JP2698724B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法

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JP2698724B2
JP2698724B2 JP3344269A JP34426991A JP2698724B2 JP 2698724 B2 JP2698724 B2 JP 2698724B2 JP 3344269 A JP3344269 A JP 3344269A JP 34426991 A JP34426991 A JP 34426991A JP 2698724 B2 JP2698724 B2 JP 2698724B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレイデバイス
やイメージセンサ等に使用できる薄膜トランジスタ及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイデバイスやイメージセ
ンサ等の駆動に用いる薄膜トランジスタは、従来のIC
プロセスと同じプロセスで作製されていた。従来のIC
プロセスは結晶化、絶縁膜の形成及び不純物の活性化を
1000°C近い高温で行う必要があり、透光性基板を
必要とする時には基板材料が石英基板に限定されてしま
い大面積化が困難であった。
【0003】近年、プロセスの低温化の方法が提案さ
れ、非晶質膜あるいは多結晶膜を出発材料とし、低温固
相成長、レーザアニール等で結晶化させる方法が検討さ
れている。
【0004】ところで、薄膜トランジスタは一般に電界
効果型トランジスタであるために、その特性はゲート絶
縁層とチャネルとなる多結晶Si膜の界面状態に非常に
大きく影響される。このため、従来の高温プロセスでは
熱酸化法により、ゲート絶縁層とチャネルの界面をチャ
ネル層内部に作り込み、界面状態を良好に保っている。
これに対し、低温プロセスでは、ゲート絶縁層も低温で
形成する必要があるため上記の熱酸化法は使えない。そ
のため、多結晶Si膜を所定の形状に加工した後、弗酸
等を用いて表面の清浄化処理を行い、その後スパッタ、
あるいは、CVD法等を用いてゲート絶縁膜を形成する
方法が採られているが、界面準位密度の十分な低減には
至っていない。
【0005】そこで、多結晶Si膜を成膜した後、大気
に晒さずゲート絶縁膜を連続して成膜する方法が提案さ
れている。
【0006】また、ガラス基板の使用できる低温プロセ
スにおいては、大面積化、低価格化等が最大の長所とな
るが、反面、ガラス基板中に含まれる不純物が薄膜トラ
ンジスタの特性を大幅に低下させてしまうことがある。
そこで、従来、例えば特開昭58−52874号公報等
に示されるようにガラス基板上に窒化シリコン(SiN
Z)膜を形成することにより上述のようなガラス基板中
の不純物イオンの影響を抑制し、トランジスタ特性の悪
化を防止していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】低温プロセスによる薄
膜トランジスタの特性向上を図るためには多結晶Si膜
とゲート絶縁膜の界面状態を改善することが不可欠であ
る。このため、多結晶Si膜の形成後、大気に晒さず連
続してゲート絶縁層の形成を行うことが理想である。し
かしながらこの方法においては、ゲート絶縁膜および多
結晶Si膜を所定の形状に加工したときに多結晶Si膜
側面が露出するため、その後、ゲート電極を形成したと
きにゲート電極と露出した多結晶Si膜の側壁が接し、
漏れ電流が増大することになる。
【0008】したがって、ゲート電極形成前に多結晶S
i膜の側壁を絶縁体で覆う必要があり、図13に示すよ
うな構成にする必要がある。しかしながら、ゲート絶縁
層5に通常よく用いられるSiO2膜を用いたときに
は、多結晶Si膜4の側壁を覆う絶縁膜11はSiO2
膜と選択的にエッチング加工できることが必要条件とな
る。
【0009】もし、多結晶Si側壁を覆う絶縁膜11に
ゲート絶縁膜5と同じSiO2膜、あるいは、SiO2
エッチングの選択比の小さいSiN膜等を用いようとし
た場合、エッチング加工の際に、エッチング時間を厳密
に管理しない限り同時にゲート絶縁膜をもエッチングし
てしまうことになる。通常、SiO2膜とエッチング選
択性の有る絶縁膜として、SiO2にPをドープしたP
SGが知られており、Pのドープ量が多いほど選択性が
高いとされている。
【0010】但し、多結晶Si膜側壁をPSGで覆った
場合には、PSGから多結晶Si膜側にPが拡散しトラ
ンジスタ特性に悪影響を及ぼしてしまう恐れがある。
【0011】また、パターンの側壁に絶縁膜等を形成す
る方法としては、基板全面に絶縁膜を成膜したあと、異
方性エッチングすることでパターンの段差部のみに絶縁
膜を残存させるといった方法が採られることがあるが、
異方性エッチングの際のエッチング時間の管理が出来な
いとと残存する絶縁膜の量を制御することが出来ない。
【0012】エッチング時間の管理方法としては、エッ
チングしようとする材料のエッチング速度のデータを元
に、その材料の膜厚からエッチング時間を算出するとい
った方法が最も簡単に行えるが、エッチングの再現性が
よほど良くないと残存させる量を制御することは難し
い。
【0013】また、ガラス基板上にSiNZの被膜を形
成した場合にはガラス基板中の不純物イオンの拡散が防
止されるため、ガラス基板との十分な密着性を得ること
ができずに素子作製に支障をきたしていた。さらに、S
iN膜直上に多結晶Si膜を形成しようとした場合、多
結晶Si膜の結晶粒は十分な大きさには成長せず、トラ
ンジスタ特性として高い移動度を得ることはできなかっ
た。
【0014】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、ガラス基板からの不純物の影響を抑
え、ガラス基板上に形成した絶縁膜が剥がれ落ちること
がなく、移動度の高いトランジスタ特性を得ること、更
には、多結晶Si膜とゲート絶縁膜を連続して形成する
方法において、多結晶Si膜を所定の形状に加工した
後、多結晶Si膜、及びゲート絶縁膜に悪影響を与える
ことなく多結晶Si膜側壁に容易にかつ、再現性よく絶
縁体を形成できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜トランジス
タは絶縁性基板と、該基板上に設けた第1の絶縁体と、
該第1の絶縁体上に半導体層、ゲート絶縁膜、下層ゲー
ト電極が順次積層された後島状にパターニングされてな
る積層膜の島状パターンと、該積層膜の島状パターンの
側壁に設けた第2の絶縁体と、前記第1の絶縁体と前記
積層膜の島状パターン上に設けた上層ゲート電極とを有
する薄膜トランジスタであって、前記第1の絶縁体が酸
素を含む珪素化合物からなる膜を基板側に有し、かつ少
なくとも、窒素を含む珪素化合物からなる膜を有するこ
とを特徴とする。
【0016】また、本発明の薄膜トランジスタは、絶縁
性基板と、該基板上に設けた第1の絶縁体と、該第1の
絶縁体上に半導体層、ゲート絶縁膜、下層ゲート電極が
順次積層された後島状にパターニングされてなる積層膜
の島状パターンと、該積層膜の島状パターンの側壁に設
けた第2の絶縁体と、前記第1の絶縁体と前記積層膜の
島状パターン上に設けた上層ゲート電極とを有する薄膜
トランジスタであって、前記第1の絶縁体が酸素を含む
珪素化合物からなる膜を半導体層側に有し、かつ少なく
とも、窒素を含む珪素化合物からなる膜を有することを
特徴とする。
【0017】さらに、本発明の薄膜トランジスタの製造
方法は、絶縁性基板上に基板側と基板と反対側とで材料
が異なる第1の絶縁体を形成する工程と、該第1の絶縁
体の上に半導体層、ゲート絶縁膜、及び下層ゲート電極
用薄膜を順次成膜して積層膜を形成する工程と、前記積
層膜の薄膜トランジスタ形成部分以外を除去することで
前記積層膜の島状パターンを形成する工程と、前記島状
パターンの側壁に第2の絶縁体を形成する工程と、上層
ゲート電極用薄膜を成膜する工程と、同一レジストパタ
ーンを用いた前記上層及び下層ゲート電極用薄膜のエッ
チングによりゲート電極に形成する工程とをもつことを
特徴とする。
【0018】
【作用】上記のように本発明では、ガラス基板上に形成
される第1の絶縁体中にSiN Z膜が含まれているた
め、ガラス基板からの不純物の拡散が防止される。ま
た、前記第1の絶縁膜の基板側には、酸素を含む珪素化
合物の膜が形成されているため、SiNZのみを形成さ
せた場合に比べてガラスとの密着性が良く、製造工程中
に剥がれ落ちることがない。さらに、第1の絶縁体の半
導体側に酸素を含む珪素化合物の膜が形成されているた
め結晶が大きく成長し、移動度の高い薄膜トランジスタ
を得ることができる。
【0019】また、島状パターンの上面を下層ゲート電
極用薄膜とすることで、島状パターンの側壁に絶縁膜を
形成するためのエッチング加工の際、特にゲート絶縁膜
との選択的なエッチングを必要としないため、トランジ
スタ特性に悪影響を及ぼす恐れのあるPSG膜を用いる
必要がない。
【0020】さらに、島状パターンの側壁に絶縁体を形
成する方法は、基板全面に絶縁体膜を成膜した後、異方
性エッチングすることで島状パターンの側壁にのみ絶縁
体膜を残存させるといった簡便な方法で実施でき、エッ
チングの際にプラズマ分光分析を行うことでエッチング
時間を精度よく管理できるため、島状パターンの側壁に
残存させる絶縁体の形状を常に安定に作製することがで
きる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0022】<実施例1>図1に、本発明の製造方法に
おいて作製された薄膜トランジスタの平面図を示し、図
2乃至図8は実施例1における薄膜トランジスタの製造
工程を示す断面図であり、それぞれの(a)、(b)は
図1におけるA−A’断面,B−B’断面図を示す。
【0023】まず、洗浄したガラス基板1の表面にスパ
ッタ、あるいはCVD装置にてSiN膜2を約3000
オングストローム成膜する。続いてその上に同じくスパ
ッタ、あるいはCVD装置にてSiO2膜3を約500
オングストローム成膜する。次にSiO2 膜3の上にプ
ラズマCVD装置にて非晶質Si膜を成膜する。成膜条
件は基板温度400〜600°CでH2希釈されたSi
4ガスを熱とプラズマで分解し約1000オングスト
ローム堆積させる。
【0024】次に非晶質Si膜を多結晶化するため、真
空中あるいは不活性ガス雰囲気中にて600°Cで50
時間程度のアニールを行い多結晶Si膜4とする。続い
て、減圧CVD装置にてゲート絶縁膜となるSiO2
5を約1000オングストローム成膜する。以上の非晶
質Si膜の成膜からゲート絶縁膜の成膜までの工程にお
いて、プラズマCVD装置からアニール炉、及びアニー
ル炉から減圧CVD装置へのガラス基板の移動は真空
中、あるいは不活性ガス雰囲気中で保持されたロードロ
ック室を介して行っている。
【0025】次に、減圧CVD装置にて下層ゲート電極
6aとなる多結晶Si膜を約1000オングストローム
成膜したのが図2に示した積層膜である。以上のように
して得られたSiO2膜3上の3層の膜を同一のレジス
トパターンで各層をエッチングし、図3に示したような
島状パターンに加工する。各層のエッチングは反応性イ
オンエッチャーを用い、エッチングした後の断面形状が
基板に対し垂直となるように異方性エッチングを行っ
た。尚、多結晶SiのエッチングにはSF6とCCl4
混合ガスを、SiO2のエッチングにはCHF3をそれぞ
れエッチングガスとして用いた。
【0026】次に、図4に示したように基板全面にスパ
ッタ装置、あるいはプラズマCVD装置等にてSiN膜
7を約5000オングストローム成膜する。その後、反
応性イオンエッチャーにてCHF3を反応性ガスとして
用い、SiN膜7に異方性エッチングを行って、図5に
示したようにSiN7’が島状パターンの側壁のみに残
存させた。
【0027】図9に反応性イオンエッチング中のプラズ
マ発光スペクトルのうち、エッチングガスCHF3とS
iN膜7に起因するCNのスペクトルである388nm
について、エッチング開始直後からの発光強度の時間変
化を示した。発光強度はある時点において急激に小さく
なり、その時点でSiO2膜3が露出したという判断が
出来る。発光強度が最小になったことを確認した後、エ
ッチングを終了すれば島状パターンの側壁に残存させる
SiN7’の大きさを常に安定に形成することが出来
る。この際の島状パターンの上面である下層ゲート電極
6aの膜厚の減少は50オングストローム程度であっ
た。
【0028】また、このようにSiN膜7’を島状パタ
ーンの側壁に安定して残存させるためには、ゲート電極
6aとその上を覆って形成されるSiN膜7とのエッチ
ング選択比を利用してエッチングすることも可能であ
る。
【0029】その後、減圧CVD装置にて上層ゲート電
極6bとなる多結晶Si膜を約2000オングストロー
ム成膜し、図6に示したようにゲート電極を所定の形状
に加工するためレジストパターンを形成し、下層ゲート
電極6a、及び上層ゲート電極6bを同時に反応性イオ
ンエッチャーにてエッチングを行い、ゲート電極6とす
る。
【0030】その後、全面にイオン注入し活性化アニー
ルすることによって下層ゲート電極6aおよび上層のゲ
ート電極6bの多結晶Si膜、更にソース、ドレイン部
となる多結晶Si膜の低抵抗化を行う。
【0031】次に、図7に示したように基板全面に常圧
CVD装置にてSiO2あるいはPをドープしたPSG
を成膜し、一部にコンタクトホールを形成し、層間絶縁
膜8を形成する。この時、ソース、ドレイン部と後に形
成するAl電極とが接続されるよう同時にゲート絶縁膜
にもホールを開ける。なお、コンタクトホールは、図示
したソースとドレイン部のみでなく、続いて形成するA
l配線と接続するゲート電極6上の膜にも形成している
(図示は省略)。
【0032】続いてスパッタ装置にてAlを約5000
オングストローム成膜し所定の形状に加工しソース電極
9a,ドレイン電極9bとし、薄膜トランジスタ、及
び、その周囲の配線を作製したのが図8である。
【0033】以上の工程により、図1に平面図を示した
本発明の実施例の薄膜トランジスタを形成している。
【0034】<実施例2>実施例1においては、積層膜
を島状パターンに加工した後、図4のように基板全面に
第2の絶縁膜としてSiN膜7を成膜した場合について
説明したが、実施例2ではSiNの代わりにSiO2
成膜した場合について説明する。従って、図3までの工
程は実施例1と全く同じである。
【0035】積層膜を島状パターンに成膜した後、図1
0に示したように基板全面に常圧CVD装置等によりS
iO210を約5000オングストローム成膜する。そ
の後、図11に示したように反応性イオンエッチャーに
て反応性ガスCHF3 を用い、SiO210’が島状パ
ターンの側壁にのみ残存するように異方性エッチングを
行う。
【0036】この際、実施例1と同様にプラズマ発光ス
ペクトルの強度変化でエッチング時間を制御するが、S
iO210をエッチングした後の表面に露出するもの
は、島状パターン上面の下層ゲート電極である多結晶S
i膜6aと基板表面のSiO2膜3である。下層ゲート
電極6aは、基板全体に占める面積が極めて小さいた
め、発光スペクトルの差異はほとんど認められない。
【0037】また、基板表面は同じSiO2であるため
発光スペクトルに何ら変化はない。従って、基板表面の
SiO2膜3も続けてエッチングし、その下の不純物拡
散防止膜であるSiN膜2の表面が露出するまでエッチ
ングを実施した。図12にCNのスペクトルである38
8nmについて、エッチング開始直後からの発光強度の
時間変化を示した。発光強度はある時点において急激に
大きくなる。
【0038】CNのスペクトルはエッチングガスである
CHF3とSiN膜に起因することから発光強度が大き
くなった時点でSiN膜2が露出したという判断ができ
る。発光強度が最大となったことを確認した後、エッチ
ングを終了すれば島状パターンの側壁に残存させるSi
210’の大きさを常に安定に形成することができ
る。但し、実施例1に比べると基板表面のSiO2膜3
を余分にエッチングする分、島状パターンの側壁に残存
させるSiO210’の大きさは小さくなるが、絶縁耐
圧上、十分に耐え得るものであった。
【0039】本実施例においてはSiO2膜3を500
オングストロームとしているが、SiO2膜3が厚くな
るほど残存させるSiO210’は小さくなるため10
00オングストローム以下が適当である。また、この際
の下層ゲート電極6aの膜厚の減少は100オングスト
ローム程度であった。
【0040】その後の上層ゲート電極6bの成膜以降の
工程は実施例1と全く同じである。また、島状パターン
の側壁の絶縁層を形成するとき、島状パターンの上面は
下層ゲート電極である多結晶Si膜であるため、選択的
に絶縁膜のみをエッチング加工することもできる。
【0041】<実施例3>実施例1においては、第1の
絶縁体としてガラス基板上にSiN膜2及びSiO2
3を順次積層した場合について説明したが、実施例3で
は前記第1の絶縁体としてSiNXY及びSiNZを順
次積層した場合について説明する。
【0042】図13は実施例3における薄膜トランジス
タの断面図であり(a),(b)は図1に於けるA−
A′断面、B−B′断面図を示す。
【0043】まず、洗浄したガラス基板1の表面に反応
性スパッタSiNXY膜11を形成する。SiNXY
11はSiターゲットを用いて窒素と酸素の混合ガス中
でスパッタすることにより形成する。酸素の流量割合は
0.1〜10%,ト−タル圧力は1〜20mTorr、
基板温度は150〜300°Cの条件で良好な成膜が行
えた。膜厚は200〜500オングストローム程度で密
着性に関し十分な効果があった。
【0044】次にSiNXY膜11上にSiNZ膜12
を形成する。窒素ガス中において、Siをターゲットと
してスパッタすることによりSiNXY層11上にSi
Z膜が形成される。ガス圧は1〜20mTorr、基
板温度は150〜300°Cの条件で良好な成膜が行え
た。膜厚は、500〜3000オングストローム程度
で、不純物の抑制に関し、十分な効果があった。
【0045】上記のようにしてSiNXY膜11、Si
Z膜12が形成されるが、この成膜時において、流入
ガス中にアルゴン等の不活性ガスを混入させても良く、
また、SiNXY膜、SiNZ膜は同一装置内で連続し
て成膜することにより、より効率良く、良質な成膜を行
うことができる。また、この実施例では反応性スパッタ
法を用いたが、CVD法によってもSiNXY,SiN
Z膜を形成する事は可能である。
【0046】このSiNZ膜12上に実施例1同様にし
て薄膜トランジスタを形成した。実施例3においても実
施例1と同様、不純物拡散防止膜であるSiN膜12の
表面が露出するまでエッチングを実施し、図12のCN
のスペクトルである388nmについて、発光強度が最
大となったことを確認した後、エッチングを終了するこ
とにより島状パターンの側壁に残存させるSiO2 7’
の大きさを常に安定に形成することができた。
【0047】本実施例によれば、ガラス基板1上にガラ
ス基板との密着性が良いSiNXを用いたので薄膜
トランジスタの作成プロセス中にガラス基板から剥がれ
落ちてしまうことがない。
【0048】<実施例4>第1の絶縁体としてガラス基
板上にSiNYを積層した場合について説明する。
なお、Yの値はガラス基板との境界部から上方にかけて
2〜0まで変化している。
【0049】図14は実施例4における薄膜トランジス
タの断面図であり、(a),(b)は図1におけるA−
A′断面図、B−B′断面図を示す。
【0050】まず、洗浄したガラス基板1の表面に反応
性スパッタによりSiNXY膜14を形成する。
【0051】SiNXY膜14はSiターゲットを用い
て窒素と酸素の混合ガス中でスパッタすることにより形
成する。成膜初期時に酸素の流量割合を100〜10%
で行い、成膜進行に伴い酸素の流量割合を0%に落と
し、酸素の流量割合を0%で一定膜成膜する。このよう
な条件で成膜することによりyの値を2から0まで連続
的に変化させたSiNXY膜14が形成できる。また、
トータル圧力は1〜20mTorr、基板温度は、15
0〜300°Cの条件で良好な成膜が行えた。膜厚は5
00〜3000オングストローム程度であった。
【0052】このSiNXY膜14上に実施例3と同様
にして薄膜トランジスタを形成した。本実施例において
も実施例3と同様、第1の絶縁体のガラス基板との密着
性がよいため、工程中に剥がれ落ちてしまう事がない。
【0053】<実施例5>第1の絶縁体として、ガラス
基板上にSiO:N、SiN、SiO2を順次積層し、
島状パターンの周囲に形成する第2の絶縁体として実施
例1と同様にSiNを用いた場合について説明する。
【0054】図15は実施例5における薄膜トランジス
タの断面図であり、(a)、(b)は図1におけるA−
A′断面、B−B′断面図を示す。
【0055】まず洗浄したガラス基板1上にSiターゲ
ットによる反応性スパッタ法によりSiO:N膜15を
形成する。このSiO:N膜15は反応性スパッタ法に
おいて、基板温度200°C、RF power750
W、ガス圧力12mTorr、N2 ガス流量50scc
m、O2ガス流量5sccm以下にて約600オングス
トローム成膜する。ついで同一チャンバー内で連続して
2ガスを流さない以外は成膜条件を変えずにSiN膜
16を約2400オングストロ−ム成膜する。さらに同
一チャンバー内でターゲットをSiO2に変え、基板温
度200°C、RFpower750W、ガス圧力5m
Torr,Arガス流量70sccm、O2ガス流量3
0sccmにてSiO2 膜172を500オングストロ
ーム成膜する。
【0056】このSiO2膜17上に実施例1と同様に
して薄膜トランジスタを形成した。本実施例において
は、ガラス基板と第1の絶縁膜との密着性がよく半導体
層4のSi膜の結晶粒が十分に大きく、トランジスタ特
性として、高い移動度のものが得られた。
【0057】<実施例6>実施例5と同様に第1の絶縁
体としてガラス基板上にSiO:N、SiN、SiO2
を順次形成し、実施例2と同様に島状パターンの周囲に
形成する第2の絶縁体としてSiO2を用いた場合につ
いて説明する。図16は実施例6における薄膜トランジ
スタの断面図であり、(a)、(b)は図1におけるA
−A′断面、B−B′断面図を示す。
【0058】基板1上に実施例5と同様にしてSiO:
N膜15、SiN膜16、SiO膜を順次積層し、こ
のSiO17上に実施例2と同様にして薄膜トランジ
スタを形成した。本実施例においても実施例5と同様に
ガラス基板と第1の絶縁膜との密着性がよく半導体層4
のSi膜の結晶粒が十分に大きく、トランジスタ特性と
して、高い移動度のものが得られた。
【0059】また、上記実施例1〜6によって得られた
薄膜トランジスタをアクティブマトリクス型液晶ディス
プレイに応用した例をず18に示す。図18において、
18はゲートバスライン、19はソースバスライン、2
0は共通電極、21は本発明の薄膜トランジスタ、22
は液晶である。また、本発明の薄膜トランジスタは高移
動度特性が得られるため画素ごとに設ける以外にもゲー
ト走査回路23、データドライバ回路24にも用いるこ
とが可能である。
【0060】
【発明の効果】本発明によると第1の絶縁体中にSiN
Z膜が含まれているため、ガラス基板からの不純物の拡
散が防止される。また、ガラス基板上に形成される第1
の絶縁膜の基板側には、酸素を含む珪素化合物の膜が形
成されているため、SiNZのみを形成させた場合に比
べてガラスとの密着性が良く、製造工程中に剥がれ落ち
ることがない。また、第1の絶縁体の半導体側に酸素を
含む珪素化合物の膜が形成されているため結晶が大きく
成長し、移動度の高い薄膜トランジスタを得ることがで
きる。
【0061】また、多結晶Si膜とゲート絶縁膜を連続
して形成する際、多結晶Si膜を所定の形状に加工した
後、多結晶Si膜、及びゲート絶縁膜に悪影響を与える
ことなく多結晶Si膜側壁に容易にかつ、再現性よく絶
縁体を形成できる。
【0062】さらに、島状パターンの側壁に絶縁体を形
成する方法は、基板全面に絶縁体膜を成膜した後、異方
性エッチングすることで島状パターンの側壁にのみ絶縁
体膜を残存させるといった簡便な方法で実施でき、エッ
チングの際にプラズマ分光分析を行うことでエッチング
時間を精度よく管理できるため、島状パターンの側壁に
残存させる絶縁体の形状を常に安定に作製することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜トランジスタの一実施例を示す平
面図
【図2】実施例1の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図3】実施例1の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図4】実施例1の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図5】実施例1の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図6】実施例1の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図7】実施例1の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図8】実施例1の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図9】実施例1の388nmにおける発光強度の時間
的変化を示す特性図。
【図10】実施例2の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図11】実施例2の製造工程を示す断面図であり、
(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB−B’
断面。
【図12】実施例2の388nmにおける発光強度の時
間的変化を示す特性図。
【図13】実施例3の薄膜トランジスタを示す断面図で
あり、(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB
−B’断面。
【図14】実施例4の薄膜トランジスタを示す断面図で
あり、(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB
−B’断面。
【図15】実施例5の薄膜トランジスタを示す断面図で
あり、(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB
−B’断面。
【図16】実施例6の薄膜トランジスタを示す断面図で
あり、(a)は図1のA−A’断面、(b)は図1のB
−B’断面。
【図17】比較例の薄膜トランジスタの断面図。
【図18】本発明をアクティブマトリクス型液晶ディス
プレイに応用した説明図。
【符号の説明】
1:ガラス基板 2:SiN膜(不純物拡散防止層) 3:SiO2膜 4:多結晶Si膜 5:ゲート絶縁膜 6:ゲート電極(6a:下層ゲート電極膜、6b:上層
ゲート電極膜) 7、7’:絶縁体(SiO2) 8:層間絶縁層 9:Al電極(9a:ソース電極、9b:ドレイン電
極) 10、10’:絶縁体(SiN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板と、該基板上に設けた第1の絶
    縁体と、該第1の絶縁体上に半導体層、ゲート絶縁膜、
    下層ゲート電極が順次積層された後島状にパターニング
    されてなる積層膜の島状パターンと、該積層膜の島状パ
    ターンの側壁に設けた第2の絶縁体と、前記第1の絶縁
    体と前記積層膜の島状パターン上に設けた上層ゲート電
    極とを有する薄膜トランジスタであって、前記第1の絶
    縁体が酸素を含む珪素化合物からなる膜を基板側に有
    し、かつ少なくとも、窒素を含む珪素化合物からなる膜
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】絶縁性基板と、該基板上に設けた第1の絶
    縁体と、該第1の絶縁体上に半導体層、ゲート絶縁膜、
    下層ゲート電極が順次積層された後島状にパターニング
    されてなる積層膜の島状パターンと、該積層膜の島状パ
    ターンの側壁に設けた第2の絶縁体と、前記第1の絶縁
    体と前記積層膜の島状パターン上に設けた上層ゲート電
    極とを有する薄膜トランジスタであって、前記第1の絶
    縁体が酸素を含む珪素化合物からなる膜を半導体層側に
    有し、かつ少なくとも、窒素を含む珪素化合物からなる
    膜を有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】絶縁性基板上に基板側と基板と反対側とで
    材料が異なる第1の絶縁体を形成する工程と、該第1の
    絶縁体の上に半導体層、ゲート絶縁膜、及び下層ゲート
    電極用薄膜を順次成膜して積層膜を形成する工程と、前
    記積層膜の薄膜トランジスタ形成部分以外を除去するこ
    とで前記積層膜の島状パターンを形成する工程と、前記
    島状パターンの側壁に第2の絶縁体を形成する工程と、
    上層ゲート電極用薄膜を成膜する工程と、同一レジスト
    パターンを用いた前記上層及び下層ゲート電極用薄膜の
    エッチングによりゲート電極に形成する工程とをもつこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜トランジスタ
    の製造方法。
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