JP2693189B2 - N,n’−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキソ)−ピペラジン、その製造方法およびその使用 - Google Patents

N,n’−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキソ)−ピペラジン、その製造方法およびその使用

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JP2693189B2
JP2693189B2 JP63286905A JP28690588A JP2693189B2 JP 2693189 B2 JP2693189 B2 JP 2693189B2 JP 63286905 A JP63286905 A JP 63286905A JP 28690588 A JP28690588 A JP 28690588A JP 2693189 B2 JP2693189 B2 JP 2693189B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は式I: の新規化合物:N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル
−2,3−ジオキソ)−ピペラジン、その製造方法および
この新規化合物を式II: の化合物の製造に使用することに関するもので、上記式
中Rはフエニル酢酸、p−ヒドロキシフエニル酢酸、6
−(フエニルアセトアミド)−ペニシラン酸および7−
(フエニルアセトアミド)−セファロスポラン酸により
形成した基から選択する酸の分子のα−位に置換した基
を示す。
式IIの化合物はβ−ラクタミック(lactamic)抗生物
質として、またはその製造の中間体として興味深い化合
物である。ピペラシリンおよびセホペラゾンはかかる抗
生物質中に示すことができる。
酸塩化物を用いて((4−エチル−2,3−ジオキソ)
−ピペラジン−1−イル)−カルボン酸誘導体を作るこ
とは技術文献に記載されている。
特開昭52−106883号公報には((4−エチル−2,3−
ジオキソ)−ピペラジン−1−イル)−カルボキシル
クロリドを4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジンと
塩化カルボニル(ホスゲン)と反応させて作る方法が記
載されている。この目的のために、N−トリメチル−シ
リル誘導体の使用が好ましいとされている。更に、特開
昭52−19685号公報にはホスゲンの代りにジホスゲンま
たはトリ−クロロメチル クロロホルメートを用いてN
−トリクロロ−メトキシ−カルボニルを製造することが
記載されている。この後者のピペラジン誘導体の場合、
キングシンアング(Qingxiang)およびレンヨング(Ren
yong)氏による結果によれば、44%ピペラシリンが生成
することが報告されている(Chem,Abs.104,148590d)。
ピペラジンの1−クロロ−カルボニルまたは1−トリ
クロロメトキシカルボニル誘導体をアミノ酸側鎖を有す
るβ−ラクタミック抗生物質、好ましくはアンピシリン
およびアモキシシリンのようなフエニルグリシンおよび
p−ヒドロキシフエニルグリシン誘導体と反応してい
る。他の方法としては、4−エチル−2,3−ジオキソ−
ピペラジンの1−クロロカルボニル誘導体とアミノ酸と
の反応が記載されており、しかる後にこの生成物を6−
アミノペニシラン酸または7−アミノセファロスポラン
酸と化合している。
欧州特許(EP)第131,174号明細書にはアミノ酸2−
クロロ−4,5−ジヒドロキシフエニルグリシンおよび4
−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジンの1−クロロカ
ルボニル誘導体の使用が記載されている。後者の化合物
はベルギー特許第837682号明細書に、およびドイツ特許
出願第2.600,880号明細書において用いられており、p
−ヒドロキシフエニルグリシン側鎖を有するセフアロス
ポリンのN−ピペラジンカルボニルアミド誘導体の製造
が、セホペラゾンの製造と共に記載されている。
ドイツ特許出願第2,702,552号明細書にはD(−)−
α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニル
−カルボニルアミノ)フエニル酢酸のエトキシギ酸無水
物を用いる場合に、7−アミノセファロスポリンのアシ
ル化が61%の収率を与えることを記載しており、および
米国特許第4,200,744号明細書には上記無水物の代りに
酸塩化物の使用が記載されている。酸はオーストラリア
特許(Au)第518,792号明細書によりD(−)−α−フ
エニルグリシンと1−クロロカルボニル−4−エチル−
2,3−ジオキソ−ピペラジンとの反応により87%収率で
作られている。
これらの方法は所望生成物の収率が低い欠点があり、
特に1−クロロカルボニル−4−エチル−2,3−ジオキ
ソ−ピペラジンの場合にはその水分に対する敏感性のた
めに調製および取扱いがむずかしく、また反応の1:1化
学量論比の観点から、ホスゲン調整が複雑で、生成物が
比較的に低純度で分離される欠点がある。
本発明の目的は上述する欠点を除去することであり、
この目的は式I: の新規な尿素:N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル
−2,3−ジオキソ)−ピペラジンの製造により達成する
ことができる。
式Iの対称尿素は極めて反応的で、この尿素はアミノ
酸のアミノ基と反応して極めて定量的収率で相当するア
ミドを生成する。
更に、N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3
−ジオキソ)−ピペラジンは分離、取扱いおよび貯蔵に
極めて安定である。
本発明の上述する式Iの化合物は、4−エチル−2,3
−ジオキソ−ピペラジンおよびそのトリメチルシリル誘
導体により形成した基から選択する化合物を塩化カルボ
ニルおよびジホスゲンにより形成した基から選択する化
合物と反応するプロセスによって作ることができる。
この反応は、少なくとも2当量の4−エチル−2,3−
ジオキソ−ピペラジン トリメチルシリル誘導体と1当
量の塩化カルボニルとを、または少なくとも2当量の4
−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジン トリメチルシ
リル誘導体と2分の1当量のジホスゲンとを反応するの
が好ましい。
ホスゲンの使用を排除するのが望ましい場合には、ジ
シリル化(disilylated)ビス−(2−エチルアミノエ
チレン)尿素と塩化オキサリルまたはしゅう酸ジアルキ
ルとの反応のような他の方法を行うことができる。
式Iの尿素を分離することは、合成の反応物の調整を
正確にするために、得られる生成物の品質に好ましい影
響を与える。
式II: (式中、Rは上記と同様の意味を有する)で表わされる
化合物の新規で容易な方法は、式Iの尿素をα−アミノ
フエニル酢酸、α−アミノ−p−ヒドロキシフエニル酢
酸、6−(α−アミノ−フエニルアセトアミド)−ペニ
シラン酸および7−(α−アミノ−フエニルアセトアミ
ド)−セファロスポラン酸により形成された群から選択
するアミノ酸と反応することによって行うことができ
る。
これらのアミド酸には6−(α−アミノ−p−ヒドロ
キシ−フエニルアセトアミド)−ペニシラン酸、7−
(α−アミノ−p−ヒドロキシ−フエニルアセトアミ
ド)−セファロスポラン酸、7−α−アミノ−(フエニ
ルアセトアミド)−7−β−メトキシ−セファロスポラ
ン酸、そのトリメチルシリル誘導体、および第三または
第二アミンとの塩、有機塩基またはアミジンを包含する
ことができる。
特に、7−アミノ−セファロスポラン酸およびC−3
置換7−アミノ−7−メトキシ セファロスポラン酸、
好ましくはアセチルオキシメチル、5−(1−メチル−
1,2,3,4−テトラゾリル)−チオメチル メチル、カル
バモイルオキシメチル、5−メチル−チアジアゾール−
2−メルカプトメチル、メトキシ、クロロおよびアジド
メチルが有利である。
式IIの化合物を作るために、式Iの化合物を用いるこ
とが特に有利であることは、式Iの化合物が一般に用い
られる試薬と比較して安定性を有していることである。
この事は、多くの場合において室温で反応物および操作
を適当に調整できることができる。
一般に云えば、式IIの化合物はペニシリンおよびセフ
ァロスポリン誘導体である。ペニシリンを用いる場合に
は、式Iの尿素は次に示す式IIIのアミノ酸と反応す
る: (式中、XおよびYは同一か、または異にする水素、ヒ
ドロキシまたは塩素を示し、およびR2は水素、メトキシ
またはホルミル−アミノを示す)。
セファロスポリンを用いる場合には、式Iの尿素を次
の式IVのアミノ酸と反応する: (式中、X,YおよびR2は上記と同様の意味を有し、およ
びZは塩素、メチル、アセチルオキシメチル、メトキ
シ、5−(1−メチル−1,2,3,4−テトラゾリル)−チ
オメチル、2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾリ
ル)−チオメチル、または−CH2R4(ここにR4は−CH2
O−CO−CH3のアセトキシに求核置換により導入できる
基を示す)を示す)。
また、上記ペニシリンおよびセファロスポリンは、式
Iの尿素を式V: (式中、XおよびYは上記と同様の意味を有する)で表
わされる化合物と反応することにより作ることができ
る。この反応の結果として次の式VIの化合物を生成す
る: (式中、XおよびYは上記と同様の意味を有する)。式
VIの化合物は酸塩化物と反応して相当する混合無水物を
生成できるから、この式VI化合物は有価値のある中間体
に転化する。この混合無水物は6−アミノペニシラン酸
または7−アミノセファロスポラン酸と反応して相当す
るペニシリンまたはセファロスポランを生成する。これ
らの相当するペニシリンまたはセファロスポリンは酸の
形態で分離でき、またはその相当するナトリウム塩に転
化することができる。
一般に云えば、式Iの尿素は、カルボン酸機能が第三
アミン、第二アミン、環状または直鎖アミジンの塩の形
態であるアミノ酸とまたはシリルエステルとして反応す
る。
第三および第二アミンの適当な有機塩基はトリエチル
アミンおよびジエチルアミンである。適当なアミジンは
1,8−ジアザ−ビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン−7
(DBu)および1,5−ジアザ−ビシクロ−(4,3,0)−ノ
ネン−5(DBu)のようなビシクロ アミジンまたはN,
N,N′,N′−テトラメチルグアニジンおよびN,N,N′,
N′,N″−ペンタメチルグアニジンのような直鎖アミジ
ンからなる。トリメチルシリル誘導体の生成には、ヘキ
サメチルジシラザン、トリメチルブロモシランおよびト
リメチルクロロシランが適当である。好ましい溶剤はジ
クロロメタンである。
次に、本発明を例について説明するが、本発明はこれ
により制限されるものでない。
例1 N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−
ジオキソ)−ピペラジン トリメチルクロロシランおよびトリエチルアミンで予
じめシリル化した4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラ
ジン14.2gを、ホスゲン4.95gをジオキサン140mlに溶解
した溶液に添加した。
生成した懸濁物を室温で24時間にわたり撹拌した。ト
リエチルアミン塩酸塩を濾過により除去して上記目的化
合物N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジ
オキソ)−ピペラジンが実質的に定量的収率で残留し
た。この生成化合物を、これを含む溶液から減圧で濃縮
して分離した。
生成物は次の特性を示した: 融点:199−201℃ IR(KBr)C=0(cm-1):1727および1670 NMR(H1)(CDCl3において,ppmで評価) δ:1.18(t,J=11 Hz,3),3.45(dd,J=11 Hz,2);面
積(area)3.6〜4.3(4). 元素分析: 計算値:C:50.32%,H:5.85%,N:18.06% :C:50.30%,H:5.82%,N:18.19% 例2 N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−
ジオキソ)−ピペラジン 2.34の4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジンを50m
lのジオキサンに溶解し、−20℃に冷却した。次いで、
これに2.13mlのトリメチルクロロシランおよび2.38mlの
トリエチルアミンを添加した。反応混合物を0℃で45分
間にわたり撹拌した。
この反応混合物に、ジオキサンに溶解した0.82gのホ
スゲンを添加した。生成した懸濁物を室温で3時間にわ
たって撹拌した。トリエチルアミン塩酸塩を濾過により
除去した後、上記目的化合物N,N′−カルボニル−ビス
−(4−エチル−2P3−ジオキソ)−ピペラジンを含む
溶液を得た。収率は実質的に定量的であった。
例3 N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−
ジオキソ)−ピペラジン 2.34の4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジンを50m
lのクロロメタンに溶解し、−20℃に冷却した。この冷
却溶液に2.13mlのトリメチルクロロシランおよび2.38ml
のトリエチルアミンを順次に添加して反応混合物を得
た。この生成反応混合物を0℃で45分間にわたり撹拌
し、−25〜−30℃に冷却した。
この冷却反応混合物に、3.38gの4−エチル−2,3−ジ
オキソ−1−ピペラジン塩化カルボニルおよび15mlのジ
クロロメタンを添加し、0℃で2時間にわたり、および
20℃で30分間にわたり撹拌した。
溶剤を反応混合物から減圧で蒸発により除去し、残留
物に50mlのアセトンを添加した。この混合物を室温で5
分間にわたり撹拌し、濾過した。
溶剤を生成溶液から減圧で除去し、残留物に50mlの酢
酸エチルを添加した。この混合物を室温で5分間にわた
り撹拌し、濾過し、15mlの酢酸エチルで洗浄し、乾燥し
て上記目的化合物N,N′−カルボニル−ビス−(4−エ
チル−2,3−ジオキソ)−ピペラジン5.06g(収率99.0
%)(m.p.199〜201℃)を得た。
例4 N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−
ジオキソ)−ピペラジン 4.68gの4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジンを50
mlのジクロロメタンに溶解し、生成溶液を−10℃に冷却
した。この冷却溶液に、8.40mlのトリブチルアミンおよ
び4.40mlのトリメチルクロロシランを順次に添加した。
混合溶液を0〜5℃に加熱し、この温度で45分間にわた
り撹拌した。
この反応混合物に、4−メチル−ピリラジンをジクロ
ロメタンに溶解した1%溶液0.1mlを添加し、−25℃に
冷却し、これに塩化カルボニルをモノクロロベンゼンに
溶解した30%溶液5.14gを30分間にわたって滴々に添加
した。
添加終了後、反応混合物を0〜5℃に加熱し、反応を
この温度で2時間にわたり、および20℃で30分間にわた
り撹拌して完了させた。
溶剤を生成溶液から減圧で蒸発により除去し、100ml
の酢酸エチルを添加した。かようにして得た懸濁物を20
〜25℃で2時間にわたり撹拌し、濾過した。残留物を20
mlの酢酸エチルで洗浄し、乾燥して上記目的化合物N,
N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソ)−ピペリジン4.74g(収率98%)を得た。
例5 N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−
ジオキソ)−ピペラジン 2.34gの4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジンを50
mlのジクロロメタンに溶解し、生成溶液を−10℃に冷却
し、4.19mlのトリブチルアミンおよび2.20mlのトリメチ
ルクロロシランを順次に添加した。生成混合溶液を0〜
5℃に加熱し、この温度で45分間にわたり撹拌した。
反応混合物を−20℃に冷却し、これに4−メチル−ピ
リジンをジクロロメタンを溶解した1%溶液0.1mlおよ
び4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジン3.38gを
添加した。この混合物を0〜5℃に加熱し、反応をこの
温度で2時間および20℃で30分間にわたり撹拌して完了
させた。
溶剤を生成溶液から減圧で蒸発により除去し、100ml
の酢酸エチルを添加した。かようにして得た懸濁物を20
〜25℃で2時間にわたり撹拌し、濾過した。残留物を20
mlの酢酸エチルで洗浄し、乾燥して上記目的化合物N,
N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソ)−ピペラジン4.99g(収率97.6%)を得た。
例6 N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−
ジオキソ)−ピペラジン 11.7gの4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジンを50
mlのジクロロメタンに溶解し、生成溶液を−10℃に冷却
し、これに4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジ
ン塩化カルボニル16.9gおよび4−メチル−ピリジンを
ジクロロメタンに溶解した1%溶液5mlを添加した。
この生成混合溶液に、トリブチルアミン19.6mlをジク
ロロメタン50mlに溶解した溶液を−10〜−15℃で15分間
にわたって滴々添加した。
反応を、更に15分間にわたり−10〜−15℃で撹拌して
完了させた。
ジクロロメタンを生成溶液から減圧で蒸発により除去
し、500mlの酢酸エチルを添加した。生成懸濁液を20〜2
5℃で2時間にわたり撹拌し、濾過し、100mlの酢酸エチ
ルで洗浄して上記目的化合物N,N′−カルボニル−ビス
−(4−エチル−2,3−ジオキソ)−ピペラジン15.72g
(収率62%)を得た。
例7 6−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニル・アミノ)フエニ
ルアセトアミド)−ペニシラン酸(ピペラシリン) 0.92gの無水アンピシリンを、1,8−ジアザ−ビシクロ
−(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)0.43gをジクロロ
メタン10mlに溶解した溶液に0〜5℃の温度で添加し、
この混合溶液を1〜2分間にわたり撹拌して完全な溶液
を得た。
この溶液に、0.98gのN,N′−カルボニル−ビス−(4
−エチル−2,3−ジオキソ)−ピペラジンを添加し、こ
の混合溶液を20〜25℃に加熱し、この温度で5 1/2時間
にわたり撹拌した。
反応生成物のHPLC分析により、出発アンピシリンが上
記目的化合物のピペラシリンに完全転化したことを確め
た。
ジクロロメタンを反応生成物から減圧で蒸発により除
去し、残留物に12.5mlの水および6.5mlの1N HClを順次
に添加し、0〜5℃に冷却した。この混合溶液を0〜5
℃で2時間にわたり撹拌し、濾過し、7.5mlの0.1N HCl
および25mlのn−ヘキサンで洗浄し、乾燥して上記目的
化合物のピペラシリン1.24g(H2O=3.45%;(α))=
189.8゜;分離収率:87.7%)を得た。
例8 6−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)フエニル
アセトアミド)−ペニシラン酸(ピペラシリン) 4.2mlのヘキサメチルジシラザンを、無水アンピシリ
ン4.6gを塩化メチレン18mlに懸濁した懸濁物に添加し
た。この混合物を3時間にわたり還流してほぼ完全な溶
液にした。次いで、この溶液に4.90gのN,N′−カルボニ
ル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキソ)−ピペラジ
ンを一回で添加し、この混合物を25〜30℃で6時間にわ
たり撹拌した。
上記目的のピペラシリンが定量的収率で生成している
のを液体クロマトグラフィーで確めた。
例9 6−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)フエニル
アセトアミド)−ペニシラン酸(ピペラシリン) 4.6gの無水アンピシリンを18mlの塩化メチレンに懸濁
させ、これに1.8mlのヘキサメチルジシラザンおよび1.2
mlのトリメチルクロロシランを添加した。この混合物を
還流下で3時間にわたり加熱した。かようにして得た懸
濁物に4.9gのN,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル
−2,3−ジオキソ)−ピペラジンを添加し、20〜25℃で
6時間にわたり撹拌した。
上記目的のピペラシリンが定量的収率で生成している
のを液体クロマトグラフィーで確めた。
例10 D(−)−α−(4−エチル・2,3−ジオキソ−
1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)・フエニル酢酸 0.93mlのヘキサメチルジシラザンおよび0.01gのイミ
ダゾールを、D(−)−α−アミノ−フエニル酢酸0.60
gを1,2−ジクロロエタン15mlに懸濁した懸濁物に添加し
た。
懸濁物を還流加熱し、2 1/2時間にわたり撹拌した。
生成溶液を20〜25℃に冷却し、これに1.49gのN,N′−カ
ルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキソ)−ピ
ペラジンおよび1mlの1,2−ジクロロエタンを添加した。
反応混合物を25℃で5 1/2時間にわたり撹拌した。反
応生成物をHPLC分析して上記目的化合物D(−)−α−
(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジニル−カ
ルボニルアミノ)−フエニル酢酸の含有量がほとんど定
量的収率に相当するのを確めた。
この生成した反応生成物に10mlの水および4mlの1N HC
lを順次に添加し、0〜5℃に冷却した。この冷却溶液
を同じ温度で2時間にわたり撹拌し、次いで5mlの0.1N
HClおよび15mlのn−ヘキサンで洗浄して1.23gの上記目
的化合物のフエニル酢酸を得た(水含量:5.63%;
(α)=−26.12゜(C=1%0.5N NaHCO2で);分離収
率91.6%)。
例11 6−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−フエニ
ルアセトアミド)−ペニシラン酸(ピペラシリン) A) 2.3gのD(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−フエニ
ル酢酸(例10において作った)を10mlのジクロロメタン
に懸濁し、0℃に冷却した。この冷却した懸濁物に、4
−メチル−ピリジンをジクロロメタンに溶解した1%溶
液0.8mlおよびトリエチルアミン0.97mlを順次に添加
し、5分間撹拌後、完全な溶液を得た。
この反応混合溶液を−25℃に冷却し、これに0.89mlの
塩化ピバロイルを添加した。
この混合物を−15〜20℃で20分間にわたり撹拌して無
水物の形成を完了させて白色の懸濁物を得た。この懸濁
物を−35〜−40℃に冷却した。
B) 1.72gの6−アミノペニシラン酸を2.75mlのジク
ロロメタンに懸濁させ、生成懸濁物を3℃に冷却した。
この懸濁物に、0.31mlの水および1.27mlのトリエチルア
ミンを順次に添加した。この混合物を10〜15℃で10分間
撹拌して、完全に溶液とした。
C) 上記B)で生成した溶液を上記A)で生成した無
水物に、−35〜−40℃の温度を維持しながら10分間にわ
たって滴々添加した。
添加終了後、反応混合物を−30〜−35℃で90分間にわ
たり撹拌し、減圧で蒸発してジクロロメタンを除去し
た。生成残留物に70mlの酢酸エチル、38mlの水および20
mlの1N HClを順次に添加した。この混合物を0〜5℃に
冷却し、この温度で2時間にわたり撹拌した。かように
して得た懸濁物を濾過し、25mlの0.1N HClおよび50mlの
n−ヘキサンで洗浄して3.41gの上記目的化合物のピペ
ラシリン(水含量(KF)5.45%;(α)=189.5゜(無
水塩基);分離収率86.4%)を得た。
例12 6−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−フエニ
ルアセトアミド)−ペニシラン酸(ピペラシリン) 1.混合無水物の生成: 5.74gのD(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ
−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−フエニル酢
酸(例10において作った)を30mlの塩化メチレンに懸濁
させた。この懸濁物を約0℃に冷却し、これに0.05mlの
ピリジンおよび2.45mlのトリエチルアミンを添加した。
ほとんど無色の溶液を得た。この溶液を−25℃に冷却
し、230mlの塩化ビバロイルを添加した。この反応生成
物を−10〜−15℃で20分間にわたり撹拌した。この生成
懸濁物をA懸濁物と称することにする。
2.6−アミノペニシラン酸(6−APA)溶液の生成: 43gの6−APAを10mlの塩化メチレンに懸濁した。懸濁
液を約0℃に冷却し、2.7mlのテトラメチルグアニジン
を添加した。ほとんど、直ちに溶液になった。この溶液
をB溶液と称することによる。
3.アシル化: 上記B溶液を−30〜−35℃に冷却した後、この冷却B
溶液に上記A懸濁物を添加した。この混合物を−30〜−
35℃で2時間にわたり撹拌した。上記目的化合物のピペ
ラシリンがほとんど定量的収率で生成するのをクロマト
グラ分析で確めた。
例13 D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−
1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−4−ヒドロキ
シフエニル酢酸 1.25mlのヘキサメチルジシラザンおよび0.01gのイミ
ダゾールを、D(−)−α−アミノ−4−ヒドロキシフ
エニル酢酸0.66gを1,2−ジクロロエタン15mlに懸濁させ
た懸濁物に添加し、還流加熱した。反応混合物を3 1/2
時間にわたり還流下で撹拌して完全に溶液にした。この
溶液を20〜25℃に冷却し、これに1.49gのN,N′−カルボ
ニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキソ)−ピペラ
ジンおよび1mlの1,2ジクロロエタンを添加した。
反応混合物を25℃で5時間にわたり撹拌した。反応生
成物のHPLCの分析により、上記目的化合物のヒドロキシ
フエニル酢酸の含有量がほとんど定量的収率に相当する
ことを確めた。
この反応生成物に10mlの水および5mlの1N HClを添加
し、0〜5℃で2時間にわたり撹拌し、濾過し、次いで
0.1N HCl(5ml)およびn−ヘキサン(15ml)で順次に
洗浄して1.18gの上記目的化合物(水含量0.28%;)
(α)=−38.9゜(C=1%0.5N NaHCO3で);分離収
率89%)を得た。
例14 D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオキソ−
1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−4−ヒドロキ
シフエニル酢酸 2.2gのp−ヒドロキシフエニルグリシンを25mlの塩化
メチレンに懸濁させ、これに0.1gのイミダゾールおよび
4.2mlのヘキサメチルジシラザンを添加し、この混合物
を最低2時間にわたって還流加熱した。ほぼ完全な溶液
を得た。この溶液を、N,N′−カルボニル−ビス−(4
−エチル−2,3−ジオキソ)−ピペラジン5.5gを塩化メ
チレン5mlに溶解して得た溶液に20〜25℃で添加した。
混合物を20〜25℃で5時間にわたり撹拌した。クロマ
トグラフ分析により、上記的化合物のヒドロキシフエニ
ル酢酸がほとんど定量的収率で存在するのを確めた。
例15 7−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジン−カルボキシアミド)−α−(4
−ヒドロキシフエニル)アセトアミド)−3−(((1
−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ)メチ
ル)−3−セフエム−4−カルボン酸(セホペラゾン) A) 3.02gのD(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−p−ヒ
ドロキシフエニル酢酸(例13および14において作った)
を10mlのジクロロメタンに懸濁させ、0℃に冷却した。
この懸濁物に1.26mlのトリエチルアミンを添加し、こ
の混合物を0〜5℃で15分間にわたり撹拌して白色懸濁
物を得た。
この白色懸濁物に4−メチル−ピリジンをジクロロメ
タンに溶解した1%溶液1.0mlを添加し、−25〜−30℃
に冷却した。
この冷却混合溶液に1.13mlの塩化ピバロイルを添加
し、無水物生成反応を−15℃で30分間にわたり撹拌する
ことによって完了させた。
生成した反応混合物を−50〜−55℃に冷却した。
B) 3.03gの7−α−アミノ−3−((1−メチル−1
H−テトラゾール−5−イル)−チオ)−メチル−3−
セフエム(cephem)−4−カルボン酸を12.5mlのジクロ
ロメタンに懸濁させ、これに1.28mlのN,N,N′,N′−テ
トラメチルグアニジンを添加した。反応混合物を20〜25
℃で30分間にわたり撹拌して完全な溶液を得た。
C) 上記B)において得た溶液を上記A)で得た混合
無水物に−45〜−50℃で25分間にわたり滴々添加した。
添加の最後に、反応混合物を−40〜−50℃で30分間およ
び−20〜−22℃で50時間にわたり撹拌した。
HPLCクロマトグラフ分析により、上記目的化合物のセ
ホペラゾンが90%収率以上で生成することを確めた。
例16 7−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジン−カルボキシアミド)−α−(4
−ヒドロキシフエニル)アセトアミド)−3−(((1
−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ)メチ
ル)−3−セフエム−4−カルボン酸(セホペラゾン) A) 3.02gのD(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジニル−カルボニルアミノ)−p−ヒ
ドロキシフエニル酢酸(例13および14において作った)
を、ジメチルアセトアミドおよび塩化メチレンの混合物
10mlに懸濁させ、0℃に冷却した。
得られた冷却混合物に1.26mlのトリエチルアミンを添
加し、0〜5℃で15分間にわたり連続撹拌して白色懸濁
物を得た。
この白色懸濁物に、4−メチル−ピリジンをジクロロ
メタンに溶解した1%溶液1.0mlを添加し、−25〜−30
℃に冷却した。
この冷却混合物に1.13mlの塩化ピバロイルを添加し、
無水物生成反応を−15℃で30分間にわたり撹拌して完了
した。
生成する反応混合物を−50〜−55℃に冷却した。
B) 3.03gの7−α−アミノ−3−(1−メチル−1H
−テトラゾール−5−イル)チオ)−メチル−3−セフ
エム−4−カルボン酸を1.25mlのジクロロメタンに懸濁
させ、これに1.28mlのN,N,N′,N′−テトラメチルグア
ニジンを添加した。反応混合物を20〜25℃で30分間にわ
たり撹拌して完全な溶液を得た。
C) 上記B)において得た溶液を上記A)において得
た混合無水物に−40〜−50℃で60分間にわたり滴々添加
した。撹拌を−25〜−30℃で3時間、および−10〜−15
℃で10時間にわたり連続して行った。90%以上の収率で
含む上記目的化合物のセホペラゾンを含有する溶液を得
た。
例17 7−(D(−)−α−(4−エチル−2,3−ジオ
キソ−1−ピペラジン−カルボキシアミド)−α−(4
−ヒドロキシフエニル)アセトアミド)−3−(((1
−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)チオ)メチ
ル)−3−セフエム−4−カルボン酸(セホペラゾン) 1.6gの1,8−ジアサ−ビシクロ−(5,4,0)のウンデセ
ン−7(DBU)を、7−(D(−)−α−アミノ−p−
ヒドロキシフエニルアセトアミド)−3−(((1−メ
チル−1H−テトラゾール−5−イル)−メチル)−3−
セフエム−4−カルボン酸4.77gを塩化メチレン15mlに
懸濁した懸濁物に添加した。この混合物を15〜25℃で30
分間にわたり撹拌した。しかる後、この混合物に3.5gの
N,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオキ
ソ)−ピペラジンを20〜25℃で撹拌しながら、クロマト
グラフ分析により出発セファロスポリンが上記目的化合
物;セホペラゾンにほぼ完全に転化するのを確めるまで
添加した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アサンシオン・エステベ・ビアンチニ スペイン国 08024‐バルセロナ プラ ザサンレーイ 5 (72)発明者 カルロス・イー・レンハルド・パドロ スペイン国バルセロナ 08328‐アレー ラ ラムブラ デ ラ フォントカルダ 30 (72)発明者 エステベ・サンス・ピタリッチ スペイン国 08025‐バルセロナ ナポ レス 326

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I: のN,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオ
    キソ)−ピペラジン。
  2. 【請求項2】4−エチル−2,3−ジオキソ−ピペラジン
    またはそのトリメチルシリル誘導体と塩化カルボニルま
    たはジホスゲンとを反応させることを特徴とする、式I: のN,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオ
    キソ)−ピペラジンの製造方法。
  3. 【請求項3】α−アミノフェニル酢酸、α−アミノ−p
    −ヒドロキシフェニル酢酸、6−(α−アミノ−フェニ
    ルアセトアミド)−ペニシラン酸および7−(α−アミ
    ノ−フェニルアセトアミド)−セファロスポラン酸から
    選択されたアミノ酸と反応させて、式II: (式中、Rはそのα−位で置換しているフェニル酢酸、
    p−ヒドロキシフェニル酢酸、6−(フェニルアセトア
    ミド)−ペニシラン酸または7−(フェニルアセトアミ
    ド)−セファロスポラン酸の残基を示す)の化合物を製
    造するための、式I: のN,N′−カルボニル−ビス−(4−エチル−2,3−ジオ
    キソ)−ピペラジンの使用方法。
  4. 【請求項4】アミノ酸が式III: (式中、XおよびYは同一または異なって水素、ヒドロ
    キシまたは塩素を示し、R2は水素、メトキシまたはホル
    ミルアミノを示す)で表わされる化合物である、請求項
    3記載の使用方法。
  5. 【請求項5】アミノ酸が式IV: (式中、XおよびYは同一または異なって水素、ヒドロ
    キシまたは塩素を示し、R2は水素、メトキシまたはホル
    ミルアミノを示し、Zは塩素、メチル、アセチルオキシ
    メチル、メトキシ、5−(1−メチル−1,2,3,4−テト
    ラゾリル)−チオメチル、2−(5−メチル−1,3,4−
    チアジアゾリル)−チオメチルまたは−CH2−R4(R4
    −CH2−O−CO−CH3のアセトキシに求核置換により挿入
    できる基)を示す)で表わされる化合物である、請求項
    3記載の使用方法。
  6. 【請求項6】アミノ酸が式V: (式中、XおよびYは同一または異なって水素、ヒドロ
    キシまたは塩素を示す)で表わされる化合物である、請
    求項3記載の使用方法。
  7. 【請求項7】アミノ酸がそのカルボキシル基について第
    三アミン塩、第二アミン塩、環状アミジン、直鎖アミジ
    ンまたはシリルエステルの形態にある、請求項3記載の
    使用方法。
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