JP3215625B2 - 窒化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents
窒化珪素質焼結体の製造方法Info
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Landscapes
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンロー
タやターボチャージャロータ等の熱機関部品、特に研磨
加工部分と研磨加工が困難であるような焼き肌面とを有
する複雑形状部品などの窒化珪素質焼結体の製造方法に
関するものである。
タやターボチャージャロータ等の熱機関部品、特に研磨
加工部分と研磨加工が困難であるような焼き肌面とを有
する複雑形状部品などの窒化珪素質焼結体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、窒化珪素質焼結体は、金属と
比べて高温で安定であり、耐酸化特性、耐クリープ特性
等に優れているため、例えばタービンロータの様なエン
ジン部品に利用する研究が行われている。
比べて高温で安定であり、耐酸化特性、耐クリープ特性
等に優れているため、例えばタービンロータの様なエン
ジン部品に利用する研究が行われている。
【0003】ところが、窒化珪素質焼結体の焼き肌面、
即ち焼成の際に直接熱を受ける表面は、焼成中における
助剤成分の揮発による欠陥や、生加工時等の加工傷など
によって、その強度が低下するという問題があった。そ
こで、従来では、研磨加工が可能な形状のものに対して
は、研磨加工により対処してきたが、研磨加工時に発生
する傷や研磨加工が困難な3次元形状を持つ構造部品に
関しては、別の対策が必要であった。
即ち焼成の際に直接熱を受ける表面は、焼成中における
助剤成分の揮発による欠陥や、生加工時等の加工傷など
によって、その強度が低下するという問題があった。そ
こで、従来では、研磨加工が可能な形状のものに対して
は、研磨加工により対処してきたが、研磨加工時に発生
する傷や研磨加工が困難な3次元形状を持つ構造部品に
関しては、別の対策が必要であった。
【0004】例えば、前記の様な研磨傷や複雑形状品に
対しては、酸化雰囲気下での熱処理によるヒーリング効
果を得ることで対応する技術が提案されている。つま
り、研磨面の加工傷や焼き肌面の助剤の揮発に起因する
表面の荒れにより低下した焼き肌面強度を回復する手段
として、酸化雰囲気下で例えば600〜1000℃にて
熱処理する技術が提案されている(特開平6−8046
9号公報参照)。
対しては、酸化雰囲気下での熱処理によるヒーリング効
果を得ることで対応する技術が提案されている。つま
り、研磨面の加工傷や焼き肌面の助剤の揮発に起因する
表面の荒れにより低下した焼き肌面強度を回復する手段
として、酸化雰囲気下で例えば600〜1000℃にて
熱処理する技術が提案されている(特開平6−8046
9号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法では、酸
化雰囲気下での熱処理により、確かに研磨傷や助剤の揮
発に起因する欠陥に対するヒーリング効果は得られるも
のの、その低温での熱処理により、助剤成分が結晶化す
る部分と溶融する部分とに分離して、助剤成分が不均一
となり、その結果、焼結体内部における高温強度(内部
高温強度)が低下するという別の問題が生じてしまう。
化雰囲気下での熱処理により、確かに研磨傷や助剤の揮
発に起因する欠陥に対するヒーリング効果は得られるも
のの、その低温での熱処理により、助剤成分が結晶化す
る部分と溶融する部分とに分離して、助剤成分が不均一
となり、その結果、焼結体内部における高温強度(内部
高温強度)が低下するという別の問題が生じてしまう。
【0006】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、窒化珪素質焼結体の傷や欠陥等に対す
るヒーリング効果を維持するとともに、内部高温強度を
高くすることができる窒化珪素質焼結体の製造方法を提
供することを目的とする。
れたものであり、窒化珪素質焼結体の傷や欠陥等に対す
るヒーリング効果を維持するとともに、内部高温強度を
高くすることができる窒化珪素質焼結体の製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明は、焼結用の助剤の成分を含む窒化珪
素質焼結体の製造方法において、焼成により焼結体とし
た後に酸化雰囲気下で熱処理し、更に、前記助剤の液相
生成温度以上前記焼結体の焼成温度以下の温度域にて、
非酸化雰囲気下で再び熱処理することを特徴とする窒化
珪素質焼結体の製造方法を要旨とする。
の請求項1の発明は、焼結用の助剤の成分を含む窒化珪
素質焼結体の製造方法において、焼成により焼結体とし
た後に酸化雰囲気下で熱処理し、更に、前記助剤の液相
生成温度以上前記焼結体の焼成温度以下の温度域にて、
非酸化雰囲気下で再び熱処理することを特徴とする窒化
珪素質焼結体の製造方法を要旨とする。
【0008】・前記助剤としては、例えば希土類酸化物
が挙げられるが、希土類酸化物を含まない窒化珪素質焼
結体も本発明の対象とする範囲である。 ・前記酸化雰囲気下で熱処理する際の条件としては、例
えば、温度1000〜1400℃、加熱時間4〜8時間
を採用できる。
が挙げられるが、希土類酸化物を含まない窒化珪素質焼
結体も本発明の対象とする範囲である。 ・前記酸化雰囲気下で熱処理する際の条件としては、例
えば、温度1000〜1400℃、加熱時間4〜8時間
を採用できる。
【0009】・非酸化雰囲気下で熱処理する際の条件と
しては、前記液相生成温度が、助剤成分により異なるの
で、助剤成分(助剤の種類及び添加量)に応じて熱処理
温度を適宜設定することができるが、液相生成温度より
50℃以上高い範囲が好適であり、例えば温度1500
〜1850℃、加熱時間4〜12時間を好ましく採用で
きる。
しては、前記液相生成温度が、助剤成分により異なるの
で、助剤成分(助剤の種類及び添加量)に応じて熱処理
温度を適宜設定することができるが、液相生成温度より
50℃以上高い範囲が好適であり、例えば温度1500
〜1850℃、加熱時間4〜12時間を好ましく採用で
きる。
【0010】請求項2の発明は、前記助剤として、希土
類酸化物を用いることを特徴とする前記請求項1記載の
窒化珪素質焼結体の製造方法を要旨とする。 ・前記希土類酸化物としては、例えば、Yb2O3、Y2
O3、Er2O3、La2O3、Tm2O3、Sc2O3、Dy2
O3、Ho2O3等を採用でき、希土類酸化物と酸化珪素
との複合化物を用いてもよい。
類酸化物を用いることを特徴とする前記請求項1記載の
窒化珪素質焼結体の製造方法を要旨とする。 ・前記希土類酸化物としては、例えば、Yb2O3、Y2
O3、Er2O3、La2O3、Tm2O3、Sc2O3、Dy2
O3、Ho2O3等を採用でき、希土類酸化物と酸化珪素
との複合化物を用いてもよい。
【0011】・この希土類酸化物の添加量としては、4
〜16重量%の範囲を採用できる。請求項3の発明は、
前記助剤として、前記希土類酸化物以外に、更に、Si
O2、Al化合物、5a族酸化物及び6a族酸化物のう
ち、少なくとも1種を用いることを特徴とする前記請求
項2記載の窒化珪素質焼結体の製造方法を要旨とする。
〜16重量%の範囲を採用できる。請求項3の発明は、
前記助剤として、前記希土類酸化物以外に、更に、Si
O2、Al化合物、5a族酸化物及び6a族酸化物のう
ち、少なくとも1種を用いることを特徴とする前記請求
項2記載の窒化珪素質焼結体の製造方法を要旨とする。
【0012】・前記希土類酸化物以外の助剤としては、
例えば、AlN、Al2O3、V2O5、WO3、SiO2、
Nb2O5、Ta2O5、Cr2O3、MoO2等を採用でき
る。尚、SiO2は、窒化珪素原料中に含まれている場
合には、これを助剤としてもよい。
例えば、AlN、Al2O3、V2O5、WO3、SiO2、
Nb2O5、Ta2O5、Cr2O3、MoO2等を採用でき
る。尚、SiO2は、窒化珪素原料中に含まれている場
合には、これを助剤としてもよい。
【0013】・この希土類酸化物以外の助剤の添加量と
しては、0〜10重量%の範囲を採用できる。よって、
希土類酸化物をも含む助剤の全添加量としては、4〜2
6重量%の範囲を採用できる。請求項4の発明は、前記
非酸化雰囲気として、窒素雰囲気を用いることを特徴と
する前記請求項1〜3のいずれか記載の窒化珪素質焼結
体の製造方法を要旨とする。
しては、0〜10重量%の範囲を採用できる。よって、
希土類酸化物をも含む助剤の全添加量としては、4〜2
6重量%の範囲を採用できる。請求項4の発明は、前記
非酸化雰囲気として、窒素雰囲気を用いることを特徴と
する前記請求項1〜3のいずれか記載の窒化珪素質焼結
体の製造方法を要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上述した問題を解
決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化雰囲気下で熱
処理した窒化珪素質焼結体を、助剤の液相生成温度以上
で且つ焼結体の焼成温度以下の温度域にて、非酸化雰囲
気下で再び熱処理することにより、傷や欠陥に対するヒ
ーリング効果を維持したまま内部高温強度が回復するこ
とを見いだし、本発明を完成した。
決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化雰囲気下で熱
処理した窒化珪素質焼結体を、助剤の液相生成温度以上
で且つ焼結体の焼成温度以下の温度域にて、非酸化雰囲
気下で再び熱処理することにより、傷や欠陥に対するヒ
ーリング効果を維持したまま内部高温強度が回復するこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0015】つまり、請求項1の発明では、まず、窒化
珪素質焼結体を、酸化雰囲気下で(通常比較的低温で)
熱処理することにより、焼結体表面(焼き肌面)の傷や
欠陥等を除去することができる(ヒーリング効果)。そ
の加熱の際には、助剤成分が凝集して内部強度の低下の
原因となるが、次の工程にて、非酸化雰囲気下にて上述
した所定温度で熱処理することにより、助剤成分からな
る液相が生成するので、前記酸化雰囲気下の熱処理の際
に凝集した助剤成分が拡散することになる。これによっ
て、焼結体内部において助剤成分の遍在が低減するので
焼結体の組織の均一化が促進され、よって、内部強度、
特に内部高温強度が回復する。
珪素質焼結体を、酸化雰囲気下で(通常比較的低温で)
熱処理することにより、焼結体表面(焼き肌面)の傷や
欠陥等を除去することができる(ヒーリング効果)。そ
の加熱の際には、助剤成分が凝集して内部強度の低下の
原因となるが、次の工程にて、非酸化雰囲気下にて上述
した所定温度で熱処理することにより、助剤成分からな
る液相が生成するので、前記酸化雰囲気下の熱処理の際
に凝集した助剤成分が拡散することになる。これによっ
て、焼結体内部において助剤成分の遍在が低減するので
焼結体の組織の均一化が促進され、よって、内部強度、
特に内部高温強度が回復する。
【0016】これに対し、液相生成温度を下回る温度で
加熱した場合には、凝集した助剤成分の拡散がないの
で、内部高温強度の回復が見られず、また、焼成温度を
上回る温度で加熱した場合には、窒化珪素の粒成長が起
こるので、窒化珪素質焼結体の特性が低下してしまう。
加熱した場合には、凝集した助剤成分の拡散がないの
で、内部高温強度の回復が見られず、また、焼成温度を
上回る温度で加熱した場合には、窒化珪素の粒成長が起
こるので、窒化珪素質焼結体の特性が低下してしまう。
【0017】また、請求項2の発明では、助剤として、
希土類酸化物を用いている。この希土類酸化物を用いた
場合には、焼結の際に焼結性の向上という作用を発揮す
るが、本発明において、助剤が希土類酸化物である場合
には、液相生成により助剤成分の拡散が進行し易くなる
点で有利である。
希土類酸化物を用いている。この希土類酸化物を用いた
場合には、焼結の際に焼結性の向上という作用を発揮す
るが、本発明において、助剤が希土類酸化物である場合
には、液相生成により助剤成分の拡散が進行し易くなる
点で有利である。
【0018】請求項3の発明では、希土類酸化物以外
に、SiO2、Al化合物、5a族酸化物及び6a族酸
化物を用いることができるが、このうち、SiO2、A
l化合物の作用は、焼結性の向上であり、5a族酸化物
及び6a族酸化物の作用は、焼結性の向上及び耐クリー
プ性の向上である。
に、SiO2、Al化合物、5a族酸化物及び6a族酸
化物を用いることができるが、このうち、SiO2、A
l化合物の作用は、焼結性の向上であり、5a族酸化物
及び6a族酸化物の作用は、焼結性の向上及び耐クリー
プ性の向上である。
【0019】請求項4の発明では、非酸化雰囲気として
窒素雰囲気を採用するので、窒化珪素の分解を抑えると
いう利点がある。尚、窒素以外にも、アルゴン等の雰囲
気を採用できるが、窒化珪素の分解を抑える程度の窒素
分圧の窒素を含ませることが好ましい。
窒素雰囲気を採用するので、窒化珪素の分解を抑えると
いう利点がある。尚、窒素以外にも、アルゴン等の雰囲
気を採用できるが、窒化珪素の分解を抑える程度の窒素
分圧の窒素を含ませることが好ましい。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の窒化珪素質焼結体の製造方
法の実施例について説明する。 (実施例)平均粒径0.75μm、α率95%のSi3
N4粉末に、平均粒径1〜3μmの希土類酸化物(Yb2
03,Y203,Er2O3)、Al化合物(AlN,Al2
08)、5a族元素酸化物(V2O5)、6a族元素酸化
物(WO3)等を、例えば下記表1に示す様な組成で加
えて湿式混合し、スプレードライヤーで乾燥した。得ら
れた粉末を、60mm角×25mm厚に4トンの圧力で
静水圧加圧成形した後に、常圧焼結又は熱間静水圧焼結
による焼結法により、例えば1600〜1850℃の焼
成温度にて焼成して焼結体を得た。尚、この焼結法以外
に、ガス圧焼結、或はこれらを組み合わせた焼結法を採
用できる。
法の実施例について説明する。 (実施例)平均粒径0.75μm、α率95%のSi3
N4粉末に、平均粒径1〜3μmの希土類酸化物(Yb2
03,Y203,Er2O3)、Al化合物(AlN,Al2
08)、5a族元素酸化物(V2O5)、6a族元素酸化
物(WO3)等を、例えば下記表1に示す様な組成で加
えて湿式混合し、スプレードライヤーで乾燥した。得ら
れた粉末を、60mm角×25mm厚に4トンの圧力で
静水圧加圧成形した後に、常圧焼結又は熱間静水圧焼結
による焼結法により、例えば1600〜1850℃の焼
成温度にて焼成して焼結体を得た。尚、この焼結法以外
に、ガス圧焼結、或はこれらを組み合わせた焼結法を採
用できる。
【0021】得られた焼結体に対し、最初に、ヒーリン
グ効果を得るために、酸化雰囲気下で、例えば1100
〜1300℃の比較的低温にて8時間加熱して熱処理を
行ない、その後、内部高温強度を向上させるために、窒
素雰囲気下で、前記酸化雰囲気より高温にて、即ち助剤
の液相生成温度以上且つ焼成温度以下の温度域にて、例
えば(その組成により異なるが)1600〜1800℃
にて4時間加熱して熱処理を行なった。
グ効果を得るために、酸化雰囲気下で、例えば1100
〜1300℃の比較的低温にて8時間加熱して熱処理を
行ない、その後、内部高温強度を向上させるために、窒
素雰囲気下で、前記酸化雰囲気より高温にて、即ち助剤
の液相生成温度以上且つ焼成温度以下の温度域にて、例
えば(その組成により異なるが)1600〜1800℃
にて4時間加熱して熱処理を行なった。
【0022】これにより、ヒーリング効果を有し且つ内
部高温強度が向上した窒化珪素質焼結体を得た。 (実験例)次に、上述した実施例の効果を確認するため
に行った実験例について説明する。
部高温強度が向上した窒化珪素質焼結体を得た。 (実験例)次に、上述した実施例の効果を確認するため
に行った実験例について説明する。
【0023】内部強度試験 表1に示す組成及び焼成温度にて焼成した焼結体を、3
mm×4mm×40mmに加工し、その後表1に示す条
件にて前後2工程の熱処理を行った試験片に対し、JI
SR−1601(常温における4点曲げ試験)、JIS
R−1604(1100℃の高温における4点曲げ試
験)に従って、焼き肌面を除去して、内部強度試験(抗
折試験)を行った。その結果を、内部室温強度及び内部
高温強度として表1に記す。
mm×4mm×40mmに加工し、その後表1に示す条
件にて前後2工程の熱処理を行った試験片に対し、JI
SR−1601(常温における4点曲げ試験)、JIS
R−1604(1100℃の高温における4点曲げ試
験)に従って、焼き肌面を除去して、内部強度試験(抗
折試験)を行った。その結果を、内部室温強度及び内部
高温強度として表1に記す。
【0024】ヒーリング試験 表1に示す組成及び焼成温度にて焼成した焼結体を、3
mm×4mm×40mmに加工して試験片を作製し、そ
の試験片の(抗折試験時の)引っ張り面に、ダイアモン
ド圧子を用いて(荷重;10kgf、速度;15se
c)250μm程度の傷をつけ、その後、同様に表1に
示す条件で熱処理を行ない、常温にて同様に内部強度試
験を行った。その結果を、内部室温強度として表1に記
す。尚、ヒーリング試験は、焼き肌面を除去した表面に
傷をつけたので内部室温強度とした。
mm×4mm×40mmに加工して試験片を作製し、そ
の試験片の(抗折試験時の)引っ張り面に、ダイアモン
ド圧子を用いて(荷重;10kgf、速度;15se
c)250μm程度の傷をつけ、その後、同様に表1に
示す条件で熱処理を行ない、常温にて同様に内部強度試
験を行った。その結果を、内部室温強度として表1に記
す。尚、ヒーリング試験は、焼き肌面を除去した表面に
傷をつけたので内部室温強度とした。
【0025】また、本発明の範囲外のものについても、
同様に焼結体を作製し、内部強度試験及びヒーリング試
験を行った。その結果を、同じく表1に記す。尚、下記
表1においては、助剤及び焼成温度に応じて、4つのグ
ループに分けられている(第1グループ;試料No.1〜
5、第2グループ;試料No.6〜10、第3グループ;
試料No.11〜13、第4グループ;試料No.14〜1
5)。そのうち、試料No.1,6,7,11,14が、
本発明の範囲内の実施例に該当するものであり、試料N
o.2〜5,8〜10,12,13,15,16が、本発
明の範囲外の比較例に該当するものである。また、比較
例の試料No.3,8,12,15は、アニール(熱処
理)を全く行わないもの、試料No.2,9,10,1
3,16は、酸化雰囲気中の熱処理のみのもの、試料N
o.4は、酸素雰囲気中の熱処理の後、窒素雰囲気中での
熱処理温度が液相生成温度を下回るもの、試料No.5
は、窒素雰囲気中での熱処理温度が焼成温度を上回るも
のである。
同様に焼結体を作製し、内部強度試験及びヒーリング試
験を行った。その結果を、同じく表1に記す。尚、下記
表1においては、助剤及び焼成温度に応じて、4つのグ
ループに分けられている(第1グループ;試料No.1〜
5、第2グループ;試料No.6〜10、第3グループ;
試料No.11〜13、第4グループ;試料No.14〜1
5)。そのうち、試料No.1,6,7,11,14が、
本発明の範囲内の実施例に該当するものであり、試料N
o.2〜5,8〜10,12,13,15,16が、本発
明の範囲外の比較例に該当するものである。また、比較
例の試料No.3,8,12,15は、アニール(熱処
理)を全く行わないもの、試料No.2,9,10,1
3,16は、酸化雰囲気中の熱処理のみのもの、試料N
o.4は、酸素雰囲気中の熱処理の後、窒素雰囲気中での
熱処理温度が液相生成温度を下回るもの、試料No.5
は、窒素雰囲気中での熱処理温度が焼成温度を上回るも
のである。
【0026】また、表1の試料のうち、試料No.6〜1
0及び試料No.11〜13が常圧焼結を行ったものであ
り、試料No.1〜5及び試料No.14〜16が熱間静水圧
焼結を行ったものである。
0及び試料No.11〜13が常圧焼結を行ったものであ
り、試料No.1〜5及び試料No.14〜16が熱間静水圧
焼結を行ったものである。
【0027】
【表1】
【0028】この表1から明かな様に、第1グループ
においては、本実施例の試料No.1は、比較例の試料No.
2,4,5と比べて、内部高温強度及びヒーリング効果
ともに優れた特性であった。尚、比較例の試料No.3
は、内部高温強度が実施例より高いが、酸化雰囲気中で
の熱処理が施されていないので、傷や欠陥に関するヒー
リング効果がなく好ましくない。また、比較例の試料N
o.4は、窒素雰囲気中で熱処理を行なうが、その温度が
液相生成温度を下回るので、内部高温強度が低く、比較
例の試料No.5は、窒素雰囲気中で熱処理を行なうが、
その温度が焼成温度を上回るので、粒成長が発生して内
部室温強度が低下してしまう。
においては、本実施例の試料No.1は、比較例の試料No.
2,4,5と比べて、内部高温強度及びヒーリング効果
ともに優れた特性であった。尚、比較例の試料No.3
は、内部高温強度が実施例より高いが、酸化雰囲気中で
の熱処理が施されていないので、傷や欠陥に関するヒー
リング効果がなく好ましくない。また、比較例の試料N
o.4は、窒素雰囲気中で熱処理を行なうが、その温度が
液相生成温度を下回るので、内部高温強度が低く、比較
例の試料No.5は、窒素雰囲気中で熱処理を行なうが、
その温度が焼成温度を上回るので、粒成長が発生して内
部室温強度が低下してしまう。
【0029】第2グループにおいては、本実施例の試
料No.6,7は、比較例の試料No.9,10と比べて、内
部高温強度及びヒーリング効果ともに優れた特性であっ
た。尚、比較例の試料No.8は、内部高温強度が実施例
より高いが、酸化雰囲気中での熱処理が施されていない
ので、ヒーリング効果がなく好ましくない。
料No.6,7は、比較例の試料No.9,10と比べて、内
部高温強度及びヒーリング効果ともに優れた特性であっ
た。尚、比較例の試料No.8は、内部高温強度が実施例
より高いが、酸化雰囲気中での熱処理が施されていない
ので、ヒーリング効果がなく好ましくない。
【0030】第3グループにおいては、本実施例の試
料No.11は、比較例の試料No.13と比べて、内部高温
強度及びヒーリング効果ともに優れた特性であった。
尚、比較例の試料No.12は、内部高温強度が実施例よ
り高いが、酸化雰囲気中での熱処理が施されていないの
で、ヒーリング効果がなく好ましくない。
料No.11は、比較例の試料No.13と比べて、内部高温
強度及びヒーリング効果ともに優れた特性であった。
尚、比較例の試料No.12は、内部高温強度が実施例よ
り高いが、酸化雰囲気中での熱処理が施されていないの
で、ヒーリング効果がなく好ましくない。
【0031】第4グループにおいては、本実施例の試
料No.14は、比較例の試料No.16と比べて、特に内部
高温強度に優れた特性であった。尚、比較例の試料No.
15は、内部高温強度が実施例より高いが、酸化雰囲気
中での熱処理が施されていないので、ヒーリング効果が
なく好ましくない。
料No.14は、比較例の試料No.16と比べて、特に内部
高温強度に優れた特性であった。尚、比較例の試料No.
15は、内部高温強度が実施例より高いが、酸化雰囲気
中での熱処理が施されていないので、ヒーリング効果が
なく好ましくない。
【0032】尚、本発明は前記実施例になんら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明の窒化珪素質
焼結体の製造方法によれば、焼成により焼結体とした後
に酸化雰囲気下で熱処理し、更に、助剤の液相生成温度
以上焼結体の焼成温度以下の温度域にて、非酸化雰囲気
下で再び熱処理するので、窒化珪素質焼結体の傷や欠陥
等に対するヒーリング効果を維持するとともに、内部高
温強度を高くすることができるという顕著な効果を奏す
る。
焼結体の製造方法によれば、焼成により焼結体とした後
に酸化雰囲気下で熱処理し、更に、助剤の液相生成温度
以上焼結体の焼成温度以下の温度域にて、非酸化雰囲気
下で再び熱処理するので、窒化珪素質焼結体の傷や欠陥
等に対するヒーリング効果を維持するとともに、内部高
温強度を高くすることができるという顕著な効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−191582(JP,A) 特開 昭52−30811(JP,A) 特開 平4−292465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/584 - 35/596 C04B 35/64
Claims (4)
- 【請求項1】 焼結用の助剤の成分を含む窒化珪素質焼
結体の製造方法において、 焼成により焼結体とした後に酸化雰囲気下で熱処理し、
更に、前記助剤の液相生成温度以上前記焼結体の焼成温
度以下の温度域にて、非酸化雰囲気下で再び熱処理する
ことを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 前記助剤として、希土類酸化物を用いる
ことを特徴とする前記請求項1記載の窒化珪素質焼結体
の製造方法。 - 【請求項3】 前記助剤として、前記希土類酸化物以外
に、更に、SiO2、Al化合物、5a族酸化物及び6
a族酸化物のうち、少なくとも1種を用いることを特徴
とする前記請求項2記載の窒化珪素質焼結体の製造方
法。 - 【請求項4】 前記非酸化雰囲気として、窒素雰囲気を
用いることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか記
載の窒化珪素質焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11770096A JP3215625B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11770096A JP3215625B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09301771A JPH09301771A (ja) | 1997-11-25 |
JP3215625B2 true JP3215625B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=14718148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11770096A Expired - Fee Related JP3215625B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3215625B2 (ja) |
-
1996
- 1996-05-13 JP JP11770096A patent/JP3215625B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09301771A (ja) | 1997-11-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |