JP2839911B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JP2839911B2 JP25363189A JP25363189A JP2839911B2 JP 2839911 B2 JP2839911 B2 JP 2839911B2 JP 25363189 A JP25363189 A JP 25363189A JP 25363189 A JP25363189 A JP 25363189A JP 2839911 B2 JP2839911 B2 JP 2839911B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両のサスペンション装置に関するものであ
る。
(従来技術) 車両のサスペンションは、一般にパッシブサスペンシ
ョンと呼ばれるように、油圧緩衝器とばね(一般にはコ
イルばね)とからなるダンパユニットを有して、あらか
じめ設定されたダンパユニットの特性によってサスペン
ション特性が一律に設定される。勿論、油圧緩衝器の減
衰力を可変にすることも行なわれているが、これによっ
てサスペンション特性が大きく変更されるものではな
い。
一方、最近では、アクティブサスペンションと呼ばれ
るように、サスペンション特性を任意に変更し得るよう
にしたものが提案されている、このアクティブサスペン
ションにあっては、基本的に、ばね上重量とばね下重量
との間にシリンダ装置が架設されて、該シリンダ装置に
対する作動液の供給と排出とを制御することによりサス
ペンション特性が制御される(特開昭63−130418号公報
参照)。
このアクティブサスペンションにおいては、外部から
の作動液の給排ということにより、車高制御、ロール制
御、ピッチ制御等種々の制御のためにサスペンション特
性が大きく変更され得る。このようなアクティブサスペ
ンションにあっては、姿勢制御のため基本的に、車高を
検出する車高センサが用いられる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、アクティブサスペンションの場合、その制
御結果は、つまるところ車高の変化、つまりシリンダ装
置の伸縮となって表れる。例えば、車高の変位に基づい
て制御する場合、基準車高からの変位を小さくするよう
に制御される。また車高の変位速度に基づいて制御する
場合、この変位速度を小さくするように制御される。
しかしながら、これら制御、つまり車高の変位に基づ
く制御と、変位速度に基づく制御とは、互いに両立しな
い場合が考えられる。すなわち、例えば悪路走行の場
合、車高の変位速度は、車高変位に比べて、短時間のう
ちに、微妙に変化し、また正負両方向に変化するもので
ある。したがって、車高の変位に基づく制御ではシリン
ダに対して作動液を供給する方向に制御しているにも係
らず、変位速度に基づく制御ではシリンダに対して作動
液を排出する方向に制御するということが考えられる。
このような事態は、変位速度に基づく制御が実質的に行
われないのと同じであり、車両の乗り心地を悪化させる
原因となる。
そこで、本発明の目的は、車高の変位に基づく制御
と、変位速度に基づく制御とが競合することによって、
車両の乗り心地が悪化するのを防止するようにした車両
のサスペンション装置を提供することにある。
(発明の構成) 前記目的を達成するため、本発明にあっては次のよう
な構成としてある。すなわち、特許請求の範囲における
請求項1に記載のように、 各車輪毎に設けられ、それぞればね上重量とばね下重
量との間に架設されて、作動液の給排によって車高を変
化させるシリンダ装置を備えた車両のサスペンション装
置において、 各車輪毎の車高を検出する車高検出手段と、 前記車高検出手段からの変位信号について所定の車高
領域で感度を低下させる不感帯処理を行った後の不感帯
処理信号に基づいて、各車輪の車高が基準車高となるよ
うに前記作動液の給排量を決定する第1の演算部と、 前記車高検出手段からの変位信号を所定の車高領域で
感度を低下させる不感帯処理を行うことなく微分するこ
とにより求められた変位速度が小さくなるように、前記
作動液の給排量を決定する第2の演算部と、 前記第1の演算部と第2の演算部とのそれぞれの値を
加算して作動液の給排量を決定して、該決定された給排
量となるように前記シリンダ装置に対する作動液の給排
を制御する制御手段と、 を備えた構成としてある。
上記構成を前提として、路面が不整であるほど前記不
感帯処理される範囲が大きくなるように設定することが
できる。
(発明の効果) 請求項1に記載したような構成とすることにより、微
細な上下変位によっては変位に基づく制御が行われな
い、つまり微細な上下振動(高周波振動)に対しては変
位速度に基づく制御だけが行われることになり、悪路走
行等における車両の乗り心地を向上することが可能とな
る。勿論、大きな振動(低周波振動)に対しては、変位
に基づく制御も行われるため、車両の姿勢制御を基本的
に阻害することはない。
請求項2に記載したような構成とすることにより、路
面が不整であるほど車高変位の感度を低下させる範囲を
大きくして、上述の効果をより一層発揮させる上で好ま
しいものとなる。
(実施例) 以下本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明す
る。なお、以下の説明で数字と共に用いる符号「F」は
前輪用、「R」は後輪用であり、また「FR」は右前輪
用、「FL」は左前輪用、「RR」は右後輪用、「RL」は左
後輪用を意味し、したがって、これ等を特に区別する必
要のないときはこれ等の識別符号を用いないで説明する
こととする。
作動液回路 第1図において、1(1FR、1FL、1RR、1RL)はそれぞ
れ前後左右の各車輪毎に設けられたシリンダ装置で、こ
れ等は、ばね下重量に連結されたシリンダ2と、該シリ
ンダ2内より延びてばね上重量に連結されたピストンロ
ッド3とを有する。シリンダ2内は、ピストンロッド3
と一体のピストン4によってその上方に液室5が画成さ
れているが、この液室5と下方の室とは連通されてい
る。これにより、液室5に作動液が供給されるとピスト
ンロッド3が伸長して車高が高くなり、また液室5から
作動液が排出されると車高が低くなる。
各シリンダ装置1の液室5に対しては、ガスばね6
(6FR、6FL、6RR、6RL)が接続されている。この各ガス
ばね6は、小径とされた4本のシリンダ状ばね7により
構成され、各シリンダ状ばね7は互いに並列にかつオリ
フィス8を介して液室5と接続されている。そして、こ
れ等4本のシリンダ状ばね7のうち、1本を除いて、残
る3本は、切換弁9を介して液室5と接続されている。
これにより、切換弁9を図示のような切換位置としたと
きは、4本のシリンダ状ばね7がそのオリフィス8を介
してのみ連通され、このときの減衰力が小さいものとな
る。また、切換弁9が図示の位置から切換わると、3本
のシリンダ状ばね7は切換弁9内に組込まれたオリフィ
ス10をも介して液室5と連通されることとなり、減衰力
が大きいものとなる。勿論、切換弁9の切換位置の変更
により、ガスばね6によるばね特性も変更される。そし
て、このサスペンション特性は、シリンダ装置1の液室
5に対する作動液の供給量を変更することによっても変
更される。
図中11はエンジンにより駆動されるポンプで、リザー
バタンク12よりポンプ11が汲上げた高圧の作動液が、共
通通路13に吐出される。共通通路13は、前側通路14Fと
後側通路14Rとに分岐されて、前側通路14Fはさらに右前
側通路14FRと、左前側通路14FLとに分岐されている。こ
の右前側通路14FRは、右前輪用シリンダ装置1FRの液室
5に接続され、また左前側通路14FLは、左前輪用シリン
ダ装置1FLの液室5に接続されている。この右前側通路1
4FRには、その上流側より、供給用流量制御弁15FR、遅
延弁としてのパイロット弁16FRが接続されている。同様
に、左前側通路14FLにも、その上流側より、供給用流量
制御弁15FL、パイロット弁16FLが接続されている。
右前側通路14FRには、両弁15FRと16FRとの間より右前
側通路用の第1リリーフ通路17FRが連なり、この第1リ
リーフ通路17FRは最終的に、前輪用リリーフ通路18Fを
経てリザーバタンク12に連なっている。そして、第1リ
リーフ通路17FRには、排出用流量制御弁19FRが接続され
ている。また、パイロット弁16FR下流の通路14FRは、第
2リリーフ通路20FRを介して第1リリーフ通路17FRに連
なり、これにはリリーフ弁21FRが接続されている。さら
に、シリンダ装置1FR直近の通路14FRには、フィルタ29F
Rが介設されている。このフィルタ29FRは、シリンダ装
置1FRとこの最も近くに位置する弁16FR、21FRとの間に
あって、シリンダ装置1FRの摺動等によってここから発
生する摩耗粉が当該弁16FR、21FR側へ流れるのを防止す
る。
なお、左前輪用の通路構成も右前輪用通路構成と同様
に構成されているので、その重複した説明は省略する。
前記共通通路13にはメインのアキュムレータ22が接続
され、また前輪用リリーフ通路18Fにもアキュムレータ2
3Fが接続されている。このメインのアキュムレータ22
は、後述するサブのアキュムレータ24と共に作動液の蓄
圧源となるものであり、シリンダ装置1に対する作動液
供給量に不足が生じないようにするためのものである。
また、アキュムレータ23Fは、前輪用のシリンダ装置1
内の高圧の作動液が低圧のリザーバタンク12へ急激に排
出されるのを防止、すなわちウオータハンマ現象を防止
するためのものである。
後輪用シリンダ装置1RR、1RLに対する作動液給排通路
も前輪用と同様に構成されているので、その重複した説
明は省略する。ただし、後輪用通路にあっては、パイロ
ット弁21FR、21FLに相当するものがなく、また後輪通路
14Rには、メインのアキュムレータ22からの通路長さが
前輪用のものよりも長くなることを考慮して、サブのア
キュムレータ24が設けられている。
前記共通通路13、すなわち前後輪用の各通路14F、14R
は、リリーフ通路25を介して、前輪用のリリーフ通路18
Fに接続され、該リリーフ通路25には、電磁開閉弁から
なる制御弁26が接続されている。
なお、第1図中27はフィルタ、28はポンプ11からの吐
出圧が所定の範囲内となるように調整するための調圧弁
であり、この調圧弁28は、実施例ではポンプ11を可変容
量型斜板ピストン式として構成して、該ポンプ11に一体
に組込まれたものとなっている(吐出圧120〜160kg/c
m2)。
前記パイロット弁16は、前後用の通路14Fあるいは14
R、したがって共通通路13の圧力とシリンダ装置1側の
圧力との差圧に応じて開閉される。このため、前輪用の
パイロット弁16FR、16FLに対しては、通路14Fより分岐
された共通パイロット通路31Fが導出され、該共通パイ
ロット通路31Fより分岐された2本の分岐パイロット通
路のうち一方の通路31FRがパイロット弁16FRに連なり、
また他方の通路31FLがパイロット弁16FLに連なってい
る。そして、上記共通パイロット通路31Fには、オリフ
ィス32Fが介設されている。なお、後輪用のパイロット
通路も同様に構成されている。
上記各パイロット弁16は、例えば第2図のように構成
されており、図示のものは右前輪用のものを示してあ
る。このパイロット弁16は、そのケーシング33内に、通
路14FRの一部を構成する主流路34が形成され、該主流路
34に対して、通路14FRが接続される。上記主流路34の途
中には弁座35が形成され、ケーシング33内に摺動自在に
嵌挿された開閉ピストン36がこの弁座35に離着座される
ことにより、パイロット弁16FRが開閉される。
上記開閉ピストン36は、弁軸37を介して制御ピストン
38と一体化されている。この制御ピストン38は、ケーシ
ング33内に摺動自在に嵌挿されて該ケーシング33内に液
室39を画成しており、該液室39は、制御用流路40を介し
て分岐パイロット通路31FRと接続されている。そして、
制御ピストン36は、リターンスプリング41により、開閉
ピストン36が弁座35に着座する方向、すなわちパイロッ
ト弁16FRが閉じる方向に付勢されている。さらに、制御
ピストン38には、連通口42を介して、液室39とは反対側
において、主流路34の圧力が作用される。これにより、
液室39内(共通通路13側)の圧力が、主流路34内(シリ
ンダ装置1FR側)の圧力の1/4以下となると、開閉ピスト
ン36が弁座35に着座してパイロット弁16FRが閉じられ
る。
ここで、パイロット弁16FRが開いている状態から、共
通通路13側の圧力が大きく低下すると、オリフィス32F
の作用によりこの圧力低下は遅延されて液室39に伝達さ
れ、したがって当該パイロット弁16FRは上記圧力低下か
ら遅延して閉じられることになる(実施例ではこの遅延
時間を約1秒として設定してある)。
次に、前述した各弁の作用について説明する。
切換弁9 切換弁9は、実施例では、旋回中においてのみ減衰力
が大きくなるように切換作動される。
リリーフ弁21 リリーフ弁21は、常時は閉じており、シリンダ装置1
側の圧力が所定値以上(実施例では160〜200kg/cm2)に
なると、開かれる。すなわちシリンダ装置1側の圧力が
異常上昇するのを防止する安全弁となっている。
勿論、リリーフ弁21は、後輪用のシリンダ装置1RR、1
RLに対しても設けることができるが、実施例では、重量
配分が前側の方が後側よりもかなり大きく設定された車
両であることを前提としていて、後輪側の圧力が前輪側
の圧力よりも大きくならないという点を勘案して、後輪
側にはリリーフ弁21を設けていない。
流量制御弁15、19 供給用および排出用の各流量制御弁15、19共に、電磁
式のスプール弁とされて、開状態と閉状態とに適宜切換
えられる。ただし、開状態のときは、その上流側と下流
側との差圧がほぼ一定となるような差圧調整機能を有す
るものとなっている(流量制御の関係上、この差圧を一
定にすることが要求される)。さらに詳しくは、流量制
御弁15、19は、供給される電流に比例してそのスプール
の変位位置すなわち開度が変化され、この供給電流は、
あらかじめ作成、記憶された流量−電流の対応マップに
基づいて決定される。すなわち、供給電流が、そのとき
の要求流量に対応している。
この流量制御弁15、19の制御によってシリンダ装置1
への作動液供給と排出とが制御されて、サスペンション
特性が制御されることになる。
これに加えて、イグニッションOFFのときは、このOFF
のときから所定時間(実施例では2分間)、車高を低下
させる方向の制御だけがなされる。すなわち、降車等に
起因する積載荷重の変化を勘案してして車高が部分的に
高くなってしまうのを防止する(基準車高の維持)。
制御弁26 制御弁26は、常時は励起されることによって閉じら
れ、フェイル時に開かれる。このフェイル時としては、
例えば流量制御弁15、19の一部が固着してしまった場
合、後述するセンサ類が故障した場合、作動液の液圧が
失陥した場合、ポンプ11が失陥した場合等がある。
これに加えて実施例では、制御弁26は、イグニッショ
ンOFFのときから所定時間(例えば2分)経過した後に
開かれる。
なお、この制御弁26が開いたときは、パイロット弁16
が遅れて閉じられることは前述の通りである。
パイロット弁16 既に述べた通り、オリフィス32F、32Rの作用により、
共通通路13の圧力が低下してから遅延して開かれる。こ
のことは、例えば流量制御弁15の一部が開きっぱなしと
なったフェイル時に、制御弁26の開作動に起因するパイ
ロット圧力低下によって通路14FR〜14RLを閉じて、シリ
ンダ装置1FR〜1RL内の作動液を閉じこめ、車高維持が行
なわれる。勿論、このときは、サスペンション特性はい
わゆるパッシブなものに固定される。
制御系 第3図は、第1図に示す作動液回路の制御系統を示す
ものであり、この第3図に示す車両においては、それぞ
れ図示は略すが、エンジンの出力がトルクコンバータお
よび自動変速機を介して後輪へ伝達される後輪駆動車と
されている。
この第3図において、WFRは右前輪、WFLは左前輪、WR
Rは右後輪、WRLは左後輪であり、Uはマイクロコンピュ
ータを利用して構成された制御ユニットである。この制
御ユニットUには各センサ51FR〜51RL、52FR〜52RL、53
FR、53FL、53Rおよび61〜64からの信号が入力され、ま
た制御ユニットUからは、切換弁9、前記流量制御弁15
(15FR〜15RL)、19(19FR〜19RL)および制御弁26に対
して出力される。
上記センサ51FR〜51RLは、各シリンダ装置1FR〜1RLに
設けられてその伸び量、すなわち各車輪位置での車高を
検出するものである。センサ52FR〜52RLは、各シリンダ
装置1FR〜1RLの液室5の圧力を検出するものである(第
1図をも参照)。センサ53FR、53FL、53Rは、上下方向
の加速度を検出するGセンサである。ただし、車両Bの
前側については前車軸上でほぼ左対称位置に2つのGセ
ンサ53FR、53FLが設けられているが、車両Bの後部につ
いては、後車軸上において左右中間位置において1つの
Gセンサ53Rのみが設けられている。このようにして、
3つのGセンサによって、車体Bを代表する1つの仮想
平面が規定されているが、この仮想平面は略水平面とな
るように設定されている。上記センサ61は車速を検出す
るものである。上記センサ62はハンドルの操作速度すな
わち舵角速度を検出するものである(実際には舵角を検
出して、この検出された舵角より演算によって舵角速度
が算出される)。上記センサ63は、車体に作用する横G
を検出するものである(実施例では車体のZ軸上に1つ
のみ設けてある)。センサ64は、自動変速機のレンジ位
置切換用の操作レバー位置を検出するもので、レンジ位
置がPレンジまたはNレンジから走行レンジへと切換え
られたことを検出するためのものである。
制御ユニットUは、基本的には、第4A図、第4B図に概
念的に示すアクティブ制御、すなわち実施例では、車両
の姿勢制御(車高信号制御および車高変位速度制御)
と、乗心地制御(上下加速度信号制御)と、車両のねじ
り制御(圧力信号制御)とを行なう。そして、これ等各
制御の結果は、最終的に、流量調整手段としての流量制
御弁15、19を流れる作動液の流量として表われる。
アクティブ制御 さて次に、各センサの出力に基づいてサスペンション
特性をどのように制御するかの一例について、第4A図、
第4B図を参照しつつ説明する。
この制御の内容は、大別して、もっとも基本となる車
高センサの出力およびその微分値(車高変位速度)に基
づいて車体Bの姿勢制御を行なう制御系X1、X2と、Gセ
ンサの出力に基づいて乗心地制御を行なう制御系X3と、
圧力センサの出力に基づいて車体Bのねじれ抑制制御を
行なう制御系X4とからなり、以下に分説する。
制御X1(車高変位成分) この制御は、バウンスと、ピッチ(ピッチング)と、
ロールとを抑制する3つの姿勢側制御からなり、各制御
は、PD制御(比例−微分制御)によるフィードバック制
御とされる。
まず、第4A図中、符号70は、車高センサ51FR〜51RLの
うち、左右の前輪側の出力XFR,XFLを合計するととも
に、左右の後輪側の出力XRR,XRLを合計して、車両の
バウンス成分を演算するバウンス成分演算部である。符
号71は、左右の前輪側の出力XFR,XFLの合計値から、
左右の後輪側の出力XRR,XRLの合計値を減算して、車
両のピッチ成分を演算するピッチ成分演算部である。符
号72は、左右の前輪側の出力の差分XFR−XFLと、左右
の後輪側の出力の差分XRR−XRLとを加算して、車両の
ロール成分を演算するロール成分演算部である。
前記バウンス成分演算部70で演算された車両のバウン
ス成分は、目標平均車高決定部91からの目標車高信号T
Hと比較された後に、バウンス制御部73へ入力される。
ここで、バウンス制御部73へ入力されるバウンス成分に
対して不感帯が設けられ、小さなバウンス成分は排除さ
れる。図中、符合95はバウンス成分用不感帯設定部であ
る。そして、バウンス制御部73では、ゲイン係数KB1に
基づいて、バウンス制御での各車輪の流量制御弁に対す
る制御量が演算される。
前記ピッチ成分演算部71で演算された車両のピッチ成
分は、目標ピッチ量決定部92からの目標ピッチ量Tpと比
較された後に、ピッチ制御部74へ入力され、このピッチ
制御部74では、ゲイン係数KP1に基づいて、目標ピッチ
量Tpに対応した車高となるようにピッチ制御での各流量
制御弁の制御量が演算される。
前記ロール成分演算部72で演算された車両のロール成
分は、目標ロール量決定部93からの目標ロール量TRと
比較された後に、ロール制御部75へ入力される。ここ
で、ロール制御部75へ入力されるロール成分に対して不
感帯が設けられ、小さなロール成分は排除される。図
中、符合96はロール成分用不感帯設定部である。そし
て、ロール制御部75では、ゲイン係数KRF1,KRR1に基
づいて、目標ロール量TRに対応する車高になるよう
に、ロール制御での各流量制御弁の制御量が演算され
る。
そして、車高を目標車高に制御すべく、前記各制御部
73、74、75で演算された各制御量は、各車輪毎にその正
負が反転(車高センサ51FR〜51RLの車高変位信号の正負
とは逆になるように反転)させられ、その後、各車輪に
対するバウンス、ピッチ、ロールの各制御量が加算さ
れ、制御系X1において、対応する比例流量制御弁の流量
信号QFR1,QFL1,QRR1,QRL1が得られる。
ここで、目標車高THとしては、仮に車両の最低地上
高で示した場合には、例えば150mmというようにある一
定値のままとすることができる。また、目標車高THを
変化させることもでき、この場合は、例えば車高に応じ
て段階的あるいは連続可変式にTHを変更することがで
きる(例えば車速が80km/h以上となったときに、最低地
上高を130mmにする)。
制御系X2(車高変位速度成分) 制御系X2においては、ピッチ制御とロール制御とが行
われる。
先ず、ピッチ制御部78に対して、前記ピッチ成分演算
部71からのピッチ成分が前記目標ピッチ量TPと比較さ
れた後に入力される。このピッチ制御部78は、目標ピッ
チ量TPから離れる方向へのピッチ成分(車体前部の車
高と車体後部の車高との偏差となる)の変化速度、すな
わち車高センサ51FR〜51RLからの信号のサンプリング時
間(実施例では10msec)毎の変化量(変位微分)が求め
られる。そして、ピッチ量を増大させる方向への変化速
度が小さくなるように、制御ゲインKP2を用いて、各流
量制御弁に対する制御流量を決定する。
また、ロール制御部79に対しては、前記ロール量演算
部72からのロール量(ロール角)が前記目標ロール量T
Rと比較された後に入力される。このロール制御部79
は、左右前輪と左右後輪との各組毎に、目標ロール量T
Rから離れる方向への実際のロール量の変化速度が小さ
くなるように、制御ゲインKRF2あるいはKRR2を用い
て、各流量制御弁に対する制御流量を決定する。
上記各制御部78、79で決定された制御量は、それぞれ
の正負が反転された後、各流量制御弁(各シリンダ装置
1FR〜1RL)毎に加算されて、制御系X2における制御流量
QFR2,QFL2,QRR2,QRL2が決定される。なお、各制御
部78、79において示す「S」は微分を示す演算子であ
る。
制御系X3(上下加速度成分) 先ず、符号80は、3個の上下加速度センサ53FR、53F
L、53Rの出力GFR,GFL,GRを合計して、車両のバウン
ス成分を演算するバウンス成分演算部である。符号81
は、3個の上下加速度センサ53FR、53FL、53Rのうち、
左右の前輪側の出力GFR,GFL,の各半分値の合計値か
ら、後輪側の出力GRを減算して、車両のピチ成分を演
算するピッチ成分演算部である。符号82は、右側前輪側
の出力GFRから、左側前輪側の出力GFLを減算して、車
両のロール成分を演算するロール成分演算部である。
そして、符号83は、前記バウンス成分演算部80で演算
された車両のバウンス成分が入力され、ゲイン係数KB3
に基づいてバウンス制御での各車輪の流量制御弁に対す
る制御量を演算するバウンス制御部である。符号84は、
ピッチ成分演算部81で演算された車両のピッチ成分が入
力され、ゲイン係数KP3に基づいて、ピッチ制御での各
流量制御弁の制御量を演算するピッチ制御部である。符
号85は、ロール成分演算部82で演算された車両のロール
成分が入力され、ゲイン係数KRF3,KRR3に基づいて、
ロール制御での各流量制御弁の制御量を演算するロール
制御部である。
そして、車両の上下振動をバウンス成分、ピチ成分、
ロール成分で抑えるべく、前記各制御部83〜85で演算さ
れた各制御量は、各車輪毎にその正負が反転させられ、
その後、各車輪に対するバウンス、ピッチ、ロールの各
制御量が加算され、制御系X3において、対応する比例流
量制御弁の流量信号QFR3,QFL3,QRR3,QRL3が得られ
る。
制御系X4 先ず、ウオープ制御部90を備えて、これは前輪側の液
圧比演算部90aと、後輪側の液圧比演算部90bを備えてい
る。
上記前輪側の液圧比演算部90aは、前輪側の2個の液
圧センサ52FR、52FLの液圧信号PFR,PFLが入力され
て、前輪側の合計液圧(PFR+PFL)に対する左右の液
圧差(PFR−PFL)の比(PFR−PFL)/(PFR+PF
L)を演算する。また後輪側の液圧比演算部90bは、後輪
側で同様の液圧比(PRR−PRL)/(PRR+PRL)を演
算する。
そして、後輪側の液圧比をゲイン係数ωFで所定倍し
た後、これを前輪側の液圧比から減算し、その結果を、
ゲイン係数ωFで所定倍すると共に、前輪側ではゲイン
係数ωCで所定倍し、その後、各車輪に対する制御量を
左右輪間で均一化すべく反転して、制御系X4において、
対応する流量制御弁の流量信号QFR4,QFL4,QRR4,QRL
4が得られる。
各制御系X1〜X4の総合 以上のようにして、各流量制御弁ごとに決定された流
量信号の車高変位成分QFR1,QFL1,QRR1,QRL1,車高
変位速度成分QFR2,QFL2,QRR2,QRL2,上下加速度成
分QFR3,QFL3,QRR3,QRL3,及び圧力成分QFR4,QFL
4,QRR4,QRL4は、最終的に加算され、最終的なトータ
ル流量信号QFR,QFL,QRR,QRLが得られる。
また、上述した第4A図、第4B図の説明で用いた制御式
の制御ゲインは、第5図に示すような制御系によって切
換制御される。
先ず、ステアリングの舵角速度θMと車速Vとを乗算
し、その結果θM・Vから基準値G1を演算した値S1を旋
回判定部に入力する。また、車両の現在の横加速度GS
から基準値G2を減算した値S2を旋回判定部に入力する。
そして、旋回判定部にて、入力S1又はS2≧0の場合に
は、車両の旋回時と判断して、サスペンション特性のハ
ード化信号Saを出力して、各液圧シリンダ1に対する流
量制御の追随性を向上すべく、減衰力切換バルブ10を絞
り位置に切換えると共に、上記各制御ゲインKiを各々大
幅KHardに設定し、また目標ロール角TRを予め記憶する
マップから、その時の横加速度Gsに対応する値に設定す
る。このマップの一例を、第6図に示してある。ちなみ
に、パッシブサスペンション車の場合は、第7図に示す
ように、横Gの増大と共に、ロール角(正ロール)が大
きくなる。
一方、旋回判定部で入力S1及び<0の場合には、直進
時と判断して、サスペンション特性のソフト化信号Sbを
出力して、減衰力切換バルブ10を開位置に切換えると共
に、制御ゲインKiを各々通常値Ksoftに設定し、また目
標ロール角TR=0に設定する。
以上、本発明の実施例を説明したが、前記不感帯設定
部95、96で設定する不感帯、つまりバウンス成分あるい
はロール成分に対する不感帯の大きさを車両の走行状態
に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、良路走
行では、不感帯を小さく、一方悪路走行では、不感帯を
大きくして、比較的大きなバウンス成分あるいはロール
成分を排除するようにしてもよい。
以上の構成により、車高変位に基づく制御と車高変位
速度に基づく制御との両立が可能となるが、他に車高変
位に基づく制御とウォープ制御との干渉を防止すること
が可能となる。車高変位に基づく制御を感度よく行った
場合には、ウォープ制御がうまく働かなくという問題を
介装することができる。また、バウンス制御部73、ロー
ル制御部75に入力する前段階でバウンス成分信号、ロー
ル成分信号の選別をするようにしてあるため、これをバ
ウンス制御部73等で行うのに比べて、該バウンス制御部
73等の負担を軽減することが可能となり、CPUのコスト
を低減することができるという利点を有す。
【図面の簡単な説明】
第1図はアクティブサスペンションの全体回路例を示す
図。 第2図は第1図中のパイロット弁の一例を示す断面図。 第3図は第1図に示す回路の制御系統を示す図。 第4A図、第4B図、第5図はアクティブ制御を行なうため
の一例を示す全体系統図。 第6図はアクティブサスペンション車におけるロール特
性の一例を示す図。 第7図はパッシブサスペンション車におけるロール特性
の一例を示す図。 第8図は本発明の全体構成をブロック図的に示す図。 1FR〜1RL:シリンダ装置 15FR〜15RL:供給用制御弁 19FR〜19RL:排出用制御弁 51FR〜51RL:車高センサ U:制御ユニット 95:バウンス成分用不感帯設定部 96:ロール成分用不感帯設定部 X1:車高変位成分制御系 X2:車高変位速度成分制御系
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪毎に設けられ、それぞればね上重量
    とばね下重量との間に架設されて、作動液の給排によっ
    て車高を変化させるシリンダ装置を備えた車両のサスペ
    ンション装置において、 各車輪毎の車高を検出する車高検出手段と、 前記車高検出手段からの変位信号について所定の車高領
    域で感度を低下させる不感帯処理を行った後の不感帯処
    理信号に基づいて、各車輪の車高が基準車高となるよう
    に前記作動液の給排量を決定する第1の演算部と、 前記車高検出手段からの変位信号を所定の車高領域で感
    度を低下させる不感帯処理を行うことなく微分すること
    により求められた変位速度が小さくなるように、前記作
    動液の給排量を決定する第2の演算部と、 前記第1の演算部と第2の演算部とのそれぞれの値を加
    算して作動液の給排量を決定して、該決定された給排量
    となるように前記シリンダ装置に対する作動液の給排を
    制御する制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両のサスペンション装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 路面が不整であるほど前記不感帯処理される範囲が大き
    くなるように設定されている、ことを特徴とする車両の
    サスペンション装置。
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