JP2701887B2 - 塗布剤検出方法及び装置 - Google Patents

塗布剤検出方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば車両用のウインドガラス等に塗布さ
れるプライマ等の塗布剤の塗布状態を検出するための塗
布剤検出方法及び装置に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、被塗布部への塗布剤の塗布状態を検出するため
の手段が数々提案されている。
この手段の用途としては、次のようなものが挙げられ
る。例えば、自動車等の車両ボデーにウレタン等の接着
剤を用いてウインドガラスを組付ける場合、上記接着剤
とウインドガラスとの密着性を向上させるためには、プ
ライマ等の接着補助剤を上記ウインドガラスの表面に塗
布する必要があるが、この塗布が完全に行われていない
と上記ウレタンが剥がれ易く、ウインドガラスの組付け
に不都合が生じ易い。そこで、このようなプライマの塗
布状態を検出するために、上記手段用いられることにな
る。
従来、このような塗布剤検出手段としては、例えば特
開昭60−68068号公報に示されるように、塗料塗布面に
光を照射する発光素子と、上記光のうち塗料塗布面を透
過した光を受ける受光素子とからなる光センサを用いる
ものが提案されている。この手段によれば、上記受光素
子の受光量、すなわち塗布剤を含めた被塗布部の光透過
量から塗布剤の塗布状態を容易に検出できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、塗布剤のみの光透過量ではなく、
この塗布剤と被塗布部の双方を透過する光の量から塗布
状態を検出するようにしているので、被塗布部自体の状
態に位置的なばらつきがあると、測定結果に影響を及ぼ
すことになる。例えば、被塗布部材が上述のような車両
用ウインドガラスである場合、このウインドガラスには
被接着部の見栄えを良くするために黒色のセラミック等
が塗布されることが多く、このセラミックの塗布状態や
ガラス自体の厚みに位置的なばらつきがあると、それに
よって上記光透過量に変化が生じるため、この光透過量
からプライマの塗布状態を純粋に検出することは困難と
なる。また、照明等の関係から被塗布部付近の明度に位
置的なばらつきが生じる場合も、測定結果に影響するこ
とになる。
本発明は、このような事情に鑑み、被塗布部の状態に
影響を受けることなく、上記被塗布部に塗布される塗布
剤の塗布状態を精度良く検出することができる塗布剤検
出方法及び装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、被塗布部に対して光を照射する投光部およ
び上記光のうち上記被塗布部を透過する光を受ける受光
部を有する光センサを用い、上記受光部の受光量により
上記被塗布部における塗布剤の塗布状態を検出する塗布
剤検出方法において、未塗布状態にある被塗布部の各検
出位置に光を照射したときの受光部の受光量を記憶し、
この記憶した受光量と予め設定した基準光透過量との比
較に基づいて各位置での検出条件を調整するものであ
る。
また本発明は、被塗布部に対して光を照射する投光部
および上記光のうち上記被塗布部を透過する光を受ける
受光部を有する光センサを備え、上記受光部の受光量に
より上記被塗布部における塗布剤の塗布状態を検出する
ようにした塗布剤検出装置において、未塗布状態にある
被塗布部の各検出位置に光を照射したときの受光部の受
光量を記憶する記憶手段と、この記憶された受光量と予
め設定された基準光透過量との比較に基づいて各位置で
の検出条件を調整する調整手段とを備えたものである。
〔作 用〕
上記構成において、まず被塗布部に塗布剤を塗布しな
い状態での上記被塗布部の光透過量を検出することによ
り、被塗布部自体の光透過量の位置的なばらつきが検出
され、この光透過量が記憶される。その後、この光透過
量と基準光透過量とが比較され、その差分に応じて各位
置での検出条件(例えば検出時における投光部の投光量
や受光部の受光ゲイン等)が調整されることにより、上
記被塗布部の状態に影響を受けない高精度の測定結果が
得られる。
〔実施例〕
本発明の第1実施例を第1図〜第3図に基づいて説明
する。
第3図は、本発明の塗布剤検出装置であるプライマ塗
布不良検出装置1の外観を示したものである。この装置
1は、図外のプライマ自動塗布装置とともに、ウインド
ガラス組付ライン上の検出ステーション2に設置されて
おり、第2図にも示されるような投光部3および受光部
4からなる光センサ5を備えている。
上記投光部3は、検出ステーション2上に搬入される
ウインドガラスGの下方となる位置に配設されており、
上方のウインドガラスGに向けて光を照射する。受光部
4は、フォトダイオード等の受光素子を備えるととも
に、上記投光部3に対しウインドガラスGを間に挟んで
対向する位置に配設されており、上記投光部3の投光し
た光を受けてそれに応じた電気信号を出力する。
これらの投光部3および受光部4は、検出ロボット7
の作動アーム8の先端部に一体に取付けられ、上記ウイ
ンドガラスGの周縁部に沿って任意に駆動されるように
なっている。ウインドガラスGは、その被接着部である
周縁部の表面上にセラミックSがコーティングされてお
り、この周縁部に、上記プライマ自動塗布装置の塗布ハ
ケ6によってプライマPが塗布されるようになってい
る。
第1図は、上記プライマ塗布不良検出装置1の主要部
の回路構成を示したものである。同図に示される受光量
メモリ9は、後述のようにプライマ未塗布状態にあるウ
インドガラスGを光センサ5で予備走査したときの上記
受光部4の受光量を記憶し、その情報をコントロールユ
ニット10に伝達するものである。コントロールユニット
10は、上記検出ロボット7の駆動制御を行うとともに、
上記投光部3による投光量の制御および塗布状態の良否
の判別を行う。
同図に示されるように、このコントロールユニット10
は、受光量比較部11、基準値設定部12、投光量演算部1
3、受光量判定部14、および許容値設定部15を備えてい
る。受光量比較部11は、上記受光量メモリ9が各検出位
置に対応させて記憶した受光量(光透過量)と、基準値
設定部12により設定される一定の光量とを比較し、その
差分を投光量演算部13に出力する。投光量演算部13は、
上記受光量比較部11により求められた差分に基づき、そ
の位置において実際の検出時に投光部3が投光すべき投
光量を演算し、上記検出時に投光量調節器16に指令信号
を出力する。
受光量判定部14は、実際の検出時において、上記受光
部4が受けた光量が、許容値設定部15により予め設定さ
れた許容値範囲内にあるか否かを判定し、範囲外にある
場合には警報器17等に指令信号を出力する。
次に、この装置1の行うプライマ塗布状態の検出動作
を説明する。
まず、検出ステーション2の所定位置にプライマ未塗
布状態のウインドガラスGが搬入された状態で、このウ
インドガラスGの周縁部に沿って光センサ5を駆動す
る。このとき、投光部3が発する光のうち上記ウインド
ガラスG(セラミックSを含む)を透過した光のみが受
光部4に達するが、セラミックSの塗布状態やウインド
ガラスGの板厚に位置的なばらつきがある場合には、上
記受光部4の受光量も当然位置的に変化する。この光セ
ンサ5の位置およびそれに対応する受光部4の受光量
は、受光量メモリ9に入力され、記憶される。
このようなウインドガラスGの予備走査を行った後、
受光量比較部11においては、各検出位置に対応して記憶
された予備走査時の受光量と設定受光量との比較が行わ
れ、その差分に対応する各位置での投光量が投光量演算
部13によって演算される。この投光量は、ウインドガラ
スGやセラミックSの肉厚に関係なく同じ条件下でプラ
イマPの塗布状態を検出できるように設定される。例え
ば、ウインドガラスGやセラミックSの肉厚が標準より
も厚い位置においては、その位置での予備走査時の受光
量は基準値よりも低くなるので、その差分だけ投光量は
増加される。
その後、第2図に示されるように実際に塗布ハケ6に
よってプライマPの塗布を開始するとともに、それと並
行してプライマPの塗布部分に沿って光センサ5を駆動
し、その塗布状態の検出を行うが、この検出時において
は、上記要領で算出された投光量に基づき、各位置で実
際の投光量を調節しながらプライマPの塗布状態の検査
が行われる。
この検出中、受光部4が受光により出力する信号は受
光量判定部14に入力され、その受光量が予め設定された
許容値範囲内にあるか否かが判定される。そして、上記
受光量が許容値範囲から外れている場合には、プライマ
Pの塗布が不十分であるとして、例えば警報器17等に警
報を行う旨の信号が出力される。
以上の方法及び装置では、プライマ未塗布状態での光
透過量を記憶しておき、この光透過量と基準値との比較
に基づいて投光量を設定するようにしているので、セラ
ミックSの塗布状態やウインドガラスGの板厚に位置的
なばらつきがある場合にも、全域に亘って同じ条件下で
プライマ塗布状態の検出を行うことができる。また、照
明等の影響により場所的に明度のばらつきがある場合に
ついても同様である。
なお、この実施例においてはウインドガラスGの上下
に投光部3および受光部4を配設したものを示したが、
例えば投光部および受光部の双方をウインドガラスの上
側に配設し、下側に反射板を配設して、上記投光部が発
する光を反射板で反射させてから受光部に入射させるよ
うにしたものについても、上記と同様の効果を得ること
ができる。
次に、第2実施例を第4図に基づいて説明する。
上記実施例では、記憶された受光量と基準値との比較
により、投光部3の投光量を変化させるようにしている
が、この実施例では上記比較に基づいて受光部4の受光
ゲイン、すなわち受光部4の受光量に対する出力信号レ
ベルの割合を変化させるようにしている。
具体的には、同図に示されるように、上記記憶受光量
と基準値との差分に基づいて受光ゲインを演算する受光
ゲイン演算部18を備え、この受光ゲイン演算部18によっ
て、受光部4の受光ゲイン調節器20の制御を行うように
している。
このような構成においても、例えばセラミックSやウ
インドガラスGの肉厚が標準より厚い場合、すなわち記
憶受光量が基準値を下回る場合には、その分受光部4の
受光ゲインを上げることにより、前記第1実施例と同様
にプライマ塗布状態を各位置において同じ条件下で検出
することができる。
また、このような受光ゲインや投光量を変える以外に
も、例えば記憶受光量に基づいて許容値設定部15により
設定する許容値を各検出位置に応じて変化させることに
より、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明の塗布剤検出方法及び装置は、このよう
なプライマ塗布不良検出に関するものに限らず、被塗布
部に塗布される種々の塗布剤の検出に利用することがで
きる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、未塗布状態で被塗布部に光を
照射したときの受光部の受光量を記憶し、この記憶した
受光量と予め設定された基準光透過量との比較により各
位置での検出条件を調整して検出を行うようにしたもの
であるので、被塗布部の条件に位置的なばらつきがある
場合でも、それに影響されることなく高い精度で塗布剤
の塗布状態を検出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例におけるプライマ塗布不良
検出装置の主要部の回路構成図、第2図は同検出装置に
おける光センサおよびウインドガラスを示す部分断面
図、第3図は同検出装置の全体を示す外観図、第4図は
第2実施例におけるプライマ塗布不良検出装置の主要部
の回路構成図である。 1……プライマ塗布不良検出装置(塗布剤検出装置)、
3……投光部、4……受光部、5……光センサ、9……
受光量メモリ(記憶手段)、10……コントロールユニッ
ト(調整手段)、G……ウインドガラス(被塗布部)、
P……プライマ(塗布剤)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗布部に対して光を照射する投光部およ
    び上記光のうち上記被塗布部を透過する光を受ける受光
    部を有する光センサを用い、上記受光部の受光量により
    上記被塗布部における塗布剤の塗布状態を検出する塗布
    剤検出方法において、未塗布状態にある被塗布部の各検
    出位置に光を照射したときの受光部の受光量を記憶し、
    この記憶した受光量と予め設定した基準光透過量との比
    較に基づいて各位置での検出条件を調整することを特徴
    とする塗布剤検出方法。
  2. 【請求項2】被塗布部に対して光を照射する投光部およ
    び上記光のうち上記被塗布部を透過する光を受ける受光
    部を有する光センサを備え、上記受光部の受光量により
    上記被塗布部における塗布剤の塗布状態を検出するよう
    にした塗布剤検出装置において、未塗布状態にある被塗
    布部の各検出位置に光を照射したときの受光部の受光量
    を記憶する記憶手段と、この記憶された受光量と予め設
    定された基準光透過量との比較に基づいて各位置での検
    出条件を調整する調整手段とを備えたことを特徴とする
    塗布剤検出装置。
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