JP2696496B2 - エスクレチン誘導体、その製造方法及び軟骨保護剤 - Google Patents

エスクレチン誘導体、その製造方法及び軟骨保護剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エスクレチン誘導体、
その製造方法、及び前記エスクレチン誘導体を含有する
軟骨保護剤に関する。本発明のエスクレチン誘導体は、
例えば、関節症に罹病した哺乳類に有効に投与すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】関節症には、慢性関節リウマチ、リウマ
チ熱、変形性関節症等がある。中でも慢性関節リウマチ
及び変形性関節症は患者数が多く、主要な関節症として
検討されてきた。変形性関節症は、先天性のものあるい
は二次性のものと、老化による関節軟骨の退行変性によ
る一次性のものがある。一次性の変形性関節症は、近年
老齢者人口の増加につれて増加しており、新しい作用機
作を有する治療剤の開発が望まれている。慢性関節リウ
マチと変形性関節症では、病因、病態に大きな違いがあ
る。しかし何れも最終的には、軟骨破壊により関節機能
が障害される点では共通している。慢性関節リウマチ、
リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、変形性関節症等
のリウマチ性疾患に対する第一選択薬は、アスピリン、
インドメタシン等の鎮痛抗炎症剤である。他に慢性関節
リウマチの場合は、シオゾール等の金製剤、免疫調節
剤、ステロイド剤、D−ペニシラミン等が、また変形性
関節症の場合は、ヒアルロン酸等の高分子多糖類が使用
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の上記鎮痛抗炎症
剤は、関節軟骨の破壊に対しては抑制効果がなく、一部
の鎮痛抗炎症剤は、軟骨細胞を用いた実験において、逆
に、増悪作用を示す。更に、上記慢性関節症及び変形性
関節症の治療薬にも、関節軟骨の破壊抑制作用は臨床的
には見いだされていない。関節軟骨は軟骨細胞と軟骨マ
トリックスから構成されている。軟骨マトリックスは、
軟骨細胞が産生する線維性蛋白質であるタイプIIコラー
ゲンと、蛋白多糖複合体であるプロテオグリカンがヒア
ルロン酸と非共有的に結合し、複雑にからみあうことに
より形成された3次元マトリックス構造であり、その中
には多量の水分が保持されており、これにより正常の関
節機能が維持されている。プロテオグリカンを構成する
主な多糖類はコンドロイチン硫酸とケラタン硫酸からな
るグリコサミノグリカン(以下GAGと記すことがあ
る)である。本発明者らは、既知化合物エスクレチンや
4−メチルエスクレチンが、インターロイキン1等の刺
激によるマトリックス中に於けるGAGの減少を強く抑
制し、軟骨保護剤として有用であることを見出してい
る。本発明者らは、軟骨保護作用のある新規化合物を開
発すべく鋭意研究した結果、エスクレチン又は4−アル
キルエスクレチンに軟骨マトリックス成分と類似の単糖
類を結合させることにより、軟骨マトリックスへの取り
込み、すなわち、マトリックスへの親和性の向上した新
規エスクレチン誘導体を見出すに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、式
(I)
【化9】 〔式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、単
糖類残基、保護された単糖類残基、又は水素化分解によ
り除去することのできる水酸基保護基であって、R
びRの少なくとも一方は単糖類残基又は保護された単
糖類残基であり、Rは水素原子、水酸基、アルキル
基、アリール基、又はアラルキル基であるが、但し、R
が水素原子であって、(1)RとRがともにグル
コース残基であること、(2)Rが水素原子又は前記
水酸基保護基としてのベンジル基であり、Rがグルコ
ース残基、アセチル化されたグルコース残基、又はアセ
タール化されたグルコース残基であること、又は(3)
がグルコース残基であり、Rが水素原子であるこ
とはないものとする〕で表されるエスクレチン誘導体又
はその塩(以下、本物質と称することがある)に関す
る。
【0005】更に、本発明は、式(XVI)
【化10】 (式中、R16及びR17はそれぞれ独立に、水素原
子、保護された単糖類残基、又は水素化分解により除去
することのできる水酸基保護基であって、R16及びR
17の少なくとも一方は水素原子であり、Rは水素原
子、水酸基、アルキル基、アリール基、又はアラルキル
基である)で表される化合物と、式(IV)
【化11】 (式中、Rは保護された単糖類残基であり、Xはハロ
ゲン原子である)で表される化合物とを反応させること
を特徴とする、式(XV)
【化12】 (式中、R14及びR15はそれぞれ独立に、保護され
た単糖類残基又は水素化分解により除去することのでき
水酸基保護基であって、R14及びR15の少なくと
も一方は保護された単糖類残基であるものとし、R
前記と同じ意味である)で表される化合物の製造方法に
関する。
【0006】また、式(XIV)
【化13】 (式中、R12及びR13の一方は単糖類残基、又は保
護された単糖類残基であり、他方は水素化分解により除
去することのできる水酸基保護基であり、Rは水素原
子、水酸基、アルキル基、アリール基、又はアラルキル
基である)で表される化合物を水素化分解することを特
徴とする、式(XIII)
【化14】 (式中、R10及びR11の一方は単糖類残基、又は保
護された単糖類残基であり、他方は水素原子であり、R
は前記の意味である)で表される化合物の製造方法に
関する。
【0007】更に、式(XII)
【化15】 (式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、保
護された単糖類残基、又は水素化分解により除去するこ
とのできる水酸基保護基であって、R及びRの少な
くとも一方は保護された単糖類残基であり、Rは水素
原子、水酸基、アルキル基、アリール基、又はアラルキ
ル基である)で表される化合物の保護された単糖類残基
を脱保護化することを特徴とする、式(XI)
【化16】 (式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、単
糖類残基、又は水素化分解により除去することのできる
水酸基保護基であって、R及びRの少なくとも一方
は単糖類残基であり、Rは前記の意味である)で表さ
れる化合物の製造方法に関する。
【0008】本明細書において単糖類残基とは、単糖類
化合物の1位の水酸基を除いた残基である。これらの単
糖類化合物は、(CH2 O)n〔nは3以上の整数〕で
表される化合物だけでなく、それらの誘導体であるデオ
キシ糖、アミノ糖、糖酸、糖アルコール等を含み、更に
硫酸エステル、燐酸エステル等のエステル類、及び該エ
ステル類の塩類、メチルエーテル等のエーテル類、アミ
ノ糖、糖酸の塩類等を含む。単糖類の具体例としては、
例えば、水野 卓・西沢一俊共著「図解糖質化学便覧」
共立出版株式会社(1971)に記載されている化合物
を挙げることができる。
【0009】好ましい単糖類は、ペントース及びヘキソ
ースである。ペントースで好ましい例は、アラビノー
ス、キシロース、リボース、及びデオキシリボースであ
る。ヘキソースで好ましい例は、マンノース、アロー
ス、アルトロース、タロース、グルコース、ガラクトー
ス、イドース、グロース、フルクトース、ラムノース、
フコース、グルコサミン、N−アシルグルコサミン、ガ
ラクトサミン、N−アシルガラクトサミン、N−アシル
ムラミン酸、グルクロン酸、グロン酸、イズロン酸、ア
スコルビン酸、マンニット、及びソルビット等である。
これらの単糖類の可能な硫酸エステル、燐酸エステル、
並びに塩類も含まれる。より好ましい単糖類は、マンノ
ース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ラム
ノース、フコース、グルコサミン、N−アシルグルコサ
ミン、ガラクトサミン、N−アシルガラクトサミン、及
びグルクロン酸である。これらの単糖類の可能な硫酸エ
ステル、燐酸エステル、並びに塩類も含まれる。N−ア
シル糖のアシル基は、好ましくは炭素数2〜20の脂肪
族アシル基、より好ましくは炭素数2〜5のアルカノイ
ル基、更により好ましくはアセチル基である。
【0010】本明細書において保護された単糖類残基と
は、上記単糖類残基の水酸基少なくとも1個が保護され
ている基である。保護基としては、糖類の水酸基の保護
基として通常用いられている任意の保護基を挙げること
ができるが、例えば、アシル化、アセタール化、硫酸エ
ステル化もしくはリン酸エステル化により生ずる保護
基、好ましくはアシル基を挙げることができる。水酸基
の保護基としてのアシル基は、好ましくは炭素数2〜2
0の脂肪族アシル基、より好ましくは炭素数2〜10の
アルカノイル基、更により好ましくはアセチル基又はピ
バロイル基である。保護された単糖類残基の好ましい例
は、上記ペントース又はヘキソース残基の1個〜全部の
水酸基が前記アシル基で保護されている残基であり、単
糖類残基の全水酸基がアセチル基で保護されたもの、又
は1個の水酸基がピバロイル基で保護されたものが特に
好ましい。
【0011】更に、保護された単糖類残基の例として
は、上記単糖類残基(特に上記ペントース又はヘキソー
ス残基)の2又は4個の水酸基がアルデヒドR18CHO
〔R18は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、フ
ェニル基、又は置換フェニルであり、置換フェニルの置
換基(1〜5個)は水酸基、炭素数1〜6個のアルコキ
シ基、及び/又は炭素数1〜6個のアルキル基である〕
により環状アセタール化されたものである。単糖類残基
(特に上記ペントース又はヘキソース残基)の4位と6
位の水酸基が、ホルマリン、ベンズアルデヒド、又はメ
トキシベンズアルデヒドにより6員環状にアセタール化
されたものが特に好ましい。具体的には、R18が水素原
子の場合にはメチリデン基、R18が炭素数1〜6個のア
ルキル基の場合にはアルキル置換メチリデン基、R18
フェニル基の場合にはベンジリデン基、R18が置換フェ
ニルの場合には置換ベンジリデン基で保護された構造に
なる。このように、単糖類残基(特に上記ペントース又
はヘキソース残基)の水酸基をアシル基、メチリデン
基、又はベンジリデン基で保護すると、本発明によるエ
スクレチン誘導体の脂溶性が増大し、腸管からの吸収性
が向上する。
【0012】更に、保護された単糖類残基の例として
は、上記単糖類残基(特に上記ペントース又はヘキソー
ス残基)の1個〜全部の水酸基が硫酸エステル化又は燐
酸エステル化された残基を挙げることができる。これら
エステルのアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウ
ム、又はカリウム)塩又はアンモニウム塩も含まれる。
このように、単糖類残基(特に上記ペントース又はヘキ
ソース残基)の水酸基を硫酸エステル又は燐酸エステル
で保護すると、本発明によるエスクレチン誘導体の水溶
性が増大し、血中濃度を増大させることができる。
【0013】本発明のエスクレチン誘導体に含まれる単
糖類残基及び保護された単糖類残基は、D−体又はL−
体のいずれでもよく、また、ピラノース型又はフラノー
ス型のいずれでもよい。本発明のエスクレチン誘導体に
おいて、エスクレチン又は4−置換エスクレチン部分と
単糖類残基又は保護された単糖類残基との結合はグリコ
シド結合である。グリコシドの1位の立体配置は、α−
アノマー又はβ−アノマーのいずれでもよい。
【0014】上記式(I)におけるR1 又はR2 の水酸
基保護基は、水素化分解により除去することのできる基
であれば特に限定されず、例えばベンジルオキシカルボ
ニル基又は好ましくはベンジル基である。
【0015】上記式(I)におけるR3 のアルキル基
は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは炭素
数1〜4個の低級アルキル基、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、s−ブチル基又はt−ブチル基であ
り、メチル基又はエチル基が特に好ましい。上記式
(I)におけるR3 のアリール基は、好ましくは炭素数
6〜12個のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチ
ル基、又はビフェニル基であり、これらのアリール基
は、1個又は2個以上の置換基、例えば、炭素数1〜4
個の低級アルキル基、ハロゲン原子、及び/又は水酸基
で置換されていることができる。更に、上記式(I)に
おけるR3 のアラルキル基は、好ましくは炭素数6〜1
2個のアリール基で置換された炭素数1〜4個の低級ア
ルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェニルエチル
基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であ
る。前記アラルキル基のアリール部分も1個又は2個以
上の置換基、例えば、炭素数1〜4個の低級アルキル
基、ハロゲン原子、及び/又は水酸基で置換されている
ことができる。
【0016】本発明のエスクレチン誘導体において、4
位置換基R3 が水素原子の場合には、エスクレチン誘導
体はエスクレチン配糖体(すなわち、エスクレチングリ
コシド)である。R3 がアルキル基、アリール基、又は
アラルキル基の場合には、エスクレチン誘導体は4−ア
ルキルエスクレチン配糖体(すなわち、4−アルキルエ
スクレチングリコシド)、4−アリールエスクレチン配
糖体、又は4−アラルキルエスクレチン配糖体である。
【0017】本発明のエスクレチン誘導体において、R
1 又はR2 の少なくとも一方は、単糖類残基又は保護さ
れた単糖類残基であることが必要である。すなわち、い
ずれか一方のみが単糖類残基又は保護された単糖類残基
である場合(モノグリコシド)と両方が単糖類残基又は
保護された単糖類残基である場合(ジグリコシド)とが
ある。
【0018】本発明のエスクレチン誘導体の塩は、6又
は7位の水酸基、糖の硫酸エステル又はリン酸エステ
ル、ウロン酸等の糖酸のカルボキシル基、アミノ糖のア
ミノ基に形成される。また、製剤学的に許容することの
できる塩としては、例えば、無機酸もしくは有機酸との
塩や無機塩基もしくは有機塩基との塩が含まれる。酸付
加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、メタンスルホ
ン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩、更には、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸又はフマル酸など
のジカルボン酸、更に、酢酸、プロピオン酸又は酪酸等
のモノカルボン酸塩等を挙げることができる。また、本
物質の塩の形成に適した無機塩基は、例えば、アンモニ
ア、カリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、マ
グネシウム、アルミニウム等の水酸化物、炭酸塩及び重
炭酸塩等である。有機塩基との塩としては、例えば、メ
チルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンのよう
なモノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミン塩、モノ
−、ジ−、及びトリ−ヒドロキシアルキルアミン塩、グ
アニジン塩、N−メチルグルコサミン塩、アミノ酸塩等
を挙げることができる。
【0019】なお、エスクリン、エスクリングルコシ
ド、シコリイン、エスクリン−2’,3’,4’,6’
−テトラアセテート、7−ベンジルオキシ−6−(β−
D−グルコピラノシルオキシ)クマリン、及びそのテト
ラアセテート、及び6−〔4,6−O−〔(3,4−ジ
ヒドロキシフェニル)−メチレン〕−β−D−グルコピ
ラノシルオキシ〕−7−ヒドロキシクマリンは既知化合
物であるから、本発明のエスクレチン誘導体から除外さ
れる。すなわち、上記式(I)において、Rが水素原
子であって、(1)RとRがともにグルコース残基
である場合、(2)Rが水素原子又は水素化分解によ
り除去することのできる水酸基保護基としてのベンジル
基であり、Rがグルコース残基、アセチル化されたグ
ルコース残基、又はアセタール化されたグルコース残基
である場合、及び(3)Rがグルコース残基であり、
が水素原子である場合は、本発明のエスクレチン誘
導体から除外される。なお、前記(1)〜(3)の場合
のエスクレチン誘導体が、軟骨保護作用を有することは
従来知られていなかった。
【0020】本発明のエスクレチン誘導体は、以下に示
すような製造方法によって調製することができる。その
製造方法の代表例を、モノグリコシドとジグリコシドの
場合に分けて以下に説明する。 (A)モノグリコシドの製造 エスクレチン−6−グリコシド化合物又は4−置換エス
クレチン−6−グリコシド化合物を製造する場合の基本
的な反応工程式(I)は次の通りである。
【化17】
【0021】上記反応工程式(I)の(1)〜(10)
を、以下に工程1〜10として説明する。なお、上記反
応工程式(I)は、各化合物の6位と7位の置換基をそ
れぞれ入れ換えれば、エスクレチン−7−グリコシド化
合物又は4−置換エスクレチン−7−グリコシド化合物
を製造する場合の基本的な反応工程式となる。以下、上
記反応工程式(I)はエスクレチン−7−グリコシド化
合物又は4−置換エスクレチン−7−グリコシド化合物
を製造する場合を含むものとして説明する。この反応工
程式(I)においては、先ず7位(又は6位)の水酸基
を保護した化合物(III)を合成する。化合物(III)は、
3 が水素原子の場合は、エスクレチンの6位水酸基に
グルコースが結合したエスクリン(すなわち、7−ヒド
ロキシ−6−グルコシルオキシクマリン)(VIII)又は
エスクレチンの7位水酸基にグルコースが結合したシコ
リイン(すなわち、6−ヒドロキシ−7−グルコシルオ
キシクマリン)を原料にして、先ず水酸基を保護基で保
護し(工程1)、次いで加水分解(工程2)を行うこと
により得ることができる。エスクリン及びシコリインは
天然物であり、試薬として入手可能である。更に、エス
クレチンを原料として、以下に記載する工程1と同様の
反応工程により水酸基2個のうち1個を保護基で保護し
たエスクレチン(III)を合成することもできる。
【0022】R3 がアルキル基の場合には、例えば4−
メチルエスクレチン、4−エチルエスクレチン、4−n
−プロピルエスクレチン、4−i−プロピルエスクレチ
ン、4−n−ブチルエスクレチン、4−i−ブチルエス
クレチン、4−t−ブチルエスクレチン等の4−置換エ
スクレチンを原料として、水酸基2個のうち1個を保護
基で保護した4−置換エスクレチン(III)を合成する。
3 が、アリール基又はアラルキル基の場合も同様にし
て、4−アリールエスクレチン又は4−アラルキルエス
クレチン(III)を合成する。
【0023】4−アルキルエスクレチンのうち、4−メ
チルエスクレチンは、試薬として、例えば、東京化成工
業株式会社から入手することができる。更に、4−置換
エスクレチンは、一般的に式(IX)
【化18】 (式中、R3 はアルキル基、水酸基、アリール基、又は
アラルキル基)で表される化合物と無水酢酸と酢酸ナト
リウムとを反応させるKostanecki−Robi
nson反応(T.C.Chadha,H.S.Mah
al,J.Chem.Soc.,1933,p.145
9参照)により合成することができる。前記式(IX)中
でR3 が水素原子の化合物を用いると、同様の反応によ
りエスクレチンを合成することができる。
【0024】こうして得る4−置換エスクレチンを原料
として、以下に記載する工程1と同様の反応工程により
水酸基2個のうち1個を保護基で保護した4−置換エス
クレチン(III)を合成する。例えば、アルコール溶媒
中、炭酸カリウム等の塩基触媒存在下に塩化ベンジルと
反応させることにより6位又は7位の水酸基をベンジル
基で保護した4−置換エスクレチンを容易に得ることが
できる。保護されたエスクレチンの場合も同様である。
【0025】(1)工程1 本工程〔反応工程式(I)の(1)〕は、エスクリン
(VIII)(式中、Gluはグルコース残基を表す)の7
位の水酸基に保護基を導入して化合物(VII)を得る反応
工程である。シコリインを原料にすれば、6位と7位の
置換基が逆の化合物を得ることができる。この反応工程
においては、水酸基の保護基Zとハロゲン原子Xからな
る化合物ZX(例えば塩化ベンジル又は塩化ベンジルオ
キシカルボニル)と化合物(VIII)、例えば、エスクリ
ン又はシコリインとを有機溶媒中で塩基の存在下に、4
〜80℃で、0.5〜48時間反応させて化合物(VII)
を得る。この反応は、キレート剤、例えば、18−クラ
ウン−6−エーテルとヨウ化カリウムの存在下に行うこ
とが好ましい。保護基Zとしては、水素化分解により除
去することのできる基を用いる。例えばベンジル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基等である。有機溶媒の例はジ
メチルホルムアミド、メタノール、エタノール等であ
り、塩基の例は炭酸ナトリウムや炭酸カリウムである。
【0026】(2)工程2 本工程〔反応工程式(I)の(2)〕は、7位水酸基を
保護したエスクリン化合物(VII)を加水分解して、7位
水酸基を保護したエスクレチン化合物(III)を得る反応
工程である。同様に、6位水酸基を保護したシコリイン
化合物を加水分解して6位水酸基を保護したエスクレチ
ン化合物を得ることができる。ハロゲン化水素酸等の酸
水溶液とアルコール等の有機溶媒の混合液と7位水酸基
を保護したエスクリン化合物(VII)又は6位水酸基を保
護したシコリイン化合物とを、40〜120℃、好まし
くは加熱還流下に、0.5〜10時間反応させて、化合
物(III)を得る。
【0027】(3)工程3 本工程〔反応工程式(I)の(3)〕は、単糖類の水酸
基の保護(例えばアシル化)反応工程である。例えば、
単糖類R4 OH(VI)(式中、R4 は単糖類残基を表
す)と酸無水物A2 O(式中、Aはアシル基を表す)も
しくはハロゲン化アシルAX(式中、Aはアシル基であ
り、Xはハロゲン原子を表す)とをピリジン、水酸化ナ
トリウム等の塩基の存在下に、必要なら適当な溶媒例え
ばクロロホルム、メタノール、水等を用いて、反応させ
ることによりアシル化された単糖類R5 OA(V)(式
中、R5 はアシル化された単糖類残基を表し、Aは前記
と同じ意味である)を得る。反応温度は通常、−20℃
〜+50℃、好ましくは室温である。反応時間は通常、
1時間〜2日間である。
【0028】(4)工程4 本工程〔反応工程式(I)の(4)〕は、アシル化され
た単糖類の1位のアシルオキシ基をハロゲン原子に置換
する反応工程である。例えば、ハロゲン化水素ガスHX
(式中、Xはハロゲン原子を表す)を無水酢酸等のカル
ボン酸無水物A2 O(式中Aはアシル基を表す)に溶解
させて、アシル化された単糖類R5 OA(V)と反応さ
せることにより1位のアシルオキシ基をハロゲン原子で
置換したアシル化された単糖類R5 X(IV)を得る。反
応温度は通常、−20℃〜+50℃、好ましくは室温で
ある。反応時間は通常、0.1時間〜10日間である。
【0029】(5)工程5 本工程〔反応工程式(I)の(5)〕は、単糖類R4
H(VI)から一段階反応で化合物R5 X(IV)を得る反
応工程である。例えば、ハロゲン化アシル(AX)と単
糖類(VI)とを反応させて化合物(IV)を得る。反応温
度は通常、4℃〜80℃である。反応時間は通常、0.
5時間〜2日間である。なお、以上の工程1、3、4、
及び5におけるXは同一のハロゲン原子である必要はな
い。
【0030】(6)工程6 本工程〔反応工程式(I)の(6)〕は、7位(又は6
位)の水酸基を保護したエスクレチン化合物(III)にお
いて、6位(又は7位)の保護されていない水酸基に、
保護された(例えば、アシル化された)単糖類残基を導
入する反応工程である。例えば、苛性アルカリ水溶液−
アセトン溶液等のアルカリ水溶液を含む有機溶媒中で化
合物(III)と単糖類誘導体(IV)とを、4〜80℃で、
反応させて化合物(IIa)を得る。又は、クロロホルム、
アセトニトリル等の有機溶媒に化合物(III)と単糖類誘
導体(IV)とを溶解し、この溶液に、苛性アルカリ水溶
液に溶解した有機基を有するハロゲン化アンモニウム塩
(相間移動触媒)又は、トリエチルアミン等(塩基触
媒)を、4〜50℃で、滴下した後、4〜80℃で、
0.5時間〜10日間反応させて化合物(IIa)を得る。
この際の、苛性アルカリ水溶液の例は、水酸化ナトリウ
ム水溶液であり、有機基を有するハロゲン化アンモニウ
ム塩の例は、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムであ
る。なお、相間移動触媒とは、水層と有機層を自由に移
動できる試薬のことであり、例えば、塩化ベンジルトリ
エチルアンモニウムがそれにあたる。
【0031】(7)工程7 本工程〔反応工程式(I)の(7)〕は、保護(例え
ば、アシル化)された単糖類残基及び水素化分解により
除去することのできる水酸基保護基を有する化合物(I
Ia)を水素化分解して、保護(例えば、アシル化)さ
れた単糖類残基を有するエスクレチン誘導体(Ia)を
得る反応工程である。本反応はパラジウム系又は白金系
触媒存在下に、4〜80℃で、0.5〜48時間、水素
ガスと反応させて行う。パラジウム系触媒は、パラジウ
ム−硫酸バリウム、パラジウム−炭素等を用いるのが好
ましい。
【0032】(8)工程8 本工程〔反応工程式(I)の(8)〕は、保護(例え
ば、アシル化)された単糖類残基及び水素化分解により
除去することのできる水酸基保護基を有する化合物(I
Ia)〔式中、Rは保護(例えば、アシル化)された
単糖類残基を表す〕を脱保護(例えば、脱アシル化)し
て、単糖類残基及び水素化分解により除去することので
きる水酸基保護基を有する化合物(IIb)(式中、R
は単糖類残基を表す)を得る反応工程である。例え
ば、本反応は、化合物(IIa)をメタノール等の有機
溶媒に溶解し、不活性ガス(例えば、窒素ガス又はアル
ゴンガス)気流中、メタノール等のアルコールに溶解し
たカリム又はナトリウム等のアルカリ金属を反応させ
て行われる。反応温度は通常、4〜70℃、反応時間は
通常、0.1〜72時間である。
【0033】(9)工程9 本工程〔反応工程式(I)の(9)〕は、単糖類残基及
水素化分解により除去することのできる水酸基保護基
を有する化合物(IIb)を水素化分解して、単糖類残
基を有するエスクレチン誘導体(Ib)を得る反応であ
る。本反応はパラジウム系又は白金系触媒存在下に、4
〜70℃で、0.1〜48時間、水素ガスと反応させて
行う。パラジウム系触媒は、パラジウム−硫酸バリウ
ム、パラジウム−炭素等を用いるのが好ましい。
【0034】化合物(IIb)の単糖類残基を別の単糖類残
基に変換するか又は単糖類残基の水酸基を保護してか
ら、行程9を実施すると、別の単糖類残基又は保護され
た単糖類残基を有する化合物(Ib)を得ることができ
る。例えば、単糖類残基が−CH2 OHを有する場合、
この基を酸化して−COOHとすることにより−COO
Hを有する単糖類残基を持つ化合物を得ることができ
る。例えばグルコース残基を酸化してグルクロン酸残基
とすることができる。単糖類残基の水酸基を保護する反
応としては、アシル化やアセタール化等がある。アシル
化は基本的には工程3と同様にして行うことができる。
アセタール化の例をあげると、6−(β−2−アセトア
ミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−
7−ベンジルオキシクマリン〔IIb-2〕とアルデヒドR
18CHO(R18は前記と同様の意味である)との反応
で、単糖類残基の4位と6位の水酸基が6員環状にアセ
タール化された次式の化合物が得られる。
【化19】
【0035】(10)工程10 本工程〔反応工程式(I)の(10)〕は、保護(例え
ば、アシル化)された単糖類残基を有するエスクレチン
誘導体(Ia)を脱保護(例えば、脱アシル化)して、単
糖類残基を有するエスクレチン誘導体(Ib) を得る反応
工程である。本反応は基本的に前記の工程8と同様にし
て実施することができる。
【0036】ここで本発明の新規化合物を得る際の重要
な工程の1つである前記工程6について以下に反応例を
示す。例1:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリン
〔III-1〕と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
1−ブロモ−α−D−ガラクトース〔IV-1〕から、6−
(β−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−ガ
ラクトシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン〔II
a-1〕の合成
【化20】
【0037】例2:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキ
シクマリン〔III-1〕と2−アセトアミド−3,4,6
−トリ−O−アセチル−1−クロロ−2−デオキシ−α
−D−グルコピラノース〔IV-2〕から、6−(β−2−
アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−
デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−ベンジ
ルオキシクマリン〔IIa-2〕の合成
【化21】
【0038】例3:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキ
シクマリン〔III-1〕と2−アセトアミド−3,4,6
−トリ−O−アセチル−1−クロロ−2−デオキシ−α
−D−ガラクトース〔IV-3〕から、6−(β−2−アセ
トアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオ
キシ−D−ガラクトシルオキシ)−7−ベンジルオキシ
クマリン〔IIa-3〕の合成
【化22】
【0039】なお単糖類残基がN−アシルアミノ糖残基
である場合、更に脱アシル化反応を行うことによりアシ
ル基を含まないアミノ糖残基が結合したエスクレチン誘
導体を得ることができる。この反応は、単糖類残基がN
−アシルアミノ糖残基であるエスクレチン誘導体とヒド
ラジン溶液、アルコ−ル性カリウムあるいはアルカリ水
溶液、好ましくは0.1〜12N−NaOHと、40〜
120℃で、1〜48時間反応させて行われる。こうし
て例えば、次のように、6−(β−2−アセトアミド−
2−デオキシ−D−グルコシルオキシ)−7−ヒドロキ
シクマリン〔Ib-2〕から6−(β−2−アミノ−2−デ
オキシ−D−グルコシルオキシ)−7−ヒドロキシクマ
リン〔Ib-2' 〕を得ることができる。
【化23】
【0040】また、同様に6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−D−ガラクトシルオキシ)−7−ヒド
ロキシクマリン〔Ib-3〕から6−(β−2−アミノ−2
−デオキシ−D−ガラクトシルオキシ)−7−ヒドロキ
シクマリン〔Ib-3' 〕を得ることができる。
【化24】
【0041】この脱アシル化反応は、7位の水酸基を保
護した化合物(IIb)に対して実施するのが好ましい。そ
の後で基本的に工程9と同様の条件で水素化分解するこ
とによりアシル基を含まないアミノ糖残基が結合したエ
スクレチン誘導体を得ることができる。例えば、後記の
実施例19及び20を参照されたい。軟骨マトリックス
成分は陰性荷電に富んでいることが知られており、軟骨
組織への親和性、集積性を考えるとアシル基を含まない
アミノ糖残基を有するエスクレチン誘導体の無機酸ある
いは有機酸の塩は、陽性荷電を有する化合物の一つとし
て有用である。
【0042】(B)ジグリコシドの製造 (B−1)エスクレチン又は4−置換エスクレチンを出
発原料とする方法反応工程式(II)を以下に示す。
【化25】
【0043】上記反応工程式(II)の(11)と(1
2)は、以下に説明する工程11と工程12に対応して
いる。 (11)工程11 本工程〔反応工程式(II)の(11)〕は、エスクレチ
ン又は4−置換エスクレチン(X)の6位及び7位の2
つの水酸基に保護(例えば、アシル化)された単糖類残
基を導入して、同種の単糖類残基2個を有する本発明の
エスクレチン誘導体(Ia)を得る反応工程である。例え
ば、クロロホルム等の有機溶媒に化合物(X)と単糖類
誘導体(IV)を溶解しておき、これに苛性アルカリ水溶
液に溶解した有機基を有するハロゲン化アンモニウムを
滴下した後、4〜120℃で、1〜72時間反応させて
化合物(Ia)を得る。単糖類誘導体は化合物(X)の2
倍モル量以上用いる。この際の苛性アルカリ水溶液の例
は、水酸化ナトリウム水溶液であり、有機基を有するハ
ロゲン化アンモニウムの例は、塩化ベンジルトリエチル
アンモニウムである。
【0044】(12)工程12 本工程〔反応工程式(II)の(12)〕は、保護(例え
ば、アシル化)された同種の単糖類残基2個を有する本
発明のエスクレチン誘導体(Ia)を脱保護(例えば、脱
アシル化)して、同種の単糖類残基2個を有する本発明
のエスクレチン誘導体(Ib)を得る反応工程である。本
反応は、化合物(Ia)をメタノール等の有機溶媒に溶解
し、不活性ガス気流中、メタノール等のアルコールに溶
解したカリウム又はナトリウム等のアルカリ金属を反応
させて行われる。反応温度は通常、4〜70℃、反応時
間は通常、0.1〜72時間である。
【0045】(B−2)モノグリコシド誘導体を出発原
料とする方法 反応工程式(III)を以下に示す。
【化26】
【0046】上記反応工程式(III)の(13)と(1
4)は、以下に説明する工程13と工程14に対応す
る。上記反応工程式(III)では、工程13において7位
の水酸基に保護(例えば、アシル化)された単糖類を導
入する場合を示したが、6位と7位の置換基を入れ換え
た反応工程も本発明の反応工程である。 (13)工程13 本工程〔反応工程式(III)の(13)〕は、保護(例え
ば、アシル化)された単糖類残基1個を有する本発明の
エスクレチン誘導体(Ia)の水酸基に同種又は異種の保
護(例えば、アシル化)された単糖類残基を導入する反
応である。これにより同種あるいは異種の保護(例え
ば、アシル化)された単糖類残基2個を有する本発明の
エスクレチン誘導体(Ia)を得ることができる。反応試
薬や反応条件は基本的に工程6と同様である。但し、相
間移動触媒のかわりにトリエチルアミン等の塩基触媒を
用いるのが好ましい。
【0047】(14)工程14 本工程〔反応工程式(III)の(14)〕は、同種又は異
種の保護(例えば、アシル化)された単糖類残基2個を
有する本発明のエスクレチン誘導体(Ia)を脱保護(例
えば、脱アシル化)して、同種の単糖類残基2個を有す
る本発明のエスクレチン誘導体(Ib)を得る反応工程で
ある。反応試薬や反応条件は基本的に工程12と同様で
ある。
【0048】ここで本発明の新規化合物を得る重要な工
程の1つである工程11と工程13について以下に反応
例を示す。例4:エスクレチン〔X-1〕と2,3,4,6−テトラ
−O−アセチル−1−ブロモ−α−D−ガラクトース
〔IV-1〕から、6,7−ビス(β−2,3,4,6−テ
トラ−O−アセチル−D−ガラクトシルオキシ)クマリ
ン〔Ia-4〕の合成
【化27】
【0049】例5:6−(β−2−アセトアミド−3,
4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−D−グル
コピラノシルオキシ)−7−ヒドロキシクマリン〔Ia-
2〕と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ブ
ロモ−α−D−ガラクトース〔IV-1〕から、7−(β−
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−ガラクト
シルオキシ)−6−(β−2−アセトアミド−3,4,
6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコピ
ラノシルオキシ)クマリン〔Ia-5〕の合成
【化28】
【0050】本発明による遊離のエスクレチン誘導体を
それ自体公知の方法で塩に変え、また或る塩を別の塩に
変えることができ、更に、本発明によるエスクレチン誘
導体の塩を遊離のエスクレチン誘導体に変えることがで
きる。例えば、6位又は7位が水酸基(フェノール性水
酸基)であるエスクレチン誘導体、更には遊離カルボン
酸を含むN−アセチルグルコサミンやウロン酸を結合し
ているエスクレチン誘導体の場合には、塩を形成させる
ことができる。すなわち、それらのエスクレチン誘導体
と等モルの水酸化アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム
又は水酸化カリウム)を作用させると、フェノール性水
酸基又は遊離カルボン酸基をアルカリ塩に変換させるこ
とができる。またそれらの塩の水溶液を、塩酸又は硫酸
で酸性にすると遊離化合物にもどすことができる。遊離
アミノ基を有する化合物に対しては、有機酸(リンゴ
酸、クエン酸、酢酸)等を等量作用させることにより対
応する塩を形成させることができる。無機酸、例えば塩
酸又は硫酸を作用させると塩酸塩又は硫酸塩に導くこと
ができる。この塩にアルカリを作用させると再び遊離塩
基に導くことが可能である。塩は水に可溶であるが遊離
体は難溶であるので析出させて単離することが可能であ
る。
【0051】反応生成物の精製法としては、抽出、クロ
マトグラフィー、結晶化、再沈澱等を利用することがで
きる。精製物の構造は、赤外線吸収スペクトル、紫外線
吸収スペクトル、核磁気共鳴吸収スペクトル、元素分
析、質量スペクトル等により確認することができる。
【0052】本発明のエスクレチン誘導体について毒性
を調べた。前記誘導体の代表例を2000mg/kg
(体重)の量で、雄マウス及び雄ラットに経口投与した
後7日間観察したが、死亡例はなく、特筆すべき毒性は
見られなかった。本発明のエスクレチン誘導体はきわめ
て安全な化合物である(後記実施例27参照)。本発明
のエスクレチン誘導体は、薬理効果として、マウスFH
Cモデルについて軟骨破壊抑制作用を有する(後記実施
例28参照)。従って、本発明のエスクレチン誘導体又
は製剤学的に許容することのできるその塩は、関節の軟
骨破壊を伴う各種関節症の治療のための軟骨保護剤の有
効成分として有用である。このような関節症の例は、慢
性関節リウマチ、変形性関節症、肩関節周囲炎、頚肩腕
症候群、腰痛症等である。
【0053】本発明のエスクレチン誘導体又は製剤学的
に許容することのできるその塩を有効成分とする軟骨保
護剤の製剤形態は、一般的な形態でよい。前記誘導体単
独、又は、前記誘導体と製剤上許容し得る担体又は希釈
剤との混合物の何れでも製剤として使用することができ
る。製剤中の有効成分の量も限定されるものではない
が、例えば、0.01〜100重量%、好ましくは0.
1〜70重量%であることができる。本発明の軟骨保護
剤は、経口、非経口何れでも投与することができる。本
発明の軟骨保護剤の投与量は、対象(哺乳動物特にはヒ
ト)、年齢、個人差、病状等に依るので、特に限定され
ないが、例えば、一般にヒトを対象とする場合、本発明
のエスクレチン誘導体の経口投与量は、1日当たり0.
1〜500mg/kg(体重)、好ましくは0.5〜2
00mg/kg(体重)であることができる。通常、1
日量を、1回又は2〜4回に分けて投与することができ
る。
【0054】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
以下の実施例において、Acはアセチル、Meはメチ
ル、Phはフェニル、Glcはグルコシル、Arはアリ
ールを意味する。実施例1:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリ
ン〔III-1〕の合成(工程1及び2) ナス型フラスコ(100ml)に、エスクリン〔VIII〕
(1.0g)、塩化ベンジル(1.0g)、炭酸カリウ
ム(0.7g)、触媒量の18−クラウン−6−エーテ
ルとヨウ化カリウム、及びジメチルホルムアミド(40
ml)を加え、この混合物を60℃で8時間攪拌しなが
ら反応させた。反応混合物を減圧濃縮し、残渣を氷水中
に注いだ。析出した結晶を濾取し、メタノールより再結
晶して、7−ベンジルオキシ−6−D−グルコシルオキ
シクマリン〔VII-1〕(融点184−186℃、質量ス
ペクトル(M+ )430、収率86.4%)を得た。化
合物〔VII-1〕(0.6g)を、メタノール(35m
l)−10%塩酸(35ml)混液中で、1時間加熱還
流した。反応混合物を減圧濃縮し、結晶を濾取して、標
記化合物〔III-1〕(収率90.3%)を得た。 融点:193−195℃ 質量スペクトル(M+ ):268
【0055】実施例2:2,3,4,6−テトラ−O−
アセチル−1−ブロモ−α−D−ガラクトース〔IV-1〕
の合成(糖成分がガラクトースの場合の工程3及び4) 標記化合物は、D−ガラクトース〔VI-1〕から文献記載
の方法〔Whistler & Wolfrom,Me
thods in CarbohydrateChem
istry,Vol.I,pp.224−225(19
63)〕に従い合成した。すなわち、丸底フラスコ(2
000ml)にD−ガラクトース〔VI-1〕(18g)、
無水酢酸(90ml)、及び無水ピリジン(130m
l)を加え、この混合物を室温で36時間反応させた。
反応後、溶媒を完全に除去することにより、1,2,
3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトース
〔V-1〕を、α−アノマーとβ−アノマーの混合物とし
て得た。この混合物に、臭化水素ガスの氷酢酸溶液(9
0ml、0℃で飽和させた)を加えて、室温で約3時間
反応させることにより標記化合物〔IV-1〕(40g、収
率94%)を結晶として得た。 融点:79−81℃
【0056】実施例3:6−(β−2,3,4,6−テ
トラ−O−アセチル−D−ガラクトシルオキシ)−7−
ベンジルオキシクマリン〔IIa-1〕の合成(糖成分がガ
ラクトースの場合の工程6) ナス型フラスコ(500ml)に、実施例1で調製した
7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリン〔III-
1〕(4.83g)、実施例2で調製した2,3,4,
6−テトラ−O−アセチル−1−ブロモ−α−D−ガラ
クトース〔IV-1〕(14.80g)、及びクロロホルム
(180ml)を加え、この混合物を室温で攪拌した。
10分後、1.25N−NaOH(36ml)に溶かし
た塩化トリエチルベンジルアンモニウム(1.03g)
を滴下した。反応混合物を室温で6日間攪拌した後、蒸
留水(180ml)を加え、塩化メチレン(200m
l)で抽出した。更に塩化メチレン(100ml)で2
回抽出した。有機層を蒸留水で洗い、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー〔Kiesel gel 60
200g,直径5.5cm、n−ヘキサン/酢酸エチル
(1:1)〕により分離精製して、標記化合物(7.4
6g、収率69.2%)を白色結晶として得た。 融点:157−157.5℃ 質量スペクトル(EI):598,555,538,3
31,1691 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):1.77
(s,3H,−Ac),2.00(s,3H,−A
c),2.02(s,3H,−Ac),2.19(s,
3H,−Ac),3.95(t,1H,C−5’),
4.13(dd,1H,C−6’),4.24(dd,
1H,C−6’),4.94(d,1H,C−1’),
5.08(dd,1H,C−3’),5.15(s,2
H,−CH2 −Phenyl),5.44(d,1H,
C−4’),5.50(dd,1H,C−2’),6.
28(d,1H,C−3),6.90(s,1H),
7.25(s,1H),7.39(m,5H),7.5
7(d,1H,C−4) IRスペクトル(KBr,cm-1):3510w,31
12w,1750s,1620m,1570m,152
2s
【0057】実施例4:6−(β−2,3,4,6−テ
トラ−O−アセチル−D−ガラクトシルオキシ)−7−
ヒドロキシクマリン〔Ia-1〕の合成(糖成分がガラクト
ースの場合の工程7) ナス型フラスコ(100ml)に、実施例3で調製した
6−(β−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D
−ガラクトシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン
〔IIa-1〕(300mg)及びジオキサン(25ml)
を加え、この混合物を室温で攪拌した。水浴上で、この
溶液に10%Pd/C(50mg)を加えた後、水素雰
囲気下、約7時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー
(TLC)で反応が終了したのを確認した後、反応混合
物をセライトで濾過し、濾液を減圧濃縮して、粗生成物
(299.2mg)を透明油状物として得た。粗生成物
をシリカゲルクロマトグラフィー〔Kieselgel
60 15g、直径2.5cm、n−ヘキサン/酢酸エ
チル(1:2)〕により分離精製して、透明油状物を得
た。この油状物にn−ヘキサンを加え、フラスコの壁面
をこすると、標記化合物(236.0mg、収率92.
8%)が白色結晶として得られた。 融点:92℃ 質量スペクトル(EI):508,464,406,3
31,169 旋光度〔α〕(c=1,CH3 OH):−13.2゜1 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):2.02
(s,3H,−Ac),2.08(s,3H,−A
c),2.15(s,3H,−Ac),2.21(s,
3H,−Ac),4.10(d,1H,C−5’),
4.18(m,1H,C−6’),4.27(m,1
H,C−6’),4.94(d,1H,C−1’),
5.14(dd,1H,C−3’),5.46(dd,
1H,C−2’),5.48(d,1H,C−4’),
6.28(d,1H,C−3),6.58(s,1H,
−OH),6.92(s,1H),7.05(s,1
H),7.54(d,1H,C−4) IRスペクトル(KBr,cm-1):3500w,17
50s,1620m,1580m,1520m,138
0m,1220s
【0058】実施例5:6−β−D−ガラクトシルオキ
シ−7−ベンジルオキシクマリン〔IIb-1〕の合成(糖
成分がガラクトースの場合の工程8) ナス型フラスコ(100ml)に、ナトリウム片(60
mg)及び乾燥メタノール(60ml)を加え、この混
合物をアルゴン気流下室温で攪拌した。この溶液に実施
例3で調製した6−(β−2,3,4,6−テトラ−O
−アセチル−D−ガラクトシルオキシ)−7−ベンジル
オキシクマリン〔IIa-1〕(1.50g)を加え、更に
メタノールを加えて、この混合物を室温で約1.5時間
攪拌した。TLCで反応が終了したのを確認した後、反
応液に蒸留水(50ml)を加えて反応を停止し、酢酸
エチル(200ml)で2回抽出した。更に酢酸エチル
(50ml)で4回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、
標記化合物の粗生成物(1.24g)を白色結晶として
得た。
【0059】実施例6:6−β−D−ガラクトシルオキ
シ−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-1〕の合成(糖成分が
ガラクトースの場合の工程9) ナス型フラスコ(300ml)に、実施例5で調製した
粗製の6−β−D−ガラクトシルオキシ−7−ベンジル
オキシクマリン〔IIb-1〕(1.24g)及び10%P
d/C(124mg)を加え、次ぎに静かにメタノール
(124ml)と蒸留水(13ml)を注いだ後、水素
雰囲気下、室温で一晩攪拌した。TLCで反応が終了し
たのを確認した後、反応混合物をセライトで濾過し、濾
液を減圧濃縮して黄色の粗結晶(890mg)を得た。
粗結晶を蒸留水から再結晶して、標記化合物(545.
8mg、収率55.7%)を白色結晶として得た。 融点:144−147℃ 質量スペクトル(FAB,M+1):341 旋光度〔α〕(c=1,CH3 OH):−71.5゜1 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):3.60
(dd,1H,C−3’),3.70(m,1H,C−
5’),3.75(d,1H,C−6’),3.78
(d,1H,C−6’),3.85(dd,1H,C−
2’),3.90(d,1H,C−4’),4.79
(d,1H,C−1’),6.22(d,1H,C−
3),6.81(s,1H),7.45(s,1H),
7.83(d,1H,C−4) IRスペクトル(KBr,cm-1):3350s,17
00s,1560m,1300m,1080s
【0060】実施例7:2−アセトアミド−1,3,
4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ−α−D
−グルコピラノース〔V-2〕の合成(糖成分がグルコサ
ミンの場合の工程3) ナス型フラスコ(500ml)に、無水酢酸(12.2
5g)と乾燥ピリジン(18.98g)との混合溶液を
加え、次ぎに室温で少しずつN−アセチル−D−グルコ
サミン〔VI-2〕(4.43g)を加えた。この溶液を室
温で一晩攪拌した。反応液を氷水(150ml)に注い
で、エーテル(100ml)で2回抽出した。水層を減
圧下、65℃で濃縮乾固して、粗生成物(9.407
g)を得た。粗生成物を酢酸エチル(150ml)に溶
解し、この溶液を水(5ml)で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、ロータリーエバポレーターで減圧乾固して
油状物質を得た。油状物質にエーテルを加えてつき崩す
ことにより、標記化合物(6.47g,収率83.1
%)を白色結晶として得た。 Rf:0.39(酢酸エチル) 融点:185−187℃1 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):1.94
(s,3H),2.04(s,3H),2.06(s,
3H),2.09(s,3H),2.20(s,3
H),4.00(m,1H,C5−H),4.07
(d,1H,C6−H),4.25(dd,1H,C6
−H),4.48(dt,1H,C2−H),5.23
(m,2H,C3,4−H),5.72(d,1H,N
H),6.17(d,1H,C1−H) IRスペクトル(KBr,cm-1):3360s,30
25m,2980m,1740s,1675s,152
0s,1425s,1380s,1230s,1130
s,1025s,940s,890m,840m
【0061】実施例8:2−アセトアミド−3,4,6
−トリ−O−アセチル−1−クロロ−2−デオキシ−α
−D−グルコピラノース〔IV-2〕の合成(糖成分がグル
コサミンの場合の工程4) ナス型フラスコ(50ml)に無水酢酸(6ml)を加
えた。この無水酢酸に、0℃で、乾燥塩化水素ガスを吹
き込んで飽和させた。重量増加は約1.5gであった。
この溶液に、実施例7で調製した2−アセトアミド−
1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−デオキシ
−α−D−グルコピラノース〔V-2〕(2.0g)を加
え、この混合物を室温で6日間攪拌した。反応混合物に
塩化メチレン(25ml)を加えて、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液(20ml)で2回洗浄した。集めた有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮して、粗生成物
(1.32g)を得た。粗生成物をシリカゲルクロマト
グラフィー〔直径2.5cm×長さ10.5cm、シリ
カゲル15g、n−ヘキサン/酢酸エチル(1:4)〕
により分離精製して、標記化合物(871.7mg、収
率46.4%)を白色結晶として得た。 Rf:0.67(酢酸エチル) 融点:125−126℃ 質量スペクトル(m/e):731(2M+1),35
6(100),324,306,228,168,15
1 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):1.99
(s,3H),2.06(s,6H),2.11(s,
3H),4.14(d,1H,C5−H),4.28
(m,2H,C6−H),4.54(dt,1H,C
2),5.22(t,1H,C4−H),5.33
(t,1H,C3−H),5.98(d,1H),6.
19(d,1H,C1−H) IRスペクトル(KBr,cm-1):3300w,17
50s,1650m,1550m,1440m,138
0m,1295m,1235s,1215s,1120
m,1035m,980w,918w,895w
【0062】実施例9:2−アセトアミド−3,4,6
−トリ−O−アセチル−1−クロロ−2−デオキシ−α
−D−グルコピラノース〔IV-2〕の合成(糖成分がグル
コサミンの場合の工程5) ナス型フラスコ(200ml)に塩化アセチル(25m
l)を入れ、攪拌しながら、N−アセチル−D−グルコ
サミン〔VI-2〕(12.5g)を少しずつ加えた。4時
間後、反応液は発熱して、ゆるい還流が起こった。反応
液を一晩攪拌すると淡赤色の粘ちょうな固体となった。
この固体に塩化メチレン(100ml)を加えてこの固
体を溶解し、溶液を冷たい飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で中和した。集めた有機層を蒸留水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後濃縮して、粗生成物(23.8
g)を得た。粗生成物をエーテルから結晶化して、標記
化合物(16.0g、収率77%)を白色結晶として得
た。
【0063】実施例10:6−(β−2−アセトアミド
−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−D
−グルコピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマ
リン〔IIa-2〕の合成(糖成分がグルコサミンの場合の
工程6) ナス型フラスコ(25ml)に、前記実施例8又は9で
調製した2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−ア
セチル−1−クロロ−2−デオキシ−α−D−グルコピ
ラノース〔IV-2〕(914.5mg)、前記実施例1で
調製した7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリン
〔III-1〕(335.5mg)、及びクロロホルム(1
0ml)を入れて、懸濁液とした。この懸濁液に、1.
25N−NaOH(12.5ml)に溶かした塩化ベン
ジルトリエチルアンモニウム(113.9mg)を加え
て、アルゴン雰囲気下、3時間還流した後、室温まで放
冷した。反応混合物を塩化メチレン(40ml)で希釈
した後、有機層を分離した。水層を塩化メチレン(20
ml)で抽出した。集めた有機層を飽和食塩水(10m
l)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮して、
粗生成物(1.16g)を得た。粗生成物をメタノール
/塩化メチレンで処理して、標記化合物(150.4m
g、収率21.1%)を白色針状結晶として得た。 Rf:0.56(酢酸エチル) 融点:224−227℃ 質量スペクトル(m/e):597,537,523,
419,329,268,209,167,125(1
00)1 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):1.54
(s,3H),2.02(s,3H)、2.03(s,
3H),2.04(s,3H),3.07(m,1H,
C5−H),4.14(m,2H,C−6,C2−
H),4.26(dd,1H,C6−H),5.04
(d,1H,C1−H),5.13(s,2H,ben
zyl),5.11(q,1H,C4−H),5.23
(t,1H,C3−H),6.29(d,C3),6.
92(s,1H),7.26(s,1H),7.46
(m,5H),7.59(d,C4) IRスペクトル(KBr,cm-1):3300m,29
75w,2900w,1740s,1660s,162
0s,1555m,1520m,1440m,1380
s,1230s,1180m,1140m,1120
m,1060s,1040s,930m,900m,8
70m,810s,730m
【0064】実施例11:6−(β−2−アセトアミド
−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−D
−グルコピラノシルオキシ)−7−ヒドロキシクマリン
〔Ia-2〕の合成(糖成分がグルコサミンの場合の工程
7) ナス型フラスコ(100ml)に、前記実施例10で調
製した6−(β−2−アセトアミド−3,4,6−トリ
−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコピラノシル
オキシ)−7−ベンジルオキシクマリン〔IIa-2〕(8
71mg)、10%Pd/C(30mg)、及びメチル
アルコール(80ml)を入れた。この混合物を水素雰
囲気下、室温で4時間攪拌すると、原料が消失した。反
応液を濾過してPd/Cを除き、濾液を減圧濃縮して、
粗生成物(749mg)を得た。粗生成物を、シリカゲ
ルクロマトグラフィー(直径3.0cm×長さ10c
m、シリカゲル10g、塩化メチレン/メタノール=9
5:5)により分離し、エタノール/メタノールから再
結晶して、標記化合物(503.4mg、収率70.0
%)を淡黄色針状結晶として得た。融点:225−22
7℃ Rf:0.36(塩化メチレン/メタノール(95:
5)) 質量スペクトル(m/e,FAB):508(M+
1),460,330,289,273,242,21
0,154(100) 元素分析 C232512Nとして 実験値: C 53.89, H 4.89, N
2.61 理論値: C 54.44, H 4.97, N
2.761 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):1.95
(s,3H)、2.02(s,H)、2.03(s,3
H),3.97(m,1H,C2−H),4.14(m
+t,2H,C5−H,C6−H),4.32(dd,
1H,C6−H),5.08(t,1H,C4−H),
5.27(d,1H,C1−H),5.36(t,1
H,C3−H),6.21(d,1H,coumari
n),6.79(s,1H,coumarin),7.
30(s,1H,coumarin),7.81(d,
1H,coumarin) IRスペクトル(KBr,cm-1):3320s,30
90w,2950w,2900w,1750s,170
5s,1665s,1625m,1610m,1560
s,1515s,1440s,1410m,1370
s,1295s,1220s,1140m,1090
s,1050s,980w
【0065】実施例12:6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−
ベンジルオキシクマリン〔IIb-2〕の合成(糖成分がグ
ルコサミンの場合の工程8) ナス型フラスコ(100ml)に、前記実施例10で調
製した6−(β−2−アセトアミド−3,4,6−トリ
−O−アセチル−2−デオキシ−D−グルコピラノシル
オキシ)−7−ベンジルオキシクマリン〔IIa-2〕(3
51mg)とメタノール(90ml)を入れ、懸濁液と
した。この懸濁液に、ナトリウムメトキシドのメタノー
ル溶液(28%)を5滴加えて、40℃まで加熱し、攪
拌した。反応液は、10分後に透明となり、20分後に
白色沈澱を生じた。反応液を室温で1.5時間攪拌後、
0.1N−HClで中和した。沈澱をグラスフィルター
で濾取し、メタノールで洗浄後、減圧下に乾燥して、標
記化合物(262.6mg、収率95.1%)を白色針
状結晶として得た。 融点:244−246℃ Rf:0.73(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:0.5)) 質量スペクトル(m/e):472(M+1),38
2,269,253,204,185,168,13
8,911 H−NMR(d6 −DMSO,δ ppm):1.7
3(s,3H,N−Ac),3.23(q,1H),
3.43(t,1H),3.51(m,1H),3.7
3(q,2H),5.02(d,1H),5.25
(s,2H,benzyl),6.30(d,1H,c
oumarin),7.12(s,1H,coumar
in),7.31(t,1H,para−benzy
l),7.39(t,2H,meta−benzy
l),7.43(s,1H,coumarin),7.
48(d,2H),7.79(d,1H,AcNH),
7.89(d,1H,coumarin) IRスペクトル(KBr,cm-1):3405s,32
75m,2900w,1750s,1665s,161
5m,1540m,1430m,1390m,1380
m,1310s,1270s,1240w,1175
m,1110m,1090s
【0066】実施例13:6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−
ヒドロキシクマリン〔Ib-2〕の合成(糖成分がグルコサ
ミンの場合の工程9) ナス型フラスコ(100ml)に、前記実施例12で調
製した6−(β−2−アセトアミド−2−デオキシ−D
−グルコピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマ
リン〔IIb-2〕(315.5mg)と15%の含水ジメ
トキシエタン(60ml)を入れ、溶液とした。この溶
液に10%Pd/C(24mg)を加えて、この混合物
を水素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。反応混合物か
ら、減圧下溶媒を除去して、灰色の粉末を得た。この粉
末に、水/テトラヒドロフラン/メタノール(5:1:
0.2)混合液(435ml)を加え、75℃に加熱し
て溶解した。触媒を濾別し、濾液を50mlまで濃縮し
た後、冷蔵庫に一晩放置し、標記化合物(228.0m
g、収率89.3%)を白色針状結晶として得た。 Rf:0.56(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:0.5)) 融点:265−266℃ 元素分析 C17199 Nとして 実験値: C 53.25, H 4.91, N
3.55 理論値: C 53.55, H 5.02, N
3.671 H−NMR(CDCl3 ,δ ppm):1.83
(s,3H),3.23(t,1H,C3−H),3.
35(m,1H),3.48(t,1H),3.52
(m,1H),5.00(d,1H,C1−H),6.
24(d,1H,coumarin),6.83(s,
1H,coumarin),7.36(s,1H,co
umarin),7.88(d,1H) IRスペクトル(KBr,cm-1):3375s,32
40w,2930w,1640s,1665s,160
0s,1550m,1405m,1275m,1255
m,1225w,1172w,1140w,1120
m,1085m,1042m,1025w,995m,
930m,890m,861m,820m
【0067】実施例14:6,7−ビス(β−2−アセ
トアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオ
キシ−α−D−グルコピラノシルオキシ)クマリン〔Ia
-6〕の合成(糖成分が2個ともグルコサミンの場合の工
程13) 前記実施例11で調製した6−(β−2−アセトアミド
−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−D
−グルコピラノシルオキシ)−7−ヒドロキシクマリン
〔Ia-2〕(2.15g)と前記実施例9で調製した2−
アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−1−
クロロ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノース〔IV
-2〕(2.33g)にアセトニトリル(100ml)を
加え、アルゴン気流下室温で攪拌した。10分後、トリ
エチルアミン(4.29g)を滴下した。一晩攪拌し、
TLCで反応の終了を確認した後、イオン交換樹脂(C
G−50;5g)を加えて反応を停止した。G4のグラ
スフィルターでイオン交換樹脂を除去し、濾液を減圧濃
縮して、粗製油状物(5.09g)を得た。シリカゲル
クロマトグラフィー(Kiesel gel 60;1
00g,直径6.5cm,酢酸エチル100%)で分離
し、溶液を減圧濃縮した後、メタノールを加えて、標記
化合物(2.30g、収率53.5%)を白色結晶とし
て得た。 融点:242−243℃ Rf:0.37(酢酸エチル100%) 質量スペクトル(m/e,FAB):837(M+
1),3301 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):1.8
2(s,3H,NHAc),1.84(s,3H,NH
Ac),1.96(s,3H,Ac),1.97(s,
3H,Ac),1.99(s,3H,Ac),2.00
(s,3H,Ac),3.85(dd,1H,C
2’),4.01(m,4H,C2,C5’,C6,C
6’),4.21(m,3H,C5,C6,C6’),
4.93(t,1H,C4’),4.98(t,1H,
C4),5.31(m,2H,C3,C3’),5.4
5(d,1H,C1’),5.55(d,1H,C
1),6.39(d,1H,coumarin),7.
29(s,1H,coumarin),7.48(s,
1H,coumarin),7.94(d,2H,co
umarin,NH),8.08(d,1H,NH) IRスペクトル(KBr,cm-1):3320m,17
50s,1670m,1555m,1435w,138
0m,1285m,1240s,1040s
【0068】実施例15:7−ベンジルオキシ−6−ヒ
ドロキシ−4−メチルクマリン〔III-2〕(7位の水酸
基への保護基の導入) 4−メチルエスクレチン〔X-2〕(5.0g)をジメチ
ルホルムアミド(52ml)に溶解し、この溶液に室温
で炭酸ナトリウム(1.80g)を加えた。10℃で攪
拌しながら、塩化ベンジル(4.94g)を滴下した
後、そのまま一晩攪拌した。TLCにより生成物を確認
し、反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、減圧濃縮した。残渣にクロロホルムを加え、不
溶物を濾取し、エタノールより再結晶を行い標記化合物
(0.85g,収率11.6%)を得た。更に母液をカ
ラムクロマトグラフィー〔Kiesel gel、Me
rck社製、クロロホルム/酢酸エチル(24:1)〕
で精製し、6位反応生成物と6,7位反応生成物を単離
した。 (1)標記化合物〔III-2〕(7位反応生成物) Rf:0.46(クロロホルム/酢酸エチル(12:
1))1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):2.3
3(s,3H,C4−Me),5.24(s,2H,C
7−CH2 ),6.17(s,1H,C3−H),7.
05(s,1H,C8−H,C5−H),7.34
(m,1H,Aromatic),7.41(m,2
H,Aromatic),7.51(m,2H,Aro
matic),9.42(s,1H,C6−OH)13 C−NMR(DMSO−d6,δ ppm):18.
14(C4−Me),70.02(C7−CH2 ),1
01.40(C8),109.41(C5),111.
32(C10),112.52(C3),127〜12
8(Aromatic),136.36(Aromat
ic),143.71(C7),147.37(C
4),150.37(C6),152.98(C9),
160.42(C2) (2)6位反応生成物 Rf:0.37(クロロホルム/酢酸エチル(12:
1))1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):2.3
5(s,3H,C4−Me),5.19(s,2H,C
6−CH2 ),6.13(s,1H,C3−H),6.
81(s,1H,C8−H),7.25(s,1H,C
5−H),7.34(m,1H,Aromatic),
7.41(m,2H,Aromatic),7.51
(m,2H,Aromatic),10.34(s,1
H,C7−OH)13 C−NMR(DMSO−d6,δ ppm):18.
26(C4−Me),70.57(C6−CH2 ),1
03.01(C8),109.14(C5),110.
50(C10),111.21(C3),127.87
(Aromatic),128.35(Aromati
c),136.87(Aromatic),143.9
7(C7),148.92(C4),150.37(C
6),153.38(C9),160.39(C2) (3)6,7位反応生成物 Rf:0.70(クロロホルム/酢酸エチル(12:
1))1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):2.3
7(s,3H,C4−Me),5.20(s,2H,C
6−CH2 ),5.26(s,2H,C7−CH2 ),
6.19(s,1H,C3−H),7.15(s,1
H,C8−H),7.30(s,1H,C5−H),
7.34(m,1H,Aromatic),7.39
(m,2H,Aromatic),7.48(m,2
H,Aromatic)13 C−NMR(DMSO−d6,δ ppm):18.
23(C4−Me),70.14(C6−CH2 ),7
0.79(C7−CH2 ),101.75(C8),1
09.32(C5),111.43(C10),11
2.22(C3),127〜131(Aromati
c),136.32(Aromatic),136.8
4(Aromatic),144.89(C7),14
8.75(C4),151.88(C6),153.1
8(C9),160.20(C2)
【0069】実施例16:7−ベンジルオキシ−6−
(β−2−アセトアミド−3,4,6,−トリ−O−ア
セチル−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)
−4−メチルクマリン〔IIa-12〕(糖成分がグルコサミ
ンの場合の工程6) ナス型フラスコ(300ml)に、前記実施例8で調製
した2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−1−クロロ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノ
ース〔IV-2〕(6.41g)、前記実施例15で調製し
た7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシ−4−メチルク
マリン〔III-2〕(3.30g)、及びジクロロメタン
(120ml)を入れて懸濁液とした。この懸濁液に、
1.25N−NaOH(38ml)に溶かした塩化ベン
ジルトリエチルアンモニウム(1.07g)を、室温で
攪拌しながら加えた。室温で一晩攪拌して、析出した結
晶を濾過した。母液はデカンテーションし、有機層を濃
縮した。この残渣と濾過した結晶をあわせてメタノール
で洗浄して、標記化合物(5.76g,収率80.7
%)を白色結晶として得た。 融点:253−254℃ Rf:0.69(メタノール/酢酸エチル(5:9
5)) 質量スペクトル(m/e,EI):612(M+ ),3
30(Ac−Glc)1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):1.7
0(s,1H,N−Ac),1.95(s,3H,C6
−Ac),1.97(s,3H,Ac),2.00
(s,3H,Ac),2.41(d,3H,C4’−M
e),4.06(m,1H,C2−H),4.09
(d,1H,C6−H),4.14(m,1H,C5−
H),4.17(d,1H,C6−H),4.96
(t,1H,C4−H),5.23(t,1H,C3−
H),5.26(s,2H,C7’−CH2 ),5.3
8(d,1H,C1−H),6.24(d,1H,C’
3−H),7.15(s,1H,C8’−H),7.3
2(t,1H,Aromatic),7.38(t,2
H,Aromatic),7.40(s,1H,C5’
−H),7.47(d,2H,Aromatic),
8.04(d,1H,Ac−NH) IRスペクトル(KBr disk,ν cm-1):3
525m,2940w,2880w,1745s,16
58s,1618s,1562m,1538m
【0070】実施例17:7−ベンジルオキシ−6−
(β−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピ
ラノシルオキシ)−4−メチルクマリン〔 IIb-12 〕
(糖成分がグルコサミンの場合の工程8) 前記実施例16で調製した7−ベンジルオキシ−6−
(β−2−アセトアミド−3,4,6,−トリ−O−ア
セチル−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)
−4−メチルクマリン〔IIa-12〕(0.5g)をメタノ
ール(40ml)に懸濁した。室温下でこの懸濁液に、
ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28%)をパ
スツールピペットで2滴加えた。TLCで反応の終了を
確認後、1N−HClで中和した。析出している結晶を
濾過して、標記化合物(0.36g、収率92.3%)
を白色結晶として得た。 融点:263−264℃ Rf:0.66(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:1)) 質量スペクトル(m/e,FAB):485(M+
1),283(Bn−EST)1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):1.7
3(s,1H,N−Ac),2.37(d,3H,C
4’−Me),3.17(m,1H,C4−H),3.
36(m,1H,C5−H),3.45(m,2H,C
3−H,C6−H),3.77(m,2H,C6−H,
C2−H),4.75(t,1H,C6−OH),5.
00(d,1H,C1−H),5.07(d,1H,C
3−OH),5.14(d,1H,C4−OH),5.
24(s,2H,C7’−CH2 ),6.21(d,1
H,C’3−H),7.12(s,1H,C8’−
H),7.32(t,1H,Aromatic),7.
39(t,2H,Aromatic),7.47(d,
2H,Aromatic),7.49(s,1H,C
5’−H),7.79(d,1H,Ac−NH) IRスペクトル(KBr disk,ν cm-1):3
400s,3290s,3150m,2860w,17
30s,1716s,1659s,1618s,156
0s,1520m
【0071】実施例18:7−ヒドロキシ−6−(β−
2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−4−メチルクマリン〔Ib-12 〕(糖成分が
グルコサミンの場合の工程9) 前記実施例17で調製した7−ベンジルオキシ−6−
(β−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピ
ラノシルオキシ)−4−メチルクマリン〔IIb-12〕
(0.35g)を15%の含水ジメトキシエタン(40
ml)に懸濁した。この懸濁液に10%Pd/C(1
0.5mg)を加え、水素ガス雰囲気下2時間攪拌し
た。TLCで反応終了を確認後、エバポレータで減圧乾
固して残渣を得た。この残渣をジオキサン/水(1:
1)(200ml)に溶解した。セライトを用いて触媒
を濾過し、濾液を減圧濃縮乾固した。得られた結晶をメ
タノールで洗浄して、標記化合物(0.27g、収率9
6.4%)を薄灰色結晶として得た。 融点:263℃(分解) Rf:0.50(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:1)) 質量スペクトル(m/e,FAB):396(M+1)1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):1.8
3(s,1H,N−Ac),2.35(d,3H,C
4’−Me),3.16(m,1H,C4−H),3.
32(m,1H,C5−H),3.48(m,2H,C
3−H,C6−H),3.64(q,1H,C2−
H),3.76(m,1H,C6−H),4.70
(m,1H,C6−OH),4.96(d,1H,C1
−H),5.08(d,1H,C3−OH),5.13
(d,1H,C4−OH),6.14(d,1H,C’
3−H),6.80(s,1H,C8’−H),7.4
0(s,1H,C5’−H),7.91(d,1H,A
c−NH),9.74(s,1H,C7’−OH) IRスペクトル(KBr disk,ν cm-1):3
425s,3398s,3275s,3152s,30
90s,2950s,1688s,1662s,166
0s,1580s,1558s,1522m
【0072】実施例19:6−(β−2−アミノ−2−
デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−ベンジ
ルオキシクマリン塩酸塩〔IIb-2'〕(糖成分がグルコサ
ミンの場合の2−アセトアミド基の脱アセチル化) ナス型フラスコ(25ml)に、前記実施例12で調製
した6−(β−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−
グルコピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリ
ン〔IIb-2〕(471.5mg)とエタノール(3m
l)を入れて懸濁した。この懸濁液に新しく調製した
3.02N−KOHのエタノール溶液(6.62ml)
をゆっくり滴下して黄色溶液となった。この溶液をアル
ゴン雰囲気下120℃で6.5時間還流した。原料の消
失を確認した後、放冷後、減圧下で溶媒を濃縮した。残
渣に0℃で蒸留水(1ml)を加えた後、0℃で注意深
く濃塩酸(3ml)を加えてpH1とした。無色沈澱
(KCl)が析出した。この混合液をロータリエバポレ
ータで減圧下に濃縮乾固し、更にベンゼンを加えて濃縮
乾固した。よく乾燥した後、エタノール(20ml×
2)を加えて抽出を行い、3G3のグラスフィルターで
固形物(KCl、1.185g)を濾別した。濾液を濃
縮して淡茶色の固形物(1.969g)を得た。これに
エーテルを加えて突き崩して粉末を得た。この粉末を濾
別し塩化メチレンで洗浄後、乾燥して標記化合物(41
3mg、収率88.6%)を白色針状結晶として得た。 融点:170−172℃(分解) Rf:0.58(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:0.5)) 質量スペクトル(m/e,FAB):430(M+1)1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):3.0
6(dd,1H,C−2’),3.33(m,1H),
3.38(m,1H),3.56(m,1H),5.2
7(d,1H,C−1’,β),5.33(s,1H,
benzyl CH2 ),6.33(d,1H,C−
3),7.11(s,1H),7.36(m,1H),
7.41(m,2H),7.52(m,2H),7.5
3(s,1H),7.93(d,C−4) IRスペクトル(KBr,ν cm-1):3375s,
2910m,1700s,1608s,1550m,1
510s,1430m,1390m,1375m,12
75s,1235m,1142m,1062s,930
w,820w
【0073】実施例20:6−(β−2−アミノ−2−
デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−ヒドロ
キシクマリン塩酸塩〔Ib-2' 〕(糖成分がグルコサミン
の場合の工程9) ナス型フラスコ(25ml)に、前記実施例19で調製
した6−(β−2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコ
ピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン塩酸
塩〔IIb-2'〕(359.7mg)とメタノール(10m
l)を入れて溶解した。この溶液に10%Pd/C(1
8.6mg)を加えて水素雰囲気下でゆっくり2時間攪
拌した。原料消失を確認して活性炭(10% w/w)
を加えた後、ひだ織り濾紙で触媒を除いた。濾液を減圧
下に濃縮乾固して固形物(271.3mg)を得た。こ
の固形物をメタノール/エーテルから再結晶して標記化
合物(189.1mg、収率65.4%)を淡黄白色粉
末状結晶として得た。 融点:198−200℃(分解) Rf:0.16(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:0.5)) 質量スペクトル(m/e,FAB):340(M+1)1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):3.2
2(dd,1H,C−2’),3.30(m,1H,C
−6’),3.47(m,1H,C−4’),3.65
(m,1H,C−3’),3.75(m,1H,C−
5’),3.90(d,1H),5.18(d,1H,
C−1),6.23(d,1H,C−3),6.84
(s,1H),7.46(s,1H),7.84(d,
1H,C−4) IRスペクトル(KBr,ν cm-1):3320s,
2925s,1690s,1627s,1615s,1
590s,1565s,1510s,1445s,14
15m,1395m,1375m,1300s,126
0s,1220m,1180m,1145s,1100
s,1070s,1025s,970m,938m,9
03m,880m,840w,820w,762w
【0074】実施例21:6−β−(D−グルコピラノ
シドウロネート)−7−ベンジルオキシクマリン〔IIb-
7〕(糖成分がグルコ−スの化合物を酸化して糖成分が
グルクロン酸の化合物とする) 実施例1と同様にして、エスクリン〔VIII〕と塩化ベン
ジルとの反応で6−β−D−グルコシルオキシ−7−ベ
ンジルオキシクマリン〔VII-1〕を合成して本実施例の
原料とした。酸化白金(1.0g)に蒸留水/ジオキサ
ン(1:1)(20ml)を加え、中圧接触還元装置を
用いて1.5気圧で約3時間還元を行い、白金黒を調製
した。6−β−D−グルコシルオキシ−7−ベンジルオ
キシクマリン〔VII-1〕(1.019g)と炭酸水素ナ
トリウム(0.199g)に蒸留水/ジオキサン(1:
1)(100ml)を加えて攪拌した。これに上記白金
黒を加え、80℃のオイルバスに入れて酸素を激しく吹
き込んだ。オイルバスをはずし冷却した後、イオン交換
樹脂(Amberlite CG50)(2.4g)を
加えて30分間放置した。反応混合物中の白金黒とAm
berlite CG50をセライト545で濾過し、
蒸留水/ジオキサン(1:1)で洗浄した。濾液を容量
約2/3まで減圧濃縮し、シリカゲル(Lichrop
rep Si60)(2.052g)を加えて、更に濃
縮乾固した。残渣としてLichroprep Si6
0に反応物をまぶした状態の茶褐色粉末(3.071
g)を得た。この粉末をカラム上端に重層し、まぶしカ
ラム〔Lichroprep Si60 (150
g)、クロロホルム/メタノール/水(75:26:
5)〕にて精製し、淡黄色固体(0.463g)を得
た。その固体をジオキサン(46ml)と蒸留水(9m
l)に溶解し不溶分を濾別して捨て、濾液を更に熱水に
溶解して熱時濾過し、減圧濃縮して淡黄色固体(0.4
18g)を得た。この固体を水より再結晶して標記化合
物(0.305g、収率33.8%)を淡黄色粒状結晶
として得た。 融点:190−195℃(分解) Rf:0.37(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:0.5)) 質量スペクトル(m/e,FAB):489(M+2N
a)1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):3.2
8(m,3H,C2,C3,C4),3.54(d,1
H,C5),5.01(d,1H,C1),5.27
(s,2H,−CH2 O),6.29(d,1H,co
umarin),7.14(s,1H,coumari
n),7.33(t,1H,phenyl),7.40
(t,2H,phenyl),7.42(s,1H,c
oumarin),7.52(d,2H,pheny
l),7.89(d,1H,coumarin) IRスペクトル(KBr,ν cm-1):3430s,
1715s,1615m,1560m,1520m,1
435m,1395m,1380m,1280s,12
45m
【0075】実施例22:6−β−(D−グルコピラノ
シドウロネート)−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-7〕
(糖成分がグルクロン酸の場合の工程9) 前記実施例21で調製した6−β−(D−グルコピラノ
シドウロネート)−7−ベンジルオキシクマリン〔IIb-
7〕(1.504g)と10%Pd/C(0.15g)
にメタノール/蒸留水(4:6)(30ml)を加え、
室温で3時間攪拌した。TLCで反応終了を確認後、G
4のグラスフィルターでPd/Cを濾別した。濾液を減
圧濃縮後、エーテル及びクロロホルムで洗浄し乾燥し
て、標記化合物(1.162g、収率96.9%)を黄
色固体として得た。 融点:198℃(分解) Rf:0.20(クロロホルム/メタノール/水(7:
3:0.5)) 質量スペクトル(m/e,FAB):355(M+1)1 H−NMR(D2 O,δ ppm):3.70(m,
3H,C2,C3,C4),3.96(d,1H,C
5),5.14(1H,C1),6.30(d,1H,
coumarin),6.87(s,1H,couma
rin),7.33(s,1H,coumarin),
7.89(d,1H,coumarin) IRスペクトル(KBr,ν cm-1):3400s,
1690s,1610s,1560s,1510w,1
395m,1295m,1260m
【0076】実施例23:6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−6−O−ピバロイル−D−グルコピラ
ノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン〔IIb-2
p〕(糖成分がグルコサミンの場合のアシル基1個の導
入) 前記実施例12で調製した6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−
ベンジルオキシクマリン〔IIb-2〕(10.0g)を無
水ピリジン(200ml)に懸濁し、無水ピバリン酸
(4.74g)及び4−ジメチルアミノピリジン(2.
59g)を加え、室温で3日間攪拌した。反応終了後、
溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー〔Kiesel gel 60(500
g),クロロホルム/メタノール=15/1〕により精
製し、標記化合物(9.11g、収率77%)を白色固
体として得た。 融点:179.5−182.0℃ 質量スペクトル(m/e,FAB):556(M+1)1 H−NMR(CDCl3 ,500MHz,δ pp
m):1.06(s,9H,tBu),1.76(s,
3H,CH3 CO−),3.24(td,1H,H−
4’),3.48(br q,1H,H−3’),3.
57−3.61(m,1H,H−5’),3.72
(q,1H,H−2’),4.05(dd,1H,H−
6’a),4.36(d,1H,H−6’b),5.1
2(d,1H,H−1’),5.18(d,1H,3’
−OH),5.24(d,1H,PhCH2−),5.
27(d,1H,PhCH2 −),5.38(d,1
H,4’−OH),6.31(d,1H,H−4),
7.18(s,1H,H−5) IRスペクトル(KBr disk,ν cm-1):3
400m,1725s,1655m,1615m,12
75s
【0077】実施例24:6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−6−O−ピバロイル−D−グルコピラ
ノシルオキシ)−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-2P 〕
(糖成分がグルコサミンの場合の工程9類似の工程) 前記実施例23で調製した6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−6−O−ピバロイル−D−グルコピラ
ノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン〔IIb-2
P〕(532mg)をジメトキシエチレン(16ml)
に溶解し、10%Pd/C(30mg)を加え、この混
合物を水素雰囲気下で室温で3時間攪拌した。反応終了
後、濾過により触媒を除去し、溶媒を減圧留去すること
により淡黄色固体(443mg)を得た。この固体を熱
水から再結晶し、標記化合物(358mg、収率77
%)を白色針状結晶として得た。 融点:133.0−136.0℃ 質量スペクトル(m/e,FAB):466(M+1)1 H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ p
pm):1.06(s,9H,tBu),1.84
(s,3H,CH3 CO−),3.23(td,1H,
H−4’),3.53(br q,1H,H−3’),
3.57−3.61(m,1H,H−5’),3.62
(q,1H,H−2’),4.04(dd,1H,H−
6’a),4.39(d,1H,H−6’b),5.0
7(d,1H,H−1’),5.19(d,1H,3’
−OH),5.38(d,1H,4’−OH),6.2
4(d,1H,H−4),6.81(s,1H,H−
5),7.28(s,1H,H−8),7.90(d,
1H,H−3),7.94(d,1H,−NHCOCH
3 ),9.91(br s,1H,ArOH) IRスペクトル(KBr disk,ν cm-1):3
400s,1720s,1650s,1620s,15
65s,1300s,1280s,1255s,117
0m,1140m,1070s
【0078】実施例25:6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−4,6−O−ベンジリデン−D−グル
コピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン
〔IIb-2B〕(糖成分がグルコサミンの場合のベンジリデ
ン基の導入) 前記実施例12で調製した6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−
ベンジルオキシクマリン〔IIb-2〕(471.5mg)
とジメチルホルムアミド(10ml)の溶液に、p−ト
ルエンスルホン酸(5.7mg)とベンズアルデヒドジ
メチルアセタール(761mg)を加え室温で一晩攪拌
した。原料が残っていたため更にベンズアルデヒドジメ
チルアセタール(761mg)を加え、更に室温で一晩
攪拌した。反応液を蒸留水にあけ、析出した結晶を濾過
し、蒸留水とエーテルで洗浄した。結晶を乾燥後、ジオ
キサンから再結晶して、標記化合物(0.4402g、
収率78.7%)を得た。 融点:251−253℃ Rf:0.66(クロロホルム/メタノール(8:
1)) 質量スペクトル(m/e,FAB):560(M+ 1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):1.7
7(s,3H),3.58(m,2H),3.76
(m,2H),3.85(q,1H),4.25(d
d,1H),5.24(m,3H),5.45(d,1
H),5.64(s,1H),6.32(d,1H),
7.14(s,1H),7.33(t,1H),7.3
9(m,5H),7.46(m,5H),7.91
(d,1H),7.97(dd,1H) IRスペクトル(KBr,ν cm-1):3440m,
3250m,3070m,2860m,1720s,1
650s,1610s,1550s,1515s,14
45m,1430m,1370s,1605m,127
5s,1240s,1195m,1165m,1140
s,1080s,1020s
【0079】実施例26:6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−4,6−O−ベンジリデン−D−グル
コピラノシルオキシ)−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-2
B 〕(糖成分がグルコサミンの場合の工程9に類似の工
程) 前記実施例25で調製した6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−4,6−O−ベンジリデン−D−グル
コピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン
〔IIb-2B〕(727mg)とジオキサン(80ml)の
溶液に10%Pd/C(36.4mg)を加え、水素気
流下、室温で一晩攪拌した。反応液をセライトで濾過し
Pd/Cを除き、濾液を減圧濃縮して結晶(567.3
mg)を得た。この結晶をジオキサンから再結晶し、標
記化合物(0.2696g、収率44.2%)を得た。 融点:250−251℃(分解) Rf:0.52(クロロホルム/メタノール(8:
1)) 質量スペクトル(m/e,FAB):470(M+ 1 H−NMR(DMSO−d6,δ ppm):1.8
3(s,3H),3.56(t,2H),3.76
(m,3H),4.26(m,1H),5.18(d,
1H),5.44(d,1H),5.64(s,1
H),6.24(d,1H),6.81(s,1H),
7.38(m,4H),7.46(m,2H),7.9
2(d,1H),8.02(d,1H),9.96
(s,1H) IRスペクトル(KBr,ν cm-1):3370m,
3060m,2890m,1720s,1705s,1
655s,1610s,1560s,1515m,14
40m,1690m,1370m,1300s,127
0m,1255s,1210m,1170m,1140
m,1085s,1025s
【0080】実施例27:エスクレチン誘導体の急性毒
性試験 本物質の急性毒性についてCrj:CD−1(ICR)
雄性マウス(6週齢)及びWistar雄性ラット(6
週齢)を用いて検討した。6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−
ヒドロキシクマリン〔Ib-2〕(実施例13)を1,00
0及び2,000mg/kg経口投与した後7日間観察
したところ、死亡例は観察されなかった。また、一般状
態及び体重変化に関しても対照群と比較して何等変化は
見られなかった。他の本物質化合物、すなわち6−(β
−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−ガラク
トシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマリン〔IIa-
1〕、6−(β−2,3,4,6−テトラ−O−アセチ
ル−D−ガラクトシルオキシ)−7−ヒドロキシクマリ
ン〔Ia-1〕、6−β−D−ガラクトシルオキシ−7−ベ
ンジルオキシクマリン〔IIb-1〕、6−β−D−ガラク
トシルオキシ−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-1〕、6−
(β−2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセ
チル−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−
7−ベンジルオキシクマリン〔IIa-2〕、6−(β−2
−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2
−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−ヒド
ロキシクマリン〔Ia-2〕、6−(β−2−アセトアミド
−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−
ベンジルオキシクマリン〔IIb-2〕、6,7−ビス(β
−2−アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル
−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシルオキシ)ク
マリン〔Ia-6〕、7−ベンジルオキシ−6−(β−2−
アセトアミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−
デオキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−4−メチル
クマリン〔IIa-12〕、7−ベンジルオキシ−6−(β−
2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−4−メチルクマリン〔IIb-12〕、7−ヒド
ロキシ−6−(β−2−アセトアミド−2−デオキシ−
D−グルコピラノシルオキシ)−4−メチルクマリン
〔Ib-12 〕、6−(β−2−アミノ−2−デオキシ−D
−グルコピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシクマ
リン塩酸塩〔IIb-2'〕、6−(β−2−アミノ−2−デ
オキシ−D−グルコピラノシルオキシ)−7−ヒドロキ
シクマリン塩酸塩〔Ib-2' 〕、6−β−(D−グルコピ
ラノシドウロネート)−7−ベンジルオキシクマリン
〔IIb-7〕、6−β−(D−グルコピラノシドウロネー
ト)−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-7〕、6−(β−2
−アセトアミド−2−デオキシ−6−O−ピバロイル−
D−グルコピラノシルオキシ)−7−ベンジルオキシク
マリン〔IIb-2P〕、6−(β−2−アセトアミド−2−
デオキシ−6−O−ピバロイル−D−グルコピラノシル
オキシ)−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-2P 〕、6−
(β−2−アセトアミド−2−デオキシ−4,6−O−
ベンジリデン−D−グルコピラノシルオキシ)−7−ベ
ンジルオキシクマリン〔IIb-2B〕、6−(β−2−アセ
トアミド−2−デオキシ−4,6−O−ベンジリデン−
D−グルコピラノシルオキシ)−7−ヒドロキシクマリ
ン〔Ib-2B 〕についても同様であった。なお、本実験に
おいては各群2匹の動物を使用した。
【0081】実施例28:マウスFHCモデルにおける
薬物動態学的解析及びFHC中プロテオグリカン(P
G)量減少抑制作用 (1)モデルの作製 本モデルの作製は、D.A.Willoughby等の
方法を用いて行った(D.A.Willoughby
et al.,Agents Actions,vo
l.38,p.126−134,1993参照)。S.
D.系雄性ラットの左右の大腿骨頭軟骨(FHC)をク
リーンベンチ内で無菌的に摘出した。摘出したFHC
を、抗生物質を含むHam F−12培養液で洗い、湿
重量を測定した。重量測定後、FHCを約1cm四方の
コットン2枚に包み、培養液中で埋め込み時まで氷冷し
た。このFHCを、背部を剃毛したBALB/C雌性マ
ウスの背部皮下に無菌的に埋め込み、切開部位を縫合
後、手術用アロンアルファー(接着剤)で完全に塞い
だ。
【0082】(2)エスクレチン及び6−(β−2−ア
セトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシルオキ
シ)−7−ヒドロキシクマリン〔Ib-2〕投与後のFHC
中での薬物動態学的解析 上記マウスFHCモデルを用い、動態学的にエスクレチ
ンと本物質〔Ib-2〕との比較を行った。エスクレチン1
0mg/kg及びそれと等モル量の本物質〔Ib-2〕21
mg/kgをFHC埋め込み3日後に背部皮下(FHC
周囲)に投与した。投与後、経時的にFHCを回収しパ
パインで分解後、FHCに取り込まれた薬剤量を高速液
体クロマトグラフィーで分析した。なお、本実験におい
ては各群5匹のマウスを使用した。結果を図1に示す。
図1で本物質〔Ib-2〕の取り込み量を○、エスクレチン
の取り込み量を●で示す。図1に示すように本物質〔Ib
-2〕の方が、エスクレチンと比較して高濃度の薬剤がF
HC中に長時間取り込まれ滞留することが明らかとなっ
た。
【0083】(3)本物質〔Ib-2〕のFHC中でのPG
量減少抑制作用 上記マウスFHCモデルを用い、本物質〔Ib-2〕投与に
よるFHC中でのプロテオグリカン(PG)量減少抑制
作用を検討した。本物質〔Ib-2〕400mg/kgを、
FHC埋め込み後7日目より1日1回の割合で11日間
連続投与した。投与後、FHCを回収しパパインで処理
した後、FHC中のPG量をグリコサミノグリカン(G
AG)量を指標にR.W.Farndale等の方法を
用いて測定した(R.W.Farndale et a
l.,Connective Tissue Rese
arch,vol.9,p.247−248,1982
参照)。なお、本実験においては、各群6匹のマウスを
使用した。図2に各群におけるFHC50mg中に含有
されているPG量をGAG量(μg)を指標に表示し
た。この図2より明らかなように、対照群(図2のB)
が投与開始時(FHC埋め込み後7日後)(図2のA)
と比較して有意なFHC中PG量の減少を示したのに対
して、本物質〔Ib-2〕投与群(図2のC)はPG量減少
抑制作用を示した。
【0084】
【発明の効果】本発明による新規エスクレチン誘導体
は、軟骨マトリックスを構成するPGの減少を強く抑制
して軟骨保護作用を示す。またエスクレチンや4−アル
キルエスクレチン等に比較して、軟骨マトリックスへの
取り込みや親和性及び局所での薬物の滞留性が向上す
る。更に低毒性である。従って、本発明のエスクレチン
誘導体は、軟骨保護剤として、慢性関節リウマチ、変形
性関節症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腰痛症等の関
節症の治療に極めて有用な用途を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本明細書の実施例28(2)で行ったFHCマ
ウスモデルにおける、大腿骨頭軟骨(FHC)中への本
発明化合物とエスクレチンとの取り込み量を示すグラフ
である。
【図2】本明細書の実施例28(3)で行ったFHCマ
ウスモデルにおける、FHC中での本発明化合物による
プロテオグリカン量減少抑制作用を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Phytochemistry,31 [4],(1992),p1277−1280 Farm.Zh.(kiev),30 [5],(1975),p44−47

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、単
    糖類残基、保護された単糖類残基、又は水素化分解によ
    り除去することのできる水酸基保護基であって、R
    びRの少なくとも一方は単糖類残基又は保護された単
    糖類残基であり、Rは水素原子、水酸基、アルキル
    基、アリール基、又はアラルキル基であるが、但し、R
    が水素原子であって、(1)RとRがともにグル
    コース残基であること、(2)Rが水素原子又は前記
    水酸基保護基としてのベンジル基であり、Rがグルコ
    ース残基、アセチル化されたグルコース残基、又はアセ
    タール化されたグルコース残基であること、又は(3)
    がグルコース残基であり、Rが水素原子であるこ
    とはないものとする〕で表されるエスクレチン誘導体又
    はその塩。
  2. 【請求項2】 R3 が水素原子、水酸基、炭素数1〜4
    個の低級アルキル基、又はフェニル基である請求項1に
    記載のエスクレチン誘導体又はその塩。
  3. 【請求項3】 保護された単糖類残基が、1〜全部の水
    酸基がアシル化、硫酸エステル化もしくはリン酸エステ
    ル化された単糖類残基であるか、又は、2又は4個の水
    酸基がアセタール化された単糖類残基である請求項1に
    記載のエスクレチン誘導体又はその塩。
  4. 【請求項4】 式(XVI) 【化2】 (式中、R16及びR17はそれぞれ独立に、水素原
    子、保護された単糖類残基、又は水素化分解により除去
    することのできる水酸基保護基であって、R16及びR
    17の少なくとも一方は水素原子であり、Rは水素原
    子、水酸基、アルキル基、アリール基、又はアラルキル
    基である)で表される化合物と、式(IV) 【化3】 (式中、Rは保護された単糖類残基であり、Xはハロ
    ゲン原子である)で表される化合物とを反応させること
    を特徴とする、式(XV) 【化4】 (式中、R14及びR15はそれぞれ独立に、保護され
    た単糖類残基又は水素化分解により除去することのでき
    水酸基保護基であって、R14及びR15の少なくと
    も一方は保護された単糖類残基であるものとし、R
    前記と同じ意味である)で表される化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 相間移動触媒を用いる請求項4に記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 式(XIV) 【化5】 (式中、R12及びR13の一方は単糖類残基、又は保
    護された単糖類残基であり、他方は水素化分解により除
    去することのできる水酸基保護基であり、Rは水素原
    子、水酸基、アルキル基、アリール基、又はアラルキル
    基である)で表される化合物を水素化分解することを特
    徴とする、式(XIII) 【化6】 (式中、R10及びR11の一方は単糖類残基、又は保
    護された単糖類残基であり、他方は水素原子であり、R
    は前記の意味である)で表される化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 式(XII) 【化7】 (式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、保
    護された単糖類残基、又は水素化分解により除去するこ
    とのできる水酸基保護基であって、R及びRの少な
    くとも一方は保護された単糖類残基であり、Rは水素
    原子、水酸基、アルキル基、アリール基、又はアラルキ
    ル基である)で表される化合物の保護された単糖類残基
    を脱保護化することを特徴とする、式(XI) 【化8】 (式中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、単
    糖類残基、又は水素化分解により除去することのできる
    水酸基保護基であって、R及びRの少なくとも一方
    は単糖類残基であり、Rは前記の意味である)で表さ
    れる化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の式(I)で表されるエ
    スクレチン誘導体又は製剤学的に許容することのできる
    その塩を含むことを特徴とする、軟骨保護剤。
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