JP2702534B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JP2702534B2 JP814289A JP814289A JP2702534B2 JP 2702534 B2 JP2702534 B2 JP 2702534B2 JP 814289 A JP814289 A JP 814289A JP 814289 A JP814289 A JP 814289A JP 2702534 B2 JP2702534 B2 JP 2702534B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両のサスペンション装置に関するものであ
る。
(従来技術) 車両のサスペンションは、一般にパッシブサスペンシ
ョンと呼ばれるように、油圧緩衝器とばね(一般にはコ
イルばね)とからなるダンパユニットを有して、あらか
じめ設定されたダンパユニットの特性によってサスペン
ション特性が一律に設定される。勿論、油圧緩衝器の減
衰力を可変にすることも行なわれているが、これによっ
てサスペンション特性が大きく変更されるものではな
い。
一方、最近では、アクティブサスペンションと呼ばれ
るように、サスペンション特性を任意に変更し得るよう
にしたものが提案されている、このアクティブサスペン
ションにあっては、基本的に、ばね上重量とばね下重量
との間にシリンダ装置が架設されて、このシリンダ装置
に対する作動液の供給と排出とを制御することによりサ
スペンション特性が制御される(特公昭59-14365号公報
参照)。
このアクティブサスペンションにおいては、外部から
の作動液の給排ということにより、車高制御、ロール制
御、ピッチ制御等種々の制御のためにサスペンション特
性が大きく変更され得る。
上述のようなアクティブサスペンションにあっては、
姿勢制御のため基本的に、車高を検出する車高センサが
用いられるが、この車高センサが故障するとサスペンシ
ョン制御に不具合を生じる。このため従来、特開昭62-2
89417号公報に示すように、車高センサの出力値の変化
速度を見ることにより、車高センサの正常、異常を判定
するものが提案されている。また、特開昭61-282110号
公報に示すように、複数の車高センサの出力値が変化し
ているにも拘らず、一部の車高センサの出力値が変化し
ないとき、当該一部の車高センサが故障であると判定す
るようにしたものも提案されている。
また、特開昭62-39313号公報には、車体の姿勢変化を
もたらす操作系の操作状態変化と車高変化とを関連ずけ
て、車高センサの故障を検出することも考えられる。す
なわち、ハンドル操作、ブレーキペダル操作、アクセル
ペダル操作等に起因して生じるであろう車体の姿勢変化
を想定して、この想定された車体姿勢に対応した出力を
車高センサが示さないときに、車高センサの故障である
と判定することが開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記特開昭62-289417号公報や特開昭6
1-282110号公報に示すものでは、走行する路面の状況が
千差万別である関係上、実用的でない。すなわち、前述
した手法で車高センサが故障であると判定されても、そ
のときの路面状況からして故障であると判定された車高
センサが正常である場合が応々にして生じ易いものとな
る。
また、前記特開昭62-39313号公報に示すような手法で
は、各種の操作系の操作状態と車高の変化とが必ずしも
対応関係になく、事実上採用しがたいものとなる。すな
わち、アクセルペダルやブレーキペダルを操作しても、
車輪が路面に対してスリップしているときは、想定され
る車体の姿勢変化が生じない(生じてもわずかの変化)
ものとなり、この場合に誤った故障判定してしまう原因
となる。同様に、ハンドル操作しても、例えば路面が滑
り易くてアンダステアリングが強くなる場合は、ハンド
ル操作に応じた車体の姿勢変化(ロール)が殆ど発生せ
ず、この場合も誤って故障判定してしまうことになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもの
で、その目的は、車高センサの故障を正確に判定できる
ようにした車両のサスペンション装置を提供することに
ある。
(問題点を解決するための手段、作用) 前記目的を達成するため、本発明にあっては、サスペ
ンションのアクティブ制御のために上下方向加速度を加
味して行うものを前提として、この上下方向加速度を検
出するセンサを利用して、車高センサの故障を正確に判
定できるようにしてある。具体的には、第10図にブロッ
ク図的に示すように、 ばね上重量とばね下重量との間に架設されサスペンシ
ョン特性を変化させるためのアクチュエータ装置を備え
た車両のサスペンション装置において、 車高を検出する車高検出手段と、 車体に対する上下方向の加速度を検出する加速度検出
手段と、 前記両検出手段からの出力を受け、少なくとも車高と
上下方向加速度とをパラメータとしてあらかじめ定めら
れた条件に基づいて、車体が所定の姿勢状態となるよう
に前記アクチュエータの制御を行う制御手段と、 前記両検出手段からの出力を受け、前記加速度検出手
段の出力値が所定値以上変化してから所定時間内に前記
車高検出手段の出力値が変化しないときに、該車高検出
手段が故障であると判定する故障判定手段と、 を備えた構成としてある。
このような構成とすることによって、車高センサの故
障というものがより正確に判定し得ることになる。すな
わち、上下方向加速度が所定値以上変化するということ
は、車体を上下方向に変位させる外力が必ず作用してい
るときであり、したがって、このときに車高が変化しな
いということは車高センサが故障している、ということ
になる。そして、上下方向加速度の発生から、車体が実
際に上下方向に変位するまでの応答遅れつまり位相差を
見込んで、車高センサの出力値が変化するか否かを見る
期間を所定時間というように、ある幅をもたせるように
してある。
なお、上下方向加速度をサスペンションのアクティブ
制御にどのように用いるかは種々考えられるが、最も代
表的には、上下方向加速度が大きくなる過ぎるのを抑制
して、乗心地確保のために用いるのが好ましい。
(実施例) 以下本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明す
る。なお、以下の説明で数字と共に用いる符号「F」は
前輪用、「R」は後輪用であり、また「FR」は右前輪
用、「FL」は左前輪用、「RR」は右後輪用、「RL」は左
後輪用を意味し、したがって、これ等を特に区別する必
要のないときはこれ等の識別符号を用いないで説明する
こととする。
作動液回路 第1図において、1(1FR、1FL、1RR、1RL)はそれぞ
れ前後左右の各車輪毎に設けられたアクチュエータ装置
としてのシリンダ装置で、これ等は、ばね下重量に連結
れたシリンダ2と、該シリンダ2内より延びてばね上重
量に連結されたピストンロッド3とを有する。シリンダ
2内は、ピストンロッド3と一体のピストン4によって
その上方に液室5が画成されているが、この液室5と下
方の室とは連通されている。これにより、液室5に作動
液が供給されるとピストンロッド3が伸長して車高が高
くなり、また液室5から作動液が排出されると車高が低
くなる。
各シリンダ装置1の液室5に対しては、ガスばね6
(6FR、6FL、6RR、6RL)が接続されている。この各ガス
ばね6は、小径とされた4本のシリンダ状ばね7により
構成され、各シリンダ状ばね7は互いに並列にかつオリ
フィス8を介して液室5と接続されている。そして、こ
れ等4本のシリンダ状ばね7のうち、1本を除いて、残
る3本は、切換弁9を介して液室5と接続されている。
これにより、切換弁9を図示のような切換位置としたと
きは、4本のシリンダ状ばね7がそのオリフィス8を介
してのみ連通され、このときの減衰力が小さいものとな
る。また、切換弁9が図示の位置から切換わると、3本
のシリンダ状ばね7は切換弁9内に組込まれたオリフィ
ス10をも介して液室5と連通されることとなり、減衰力
が大きいものとなる。勿論、切換弁9の切換位置の変更
により、ガスばね6によるばね特性も変更される。そし
て、このサスペンション特性は、シリンダ装置1の液室
5に対する作動液の供給量を変更することによっても変
更される。
図中11はエンジンにより駆動されるポンプで、リザー
バタンク12よりポンプ11が汲上げた高圧の作動液が、共
通通路13に吐出される。共通通路13は、前側通路14Fと
後側通路14Rとに分岐されて、前側通路14Fはさらに右前
側通路14FRと、左前側通路14FLとに分岐されている。こ
の右前側通路14FRは、右前輪用シリンダ装置1FRの液室
5に接続され、また左前側通路14FLは、左前輪用シリン
ダ装置1FLの液室5に接続されている。この右前側通路1
4FRには、その上流側より、供給用流量制御弁15FR、遅
延弁としてのパイロット弁16FRが接続されている。同様
に、左前側通路14FLにも、その上流側より、供給用流量
制御弁15FL、パイロット弁16FLが接続されている。
右前側通路14FRには、両弁15FRと16FRとの間より右前
側通路用の第1リリーフ通路17FRが連なり、この第1リ
リーフ通路17FRは最終的に、前輪用リリーフ通路18Fを
経てリザーバタンク12に連なっている。そして、第1リ
リーフ通路17FRには、排出用流量制御弁19FRが接続され
ている。また、パイロット弁16FR下流の通路14FRは、第
2リリーフ通路20FRを介して第1リリーフ通路17FRに連
なり、これにはリリーフ弁21FRが接続されている。さら
に、シリンダ装置1FR直近の通路14FRには、フィルタ29F
Rが介設されている。このフィルタ29FRは、シリンダ装
置1FRとこの最も近くに位置する弁16FR、21FRとの間に
あって、シリンダ装置1FRの摺動等によってここから発
生する摩耗粉が当該弁16FR、21FR側へ流れるのを防止す
る。
なお、左前輪用の通路構成も右前輪用通路構成と同様
に構成されているので、その重複した説明は省略する。
前記共通通路13にはメインのアキュムレータ22が接続
され、また前輪用リリーフ通路18Fにもアキュムレータ2
3Fが接続されている。このメインのアキュムレータ22
は、後述するサブのアキュムレータ24と共に作動液の蓄
圧源となるものであり、シリンダ装置1に対する作動液
供給量に不足が生じないようにするためのものである。
また、アキュムレータ23Fは、前輪用のシリンダ装置1
内の高圧の作動液が低圧のリザーバタンク12へ急激に排
出されるのを防止、すなわちウオータハンマ現象を防止
するためのものである。
後輪用シリンダ装置1RR、1RLに対する作動液給排通路
も前輪用と同様に構成されているので、その重複した説
明は省略する。ただし、後輪用通路にあっては、パイロ
ット弁21FR、21FLに相当するものがなく、また後輪通路
14Rには、メインのアキュムレータ22からの通路長さが
前輪用のものよりも長くなることを考慮して、サブのア
キュムレータ24が設けられている。
前記共通通路13、すなわち前後輪用の各通路14F、14R
は、リリーフ通路25を介して、前輪用のリリーフ通路18
Fに接続され、該リリーフ通路25には、電磁開閉弁から
なる制御弁26が接続されている。
なお、第1図中27はフィルタ、28はポンプ11からの吐
出圧が所定の範囲内となるように調整するための調圧弁
であり、この調圧弁28は、実施例ではポンプ11を可変容
量型斜板ピストン式として構成して、該ポンプ11に一体
に組込まれたものとなっている(吐出圧120〜160kg/c
m2)。
前記パイロット弁16は、前後用の通路14Fあるいは14
R、したがって共通通路13の圧力とシリンダ装置1側の
圧力との差圧に応じて開閉される。このため、前輪用の
パイロット弁16FR、16FLに対しては、通路14Fより分岐
された共通パイロット通路31Fが導出され、該共通パイ
ロット通路31Fより分岐された2本の分岐パイロット通
路のうち一方の通路31FRがパイロット弁16FRに連なり、
また他方の通路31FLがパイロット弁16FLに連なってい
る。そして、上記共通パイロット通路31Fには、オリフ
ィス32Fが介設されている。なお、後輪用のパイロット
通路も同様に構成されている。
上記各パイロット弁16は、例えば第2図のように構成
されており、図示のものは右前輪用のものを示してあ
る。このパイロット弁16は、そのケーシング33内に、通
路14FRの一部を構成する主流路34が形成され、該主流路
34に対して、通路14FRが接続される。上記主流路34の途
中には弁座35が形成され、ケーシング33内に摺動自在に
嵌挿された開閉ピストン36がこの弁座35に離着座される
ことにより、パイロット弁16FRが開閉される。
上記開閉ピストン36は、弁軸37を介して制御ピストン
38と一体化されている。この制御ピストン38は、ケーシ
ング33内に摺動自在に嵌挿されて該ケーシング33内に液
室39を画成しており、該液室39は、制御用流路40を介し
て分岐パイロット通路31FRと接続されている。そして、
制御ピストン36は、リターンスプリング41により、開閉
ピストン36が弁座35に着座する方向、すなわちパイロッ
ト弁16FRが閉じる方向に付勢されている。さらに、制御
ピストン38には、連通口42を介して、液室39とは反対側
において、主流路34の圧力が作用される。これにより、
液室39内(共通通路13側)の圧力が、主流路34内(シリ
ンダ装置1FR側)の圧力の1/4以下となると、開閉ピスト
ン36が弁座35に着座してパイロット弁16FRが閉じられ
る。
ここで、パイロット弁16FRが開いている状態から、共
通通路13側の圧力が大きく低下すると、オリフィス32F
の作用によりこの圧力低下は遅延されて液室39に伝達さ
れ、したがって当該パイロット弁16FRは上記圧力低下か
ら遅延して閉じられることになる(実施例ではこの遅延
時間を約1秒として設定してある)。
次に、前述した各弁の作用について説明する。
切換弁9 切換弁9は、実施例では、旋回中においてのみ減衰力
が大きくなるように切換作動される。
リリーフ弁21 リリーフ弁21は、常時は閉じており、シリンダ装置1
側の圧力が所定値以上(実施例では160〜200kg/cm2)に
なると、開かれる。すなわちシリンダ装置1側の圧力が
異常上昇するのを防止する安全弁となっている。
勿論、リリーフ弁21は、後輪用のシリンダ装置1RR、1
RLに対しても設けることができるが、実施例では、重量
配分が前側の方が後側よりもかなり大きく設定された車
両であることを前提としていて、後輪側の圧力が前輪側
の圧力よりも大きくならないという点を勘案して、後輪
側にはリリーフ弁21を設けていない。
流量制御弁15、19 供給用および排出用の各流量制御弁15、19共に、電磁
式のスプール弁とされて、開状態と閉状態とに適宜切換
えられる。ただし、開状態のときは、その上流側と下流
側との差圧がほぼ一定となるような差圧調整機能を有す
るものとなっている(流量制御の関係上、この差圧を一
定にすることが要求される)。さらに詳しくは、流量制
御弁15、19は、供給される電流に比例してそのスプール
の変位位置すなわち開度が変化され、この供給電流は、
あらかじめ作成、記憶された流量−電流の対応マップに
基づいて決定される。すなわち、供給電流が、そのとき
の要求流量に対応している。
この流量制御弁15、19の制御によってシリンダ装置1
への作動液供給と排出とが制御されて、サスペンション
特性が制御されることになる。
これに加えて、イグニッションOFFのときは、このOFF
のときから所定時間(実施例では2分間)、車高を低下
させる方向の制御だけがなされる。すなわち、降車等に
起因する積載荷重の変化を勘案してして車高が部分的に
高くなってしまうのを防止する(基準車高の維持)。
制御弁26 制御弁26は、常時は励磁されることによって閉じら
れ、フェイル時に開かれる。このフェイル時としては、
例えば流量制御弁15、19の一部が固着してしまった場
合、後述するセンサ類が故障した場合、作動液の液圧が
失陥した場合、ポンプ11が失陥した場合等がある。
これに加えて実施例では、制御弁26は、イグニッショ
ンOFFのときから所定時間(例えば2分)経過した後に
開かれる。
なお、この制御弁26が開いたときは、パイロット弁16
が遅れて閉じられることは前述の通りである。
パイロット弁16 既に述べた通り、オリフィス32F、32Rの作用により、
共通通路13の圧力が低下してから遅延して開かれる。こ
のことは、例えば流量制御弁15の一部が開きっぱなしと
なったフェイル時に、制御弁26の開作動に起因するパイ
ロット圧低下によって通路14FR〜14RLを閉じて、シリン
ダ装置1FR〜1RL内の作動液を閉じこめ、車高維持が行な
われる。勿論、このときは、サスペンション特性はいわ
ゆるパッシブなものに固定される。
制御系 第3図は、第1図に示す作動液回路の制御系統を示す
ものである。この第3図において、WFRは右前輪、WFLは
左前輪、WRRは右後輪、WRLは左後輪であり、Uはマイク
ロコンピュータを利用して構成された制御ユニットであ
る。この制御ユニットUには各センサ51FR〜51RL、52FR
〜52RL、53FR、53FL、53Rおよび61〜63からの信号が入
力され、また制御ユニットUからは、切換弁9、前記流
量制御弁15(15FR〜15RL)、19(19FR〜19RL)および制
御弁26に対して出力される。
上記センサ51FR〜51RLは、各シリンダ装置1FR〜1RLに
設けられてその伸び量、すなわち各車輪位置での車高を
検出するものである。センサ52FR〜52RLは、各シリンダ
装置1FR〜1RLの液室5の圧力を検出するものである(第
1図をも参照)。センサ53FR、53FL、53Rは、上下方向
の加速度を検出するGセンサである。ただし、車両Bの
前側については前車軸上でほぼ左対称装置に2つのGセ
ンサ53FR、53FLが設けられているが、車両Bの後部につ
いては、後車軸上において左右中間位置において1つの
Gセンサ53Rのみが設けられている。このようにして、
3つのGセンサによって、車体Bを代表する1つの仮想
平面が規定されているが、この仮想平面は略水平面とな
るように設定されている。上記センサ61は車速を検出す
るものである。上記センサ62はハンドルの操作速度すな
わち舵角速度を検出するものである(実際には舵角を検
出して、この検出された舵角より演算によって舵角速度
が算出される)。上記センサ63は、車体に作用する横G
を検出するものである(実施例では車体のZ軸上に1つ
のみ設けてある)。
制御ユニットUは、基本的には、第4図に概念的に示
すアクティブ制御、すなわち実施例では、車両の姿勢制
御(車高信号制御)と、乗心地制御(上下加速度信号制
御)と、車両のねじり制御(圧力信号制御)とを行な
う。そして、これ等各制御の結果は、最終的に、流量調
整手段としての流量制御弁15、19を流れる作動液の流量
として表われる。
アクティブ制御 さて次に、各センサの出力に基づいてサスペンション
特性をどのように制御するかの一例について、第4図、
第5図を参照しつつ説明する。
この制御の内容は、大別して、もっとも基本となる車
高センサの出力に基づく車体Bの姿勢制御と、Gセンサ
の出力に基づく乗心地制御と、圧力センサの出力に基づ
く車体Bのねじれ抑制制御とからなり、以下に分説す
る。
姿勢制御(車高センサ信号制御) この制御は、バウンスと、ピッチ(ピッチング)と、
ロールとを抑制する3つの姿勢制御からなり、各制御
は、PD制御(比例−微分制御)によるフィードバック制
御とされる。
この3つの各姿勢制御については、各車高センサから
の出力をどのように取扱うかを、バウンスとピッチとロ
ールとの各制御部の図中左側に示した「+」と「−」の
符号により示してある。また、この各制御部の図中右側
に示した「+」、「−」の符号は、各制御部が姿勢変化
の抑制を行なう制御であるということを示すもので、該
各制御部の図中左側に示した符号とは反対の符号が附さ
れている。
すなわちバウンス制御では、左右前側の各車高の加算
値と、左右後側の各車高の加算値とが、それぞれ基準車
高値と一致する方向にPD制御され、このときに用いる制
御式を次式(1)に示してある。
KB1+{TB2・S/(1+TB2・S)}・KB2……(1) KB1,KB2,TB2:制御ゲイン(定数) S:演算子 また、ピッチ制御では、左右前側の各車高の加算値に
対して、左右後側の車高の加算値を減算したものが零と
なる方向にPD制御される。さらに、ロール制御では、左
側前後の各車高の加算値と、右側前後の各車高の加算値
とが一致する方向に(目標ロール角となるように)PD制
御される。
上述した3つのPD制御により得られた各制御値は、そ
れぞれ4つのシリンダ装置1用として求められて、各シ
リンダ装置1用の制御値毎に互いに加算され、最終的に
4つの姿勢制御用の流量信号QXFR〜QXRLとして決定さ
れる。
勿論、上記ピッチ制御、ロール制御共に、そのPD制御
のための制御式は、前記(1)式の形とされる(ただし
制御ゲインは、ピッチ制御用、ロール制御用のものが設
定される)。
G乗心地制御(Gセンサ信号制御) この乗心地制御は、上記での姿勢制御に起因する乗
心地の悪化を防止することにある。したがって、上記
での3つの姿勢制御に対応してバウンス、ピッチ、ロー
ルの3つについて、上下方向の加速度を抑制するように
それぞれ、IPD制御(積分−比例−微分制御)によるフ
ィードバック制御が行なわれ、このIPD制御による制御
式を次の(2)式に示す。
{TB3/(1+TB3・S)}・KB3+KB4+{TB3・S/
(1+TB3・S)}・KB3 ……(2) KB3,KB4,TB3:制御ゲイン(定数) S:演算子 ただし、上記(2)式においては、各制御ゲインは、
バウンス制御用、ピッチ制御用、ロール制御用としてそ
れぞれ専用のものが用いられる。
なお、この乗心地制御用のGセンサは3つしかないの
で、ピッチ制御については、前側の上下方向加速度とし
て、前側左右の各上下方向加速度の相加平均を用いるよ
うにしてある。また、ロール制御に際しては、前側左右
の上下方向加速度のみを利用して、後側の上下方向加速
度は利用されない。
この乗心地制御においても、上述した3つのIPD制御
により得られた各制御値は、それぞれ4つのシリンダ装
置1毎に求められて、各シリンダ1用の制御値毎に互い
に加算され、最終的に4つの乗心地制御用の流量信号Q
GFR〜QGRLとして決定される。
ウォープ制御(圧力信号制御) ウォープ制御は車体Bのねじり抑制を行なう制御であ
る。すなわち、各シリンダ装置1に作用している圧力は
各車輪への荷重に相当するので、この荷重に起因する車
体Bのねじりが大きくならないように制御する。
具体的には、車体前側と後側との各々について、左右
の圧力の差と和との比が1となる方向にフィードバック
制御される。そして、重み付け係数ωFによって車体前
前側と後側との各ねじれ量の重み付けを与え、また重み
付け係数ωAによって前記との各制御に対する重み
付けを与えるようになっている。勿論、このねじり抑制
制御においても、その制御値は、最終的に、4つのシリ
ンダ装置1毎の流量信号QPFR〜QPRL(%)として決定
される。
前述のようにして4つのシリンダ装置1毎に決定され
た姿勢制御用と、乗心地制御用と、ねじり抑制制御用と
の各流量信号は、最終的に加算されて、最終流量信号Q
FR〜QRLとして決定される。
上述した第4図の説明で用いた制御式の制御ゲイン
は、第5図に示すような制御系によって切換制御され
る。
先ず、ステアリングの舵角速度θMと車速Vとを乗算
し、その結果θM・Vから基準値G1を演算した値S1
旋回判定部に入力する。また、車両の現在の横加速度Gs
から基準値G2を減算した値S2を旋回判定部に入力す
る。そして、旋回判定部にて、入力S1又はS2≧0の場
合には、車両の旋回時と判断して、サスペンション特性
のハード化信号Saを出力して、各液圧シリンダ3に対す
る流量制御の追随性を向上すべく、減衰力切換バルブ10
を絞り位置に切換えると共に、上記各比例定数Ki(i=
B1〜B4)を各々大値KHardに設定し、また目標ロール各
TROLLを予め記憶するマップから、その時の横加速度Gs
に対応する値に設定する。このマップの一例を、第6図
に示してある。ちなみに、パッシブサスペンション車の
場合は、第7図に示すように、横Gの増大と共に、ロー
ル角(正ロール)が大きくなる。
一方、旋回判定部で入力S1及び<0の場合には、直
進時と判断して、サスペンション特性のソフト化信号Sb
を出力して、減衰力切換バルブ10を回位置に切換えると
共に、比例定数Kiを各々通常値Ksoftに設定し、また目
標ロール角TROLL=0に設定する。
故障判定 車高センサ51が故障したか否かの判定は次のようにし
て行われる。先ず、Gセンサ53の出力値が所定値(例え
ば0.1G)以上変化したときに、この変化から所定時間
(例えば3秒)以内に、車高センサ51の出力値が変化し
たか否かが判断される。そして、この所定時間内に車高
センサ51の出力値が変化しないときに、車高センサ51が
故障と判断される。
上述のような故障判定の様子を図式的に示したのが第
8図である。この第8図t1時点において上下方向加速
度が所定値ΔG(例えば0.1G)変化したときである。こ
のt1時点から所定時間(例えば3秒経過したt2時点ま
での間)に車高センサ51の出力値が変化している(b)
のときは、当該車高センサ51が正常である。また、
(c)で示すように、所定時間に車高センサの出力値が
変化しないときは、当該車高センサ51が故障のときであ
る。
ここで、最近接関係にある車高センサ51とGセンサ53
とを各々対応づけて、上述のような故障判定するのが好
ましい。すなわち、車高センサ51FRについてはGセンサ
53FRとの関係でのみ故障判定を行い、同様に51FLについ
ては53FLとの関係での故障判定すればよい。ただし、後
輪側については1つのGセンサ53Rしかないので、この5
3Rが左右後輪の車高センサ51RR、51RLの故障判定用に用
いられる。また、車高センサ51の出力値が変化したか否
かは、ある程度の誤差を考慮して、車高センサ51の出力
値が所定値以上変化しないとき(ΔGとの関係でも異な
るが、例えば車高に換算して3mm以上変化しないとき)
を、故障判定の条件として付加するようにしてもよい。
車高センサ51が故障であると判定されたときは、アク
ティブ制御はその時点の状態を保持したままで中止され
る一方(車高保持)、制御弁26が開かれる。そして、図
示を略す警報ランプ等の警報器が作動される。車高セン
サ51が故障であると判定されたときは、イグニッション
スイッチをOFFして再びイグニッションONとなったとき
は、再びアクティブ制御が開始される(イグニッション
OFFからONによるアクティブ制御の復帰)。
フローチャート 前述したサスペンション制御用の制御ユニットUの制
御内容を、特に車高センサ51の故障判定部分に着目し
て、第9図に示すフローチャートを参照しつつ説明する
が、以下の説明でPはステップを示す。
先ず、第9図において、イグニッションスイッチのON
によりスタートされて、P1においてシステム全体のイニ
シャライズが行なわれ、このとき制御弁26は閉とされ、
また故障ランプが0にリセットされる。
P2において、故障フラグが1であるか否かが判別され
るが、当初はP1で0にリセットされているので、P3へ移
行する。P3では、各センサからの信号が読込まれた後、
P4において前述したアクティブ制御がなされる。
P4の後、P5において、上下方向加速度の変化量ΔGが
0.1Gよりも大きいか否かが判別される。この判別でNOの
ときは、車高センサ51の故障判定を行わないときなの
で、そのままP2へ戻る。また、P5の判別YESのときは、P
6において、P5の後所定時間内に車高センサ51の出力値
が変化したか否かが判別される。なお、所定時間内にお
いて車高センサ51の出力値が変化している否かの監視
は、別途割込処理によって行われる。このP6の判別でYE
Sのときは、そのままP2に戻り、P4でのアクティブ制御
が続行され続ける。
前記P6の判別でNOのときは、P7において故障フラグを
1にセットした後、P8において、前述したように車高セ
ンサ故障時の対応(アクティブ制御中止、制御弁26の
開、警報器作動)がなされる。このP7で一旦故障フラグ
が1にセットされた後は、P2での判別がYESとなるた
め、アクティブ制御はイグニッションOFFまで継続して
なされない。ただし、再びイグニッションONとされる
と、P1でのイニシャライズで故障フラグが0いリセット
されるのは、前述した通りである。
(発明の効果) 本発明は以上述べたことから明らかなように、上下方
向加速度というものをサスペンションのアクティブ制御
に活かしつつ、この上下方向加速度を利用して車高セン
サの故障判定を従来よりも一層正確に行うことができ
る。また、車高センサの故障を姿勢制御中つまりサスペ
ンションのアクティブ制御中に行うことができると共
に、車高センサの故障判定を所定時間内という短時間で
行うことができ、実用上極めて効果的なる。さらに、上
下方向加速度と車高変位との位相差を勘案して故障判定
を行うので、この位相差に起因した誤判定を防止する上
で好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すもので、作動液回路を
示す図。 第2図は第1図中のパイロット弁の一例を示す断面図。 第3図は第1図に示す回路の制御系統を示す図。 第4図、第5図はアクティブ制御を行なうための一例を
示す全体系統図。 第6図はアクティブサスペンション車におけるロール特
性の一例を示す図。 第7図はパッシブサスペンション車におけるロール特性
の一例を示す図。 第8図は上下方向加速度の検出値と車高の検出値との関
係から、車高センサの故障判定を行う場合を図式的に示
す図。 第9図は本発明の制御例を示すフローチャート。 第10図は本発明の全体構成をブロック図的に示す図。 U:制御ユニット(サスペンション用) 1FR〜1RL:シリンダ装置 5……液室 15、19……流量調整弁 51FR〜51RL:車高センサ 53FR〜53R:上下方向加速度センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばね上重量とばね下重量との間に架設され
    サスペンション特性を変化させるためのアクチュエータ
    装置を備えた車両のサスペンション装置において、 車高を検出する車高検出手段と、 車体に対する上下方向の加速度を検出する加速度検出手
    段と、 前記両検出手段からの出力を受け、少なくとも車高と上
    下方向加速度とをパラメータとしてあらかじめ定められ
    た条件に基づいて、車体が所定の姿勢状態となるように
    前記アクチュエータの制御を行う制御手段と、 前記両検出手段からの出力を受け、前記加速度検出手段
    の出力値が所定値以上変化してから所定時間内に前記車
    高検出手段の出力値が変化しないときに、該車高検出手
    段が故障であると判定する故障判定手段と、 を備えていることを特徴とする車両のサスペンション装
    置。
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