JP2700828B2 - α―オキシ水酸化鉄の製造方法 - Google Patents

α―オキシ水酸化鉄の製造方法

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JP2700828B2 JP1268715A JP26871589A JP2700828B2 JP 2700828 B2 JP2700828 B2 JP 2700828B2 JP 1268715 A JP1268715 A JP 1268715A JP 26871589 A JP26871589 A JP 26871589A JP 2700828 B2 JP2700828 B2 JP 2700828B2
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
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    • C01G49/02Oxides; Hydroxides
    • C01G49/06Ferric oxide [Fe2O3]

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録用特に音響および画像の高記録密
度磁気記録媒体用強磁性酸化鉄粉や強磁性鉄粉などの製
造用出発原料として好適な、α−オキシ水酸化鉄の製造
方法に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕 強磁性鉄粉または強磁性酸化鉄粉は、オーディオ用、
ビデオ用、コンピューター用等の磁気テープ、磁気ディ
スク等の記録媒体用磁性材料として使用されている。
近年、音響および画像の磁気記録は、再生機器の小型
化、高品位化、磁気記録情報処理用容量の著大化にとも
なって、磁気記録媒体に対する高性能化がますます指向
されてきている。すなわち、高記録密度特性、高出力特
性などの諸特性の向上が一段と要求されてきており、こ
れとあいまって磁気記録媒体に使用される磁性材料は、
微粒子のものであってかつ高い保磁力と大きな飽和磁化
特性を有するものであることが特に求められている。
強磁性酸化鉄粉は、通常α−オキシ水酸化鉄を出発原
料として加熱脱水後、還元し、さらに酸化処理して製造
する、また強磁性鉄粉も通常α−オキシ水酸化鉄を出発
原料として加熱脱水後、還元して製造するのが一般的な
製造方法である。
これら強磁性粉末の磁気特性は、その出発原料である
α−オキシ水酸化鉄針状粒子の形状、すなわち軸比(長
軸長と短軸長との比)や粒度分布に、また異状晶たとえ
ば樹枝状晶や束ね晶(短軸方向およびまたは長軸方向に
連鎖した複合晶)の有無に大きく影響され、とりわけそ
れらは主として、軸比は保磁力に、粒度分布は消去特性
や転写特性に、さらには異状晶の混在は充填性や配向性
などに影響を及ぼし易い。
α−オキシ水酸化鉄(α−FeOOH)は通常第一鉄塩と
アルカリとを反応させて水酸化第一鉄とし、該水酸化第
一鉄と酸素とを反応させて得られる。
ところで、α−オキシ水酸化鉄の製造方法は、通常、
第一鉄塩に対するアルカリの中和当量比が1.0未満の領
域で酸化反応をおこなう酸性法と、中和当量比が1.0以
上の領域で酸化反応をおこなうアルカリ法の2つに大別
される。前記酸性法は、通常第一鉄塩水溶液に第一鉄塩
に対して当量以下のアルキルを加えることにより鉄分の
一部を水酸化第一鉄の沈澱となし、次いでこの懸濁液に
空気等の酸素含有ガスを導入して水酸化第一鉄のほぼ実
質的全部を酸化してα−オキシ水酸化鉄とし、さらに必
要に応じ、このものを核晶として残存している第一鉄イ
オンをアルカリを加えて引続き酸化して所望の大きさに
成長させたα−オキシ水酸化鉄に転じて所望の粒子成長
をはかる方法である。なお、前記反応系において、水酸
化第一鉄を含んだ懸濁液は、酸化が進むにつれてグリー
ンラスト(一般にFe(OH)・FeOOHとして示される)
の生成・蓄積が増大し、引続き酸化を継続すると核晶の
生成、成長が進みα−オキシ水酸化鉄へ転化されること
はよく知られている。
しかして前記酸性法によるα−オキシ水酸化鉄の製法
は、アルカリ法の場合に比して樹枝状に分枝したいわゆ
る枝分れ結晶が発生し易かったり、粒度分布幅の狭い微
細でかつ高軸比の粒子が得られ難い反面、生産コストが
比較的安く工業的に有利であるところから磁気記録媒体
用磁性粉の多くは酸性法で製造したα−オキシ水酸化鉄
を出発原料として製造されている。
ところでα−オキシ水酸化鉄粒子の製造において、前
記粒径、粒子形状、粒度分布等の改良を図るべく添加剤
や酸化反応条件あるいは中和反応条件等の検討について
は、すでに数多くの提案がなされている。その内で特に
形状制御剤を用いる方法について例をあげれば、無機化
合物を用いる方法としてSiを用いるもの(特開昭53−56
196号)、SiとZnを用いるもの(特開昭53−57200号)、
Snを用いるもの(特開昭56−155024号)、Mg,Caを用い
るもの(特開昭56−169708号)、Zrを用いるもの(特開
昭58−194743号)、Srを用いるもの(特開昭60−195023
号)、Pを用いるもの(特開昭58−25202号、特開昭58
−91039号)、PとZnを用いるもの(特開昭50−57996
号)などがある。また有機化合物を用いる方法として、
オキシカルボン酸を用いるもの(特公昭47−40758
号)、−OH基を2個以上含む脂肪族多価アルコールを用
いるもの(特開昭50−93299号)、二重結合を含む二塩
基酸またはその塩を用いるもの(特開昭59−78930
号)、ヒドロキシカルボン酸またはその塩またはそのエ
ステルを用いるもの(特開昭60−21817号)などが提案
されている。しかしながら、これらの方法によって得ら
れるα−オキシ水酸化鉄は、微細結晶粒子を得るには十
分でなかったり、また必ずしも粒度分布幅が狭く形状性
の良好なものが得られなかったりし、これを原料として
製造される磁性粉末および磁気記録媒体は、未だ高記録
密度化および高S/N比化に十分満足されるものではな
い。加うるに近時、磁気記録媒体の高記録密度化および
高S/N比化の要求による磁性粉の微粒子化にともない出
発原料であるα−オキシ水酸化鉄もますます微粒子化が
要求され、微粒子でなお上記欠点が改善されたα−オキ
シ水酸化鉄の製造方法が強く希求されている。
〔発明の目的〕
本発明は、主として磁気記録用媒体として高記録密度
化、高S/N比化を満足し得るような磁性粉を製造する出
発原料として好適な、粒度分布幅が狭く高軸比の微細な
オキシ水酸化鉄を、工業的実施容易な方法で製造する方
法を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明者等は、前記目的を達成すべく、酸性法による
α−オキシ水酸化鉄の製造方法における前記問題点を解
決せんと、種々検討を進めた結果、当該酸性法の反応処
理系において、特定の有機化合物の存在下に酸化反応を
おこなうことによって、前記目的が達成されること、さ
らに被反応液に特定の金属化合物を併せ存在させると一
層好ましい結果がもたらされることの知見にもとずい
て、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、 (1)第一鉄塩水溶液と、第一鉄塩に対する中和当量比
が1.0未満のアルカリ水溶液とを反応させて、得られた
水酸化第一鉄を含む懸濁液に、酸素含有ガスを通気して
酸化することによりα−オキシ水酸化鉄を生成させる方
法において、第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液中、水
酸化第一鉄を含む懸濁液中、または酸化開始後のグリー
ンラストが生成している反応液中のいずれかに、有機ホ
スホン酸化合物を添加することを特徴とするα−オキシ
水酸化鉄の製造方法。
(2)第一鉄塩水溶液と、第一鉄塩に対する中和当量比
が1.0未満のアルカリ水溶液とを反応させて、得られた
水酸化第一鉄を含む懸濁液に、酸素含有ガスを通気して
酸化することによりα−オキシ水酸化鉄を生成させる方
法において、第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液中、水
酸化第一鉄を含む懸濁液中、または酸化開始後のグリー
ンラストが生成している反応液中のいずれかに、有機ホ
スホン酸化合物と亜鉛化合物とを添加することを特徴と
するα−オキシ水酸化鉄の製造方法、および (3)請求項第(1)項または請求項第(2)項におい
て、添加する有機ホスホン酸化合物が、フェニルホスホ
ン酸またはその塩であることを特徴とするα−オキシ水
酸化鉄の製造方法である。
本発明において、使用する第一鉄塩としては、硫酸第
一鉄、硝酸第一鉄、塩化第一鉄などがあり、工業的には
硫酸第一鉄が好ましい。またアルカリとしては、たとえ
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどがあり、工業的には水酸化ナト
リウムが好ましい。さらに添加する有機ホスホン酸化合
物としては、たとえばアミノメチルホスホン酸、アミノ
エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、メチレンジホ
スホン酸、エチレンジホスホン酸、プロピレンジホスホ
ン酸、ヒドロキシメチレンジホスホン酸、ヒドロキシエ
チレンジホスホン酸、ヒドロキシプロピレンジホスホン
酸、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン
テトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミノペン
タメチレンホスホン酸、トリエチレンテトラアミノペン
タメチレンホスホン酸などの有機ホスホン酸およびこれ
らの有機ホスホン酸の塩、たとえばナトリウム塩やカリ
ウム塩などを挙げることができる。なお、工業的には、
フェニルホスホン酸、エチレンジアミノテトラメチレン
ホスホン酸、ヒドロキシエチレンジホスホン酸、アミノ
トリメチレンホスホン酸およびこれらのナトリウム塩、
カリウム塩などが好ましい。さらに、添加する亜鉛化合
物としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛などがあ
る。
本発明において、第一鉄塩水溶液のFeイオン濃度は、
普通30〜100g/であり、またアルカリの添加量は、反
応液中のFeイオンを5〜70g/望ましくは、10〜40g/
だけ沈澱させるに必要な量であり、アルカリの添加量が
前記範囲より低きに過ぎると工程の処理効率が低く、一
方高きに過ぎると反応液の粘度が高くなり、均一な酸化
反応を妨げ、生成するオキシ水酸化鉄の粒度分布がシャ
ープでなくなり、ひいてはこれから誘導される強磁性粉
末の磁気特性の低下につながるなど、好ましくない。な
お、酸化剤としては、空気、酸素、その他の酸化剤など
を用いることができるが、工業的には空気が好適であ
る。また、本発明において、反応温度は30〜80℃、好ま
しくは40〜70℃であり、反応温度がこれらの範囲より低
きに過ぎると反応速度が遅くなり、また高きに過ぎると
反応速度が速くなりすぎ、途中核発生や異状晶の生成、
さらにはマグネタイトも生成され易くなったりして好ま
しくない。
本発明において、有機ホスホン酸化合物ならびに亜鉛
化合物の添加は、α−オキシ水酸化鉄の生成反応が開始
する以前の第一鉄塩水溶液中、またはアルカリ水溶液中
または第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて
得られた水酸化第一鉄を含む懸濁液中または酸化開始
後、初期のグリーンラストが生成している反応液中でお
こなうことができる。有機ホスホン酸化合物の添加量
は、生成するα−オキシ水酸化鉄に対して0.01〜2.0重
量%、望ましくは0.1〜1.0重量%である。該添加量が前
記範囲より少なきに過ぎると、生成するα−オキシ水酸
化鉄の微粒子化や粒度分布の改善などの所望の効果がも
たらされず、また、添加量が多きに過ぎると、軸比の低
下や極端な微細化が避けられず好ましくない。また亜鉛
化合物の添加量は、生成するα−オキシ水酸化鉄に対し
てZnとして0.1〜10原子重量%、望ましくは1〜5原子
重量%である。該添加量が、前記範囲より少なきに過ぎ
ると添加効果が発現せず、また多きに過ぎると、軸比の
向上は認められるものの、粒度分布の悪化や、さらに生
成するα−オキシ水酸化鉄より誘導される強磁性粉末の
飽和磁化の低下につながり好ましくない。
本発明方法によって、生成したα−オキシ水酸化鉄
は、通常の濾過、水洗および乾燥を経てα−オキシ水酸
化鉄粉末として得られるが、前記の酸化反応終了後のα
−オキシ水酸化鉄を含む懸濁液は、さらにアルカリ水溶
液、もしくはアルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液を添加し
て、反応液のpHを3〜6に保持しながら、引続き中和酸
化して、該α−オキシ水酸化鉄を核晶としてさらに成長
させて、所望の粒子サイズにコントロールしたり、さら
に高軸比のα−オキシ水酸化鉄を得ることもできる。こ
の場合の成長速度は、Fe2+の沈澱速度として5〜15g/
/hr程度に調整するのが望ましく、また重量による成長
倍率は3.0以下とすることが望ましい。該成長速度が上
記範囲より速かったり、該成長倍率が上記範囲を越える
と、成長したα−オキシ水酸化鉄の粒度分布幅が大きく
なったり、樹枝状晶が生成したりして好ましくない。本
発明方法によって得られるα−オキシ水酸化鉄は微粒子
であり、粒度分布幅が狭く、良好な軸比を有するもので
あり、磁気記録用強磁性酸化鉄粉や強磁性鉄粉の出発原
料としてきわめて好適なものである。
なお本発明において、前記有機ホスホン酸化合物、さ
らにはこのものと亜鉛化合物とを添加することによって
もたらされる作用機作については、未だ十分解明するに
いたっていないが、有機ホスホン酸化合物の添加によっ
て、酸化反応開始後初期に生成するグリーンラスト粒子
が微細化かつ均一化し、次いで生成するα−オキシ水酸
化鉄の結晶核の生成を速やかにするとともに、該反応途
中での核発生を抑制しつつ、さらには核数もコントロー
ルされ、その結果として微粒子でかつ粒度分布の狭いα
−オキシ水酸化鉄が生成すると推定される。また亜鉛化
合物の添加によって、α−オキシ水酸化鉄の短軸方向へ
の成長が抑制され、さらに束ね晶の生成も抑制され、そ
の結果として高軸比でかつ粒度分布幅の狭いα−オキシ
水酸化鉄が得られると推定される。したがって有機ホス
ホン酸化合物と亜鉛化合物とを併用することにより、高
軸比で異状晶の混在がきわめて少なく、粒度分布幅が非
常に狭い微粒子のα−オキシ水酸化鉄が生成されるもの
と推定される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
〔本発明の実施例〕
実施例1 ガス吹き込み管と撹拌機を備えた内容積5の反応器
に697gの硫酸第1鉄結晶(FeSO4・7H2O)を含む水溶液
2を入れ、撹拌下に窒素ガスを吹き込みながら50℃に
昇温し、この温度を維持しながら50g/のフェニルホス
ホン酸水溶液5mlと200g/のNaOH水溶液215mlを添加し
た。次いで窒素ガスを空気に替え、0.2/分の空気吹
込み速度で酸化反応を開始した。50℃で70分間反応させ
て目的とするα−オキシ水酸化鉄を得た(試料A)。
実施例2 実施例1において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のアミノトリメチレンホ
スホン酸水溶液5mlとしたことのほかは、同例の場合と
同様に処理して目的とするα−オキシ水酸化鉄を得た
(試料B)。
実施例3 実施例1において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のヒドロキシエチレンジ
ホスホン酸水溶液5mlとしたことのほかは、同例の場合
と同様に処理して目的とするα−オキシ水酸化鉄を得た
(試料C)。
実施例4 実施例1において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のアミノトリメチレンホ
スホン酸水溶液5mlと1モル/の硫酸亜鉛水溶液22ml
としたことのほかは、同例の場合と同様に処理して目的
とするα−オキシ水酸化鉄を得た(試料D)。
実施例5 ガス吹込み管と撹拌機を備えた内容積5の反応器に
697gの硫酸第1鉄結晶(FeSO4・7H2O)を含む水溶液2
を入れ、撹拌下にN2ガスを吹込みながら50℃に昇温
し、この温度を維持しながら50g/のフェニルホスホン
酸水溶液5mlと200g/のNaOH水溶液215mlを添加した。
次いでN2ガスを空気に替え、0.2分/の空気吹込み速
度で酸化反応を開始した。50℃で70分間反応させて核晶
とするα−オキシ水酸化鉄を生成させた。次いで空気吹
込み速度を2/分とした後、さらに200g/のNaOH水
溶液215mlをpHを3.5〜5.5に保持しながら約5時間かけ
て徐々に滴下して、核晶を約2倍に成長させて目的とす
るα−オキシ水酸化鉄を得た(試料E)。
実施例6 実施例5において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のアミノトリメチレンホ
スホン酸水溶液5mlとしたことのほかは、同例の場合と
同様に処理して目的とするα−オキシ水酸化鉄を得た
(試料F)。
実施例7 実施例5において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のアミノトリメチレンホ
スホン酸水溶液5mlと1モル/の硫酸亜鉛水溶液22ml
としたことのほかは、同例の場合と同様に処理して目的
とするα−オキシ水酸化鉄を得た(試料G)。
比較例1 実施例1において、フェニルホスホン酸水溶液を添加
しないことのほかは、同例の場合と同様に処理して比較
試料のα−オキシ水酸化鉄を得た(試料H)。
比較例2 実施例1において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のオルトリン酸水溶液24m
lとしたことのほかは、同例の場合と同様に処理して比
較試料のα−オキシ水酸化例を得た(試料J)。
比較例3 実施例1において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のトリメチルアミントリ
カルボン酸水溶液4mlとしたことのほかは、同例の場合
と同様に処理して比較試料のα−オキシ水酸化鉄を得た
(試料K)。
比較例4 実施例1において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のメチルマロン酸水溶液4
mlとしたことのほかは、同例の場合と同様に処理して比
較試料のα−オキシ水酸化鉄を得た(試料L)。
比較例5 実施例5において、フェニルホスホン酸水溶液を添加
しないことのほかは、同例の場合と同様に処理して比較
試料のα−オキシ水酸化鉄を得た(試料M)。
比較例6 実施例5において、50g/のフェニルホスホン酸水溶
液5mlの添加に替えて、50g/のオルトリン酸水溶液24m
lとしたことのほかは、同例の場合と同様に処理して比
較試料のα−オキシ水酸化鉄を得た(試料N)。
前記のようにして得られたα−オキシ水酸化鉄粉の各
試料について、比表面積(BET法)および電子顕微鏡写
真により150個以上の粒子を読み取って平均長軸長、軸
比、粒度分布(σL/:算術平均長軸長(μm)と標
準偏差σL(μm)を求めて算出)を測定した。これら
の結果を表1に示す。
(参考例) 前記の実施例および比較例で得られたE,F,G,M,Nのサ
ンプルについて、濾過,水洗後、オルトリン酸をFeOOH
に対して0.4重量%(P換算量)被着した後、通常の方
法により脱水(空気中680℃)、還元(水蒸気を含む水
素中400℃)および再酸化(空気中280℃)を行ない、γ
−Fe2O3を得た。各々のγ−Fe2O3について、通常の方法
により保磁力(Hc)を測定し、さらに各々のγ−Fe2O3
について、下記の配合割合に従って、配合物を調製し、
ボールミルで混練して、磁性塗料を製造した。
(1)γ−Fe2O3粉末 100 重量部 (2)大豆レシチン 1.6 〃 (3)界面活性剤 4 〃 (4)酢ビ−塩ビ共重合樹脂 10.5 〃 (5)ジオクチルフタレート 4 〃 (6)メチルエチルケトン 84 〃 (7)トルエン 93 〃 次いで、各々の磁性塗料をポリエステルフィルムに通
常の方法により塗布、配向した後乾燥して、約7μ厚の
磁性塗膜を有する磁気記録体を作成した。これらの磁気
記録媒体について、通常の方法により、保磁力(Hc)、
飽和磁化(Bm)、角形比(Br/Bm)および反転磁界分布
(SFD)を測定し、第2表の結果を得た。
〔発明の効果〕 本発明方法は、主として磁気記録用強磁性粉末製造の
出発原料として好適な粒度分布幅が狭く、かつ良好な軸
比を有する微細な粒経のα−オキシ水酸化鉄を、工業的
実施が容易な手段できわめて効率よく得ることができる
ものであり、工業的意義は大きい。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−122128(JP,A) 特開 昭61−158831(JP,A) 特開 昭62−128927(JP,A) 特開 昭62−128930(JP,A) 特開 昭62−223025(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一鉄塩水溶液と、第一鉄塩に対する中和
    当量比が1.0未満のアルカリ水溶液とを反応させて、得
    られた水酸化第一鉄を含む懸濁液に、酸素含有ガスを通
    気して酸化することによりα−オキシ水酸化鉄を生成さ
    せる方法において、第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液
    中、水酸化第一鉄を含む懸濁液中、または酸化開始後の
    グリーンラストが生成している反応液中のいずれかに、
    有機ホスホン酸化合物を添加することを特徴とするα−
    オキシ水酸化鉄の製造方法。
  2. 【請求項2】第一鉄塩水溶液と、第一鉄塩に対する中和
    当量比が1.0未満のアルカリ水溶液とを反応させて、得
    られた水酸化第一鉄を含む懸濁液に、酸素含有ガスを通
    気して酸化することによりα−オキシ水酸化鉄を生成さ
    せる方法において、第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液
    中、水酸化第一鉄を含む懸濁液中、または酸化開始後の
    グリーンラストが生成している反応液中のいずれかに、
    有機ホスホン酸化合物と亜鉛化合物とを添加することを
    特徴とするα−オキシ水酸化鉄の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項第(1)項または請求項第(2)項
    において、添加する有機ホスホン酸化合物が、フェニル
    ホスホン酸またはその塩であることを特徴とするα−オ
    キシ水酸化鉄の製造方法。
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