JP2699145B2 - 成形パック入り種菌 - Google Patents

成形パック入り種菌

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JP2699145B2 JP6076703A JP7670394A JP2699145B2 JP 2699145 B2 JP2699145 B2 JP 2699145B2 JP 6076703 A JP6076703 A JP 6076703A JP 7670394 A JP7670394 A JP 7670394A JP 2699145 B2 JP2699145 B2 JP 2699145B2
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博 越谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、しいたけ、なめこ、
ひらたけなどの食用茸の原木栽培に用いる鋸屑種菌に関
し、詳しくは耐乾燥性を改良し、かつ貯蔵性を向上せし
めた成形パック入り種菌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食用茸の栽培においては、こな
ら、しい、くぬぎ等の原木にドリル等で穿孔した孔中に
種菌を詰め込み(あるいは打ち込み)、一定期間適温、
適湿の環境下に置いて、茸を発生させる原木栽培法が広
く実施されている。
【0003】そして、種菌には円柱状等に切り出した木
片に椎茸菌などの菌糸を接種、培養した種駒と、鋸屑や
木材チップ等の菌類支持体と米糠、ふすま等の栄養材と
の混練物にしいたけ菌等の菌糸を接種、培養した鋸屑種
菌とがある。
【0004】しかしながら、種駒を用いる栽培法は、鋸
屑種菌を用いる栽培法に比べ、植菌作業が容易である利
点はあるが、反面原木孔中への種菌の活着、繁殖が遅
く、茸発生までの期間が長くかかる(約1年)などの点
が指摘されている。
【0005】一方、鋸屑種菌による栽培法においては、
原木への種菌の活着、繁殖が速く、茸発生までの期間が
短いという利点はある。また、しいたけ栽培において
は、近年流行している多孔式植菌法で行えば、良質の茸
を植菌孔より早期に発生させることができる。
【0006】ところが、上記した鋸屑種菌による栽培法
は、原木孔内への種菌の詰め込みを手作業で行うために
手間がかかるうえ、詰め込んだ種菌の脱落や種菌内への
害菌の侵入を防止するために、この孔の表面を1つずつ
封ロウするか、あるいは発泡スチロール栓などで塞ぐ厄
介な作業が必要であり、作業効率が悪いという問題があ
る。
【0007】上記した原木孔内への種菌の詰め込み、お
よび詰め込み後の孔表面の閉塞における作業効率を上げ
るために、鋸屑自動植菌器(特公昭57−61373号
公報)、植菌と施蓋を同時に行う植菌機(実公平3−3
1154号公報)や植菌後の孔の栓打ち込み装置(実公
平4−1785号公報)などが提案されている。
【0008】しかしながら、これらの植菌機や装置は重
量があって取り扱いにくいこと、作業にかなりの力を必
要とすること、原木を水平に保ち、植菌孔を真上に向け
る必要があるので、一人では作業しにくいこと、などの
問題がある。
【0009】このため、特公昭53−29621号公
報、特開平2−255018号公報、特開平5−304
831号公報などのパック入り種菌が植菌作業が容易な
ことから注目を集めている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特公昭53−2962
1号公報のパックケースは成形シートの複数の凹部に種
菌つき蓋を充填したのち、種菌の過乾燥を防ぐために上
面に合成樹脂製フィルムを装着したものである。しかし
ながら、該フィルムは通気性が低いため、内側に水滴が
付着しやすく、20℃程度の室温では1週間以内に菌糸
が種菌蓋部の表面まで上がってくる。この時、水滴が該
菌糸に作用してその部分が変色、老化したり、密閉され
ているため種菌の活力が低下したり、害菌が繁殖したり
する、などの問題がある。また、パックケースより取り
出した種菌は乾燥に弱いため、乾燥地域における栽培に
は不向きとされてきた。
【0011】このような問題を回避するため、上記のよ
うなパックケースの種菌は1週間以内に使用するとか、
保冷車で近距離輸送に限るとか、保管期間や輸送形態、
さらには使用地域を制限せざるを得ず、従って広域供給
には向かないのが欠点である。
【0012】また、特開平2−255018号公報の鋸
屑種菌用シート状物は、シート状物に形成した凹状袋部
に多数の小孔が形成されているので、この凹状袋部で培
養した鋸屑種菌を袋に詰めたまま原木に移植できること
が特徴であり、特開平5−304831号公報の菌類培
養用成形シートは、成形シートとして不織布シートを用
いることを特徴とするものである。
【0013】図4に示すように、これらは、鋸屑種菌2
1を培養する袋部22が多孔性であるので、種菌21は
成形パック入りのまま原木24にあけた穴25に移植し
ても小孔26から原木内に菌糸が繁殖するが、このよう
な袋入り種菌はその貯蔵が難しい。即ち、上記のような
成形シートの凹状袋部内で培養した種菌を、ポリプロピ
レンフィルム等で作った袋に入れて貯蔵する場合、その
貯蔵中に上記凹状袋部の小孔から袋外へ伸延した菌糸に
より種菌同士が粘着して一塊りになってしまって、使用
時に1つずつの袋として取り出すことが難しく、またシ
ール部分が弱くなりやすい。また、図4のように鍔(シ
ール部)の部分23が原木24の樹皮27の凹凸と密着
しにくく、浮いて乾燥しやすくなるなどの欠点を有して
いる。
【0014】この発明は、上記した成形パック入り種菌
における問題点に鑑みて、種菌の耐乾燥性を向上させる
培地組成、さらに種菌の貯蔵性を高めるためのシール部
材について検討の結果、得られたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明の請求項
1の発明は、鋸屑と穀類精製時の副生物よりなる培地に
茸菌を接種、培養して得た種菌に、増粘性および/また
は保水性を有することで乾燥防止効果のある添加剤とし
て、(a):グルコース、澱粉、ペクチンのような天然
糖類0.5〜25重量%、(b):ゼラチン、カゼイ
ン、にかわのような蛋白質系増粘材2〜8重量%、
(c):米糠、コーンブラン、酵母エキスのような栄養
材2〜10重量%、(d):小麦粉、木材パルプあるい
はその排繊維質、木材微粉末のような増粘性、吸水性天
然物0.5〜25重量%、(e):アルキルスルホン酸
ナトリウム、アルキルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ソルビタン脂肪酸エステルのような界面活性剤0.
2〜1.5重量%、(f):ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース
のナトリウム塩のような増粘性、吸水性合成高分子化合
物0.1〜3重量%、の(a)〜(f)から選んだ少な
くとも1種を殺菌して加え、これを熱可塑性合成樹脂製
成形シートの凹部に蓋とともに充填し、培養してなる成
形パック入り種菌である。
【0016】そして、さらに請求項1で得られた種菌を
凹部に有する成形シート上面を、通気性を有する紙また
はフィルムでシールするか、上記成形シートを通気性を
有する紙またはフィルムよりなる袋にて包装してなる成
形パック入り種菌を提供するものである。
【0017】
【作用】この発明の成形パック入り種菌は、鋸屑と穀類
精製時の副生物よりなる培地に茸菌を接種して培養した
種菌を成形シートの凹部に充填する時に、種々の増粘性
および/または保水性を有することで乾燥防止効果のあ
る添加剤を加えて該培地組成を改良することにより、種
菌のよりよい生育と耐乾燥性の向上をはかり、培養して
得られた種菌の貯蔵時には、通気性材料を用いてシール
または包装することによって、成形パック内での水滴の
生成や、該パック蓋部表面での菌糸の増殖、変質を防止
して長期間の貯蔵を可能にしたものである。
【0018】この発明で、種菌のよりよい生育と耐乾燥
性の向上をはかるべく、鋸屑培地組成の改良のために加
える増粘性および/または保水性を有することで乾燥防
止効果のある添加剤(以下、単に添加剤という)として
は、以下の種々の天然物質や合成高分子化合物が挙げら
れる。
【0019】即ち、グルコース、澱粉、可溶性澱粉、プ
ルランあるいはペクチンのような天然糖類や、小麦粉、
木材パルプ、木材パルプの排繊維質、木材微粉末あるい
はバガスのような増粘性または吸水性の天然物、蛋白質
系増粘材、栄養材、界面活性剤、増粘性または吸水性の
合成高分子化合物などであり、これらは単独または数種
組み合わせて使用できる。天然糖類としては、グルコー
ス、澱粉あるいは可溶性澱粉は2〜25重量%、プルラ
ン、ペクチンあるいはアラビアゴムを使用する場合は
0.5〜5重量%が適当である。これは、プルラン等が
他の天然糖類より増粘効果が著しいために、多く使用す
ると培地内の空隙が見られなくなって、菌の生育を妨げ
るためである。
【0020】蛋白質系増粘材としては、ゼラチン、にか
わ、カゼインあるいは大豆グルーが2〜8重量%、栄養
材として酵母エキス、米糠あるいは大豆ミールは2〜1
0重量%、上記したような増粘性または吸水性の天然物
は0.5〜25重量%、アルキルスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ソル
ビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤は0.2〜1.5
重量%、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコ
ールあるいはカルボキシメチルセルロースのナトリウム
塩等の増粘性または吸水性の合成高分子化合物は0.1
〜3重量%の使用が適当である。
【0021】そして、これらの材料は、何れもその範囲
の下限未満では乾燥防止の効果が薄く、また上限を超え
ると培地の増粘度合いが進み過ぎて菌が呼吸する空隙が
なくなり、菌の生育を阻害したり、あるいは培地内の栄
養が過多になりすぎて固まりにくいなどの弊害が生じ
る。なお、これらの添加剤は、培地に害菌の混入するの
を防止するために、培地に加える前に何れも蒸気殺菌な
どの殺菌処理を施すことを原則とする。
【0022】この発明で鋸屑とともに培地として用いる
穀類精製時の副生物とは、米糠、ふすま、コーンブラン
であり、その使用割合は特に限定するものではなく、一
般に行われている鋸屑3〜9:副生物1(容量比)で差
し支えない。
【0023】また、この発明で培養時に使用する複数の
凹部を有する成形シートとしては、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなるシ
ートが挙げられる。
【0024】上記のようにして耐乾燥性を向上せしめた
鋸屑種菌であっても、これを従来のようにポリスチレン
等の通気性の低いフィルムでシールするならば、フィル
ムの内側に水滴が付着し、20℃程度の室温では1週間
以内に蓋部の表面まで上がってくる菌糸に、該水滴が作
用してその部分が変色、老化したり、密閉されているた
め種菌の活力が低下したり、害菌が繁殖したりするなど
の問題があるが、この発明では耐乾燥性を向上せしめた
鋸屑種菌の成形体を通気性のある紙あるいは全面に微細
孔を設けた樹脂フィルムでシールするか、またはそのよ
うな紙あるいはフィルムで作製した袋に入れて保存する
ことにより、20℃で1ケ月経過してもフィルム内での
水滴の発生や蓋部表面での菌糸の繁殖、変質はみられ
ず、充分な活力を保持していた。
【0025】かくして、この発明によって、耐乾燥性と
貯蔵性の向上が果たされ、成形パック入り種菌の広域供
給が可能となるのである。
【0026】上記において、通気性のある紙としては、
パラフィン紙、硫酸紙、セロハン紙が用いられ、また全
面に微細孔を有する樹脂フィルムとしては、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの0.02〜
0.05mm厚で0.05〜0.5mm径、細孔の開孔
率が0.02〜10%であるフィルムが適当である。
【0027】
【実施例】次に、この発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、この発明は以下の実施例により何ら限定され
るものではない。
【0028】実験例1鋸屑と米糠を容量比で5:1の割合に混合し、適量の水
で練った通常の鋸屑培地で培養した 市販の1.3リッタ
ー広口瓶入り鋸屑種菌B(当組合製、菌興115号)を
掻き出し、この鋸屑種菌Bに表1に示す添加剤をそれぞ
れ予め殺菌処理して加えた。これを図1に示すポリスチ
レン製で複数の凹部2を有する成形シート1の凹部2
内にそれぞれ発泡スチロール製蓋3とともに圧入充填し
て成形し、20℃で1週間培養して種菌Tを繁殖させ
た。その後、各凹部2より蓋とともに押し出し、図2に
示すような成形駒Sを得た。
【0029】得られた成形駒Sについて、以下に示す
3種の発菌力テストを行った。 (1)発菌力:上記で得た各成形駒を成形シートから取
り出し、ペトリ皿に蓋を取って並べ、22℃で1週間静
置したのちの発菌程度を比較品成形駒のそれを100と
して指数表示した。 (2)熱処理後の発菌力:各成形駒を夫々ポリエチレン
製の袋に入れ、ウオーターバスにて40℃で3時間熱処
理したのち取り出し、さらに(1)と同様にしてペトリ
皿に並べ、22℃で1週間静置後の発菌状態を(1)と
同様に指数表示した。 (3)乾燥処理後の発菌力:成形駒を開放したペトリ皿
に並べ、No.2濾紙で蓋をして22℃、相対湿度50
%の条件で2週間乾燥処理した後、滅菌水で濡らして別
のペトリ皿に並べ、さらに22℃で1週間静置してから
の発菌状態を(1)と同様に指数表示した。
【0030】なお、上記の鋸屑種菌Bのみで成形体を作
り、同じように20℃で1週間培養した成形駒を比較品
としてテストし、その発菌力(1)を100として指数
表示した。その結果は表1に示したが、本実施例のもの
は全てにおいて比較品よりすぐれた発菌状態を示した。
【0031】
【表1】
【0032】実験例2 実験例1と同様にして市販の鋸屑種菌B(菌興115
号)を掻き出し、この鋸屑種菌Bに表2に示すブナ木粉
(16メッシュパス)ほかの添加剤を予め殺菌処理して
加えた。そして、図1の成形シート1の凹部2内に、夫
々発泡スチロール製蓋3とともに圧入充填して成形し、
20℃で2週間培養して種菌を得た。
【0033】得られた種菌を成形シートから蓋とともに
押し出した成形駒を用い、実験例1と同様にして3種の
発菌力テストを行った。なお、上記の鋸屑種菌Bのみで
成形体を作り、同じように20℃で2週間培養した成形
駒を比較品としてテストし、その発菌力(1)を100
として指数表示した。その結果は表2に示したように、
本実施例のものは比較品より一段とすぐれていた。
【0034】
【表2】
【0035】実験例3 市販の鋸屑種菌B(菌興115号)および上記実験例2
の実施例9と同じ組成の種菌を夫々図1のポリスチレン
製成形シート1の凹部2内に発泡スチロール製蓋3とと
もに圧入充填して成形し、20℃、湿度60%の雰囲気
下で4日間培養を行った。その後、この培養した成形シ
ートを表3に示す合成樹脂フィルムあるいは紙類でシー
ルし、段ボール箱に詰めて20℃で1ケ月静置して貯蔵
した。なお、図3は凹部2に種菌Tが充填されている成
形シート1上面を表3の有孔フィルム5でシールした状
態を示すものである。
【0036】貯蔵後、成形シートから各成形駒を取り出
し、実験例1と同じ3種の発菌力テストを行った。比較
品として1ケ月の貯蔵を行わないもの、即ち鋸屑種菌B
を掻き出して成形シートで成形し、上記と同じ20℃、
60%湿度の雰囲気で4日間の培養を行った直後の成形
駒を用い、この成形駒のの発菌力(1)を100として
他の試料の発菌力を指数表示したものである。
【0037】なお、1ケ月貯蔵の際に用いた表3に示す
シール材のうち、気密PSは0.02mm厚のポリスチ
レンフィルム、有孔PPは2軸延伸による0.05mm
厚のポリプロピレンフィルムで0.3mm径の孔を10
万個/m穿孔したもの、気密PPは0.05mm厚の
ポリプロピレンフィルムである。また、表3中、発菌力
の欄の★は20℃、1ケ月の貯蔵中に害菌の繁殖が起こ
って表面を覆うため、種菌の発菌状態を判定できなかっ
たものである。
【0038】このテストから、鋸屑種菌のみの成形駒は
勿論のこと、本実施例(実施例12〜14)と同じ組成
の成形駒であっても、通気性の低いフィルムで気密にシ
ールして1ケ月の貯蔵を行ったものは、種菌の活力が低
下し、却って成形駒中に侵入した害菌の繁殖をもたら
し、この害菌で表面が覆われてしまうため、種菌の発菌
状態を見極めることができず、かつ変質、変色して外観
も悪いという結果しか得られなかった(比較例1、3、
4)。
【0039】また、鋸屑種菌のみの成形駒を通気性のフ
ィルムでシールして1ケ月貯蔵したもの(比較例2)
は、熱処理あるいは乾燥処理によって成形駒の活力があ
る程度低下するため、低い発菌状態しか認められなかっ
た。
【0040】これに対して、本実施例の添加剤を加えた
成形駒を通気性のある硫酸紙、セロハン紙などの紙類や
フィルムでシールしたものは、1ケ月の貯蔵後であって
も比較品と同等の発菌力を有していた。
【0041】
【表3】
【0042】実験例4 実験例3で1ケ月貯蔵した成形駒および市販の鋸屑種菌
のみを成形シートで成形し、20℃、60%湿度下で4
日培養した成形駒(比較品)を、平成5年4月コナラ原
木に50個ずつ混合してランダムに植え込んだ。そして
この原木をホダ場に1ケ月並べて放置した後、原木を割
り、菌糸の活着状況をみたところ、表4に示すようにこ
の発明の実施例14の成形駒を植え込んだものは、比較
品と同様の100%の活着率を示し、1ケ月の貯蔵が何
ら弊害のないことが認められた。
【0043】また、これらの成形駒を平成5年4月、径
15cmのコナラ原木に60個(10個×6列)ずつ接
種し、ホダ場に並べて茸が発生する状況を調べたとこ
ろ、7ケ月後より茸が発生し始め、この発明の実施例1
4の成形駒よりなるものは、比較品と同様の発生状態を
示していた。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は茸菌を
接種、培養するに際して、鋸屑と穀類精製時の副生物と
よりなる培地で培養した種菌を成形シートの凹部に入れ
て、さらに培養するに当たって、増粘性あるいは保水性
を有することで乾燥防止効果のある添加剤を加えること
によって、耐乾燥性の向上した鋸屑種菌を得ることがで
き、この鋸屑種菌を通気性のある紙またはフィルムでシ
ールあるいは包装することによって、成形パック入り種
菌の貯蔵性を向上させることができて、該成形パック入
り種菌の広域供給を可能とした。また、乾燥地域におけ
る原木栽培にも十分適用できる成形種菌を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で使用する成形シートの外観を示す斜
視図である。
【図2】この発明で得られる成形パック入り種菌(成形
駒)を示す拡大模式図である。
【図3】凹部に種菌が充填されている成形シートのシー
ル状態を示す説明図である。
【図4】従来の袋入り種菌を原木に植え込んだ時の状態
図である。
【符号の説明】
1 成形シート 2 凹部 3 蓋部 5 シール材 S 成形駒種菌
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−40347(JP,A) 特開 平5−304831(JP,A) 特開 平3−27218(JP,A) 特開 平2−156828(JP,A) 特開 昭59−34823(JP,A) 特開 昭51−141256(JP,A) 実開 昭53−37652(JP,U) 特公 昭53−29621(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋸屑と穀類精製時の副生物よりなる培地
    に茸菌を接種、培養して得た種菌と、増粘性および/ま
    たは保水性を有することで乾燥防止効果のある添加剤と
    して、(a):グルコース、澱粉、ペクチンのような天
    然糖類0.5〜25重量%、(b):ゼラチン、カゼイ
    ン、にかわのような蛋白質系増粘材2〜8重量%、
    (c):米糠、コーンブラン、酵母エキスのような栄養
    材2〜10重量%、(d):小麦粉、木材パルプあるい
    はその排繊維質、木材微粉末のような増粘性、吸水性天
    然物0.5〜25重量%、(e):アルキルスルホン酸
    ナトリウム、アルキルトリメチルアンモニウムクロライ
    ド、ソルビタン脂肪酸エステルのような界面活性剤0.
    2〜1.5重量%、(f):ポリビニルアルコール、ポ
    リアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース
    のナトリウム塩のような増粘性、吸水性合成高分子化合
    物0.1〜3重量%、の(a)〜(f)から選んだ少な
    くとも1種とを熱可塑性合成樹脂製成形シートの凹部に
    蓋とともに充填し、培養してなる成形パック入り種菌。
  2. 【請求項2】 培養した種菌を凹部に有する成形シート
    の上面を、通気性を有する紙またはフィルムでシールす
    るか、上記成形シートを通気性を有する紙またはフィル
    ムよりなる袋にて包装してなる請求項1記載の成形パッ
    ク入り種菌。
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