解促進剤として第
4級アンモニウム塩等の各種促進剤を添加すると先細化
を促進することが可能で、使用される濃度は0〜50g/l
が良い。またアルカリ液の均一付与のため、ジアルキル
スルホサクシネートなどの公知の各種浸透剤を併用する
こともできる。さらに処理剤付与を泡塗工方法により実
施する場合には起泡剤としては、例えばポリオキシエチ
レンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンアルキルフエニルエーテル硫酸ナトリウム、アルキ
ルアミンオキサイド、ブチルサルフエートナトリウム
塩、ブチルモノエチレンオキサイドナトリウム塩などの
公知の多くの界面活性剤が適用できて、使用される濃度
は5〜50g/lである。さらに吸湿成分としてグリセリン
等を10〜300g/l添加すると先細状態が良化し均斉度も向
上する。そこでこれらの処理剤を浸漬法或いは泡塗工法
等により立毛構造物に付与する。浸漬法で付与する場合
にはパデイング法などの慣用技術が適用でき、その時の
付与量は繊維ポリマーの内容、立毛本数、単繊維デニー
ル、繊維の断面形状、などの立毛繊維の内容、処理条件
或いは要求される外観や風合いなどによつて異なるが、
水酸化ナトリウムの場合立毛繊維1m2当たり20〜240gが
適当である。
また泡による付与方法である場合には前記処理剤をホ
モミキサーや市販の発泡機などを用いて、空気または不
活性ガス等と攪拌混合して泡状にする。この時の発泡倍
率は2〜20倍の範囲に、また泡の半減期は2分以上、好
ましくは5分以上となるように各成分の配合割合、濃度
などを調節する。この泡状処理液を立毛構造物の立毛面
に付与する方法として、ナイフコート法、ロータリース
クリーン法、或いはアプリケーター法などの方法が適用
でき、その付与量は前述のように構成された立毛構造物
の特性によつて異なるが、パデイング法と同様水酸化ナ
トリウムの場合、立毛繊維1m2当たり20〜240gが適当で
ある。泡は、立毛構造物への塗布手段であつて付与され
た泡処理剤は熱処理されるまで泡状態を保持しなくても
良い。
この湿潤した状態で立毛構造物の立毛先端側から加熱
処理する、片面加熱処理としては熱板に直接立毛先端部
を密着させるシリンダー乾燥機等が適している。シリン
ダー乾燥機で処理する場合特別な工夫は不要であるが、
布帛に張力を掛け過ぎると立毛部が斜向して立毛側面が
熱板に接触して先端部よりも先に分解され細化されるこ
とになるため、処理斑が生じない程度に張力をかけて立
毛構造物の立毛部がシリンダー面に比較的直立するよう
に張り付け処理すれば良い。処理する温度および時間
は、使用される溶解剤や分解剤、分解促進剤等の種類や
濃度、処理される立毛構造体の構造、立毛繊維の種類、
断面形状および繊度等によつて適宜選択するのが好まし
いが、温度が80〜200℃、好ましくは100〜180℃の範囲
であり、処理時間は温度条件によつて適宜選択すれば良
い。
〈作用〉 立毛繊維構造物の立毛面側に処理液を処理した後、湿
潤状態のまま立毛面から片面加熱することによつて容易
にテーパー状の先細状態を持つ立毛構造物が得られる理
由について述べる。立毛先端部から根元に行くにしたが
つてテーパー状の先細状態を作るためには、溶解あるい
は分解速度を先端部では早く、根元部では遅くするよう
にコントロールすることが必要である。一般的に溶剤あ
るいは分解速度は温度に大きく依存し、温度が高いほど
溶解あるいは分解速度は早くなる。従つて立毛先端部の
温度は高く、根元に行くにしたがつて温度を低くし、溶
解あるいは分解速度をコントロールしてやれば良いこと
になる。この条件を満足させ得る加熱処理方法として片
面加熱処理方法がある。すなわち処理液を含んだ立毛先
端側から片面加熱されると、加熱体と接触する面である
立毛最先端は昇温が早いが、熱は立毛繊維と処理液の熱
伝導度に依存しただけの温度勾配を持つて立毛先端から
根元に行くにしたがつて順次伝熱してくるため根元部分
ほど温度が低くなつている。この片面加熱処理状態を適
当なタイミングで終了するとその上昇した温度と滞留時
間に依存した溶解あるいは分解状態で終了する。この結
果先端部ほど溶解あるいは分解が進み、根本部に行くほ
ど溶解あるいは分解が進まず結果としてテーパー状の先
細状態が得られると推定される。
〈発明の効果〉 以上の説明のように本発明の方法によれば立毛構造物
の先端部がテーパー状に先細化された獣毛用の立毛構造
物を、従来の方法とはまつたく異なつた方法で、特別な
装置も使わず安価に大量に生産できるものである。特に
従来、立毛部の短い立毛構造物では、先端のみを尖鋭化
することは極めて難しかつたが、本法によれば簡単にし
かもパイルの根元奥深くまで細化することなく、従つて
構造物のクツシヨン性を損なうこと無く立毛先端部のみ
尖鋭化することが出来る。更に処理剤塗布量を調節すれ
ばパイル糸根元から細化することができ、立毛構造物全
体をしなやかにして尚且つ立毛先端を尖鋭化させる事が
でき、必要に応じて自由自在に獣毛様の触感と外観を持
つ立毛構造物の製造が可能となつた。
以下実施例で本発明の内容について詳細に説明する
が、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
〈実施例〉 実施例1 立毛(パイル)成分としてポリエチレンテレフタレー
トからなるポリエステル繊維(単繊維度2.5dr、繊維長5
1mm)を耐アルカリ性の良い分散染料を用いて綿染した
のち綿紡績にて20番手の糸を作り、基布成分としてポリ
エチレンテレフタレートからなるポリエステル紡績糸
(20番手)を用いてモケツト地(パイル長:2.5mm、パイ
ル目付:530g/m2)を製織した。アクリル系樹脂でバツキ
ングしたのち、ポリツシヤーをし、シヤーリングをして
立毛長を揃え先細加工用に供した。
先細加工のための処理液として水1に対して分解剤
として水酸化ナトリウム100g、起泡剤としてメイフオー
マーF−210(明成化学製)を20g、分解促進剤としてマ
ーセリンPES 20g(明成化学製)、吸湿剤としてグリセ
リン100gを配合して、ホモジナイザーを用いて9000rpm
で5分間発泡させた。
そこで先に準備したモケツト地の立毛面に泡状処理剤
をナイフコーターを利用して織地1m2当たり450gを付与
した。次いで立毛面をシリンダー乾燥機の熱板に立毛部
が斜向せず、しかも比較的直立した状態を保持する程度
の張力で密着させて120℃で7分間熱処理した。その後
約40℃の温水で水洗し、乾燥した。
処理されたモケツトの立毛面の先端を顕微鏡で観察す
ると立毛繊維の先端がテーパー状に先細化されていた。
また立毛面の触感も未処理品に比較してソフトになつて
おり先細化の効果が認められた。しかもモケツトの初期
のクツシヨン性は損なわれていなかつた。また処理され
たモケツトの基布部はアルカリに侵されること無く初期
の状態を保持していた。
〈実施例2〉 実施例1と同様のモケツトを先細加工用に供した。
先細加工のための処理液として水1に対して分解剤
として水酸化ナトリウム100g、分解促進剤としてマーセ
リンPES 20g(明成化学製)、吸湿剤としてグリセリン1
00gを配合して処理液を作成した。
そこで先に準備されたモケツトを処理液に浸漬しマン
グルにて190%に搾液した。次いで立毛面をシリンダー
乾燥機の熱板に実施例1と同様に密着させて120℃で9
分間熱処理した。その後約40℃の温水で水洗し、乾燥し
た。処理されたモケツトの基布部はアルカリに侵されて
バツキング剤が脱落していたためアクリル系樹脂で再バ
ツキングした。
処理されたモケツトの立毛面の先端を顕微鏡で観察す
ると立毛繊維の先端がテーパー状に先細化されていた。
また立毛面の触感も未処理品に比較してソフトで獣毛ラ
イクになつており先細化の効果が認められた。しかもモ
ケツトの初期のクツシヨン性に比較して全体がしなやか
でソフトになつていた。
〈比較例1〉 実施例1と同じモケツト、処理液、および処理方法に
て処理されたモケツトを熱風乾燥機中でそれぞれ120℃
で10分および180℃で9分処理した。その後、約40℃の
温水で水洗し乾燥した。
かかる処理を施されたモケツトを観察したところ、12
0℃×10分処理品はバツキング部が若干侵されている以
外立毛部にほとんど変化が無かつた。また180℃×9分
処理の場合は、処理されたモケツトの基布部はアルカリ
に侵されてバツキング剤が脱落していたためアクリル系
樹脂で再バツキングしなければならなかつた。立毛部は
全体に加水分解が進むが、斑があるため立毛表面に凹凸
が見られ、また基布部分からも加水分解が進むため全体
に渡つてのパイル糸の脱落がみられ、モケツト全体がい
わゆる”痩せ”を生じていた。立毛先端部を顕微鏡観察
したところ、先細部分はわずか認められたが均一なテー
パー状の物ではなく、表面が凹凸したもので風合いをソ
フトにする程度のものでは無かつた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立毛繊維構造物の立毛の先端部を含む少な
    くとも一部に、該立毛を構成する繊維を溶解又は分解す
    る能力のある化合物を含む処理剤を付与し、立毛先端側
    より80〜200℃の加熱体に立毛先端を接触させることか
    らなる片面加熱処理を行なうことを特徴とする立毛繊維
    構造物の立毛先端先細化方法。
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