JP2696596B2 - サイアロン焼結体およびその製造方法 - Google Patents

サイアロン焼結体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、自動車エンジン部品またはガスタービン、
熱交換器等の部品等研磨加工をすることが困難な複雑形
状を有する高温構造材料として用いられるサイアロン焼
結体およびその製造方法に関する。
[従来の技術] 窒化珪素焼結体特にサイアロンは高音用セラミックと
して注目され、前記産業分野での利用のため種々の改良
が行なわれている。サイアロンは、一般に焼結後の表面
性状が劣るため、研削研磨等の手段により表面を加工し
て使用に供されているが、この加工によりセラミックス
表面に微少なクラック等の欠陥が導入されるため、強度
劣化を招く問題点があった。特に自動車用またはガスタ
ービン用部品等複雑形状を有する高温構造材料にあって
は、かかる研磨加工を行なうことは不可能である。
従来から窒化珪素質系のセラミックス焼結体の強度を
向上させるための焼結方法や加工方法は種々提案されて
いるが、その例を若干あげれば以下のとおりである。例
えば、(1) 特開昭62−148372号公報には、Si3N4
形体をY2O3ガスにさらしながら焼結させ、材料表面の組
織的不均質層をなくし、強度向上をはかる方法が開示さ
れている。また、(2) 特開昭64−3076号公報にはサ
イアロン成形体をケイ素酸化物の存在下に不活性ガス雰
囲気下で焼結させて、緻密なβ−サイアロンを得る方法
が開示されている。また、(3)特開昭64−52679号公
報にはサイアロン焼結体(研磨面)は800〜1100℃の比
較的低温で熱処理して生ずる表面変質層が覆われている
高強度サイアロンおよびその製造方法が示されている。
また、(4) 特開平2−164773号公報ではSiOを含む
非酸化性雰囲気で1300〜1900℃で加熱処理することによ
り均質なシリケートガラス膜を有する焼結体の製造方法
が開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながらこれらの技術によってもなお複雑形状の
高温用部品を得るためには焼結体の組織に対する検討が
不十分で、満足すべき成果を得られていない。すなわち
サイアロンは焼成時に焼結助剤のイットリウム成分が動
きやすく、その結果、焼結体の表面層(以下焼肌面とい
う)にα−サイアロン相およびメリライト相(本発明で
は正方晶形結晶のSi3N4・Y2O3化合物をメリライトとい
う、以下同じ)の偏析が生じやすい。
焼肌面のα−サイアロン量が多くなると、焼肌面の強
度は著しく低下する、また、このメリライト量が多くな
ると700〜1100℃での中温域では酸化によりメリライト
相がイットリウムシリケートやクリストバライトに変化
するが、この温度域には充分緻密なガラス膜を形成せ
ず、酸化被膜は多孔質となり、この隙間を通じ焼結体の
酸化が進行する。また、これらの化合物に変化する時、
体積変化を伴うために焼肌面近傍にクラックが生じ、焼
肌面を研磨加工により除去することが出来ない複雑形状
部品への適用には問題があった。
[問題を解決するための手段] 本発明は、サイアンロン焼結体の焼肌面の構成に着目
し、α−サイアロン相およびメリライト相が焼肌面に偏
析を一定の範囲としたサイアロン焼結体を提供するもの
であり、またかかるサイアロン焼結体を得るために、焼
肌面を雰囲気を制御しながら熱処理する方法を提供する
ものである。すなわち、請求項1の発明は、イットリウ
ム化合物およびアルミニウム化合物を焼結助剤として得
られた焼結体において、焼肌面のα′率が10%以下で、
メリライト比が0.25以下のサイアロン焼結体であり、請
求項2の発明はかかるサイアロン焼結体を得るために、
焼結体の焼肌面を、不活性ガスの雰囲気下で、SiO2およ
びSi3N4の存在下にて、1650℃〜1750℃の温度範囲にお
いて熱処理する請求項1記載のサイアロン焼結体の製造
方法である。
本発明において、サイアロン焼結体は基本的にはβ−
サイアロンであり、その焼肌面はα−サイアロンおよび
メリライトが析出してくる。
この構成相および熱処理温度の数値限定の理由につい
て述べれば以下のとおりである。
(1)α−サイアロン相の析出量 サイアロン焼結体内部にα−サイアロン層が約5%存
在しているが、焼肌面ではα−サイアロン相(α′相と
云う)の偏析が避けられない。この偏析量が多くなると
焼肌面強度が小さくなる傾向があり、焼肌面のα′相含
有率(α′率)が10%を越えて多いと強度は極端に小さ
くなるので、10%以下が好ましい。
(2)メリライト相の析出量 サイアロン焼結体にβ−サイアロンの粒界の結晶相と
してメリライト相が生成するが、焼肌面におけるメリラ
イト相の偏析量が多くなると耐酸化性に悪影響を及ぼす
ので、メリライト比は0.25以下であることが必要であ
る。
ここで、α′率及びメリライト比は焼肌面のX線回折
パターンのピーク強度より下記の式によって計算して求
めた。
ここにα′は焼肌面α′相ピークの高さ, β′は焼肌面β′相ピークの高さ である。
メリライト比=M(121)/β′の第一ピーク ここにM(121)はメリライトのピークの高さ (3) 熱処理温度 1650℃未満では熱処理前後焼肌面のα′率及びメリラ
イト比の変化が無く、焼肌面強度が向上しない。また、
1750℃を越えた高温ではサイアロンが分解するめ、面が
粗くなり強度の向上が顕著でなくなる。従って熱処理温
度は1650℃〜1750℃が好ましい。
また、熱処理にあたっては、焼結体を不活性ガス雰囲
気で、炉内にSiO2およびSi3N4の存在下で行うことが必
須とされる。そのために、SiO2およびSi3N4粉末を熱処
理炉内に配置する。なお、焼成ケースとしてはSi3N4
ースが好ましく、被処理体をSiO2およびSi3N4の存在下
例えばこれらの粉末に埋没させる方法などが有効であ
る。
焼結助剤については、イットリウム化合物としてはY2
O3が、またアルミニウム化合物にあってはAl2O3,AlNが
代表的なものとして例示される。
[作 用] イットリウム化合物を焼結助剤として添加されたβ−
サイアロン焼結体は、従来の焼成方法で焼成雰囲気を制
御しても焼肌面近傍にイットリウム濃度の高い層が出来
る。
この焼結体を上記の方法で雰囲気を制御しながら熱処
理すると焼肌面のα′率及びメリライト比(Si3N4・Y2O
3化合物比)が著しく減少し、焼肌面強度及び耐酸化性
が向上する。
[実施例] Si3N4粉末(平均粒径0.7μm,α率95%),Y2O3粉末,Al
N粉末,Al2O3粉末をβ−サイアロン(Si6-zAlxOxN8-z
においてZ=0.25になるように混合し、静水圧プレス1.
5トンにより50×50×5mmの角板状試料を得た。この試料
をN2中で1atm−1700℃で4時間予備焼成し、さらにN2
で75atm−2時間焼成した。得られた焼結体を第1図に
示すように3×4×40mmの焼肌面を有する形状に切り出
し試験片とした。
得られた試験片をBN−SiO2−Si3N4混合粉末を塗布し
たSi3N4焼成ケースを用い、N2雰囲気中で1400〜1800℃
の温度範囲において熱処理を行い、JIS−R−1601「フ
ァインセラミックスの曲げ強さ試験方法」(3点曲げス
パン30)に従って強度評価を行なった。
また、耐酸化性の評価は、大気雰囲気中に1000℃−10
00時間の酸化処理後の室温強度の測定により行なった。
熱処理条件を変えるとともにSi3N4焼成ケース使用有
無による実施例、比較例について、α′率、メリライト
比、室温強度を酸化の有無の場合について表示したもの
が第1表である。これによれば、本発明のものは酸化の
有無にかかわりなく優れていることが判る。
[発明の効果] 本発明は上記比較試験からも明らかなとおり本発明の
所定の条件で処理することにより焼肌面のα′率が10%
以下で、メリライト比が0.25以下のものとなるために、
酸化前も酸化後も極めて優れた曲げ強度を有するサイア
ロン焼結体を提供することができるので、切削加工がし
難い複雑形状のものでも焼肌面近傍にクラックの発生し
ない製品を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は焼肌面を有するサイアロン焼結体の試験片の構
造を示す斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−232970(JP,A) 特開 昭59−232971(JP,A) 特開 昭59−232972(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イットリウム化合物およびアルミニウム化
    合物を焼結助剤として得られた焼結体において、α−サ
    イアロン、β−サイアロン、メリライトおよび粒界相よ
    りなり、焼肌面のα−サイアロン率が10%以下で、メリ
    ライト比が0.25以下であることを特徴とするサイアロン
    焼結体。
  2. 【請求項2】焼結体の焼肌面を、不活性ガス雰囲気中
    で、SiO2およびSi3N4の存在下にて、1650℃〜1750℃の
    温度範囲において熱処理することを特徴とする請求項1
    記載のサイアロン焼結体の製造方法。
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