JP2692401B2 - 薄膜コンデンサ - Google Patents

薄膜コンデンサ

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JP2692401B2
JP2692401B2 JP3039747A JP3974791A JP2692401B2 JP 2692401 B2 JP2692401 B2 JP 2692401B2 JP 3039747 A JP3039747 A JP 3039747A JP 3974791 A JP3974791 A JP 3974791A JP 2692401 B2 JP2692401 B2 JP 2692401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜コンデンサの構造,
特に半導体基板上に形成されるコンデンサの構造に関す
る。
【0002】近年の半導体集積回路の精密化に伴い,半
導体基板上に精密な容量の薄膜コンデンサを形成する技
術が要請されている。しかし,素子が微細化されるにつ
れ,配線容量の効果が大きくなり,精密な容量の薄膜コ
ンデンサを製造することは困難となってきた。
【0003】このため,容量に及ぼす配線の影響が小さ
い構造を有する薄膜コンデンサが必要とされている。
【0004】
【従来の技術】従来の薄膜コンデンサの製造技術を図4
を参照して説明する。図4は,従来例の平面図及び断面
図であり,薄膜コンデンサの構造及び配線パターンの位
置ずれを示している。なお,図4(a)は絶縁層6を取
り除いて描かれている。
【0005】薄膜コンデンサは以下の工程により製造さ
れる。薄膜コンデンサを形成する第一の電極3は,シリ
コン基板1表面を熱酸化して形成される酸化膜からなる
絶縁膜2上にポリシリコンを堆積した後フォトエッチン
グにより形成される。
【0006】第二の電極5は,第一の電極3表面を酸化
して形成された誘電体層4上にポリシリコンを堆積した
のちフォトエッチングして形成される。次いで,絶縁層
6を塗布し,コンタクトホール8をフォトリソグラフィ
により設ける。
【0007】次いで,Alを堆積した後,フォトリソグ
ラフィにより第一の電極3の引出し用配線7及び回路配
線12を形成して薄膜コンデンサは完成する。上記薄膜コ
ンデンサの製造工程において,引出し用配線7はフォト
リソグラフィの位置合わせ精度の限界から設計位置に正
確には形成されず,図4(a)中に引出し用配線7Aと
して点線で示された位置にずれるのである。
【0008】この引出し用配線7の位置ずれにより,引
出し用配線7と第二の電極5とが重なる面積がずれ部分
10Aだけ変動する結果,引出し用配線7と第二の電極5
との重複部分に起因する容量はずれ部分10Aの面積に係
る容量分だけ変化する。
【0009】従って,薄膜コンデンサの実質的な容量も
また変動することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように,従来の
薄膜コンデンサの製造にあっては,フォトリソグラフィ
の精度の限界から引出し用配線の位置ずれを生ずるため
に,引出し用配線とその対極電極との重複面積が変動
し,容量が変化することから,精密な容量のコンデンサ
を製造することができないという問題があった。
【0011】本発明は,フォトリソグラフィにおいて引
出し用配線の位置ずれを生じても,容量変化が起きない
薄膜コンデンサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1,図2は本発明の実
施例である。図1(a)は第一実施例の薄膜コンデンサ
の構造を示す平面図(絶縁層6を除去して描かれてい
る。),図1(b)はその断面図である。図2(a)は
第二実施例の平面図であり,薄膜コンデンサの構造を示
している。
【0013】上記課題を解決するための本発明の構成
は,図1及び図2を参照して,第一の構成は,基板上に
設けられ,上面及び側面が誘電体層4により被覆された
第一の電極3と,該第一の電極3を被覆する第二の電極
5と,該第二の電極5を覆う絶縁層6と,該絶縁層6,
該第二の電極5及び該誘電体層4を貫通して該第一の電
極3を表出するコンタクトホール8と,該絶縁層6上に
設けられ該コンタクトホール8を通して該第一の電極3
と接続する引出し用配線7とを有する薄膜コンデンサに
おいて,該引出し用配線7に接続され,該引出し用配線
7の引出し方向と反対方向に該第二の電極5の外側迄延
在する補償用配線11を設けたことを特徴として構成
し,及び,第二の構成は,上記引出し用配線7及び上記
補償用配線11を少なくとも2組設けたことを特徴とし
て構成する。
【0014】
【作用】本発明では,図1に示すように,補償用配線11
は,引出し用配線7と重なる第二の電極5上に,引出し
用配線7とは反対向きに配設される。また,引出し用配
線7と補償用配線11は,ともに第二の電極5上から辺を
越えてその外側にまで設けられている。
【0015】さらに,引出し用配線7と補償用配線11と
はリソグラフィにより同時に形成されるから,位置ずれ
量は両配線7,11について常に同一となる。本発明の第
一の構成においては,両配線7,11の位置ずれ量が同一
であるから,引出し用配線7の位置ずれにより生ずる第
二の電極5と重なる面積の変動分(ずれ部分10Aとして
示す。)は,補償用配線11の位置ずれにより生ずる第二
の電極5と重なる面積の変動部分(ずれ部分10Bとして
示す。)に略等しい。
【0016】このため,配線の位置ずれがあっても各配
線の重複面積の変動が相補的に補償されるため,第二の
電極5と両配線7,11が重なる面積は,全体として変化
しないのである。
【0017】従って,配線の位置ずれにより容量の変化
を生じないのであり,精密な容量の薄膜コンデンサの製
造が可能となるのである。本発明の第二の構成において
は,図2に示す様に,引出し用配線7,7Rと補償用配
線11,11Rの組が2以上設けられている。
【0018】従って,引出し用配線を2以上の方向に設
ける場合にも本発明を適用することができるのである。
本発明では,引出し用配線7,7Rが接続される第一の
電極3が第二の電極5の下にあって,引出し用配線7,
7Rが第二の電極と重なるために電極間容量以外の配線
容量を生ずる薄膜コンデンサに適用される。
【0019】なお,引出し用配線及び補償用配線が引き
出される第二の電極の2辺が平行であり,且つ上記両配
線と重なる辺長が等しいとき,本発明の効果は最も発揮
されることはいうまでもない。
【0020】この場合に,補償用配線11,11Rの幅は,
それと重なる電極の辺長の合計が引出し用配線7と重な
る電極の辺長と等しければよく,従って2以上の補償用
配線11から成っていても,また電極の辺と上記両配線
7,11とが斜交していても差支えない。
【0021】
【実施例】本発明を実施例により説明する。本発明の第
一実施例は,図1に示す,シリコン基板上に形成された
薄膜コンデンサである。
【0022】(100)シリコン基板1上に熱酸化膜か
らなる絶縁膜2を形成し,続いてCVDにより例えば厚
さ500nmのポリシリコン膜を堆積した後,ポリシリ
コンを矩形にホトエッチングして第一の電極3を形成す
る。なお,ポリシリコンに代えて金属電極とすることも
できるのは当然である。
【0023】次いで,第一の電極3の表面に,ポリシリ
コンを酸化して,又は例えばCVDにより厚さ40nm
の酸化膜を形成して,誘電体層4とする。次いで,第二
の電極5を第一の電極3と同様にして形成する。第二の
電極5は,その位置がずれても第一の電極3と重なる面
積が変動しないようにするため,第一の電極3を覆って
形成される。
【0024】次いで,例えば厚さ600nmの絶縁層6
を塗布したのち,フォトエッチングによりコンタクトホ
ール8,9を設ける。次いで,例えば厚さ1μmのAl
を堆積し,フォトエッチングにより補償用配線11と引出
し用配線7を直線状に形成する。これと同時に回路用配
線12をも形成する。
【0025】なお,補償用配線11は第二の電極5の辺を
越えて,その外側へ例えば2μmの長さに形成される。
本実施例によれば,フォトマスクの僅かな変更により,
ブロセス条件をほぼそのままで本発明を実施することが
できる。
【0026】本発明の第二実施例は,図2に示すよう
に,引出し配線7,7Rが2以上の方向に設けられた薄膜
コンデンサに関する。引出し用配線7,7Rの形成前の工
程は,前述の第一実施例と同様である。
【0027】引出し用配線7,7Rは例えば互いに直角に
設けられ,引出し用配線7に対して補償用配線11が,引
出し用配線7Rに対して補償用配線11Rが設けられる。
本実施例によれば,配線の設計における自由度が大きく
なり,回路設計が容易になるという効果を奏する。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】なお,本発明の各実施例における補償用配
線11,11Rは,通常の回路配線の一部を以て代えること
ができるのは当然である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
フォトリソグラフィにより形成される電極引出し用配線
の位置ずれが生じても,薄膜コンデンサの容量には影響
しないという効果を奏するから,精密な容量をもつ薄膜
コンデンサを製造することができ,集積回路の性能向上
に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例平面図及び断面図
【図2】 本発明の第二実施例平面図
【図3】 本発明の第三実施例平面図
【図4】 従来例の平面図及び断面図
【符号の説明】
1 基板 2 絶縁膜 3 第一の電極 4 誘電体層 5 第二の電極 6 絶縁層 7,7R 引出し用配線 8,9 コンタクトホール 10A,10B ずれ部分 11,11A,11R 補償用配線 12,13 回路配線

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられ,上面及び側面が誘電
    体層により被覆された第一の電極と, 該第一の電極を被覆する第二の電極と, 該第二の電極を覆う絶縁層と, 該絶縁層,該第二の電極及び該誘電体層を貫通して該第
    一の電極を表出するコンタクトホールと, 該絶縁層上に設けられ該コンタクトホールを通して該第
    一の電極と接続する引出し用配線とを有する薄膜コンデ
    ンサにおいて, 該引出し用配線に接続され,該引出し用配線の引出し方
    向と反対方向に該第二の電極の外側迄延在する補償用配
    線を設けたことを特徴とする薄膜コンデンサ。
  2. 【請求項2】上記引出し用配線及び上記補償用配線を少
    なくとも2組設けたことを特徴とする請求項1記載の薄
    膜コンデンサ。
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