JP3020656B2 - 車両のサスペンシヨン装置 - Google Patents

車両のサスペンシヨン装置

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JP3020656B2
JP3020656B2 JP3160533A JP16053391A JP3020656B2 JP 3020656 B2 JP3020656 B2 JP 3020656B2 JP 3160533 A JP3160533 A JP 3160533A JP 16053391 A JP16053391 A JP 16053391A JP 3020656 B2 JP3020656 B2 JP 3020656B2
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敬 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体と各車輪との間
に架設されて作動液の給排に応じて車高を調整するシリ
ンダ装置を備え、このシリンダ装置への作動液の給排を
制御することにより車体の姿勢制御を行なうようにした
車両のサスペンシヨン装置、即ち、アクテイブタイプの
車両のサスペンシヨン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のサスペンシヨンは、一般にパツシ
ブサスペンシヨンと呼ばれるように、油圧緩衝器とばね
(一般にはコイルばね)とからなるダンパユニツトを有
して、あらかじめ設定されたダンパユニツトの特性によ
つてサスペンシヨン特性が一律に設定される。勿論、油
圧緩衝器の減衰力を可変にすることも行なわれている
が、これによつてサスペンシヨン特性が大きく変更され
るものではない。
【0003】一方、最近では、アクテイブサスペンシヨ
ンと呼ばれるように、サスペンシヨン特性を任意に変更
し得るようにしたものが提案されている。このアクテイ
ブサスペンシヨンにあつては、基本的に、各車輪と車体
との間にシリンダ装置が架設されて、このシリンダ装置
に対する作動液の供給と排出とを制御することによりサ
スペンシヨン特性が変更される(特開昭63−1304
18号公報参照)。このアクテイブサスペンシヨンにお
いては、外部からの作動液の給排ということにより、車
高制御、ロール制御、ピツチ制御等種々の姿勢制御のた
めにサスペンシヨン特性が大きく変更され得る。
【0004】ところで、アクテイブサスペンシヨン装置
にあつては、各シリンダ装置への作動液供給源となるメ
イン圧力系が構成され、このメイン圧力系には少なくと
も作動液の加圧源となるポンプが装備され、これに加え
てポンプから吐出された作動液を蓄圧しておくアキユム
レータが装備されることも行なわれる。そして、作動液
の消費量を勘案して、アキユムレータへの蓄圧量が所定
範囲のものに維持されるように、アキユムレータの内圧
が所定圧力範囲となるようにすることも行なわれる。こ
のため、ポンプには、アンロード弁、リリーフ弁あるい
は調圧弁等の名称で呼ばれるような調圧手段が付設され
て、アキユムレータ内圧が所定の下限値以下となるとこ
のポンプをロード状態とし、アキユムレータ内圧が所定
の上限値以上となるとアンロード状態とされる。
【0005】ところで、ポンプの仕事量すなわち消費馬
力は相当大きなものであり、したがつて、このポンプの
運転のために車両を走行させる分の馬力が不足して、加
速中においては、いきなりの減速感を運転者に与えてし
まうような場合が応々にして生じ易くなる。
【0006】このため、エンジンの負荷状態を常時観察
し、例えば、エンジンブレーキ状態や減速状態等のエン
ジン負荷が低い時に、ロード動作、即ち、アキユムレー
タへの蓄圧動作を下限値を高く設定した状態で積極的に
実行させる事により、アキユムレータの内圧は、所定範
囲内の高い領域で維持される事となる。このようにし
て、アキユムレータへのロード動作の発生頻度を押さ
え、エンジンの高負荷状態におけるロード動作の発生を
抑制する事が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
述した様にエンジン負荷の低い減速動作中にアキユムレ
ータへのロード動作を積極的に実行する様にすると、例
えば、悪路走行中において、路面からの突き上げが発生
し、エンジンに路面からの負荷が作用した場合には、エ
ンジンがストールする可能性がある。ここで、このよう
なエンジンのストールを防止するためには、エンジンの
アイドル回転数を高めに設定しておけば良いものであ
る。しかし、このようなアイドル回転数の高め設定は、
車両停止中のエンジン音の上昇や、燃費の劣化を招き、
好ましく無い。
【0008】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この発明の目的は、悪路走行中においてもエン
ジンがストールすることなく、作動液の加圧源としての
ポンプを最適運転し得るようにした車両のサスペンシヨ
ン装置を提供することである。また、この発明の他の目
的は、作動液の加圧源としてのポンプの運転による減速
感を防止しつつ、悪路走行中においてもエンジンがスト
ールすることないようにした車両のサスペンシヨン装置
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、この発明に係わる車両のサスペン
ション装置は、車体と各車輪との間に架設されて作動液
の給排に応じて車高を調整するシリンダ装置を備え、こ
のシリンダ装置への作動液の給排を制御することにより
車体の姿勢制御を行うようにした車両のサスペンション
装置において、作動液の加圧源となるポンプと、このポ
ンプから吐出された作動液を蓄圧するアキュムレータ
と、前記ポンプの運転状態を調整することにより、前記
アキュムレータへの作動液の蓄圧量を調整する蓄圧量調
整手段と、車両の減速状態を検出する減速検出手段と、
エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、前記減速
検出手段にて車両の減速状態が検出された場合に、前記
アキュムレータへ強制蓄圧動作が行われるように、前記
回転数検出手段で検出されたエンジン回転数が所定回転
数よりも小さいと判断された場合に、この強制蓄圧動作
を中止させるように前記蓄圧量調整手段を制御する蓄圧
量制御手段とを具備する。
【0010】また、この発明に係わる車両のサスペンシ
ョン装置は、車両の停止状態を検出する停止検出手段を
更に具備し、前記蓄圧量制御手段は、前記停止検出手段
で車両が実質的に停止していると判断された場合に、前
記強制蓄圧動作の中止状態を解除し、この強制蓄圧動作
を復活させるように前記蓄圧量調整手段を制御する。
【0011】また、この発明に係わる車両のサスペンシ
ョン装置は、車両の走行速度を検出する車速検出手段を
更に具備し、前記蓄圧量制御手段は、前記車速検出手段
で車両が高速走行状態にあると判断された場合に、前記
強制蓄圧動作の中止状態を解除し、この強制蓄圧動作を
復活させるように前記蓄圧量調整手段を制御する。
【0012】
【実施例】以下に、この発明に係わる車両のサスペンシ
ヨン装置の一実施例の構成を、添付図面を参照して詳細
に説明する。尚、以下の説明で数字と共に用いる識別符
号「F」は前輪用、「R」は後輪用であり、また「F
R」は右前輪用、「FL」は左前輪用、「RR」は右後
輪用、「RL」は左後輪用を意味し、従つて、これ等を
特に区別する必要のないときは、これ等の識別符号を用
いないで、数字のみを用いて説明することとする。
【0013】{全体構成の説明}図1において、参照符
号1(1FR,1FL,1RR,1RL)は前後左右の
各車輪毎に設けられたシリンダ装置を示している。各シ
リンダ装置1は、ばね下重量に連結されたシリンダ2
と、このシリンダ2内より延びてばね上重量に連結され
たピストンロツド3とを有している。各シリンダ2内
は、ピストンロツド3と一体のピストン4によつてその
上方に液室5が画成されており、この液室5と下方の室
とは連通されている。これにより、液室5に作動液が供
給されるとピストンロツド3が伸長して車高が高くな
り、また液室5から作動液が排出されると車高が低くな
る。
【0014】各シリンダ装置1の液室5に対しては、ガ
スばね6(6FR,6FL,6RR,6RL)が各々接
続されている。各ガスばね6は、小径とされた4本のシ
リンダ状ばね7により構成されている。各シリンダ状ば
ね7は、互いに並列に、且つ、オリフイス8を各々介し
て液室5と接続されている。そして、これ等4本のシリ
ンダ状ばね7のうち、1本を除いて、残る3本は、共通
の切換弁9を介して液室5と接続されている。これによ
り、切換弁9を図示のような切換位置(連通位置)とし
たときは、4本のシリンダ状ばね7が対応するオリフイ
ス8を介してのみ液室5に連通され、このときの減衰力
が小さいものとなる。また、切換弁9が図示の連通位置
から絞り位置に切換わると、3本のシリンダ状ばね7
は、切換弁9内に組込まれたオリフイス10をも介して
液室5と連通されることとなり、減衰力が大きいものと
なる。勿論、切換弁9の切換位置の変更により、ガスば
ね6によるばね特性も変更される。そして、このサスペ
ンシヨン特性は、シリンダ装置1の液室5に対する作動
液の供給量を変更することによつても変更される。
【0015】図中、参照符号11は図示しないエンジン
により駆動されるポンプを示している。このポンプ11
の駆動に基づき、リザーバタンク12より汲上げられた
高圧の作動液が、共通通路13に吐出される。この共通
通路13は、前側通路14Fと後側通路14Rとに分岐
されている。前側通路14Fは、更に、右前側通路14
FRと、左前側通路14FLとに分岐されている。この
右前側通路14FRは、右前輪用シリンダ装置1FRの
液室5に接続され、また、左前側通路14FLは、左前
輪用シリンダ装置1FLの液室5に接続されている。こ
の右前側通路14FRには、その上流側より、供給用流
量制御弁15FR、遅延弁としてのパイロツト弁16F
Rが順次介設されている。同様に、左前側通路14FL
にも、その上流側より、供給用流量制御弁15FL、パ
イロツト弁16FLが順次介設されている。
【0016】右前側通路14FRには、両弁15FRと
16FRとの間の部分において、右前側通路用の第1リ
リーフ通路17FRが接続されている。この第1リリー
フ通路17FRは最終的に、前輪用リリーフ通路18F
を経てリザーバタンク12に接続されている。そして、
この第1リリーフ通路17FRには、排出用流量制御弁
19FRが介設されている。また、パイロツト弁16F
Rの下流に位置する右前側通路14FRは、第2リリー
フ通路20FRを介して第1リリーフ通路17FRに接
続されている。この第1リリーフ通路17FRには、リ
リーフ弁21FRが介設されている。更に、シリンダ装
置1FR直近の通路14FRには、フイルタ29FRが
介設されてる。このフイルタ29FRは、シリンダ装置
1FRとこれの最も近くに位置する弁16FR、21F
Rとの間にあつて、シリンダ装置1FRの摺動等によつ
てここから発生する摩擦粉が、これらの弁16FR、2
1FR側へ流れるのを防止するために配設されている。
尚、左前輪用の通路構成も右前輪用通路構成と同様に構
成されているので、その重複した説明は省略する。
【0017】上述した共通通路13には、メインのアキ
ユムレータ22が接続され、また前輪用リリーフ通路1
8Fにもアキユムレータ23Fが接続されている。この
メインのアキユムレータ22は、後述するサブのアキユ
ムレータ24と共に作動液の蓄圧源となるものであり、
シリンダ装置1に対する作動液供給量に不足が生じない
ようにするために配設されている。また、アキユムレー
タ23Fは、前輪用のシリンダ装置1FL,FR内の高
圧の作動液が、低圧のリザーバタンク12へ急激に排出
されるのを防止、すなわちウオータハンマ現象を防止す
るためのに配設されている。
【0018】尚、後輪用シリンダ装置1RR、1RLに
対する作動給排通路も、前輪用と同様に構成されている
ので、その重複した説明は省略する。ただし、後輪用通
路にあつては、パイロツト弁21FR、21FLに相当
するものがなく、また後輪通路14Rには、メインのア
キユムレータ22からの通路長さが前輪用のものよりも
長くなることを考慮して、サブのアキユムレータ24が
設けられている。
【0019】上述した共通通路13が接続された前後輪
用の各通路14F、14Rは、リリーフ通路25を介し
て、前輪用のリリーフ通路18Fに接続されている。こ
のリリーフ通路25には、電磁開閉弁からなる制御弁2
6が介設されている。図1において、参照符号27はフ
イルタを、28はポンプ11からの吐出圧が所定の範囲
内となるように調整するための調圧弁(ロード/アンロ
ード弁)を夫々示している。この調圧弁28は、この一
実施例では、ポンプ11を可変容量型斜板ピストン式と
して構成して、このポンプ11に一体に組込まれたもの
となつている。より具体的には、この調圧弁28は、ア
キユムレータ22の内圧(メイン圧力P)に応じて、後
述する制御ユニツトUにより電気的に制御されて、基本
的には、アキユムレータ22のメイン圧力Pが120〜
160kgf/cm2 の範囲となるように駆動制御される。す
なわち、メイン圧力Pが下限値120kgf/cm2 以下とな
ると、ポンプ11をロード状態とし、吐出圧が上限値1
60kgf/cm2 以上となるとポンプ11をアンロード状態
とする。ただし、この発明の特徴となる点であり詳しく
は後述するが、エンジン負荷の小さい減速走行状態にお
いては、特別な制御が行なわれる。
【0020】[パイロット弁16の説明]上述したパイ
ロツト弁16は、前後用の通路14Fあるいは14R、
従つて、これと連通する共通通路13の圧力と、シリン
ダ装置1側の圧力との差圧に応じて開閉される様に構成
されている。このため、前輪用のパイロツト弁16F
R、16FLに対しては、前輪側通路14Fより分岐さ
れた共通パイロツト通路31Fが導出され、この共通パ
イロツト通路31Fより分岐された2本の分岐パイロツ
ト通路のうちの一方の通路31FRがパイロツト弁16
FRに接続され、また他方の通路31FLがパイロツト
弁16FLに接続されている。そして、共通パイロツト
通路31Fには、オリフイス32Fが介設されている。
尚、後輪用のパイロツト通路31Rも同様に構成されて
いる。
【0021】各パイロツト弁16は、例えば図2のよう
に構成されている。尚、図示のものは右前輪用のものを
示してある。このパイロツト弁16は、そのケーシング
33内に、通路14FRの一部を構成する主流路34が
形成されている。この主流路34に対して、通路14F
Rが接続されている。この主流路34の途中には、弁座
35が形成されている。ケーシング33内に摺動自在に
嵌挿された開閉ピストン36が、この弁座35に離着座
されることにより、パイロツト弁16FRが開閉され
る。
【0022】また、この開閉ピストン36は、弁軸37
を介して制御ピストン38と一体化されている。この制
御ピストン38は、ケーシング33内に摺動自在に嵌挿
されてこのケーシング33内に液室39を画成してい
る。この液室39は、制御用流路40を介して分岐パイ
ロツト通路31FRと接続されている。そして、制御ピ
ストン36は、リターンスプリング41により、開閉ピ
ストン36が弁座35に着座する方向、すなわちパイロ
ツト弁16FRが閉じる方向に付勢されている。さら
に、制御ピストン38には、連通口42を介して、液室
39とは反対側において、主流路34の圧力が作用され
る。これにより、液室39内(共通通路13側)の圧力
が、主流路34内(シリンダ装置1FR側)の圧力の1
/4以下となると、開閉ピストン36が弁座35に着座
してパイロツト弁16FRが閉じられる。
【0023】ここで、パイロツト弁16FRが開いてい
る状態から、共通通路13側の圧力が大きく低下する
と、オリフイス32Fの作用によりこの圧力低下は遅延
されて液室39に伝達され、したがつて当このパイロツ
ト弁16FRは上記圧力低下から遅延して閉じられるこ
とになる(実施例ではこの遅延時間を約1秒として設定
してある)。
【0024】[各弁の説明]次に、前述した各弁の作用
について説明する。 切換弁9 切換弁9は、この一実施例では、旋回中においてのみ減
衰力が大きくなるように切換作動される。
【0025】リリーフ弁21 リリーフ弁21は、常時は閉じており、シリンダ装置1
側の圧力が所定値以上(実施例では160〜200kgf/
cm2 )になると、開かれる。即ち、このリリーフ弁21
は、シリンダ装置1側の圧力が異常上昇するのを防止す
る安全弁として機能する様になされている。勿論、リリ
ーフ弁21は、後輪用のシリンダ装置1RR、1RLに
対しても設けることができるが、この一実施例では、重
量配分が前側の方が後側よりもかなり大きく設定された
車両であることを前提としているので、後輪側の圧力が
前輪側の圧力よりも大きくならないという点を勘案し
て、後輪側にはリリーフ弁21を設けていない。
【0026】流量制御弁15、19 供給用および排出用の各流量制御弁15、19共に、電
磁式のスプール弁とされて、開状態と閉状態とに適宜切
換えられる。ただし、開状態のときは、その上流側と下
流側との差圧がほぼ一定となるような差圧調整機能を有
するものとなつている(流量制御の関係上、この差圧を
一定にすることが要求される)。更に詳細には、流量制
御弁15、19は、供給される電流に比例してそのスプ
ールの変位位置、即ち、開度が変化され、この供給電流
は、予め作成、記憶された流量−電流の対応マツプに基
づいて決定される。すなわち、供給電流が、そのときの
要求流量に対応している。
【0027】この流量制御弁15、19の制御によつて
シリンダ装置1への作動液供給と排出とが制御されて、
サスペンシヨン特性が制御されることになる。これに加
えて、イグニツシヨンOFFのときは、このOFFのと
きから所定時間(一実施例では2分間)、車高を低下さ
せる方向の制御だけがなされる。即ち、降車等に起因す
る積載荷重の変化を勘案して車高が部分的に高くなつて
しまうのを防止する(基準車高の維持)ようになされて
いる。
【0028】制御弁26 制御弁26は、常時は励磁されることによつて閉じら
れ、フエイル時に開かれるフエイル弁として機能してい
る。このフエイル時としては、例えば、流量制御弁1
5、19の一部が固着してしまつた場合、後述するセン
サ類が故障した場合、作動液の液圧が失陥した場合、ポ
ンプ11が失陥した場合等がある。これに加えて、この
一実施例では、制御弁26は、イグニツシヨンOFFの
ときから所定時刻(例えば2分)経過した後に開かれる
様になされている。尚、この制御弁26が開いたとき
は、パイロツト弁16が遅れて閉じられることは前述の
通りである。
【0029】パイロツト弁16 このパイロット弁16は、既に述べた通り、オリフイス
32F、32Rの作用により、共通通路13の圧力が低
下してから遅延して開かれる様になされている。このこ
とは、例えば流量制御弁15の一部が開きっぱなしとな
つたフエイル時に、制御弁26の開作動に起因するパイ
ロツト圧低下によつて通路14FR〜14RLを閉じ
て、シリンダ装置1FR〜1RL内の作動液を閉じこ
め、車高維持が行なわれる事を意味している。勿論、こ
のときは、サスペンシヨン特性は所謂パツシブなものに
固定される。
【0030】{制御系の説明}図3は、図1に示すアク
テイブサスペンシヨンにおける作動液回路の制御系統を
示している。この図3において、WFRは右前輪、WF
Lは左前輪、WRRは右後輪、WRLは左後輪を夫々示
している。また、参照符号Uはマイクロコンピユータを
利用して構成された制御ユニツトを示している。この制
御ユニツトUには、種々のセンサ51FR〜51RL、
52FR〜52RL、53FR、53FL、53R、6
1〜64が接続され、各々からの信号が入力されるよう
になされている。また、制御ユニツトUからは、切換弁
9、流量制御弁15(15FR〜15RL)、19(1
9FR〜19RL)、制御弁26および調圧弁28に対
して制御信号が夫々出力される様になされている。
【0031】ここで、センサ51FR〜51RLは、各
シリンダ装置1FR〜1RLに各々設けられており、各
々の伸び量、即ち、各車輪位置での車高を検出するため
に配設されている。また、センサ52FR〜52RL
は、各シリンダ装置1FR〜1RLの液室5の圧力を各
々検出するために配設されている(図1をも参照)。3
つのセンサ53FR、53FL、53Rは、上下方向の
加速度を検出するGセンサである。ただし、車両Bの前
側については前車軸上でほぼ左対称位置に2つのGセン
サ53FR、53FLが設けられているが、車両Bの後
部については、後車軸上において左右中間位置において
1つのGセンサ53Rのみが設けられている。このよう
にして、3つのGセンサ53FR、53FL、53Rに
よつて、車体Bを代表する1つの仮想平面が規定されて
いるが、この仮想平面は略水平面となるように設定され
ている。更に、センサ61は車速を検出する車速センサ
である。また、センサ62はアクセル開度を検出するア
クセル開度センサである。センサ63は、車体に作用す
る横Gを検出する横Gセンサである(この一実施例では
車体のZ軸上に1つのみ設けてある)。また、センサ6
4はメインアキユムレータ22のメイン圧力Pを検出す
る圧力センサである。スイツチ65は後述する制御モー
ド切換用である。そして、センサ66はエンジン回転数
を検出する回転数センサである。
【0032】制御ユニツトUは、基本的には、図4、図
5に概念的に示すアクテイブ制御、即ち、この一実施例
では、車両の姿勢制御(車高信号制御および車高変位速
度制御)と、乗心地制御(上下加速度信号制御)と、車
両のねじり制御(圧力信号制御)とを行なう様に構成さ
れている。そして、各制御の結果は、最終的に、流量調
整手段としての流量制御弁15、19を流れる作動液の
流量として表われるものである。
【0033】[アクテイブ制御]さて次に、制御ユニツ
トUが各センサの出力に基づいてサスペンシヨン特性を
どのように制御するかの一例について、図4,図5を参
照しつつ説明する。この制御の内容は、大別して、最も
基本となる車高センサ51FR〜51RLからの検出出
力およびその微分値(車高変位速度)に基づいて、車体
Bの姿勢制御を行なう制御系X1,X2と、Gセンサ5
3FR,53FL,53Rからの検出出力に基づいて、
乗心地制御を行なう制御系X3と、圧力センサ52FR
〜52RLの出力に基づいて、車体Bのねじれ抑制制御
を行なう制御系X4と、横Gセンサ63の出力に基づい
て、車体Bのロール振動低減を行う制御X5とからな
り、以下に分説する。
【0034】制御X1(車高変位成分) この制御は、バウンスと、ピツチ(ピツチング)と、ロ
ールとを抑制する3つの姿勢側制御からなり、各制御
は、P制御(比例制御)によるフイードバツク制御とさ
れる。まず、符号70は、車高センサ51FR〜51R
Lのうち、左右の前輪側の出力XFR,XFLを合計すると
ともに、左右の後輪側の出力XRR,XRLを合計して、車
両のバウンス成分を演算するバウンス成分演算部を示し
ている。符号71は、左右の前輪側の出力XFR,XFLの
合計値から、左右の後輪側の出力XRR,XRLの合計値を
減算して、車両のピツチ成分を演算するピツチ成分演算
部を示している。符号72は、左右の前輪側の出力の差
分XFR−XFLと、左右の後輪側の出力の差分XRR−XRL
とを加算して、車両のロール成分を演算するロール成分
演算部を示している。
【0035】符号73は、前記バウンス成分演算部70
で演算された車両のバウンス成分、及び目標平均車高決
定部91からの目標車高信号TH が入力され、ゲイン係
数KB1に基づいて、バウンス制御での各車輪の流量制御
弁に対する制御量を演算するバウンス制御部を示してい
る。符号74は、ピツチ成分演算部71で演算された車
両のピツチ成分、および目標ピツチ量決定部92からの
目標ピツチ量Tpが入力され、ゲイン係数KP1に基づい
て、目標ピツチ量Tpに対応した車高となるようにピツ
チ制御での各流量制御弁の制御量を演算するピツチ制御
部を示している。符号75は、ロール成分演算部72で
演算された車両のロール成分、及び目標ロール量決定部
93からの目標ロール量TR が入力され、ゲイン係数K
RF1 ,KRR1 に基づいて、目標ロール量TRに対応する
車高になるように、ロール制御での各流量制御弁の制御
量を演算するロール制御部を示している。
【0036】そして、車高を目標車高に制御すべく、前
記各制御部73、74、75で演算された各制御量は、
各車輪毎にその正負が反転(車高センサ51FR〜51
RLの車高変位信号の正負とは逆になるように反転)さ
せられ、その後、各車輪に対するバウンス、ピツチ、ロ
ールの各制御量が加算され、制御系X1において、対応
する比例流量制御弁の流量信号QFR1 ,QFL1 ,QRR1
,QRL1 が得られる。
【0037】ここで、目標車高TH としては、例えば車
両の最低地上高で示した場合、例えば150mmという
ように、ある一定値のままとすることができる。また、
目標車高TH を変化させることもでき、この場合は、例
えば車高に応じて段階的あるいは連続可変式にTH を変
更することができる(例えば車速が80Km/h以上と
なつたときに、最低地上高を130mmにする)。目標
ピツチ量Tpは常時零である。目標ロール量TR は、通
常は零であるが、後述する逆ロールを許す制御モード4
のときは、横Gセンサ63で検出される横Gをパラメー
タとして設定される。
【0038】制御系X2(車高変位速度成分) 制御系X2においては、ピツチ制御とロール制御とが行
なわれる。先ず、ピツチ制御部78に対して、前記ピツ
チ成分演算部71からのピツチ成分と、目標ピツチ量T
P とが入力される。このピツチ制御部78は、目標ピツ
チ量TPから離れる方向へのピツチ成分(車体前部の車
高と車体後部の車高との偏差となる)の変化速度、すな
わち車高センサ51FR〜51RLからの信号のサンプ
リング時間(実施例では10msec)毎の変化量が求
められる。そして、ピツチ量を増大させる方向への変化
速度が小さくなるように、制御ゲインKP2を用いて、各
流量制御弁に対する制御流量を決定する。
【0039】また、ロール制御部79に対しては、前記
ロール量演算部72からのロール量(ロール角)と目標
ロール量決定手段からの目標ロール量TR とが入力され
る。このロール制御部79は、左右前輪と左右後輪との
各組毎に、目標ロール量TRから離れる方向への実際の
ロール量の変化速度が小さくなるように、制御ゲインK
RF2 あるいはKRR2 を用いて、各流量制御弁に対する制
御流量を決定する。
【0040】上記各制御部78、79で決定された制御
量は、それぞれの正負が反転された後、各流量制御弁
(各シリンダ装置1FR〜1RL)毎に加算されて、制
御系X2における制御流量QFR2 ,QFL2 ,QRR2 ,Q
RL2 が決定される。なお、各制御部78、79において
示す符号「S」は微分を示す演算子を示している。
【0041】制御系X3(上下加速度成分) 先ず、符号80は、3個の上下加速度センサ53FR、
53FL、53Rの出力GFR,GFL,GR を合計して、
車両のバウンス成分を演算するバウンス成分演算部を示
している。符号81は、3個の上下加速センサ53F
R、53FL、53Rのうち、左右の前輪側の出力GF
R,GFL,各半分値の合計値から、後輪側の出力GR を
減算して、車両のピチ成分を演算するピツチ成分演算部
を示している。符号82は、右側前輪側の出力GFRか
ら、左側前輪側の出力GFLを減算して、車両のロール成
分を演算するロール成分演算部を示している。
【0042】そして、符号83は、前記バウンス成分演
算部80で演算された車両のバウンス成分が入力され、
ゲイン係数KB3に基づいてバウンス制御での各車輪の流
量制御弁に対する制御量を演算するバウンス制御部を示
している。符号84は、ピツチ成分演算部81で演算さ
れた車両のピツチ成分が入力され、ゲイン係数KP3に基
づいて、ピツチ制御での各流量制御弁の制御量を演算す
るピツチ制御部を示している。符号85は、ロール成分
演算部82で演算された車両のロール成分が入力され、
ゲイン係数KRF3 ,KRR3 に基づいて、ロール制御での
各流量制御弁の制御量を演算するロール制御部を示して
いる。
【0043】そして、車両の上下振動をバウンス成分、
ピツチ成分、ロール成分で抑えるべく、前記各制御部8
3〜85で演算された各制御量は、各車輪毎にその正負
が反転させられ、その後、各車輪に対するバウンス、ピ
ツチ、ロールの各制御量が加算され、制御系X3におい
て、対応する比例流量制御弁の領域量信号QFR3 ,QFL
3 ,QRR3 ,QRL3 が得られる。
【0044】制御系X4 先ず、ウオープ制御部90を備えており、これは、前輪
側の液圧比演算部90aと、後輪側の液圧比演算部90
bを備えている。前輪側の液圧比演算部90aは、前輪
側の2個の液圧センサ52FR、52FLの液圧信号P
FR,PFLが入力されて、前輪側の合計液圧(PFR+PF
L)に対する左右の液圧差(PFR−PFL)の比(PFR−
PFL)/(PFR+PFL)を演算する。また、後輪側の液
圧比演算部90bは、後輪側で同様の液圧比(PRR−P
RL)/(PRR+PRL)を演算する。
【0045】そして、後輪側の液圧比をゲイン係数ωF
で所定倍した後、これを前輪側の液圧比から減算し、そ
の結果を、ゲイン係数ωF で所定倍すると共に、前輪側
ではゲイン係数ωC を所定倍し、その後、各車輪に対す
る制御量を作用輪間で均一化すべく反転して、制御系X
4において、対応する流量制御弁の流量信号QFR4 ,Q
FL4 ,QRR4 ,QRL4 が得られる。
【0046】制御系X5(横G成分) 制御系X5は、横Gセンサ63からの信号に基づいて、
車体に作用する横Gが大きくなるのを抑制して、ロール
振動低減のために備えられている。この制御系X5で
は、制御部100で制御ゲインKGに基づいて得られた
信号を、右側車輪と左側車輪とで符号を反転して、対応
する流量制御弁の流量信号QFR5 ,QFL5,QRR5 ,QR
L5 が得られる。そして、前側と後側とでの制御比率
が、係数AGFによつて変更される。
【0047】各制御系X1〜X4の総合 以上のようにして、各流量制御弁ごとに決定された流量
信号の車高変位成分QFR1 ,QFL1 ,QRR1 ,QRL1 、
車高変位速度成分QFR2 ,QFL2 ,QRR2 ,QRL2 、上
下加速度成分QFR3 ,QFL3 ,QRR3 ,QRL 3、圧力成
分QFR4 ,QFL4 ,QRR4 ,QRL4 、横G成分QFR5 ,
QFL5 ,QRR5 ,QRL5 は、最終的に加算され、最終的
なトータル流量信号QFR,QFL,QRR,QRLが得られ
る。
【0048】図4,図5で用いられた制御ゲイン等の具
体的な設定例を、次の1表に示してある。
【0049】
【表1】 この表1において、図4,図5において示されていない
符号の意味するところは次の通りを示している。先ず、
XH は車高信号対応で、その不感帯設定用であるGG は
上下方向および横方向の各Gセンサ対応で、その不感帯
設定用を示している。QMAX は流入、流出についての最
大流量の制限設定用を示している。PMAX は流入圧力の
制限設定用であり、PMINは排出圧力の制限設定用を示
している。
【0050】また、表1において、モード1からモード
7まで設定されているが、各モードの設定特性は次の通
りを示している。先ず、モード1は、エンジンOFF後
60秒間使用されるもので、停車中の車高変化防止用を
示している。モード2は車速零のときに使用されるのも
ので、車両姿勢の保持のためのものを示している。モー
ド3ないし、モード7は走行中に使用されるもので、モ
ード3は乗心地重視の設定であり、モード4は逆ロール
設定用であり、モード5は乗心地と操縦安定性との両立
を図るものであり、モード6は乗心地と姿勢保持との両
立を図るものであり、モード7は操縦安定性を重視した
設定を示している。これ等モード3〜モード7の使用領
域の設定は、図6あるいは図7に示すように車速と横G
とをパラメータとして切換えられ、図6と図7の態様の
切換えは別途設けたモード切換スイツチ65によつてな
される。
【0051】モード1〜モード7の間でのモード変更の
際、高いモードへの移行時、例えば、モード3からモー
ド5あるいはモード6への移行時等は、遅延を行なうこ
となく直ちに行なわれる。これに対して、低モードへの
移行時例えばモード7からモード5あるいはモード3へ
の移行時等は、モードを1つつづく順次小さくしていく
と共に、この1つのモード低下の際毎にそれぞれ所定の
遅延時間が設定される。より具体的には、モード7から
モード5へ移行する場合を考えると、モード7→遅延時
間経過→モード6→遅延時間経過→モード5というよう
に変更される。
【0052】[メイン圧系の蓄圧量制御]次に、図8乃
至図12を参照して、制御ユニツトUにおけるメイン圧
系の蓄圧量制御手順、即ち、調圧弁28の駆動制御手順
を説明する。先ず、図8を参照して、この制御ユニツト
Uにおける基本制御手順を説明する。即ち、この基本制
御手順が起動されると、ステツプS10において、メイ
ン圧力センサ64からの検出出力に基づき、メイン圧力
Pを読み込む。そして、ステツプS12において、アク
テイブ制御動作を休止させた事を示すフラグFに「1」
がセツトされているか否かを判別する。尚、このフラグ
Fは初期状態においては「0」にリセツトされており、
これのセツト動作に関しては、後述する。このステツプ
S12においてNOと判断される場合、即ち、フラグF
に「1」がセツトされておらず、アクテイブ制御動作が
休止されていないと判断される場合には、ステツプS1
4に進み、車速センサ61からの検出出力に基づき、現
在の走行速度、即ち、車速Vを読み込む。そして、ステ
ツプS16において、エンジン回転数センサ66からの
検出出力に基づき、エンジンの回転数Rを読み込む。こ
の後、ステツプS18において、アキユムレータ22へ
の蓄圧量Qの決定手順を実行する事になるが、詳細はサ
ブルーチンとして後述する。
【0053】ステツプS18においてアキユムレータ2
2への蓄圧量Qが決定されると、引き続くステツプS2
0において、調圧弁28のロード制御またはアンロード
制御のための判断手順が開始される。即ち、ステツプS
20において、メイン圧力Pが上限値である160kgf/
cm2 以上であるか否かが判断される。このステツプS2
0においてYESと判断される場合、即ち、メイン圧力
Pが160kgf/cm2 以上であると判断される場合には、
ステツプS22に進み、これ以上の蓄圧動作は不要であ
るので、調圧弁28をアンロード制御する。そして、制
御手順はリターンする。
【0054】一方、上述したステツプS20においてN
Oと判断される場合、即ち、メイン圧力Pが160kgf/
cm2 より小さいと判断される場合には、ステツプS24
に進み、ここで、メイン圧力Pが下限値である120kg
f/cm2 以下であるかが判断される。このステツプS24
においてYESと判断される場合、即ち、メイン圧力P
が120kgf/cm2 以下であると判断される場合には、基
本的には、調圧弁28をロード制御して、アキユムレー
タ22への通常の蓄圧動作を開始し、NOと判断される
場合、即ち、メイン圧力Pが120kgf/cm2 と160kg
f/cm2 の間の範囲にあると判断される場合には、アキユ
ムレータ22への強制蓄圧動作の可否が以下において検
討される。即ち、ステツプS24においてNOと判断さ
れると、ステツプS26に進み、ここで、ステツプS1
4で読み込んだ車速Vに基づき、これを1回微分する事
により、車両の走行加速度αを演算する。ここで、この
加速度αは、加速中においては「+」で表され、減速中
においては「−」で表されるものとする。
【0055】この後、ステツプS28において、この加
速度αが減速中を表す所定の加速度「−α0 」以下であ
るか否かが判断される。このステツプS28においてN
Oと判断される場合、即ち、車両が実質的に減速中であ
るとは判断されない場合には、この状態でアキユムレー
タ22への強制蓄圧動作を実行するとエンジン負荷が高
まる事による減速感を運転者に与える事になるため、上
述したステツプS22に進み、調圧弁28をアンロード
制御して、アキユムレータ22への強制蓄圧動作を禁止
する。一方、上述したステツプS28においてYESと
判断される場合、即ち、十分な減速中であると判断され
る場合には、この状態でアキユムレータ22への蓄圧動
作を実行したとしても運転者に減速感を与える事は無い
ので、基本的に、ここで、アキユムレータ22への強制
蓄圧動作を開始する。
【0056】ここで、このアキユムレータ22への強制
蓄圧動作を開始するに先立ち、この蓄圧動作を開始する
事でエンジンがストールする事を事前に防止するため、
以下の条件判断が実行される。即ち、上述したステツプ
S28でYESと判断されると、引き続くステツプS3
0において、ステツプS16で読み込んだエンジン回転
数Rが所定の回転数R0 より低いか否かが判断される。
このステツプS30においてNOと判断される場合、即
ち、現在のエンジン回転数Rが十分に高く、この状態で
アキユムレータ22への蓄圧動作を開始してエンジン負
荷を増大させたとしてもエンジンがストールする虞が無
いと判断される場合には、ステツプS32に進み、ここ
で、調圧弁28をロード制御して、アキユムレータ22
への強制蓄圧動作を開始する。そして、制御手順はリタ
ーンする。
【0057】一方、上述したステツプS30においてY
ESと判断される場合、即ち、現在のエンジン回転数R
が低いと判断される場合には、ステツプS34に進み、
ここで、上述したステツプS14で読み込んだ車速Vが
所定の車速V0 よりも早いか否かが判断される。このス
テツプS34においてYESと判断される場合、即ち、
エンジン回転数Rが低くても、車速Vが大きい減速状態
と判断される場合には、高速走行状態におけるブレーキ
ペダルを用いての減速状態であるので、エンジン負荷は
小さい状態であるので、仮に、悪路において、路面から
の突き上げが発生し、エンジンに路面からの負荷が作用
した場合であつても、エンジンはこの作用した負荷を十
分に吸収してストールする可能性が小さいので、ステツ
プS32に進み、調圧弁28をロードして、アキユムレ
ータ22への強制蓄圧動作を開始する。尚、このステツ
プS34においてNOと判断される場合、即ち、エンジ
ン回転数Rが低く、しかも、車速Vが小さい場合には、
エンジンがストールし易い状態であるので、ステツプS
22に進み、調圧弁28をアンロード制御して、アキユ
ムレータ22への強制蓄圧動作を禁止する。
【0058】ここで、上述したステツプS18における
蓄圧量Qの決定のための制御手順を、図9及び図10を
参照して説明する。即ち、この一実施例においては、ス
テツプS18の蓄圧量Qの決定手順が開始されると、図
9にサブルーチンとして示す様に、先ず、ステツプS1
8Aにおいて、センサ62からの検出出力に基づき、エ
ンジン負荷としてのアクセル開度TVO を読み込む。そし
て、ステツプS18Bにおいて、ステツプS18Aで読
み込んだアクセル開度TVO と、ステツプS16で既に読
み込んだエンジン回転数Rとに基づき予め設定されたマ
ップ(テーブル)から、負荷値ELを決定する。この負
荷値ELは、アクセル開度TVO が同じであれば、エンジ
ン回転数Rが小さい程大きくなる様に、また、エンジン
回転数Rが同じであれば、アクセル開度TVO が大きい程
大きくなる様に設定されている。このような負荷値EL
は、これが大きくなる程、走行駆動力の確保のために、
ポンプ11を駆動する余裕力が小さい事を意味してい
る。
【0059】この後、ステツプS18Cにおいて、ステ
ツプS18Bで決定した負荷値ELを図10に示すマッ
プに照合して、蓄圧量Qを決定する。そして、ステツプ
S18Dにおいて、この蓄圧量Qを図示しないメモリに
記憶して、このサブルーチンとしての制御手順を終了
し、元のメインルーチンにリターンする。
【0060】一方、上述したステツプS24においてY
ESと判断された場合、即ち、メイン圧力Pが120kg
f/cm2 以下であると判断される場合には、図11に示す
様に、ステツプS36に進み、調圧弁28をロード制御
して、アキユムレータ22への通常の蓄圧動作を開始す
る。そして、引き続くステツプS38において、メイン
圧力Pが110kgf/cm2 以下であるか否かを判断する。
このステツプS38においてNOと判断される場合、即
ち、メイン圧力Pが110kgf/cm2 より大きく120kg
f/cm2 以下であると判断される場合には、アキユムレー
タ22における一時的なメイン圧力Pの落ち込みである
として制御手順をリターンし、引き続き、調圧弁28の
ロード制御を継続する。尚、この調圧弁28のロード制
御は、通常においては、ステツプS20において、メイ
ン圧力Pが160kgf/cm2 以上であると判断されるまで
続行される。
【0061】一方、ステツプS38においてYESと判
断される場合、即ち、メイン圧力Pが110kgf/cm2
下であると判断される場合には、このアキユムレータ2
2におけるメイン圧力Pはアクテイブ制御を実行するに
は不十分であるので、ステツプS40に進み、ここで、
アクテイブ制御の実行を休止させる。この結果、このサ
スペンシヨン装置は、所謂パツシブタイプのサスペンシ
ヨンとして機能する事となる。そして、ステツプS42
において、アクテイブ制御動作が休止されている事を示
すフラグFを「1」にセツトして、制御手順をリターン
する。尚、このようにサスペンシヨン装置がパツシブタ
イプに強制移行された状態においても、上述したステツ
プS36における調圧弁28のロード制御状態は維持さ
れているので、アキユムレータ22への蓄圧動作は継続
されているものである。
【0062】従つて、制御手順をリターンして、制御手
順がステツプS10から再開されると、ステツプS12
においては、フラグFに「1」がセツトされている状態
において、YESと判断され、図12に示す様に、ステ
ツプS44に進み、ここでメイン圧力Pが130kgf/cm
2 以上であるか否かが判断される。このステツプS44
においてYESと判断される場合、即ち、メイン圧力P
が130kgf/cm2 以上に復帰したと判断される場合に
は、アキユムレータ22への蓄圧動作の継続の結果、ア
クテイブ制御を実行するに十分な圧力に達したと判断さ
れるので、ステツプS46においてフラグFを「0」に
リセツトし、ステツプS48において、サスペンシヨン
装置のアクテイブ制御を再開し、制御手順をリターンす
る。
【0063】また、ステツプS44においてNOと判断
される場合、即ち、メイン圧力Pが130kgf/cm2 より
も低いと判断される場合には、ステツプS50において
今度は、メイン圧力Pが100kgf/cm2 以下であるか否
かが判断される。このステツプS48においてNOと判
断される場合、即ち、メイン圧力Pは100kgf/cm2
130kgf/cm2 との間の範囲にあると判断される場合に
は、制御手順をそのままリターンする。この結果、フラ
グFは「1」にセツトされたままの状態であるので、引
き続き、サスペンシヨン装置はパツシブタイプに強制移
行されたままの状態で、調圧弁28のロード制御が継続
される。
【0064】一方、ステツプS50においてYESと判
断される場合、即ち、メイン圧力Pが100kgf/cm2
下であると判断される場合には、ステツプS36におい
て調圧弁28をロード制御している最中にも拘らずメイ
ン圧力が大幅に落ち込んでいる事を意味しているので、
ステツプS52においてフエイル判定を行い、制御弁2
6を消磁して、開放状態を規定する。そして、ステツプ
S54において異常警報動作を実行し、フエイル状態に
陥った事を運転者に報知せしめ、この後、制御動作を終
了させる。
【0065】以上の様に、この一実施例におけるメイン
圧系の蓄圧量制御は構成されているので、メイン圧力P
が下限値である120kgf/cm2 を下回った場合には、調
圧弁28をロード状態に設定して、アキユムレータ22
への蓄圧動作が開始され、上限値である160kgf/cm2
を上回った場合には、調圧弁28をアンロード状態に設
定して、アキユムレータ22への蓄圧動作が停止される
事となる状態において、メイン圧力Pが120kgf/cm2
と160kgf/cm2 との間の範囲内にある場合には、車両
の減速状態が検出されている事を条件として、アキユム
レータ22への強制蓄圧動作を開始して、これのメイン
圧力Pを十分に高い圧力に維持させておき、メイン圧力
Pが下限値を下回る事によるポンプ11の作動頻度を極
力押さえて、車両の加速中における蓄圧動作の実行の可
能性を極力抑制し、もつて、加速中に運転者への極端な
減速感を与えない様にしているものであるが、特に、こ
のような減速中における強制蓄圧動作を、エンジン回転
数が高い場合に実行される様に限定する事により、エン
ジンのストールが発生しない様に構成されている。ま
た、このようにエンジン回転数が低い状態においては、
原則として、エンジンのストールの可能性が高いので、
強制蓄圧動作を実行しない様になされているが、このよ
うなエンジン回転数が低い状態においても、車速が高い
場合には、エンジンストール発生の蓋然性は低くなるの
で、このような場合には、例外として、強制蓄圧動作の
開始が許容される様に設定されている。この発明は、上
述した一実施例の構成に限定されることなく、この発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である事は言う
までもない。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、悪路走行中においてもエンジンがストールすること
なく、作動液の加圧源としてのポンプを最適運転し得る
ようにした車両のサスペンション装置が提供されること
になる。また、この発明によれば、作動液の加圧源とし
てのポンプの運転による減速感を防止しつつ、悪路走行
中においてもエンジンがストールすることないようにし
た車両のサスペンション装置が提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる車両のサスペンシヨン装置の
一実施例の構成におけるアクテイブ制御に用いられる全
体の油圧回路構成を示す回路図である。
【図2】図1におけるパイロツト弁の一例を示す断面図
である。
【図3】図1に示す回路の制御系統を示す回路図であ
る。
【図4】,
【図5】アクテイブ制御を行なうための一例を示す全体
系統図である。
【図6】,
【図7】各モードの使用領域の設定例を示す図である。
【図8】この発明の特徴をなす油圧制御の制御手順を部
分的に示すフローチヤートである。
【図9】図8の制御における蓄圧量の決定の制御手順を
サブルーチンとして示すフローチヤートである。
【図10】図9の制御における蓄圧量の決定に用いられ
るマツプを示す図である。。
【図11】,
【図12】図8における制御手順の残りの部分を示すフ
ローチヤートである。
【符号の説明】
1FR〜1RL シリンダ装置、 15FR〜15RL 供給用制御弁、 19FR〜19RL 排出用制御弁、 53FR〜53RL 車高センサ、 11 ポンプ、 22 アキユムレータ、 28 調圧弁、 61 車速センサ、 64 メイン圧センサ、 66 エンジン回転数センサ、 U 制御ユニツト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 隆行 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と各車輪との間に架設されて作動液
    の給排に応じて車高を調整するシリンダ装置を備え、こ
    のシリンダ装置への作動液の給排を制御することにより
    車体の姿勢制御を行うようにした車両のサスペンション
    装置において、 作動液の加圧源となるポンプと、 このポンプから吐出された作動液を蓄圧するアキュムレ
    ータと、 前記ポンプの運転状態を調整することにより、前記アキ
    ュムレータへの作動液の蓄圧量を調整する蓄圧量調整手
    段と、 車両の減速状態を検出する減速検出手段と、 エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、 前記減速検出手段にて車両の減速状態が検出された場合
    に、前記アキュムレータへ強制蓄圧動作が行われるよう
    に、前記回転数検出手段で検出されたエンジン回転数が
    所定回転数よりも小さいと判断された場合に、この強制
    蓄圧動作を中止させるように前記蓄圧量調整手段を制御
    する蓄圧量制御手段とを具備することを特徴とする車両
    のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 車両の停止状態を検出する停止検出手段
    を更に具備し、 前記蓄圧量制御手段は、前記停止検出手段で車両が実質
    的に停止していると判断された場合に、前記強制蓄圧動
    作の中止状態を解除し、この強制蓄圧動作を復活させる
    ように前記蓄圧量調整手段を制御することを特徴とする
    請求項1に記載の車両のサスペンション装置。
  3. 【請求項3】 車両の走行速度を検出する車速検出手段
    を更に具備し、 前記蓄圧量制御手段は、前記車速検出手段で車両が高速
    走行状態にあると判断された場合に、前記強制蓄圧動作
    の中止状態を解除し、この強制蓄圧動作を復活させるよ
    うに前記蓄圧量調整手段を制御することを特徴とする請
    求項1に記載の車両のサスペンション装置。
JP3160533A 1991-07-01 1991-07-01 車両のサスペンシヨン装置 Expired - Lifetime JP3020656B2 (ja)

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