JP2693039B2 - 珪酸ジルコニウム粉砕媒体および微粉砕方法 - Google Patents

珪酸ジルコニウム粉砕媒体および微粉砕方法

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JP2693039B2 JP7519738A JP51973895A JP2693039B2 JP 2693039 B2 JP2693039 B2 JP 2693039B2 JP 7519738 A JP7519738 A JP 7519738A JP 51973895 A JP51973895 A JP 51973895A JP 2693039 B2 JP2693039 B2 JP 2693039B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1. 発明の技術分野 本発明は、粉砕媒体に関しより詳細には珪酸ジルコニ
ウム粉砕媒体に関するものである。
2. 従来技術の説明 たとえばセラミック部品の製造、磁気媒体の製造およ
び塗料の製造など多くの用途は、それぞれセラミック
質、磁性もしくは顔料の粉末を所定の用途に適する特定
の結合剤にできるだけ完全に分散させることを必要とす
る。高分散したセラミック粉末は、分散度の低い固形物
から調製されたものよりも高い密度および高い強度を有
するセラミック部品をもたらす。磁気媒体のデータ記憶
容量は粒子の大きさにより制限され、完全分散した微細
粉末の磁気媒体は最大の情報記憶を達成する。たとえば
隠蔽力、光沢、色および耐久性などの塗料の光学的性質
は、達成される顔料の分散度に強く依存する。微細粉末
は、達成される顔料の分散度に強く依存する。微細粉末
は、この種の完全な粉末分散を得ることが要求される。
典型的には、たとえばディスクミル、ケージミルおよび
/またはアトリッションミルのような微粉砕装置を微粉
砕媒体と共に用いてこの種の微細粉末を生成させ、理想
的には粉末をその最終的な分割状態(たとえば単一粉末
結晶の大きさ)まで減寸させる。
或る種の粉末の微粉砕は解凝集処理を含み、この処理
によりたとえば水素結合した表面水分のような化学結
合、たとえば粒子間のファンデルワールス力および静電
力、並びに粒子を合体させ続ける他の結合を破壊および
/または克服して、その最終的分割状態にて粒子を得ね
ばならない。解凝集微粉砕処理を行って微細粉末まで減
寸される1種の顔料粉末は二酸化チタンである。二酸化
チタン顔料粉末の最適な分散は、最適化された性能特
性、特に向上した光沢、耐久性および隠蔽力をもたら
す。
解凝集処理は、製品粉末から効果的に分散しうるよう
微粉砕される製品粒子の実際の大きさの最小倍数である
小粒子の大きさを特徴とした粉砕媒体を用いて最もよく
行われる。連続法において、粉砕媒体は密度分離技術を
用いて製品粒子から分離することができる。連続法で操
作される典型的なビーズミルもしくはサンドミルにおい
て、製品からの粉砕媒体の分離は粉砕媒体と製品粉末粒
子との間に存在する沈降速度、粒子の大きさもしくは両
パラメータの間の差に基づいて行うことができる。
工業的な微粉砕処理は典型的にはたとえばシリカサン
ド、ガラスビーズ、セラミック媒体または鋼球を粉砕媒
体として使用する。これらのうち、砂およびガラスビー
ズの約2.6g/ccという低密度、並びにガラスビーズの低
い硬度は、砂もしくはガラスビーズを用いて微粉砕しう
る材料を制限する。スチールショットの使用は、微粉砕
工程の際にスチールショットの磨耗生成物から生じた鉄
汚染物を許容しうるような用途のみに制限される。
したがって、小粒子と広範囲の材料の微粉砕につき使
用しうるよう分離目的につき充分高い密度とを特徴と
し、さらに磨耗副生物を発生させて製品粉末の汚染をも
たらさないような比較的安価な濃度かつ無毒性の粉砕媒
体につきニーズが存在する。
発明の要点 本発明は比較的安価かつ濃密な無毒性である天然産珪
酸ジルコニウム砂の粉砕媒体を提供し、この粉砕媒体は
小粒子と広範囲の材料を粉砕するのに適する充分高い密
度とを有すると共に製品粉末をその磨耗副生物で汚染す
ることがなく、さらにこの粉砕媒体を用いる粉末の微粉
砕方法をも提供する。
本発明の一面によれば、約4g/cc〜約6g/cc(絶対)の
範囲、より好ましくは約4.6g/cc〜約4.9g/cc(絶対)の
範囲、特に好ましくは約4.75g/cc〜約4.85g/cc(絶対)
の範囲の密度を特徴とする天然産の珪酸ジルコニウム砂
が提供される。
本発明は、被粉砕物粉末と4.0g/cc〜6.0g/cc(絶対)
の範囲の粉砕媒体密度を特徴とする粉砕媒体とを供給
し、被粉砕物粉末および粉砕媒体を液体媒体と混合して
微粉砕用スラリーを形成させ、この微粉砕用スラリーを
所望の製品粉末粒子の大きさを有すると共に被粉砕物粉
末と実質的に同じ組成を有する製品粉末を含む製品スラ
リーを生成させるのに充分な時間にわたり微粉砕し、さ
らに製品スラリーを微粉砕用スラリーから分離すること
を特徴とする粉末の微粉砕方法を提供する。
本発明の目的は、天然産珪酸ジルコニウム砂の粉砕媒
体を提供することにある。
本発明の他の目的は、天然産珪酸ジルコニウム砂の粉
砕媒体を用いる粉末の微粉砕方法を提供することにあ
る。
本発明の他の目的、特徴および利点については以下の
好適実施形態の説明を見れば当業者には容易に明かとな
るであろう。
好適実施形態の説明 以下、本明細書および請求の範囲にて用いる「天然
産」と言う用語は、珪酸ジルコニウム砂が特定の粒子の
大きさの珪酸ジルコニウム砂の形態で採掘されて人工的
に合成、加工または人工生産される珪酸ジルコニウム材
料とは区別されることを示す。本発明の珪酸ジルコニウ
ム砂粉砕媒体は、特定の粉砕操作に使用するのに適する
フラクションを得るよう選別しうる適する大きさおよび
形状にて天然に生ずる。採掘された珪酸ジルコニウム砂
を選別して、粉砕媒体として使用すべき珪酸ジルコニウ
ム砂の適するフラクションを粒子の大きさに基づいて分
離する。以下の本明細書および請求の範囲で用いる「粉
砕媒体」と言う用語は、たとえばディスクミル、ケージ
ミルもしくはアトリッションミルのような微粉砕装置に
一層微細に粉砕し或いは解凝集すべき粉末と一緒に入れ
て、微粉砕装置の剪断作用を処理される粉末に伝達する
ことにより、粉末の各粒子を分断させることを意味す
る。
本発明は、約4g/cc〜約6g/ccの範囲、より好ましくは
約4.6g/cc〜約4.9g/ccの範囲、特に好ましくは約4.75g/
cc〜約4.85g/ccの範囲の密度を特徴とする天然産の珪酸
ジルコニウム砂を含む粉砕媒体を提供する。
この天然産の珪酸ジルコニウム砂は単一相になる傾向
を有する一方、合成珪酸ジルコニウムのセラミックビー
ズは典型的には多相材料である。たとえばアルミニウ
ム、鉄、ウラニウム、トリウムおよび他の重金属、並び
にTiO2のような表面汚染物が天然産珪酸ジルコニウム砂
粒子の表面に存在しうる。表面汚染物が当業者に知られ
た任意の表面予備調整処理(たとえば洗浄および分別)
により除去されると、化学分析は残留汚染物が全て珪酸
ジルコニウムの結晶構造内に存在すると共に微粉砕され
る粉末に悪影響を与えないことを示す。
上記した天然産珪酸ジルコニウム砂の密度が合成珪酸
ジルコニウムビームの典型的な特徴である3.8g/ccの密
度を越えるので、合成珪酸ジルコニウムビーズよりも小
さい粒子の大きさの天然産珪酸ジルコニウム砂粉砕媒体
を珪酸ジルコニウム砂が微粉砕用スラリーから浮遊する
ことなく使用することができ、分散媒体として無駄にす
ることがない。
珪酸ジルコニウム砂の粉砕媒体は粒子の大きさを特徴
とし、この粒子の大きさは最終製品粒子の大きさ、すな
わち微粉砕製品粉末から効果的に分離しうる微粉砕製品
粉末の粒子の大きさの最小倍数である。典型的には天然
産珪酸ジルコニウム砂の粒子の大きさは100μmより大
であり、約100〜約1500μmの範囲、より好ましくは約1
00〜約500μmの範囲、特に好ましくは約150〜約250μ
mの範囲とすることができる。採掘された天然産の珪酸
ジルコニウム砂は、当業者に周知された技術を用いて篩
分することにより効果的粉砕媒体として作用するのに適
する大きさの粒子を含む砂の粗大フラクションを分離す
ることができる。
粉砕媒体は微粉砕される物質および微粉砕工程に適合
する任意の液体媒体とすることができ、水、油、任意の
他の有機化合物またはその混合物を包含し、これを天然
産の珪酸ジルコニウム砂と合してスラリーを形成させる
ことができる。液体媒体は微粉砕される物質に応じて選
択される。微粉砕された製品粉末は微粉砕工程を完了し
た後に液体媒体から分離してもしなくてもよい。しかし
ながら、粉砕媒体は一般に微粉砕工程が完了した後に液
体媒体から分離される。
微粉砕される粉末が油性塗料もしくはインキに使用す
る顔料であれば、液体媒体はたとえば天然産の油、たと
えば桐油、亜麻仁油、大豆油もしくはトール油またはそ
の混合物のような油とすることができる。これら天然産
の油は、たとえば鉱物スピリット、ナフサもしくはトル
エンまたはその混合物のような溶剤(これらはさらにた
とえばガム、樹脂、分散剤および/または乾燥剤のよう
な物質をも含むことができる)と混合することができ
る。さらに液体媒体は油性塗料およびインキの製造に使
用される他の物質、たとえばアルキド樹脂、エポキシ樹
脂、ニトロセルロース、メラミン、ウレタンおよびシリ
コーンをも含むことができる。
微粉砕される粉末が水性塗料、たとえばラテックス塗
料に使用するための顔料であれば液体媒体は水とするこ
とができ、必要に応じ消泡剤および/または分散剤を含
むことができる。さらに、粉末がセラミックもしくは磁
性粉末であれば媒体は水とすることができ、さらに分散
剤をも含むことができる。
天然産の珪酸ジルコニウム砂と液体媒体とを合して粉
砕スラリーを形成させることができ、このスラリーは約
1.0〜約10,000cpsの範囲、より好ましくは約1.0〜約500
cpsの範囲、特に好ましくは約1.0〜約100cpsの範囲とし
うる粉砕スラリー粘度を特徴とする。一般に粉砕スラリ
ー粘度は粉砕スラリーにおける固形物の濃度により決定
され、したがって粉砕スラリーにおける固形物の濃度が
高いほど粉砕スラリーの粘度および密度も高くなる。粉
砕スラリー粘度には絶対的な上限は存在しないが、或る
粘度にて粉砕媒体が必要とされない点に達し、これはた
とえば粉砕媒体なしに押出機、ロールミルなどで配合さ
れるプラスチックの場合と同様である。
本発明は、被粉砕物粉末を供給し;4.0g/cc〜6.0g/cc
(絶対)の範囲の粉砕媒体密度を特徴とする天然産の珪
酸ジルコニウム砂を含む粉砕媒体を供給し;液体媒体を
供給し;被粉砕物粉末を液体媒体と混合して微粉砕用ス
ラリーを形成させ;この微粉砕用スラリーを所望の製品
粉末粒子の大きさを特徴とする製品粉末を含むと共に、
被粉砕物粉末と実質的に同じ組成を有する製品スラリー
を生成させるのに充分な時間にわたり強力ミル中で微粉
砕し;製品粉末を含む製品スラリーを微粉砕用スラリー
から分離することを特徴とする粉末の微粉砕方法を提供
する。
本発明の方法に使用する被粉砕物粉末は凝集および/
または凝結した粉末とすることができる。凝集粉末は約
500μm未満の凝集粉末の粒子の大きさを特徴とし、よ
り好ましくは約0.01〜約200μmの範囲とすることがで
きる。二酸化チタン顔料粉末については凝集粉末は約0.
05〜約100μmの範囲の粒子の大きさを有し、これを微
粉砕して個々の二酸化チタン結晶の粒子の大きさに近づ
けることができる。
さらに被粉砕物粉末は約0.8g/cc〜約5.0g/cc(絶対)
の範囲の被粉砕物粉末密度をも特徴とする。本発明の方
法は、典型的には上記範囲の下限値における密度を有す
る有機粉末、並びにたとえば二酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、ベントナイトもしくはカオリンまたはその混合物
のような無機粉末につき適している。二酸化チタン被粉
砕物粉末は、約3.7g/cc〜約4.2g/ccの範囲の密度を有す
る凝集二酸化チタン顔料とすることができる。
本発明の方法に使用する天然産の珪酸ジルコニウム砂
はさらに約100μmより大の珪酸ジルコニウム砂の粒子
の大きさをも特徴とし、約100〜約1500μmの範囲、よ
り好ましくは約100〜約500μmの範囲、特に好ましくは
約150〜約250μmの範囲とすることができる。
本発明の方法に使用する液体媒体は、上記規準に従っ
て選択される油もしくは水とすることができる。
工程(5)の微粉砕は,粉砕媒体を用いる強力ミル、
望ましくは1分間当たり6000〜14000回往復微動する公
称剪断率と1分間当たり304.8〜762mの撹拌機の周速度
を有するもの、たとえば限定はしないが、ケージミルも
しくはディスクミルのような内容物を垂直に流動させる
か水平に流動させるよう設計された適当な任意の微粉砕
装置で行うことができる。この微粉砕工程はバッチ法も
しくは連続法とすることができる。
製品スラリーを微粉砕用スラリーから分離する工程
(6)は、製品粉末を液体媒体と一緒に含有する製品ス
ラリーを微粉砕用スラリーから、被粉砕物粉末と粉砕媒
体と製品粉末粒子との、たとえば粒子の大きさ、粒子密
度および粒子沈降速度のような物理的性質間の差に基づ
いて区別することにより達成される。上記したように、
製品粉末は微粉砕工程が完了した後に液体媒体から分離
してもしなくてもよい。しかしながら、粉砕媒体は一般
に微粉砕工程が完了した後に液体媒体から分離される。
製品粉末は製品スラリーから分離され、たとえば粉末を
分散媒体に分散させて分散物を形成させるような他の処
理にかけることができる。分散物が油性塗料もしくはイ
ンキであるか或いは水性塗料もしくはインキであるか或
いはセラミックもしくは磁性粉末の分散物であるかどう
かに応じ、分散媒体は液体媒体の選択につき上記したと
同じ基準にしたがい選択することができる。製品粉末を
製品スラリー中にで使用すべき場合は、もはや分散工程
を必要としない。
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。これら
実施例で用いる特定化合物、方法および条件は本発明を
例示するものであって限定を意味するものでない。
実施例1 以下の実施例により、従来の市販の合成珪酸ジルコニ
ウムセラミックビーズの粉砕媒体としての性能を標準的
10〜40メッシュ(U.S.)シリカ砂の性能応と比較する。
1分間当たり14000回往復微動する公称剪断率と1分
間当たり762mの撹拌機の周速度を有し、275ガロンの公
称粉砕室容量と500ガロンの全容量とを有するディスク
ミルに別々に3000ポンドの公称300μmおよび210μmの
大きさの合成珪酸ジルコニウムセラミックビーズを充填
すると共に1200ポンドの標準的10〜40メッシュ(U.S.)
シリカ砂を充填し、最高のミル充填はシリカ砂に適す
る。3000ポンドの合成珪酸ジルコニウムセラミックビー
ズが充填されたミルおよび1200ポンドの10〜40メッシュ
(U.S.)シリカ砂が充填されたミルを毎分16、23および
30ガロンの流量で操作した。全ミルに供給した供給スラ
リーは1.35g/ccの密度を有し、二酸化チタンを含有して
その約40%は水中で0.5μm未満の大きさを有した。製
品スラリーにおける二酸化チタン粒子の大きさは、0.2
%のヘキサメタ燐酸ナトリウム表面活性剤を含む水にて
リードおよびノースラップ9200シリーズのミクロトラッ
ク(登録商標)粒径アナライザにより室温にて測定し
た。その結果を第1表に要約し、これは大きさ0.5μm
未満もしくはそれに等しい製品粉末の%により示される
合成珪酸ジルコニウムセラミックビーズの粉砕効率が10
〜40メッシュ(U.S.)シリカ砂の粉砕効率と比較して好
適であることを示す。
さらに、210μmの合成珪酸ジルコニウムセラミック
ビーズで処理した仕上顔料の性質をシリカ砂で処理した
顔料の性質と比較した場合、シリカ砂で処理された仕上
顔料の性質に関し幾つかの改善が観察された。これら改
善は、顔料をアルキド樹脂中に混入する時間として規定
される中断時間の約57%短縮、顔料を混入した後にアル
キド樹脂塗料系を混合するのに要するトルクとして規定
されるコンシステンシーの約42%減少、ラテックス塗料
系における60゜光沢測定値として規定されるB235セミ−
グロスにおける約6単位の増加、画像を塗装表面上に感
知しうる相対深さとして規定されるB202H曇りの約12単
位の減少、およびアクリル樹脂で作成された塗料系から
の20゜の反射光における測定値として規定されるB202光
沢の約2単位の増加を包含する。
天然産珪酸ジルコニウム砂の粉砕媒体は、その高い密
度および単一相の微小構造により、上記の合成珪酸ジル
コニウムセラミックビーズを用いて得らるものの性質よ
りも優秀な性質を持った顔料粉末を生成しうることが注
目される。
実施例2 実施例2は、合成珪酸ジルコニウムセラミックビーズ
の性能を本発明による天然産珪酸ジルコニウム砂の粉砕
媒体の性能と比較するためのものである。天然産珪酸ジ
ルコニウム砂は合成珪酸ジルコニウム製品の3.8g/ccの
密度よりも高い密度を有して、合成珪酸ジルコニウム製
品の粒子の大きさと比較し小さい天然産珪酸ジルコニウ
ム砂粒子の使用を可能にし、これにより一層高い粉砕効
率を与える。
1分間当たり6000回往復微動する公称剪断率と1分間
当たり304.8mの撹拌機の周速度を有するケージミルにて
約180〜210μmの範囲の粒子の大きさを有する天然産珪
酸ジルコニウム砂の粉砕媒体を用いるプラント試験は、
天然産珪酸ジルコニウム砂は生産流速で二酸化チタン顔
料中の0.5μmより大きい粒子の大きさを有する粗大粒
子の除去に好適に用い得ることを示している。ミルから
の媒体の顕著な損失は観察されなかった。
実施例2は従来のシリカ砂で操作するミルBと天然産
珪酸ジルコニウム砂で操作するミルCにて流量を変化さ
せて行った。ミルBおよびミルCにおける砂充填量は実
施例1で使用した量と同様であり、すなわちミルBでは
1200ポンドのシリカ砂を使用し、ミルCでは3000ポンド
の天然産珪酸ジルコニウム砂を用いた。各試料を両サン
ドミルから同時に得た。ミル供給物を試料採取して、供
給物粒子の大きさにおける粒子の大きさの変化を測定し
た。
第2表の粒子の大きさデータは、低流量(約13ガロン
/min)にて或いは高流量(約35ガロン/min)にて天然産
の珪酸ジルコニウム砂が従来のシリカ砂の性能と対比し
粒子の大きさの減少にはずっと効率的であることを示し
ている。
所定時間の連続操作の後、両ミルの溢出物を顔料の光
学的品質および汚染につき試料採取した。
天然産珪酸ジルコニウム砂の粉砕媒体から得られた顔
料製品の汚染は、ミル溢出物に存在する顔料固形物のx
線蛍光検査により測定して最小であった。x線蛍光によ
り同様に測定した金属汚染物レベルは、従来のシリカ砂
粉砕媒体を用いて微粉砕した顔料で観察されたレベルと
同様であった。粉末圧縮表面から反射される全光および
反射光のスペクトル(すなわち色)として規定されるB3
81ドライカラーおよび光沢試験により測定される天然産
珪酸ジルコニウム砂で微粉砕された顔料の光学的品質
は、従来のシリカ砂を用いて微粉砕された試料につき得
られた品質に匹敵した。これら試験の結果を第3表に要
約する。
天然産珪酸ジルコニウム砂で19日間にわたり操作した
後、ミルCをこのミルの下側におけるフランジに挿通さ
れた光学繊維プローブを用いてゴムライニングの磨耗の
徴候につき点検した。ゴムライニングにおける磨耗の徴
候は実質的に観察されず、これは一般に新たにライニン
グされたミルの表面に存在するゴムミルライニングにお
ける織物状パターンの状態で示される。これに対し、従
来のシリカ砂粉砕媒体を用いて僅か1週間操作したミル
において、このミルのライニングは相当な磨耗を示し、
特に織物状パターンがほぼ完全に磨耗したミルロータ棒
の先端部まで磨耗を示した。
実施例3 以下の実施例は、種々異なる天然原料から得られた天
然産珪酸ジルコニウム砂につき粒子の大きさ、不純物含
有量および粉砕性能における相違を示すためのものであ
る。
3種の天然産珪酸ジルコニウム砂試料(以下、試料
1、試料2および試料3と称する)を、ロタップ(登録
商標)にて30分間行う篩分析により粒子の大きさにつき
評価した。第4表に示したデータに基づき、試料2およ
び試料3は粒子の大きさに関し類似するのに対し試料1
はより小さく、試料1の砂をケージミル内に連続処理に
際し保持するのを困難にする。
さらに、3種の天然産珪酸ジルコニウム砂試料をx線
蛍光技術を用いる元素分析にかけた。元素分析の結果を
第5表に示す。
さらに、実験室規模の粉砕試験をも3種の天然産珪酸
ジルコニウム砂を用いて行った。この試験は1.8:1のジ
ルコニウム砂と顔料との充填比にて標準的な実験室の充
填量でケージミルにて行った。第6表は、0.5μmをパ
スする粒子、すなわち0.5μmよりも小さい粒子の2分
間、4分間および8分間の粉砕後における比率およびこ
れら時間におけるメジアン粒径を示す。顔料は、未処理
の内装エナメル級二酸化チタン顔料とした。粒子の大き
さは上記したようにミクロトラック(登録商標)粒径ア
ナライザを用いて測定した。
フロントページの続き (72)発明者 ストーリー、フィリップ エム. アメリカ合衆国 73099 オクラホマ州 ユーコン ダブリュー.メモリアル ロード 13225 (56)参考文献 特開 平2−56231(JP,A) 英国特許679552(GB,B)

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)被粉砕物粉末を供給し; (2)4.0g/cc〜6.0g/cc(絶対)の範囲の粉砕媒体密度
    および100〜500μmの範囲の粒子の大きさを特徴とする
    天然産の珪酸ジルコニウム砂からなる粉砕媒体を供給
    し; (3)液体媒体を供給し; (4)前記被粉砕物粉末と前記粉砕媒体と前記液体媒体
    とを混合して微粉砕用スラリーを形成させ; (5)前記微粉砕用スラリーを、所望の製品粉末の粒子
    の大きさを特徴とする製品粉末を含むと共に前記被粉砕
    物粉末と実質的に同じ組成を有する製品スラリーを生成
    させるのに充分な時間にわたり強力ミル中で微粉砕し; (6)前記製品粉末を含む前記製品スラリーを前記微粉
    砕用スラリーから分離して前記粉砕媒体を前記微粉砕用
    スラリー中に残留させる 工程からなる粉末の微粉砕方法。
  2. 【請求項2】前記強力ミルが1分間当たり6000〜14000
    回往復微動する公称剪断率と1分間当たり304.8〜762m
    の撹拌機の周速度を有するものである請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記強力ミルがディスクミルおよびケージ
    ミルからなる群から選択されるものである請求の範囲第
    2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記被粉砕物粉末が凝集粉末である請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記凝集粉末が凝集粉末粒子の大きさをさ
    らに特徴とし、前記凝集粉末粒子の大きさが0.01〜500
    μmの範囲である請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記被粉砕物粉末が0.01〜200μmの範囲
    の粒子の大きさを有するものである請求の範囲第5項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】前記被粉砕物粉末が凝結粉末である請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記被粉砕物粉末と前記製品粉末とが0.8g
    /cc〜5g/cc(絶対)の範囲の粉末密度をさらに特徴とす
    る請求の範囲第1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記被粉砕物粉末が有機粉末である請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記被粉砕物粉末が無機粉末である請求
    の範囲第1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記被粉砕物粉末が凝集した二酸化チタ
    ン顔料である請求の範囲第1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記珪酸ジルコニウム砂の粒子の大きさ
    が150〜250μmの範囲の大きさである請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記液体媒体が前記方法および前記粉末
    と適合しうる液体である請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】前記強力ミルが内容物を垂直に流動させ
    る機能を有するものである請求の範囲第2項に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】前記強力ミルが内容物を水平に流動させ
    る機能を有するものである請求の範囲第2項に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】前記製品スラリーを前記微粉砕用スラリ
    ーから分離する前記工程(6)を、被粉砕物粉末と粉砕
    媒体と製品粉末との粒子の大きさ、粒子密度および粒子
    沈降速度よりなる群から選択される物理的性質間の差に
    基づいて前記製品スラリーを前記微粉砕用スラリーから
    区別するように行う請求の範囲第1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記工程を連続的に行う請求の範囲第1
    項に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記工程をバッチ法により行う請求の範
    囲第1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記製品粉末を前記製品スラリーから分
    離すると共に、前記製品粉末を分散媒体に分散させて分
    散物を形成させる工程をさらに含む請求の範囲第1項に
    記載の方法。
  20. 【請求項20】前記分散媒体が前記粉末および前記方法
    と適合しうる液体媒体である請求の範囲第19項に記載の
    方法。
  21. 【請求項21】前記珪酸ジルコニウム砂の粒子の大きさ
    が微粉砕された製品粉末から分離しうる微粉砕製品の粒
    子の大きさの最小倍数である請求の範囲第1項に記載の
    方法。
  22. 【請求項22】前記粉砕媒体がさらに液体媒体からなる
    請求の範囲第1項に記載の方法。
  23. 【請求項23】前記液体媒体が水、油、有機化合物およ
    びその混合物からなる群から選択される液体媒体である
    請求の範囲第22項に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記天然産の珪酸ジルコニウム砂と前記
    液体媒体とを合してそれらの摩砕スラリーにするもので
    ある請求の範囲第22項に記載の方法。
  25. 【請求項25】前記摩砕スラリーが摩砕スラリー粘度を
    さらに特徴とし、前記摩砕スラリー粘度が1.0〜10,000c
    psの範囲である請求の範囲第24項に記載の方法。
  26. 【請求項26】前記粉砕媒体が4.6g/cc〜4.9g/cc(絶
    対)の範囲の密度を有するものである請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  27. 【請求項27】前記粉砕媒体が4.75g/cc〜4.85g/cc(絶
    対)の範囲の密度を有するものである請求の範囲第26項
    に記載の方法。
  28. 【請求項28】前記摩砕スラリーが1.0〜500cpsの範囲
    の摩砕スラリー粘度をさらに特徴とする請求の範囲第25
    項に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記摩砕スラリーが1.0〜100cpsの範囲
    の摩砕スラリー粘度をさらに特徴とする請求の範囲第28
    項に記載の方法。
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