JP2696135B2 - ロボツトの走査制御方法 - Google Patents
ロボツトの走査制御方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、ワークの被走査領域をエンドエフェクタ
で面走査する際に利用されるロボットの走査制御方法に
関するもので、特に、被走査領域が平面的な形状を有す
る場合の走査制御方法に関する。 (従来の技術とその問題点) 航空機などの製造工程においては、ハニカムパネルな
どの部品の表面またはその内部に存在する傷を発見する
目的で超音波探傷が行なわれる。このような場合、ハニ
カムパネルなどは面状に広がった形状を有しているた
め、超音波プローブを縦横に走査させつつ、被走査領域
全体を漏れなく探傷して行く必要がある。そして、この
ような事情が存在するために探傷にはある程度の熟練が
必要であり、従来は作業員がマニュアルで探傷走査を行
なってきた。 これに対して、このような作業をロボットを用いて効
率的かつ均質に行なおうという試みがある。ところが、
このような試みは従来のロボットの制御方法をほとんど
そのまま用いて走査を行なわせようとするものであるた
めに、種々の問題が生じる。たとえば、従来の切断ロボ
ットや溶接ロボットにおけるティーチング方法をそのま
ま適用すると、被検査領域における縦横の走査の経路を
すべて教示せねばならない。このため、このような方法
ではティーチング操作が複雑になってしまう。また、テ
ィーチング点の選択が適当でなてい場合には所望の面走
査が行なわれないという問題もある。 そして、このような問題は、ロボットを用いて超音波
探傷を行なう場合に限らず、塗装や溶射など、所望の面
状領域をエンドエフェクタで面走査しなければならない
用途にロボットを使用した場合に共通の問題となってい
る。 (発明の目的) この発明は従来技術における上述の問題の克服を意図
しており、被走査領域が平面的な形状を有する場合を対
象として、データ入力が容易であり、かつ面走査が適切
に行なわれるようなロボットの走査制御方法を提供する
ことを目的とする。 (目的を達成するための手段) 上述の目的を達成するため、この発明は、ワークの表
面に設定された平面的な被走査領域にロボットのエンド
エフェクタを対向させた状態で、前記エンドエフェクタ
の走査と送りとを交互に繰返し、それによって前記エン
ドエフェクタによる前記被走査領域の面走査を行なわせ
るための走査制御方法として、(a)前記ワークの平面
部の位置を教示し、(b)前記被走査領域を多角形で表
現するとともに、前記平面部の特定の部位からの相対的
位置関係を指定することによって前記多角形の各頂点の
座標を与え、(c)前記多角形が前記平面部からはみ出
すか否かを判定して、 はみ出さない場合には前記多角形を維持する一方、 はみ出す場合には、前記平面部内にほぼ収まるように
前記多角形を分割してはみ出し部分を縮小し、 (d)前記(c)の工程を経た後の前記多角形の各頂点
の座標と、指定された送りピッチとに応じて、各走査の
端点の座標を演算して求め、(e)前記走査端点を順次
つないで得られる経路に沿って前記エンドエフェクタの
走査と送りとを交互に繰返して、前記被走査領域の面走
査を行なわせるという方法を提供する。 (実施例) A.実施例の機構的構成の概要 第1図は、この発明の一実施例によって走査制御され
るロボットの一例としての、直角座標型超音波探傷ロボ
ットの機構的構成を示す概略斜視図である。同図におい
て、この超音波探傷ロボットRBは、基台1の上に、図示
しないモータM1によってX方向(水平方向)に移動自在
な移動台2を有しており、この移動台2の上にワーク
(図示せず)を載置する。基台1の両側方に垂直に立設
されたコラム3の頂部にはビーム4が架設され、このビ
ーム4には、図のZ方向(垂直方向)に延びるとともに
モータM2によってY方向に移動自在な移動コラム5が設
けられている。 移動コラム5の下端には、モータM3によってZ方向に
上下するモータM4が設けられている。これによって、移
動コラム5の中心軸から偏心した位置に設けられている
アーム6が図のα方向に回転する。また、このアーム6
の下端側方にはモータM5が設けられており、これによっ
て超音波探傷用のエンドエフェクタ100が図のβ方向に
回動する。 これらのうち、エンドエフェクタ100は、第2図に示
すように、二股管101を備えている。この二股管101の端
部開口102a,102bは互いに対向する向きに屈曲してお
り、一方の端部開口102aの中央部には超音波発信子(プ
ローブ)103が設けられている。また、他方の端部開口1
02bの中央部には超音波受信子104が設けられている。こ
れらの発信子103および受信子104は、二股管101の内部
と第1図のガイドパイプ8の内部とを通る配線(図示せ
ず)によって、第1図の超音波探傷装置7に接続されて
いる。 また、この超音波探傷装置7には水供給装置(図示せ
ず)が内蔵されており、この水供給装置からの水は、ガ
イドパイプ8内の配管と、第2図の水供給ホース105a,1
05bとを通して、端部開口102a,102bの空隙部106a,106b
から噴出するようになっている。そして、超音波探傷を
行なう際には、第3図に示すように、端部開口102a,102
b間にワークWを介挿させて水107a,107bをワークWの表
面に噴射する。この状態で超音波発信子103から超音波U
Sを発信し、ワークWを透過して来る超音波USを超音波
受信子104によって受信する。 このようにして受信された超音波USの時間的な遅れや
強度変化などに基いてワークWの傷が検出されるが、こ
の超音波探傷そのものの原理は周知であるため、その詳
細な説明は省略する。 また、第1図のロボットRBには、マイクロコンピュー
タなどを内蔵した制御装置9のほか、操作盤10や外部コ
ンピュータ11が設けられている。これらのうち、制御装
置9は、後述する走査制御などの種々の制御を行なう。
また、走査盤10には、キーボードやディスプレイ等が設
けられている。さらに、外部コンピュータ11は種々の指
令入力や表示などを行なうためのものである。 B.実施例の電気的構成の概略 第4図は、第1図に示したロボットRBの電気的構成の
概略図である。第4図において、制御装置9に内蔵され
たマイクロコンピュータ21には、バスBLを介して、以下
の各機器などが接続されている。 上記モータM1〜M5や、これらのモータM1〜M5の回転角
を検知するエンコーダE1〜E5(第1図中には図示せず)
を含んだ機構駆動系23、 超音波探傷装置7、 操作盤10、 外部コンピュータ11。 C.走査制御の原理 次に、この実施例における走査制御の原理を具体例に
即して説明する。第5図は、ロボットRBの基台1に固定
された絶対座標系S(X,Y,Z)におけるワークWの配置
位置を示す図である。このワークWの表面形状は、頂点
P1〜P4を有する不等辺四角形となっている。ここではま
ず、この不等辺四角形の全面を被走査領域Aとして、こ
の平面的な被走査領域Aに、前述したエンドエフェクタ
100を対向させつつ、被走査領域Aの面走査を行なわせ
る場合を考える。なお、この第5図および後述する第6
図〜第8図は、ワークWの平面部全体が被走査領域とな
っており、この発明における「平面部の特定の部位から
の相対的位置関係を指定することによって(被走査領域
を表現する)多角形の各頂点の座標を与える」という処
理は不要である。このため、これらの図で表現された状
況はこの発明の適用対象そのものではないが、ここで説
明する処理はこの発明の実施例である第9図以降につい
ての処理において利用されるため、まずこれらについて
説明しておく。 後述するように、ワークWの形状および位置に関する
ティーチング情報としては、絶対座標系Sにおける4頂
点P1〜P4の位置情報が与えられる。また、これらの点P1
〜P4におけるエンドエフェクタ100の姿勢情報も与えら
れる。したがって、ティーチングが行なわれた後には、 Pi=(Xi,Yi,Zi,θi,φi) (i=1〜4) …(1) が既知となる。この(1)式のうち、θi,φiはエン
ドエフェクタ100の姿勢をオイラー角で表現したもので
ある。また、以下では、位置ベクトル(Xi,Yi,Zi)を
iと書くことにする。なお、走査速度は頂点P1のティ
ーチング時に入力されている。 一方、この例では、頂点P1〜P4のうち、最初に入力さ
れた2つの頂点P1,P2を結ぶ線分に平行な方向X′を走
査方向とし、被走査領域A内でこの方向X′に直角な方
向Y′を送り方向とする。そして、Y′方向への送りピ
ッチΔPを外部から指定し、X′方向への走査とY′方
向への送りとを交互に繰返すすとによって被走査領域A
の面走査を行なう。このような面走査の動きが、第5図
中に矢印D1で示されている。 このような面走査においては、X′方向の各走査の端
点: Q1j,Q2j (j=0,1,2,…) におけるエンドエフェクタの位置および姿勢情報が必要
となる。この情報は、上記ティーチング点P1〜P4の情報
と送りピッチΔPとによって、次のように求めることが
できる。 まず、第6図に示すような、辺長▲▼の送り
方向Y′への成分L1を求める。この成分L1は次のように
書ける。 L1=p31sinθ1 …(2) ただし、 pij≡|i−j| (i,j=1〜4) …(3) であり、θi(i=1〜4)は、頂点Piにおける頂角で
ある。 一方、ベクトルの内積の定義によって、次の(4)式
が成立する。21 31 =p21p31cosθ1 …(4) ただし、ij ≡i−j (i,j=1〜4) …(5) である。 このため、(2)式を、 のように変形して(4)式を代入すると、次の(7)式
が得られる。 ただし、ijはPjからPiへ向かう単位ベクトルであっ
て、ij ≡(i−j)/|i−j| …(8) のように書ける。また、第7図に示すように、Y方向の
送りピッチΔPに対応する▲▼方向への送りピ
ッチΔP1は、上記と同様にして次のように求まる。 さらに、(7)式および(9)式に対応するものとし
て、辺長▲▼の送り方向Y′への成分L2と、▲
▼方向への送りピッチΔP2とが、それぞれ次の
(10),(11)式のように求まる。 次に、被走査領域Aの面走査に必要な送り回数(走査
分割回数)を求める。この送り回数Nとしては、上記の
ようにして求まったL1およびL2のうちの大きい方をLと
書いたとき、第5図の頂点P4側で最終走査が完了し、
かつY′方向の送り量の累算値が上記L以上となるよ
うな最小の整数を選択する。これらのうち、の条件
は、走査完了後にエンドエフェクタ100が次の作業位置
に動き易いようにするための条件である。また、の条
件は、走査領域Aのすべてをカバーするように走査を行
なうための条件である。したがって、たとえば第8図
(a),(b)に示す点Peが全走査終了点となる。 そして、このような点で全走査を終了させるために必
要とされる送り回数Nは、整数化に関するガウスの記号
を[ ]と書いたとき、次のように表現することができ
る。 ([L/ΔP]+1)が偶数のとき。 N=[L/ΔP]+1 …(12) ([L/ΔP]+1)が奇数のとき。 N=[L/ΔP]+2 …(13) これらの式が導かれる理由は次の通りである。まず、
第8図(a)のように、L/ΔP=5.6である場合を例に
とって考える。すると、[L/ΔP]=5であり、送り方
向にΔPの5.6倍の長さを持つ領域を走査するには、 [L/ΔP]+1=6回(偶数回) の送りを必要とする。 そして、送りの前後で走査を行なうと走査回数が送り
回数より1回だけ多くなるという関係を考慮すると、こ
の6回の送りに伴って7回の走査が行なわれる。この7
回という数は奇数であって、全走査終了点Peが頂点P4側
にあるという条件に合致する。このため、(12)式によ
って走査回数Nを定めればよいわけである。 次に、第8図(b)のように、L/ΔP=4.8である場
合を考える。すると[L/ΔP]=4であり、4.8ΔPの
区間を走査するには、 [L/ΔP]+1=5回(奇数回) の送りを必要とする。そして、5回の送りに伴う走査回
数は6回である。 ところが、6回の走査では頂点P3側で全走査が終了し
てしまう。したがって、頂点P4側で全走査を終えるよう
にするには、さらに1回の送りを加えて、 [L/ΔP]+2=6回 の送りとするわけである。 このようにして(12)式および(13)式が得られたわ
けであるが、この(12),(13)式をまとめると、次の
(14)式のように書くことができる。 N=2[([L/ΔP]+2)/2] …(14) この(14)式が(12),(13)式と同等のものである
ことは、次のようにして証明できる。 まず、([L/ΔP]+1)が偶数のときには、mを0
または正の整数として、 [L/ΔP]+1=2m と書けるが、これを(14)式に代入すると、 N=2[(2m+1)/2] =2m =[L/ΔP]+1 となり、(12)式と一致する。 また、([L/ΔP]+1)が奇数であるときには、 [L/ΔP]+1=2m+1 と書けるが、これを(14)式に代入すると、 N=2[(2m+2)/2] =2m+2 =[L/ΔP]+2 となり、(13)式と一致する。 このように、(14)式は、(12),(13)式と同等の
式となっていることがわかる。 ところで、長さLが送りピッチΔPの倍数になってい
るときには、 L/ΔP=[L/ΔP] であり、[L/ΔP]回の贈りによって被走査領域Aの全
体をカバーすることができる。したがって、このときに
は特別に、次のようにすることができる。 (L/ΔP)が奇数、 つまり、(L/ΔP+1)が偶数のとき。 N=(L/ΔP)+1 …(15) (L/ΔP)が偶数、 つまり、(L/ΔP+1)が奇数のとき。 N=(L/ΔP) …(16) これは、第8図(a),(b)でLをそれぞれ5ΔP,
4ΔPとしてみると容易に理解できる。ただし、(1
2),(13)式と(15),(16)式との相違は、(L/Δ
P)が偶数であるときに送り回数が2回ほど違うのみで
ある。このため、実用上は、(12),(13)式またはそ
れと等価な(14)式を利用して送り回数Nを定めればよ
い。 以上のようにして送り回数Nが求まると、第5図の各
走査端点Q1j,Q2j(j=0,1,…)のそれぞれの位置座標
1j,2jおよび姿勢θ1j,φ1j,θ2j,φ2j(j=0,
1,…)を、次のように定めることができる。1j =1+jΔP1 31 …(17) θ1j=θ1+jθ31/N …(18) φ1j=φ1+jφ31/N …(19)2j =2+jΔP2 42 …(20) θ2j=θ2+jθ42/N …(21) φ2j=φ2+jφ42/N …(22) (j=0,1,2,…,N) ただし、 θ31≡θ3−θ1,θ42≡θ4−θ2 φ31≡φ3−φ1,φ42≡φ4−φ2 …(23) であり、走査回数Mは、 M=N+1 によって与えられる。 さらに、ここで考えているような平面的な形状を有す
る被走査領域Aにおいては、エンドエフェクタ100の姿
勢は各頂点P1〜P4の間で同一とするのが通例であるが、
ティーチング誤差や各頂点間で姿勢を変えなければなら
ない格別の事情が存在する場合を考慮して、上記(1
8),(19),(21),(22)式のように、姿勢につい
ても補間を行なうようにしている。 このような原理によって、第5図の頂点P1〜P4の位置
・姿勢情報と送りピッチΔPに関する情報とから、被走
査領域Aの面走査に必要なデータを得ることができる。 次に、被走査領域がワークWの平面部の一部分である
場合の制限原理について説明する。第9図はこのような
場合を例示する図であり、矩形の被走査領域A′が想定
されており、このような場合がこの発明の代表的適用対
象例となる。特に、後述する第11図には、多角形の縮小
補正例が図示されている。既述したように、第5図〜第
8図を参照して説明した処理がこの例に組み込まれて利
用される。 第9図の被走査領域A′は、走査方向X′に平行な2
辺▲▼,▲▼と、送り方向Y′に平行
な2辺▲▼,▲▼とによって形成され
ており、その頂点がR1〜R4となっている。 したがって、これらの頂点R1〜R4におけるエンドエフ
ェクタ100の位置・姿勢情報がわかれば、走査経路等に
ついてのデータは、既述した各式におけるP1〜P4をR1〜
R4に読替えることによって得ることができる。 この頂点R1〜R4に関する情報は、直接、ティーチング
を行なって与えることもできるが、ここでは他の方法を
用いる。すなわち、まず、第10図に示すように、ワーク
Wそのものの頂点P1を原点とし、走査方向X′および送
り方向Y′を座標軸として、ワークWの平面部に固定さ
れた局所座標系S′を考える。この座標系S′は、第5
図に示した座標系(X′,Y′)と同様のものであり、第
10図では、その原点位置が頂点P1の位置にあることを明
確に示しただけである。そして、この座標系S′におけ
る頂点R1の2次元位置座標(a,b)と、X′,Y′方向の
辺の長さΔa,Δbとを指定し、それに基いて、第9図の
絶対座標系Sにおける頂点R1〜R4の3次元座標を求め
る。これは、具体的には次のようにして求めることがで
きる。 まず、被走査領域A′を形成する辺▲▼2,▲
▼4の延長線が、ワークW自体の辺▲
▼,▲▼4と交わる点を、それぞれK1〜K4(第10
図参照)とし、絶対座標系Sにおけるそれらの位置座標
を1〜4とする。すると、これらは、(17),(2
0)式においてj=1とし、かつこの(17),(20)式
中に現れるΔP1,ΔP2として、(9),(11)式のΔP
をbに置換した値を用いることによって、次のように書
くことができる。1 =1+bF1 31 …(24)2 =2+bF2 42 …(25)3 =1+(b+Δb)F1 31 …(26)4 =2+(b+Δb)F2 42 …(27) ただし、F1,F2は次のように定義される。 次に、絶対座標系Sにおける頂点R1の座標を、座標
系S′における点g1=(a,0)を通り、かつ座標軸X′
に直角な平面π(第10図参照)と、直線▲▼2
との交点の座標として求める。まず、平面πは、絶対座
標系Sにおけるベクトル21の方向余弦: l1=(X2−X1)/p21 …(30) m1=(Y2−Y1)/p21 …(31) n1=(Z2−Z1)/p21 …(32) を用いて、 l1X+m1Y+n1Z+D=0 …(33) と書ける。ただし、Dは定数である。 一方、絶対座標系Sにおける点g1の3次元座標: (g1x,g1Y,g1Z) は、次のように書くことができる。 g1X=al1+X1 …(34) g1Y=am1+Y1 …(35) g1Z=an1+Z1 …(36) したがって、(33)式の平面πが(34)〜(36)式の
座標値を有する点g1を通ることから、(33)式の定数D
は、 D=−(l1g1X+m1g1Y+n1g1Z) …(37) となることがわかる。 一方、直線▲▼2の式は次のようにして求め
る。まず、絶対座標系Sにおける点1,2の3次元
座標を、それぞれ、1 =(k1X,k1Y,k1Z) …(38)2 =(k2X,k2Y,k2Z) …(30) とすると、線分K1K2の方向余弦l2,m2,n2は、 l2=(k2X−k1X)/k21 …(40) m2=(k2Y−k1Y)/k21 …(41) n2=(k2Z−k1Z)/k21 …(42) となる。ただし、k21は、 k21≡|21|≡|1−1| …(43) で定義される。 そして、直線▲▼2の方程式は、tをパラメー
タとして、連立方程式: (X−k1X)/l2=t …(44) (Y−k1Y)/m2=t …(45) (Z−k1Z)/n2=t …(46) で表現することができる。 したがって、絶対座標系Sにおける頂点R1の位置座標
を求めるために、(44)〜(46)式を(33)式に代入す
ると、 l1(k1X+l2t)+m1(k1Y+m2t)+n1(k1Z+n2t)=0
…(47) となり、この(47)式からtを定めると、 t=−H12/G12 …(48) H12≡l1k1X+m1k1Y+n1k1Z+D G12≡l1l2+m1m2+n1n2 …(49) となる。ただし、ここで考えている場合のように、辺▲
▼2と直線▲▼2とが平行である場合に
は、l1=l2,m1=m2,…であるため、 G12=l1 2+m1 2+n1 2=1 となる。 したがって、(48),(49)式によって定まるtの値
を(44)〜(46)式に代入して得られる(X,Y,Z)が、
頂点R1の座標(r1X,r1Y,r1Z)となる。具体的には、
(48)式で定まるtの値をt0と書けば、 r1X=l2t0+k1X …(50) r1Y=m2t0+k1Y …(51) r1Z=n2t0+k1Z …(52) である。 一方、頂点R1におけるエンドエフェクタ100の姿勢は
次のようにして求まる。まず、ワークWの頂点P1〜4に
おける姿勢を内挿することによって、点K1,K2における
姿勢(θK1,φK1),(θK2,φK2)は、 θK1=θ1+(b/L1)θ31 …(53) φK1=φ1+(b/L1)θ31 …(54) θK2=θ2+(b/L2)θ42 …(55) φK2=φ2+(b/L2)θ42 …(56) のように定まる。そして、点K1,K2での姿勢を内挿する
ことによって、頂点R1における姿勢(θR1,φR1)が、 θR1=θK1+C1(θK2−θK1) …(57) φR1=φR1+C1(φK2−φK1) …(58) のように定まる。ただし、 C1=|1−1|/|2−1| …(59) である。 他の頂点R2〜R4における位置や姿勢も、上記と同様に
して求めることができる。 ところで、a,b,Δa,Δbの値は任意に与えるものであ
るため、場合によっては、これらの値によって定まる被
走査領域A′がワークWの外部にはみ出してしまうこと
もある。このときには、はみ出した部分について無用の
走査を行なうことになるため、このような「はみ出し部
分」を除いて走査を行なうことが望ましい。そこで、こ
の実施例では、下記の基準に基づいて走査範囲を限定す
る。ただし、a,b,Δa,Δbはすべて正の値であるとす
る。 b≧Lのとき。 このときには、第11図(a)に示すように被走査領域
A′がワークWの外部に出てしまうため、走査を行なわ
ない。 b<L,(b+Δb)≧Lのとき。 このときには、第11図(b)のような状態となるた
め、Δbを Δb=L−b によって再定義し、それによって定まる斜線領域を走査
する。 頂点R1と点K1との関係において、 (r1X−k1X)/l2 =(r1Y−k1Y)/m2 =(r1Z−k1Z)/n2=t1 …(60) によってt1を定義したとき、 (イ)t1≦0ならば、第11図(c)のように頂点R1が点
K1よりも外側に出ていることになるため、点K1の座標を
用いて、頂点R1の座標1を1 =1 …(61) のように再定義する。 (ロ)t1>0ならば、さらに、頂点R1と点K2との関係に
おいて、 (k2X−r1X)/l2 =(k2Y−r1Y)/m2 =(k2Z−r1Z)/n2=t2 …(62) のようにt2を定義する。そして、t2≦0ならば、第11図
(d)のようになっているため、点R1の座標として前述
した式((50)〜(52)式)で求まった座標をそのまま
使用する。逆に、t2>0ならば第11図(e)のようにな
っているため、走査は行なわない。なお、このの基準
は頂点R3と点K3,K4との関係にも適用される。 頂点R2と点K2との関係において、 (r2X−k2X)/l2 =(r2Y−k2Y)/m2 =(r2Z−k2Z)/n2=t3 …(63) によってt3を定義したとき、 (イ)t3≦0ならば第11図(f)のようになっているた
め、頂点R2の座標として、既に求まっている座標値をそ
のまま用いる。 (ロ)t3>0ならば第11図(g)のようになっているた
め、点K2の座標2を用いて頂点R2の座標2を、2 =2 …(64) のように再定義する。なお、このの基準は、頂点R4と
点K4との関係においても適用される。 D.制御動作 以上の原理のもとで、第1図ないし第4図に示したロ
ボットの制御を行なう際の動作を、第12図に示したフロ
ーチャートを参照しつつ説明する。 まず、第12図のステップS1では、ティーチングを行な
う。このティーチング操作のうち、面走査を行なう部分
についてのティーチング順序などが第13図に示されてい
る。すなわち、図中、白丸で示した位置がティーチング
点であり、記号Tを付した数字がティーチング順序を示
している。また、“Mod"は、補間モードを示すデータで
ある。ただし、ここではすべて直線補間を行なうため、
各ティーチング点でMod=“1"(直線補間モード)とさ
れている。また、走査領域Aを規定する4つの頂点P1〜
P4についてティーチングを行なう際には、“PLS"で示す
ように、走査領域Aの頂点である棟を指示するデータを
あわせて入力しておく。 第12図の次のステップS2では、操作盤10や外部コンピ
ュータ11のキーボードなどから、送りピッチΔP値を入
力してメモリ(図示せず)中にストアしておく。また、
実際に走査を行なわせたい領域がワークWの一部分のみ
であるときには、第13図のa,b,Δa,Δbの値も入力す
る。次のステップS3では、被走査領域として領域A′
(つまり、ワークWの平面部の一部分)が指定されたか
どうかを判断し、そうであれば、ステップS4に移って、
頂点R1〜R4に関する位置姿勢などを求め、それによって
被走査領域A′の位置やサイズを確定する。ただし、こ
のステップS4では、第11図を参照して説明したような判
断やデータ修正も行なわれる。そして、ステップS5で
は、(12),(13)式などに基いて、送り回数N(ない
しは走査回数M)を演算して求める。 その後のステップS6においては、オペレータがモード
スイッチおよびスタートボタン(ともに図示せず。)を
用いて、再生動作を開始させる。この再生動作のうち、
面走査に関係する部分のみを説明すると、まず、ステッ
プS7において、次の走査線についての走査端点Q1j,Q2j
の位置や、これらにおけるエンドエフェクタ100の姿勢
を、(17)〜(22)式などに基いて計算する。そして、
これらの端点Q1j,Q2jの間について直線補間などの補間
演算を行なう(ステップS8)。 このようにしてエンドエフェクタ100が移動すべき位
置や姿勢が定まると、次のステップS9においてエンドエ
フェクタ100の位置・姿勢制御を行なってX′方向への
走査を実行するとともに、超音波探傷による探傷データ
を取込む。そして、1回の走査が完了すると、ステップ
S10において、それが最終の走査線であったか否かが判
断される。 最終走査線でないときには、ステップS11において、
辺P1P3またはP2P4方向への、ΔP1またはΔP2だけの送り
を行ない、次のステップS12で走査線を更新した後にス
テップS7へと戻る。これによって、走査と送りとが交互
に行なわれつつ、超音波探傷が進んで行く。 そして、送り回数Nだけの送りを行なうとステップS1
0の判断が“YES"となって、被走査領域A(または
A′)の面走査が完了する。 このようなルーチンに基くエンドエフェクタ100の軌
跡を第14図に太線で示す。このうち、第14図(a)はワ
ークWの平面部の全面走査の場合である。また同図
(b)は部分走査の場合である。第12図のフローチャー
トには示さなかったが、部分走査の場合には、第14図
(b)に示すように、エンドエフェクタ100が頂点R1お
よび点K1を経由した後に被走査領域A′に入るようにす
る。走査後も辺▲▼4に沿って頂点R4へ移動した
後にこのワークWから通過するようにしておく。 E.変形例 以上、この発明の一実施例について説明したが、この
発明は上記実施例に限定されるものではなく、たとえば
次のような変形も可能である。 この発明は四角形の被走査領域のみならず、五角形
や三角形などの他の多角形にも適用可能である。それら
の走査にあたっては、一度に全走査を行ってもよく、ま
た複数の四角形に分割して別個に面走査を行ってもよ
い。 上記実施例では、被走査領域を表現する多角形のひ
とつの辺に平行な方向を走査方向としているが、他の方
向を選択することも可能である。 ロボットの機構的構成も特に限定するものではない
が、被走査領域が平面であるという関係上、直角座標型
ロボットが最も適している。また、多角形の頂点のデー
タを数値的に入力してもよい。この発明は、超音波探傷
ロボットのみならず、塗装ロボットや溶射ロボットな
ど、面走査を必要とするすべてのロボットの制御に適用
可能である。 (発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、被走査領域
を表現する多角形の各頂点の座標を与えるとともに、送
りピッチを指定すると、被走査領域の面走査が行なわれ
ることになるため、データ入力が容易であり、かつ被走
査領域の面走査を適切に行うことができるロボットの走
査制御方法を得ることができる。 また、この発明では、被走査領域を表現する多角形は
ワークの平面部からの相対的位置関係を指定することに
よって特定されるとともに、この多角形が平面部からは
み出す場合には、平面部内に収まるように多角形を縮小
する。このため、平面部からのはみ出し部分まで無用な
面走査を行ってしまうことが防止され、ワークへの処理
走査の際に必要な領域のみについての面走査を行うこと
により効率の高い面走査が可能である。 さらに、この発明では平面部の特定の部位(実施例で
言えば第10図の辺P1P2)からの相対的位置関係だけを指
定するだけで足りるため、被走査領域を特定するための
演算量が少なくて済むという利点もある。
で面走査する際に利用されるロボットの走査制御方法に
関するもので、特に、被走査領域が平面的な形状を有す
る場合の走査制御方法に関する。 (従来の技術とその問題点) 航空機などの製造工程においては、ハニカムパネルな
どの部品の表面またはその内部に存在する傷を発見する
目的で超音波探傷が行なわれる。このような場合、ハニ
カムパネルなどは面状に広がった形状を有しているた
め、超音波プローブを縦横に走査させつつ、被走査領域
全体を漏れなく探傷して行く必要がある。そして、この
ような事情が存在するために探傷にはある程度の熟練が
必要であり、従来は作業員がマニュアルで探傷走査を行
なってきた。 これに対して、このような作業をロボットを用いて効
率的かつ均質に行なおうという試みがある。ところが、
このような試みは従来のロボットの制御方法をほとんど
そのまま用いて走査を行なわせようとするものであるた
めに、種々の問題が生じる。たとえば、従来の切断ロボ
ットや溶接ロボットにおけるティーチング方法をそのま
ま適用すると、被検査領域における縦横の走査の経路を
すべて教示せねばならない。このため、このような方法
ではティーチング操作が複雑になってしまう。また、テ
ィーチング点の選択が適当でなてい場合には所望の面走
査が行なわれないという問題もある。 そして、このような問題は、ロボットを用いて超音波
探傷を行なう場合に限らず、塗装や溶射など、所望の面
状領域をエンドエフェクタで面走査しなければならない
用途にロボットを使用した場合に共通の問題となってい
る。 (発明の目的) この発明は従来技術における上述の問題の克服を意図
しており、被走査領域が平面的な形状を有する場合を対
象として、データ入力が容易であり、かつ面走査が適切
に行なわれるようなロボットの走査制御方法を提供する
ことを目的とする。 (目的を達成するための手段) 上述の目的を達成するため、この発明は、ワークの表
面に設定された平面的な被走査領域にロボットのエンド
エフェクタを対向させた状態で、前記エンドエフェクタ
の走査と送りとを交互に繰返し、それによって前記エン
ドエフェクタによる前記被走査領域の面走査を行なわせ
るための走査制御方法として、(a)前記ワークの平面
部の位置を教示し、(b)前記被走査領域を多角形で表
現するとともに、前記平面部の特定の部位からの相対的
位置関係を指定することによって前記多角形の各頂点の
座標を与え、(c)前記多角形が前記平面部からはみ出
すか否かを判定して、 はみ出さない場合には前記多角形を維持する一方、 はみ出す場合には、前記平面部内にほぼ収まるように
前記多角形を分割してはみ出し部分を縮小し、 (d)前記(c)の工程を経た後の前記多角形の各頂点
の座標と、指定された送りピッチとに応じて、各走査の
端点の座標を演算して求め、(e)前記走査端点を順次
つないで得られる経路に沿って前記エンドエフェクタの
走査と送りとを交互に繰返して、前記被走査領域の面走
査を行なわせるという方法を提供する。 (実施例) A.実施例の機構的構成の概要 第1図は、この発明の一実施例によって走査制御され
るロボットの一例としての、直角座標型超音波探傷ロボ
ットの機構的構成を示す概略斜視図である。同図におい
て、この超音波探傷ロボットRBは、基台1の上に、図示
しないモータM1によってX方向(水平方向)に移動自在
な移動台2を有しており、この移動台2の上にワーク
(図示せず)を載置する。基台1の両側方に垂直に立設
されたコラム3の頂部にはビーム4が架設され、このビ
ーム4には、図のZ方向(垂直方向)に延びるとともに
モータM2によってY方向に移動自在な移動コラム5が設
けられている。 移動コラム5の下端には、モータM3によってZ方向に
上下するモータM4が設けられている。これによって、移
動コラム5の中心軸から偏心した位置に設けられている
アーム6が図のα方向に回転する。また、このアーム6
の下端側方にはモータM5が設けられており、これによっ
て超音波探傷用のエンドエフェクタ100が図のβ方向に
回動する。 これらのうち、エンドエフェクタ100は、第2図に示
すように、二股管101を備えている。この二股管101の端
部開口102a,102bは互いに対向する向きに屈曲してお
り、一方の端部開口102aの中央部には超音波発信子(プ
ローブ)103が設けられている。また、他方の端部開口1
02bの中央部には超音波受信子104が設けられている。こ
れらの発信子103および受信子104は、二股管101の内部
と第1図のガイドパイプ8の内部とを通る配線(図示せ
ず)によって、第1図の超音波探傷装置7に接続されて
いる。 また、この超音波探傷装置7には水供給装置(図示せ
ず)が内蔵されており、この水供給装置からの水は、ガ
イドパイプ8内の配管と、第2図の水供給ホース105a,1
05bとを通して、端部開口102a,102bの空隙部106a,106b
から噴出するようになっている。そして、超音波探傷を
行なう際には、第3図に示すように、端部開口102a,102
b間にワークWを介挿させて水107a,107bをワークWの表
面に噴射する。この状態で超音波発信子103から超音波U
Sを発信し、ワークWを透過して来る超音波USを超音波
受信子104によって受信する。 このようにして受信された超音波USの時間的な遅れや
強度変化などに基いてワークWの傷が検出されるが、こ
の超音波探傷そのものの原理は周知であるため、その詳
細な説明は省略する。 また、第1図のロボットRBには、マイクロコンピュー
タなどを内蔵した制御装置9のほか、操作盤10や外部コ
ンピュータ11が設けられている。これらのうち、制御装
置9は、後述する走査制御などの種々の制御を行なう。
また、走査盤10には、キーボードやディスプレイ等が設
けられている。さらに、外部コンピュータ11は種々の指
令入力や表示などを行なうためのものである。 B.実施例の電気的構成の概略 第4図は、第1図に示したロボットRBの電気的構成の
概略図である。第4図において、制御装置9に内蔵され
たマイクロコンピュータ21には、バスBLを介して、以下
の各機器などが接続されている。 上記モータM1〜M5や、これらのモータM1〜M5の回転角
を検知するエンコーダE1〜E5(第1図中には図示せず)
を含んだ機構駆動系23、 超音波探傷装置7、 操作盤10、 外部コンピュータ11。 C.走査制御の原理 次に、この実施例における走査制御の原理を具体例に
即して説明する。第5図は、ロボットRBの基台1に固定
された絶対座標系S(X,Y,Z)におけるワークWの配置
位置を示す図である。このワークWの表面形状は、頂点
P1〜P4を有する不等辺四角形となっている。ここではま
ず、この不等辺四角形の全面を被走査領域Aとして、こ
の平面的な被走査領域Aに、前述したエンドエフェクタ
100を対向させつつ、被走査領域Aの面走査を行なわせ
る場合を考える。なお、この第5図および後述する第6
図〜第8図は、ワークWの平面部全体が被走査領域とな
っており、この発明における「平面部の特定の部位から
の相対的位置関係を指定することによって(被走査領域
を表現する)多角形の各頂点の座標を与える」という処
理は不要である。このため、これらの図で表現された状
況はこの発明の適用対象そのものではないが、ここで説
明する処理はこの発明の実施例である第9図以降につい
ての処理において利用されるため、まずこれらについて
説明しておく。 後述するように、ワークWの形状および位置に関する
ティーチング情報としては、絶対座標系Sにおける4頂
点P1〜P4の位置情報が与えられる。また、これらの点P1
〜P4におけるエンドエフェクタ100の姿勢情報も与えら
れる。したがって、ティーチングが行なわれた後には、 Pi=(Xi,Yi,Zi,θi,φi) (i=1〜4) …(1) が既知となる。この(1)式のうち、θi,φiはエン
ドエフェクタ100の姿勢をオイラー角で表現したもので
ある。また、以下では、位置ベクトル(Xi,Yi,Zi)を
iと書くことにする。なお、走査速度は頂点P1のティ
ーチング時に入力されている。 一方、この例では、頂点P1〜P4のうち、最初に入力さ
れた2つの頂点P1,P2を結ぶ線分に平行な方向X′を走
査方向とし、被走査領域A内でこの方向X′に直角な方
向Y′を送り方向とする。そして、Y′方向への送りピ
ッチΔPを外部から指定し、X′方向への走査とY′方
向への送りとを交互に繰返すすとによって被走査領域A
の面走査を行なう。このような面走査の動きが、第5図
中に矢印D1で示されている。 このような面走査においては、X′方向の各走査の端
点: Q1j,Q2j (j=0,1,2,…) におけるエンドエフェクタの位置および姿勢情報が必要
となる。この情報は、上記ティーチング点P1〜P4の情報
と送りピッチΔPとによって、次のように求めることが
できる。 まず、第6図に示すような、辺長▲▼の送り
方向Y′への成分L1を求める。この成分L1は次のように
書ける。 L1=p31sinθ1 …(2) ただし、 pij≡|i−j| (i,j=1〜4) …(3) であり、θi(i=1〜4)は、頂点Piにおける頂角で
ある。 一方、ベクトルの内積の定義によって、次の(4)式
が成立する。21 31 =p21p31cosθ1 …(4) ただし、ij ≡i−j (i,j=1〜4) …(5) である。 このため、(2)式を、 のように変形して(4)式を代入すると、次の(7)式
が得られる。 ただし、ijはPjからPiへ向かう単位ベクトルであっ
て、ij ≡(i−j)/|i−j| …(8) のように書ける。また、第7図に示すように、Y方向の
送りピッチΔPに対応する▲▼方向への送りピ
ッチΔP1は、上記と同様にして次のように求まる。 さらに、(7)式および(9)式に対応するものとし
て、辺長▲▼の送り方向Y′への成分L2と、▲
▼方向への送りピッチΔP2とが、それぞれ次の
(10),(11)式のように求まる。 次に、被走査領域Aの面走査に必要な送り回数(走査
分割回数)を求める。この送り回数Nとしては、上記の
ようにして求まったL1およびL2のうちの大きい方をLと
書いたとき、第5図の頂点P4側で最終走査が完了し、
かつY′方向の送り量の累算値が上記L以上となるよ
うな最小の整数を選択する。これらのうち、の条件
は、走査完了後にエンドエフェクタ100が次の作業位置
に動き易いようにするための条件である。また、の条
件は、走査領域Aのすべてをカバーするように走査を行
なうための条件である。したがって、たとえば第8図
(a),(b)に示す点Peが全走査終了点となる。 そして、このような点で全走査を終了させるために必
要とされる送り回数Nは、整数化に関するガウスの記号
を[ ]と書いたとき、次のように表現することができ
る。 ([L/ΔP]+1)が偶数のとき。 N=[L/ΔP]+1 …(12) ([L/ΔP]+1)が奇数のとき。 N=[L/ΔP]+2 …(13) これらの式が導かれる理由は次の通りである。まず、
第8図(a)のように、L/ΔP=5.6である場合を例に
とって考える。すると、[L/ΔP]=5であり、送り方
向にΔPの5.6倍の長さを持つ領域を走査するには、 [L/ΔP]+1=6回(偶数回) の送りを必要とする。 そして、送りの前後で走査を行なうと走査回数が送り
回数より1回だけ多くなるという関係を考慮すると、こ
の6回の送りに伴って7回の走査が行なわれる。この7
回という数は奇数であって、全走査終了点Peが頂点P4側
にあるという条件に合致する。このため、(12)式によ
って走査回数Nを定めればよいわけである。 次に、第8図(b)のように、L/ΔP=4.8である場
合を考える。すると[L/ΔP]=4であり、4.8ΔPの
区間を走査するには、 [L/ΔP]+1=5回(奇数回) の送りを必要とする。そして、5回の送りに伴う走査回
数は6回である。 ところが、6回の走査では頂点P3側で全走査が終了し
てしまう。したがって、頂点P4側で全走査を終えるよう
にするには、さらに1回の送りを加えて、 [L/ΔP]+2=6回 の送りとするわけである。 このようにして(12)式および(13)式が得られたわ
けであるが、この(12),(13)式をまとめると、次の
(14)式のように書くことができる。 N=2[([L/ΔP]+2)/2] …(14) この(14)式が(12),(13)式と同等のものである
ことは、次のようにして証明できる。 まず、([L/ΔP]+1)が偶数のときには、mを0
または正の整数として、 [L/ΔP]+1=2m と書けるが、これを(14)式に代入すると、 N=2[(2m+1)/2] =2m =[L/ΔP]+1 となり、(12)式と一致する。 また、([L/ΔP]+1)が奇数であるときには、 [L/ΔP]+1=2m+1 と書けるが、これを(14)式に代入すると、 N=2[(2m+2)/2] =2m+2 =[L/ΔP]+2 となり、(13)式と一致する。 このように、(14)式は、(12),(13)式と同等の
式となっていることがわかる。 ところで、長さLが送りピッチΔPの倍数になってい
るときには、 L/ΔP=[L/ΔP] であり、[L/ΔP]回の贈りによって被走査領域Aの全
体をカバーすることができる。したがって、このときに
は特別に、次のようにすることができる。 (L/ΔP)が奇数、 つまり、(L/ΔP+1)が偶数のとき。 N=(L/ΔP)+1 …(15) (L/ΔP)が偶数、 つまり、(L/ΔP+1)が奇数のとき。 N=(L/ΔP) …(16) これは、第8図(a),(b)でLをそれぞれ5ΔP,
4ΔPとしてみると容易に理解できる。ただし、(1
2),(13)式と(15),(16)式との相違は、(L/Δ
P)が偶数であるときに送り回数が2回ほど違うのみで
ある。このため、実用上は、(12),(13)式またはそ
れと等価な(14)式を利用して送り回数Nを定めればよ
い。 以上のようにして送り回数Nが求まると、第5図の各
走査端点Q1j,Q2j(j=0,1,…)のそれぞれの位置座標
1j,2jおよび姿勢θ1j,φ1j,θ2j,φ2j(j=0,
1,…)を、次のように定めることができる。1j =1+jΔP1 31 …(17) θ1j=θ1+jθ31/N …(18) φ1j=φ1+jφ31/N …(19)2j =2+jΔP2 42 …(20) θ2j=θ2+jθ42/N …(21) φ2j=φ2+jφ42/N …(22) (j=0,1,2,…,N) ただし、 θ31≡θ3−θ1,θ42≡θ4−θ2 φ31≡φ3−φ1,φ42≡φ4−φ2 …(23) であり、走査回数Mは、 M=N+1 によって与えられる。 さらに、ここで考えているような平面的な形状を有す
る被走査領域Aにおいては、エンドエフェクタ100の姿
勢は各頂点P1〜P4の間で同一とするのが通例であるが、
ティーチング誤差や各頂点間で姿勢を変えなければなら
ない格別の事情が存在する場合を考慮して、上記(1
8),(19),(21),(22)式のように、姿勢につい
ても補間を行なうようにしている。 このような原理によって、第5図の頂点P1〜P4の位置
・姿勢情報と送りピッチΔPに関する情報とから、被走
査領域Aの面走査に必要なデータを得ることができる。 次に、被走査領域がワークWの平面部の一部分である
場合の制限原理について説明する。第9図はこのような
場合を例示する図であり、矩形の被走査領域A′が想定
されており、このような場合がこの発明の代表的適用対
象例となる。特に、後述する第11図には、多角形の縮小
補正例が図示されている。既述したように、第5図〜第
8図を参照して説明した処理がこの例に組み込まれて利
用される。 第9図の被走査領域A′は、走査方向X′に平行な2
辺▲▼,▲▼と、送り方向Y′に平行
な2辺▲▼,▲▼とによって形成され
ており、その頂点がR1〜R4となっている。 したがって、これらの頂点R1〜R4におけるエンドエフ
ェクタ100の位置・姿勢情報がわかれば、走査経路等に
ついてのデータは、既述した各式におけるP1〜P4をR1〜
R4に読替えることによって得ることができる。 この頂点R1〜R4に関する情報は、直接、ティーチング
を行なって与えることもできるが、ここでは他の方法を
用いる。すなわち、まず、第10図に示すように、ワーク
Wそのものの頂点P1を原点とし、走査方向X′および送
り方向Y′を座標軸として、ワークWの平面部に固定さ
れた局所座標系S′を考える。この座標系S′は、第5
図に示した座標系(X′,Y′)と同様のものであり、第
10図では、その原点位置が頂点P1の位置にあることを明
確に示しただけである。そして、この座標系S′におけ
る頂点R1の2次元位置座標(a,b)と、X′,Y′方向の
辺の長さΔa,Δbとを指定し、それに基いて、第9図の
絶対座標系Sにおける頂点R1〜R4の3次元座標を求め
る。これは、具体的には次のようにして求めることがで
きる。 まず、被走査領域A′を形成する辺▲▼2,▲
▼4の延長線が、ワークW自体の辺▲
▼,▲▼4と交わる点を、それぞれK1〜K4(第10
図参照)とし、絶対座標系Sにおけるそれらの位置座標
を1〜4とする。すると、これらは、(17),(2
0)式においてj=1とし、かつこの(17),(20)式
中に現れるΔP1,ΔP2として、(9),(11)式のΔP
をbに置換した値を用いることによって、次のように書
くことができる。1 =1+bF1 31 …(24)2 =2+bF2 42 …(25)3 =1+(b+Δb)F1 31 …(26)4 =2+(b+Δb)F2 42 …(27) ただし、F1,F2は次のように定義される。 次に、絶対座標系Sにおける頂点R1の座標を、座標
系S′における点g1=(a,0)を通り、かつ座標軸X′
に直角な平面π(第10図参照)と、直線▲▼2
との交点の座標として求める。まず、平面πは、絶対座
標系Sにおけるベクトル21の方向余弦: l1=(X2−X1)/p21 …(30) m1=(Y2−Y1)/p21 …(31) n1=(Z2−Z1)/p21 …(32) を用いて、 l1X+m1Y+n1Z+D=0 …(33) と書ける。ただし、Dは定数である。 一方、絶対座標系Sにおける点g1の3次元座標: (g1x,g1Y,g1Z) は、次のように書くことができる。 g1X=al1+X1 …(34) g1Y=am1+Y1 …(35) g1Z=an1+Z1 …(36) したがって、(33)式の平面πが(34)〜(36)式の
座標値を有する点g1を通ることから、(33)式の定数D
は、 D=−(l1g1X+m1g1Y+n1g1Z) …(37) となることがわかる。 一方、直線▲▼2の式は次のようにして求め
る。まず、絶対座標系Sにおける点1,2の3次元
座標を、それぞれ、1 =(k1X,k1Y,k1Z) …(38)2 =(k2X,k2Y,k2Z) …(30) とすると、線分K1K2の方向余弦l2,m2,n2は、 l2=(k2X−k1X)/k21 …(40) m2=(k2Y−k1Y)/k21 …(41) n2=(k2Z−k1Z)/k21 …(42) となる。ただし、k21は、 k21≡|21|≡|1−1| …(43) で定義される。 そして、直線▲▼2の方程式は、tをパラメー
タとして、連立方程式: (X−k1X)/l2=t …(44) (Y−k1Y)/m2=t …(45) (Z−k1Z)/n2=t …(46) で表現することができる。 したがって、絶対座標系Sにおける頂点R1の位置座標
を求めるために、(44)〜(46)式を(33)式に代入す
ると、 l1(k1X+l2t)+m1(k1Y+m2t)+n1(k1Z+n2t)=0
…(47) となり、この(47)式からtを定めると、 t=−H12/G12 …(48) H12≡l1k1X+m1k1Y+n1k1Z+D G12≡l1l2+m1m2+n1n2 …(49) となる。ただし、ここで考えている場合のように、辺▲
▼2と直線▲▼2とが平行である場合に
は、l1=l2,m1=m2,…であるため、 G12=l1 2+m1 2+n1 2=1 となる。 したがって、(48),(49)式によって定まるtの値
を(44)〜(46)式に代入して得られる(X,Y,Z)が、
頂点R1の座標(r1X,r1Y,r1Z)となる。具体的には、
(48)式で定まるtの値をt0と書けば、 r1X=l2t0+k1X …(50) r1Y=m2t0+k1Y …(51) r1Z=n2t0+k1Z …(52) である。 一方、頂点R1におけるエンドエフェクタ100の姿勢は
次のようにして求まる。まず、ワークWの頂点P1〜4に
おける姿勢を内挿することによって、点K1,K2における
姿勢(θK1,φK1),(θK2,φK2)は、 θK1=θ1+(b/L1)θ31 …(53) φK1=φ1+(b/L1)θ31 …(54) θK2=θ2+(b/L2)θ42 …(55) φK2=φ2+(b/L2)θ42 …(56) のように定まる。そして、点K1,K2での姿勢を内挿する
ことによって、頂点R1における姿勢(θR1,φR1)が、 θR1=θK1+C1(θK2−θK1) …(57) φR1=φR1+C1(φK2−φK1) …(58) のように定まる。ただし、 C1=|1−1|/|2−1| …(59) である。 他の頂点R2〜R4における位置や姿勢も、上記と同様に
して求めることができる。 ところで、a,b,Δa,Δbの値は任意に与えるものであ
るため、場合によっては、これらの値によって定まる被
走査領域A′がワークWの外部にはみ出してしまうこと
もある。このときには、はみ出した部分について無用の
走査を行なうことになるため、このような「はみ出し部
分」を除いて走査を行なうことが望ましい。そこで、こ
の実施例では、下記の基準に基づいて走査範囲を限定す
る。ただし、a,b,Δa,Δbはすべて正の値であるとす
る。 b≧Lのとき。 このときには、第11図(a)に示すように被走査領域
A′がワークWの外部に出てしまうため、走査を行なわ
ない。 b<L,(b+Δb)≧Lのとき。 このときには、第11図(b)のような状態となるた
め、Δbを Δb=L−b によって再定義し、それによって定まる斜線領域を走査
する。 頂点R1と点K1との関係において、 (r1X−k1X)/l2 =(r1Y−k1Y)/m2 =(r1Z−k1Z)/n2=t1 …(60) によってt1を定義したとき、 (イ)t1≦0ならば、第11図(c)のように頂点R1が点
K1よりも外側に出ていることになるため、点K1の座標を
用いて、頂点R1の座標1を1 =1 …(61) のように再定義する。 (ロ)t1>0ならば、さらに、頂点R1と点K2との関係に
おいて、 (k2X−r1X)/l2 =(k2Y−r1Y)/m2 =(k2Z−r1Z)/n2=t2 …(62) のようにt2を定義する。そして、t2≦0ならば、第11図
(d)のようになっているため、点R1の座標として前述
した式((50)〜(52)式)で求まった座標をそのまま
使用する。逆に、t2>0ならば第11図(e)のようにな
っているため、走査は行なわない。なお、このの基準
は頂点R3と点K3,K4との関係にも適用される。 頂点R2と点K2との関係において、 (r2X−k2X)/l2 =(r2Y−k2Y)/m2 =(r2Z−k2Z)/n2=t3 …(63) によってt3を定義したとき、 (イ)t3≦0ならば第11図(f)のようになっているた
め、頂点R2の座標として、既に求まっている座標値をそ
のまま用いる。 (ロ)t3>0ならば第11図(g)のようになっているた
め、点K2の座標2を用いて頂点R2の座標2を、2 =2 …(64) のように再定義する。なお、このの基準は、頂点R4と
点K4との関係においても適用される。 D.制御動作 以上の原理のもとで、第1図ないし第4図に示したロ
ボットの制御を行なう際の動作を、第12図に示したフロ
ーチャートを参照しつつ説明する。 まず、第12図のステップS1では、ティーチングを行な
う。このティーチング操作のうち、面走査を行なう部分
についてのティーチング順序などが第13図に示されてい
る。すなわち、図中、白丸で示した位置がティーチング
点であり、記号Tを付した数字がティーチング順序を示
している。また、“Mod"は、補間モードを示すデータで
ある。ただし、ここではすべて直線補間を行なうため、
各ティーチング点でMod=“1"(直線補間モード)とさ
れている。また、走査領域Aを規定する4つの頂点P1〜
P4についてティーチングを行なう際には、“PLS"で示す
ように、走査領域Aの頂点である棟を指示するデータを
あわせて入力しておく。 第12図の次のステップS2では、操作盤10や外部コンピ
ュータ11のキーボードなどから、送りピッチΔP値を入
力してメモリ(図示せず)中にストアしておく。また、
実際に走査を行なわせたい領域がワークWの一部分のみ
であるときには、第13図のa,b,Δa,Δbの値も入力す
る。次のステップS3では、被走査領域として領域A′
(つまり、ワークWの平面部の一部分)が指定されたか
どうかを判断し、そうであれば、ステップS4に移って、
頂点R1〜R4に関する位置姿勢などを求め、それによって
被走査領域A′の位置やサイズを確定する。ただし、こ
のステップS4では、第11図を参照して説明したような判
断やデータ修正も行なわれる。そして、ステップS5で
は、(12),(13)式などに基いて、送り回数N(ない
しは走査回数M)を演算して求める。 その後のステップS6においては、オペレータがモード
スイッチおよびスタートボタン(ともに図示せず。)を
用いて、再生動作を開始させる。この再生動作のうち、
面走査に関係する部分のみを説明すると、まず、ステッ
プS7において、次の走査線についての走査端点Q1j,Q2j
の位置や、これらにおけるエンドエフェクタ100の姿勢
を、(17)〜(22)式などに基いて計算する。そして、
これらの端点Q1j,Q2jの間について直線補間などの補間
演算を行なう(ステップS8)。 このようにしてエンドエフェクタ100が移動すべき位
置や姿勢が定まると、次のステップS9においてエンドエ
フェクタ100の位置・姿勢制御を行なってX′方向への
走査を実行するとともに、超音波探傷による探傷データ
を取込む。そして、1回の走査が完了すると、ステップ
S10において、それが最終の走査線であったか否かが判
断される。 最終走査線でないときには、ステップS11において、
辺P1P3またはP2P4方向への、ΔP1またはΔP2だけの送り
を行ない、次のステップS12で走査線を更新した後にス
テップS7へと戻る。これによって、走査と送りとが交互
に行なわれつつ、超音波探傷が進んで行く。 そして、送り回数Nだけの送りを行なうとステップS1
0の判断が“YES"となって、被走査領域A(または
A′)の面走査が完了する。 このようなルーチンに基くエンドエフェクタ100の軌
跡を第14図に太線で示す。このうち、第14図(a)はワ
ークWの平面部の全面走査の場合である。また同図
(b)は部分走査の場合である。第12図のフローチャー
トには示さなかったが、部分走査の場合には、第14図
(b)に示すように、エンドエフェクタ100が頂点R1お
よび点K1を経由した後に被走査領域A′に入るようにす
る。走査後も辺▲▼4に沿って頂点R4へ移動した
後にこのワークWから通過するようにしておく。 E.変形例 以上、この発明の一実施例について説明したが、この
発明は上記実施例に限定されるものではなく、たとえば
次のような変形も可能である。 この発明は四角形の被走査領域のみならず、五角形
や三角形などの他の多角形にも適用可能である。それら
の走査にあたっては、一度に全走査を行ってもよく、ま
た複数の四角形に分割して別個に面走査を行ってもよ
い。 上記実施例では、被走査領域を表現する多角形のひ
とつの辺に平行な方向を走査方向としているが、他の方
向を選択することも可能である。 ロボットの機構的構成も特に限定するものではない
が、被走査領域が平面であるという関係上、直角座標型
ロボットが最も適している。また、多角形の頂点のデー
タを数値的に入力してもよい。この発明は、超音波探傷
ロボットのみならず、塗装ロボットや溶射ロボットな
ど、面走査を必要とするすべてのロボットの制御に適用
可能である。 (発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、被走査領域
を表現する多角形の各頂点の座標を与えるとともに、送
りピッチを指定すると、被走査領域の面走査が行なわれ
ることになるため、データ入力が容易であり、かつ被走
査領域の面走査を適切に行うことができるロボットの走
査制御方法を得ることができる。 また、この発明では、被走査領域を表現する多角形は
ワークの平面部からの相対的位置関係を指定することに
よって特定されるとともに、この多角形が平面部からは
み出す場合には、平面部内に収まるように多角形を縮小
する。このため、平面部からのはみ出し部分まで無用な
面走査を行ってしまうことが防止され、ワークへの処理
走査の際に必要な領域のみについての面走査を行うこと
により効率の高い面走査が可能である。 さらに、この発明では平面部の特定の部位(実施例で
言えば第10図の辺P1P2)からの相対的位置関係だけを指
定するだけで足りるため、被走査領域を特定するための
演算量が少なくて済むという利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を適用するのに適したロボッ
トの概略斜視図、 第2図および第3図は実施例におけるエンドエフェクタ
の説明図、 第4図は第1図のロボットの電気的構成を示すブロック
図、 第5図ないし第8図は全面走査の説明図、 第9図ないし第11図は部分走査の説明図、 第12図は実施例の動作を示すフローチャート、 第13図は実施例におけるティーチングの説明図、 第14図は実施例によるエンドエフェクタの軌跡を例示す
る図である。 RB……超音波探傷ロボット、7……超音波探傷装置、9
……流制御装置、100……エンドエフェクタ、W……ワ
ーク、A,A′……被走査領域
トの概略斜視図、 第2図および第3図は実施例におけるエンドエフェクタ
の説明図、 第4図は第1図のロボットの電気的構成を示すブロック
図、 第5図ないし第8図は全面走査の説明図、 第9図ないし第11図は部分走査の説明図、 第12図は実施例の動作を示すフローチャート、 第13図は実施例におけるティーチングの説明図、 第14図は実施例によるエンドエフェクタの軌跡を例示す
る図である。 RB……超音波探傷ロボット、7……超音波探傷装置、9
……流制御装置、100……エンドエフェクタ、W……ワ
ーク、A,A′……被走査領域
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ワークの表面に設定された平面的な被走査領域にロ
ボットのエンドエフェクタを対向させた状態で、前記エ
ンドエフェクタの走査と送りとを交互に繰返し、それに
よって前記エンドエフェクタによる前記被走査領域の面
走査を行なわせるための走査制御方法であって、 (a)前記ワークの平面部の位置を教示し、 (b)前記被走査領域を多角形で表現するとともに、前
記平面部の特定の部位からの相対的位置関係を指定する
ことによって前記多角形の各頂点の座標を与え、 (c)前記多角形が前記平面部からはみ出すか否かを判
定して、 はみ出さない場合には前記多角形を維持する一方、 はみ出す場合には、前記平面部内にほぼ収まるように前
記多角形を分割してはみ出し部分を縮小し、 (d)前記(c)の工程を経た後の前記多角形の各頂点
の座標と、指定された送りピッチとに応じて、各走査の
端点の座標を演算して求め、 (e)前記走査端点を順次つないで得られる経路に沿っ
て前記エンドエフェクタの走査と送りとを交互に繰返し
て、前記被走査領域の面走査を行なわせることを特徴と
する、ロボットの走査制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61232450A JP2696135B2 (ja) | 1986-09-29 | 1986-09-29 | ロボツトの走査制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61232450A JP2696135B2 (ja) | 1986-09-29 | 1986-09-29 | ロボツトの走査制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6384884A JPS6384884A (ja) | 1988-04-15 |
JP2696135B2 true JP2696135B2 (ja) | 1998-01-14 |
Family
ID=16939472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61232450A Expired - Lifetime JP2696135B2 (ja) | 1986-09-29 | 1986-09-29 | ロボツトの走査制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2696135B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02250783A (ja) * | 1989-03-20 | 1990-10-08 | Fanuc Ltd | 溶射ロボットの溶射方式 |
JPH04135190A (ja) * | 1990-09-25 | 1992-05-08 | Fujita Corp | 建造物の耐火物吹付け方法 |
KR20240010028A (ko) * | 2021-07-20 | 2024-01-23 | 야마하 파인 테크 가부시키가이샤 | 초음파 검사 장치 및 검사 장치 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5698594U (ja) * | 1979-12-26 | 1981-08-04 | ||
JPS58155409A (ja) * | 1982-03-10 | 1983-09-16 | Mitsubishi Electric Corp | 数値制御加工方式 |
JPS603979A (ja) * | 1983-06-18 | 1985-01-10 | Yaskawa Electric Mfg Co Ltd | 溶接ロボツトにおけるウイ−ビングパタ−ン教示方法 |
JPS6063606A (ja) * | 1983-08-11 | 1985-04-12 | Fanuc Ltd | 多角形の内部領域加工機能を有する数値制御装置 |
JPS6085811A (ja) * | 1983-10-15 | 1985-05-15 | Fanuc Ltd | 領域加工方法 |
JPS6090653A (ja) * | 1983-10-22 | 1985-05-21 | Fanuc Ltd | 領域加工方法 |
-
1986
- 1986-09-29 JP JP61232450A patent/JP2696135B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6384884A (ja) | 1988-04-15 |
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