JP2697810B2 - 塗布方法及びそれに用いる塗布装置 - Google Patents
塗布方法及びそれに用いる塗布装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被塗布材を処理容器内
に収納し、被塗布材を回転させながら塗布材を塗布する
塗布装置、例えば、半導体製造装置に於いてウエハ上に
レジストを塗布する塗布方法及びそれを用いる塗布装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体製造装置に於いては、ウエハ上に
レジストを塗布する場合、処理容器の内部に配置した回
転可能なスピンヘッド上にウエハを載置固定し、ウエハ
を回転させながらレジスト液をウエハ表面に供給してレ
ジスト塗布処理を行っている(特公昭53−3718
9) 。 【0003】一方、近年一枚のウエハに形成できるチッ
プ数を増大させるために、従来主流であった6インチウ
エハに代えて、より大口径の例えば8インチウエハを使
用する要望が高まっている。あるいは、液晶画面に対応
すべく、効率良くチップを確保できる角型ウエハの使用
等も要望されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】一般に、大口径のウエ
ハにレジストを薄く均一に塗布するためには、塗布材の
粘度を変えるか、あるいは被塗布材の回転数を上げるか
のいずれかが考えられていた。 【0005】塗布装置側で上記要望に答えるためには、
被塗布材の回転数を上げるしか方法が無かったが、回転
数を上げた場合には、ウエハの中心と周縁とで回転速度
(接線方向の速度)が大きく異なってしまう。そして、
特に周囲空間との速度差が著しいウエハの周縁部の速度
が所定値を越えると、塗布材である溶剤の蒸発が促進さ
れ、周縁部でのレジスト塗布均一性がかえって損なわれ
てしまうことが本発明者等によって確認された。 【0006】このように、大口径のウエハにレジストを
塗布するにあたり、ウエハの回転数で対処するのみで
は、レジスト塗布範囲に自ずと制限があり、8インチウ
エハ等の大口径ウエハのレジストを確実に行うことがで
きなかった。 【0007】ところで、特開昭61−194829号公
報によれば、塗布膜の品質を安定化させるため、処理容
器内部に溶剤の蒸気流を強制導入する技術が提案されて
いるが、この技術でも大口径ウエハのレジストを確実に
行い得ないことが本発明者等によって確認された。 【0008】ここで、特開昭51−39737号公報及
び特開昭60−143871号公報には、ウエハが配置
される処理容器を、ウエハと同一方向に回転駆動する技
術が開示されている。これらの技術によれば、ウエハ上
の溶剤の蒸発の促進がおさえられ、ウエハ周縁部にてレ
ジスト塗布の均一性を高めることができる。 【0009】ここで、ウエハ周縁部での塗布膜の均一性
が高められる際に、塗布材の一部はウエハの裏面に回り
込み、ウエハ裏面側を汚染することが知られている。こ
のために、特開昭60−143871号公報では、ウエ
ハの裏面にレジストシンナーを供給して、ウエハの裏面
を洗浄するようにしている。 【0010】このように、ウエハの裏面を洗浄すること
は、レジスト回転塗布工程の後にウエハを搬送する際
に、この搬送部材の汚染を防止し、かつ、この搬送を安
定して行うために必要であるばかりか、パーティクルの
原因となるウエハの汚染を次工程に持ち込まないことか
ら重要である。 【0011】しかしながら、従来装置によれば、回転塗
布時にウエハの裏面に廻り込んだ塗布材の全てが、裏面
洗浄工程にて洗浄されないことがあった。 【0012】そこで、本発明の目的とするところは、上
述した従来の問題点を解決し、大口径の被塗布材に対し
てもその表面の所望範囲に確実に塗布材を塗布し、しか
も汚染された被塗布材の裏面を確実に洗浄することがで
きる塗布方法及びそれを用いる塗布装置を提供すること
にある。 【0013】 【課題を解決するための手段】特許請求の範囲第1項の
発明に係る塗布方法は、被塗布材を回転させて、前記被
塗布材表面に供給された塗布材により塗布膜を形成する
回転塗布工程と、前記塗布膜が形成された前記被塗布材
の裏面を、前記回転塗布工程での支持位置よりも内側の
位置にて支持し、前記被塗布材を回転させて前記被塗布
材の裏面を洗浄する裏面洗浄工程と、を有することを特
徴とする。 【0014】特許請求の範囲第2項の発明は、被塗布材
を回転して塗布材を塗布する塗布方法において、前記被
塗布材を囲む処理容器を前記被塗布材の回転方向と同一
方向に回転して、前記被塗布材表面に供給された前記塗
布材により塗布膜を形成する回転塗布工程と、前記塗布
膜が形成された前記被塗布材の裏面を、前記回転塗布工
程での支持位置よりも内側の位置にて支持し、前記被塗
布材を回転させて前記被塗布材の裏面を洗浄する裏面洗
浄工程と、を有することを特徴とする。 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】特許請求の範囲第3項の発明は、表面に塗
布材が供給された被塗布材の裏面を支持して前記被塗布
材を回転させて、前記表面に塗布膜を形成する塗布装置
において、前記表面に塗布膜が形成された前記被塗布材
の裏面を支持して、前記被塗布材を回転させる第1の回
転駆動手段と、表面に前記塗布膜が形成された前記被塗
布材の裏面を洗浄する裏面洗浄器と、前記裏面洗浄器に
より洗浄される前記被塗布材の裏面を、前記回転塗布時
よりも内側にて支持して、前記被塗布材を回転させる第
2の回転駆動手段と、を有することを特徴とする。 【0019】特許請求の範囲第4項の発明は、表面に塗
布材が供給された被塗布材の裏面を支持して前記被塗布
材を回転させて、前記表面に塗布膜を形成する塗布装置
において、前記被塗布材を囲む処理容器を前記被塗布材
の回転方向と同一方向に回転して、前記塗布材により前
記被塗布材表面に塗布膜を形成する第1の回転駆動手段
と、前記塗布膜が形成された前記被塗布材の裏面を、回
転塗布時での支持位置よりも内側の位置にて支持し、前
記被塗布材を回転させる第2の回転駆動手段と、前記第
2の回転駆動手段により回転される前記被塗布材の裏面
を洗浄する裏面洗浄器と、を有することを特徴とする。 【0020】 【0021】 【0022】 【作用】特許請求の範囲第1項の発明によれば、被塗布
材を回転させて被塗布材の裏面を洗浄する裏面洗浄工程
では、塗布膜が形成された被塗布材の裏面を、回転塗布
工程での支持位置よりも内側の位置にて支持している。
従って、回転塗布時に被塗布材が支持されていた箇所に
塗布材が回り込んだとしても、裏面洗浄工程ではこの部
分を露出させて洗浄することができる。 【0023】従って、特許請求の範囲第1項の発明で
は、回転塗布時に塗布材が回り込むことで汚染される被
塗布材の裏面を、裏面洗浄工程にて確実に洗浄すること
ができる。 【0024】特許請求の範囲第2項の発明では、被塗布
材と共に処理容器も同一方向に回転しているので、上記
相対速度差が小さくなり(同一回転数とすれば相対的速
度差は零である)、大口径の被塗布材であっても周縁部
での蒸発が抑制され、所望領域内に確実に塗布材の塗布
を実行することができる。 【0025】また、特許請求の範囲第2項の発明では、
蒸発量を低減できるので、被塗布材に滴下すべき塗布材
の量を反射的に減少することができる効果もある。特許
請求の範囲第3項の発明では、被塗布材の表面に塗布膜
を形成させる場合には、第1の回転駆動手段により被塗
布材を回転させ、その後被塗布材の裏面を洗浄する場合
には、第2の回転駆動手段により被塗布材を回転させる
ことで裏面洗浄を行っている。ここで、第2の回転駆動
手段の被塗布材の裏面支持位置は、第1の回転駆動手段
の被塗布材支持位置よりも内側にて支持するように形成
されている。このため、回転塗布時に被塗布材が支持さ
れていた箇所に塗布材が回り込んだとしても、裏面洗浄
時にこの部分を露出させて洗浄することができる。 この
ように、回転塗布時に塗布材が回り込むことで汚染され
る被塗布材の裏面を、確実に洗浄することができる。 特
許請求の範囲第4項の発明では、第1の回転駆動手段に
より被塗布材と共に処理容器も同一方向に回転している
ので、処理容器と被塗布材との回転の相対速度差が小さ
くなり(同一回転数とすれば相対的速度差は零であ
る)、大口径の被塗布材であっても周縁部での蒸発が抑
制され、所望領域内に確実に塗布材の塗布を実行するこ
とができる。また、蒸発量を低減できるので、被塗布材
に滴下すべき塗布材の量を反射的に減少することができ
る。 【0026】 【実施例】以下、本発明を図示の実施例を参照して具体
的に説明する。 【0027】図面は、実施例装置の断面図である。 【0028】同図において、この実施例装置はその基本
的枠組みとして、下側ベース1,上側ベース2及び両ベ
ース1,2を離間して平行に固定する支柱3,3を有し
ている。 【0029】被塗布材の一例であるウエハ4を載置固定
する処理容器10は、塗布時は密閉され、かつ、塗布時
以外は離間可能な第1,第2の容器11,12から構成
されている。 【0030】上側に配置される第1の容器11は、取り
付けベース10A,13Aを介して可動板13に支持さ
れ、同図の2点鎖線で示す位置まで上昇できるようにな
っている。前記可動板13は、前記上側ベース2に固定
された第2の昇降駆動手段である昇降駆動部14の軸1
5に連結され、かつ、ガイド軸16の一端を固着すると
共にその他端側を前記上側ベース2に設けた案内材17
に摺動自在に支持することで、前述した昇降移動が可能
となっている。尚、前記取り付けベース10A,13A
は、ベアリング18を介して互いに回転自在となってい
る。この取付ベースA,13A及びベアリング182よ
り、第1の容器11を回転自在に支持する従動案内部材
を構成している。また、第1の容器11の周縁部にはパ
ッキン19が設けられ、前記処理容器10の密閉性を確
保できるようになっている。 【0031】下側の第2の容器12は、下記の構成によ
り成る第1の回転駆動手段又は容器回転駆動手段として
の回転駆動機構部40によって支持されている。即ち、
前記下側ベース1には支持台20が固定され、この支持
台20の周りでベアリング21を介して回転可能な被回
転駆動軸である回転ブロック22が設けられている。そ
して、前記第2の容器12はこの回転ブロック22に固
定されて一体的に回転できるようになっている。また、
前記回転ブロック22の周囲には、第1のプーリ23が
固着されている。 【0032】一方、前記下側ベース1には、第2のモー
タ24が配置され、回転駆動軸である出力軸25の周囲
には第2のプーリ26が固着されている。そして、前記
第1,第2のプーリ23,26に張架部材であるベルト
27を懸架することで、第2のモータ24の回転力を前
記回転ブロック22に伝達するようになっている。この
ように、第2のモータ24からの回転動力は張架部材で
あるベルト27を介して、第2の容器12側に伝達され
るようになっているので、第2のモータ24側にて発生
した熱が第2の容器12側に伝達されることを低減でき
る。これにより塗布特性に影響を与える塗布環境温度の
変動を防止できる。 【0033】前記第2の容器12の中心領域には、この
第2の容器12の内面より突出して当接部として機能す
る中空円盤状の真空吸着部30が設けられ、処理容器1
0内に配置されるウエハ4を真空吸着できるようになっ
ている。尚、この真空吸着部30は第2の容器12にネ
ジ等によって固着されているので、第2の容器12と共
に一体的に回転させることができる。また、前記真空吸
着部30の内側には、保持手段としてのスピンチャック
31が配置されている。このスピンチャック31は、前
記支持台20の中心に穿設された中空部を構成する孔2
0Aに挿通され軸部を有し、この軸部が前記下側ベース
1に昇降自在に支持された第1のモータ32に連結され
ている。この孔20Aは、第2の容器12の真空吸着部
30の内側にて開口している。スピンチャック31はこ
の開口を介して上方に伸びる前記軸部の上端側に、ウエ
ハ4を保持できる保持部を有し、本実施例ではこの保持
部を真空吸引部として構成している。尚、前記下側ベー
ス1には、昇降駆動部33,ガイド軸34が第1のモー
タ32の両側に固定され、第1のモータ32を支持する
支持枠35の一方を第1の昇降駆動手段である前記昇降
駆動部33の昇降軸33Aに固着し、その他方をベアリ
ング36を介して前記ガイド軸34に沿って摺動自在に
支持している。この結果、前記スピンチャック31は昇
降可能であると共に回転可能となっている。また、この
スピンチャック31には、図示しないコンプレッサが連
結され、ウエハ4を真空吸着可能であり、さらに、前記
真空吸着部30での吸着を可能とするために、真空吸着
部30に連通する負圧経路を兼用している。 尚、本実
施例装置では塗布材の滴下部を図示していないが、この
滴下部は前記第1の容器11が同図の2点鎖線に示す位
置に上昇した際に、ウエハ4の上方に移動し、ここで所
定量の塗布材(本実施例ではレジスト材)をウエハ4の
中心部に滴下し、その後初期位置に復帰移動するように
なっている。 【0034】以上のように構成された実施例装置の作用
について説明する。 【0035】先ず、昇降駆動部14を駆動して第1の容
器11を図示の2点鎖線に示す位置まで上昇させ、処理
容器10を解放した状態で、ウエハ4の設定及び前記滴
下部によるレジスト材の滴下を順次行う。その後、昇降
駆動部14の駆動によって第1の容器11を下降させ
て、第1,第2の容器11,12によって処理容器10
を密閉する。 【0036】次に、図示しないコンプレッサを駆動し、
スピンチャック31を介して真空吸着部30を吸着可能
とし、図示のようにこの真空吸着部30によってウエハ
4を吸着する(尚、この状態ではスピンチャック31は
同図に示すように真空吸着部30の吸着面より下がった
位置に待機されている)。スピンチャック31は、ウエ
ハ4の裏面と非接触となっているが、このウエハ4とス
ピンチャック31との間の領域は、ウエハ4と真空吸着
部30とが密着することでシールされるので、前記領域
を負圧にしてウエハ4を第2の容器12側に密着支持す
ることができる。この後、設定されたウエハ4の口径,
レジスト材の粘度,塗布すべき膜厚等の特性によって定
められる回転数で前記第2のモータ24を駆動する。そ
うすると、この第2のモータ24の回転力は出力軸2
5,第2のプーリ26,ベルト27,第1のプーリ23
を介して回転ブロック22に伝達され、この回転ブロッ
ク22が回転することになる。 【0037】回転ブロック22が回転されると、この回
転ブロック22に固着されている第2の容器12及び真
空吸着部30が共に一体的に回転することになる。ま
た、第1の容器11は、前記昇降駆動部14によって第
2の容器12に押圧され、かつ、ベアリング18を介し
て回転自在となっているので、第2の容器12と共に一
体的に回転することになる。 【0038】この結果、前記真空吸着部30に真空吸着
されているウエハ4及び処理容器10が一体的に回転
し、ウエハ4と共に処理容器10内の周囲空間をも同速
度で同一方向に回転することになる。 【0039】ここで、従来より大口径のウエハ4の周縁
部まで確実にレジスト材を塗布できなかった主たる原因
は、ウエハ4を高速回転させた際に、ウエハ4の周縁部
とその周囲空間との速度差が著しく大きくなるからであ
る。本実施例装置によれば、上述したようにしてウエハ
4と共にその周囲空間をも一体的に回転しているので、
上記速度差は零となり、ウエハ4の周縁部でのレジスト
材の蒸発が抑制されるので、大口径のウエハ4であって
もその周縁部まで確実にレジスト材を塗布することが可
能となる。この回転塗布工程では、ウエハ4上の余分な
レジスト材は、ウエハの周縁部より裏面側に回り込み、
ウエハ4の裏面が汚染されることになる。但し、本実施
例では真空吸着部30の存在により、レジスト材は、こ
の真空吸着部30よりも半径方向内方に飛散することが
防止される。 【0040】所定時間の上記塗布動作を実行した後、第
2のモータ24の駆動を停止し、昇降駆動部14を駆動
して第1の容器11を図示の2点鎖線の位置まで上昇さ
せ、処理容器10を解放する。この後、下側ベース1に
取り付けられた昇降駆動部33を駆動し、第1のモータ
36を上昇させることで、ウエハ4を吸着しながらスピ
ンチャック31を上昇させ、ウエハ4を処理容器10よ
り取り出して図示の2点鎖線の位置に設定する。この状
態で、ウエハ4の裏面を洗浄する洗浄器(図示せず)を
ウエハ4の裏面側に移動設定し、第1のモータ36を駆
動することでウエハ4を回転しつつ裏面洗浄を実行し、
以後の処理工程に移行することになる。この裏面洗浄工
程では、ウエハ4は、スピンチャック31にのみ保持さ
れている。このスピンチャック31によるウエハ4の裏
面保持位置は、上述した回転塗布時におけるウエハ4の
支持位置(真空吸着部30による支持位置)よりも内側
となっている。従ってこの裏面洗浄工程では、回転塗布
時に真空吸着部30にて保持された位置が露出され、回
転塗布時にこの領域に廻り込んだレジスト材をも除去す
ることが可能となる。これにより、その後ウエハ4を搬
送する際、あるいは次工程にて処理する際に、ウエハ4
の裏面に付着したレジスト材により、搬送アーム、サセ
プタなどが汚染されることを防止できる。 【0041】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。 【0042】前記実施例では塗布材の滴下部としてウエ
ハ4の上方領域内外に移動走査できるいわゆるノズルス
キャン方式を採用している。これに代えて、第1の容器
11の中心部に滴下部を固定した固定方式を採用するこ
とも可能である。 【0043】また、前記実施例では従来よりあるスピン
チャック31に加えて、真空吸着部30を第2の容器1
2と共に回転自在に設け、処理容器10とウエハ4との
回転駆動機構を兼用しているので、周囲空間とウエハ4
との回転速度は同一となる点で優れているが、必ずしも
この構成には限定されない。例えば、真空吸着部30を
設けずに、処理容器10内でのウエハ4の吸着及び回転
をスピンチャック31によって行うこともできる。この
場合、周囲空間との回転速度を物理的に同一にすること
は駆動源を異にするので困難であろうが、少なくとも前
記相対速度差は従来よりも大幅に低減されるので、同様
に本発明の効果を奏することができる。また、処理容器
10の回転駆動機構40として、前記実施例ではプー
リ,ベルト方式によったが、他の種々の回転駆動手段に
置換できることはいうまでもない。さらに、本発明が適
用される塗布装置としては、必ずしも半導体ウエハへの
レジスト塗布に限らず、マスクへのレジスト塗布等種々
の塗布装置に適用可能であり、特に被塗布材の隅々まで
塗布が可能となるので、液晶画面等の角型ウエハへの塗
布にも優れた効果を発揮することができる。 【0044】 【発明の効果】特許請求の範囲第1項及び第3項の各発
明によれば、回転塗布時に塗布材が回り込むことで汚染
される被塗布材の裏面を、確実に洗浄して除去すること
ができる。 特許請求の範囲第2項及び第4項の各発明に
よれば、被塗布材と共に処理容器も同一方向に回転して
いるので、相対速度差が小さくなり、大口径の被塗布材
であっても確実に塗布材の塗布ができる。また、蒸発量
を低減して、滴下すべき塗布材の量を減少させることが
できる。 【0045】
に収納し、被塗布材を回転させながら塗布材を塗布する
塗布装置、例えば、半導体製造装置に於いてウエハ上に
レジストを塗布する塗布方法及びそれを用いる塗布装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体製造装置に於いては、ウエハ上に
レジストを塗布する場合、処理容器の内部に配置した回
転可能なスピンヘッド上にウエハを載置固定し、ウエハ
を回転させながらレジスト液をウエハ表面に供給してレ
ジスト塗布処理を行っている(特公昭53−3718
9) 。 【0003】一方、近年一枚のウエハに形成できるチッ
プ数を増大させるために、従来主流であった6インチウ
エハに代えて、より大口径の例えば8インチウエハを使
用する要望が高まっている。あるいは、液晶画面に対応
すべく、効率良くチップを確保できる角型ウエハの使用
等も要望されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】一般に、大口径のウエ
ハにレジストを薄く均一に塗布するためには、塗布材の
粘度を変えるか、あるいは被塗布材の回転数を上げるか
のいずれかが考えられていた。 【0005】塗布装置側で上記要望に答えるためには、
被塗布材の回転数を上げるしか方法が無かったが、回転
数を上げた場合には、ウエハの中心と周縁とで回転速度
(接線方向の速度)が大きく異なってしまう。そして、
特に周囲空間との速度差が著しいウエハの周縁部の速度
が所定値を越えると、塗布材である溶剤の蒸発が促進さ
れ、周縁部でのレジスト塗布均一性がかえって損なわれ
てしまうことが本発明者等によって確認された。 【0006】このように、大口径のウエハにレジストを
塗布するにあたり、ウエハの回転数で対処するのみで
は、レジスト塗布範囲に自ずと制限があり、8インチウ
エハ等の大口径ウエハのレジストを確実に行うことがで
きなかった。 【0007】ところで、特開昭61−194829号公
報によれば、塗布膜の品質を安定化させるため、処理容
器内部に溶剤の蒸気流を強制導入する技術が提案されて
いるが、この技術でも大口径ウエハのレジストを確実に
行い得ないことが本発明者等によって確認された。 【0008】ここで、特開昭51−39737号公報及
び特開昭60−143871号公報には、ウエハが配置
される処理容器を、ウエハと同一方向に回転駆動する技
術が開示されている。これらの技術によれば、ウエハ上
の溶剤の蒸発の促進がおさえられ、ウエハ周縁部にてレ
ジスト塗布の均一性を高めることができる。 【0009】ここで、ウエハ周縁部での塗布膜の均一性
が高められる際に、塗布材の一部はウエハの裏面に回り
込み、ウエハ裏面側を汚染することが知られている。こ
のために、特開昭60−143871号公報では、ウエ
ハの裏面にレジストシンナーを供給して、ウエハの裏面
を洗浄するようにしている。 【0010】このように、ウエハの裏面を洗浄すること
は、レジスト回転塗布工程の後にウエハを搬送する際
に、この搬送部材の汚染を防止し、かつ、この搬送を安
定して行うために必要であるばかりか、パーティクルの
原因となるウエハの汚染を次工程に持ち込まないことか
ら重要である。 【0011】しかしながら、従来装置によれば、回転塗
布時にウエハの裏面に廻り込んだ塗布材の全てが、裏面
洗浄工程にて洗浄されないことがあった。 【0012】そこで、本発明の目的とするところは、上
述した従来の問題点を解決し、大口径の被塗布材に対し
てもその表面の所望範囲に確実に塗布材を塗布し、しか
も汚染された被塗布材の裏面を確実に洗浄することがで
きる塗布方法及びそれを用いる塗布装置を提供すること
にある。 【0013】 【課題を解決するための手段】特許請求の範囲第1項の
発明に係る塗布方法は、被塗布材を回転させて、前記被
塗布材表面に供給された塗布材により塗布膜を形成する
回転塗布工程と、前記塗布膜が形成された前記被塗布材
の裏面を、前記回転塗布工程での支持位置よりも内側の
位置にて支持し、前記被塗布材を回転させて前記被塗布
材の裏面を洗浄する裏面洗浄工程と、を有することを特
徴とする。 【0014】特許請求の範囲第2項の発明は、被塗布材
を回転して塗布材を塗布する塗布方法において、前記被
塗布材を囲む処理容器を前記被塗布材の回転方向と同一
方向に回転して、前記被塗布材表面に供給された前記塗
布材により塗布膜を形成する回転塗布工程と、前記塗布
膜が形成された前記被塗布材の裏面を、前記回転塗布工
程での支持位置よりも内側の位置にて支持し、前記被塗
布材を回転させて前記被塗布材の裏面を洗浄する裏面洗
浄工程と、を有することを特徴とする。 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】特許請求の範囲第3項の発明は、表面に塗
布材が供給された被塗布材の裏面を支持して前記被塗布
材を回転させて、前記表面に塗布膜を形成する塗布装置
において、前記表面に塗布膜が形成された前記被塗布材
の裏面を支持して、前記被塗布材を回転させる第1の回
転駆動手段と、表面に前記塗布膜が形成された前記被塗
布材の裏面を洗浄する裏面洗浄器と、前記裏面洗浄器に
より洗浄される前記被塗布材の裏面を、前記回転塗布時
よりも内側にて支持して、前記被塗布材を回転させる第
2の回転駆動手段と、を有することを特徴とする。 【0019】特許請求の範囲第4項の発明は、表面に塗
布材が供給された被塗布材の裏面を支持して前記被塗布
材を回転させて、前記表面に塗布膜を形成する塗布装置
において、前記被塗布材を囲む処理容器を前記被塗布材
の回転方向と同一方向に回転して、前記塗布材により前
記被塗布材表面に塗布膜を形成する第1の回転駆動手段
と、前記塗布膜が形成された前記被塗布材の裏面を、回
転塗布時での支持位置よりも内側の位置にて支持し、前
記被塗布材を回転させる第2の回転駆動手段と、前記第
2の回転駆動手段により回転される前記被塗布材の裏面
を洗浄する裏面洗浄器と、を有することを特徴とする。 【0020】 【0021】 【0022】 【作用】特許請求の範囲第1項の発明によれば、被塗布
材を回転させて被塗布材の裏面を洗浄する裏面洗浄工程
では、塗布膜が形成された被塗布材の裏面を、回転塗布
工程での支持位置よりも内側の位置にて支持している。
従って、回転塗布時に被塗布材が支持されていた箇所に
塗布材が回り込んだとしても、裏面洗浄工程ではこの部
分を露出させて洗浄することができる。 【0023】従って、特許請求の範囲第1項の発明で
は、回転塗布時に塗布材が回り込むことで汚染される被
塗布材の裏面を、裏面洗浄工程にて確実に洗浄すること
ができる。 【0024】特許請求の範囲第2項の発明では、被塗布
材と共に処理容器も同一方向に回転しているので、上記
相対速度差が小さくなり(同一回転数とすれば相対的速
度差は零である)、大口径の被塗布材であっても周縁部
での蒸発が抑制され、所望領域内に確実に塗布材の塗布
を実行することができる。 【0025】また、特許請求の範囲第2項の発明では、
蒸発量を低減できるので、被塗布材に滴下すべき塗布材
の量を反射的に減少することができる効果もある。特許
請求の範囲第3項の発明では、被塗布材の表面に塗布膜
を形成させる場合には、第1の回転駆動手段により被塗
布材を回転させ、その後被塗布材の裏面を洗浄する場合
には、第2の回転駆動手段により被塗布材を回転させる
ことで裏面洗浄を行っている。ここで、第2の回転駆動
手段の被塗布材の裏面支持位置は、第1の回転駆動手段
の被塗布材支持位置よりも内側にて支持するように形成
されている。このため、回転塗布時に被塗布材が支持さ
れていた箇所に塗布材が回り込んだとしても、裏面洗浄
時にこの部分を露出させて洗浄することができる。 この
ように、回転塗布時に塗布材が回り込むことで汚染され
る被塗布材の裏面を、確実に洗浄することができる。 特
許請求の範囲第4項の発明では、第1の回転駆動手段に
より被塗布材と共に処理容器も同一方向に回転している
ので、処理容器と被塗布材との回転の相対速度差が小さ
くなり(同一回転数とすれば相対的速度差は零であ
る)、大口径の被塗布材であっても周縁部での蒸発が抑
制され、所望領域内に確実に塗布材の塗布を実行するこ
とができる。また、蒸発量を低減できるので、被塗布材
に滴下すべき塗布材の量を反射的に減少することができ
る。 【0026】 【実施例】以下、本発明を図示の実施例を参照して具体
的に説明する。 【0027】図面は、実施例装置の断面図である。 【0028】同図において、この実施例装置はその基本
的枠組みとして、下側ベース1,上側ベース2及び両ベ
ース1,2を離間して平行に固定する支柱3,3を有し
ている。 【0029】被塗布材の一例であるウエハ4を載置固定
する処理容器10は、塗布時は密閉され、かつ、塗布時
以外は離間可能な第1,第2の容器11,12から構成
されている。 【0030】上側に配置される第1の容器11は、取り
付けベース10A,13Aを介して可動板13に支持さ
れ、同図の2点鎖線で示す位置まで上昇できるようにな
っている。前記可動板13は、前記上側ベース2に固定
された第2の昇降駆動手段である昇降駆動部14の軸1
5に連結され、かつ、ガイド軸16の一端を固着すると
共にその他端側を前記上側ベース2に設けた案内材17
に摺動自在に支持することで、前述した昇降移動が可能
となっている。尚、前記取り付けベース10A,13A
は、ベアリング18を介して互いに回転自在となってい
る。この取付ベースA,13A及びベアリング182よ
り、第1の容器11を回転自在に支持する従動案内部材
を構成している。また、第1の容器11の周縁部にはパ
ッキン19が設けられ、前記処理容器10の密閉性を確
保できるようになっている。 【0031】下側の第2の容器12は、下記の構成によ
り成る第1の回転駆動手段又は容器回転駆動手段として
の回転駆動機構部40によって支持されている。即ち、
前記下側ベース1には支持台20が固定され、この支持
台20の周りでベアリング21を介して回転可能な被回
転駆動軸である回転ブロック22が設けられている。そ
して、前記第2の容器12はこの回転ブロック22に固
定されて一体的に回転できるようになっている。また、
前記回転ブロック22の周囲には、第1のプーリ23が
固着されている。 【0032】一方、前記下側ベース1には、第2のモー
タ24が配置され、回転駆動軸である出力軸25の周囲
には第2のプーリ26が固着されている。そして、前記
第1,第2のプーリ23,26に張架部材であるベルト
27を懸架することで、第2のモータ24の回転力を前
記回転ブロック22に伝達するようになっている。この
ように、第2のモータ24からの回転動力は張架部材で
あるベルト27を介して、第2の容器12側に伝達され
るようになっているので、第2のモータ24側にて発生
した熱が第2の容器12側に伝達されることを低減でき
る。これにより塗布特性に影響を与える塗布環境温度の
変動を防止できる。 【0033】前記第2の容器12の中心領域には、この
第2の容器12の内面より突出して当接部として機能す
る中空円盤状の真空吸着部30が設けられ、処理容器1
0内に配置されるウエハ4を真空吸着できるようになっ
ている。尚、この真空吸着部30は第2の容器12にネ
ジ等によって固着されているので、第2の容器12と共
に一体的に回転させることができる。また、前記真空吸
着部30の内側には、保持手段としてのスピンチャック
31が配置されている。このスピンチャック31は、前
記支持台20の中心に穿設された中空部を構成する孔2
0Aに挿通され軸部を有し、この軸部が前記下側ベース
1に昇降自在に支持された第1のモータ32に連結され
ている。この孔20Aは、第2の容器12の真空吸着部
30の内側にて開口している。スピンチャック31はこ
の開口を介して上方に伸びる前記軸部の上端側に、ウエ
ハ4を保持できる保持部を有し、本実施例ではこの保持
部を真空吸引部として構成している。尚、前記下側ベー
ス1には、昇降駆動部33,ガイド軸34が第1のモー
タ32の両側に固定され、第1のモータ32を支持する
支持枠35の一方を第1の昇降駆動手段である前記昇降
駆動部33の昇降軸33Aに固着し、その他方をベアリ
ング36を介して前記ガイド軸34に沿って摺動自在に
支持している。この結果、前記スピンチャック31は昇
降可能であると共に回転可能となっている。また、この
スピンチャック31には、図示しないコンプレッサが連
結され、ウエハ4を真空吸着可能であり、さらに、前記
真空吸着部30での吸着を可能とするために、真空吸着
部30に連通する負圧経路を兼用している。 尚、本実
施例装置では塗布材の滴下部を図示していないが、この
滴下部は前記第1の容器11が同図の2点鎖線に示す位
置に上昇した際に、ウエハ4の上方に移動し、ここで所
定量の塗布材(本実施例ではレジスト材)をウエハ4の
中心部に滴下し、その後初期位置に復帰移動するように
なっている。 【0034】以上のように構成された実施例装置の作用
について説明する。 【0035】先ず、昇降駆動部14を駆動して第1の容
器11を図示の2点鎖線に示す位置まで上昇させ、処理
容器10を解放した状態で、ウエハ4の設定及び前記滴
下部によるレジスト材の滴下を順次行う。その後、昇降
駆動部14の駆動によって第1の容器11を下降させ
て、第1,第2の容器11,12によって処理容器10
を密閉する。 【0036】次に、図示しないコンプレッサを駆動し、
スピンチャック31を介して真空吸着部30を吸着可能
とし、図示のようにこの真空吸着部30によってウエハ
4を吸着する(尚、この状態ではスピンチャック31は
同図に示すように真空吸着部30の吸着面より下がった
位置に待機されている)。スピンチャック31は、ウエ
ハ4の裏面と非接触となっているが、このウエハ4とス
ピンチャック31との間の領域は、ウエハ4と真空吸着
部30とが密着することでシールされるので、前記領域
を負圧にしてウエハ4を第2の容器12側に密着支持す
ることができる。この後、設定されたウエハ4の口径,
レジスト材の粘度,塗布すべき膜厚等の特性によって定
められる回転数で前記第2のモータ24を駆動する。そ
うすると、この第2のモータ24の回転力は出力軸2
5,第2のプーリ26,ベルト27,第1のプーリ23
を介して回転ブロック22に伝達され、この回転ブロッ
ク22が回転することになる。 【0037】回転ブロック22が回転されると、この回
転ブロック22に固着されている第2の容器12及び真
空吸着部30が共に一体的に回転することになる。ま
た、第1の容器11は、前記昇降駆動部14によって第
2の容器12に押圧され、かつ、ベアリング18を介し
て回転自在となっているので、第2の容器12と共に一
体的に回転することになる。 【0038】この結果、前記真空吸着部30に真空吸着
されているウエハ4及び処理容器10が一体的に回転
し、ウエハ4と共に処理容器10内の周囲空間をも同速
度で同一方向に回転することになる。 【0039】ここで、従来より大口径のウエハ4の周縁
部まで確実にレジスト材を塗布できなかった主たる原因
は、ウエハ4を高速回転させた際に、ウエハ4の周縁部
とその周囲空間との速度差が著しく大きくなるからであ
る。本実施例装置によれば、上述したようにしてウエハ
4と共にその周囲空間をも一体的に回転しているので、
上記速度差は零となり、ウエハ4の周縁部でのレジスト
材の蒸発が抑制されるので、大口径のウエハ4であって
もその周縁部まで確実にレジスト材を塗布することが可
能となる。この回転塗布工程では、ウエハ4上の余分な
レジスト材は、ウエハの周縁部より裏面側に回り込み、
ウエハ4の裏面が汚染されることになる。但し、本実施
例では真空吸着部30の存在により、レジスト材は、こ
の真空吸着部30よりも半径方向内方に飛散することが
防止される。 【0040】所定時間の上記塗布動作を実行した後、第
2のモータ24の駆動を停止し、昇降駆動部14を駆動
して第1の容器11を図示の2点鎖線の位置まで上昇さ
せ、処理容器10を解放する。この後、下側ベース1に
取り付けられた昇降駆動部33を駆動し、第1のモータ
36を上昇させることで、ウエハ4を吸着しながらスピ
ンチャック31を上昇させ、ウエハ4を処理容器10よ
り取り出して図示の2点鎖線の位置に設定する。この状
態で、ウエハ4の裏面を洗浄する洗浄器(図示せず)を
ウエハ4の裏面側に移動設定し、第1のモータ36を駆
動することでウエハ4を回転しつつ裏面洗浄を実行し、
以後の処理工程に移行することになる。この裏面洗浄工
程では、ウエハ4は、スピンチャック31にのみ保持さ
れている。このスピンチャック31によるウエハ4の裏
面保持位置は、上述した回転塗布時におけるウエハ4の
支持位置(真空吸着部30による支持位置)よりも内側
となっている。従ってこの裏面洗浄工程では、回転塗布
時に真空吸着部30にて保持された位置が露出され、回
転塗布時にこの領域に廻り込んだレジスト材をも除去す
ることが可能となる。これにより、その後ウエハ4を搬
送する際、あるいは次工程にて処理する際に、ウエハ4
の裏面に付着したレジスト材により、搬送アーム、サセ
プタなどが汚染されることを防止できる。 【0041】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。 【0042】前記実施例では塗布材の滴下部としてウエ
ハ4の上方領域内外に移動走査できるいわゆるノズルス
キャン方式を採用している。これに代えて、第1の容器
11の中心部に滴下部を固定した固定方式を採用するこ
とも可能である。 【0043】また、前記実施例では従来よりあるスピン
チャック31に加えて、真空吸着部30を第2の容器1
2と共に回転自在に設け、処理容器10とウエハ4との
回転駆動機構を兼用しているので、周囲空間とウエハ4
との回転速度は同一となる点で優れているが、必ずしも
この構成には限定されない。例えば、真空吸着部30を
設けずに、処理容器10内でのウエハ4の吸着及び回転
をスピンチャック31によって行うこともできる。この
場合、周囲空間との回転速度を物理的に同一にすること
は駆動源を異にするので困難であろうが、少なくとも前
記相対速度差は従来よりも大幅に低減されるので、同様
に本発明の効果を奏することができる。また、処理容器
10の回転駆動機構40として、前記実施例ではプー
リ,ベルト方式によったが、他の種々の回転駆動手段に
置換できることはいうまでもない。さらに、本発明が適
用される塗布装置としては、必ずしも半導体ウエハへの
レジスト塗布に限らず、マスクへのレジスト塗布等種々
の塗布装置に適用可能であり、特に被塗布材の隅々まで
塗布が可能となるので、液晶画面等の角型ウエハへの塗
布にも優れた効果を発揮することができる。 【0044】 【発明の効果】特許請求の範囲第1項及び第3項の各発
明によれば、回転塗布時に塗布材が回り込むことで汚染
される被塗布材の裏面を、確実に洗浄して除去すること
ができる。 特許請求の範囲第2項及び第4項の各発明に
よれば、被塗布材と共に処理容器も同一方向に回転して
いるので、相対速度差が小さくなり、大口径の被塗布材
であっても確実に塗布材の塗布ができる。また、蒸発量
を低減して、滴下すべき塗布材の量を減少させることが
できる。 【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置の概略断面図である。
【符号の説明】
4 被塗布材
10 処理容器
11 第1の容器
12 第2の容器
14 第2の回転駆動手段
30 真空吸着部(当接部)
31 スピンチャック(保持手段)
40 第1の回転駆動手段
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 大森 伝
東京都港区赤坂5丁目3番6号 東京エ
レクトロン株式会社内
(56)参考文献 特開 昭61−294819(JP,A)
特開 昭59−33453(JP,A)
特開 昭51−39737(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.被塗布材を回転させて、前記被塗布材表面に供給さ
れた塗布材により塗布膜を形成する回転塗布工程と、 前記塗布膜が形成された前記被塗布材の裏面を、前記回
転塗布工程での支持位置よりも内側の位置にて支持し、
前記被塗布材を回転させて前記被塗布材の裏面を洗浄す
る裏面洗浄工程と、 を有することを特徴とする塗布方法。 2.被塗布材を回転して塗布材を塗布する塗布方法にお
いて、 前記被塗布材を囲む処理容器を前記被塗布材の回転方向
と同一方向に回転して、前記被塗布材表面に供給された
前記塗布材により塗布膜を形成する回転塗布工程と、 前記塗布膜が形成された前記被塗布材の裏面を、前記回
転塗布工程での支持位置よりも内側の位置にて支持し、
前記被塗布材を回転させて前記被塗布材の裏面を洗浄す
る裏面洗浄工程と、 を有することを特徴とする塗布方法。 3.表面に塗布材が供給された被塗布材の裏面を支持し
て前記被塗布材を回転させて、前記表面に塗布膜を形成
する塗布装置において、 前記表面に塗布膜が形成された前記被塗布材の裏面を支
持して、前記被塗布材を回転させる第1の回転駆動手段
と、 表面に前記塗布膜が形成された前記被塗布材の裏面を洗
浄する裏面洗浄器と、 前記裏面洗浄器により洗浄される前記被塗布材の裏面
を、前記回転塗布時よりも内側にて支持して、前記被塗
布材を回転させる第2の回転駆動手段と、 を有することを特徴とする塗布装置。 4.表面に塗布材が供給された被塗布材の裏面を支持し
て前記被塗布材を回転させて、前記表面に塗布膜を形成
する塗布装置において、 前記被塗布材を囲む処理容器を前記被塗布材の回転方向
と同一方向に回転して、前記塗布材により前記被塗布材
表面に塗布膜を形成する第1の回転駆動手段と、 前記塗布膜が形成された前記被塗布材の裏面を、回転塗
布時での支持位置よりも内側の位置にて支持し、前記被
塗布材を回転させる第2の回転駆動手段と、 前記第2の回転駆動手段により回転される前記被塗布材
の裏面を洗浄する裏面洗浄器と、 を有することを特徴とする塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7034497A JP2697810B2 (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 塗布方法及びそれに用いる塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7034497A JP2697810B2 (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 塗布方法及びそれに用いる塗布装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62082465A Division JPH084771B2 (ja) | 1987-04-03 | 1987-04-03 | 塗布装置及びそれを用いた塗布方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34463596A Division JP2697811B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 塗布方法及びそれに用いる塗布装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07195024A JPH07195024A (ja) | 1995-08-01 |
JP2697810B2 true JP2697810B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=12415896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7034497A Expired - Fee Related JP2697810B2 (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 塗布方法及びそれに用いる塗布装置 |
Country Status (1)
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Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5139737A (ja) * | 1974-10-01 | 1976-04-02 | Canon Kk | Hakusotofuyosupinnaa |
JPS5933453A (ja) * | 1982-08-19 | 1984-02-23 | Toshiba Corp | レジスト塗布装置 |
JPS61294819A (ja) * | 1985-06-21 | 1986-12-25 | Nec Corp | 塗布装置 |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP7034497A patent/JP2697810B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH07195024A (ja) | 1995-08-01 |
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