JP2694666B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液Info
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- JP2694666B2 JP2694666B2 JP1073419A JP7341989A JP2694666B2 JP 2694666 B2 JP2694666 B2 JP 2694666B2 JP 1073419 A JP1073419 A JP 1073419A JP 7341989 A JP7341989 A JP 7341989A JP 2694666 B2 JP2694666 B2 JP 2694666B2
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- electrolyte
- trialkyl
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、中高圧級電解コンデンサに用いる駆動用電
解液に関する。
解液に関する。
(従来の技術) 従来、中高圧級電解コンデンサの駆動用電解液とし
て、エチレングリコール(以下EG)を主溶媒とし、これ
に無機酸又はそのアンモニウム塩(ホウ酸,ホウ酸アン
モニウムなど)を溶解したものや、有機酸(セバシン
酸,安息香酸,1.6−デカンジカルボン酸など)又はその
塩を溶解したものがある。しかし、EG−ホウ酸系の電解
液は比抵抗が高く、温度特性も悪く、かつEGとホウ酸と
のエステル化反応により多量の水分を含有することにな
っている。この水分は電極箔の誘電体酸化皮膜を劣化さ
せ、コンデンサの寿命を著しく縮める欠点があった。
て、エチレングリコール(以下EG)を主溶媒とし、これ
に無機酸又はそのアンモニウム塩(ホウ酸,ホウ酸アン
モニウムなど)を溶解したものや、有機酸(セバシン
酸,安息香酸,1.6−デカンジカルボン酸など)又はその
塩を溶解したものがある。しかし、EG−ホウ酸系の電解
液は比抵抗が高く、温度特性も悪く、かつEGとホウ酸と
のエステル化反応により多量の水分を含有することにな
っている。この水分は電極箔の誘電体酸化皮膜を劣化さ
せ、コンデンサの寿命を著しく縮める欠点があった。
また、EGに有機酸又はその塩を電解した電解液では、
コンデンサの使用中に内部陽極端子(リベットなどを含
む)に腐食が発生する場合がある。これは、コンデンサ
内部の端子板に電解液の蒸気成分が付着し、陽極端子−
陰極端子間に回路ができるためである。
コンデンサの使用中に内部陽極端子(リベットなどを含
む)に腐食が発生する場合がある。これは、コンデンサ
内部の端子板に電解液の蒸気成分が付着し、陽極端子−
陰極端子間に回路ができるためである。
これら従来の電解液の蒸気成分は、化成性が電解液よ
り劣るため、陽・陰極端子間に回路ができると電流が流
れ、陽極端子が腐食するものである。
り劣るため、陽・陰極端子間に回路ができると電流が流
れ、陽極端子が腐食するものである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、駆動用
電解液中に添加したエステル類によって電解液の蒸気成
分の化成性を向上させ、陽・陰極端子間に蒸気成分によ
る回路が形成されても陽極端子が腐食を生じないように
したものである。
電解液中に添加したエステル類によって電解液の蒸気成
分の化成性を向上させ、陽・陰極端子間に蒸気成分によ
る回路が形成されても陽極端子が腐食を生じないように
したものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、上述の問題点を解決するためになされたも
ので、EG及び/又はジエチレングリコール(DEG)を主
体とした溶媒と、有機カルボン酸塩を主体とした電解質
と、トリアルキルホウ酸エステル,飽和ジカルボン酸エ
ステル,トリアルキル亜リン酸エステルの中の1種又は
2種以上の混合物とからなる電解コンデンサ駆動用電解
液である。
ので、EG及び/又はジエチレングリコール(DEG)を主
体とした溶媒と、有機カルボン酸塩を主体とした電解質
と、トリアルキルホウ酸エステル,飽和ジカルボン酸エ
ステル,トリアルキル亜リン酸エステルの中の1種又は
2種以上の混合物とからなる電解コンデンサ駆動用電解
液である。
(作用) 本発明になる電解コンデンサ駆動用電解液において、
トリアルキルホウ酸エステル,飽和ジカルボン酸エステ
ル,トリアルキル亜リン酸エステルのアルキル基(CnH
2n+1)がn=1〜5のとき、これらエステルの沸点は30
0℃以下であり、各エステルの加水分解生成物である酸
分より気化しやすい特性を有している。
トリアルキルホウ酸エステル,飽和ジカルボン酸エステ
ル,トリアルキル亜リン酸エステルのアルキル基(CnH
2n+1)がn=1〜5のとき、これらエステルの沸点は30
0℃以下であり、各エステルの加水分解生成物である酸
分より気化しやすい特性を有している。
一方、電解液が蒸発して端子板の陽・陰極端子間に回
路を形成するときの蒸気成分は、EG,DEGなどの溶媒,有
機カルボン酸塩からのアンモニア,スペーサ中の水分,
前記各種エステルなどからなる混合溶液からなるが、こ
の蒸気成分は、前記各種トリアルキルホウ酸エステル,
飽和ジカルボン酸エステル,トリアルキル亜リン酸エス
テルが蒸気成分のアルカリ雰囲気中で加水分解され、そ
れぞれジアルキルホウ酸エステル及びモノアルキルホウ
酸エステルを経てホウ酸とアルコールに、飽和ジカルボ
ン酸モノエステルを経て飽和ジカルボン酸とアルコール
に、ジアルキル亜リン酸エステル及びモノアルキル亜リ
ン酸エステルを経て亜リン酸とアルコールになる。
路を形成するときの蒸気成分は、EG,DEGなどの溶媒,有
機カルボン酸塩からのアンモニア,スペーサ中の水分,
前記各種エステルなどからなる混合溶液からなるが、こ
の蒸気成分は、前記各種トリアルキルホウ酸エステル,
飽和ジカルボン酸エステル,トリアルキル亜リン酸エス
テルが蒸気成分のアルカリ雰囲気中で加水分解され、そ
れぞれジアルキルホウ酸エステル及びモノアルキルホウ
酸エステルを経てホウ酸とアルコールに、飽和ジカルボ
ン酸モノエステルを経て飽和ジカルボン酸とアルコール
に、ジアルキル亜リン酸エステル及びモノアルキル亜リ
ン酸エステルを経て亜リン酸とアルコールになる。
これらは、アルコールを除き、いずれも水と結合する
と化成性を有するものとなるから、陽・陰極端子間に蒸
気成分が付着し、回路が形成されても皮膜修復作用によ
って陽極端子が化成処理されるので、腐食を生ずること
はない特徴を有するものである。
と化成性を有するものとなるから、陽・陰極端子間に蒸
気成分が付着し、回路が形成されても皮膜修復作用によ
って陽極端子が化成処理されるので、腐食を生ずること
はない特徴を有するものである。
(実施例) EG又はDEGを主体とする溶媒と、有機カルボン酸塩を
主体とする電解質にトリアルキルホウ酸エステル,飽和
ジカルボン酸エステル,トリアルキル亜リン酸エステル
を添加した本発明に係る電解液の実施例を従来例ととも
に第1表に示す。
主体とする電解質にトリアルキルホウ酸エステル,飽和
ジカルボン酸エステル,トリアルキル亜リン酸エステル
を添加した本発明に係る電解液の実施例を従来例ととも
に第1表に示す。
電解液組成はwt%,比抵抗(Ω・cm),火花電圧は25
℃のものである。
℃のものである。
第2表は定格400V,150μFのコンデンサ素子に上記第
1表に示した電解液をそれぞれ含浸してなるアルミニウ
ム電解コンデンサを105℃中で3.3Aのリプル電流を重畳
して行った高温負荷試験の結果を示す。
1表に示した電解液をそれぞれ含浸してなるアルミニウ
ム電解コンデンサを105℃中で3.3Aのリプル電流を重畳
して行った高温負荷試験の結果を示す。
初期及び1000時間後の特性の各値は、電解コンデンサ
各10個の平均値である。
各10個の平均値である。
第2表から明らかなように、105℃中で3.3Aのリプル
電流を加えた負荷試験において、従来の電解液では腐食
が発生するとともに特性の劣化も著しい。
電流を加えた負荷試験において、従来の電解液では腐食
が発生するとともに特性の劣化も著しい。
それに対し、本発明になる各実施例では、腐食発生は
みられず、特性の劣化も少なく良好である。ここでいう
腐食とは、コンデンサ素子から封口部に至る内部陽極端
子の腐食をいう。
みられず、特性の劣化も少なく良好である。ここでいう
腐食とは、コンデンサ素子から封口部に至る内部陽極端
子の腐食をいう。
なお、本発明に使用する各種エステルは、下記の化学
構造を有するものからなり、その添加量がEG及び/又は
DEGと有機カルボン酸塩を主体とした電解質との合計重
量に対し、0.01重量%以上であれば前記作用効果がある
ことを確認している。そして、これらエステル類の上限
は、これらが前記特性の向上のほかは特に悪影響を及ぼ
さないので、上限を定める必要を認めない。
構造を有するものからなり、その添加量がEG及び/又は
DEGと有機カルボン酸塩を主体とした電解質との合計重
量に対し、0.01重量%以上であれば前記作用効果がある
ことを確認している。そして、これらエステル類の上限
は、これらが前記特性の向上のほかは特に悪影響を及ぼ
さないので、上限を定める必要を認めない。
これらエステル類は、実施例では1種を用いた場合のみ
について述べたが、2種以上を混合して用いても同様の
効果を得ることができる。
について述べたが、2種以上を混合して用いても同様の
効果を得ることができる。
B(OR)3 (R:CnH2n+1 n=1〜5) トリアルキルホウ酸エステル (x=4〜8,R:CnH2n+1 n=1〜5) 飽和ジカルボン酸エステル P(OR)3 (R:CnH2n+1 n=1〜5) トリアルキル亜リン酸エステル [発明の効果] 本発明になる電解コンデンサ駆動用電解液は、電解液
中の前述各種エステルがアルカリ側で加水分解されて生
成される酸などを用いて陽極端子を化成することによっ
て、電解コンデンサの腐食を防止できる。
中の前述各種エステルがアルカリ側で加水分解されて生
成される酸などを用いて陽極端子を化成することによっ
て、電解コンデンサの腐食を防止できる。
これによって、電解コンデンサの長寿命化を図ること
ができるとともに、許容リプル電流を増加させることが
できるので、同サイズの場合は小形化を実現できる効果
がある。
ができるとともに、許容リプル電流を増加させることが
できるので、同サイズの場合は小形化を実現できる効果
がある。
Claims (2)
- 【請求項1】エチレングリコール及び/又はジエチレン
グリコールを主体とした溶媒と、有機カルボン酸塩を主
体とした電解質と、トリアルキルホウ酸エステル,飽和
ジカルボン酸エステル,トリアルキル亜リン酸エステル
の中の1種又は2種以上の混合物とからなる電解コンデ
ンサ駆動用電解液。 - 【請求項2】トリアルキルホウ酸エステル,飽和ジカル
ボン酸エステル,トリアルキル亜リン酸エステルがそれ
ぞれ下記の化学構造を有するものからなり、その添加量
が上記溶媒と電解質との合計重量に対し0.01重量%以上
である請求項(1)記載の電解コンデンサ駆動用電解
液。 B(OR)3 (R:CnH2n+1 n=1〜5) トリアルキルホウ酸エステル (x=4〜8, R:CnH2n+1 n=1〜5) 飽和ジカルボン酸エステル P(OR)3 (R:CnH2n+1 n=1〜5) トリアルキル亜リン酸エステル
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1073419A JP2694666B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1073419A JP2694666B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02251125A JPH02251125A (ja) | 1990-10-08 |
JP2694666B2 true JP2694666B2 (ja) | 1997-12-24 |
Family
ID=13517675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1073419A Expired - Lifetime JP2694666B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2694666B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0318008A (ja) * | 1989-06-15 | 1991-01-25 | Elna Co Ltd | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
US5849432A (en) * | 1995-11-03 | 1998-12-15 | Arizona Board Of Regents | Wide electrochemical window solvents for use in electrochemical devices and electrolyte solutions incorporating such solvents |
JP3551035B2 (ja) * | 1998-08-31 | 2004-08-04 | 松下電器産業株式会社 | 電解コンデンサ駆動用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ |
WO2009057427A1 (ja) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Ube Industries, Ltd. | 第二級カルボン酸化合物及びそれを用いた電解コンデンサ用電解液 |
CN103887070B (zh) * | 2012-12-19 | 2016-08-31 | 江苏国泰超威新材料有限公司 | 电解液功能添加剂的制备方法及由其制备的电解液 |
US10431390B2 (en) * | 2016-09-29 | 2019-10-01 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Electrolytic capacitor and method for manufacturing same |
KR102449360B1 (ko) * | 2017-06-02 | 2022-10-04 | 삼성전기주식회사 | 적층 세라믹 커패시터 및 그 실장 기판 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59218719A (ja) * | 1983-05-26 | 1984-12-10 | 三洋電機株式会社 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
JPH07118432B2 (ja) * | 1987-04-20 | 1995-12-18 | 松下電器産業株式会社 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
JP2611262B2 (ja) * | 1987-10-08 | 1997-05-21 | 三菱化学株式会社 | 難燃性電解コンデンサ |
-
1989
- 1989-03-24 JP JP1073419A patent/JP2694666B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02251125A (ja) | 1990-10-08 |
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