JP2691424B2 - カップホルダー装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は、車両用などのインストルメントパネルに
引き出し収納可能に設けたカップホルダー装置に関し、
特にテーブルの下部に配置されるカップ支持用トレイを
引出し動作に応じてその下部に自動的に展開できるよう
にした構造の装置に関する。

《従来の技術》 例えば高級乗用車などにあっては、インストルメント
パネルにカップホルダ装置を埋設状態に配置し、飲み物
のカップ安定しておきたい場所に、これに設けたテーブ
ルを引き出し、缶ジュースその他の飲み物のカップをこ
こに保持するようにしたものがある。

このカップホルダー装置は、一般に偏平形のハウジン
グと、該ハウジングの内部に引出し収納可能に保持さ
れ、かつカップの外周を支持するホールド穴を形成した
テーブルと、テーブルの下部にあってカップの底面が設
置される支持用トレイとからなっている。

支持用トレイは、テーブルの両脇部に支持軸を介して
回動可能に枢支されるアームと一体であって、テーブル
の引き出し状態ではトレイの自重によってアームが回動
し、トレイはカップホールド穴の下部に位置するように
なっている。

したがって、カップをホールド穴に差し込むことで、
カップの底面はトレイ上に支持され、外周はテーブルの
ホールド穴周縁に保持される。

《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、この構造のカップホルダー装置にあっ
ては、前記トレイが支持軸を基点として揺動状態に保持
されることになるので、支持軸とアームとの摩擦力が大
きくないとぐらつき、車両走行時の振動、加減速時の慣
性などがあった場合にはカップを安定的に保持出来ず、
ぐらつきによって落下してしまう惧れがあった。

逆に摩擦力が大きいと、自重による回動が難しくな
り、テーブルの引出し後にトレイを回動させて下部に位
置させなければならず、操作性が悪かった。

さらにこの構造では、収納時に車体振動によるがたつ
きなどの低級雑音を発生していた。

この発明は以上の問題を解決するものであって、テー
ブルの引出し時にアームが自重によってでなく、バネ圧
によってトレイをテーブル下部に位置させ、この状態で
安定的に固定できるようにし、また収納状態ではがたつ
きを防止するようにしたカップホルダー装置を提供する
ことを目的とする。

《課題を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この発明は、ハウジング
と、該ハウジング内に引き出し収納可能に保持され、か
つカップホールド穴を形成したテーブルと、該テーブル
の下面に一端をそれぞれ折り畳み展開可能に支持された
カップ支持用トレイと、一端を前記テーブルの下面に回
動可能に支持されるとともに、前記トレイの揺動端に摺
動可能に連結したガイドアームと、該ガイドアームをト
レイとともに常時展開側に付勢するバネ手段とを備えた
ものである。

《作用》 以上の構成によれば、テーブルを引き出した状態でア
ームおよびトレイはバネ圧によって下方に回動し、トレ
イとの間で逆台形状となってテーブルの下部に展開位置
する。

展開位置で、前記アームはバネ圧によって常時トレイ
をテーブルの下部側位置すべく付勢しているので、カッ
プを安定状態に保持できる。

テーブルの引出し状態からこれを収納側に押圧する
と、アームはハウジングの開口部に当接して折畳まれ、
トレイも同時にテーブルの下面に折畳まれ、その状態で
内部に収納される。

ハウジング内部にテーブルが収納された状態では、前
記アームおよびトレイはバネ手段のバネ圧によって常時
ハウジングの内底面に当接しているので、がたつくこと
なく収納されることになる。

《実施例》 以下、この発明の一実施例を図面を用いて詳細に説明
する。

第１図はこの発明のカップホルダー装置の斜視図、第
２図（ａ），（ｂ）は同カップホルダー装置の側断面図
である。

図において、この装置を構成する主要部品は、インス
トルメントパネルなどに嵌め込み固定される前面開口し
た偏平矩形状のハウジング１と、ハウジング１の内部に
摺動可能に出没するテーブル３と、テーブル３の下面前
部側の両側部に回動可能に軸支されたトレイ４と、前記
テーブル３の下面後部側に両側部に一端を回動可能に軸
支され、他端を前記トレイ４の摺動端側に結合したガイ
ドアーム５を備え、これらの各部品はいずれもプラスチ
ック射出成形体で構成されている。

前記ハウジング１の開口縁の上部内側にはストッパ爪
1aが形成され、このストッパ爪1aに対応して前記テーブ
ル３の後部上縁には係止爪3aが突出形成され、両者の係
合によりテーブル３の引出し位置が規制されるようにな
っている。

また、前記テーブル３には一対のカップホールド穴６
が開口形成されているとともに、テーブル３の前部には
プルハンドル部７が突出形成されている。

前記トレイ４は断面く字形をなし、前記テーブル３の
下面にあってその前部両側に形成されたリブ3bに支持軸
８を介して揺動可能に支持されたアーム部4aと、アーム
部4aとく字形をなして一体化されたトレイ部4bとからな
っている。

また、前記アーム部4aと、トレイ部4bとの境目部分に
は円弧状の一対の切欠き4cが形成され、カップＣの底の
径が大きくてもこれを水平状態に保持できるようにして
いる。

そして、このトレイ部4bの揺動端両側にはガイド軸９
が突設され、前記ガイドアーム５の揺動端に形成された
ガイド穴5aに結合している。

前記ガイドアーム５は、前記と同様にテーブル３の下
面両側に形成されたリブ3bに支持軸10を介して揺動可能
に支持されたものである。

そして、この支持軸10の外周には巻バネ11が嵌挿さ
れ、この巻バネ11の一端を前記テーブル３に当接し、他
端をこのガイドアーム５に当接することによって、ガイ
ドアーム５は常時下方回動側に付勢されている。

以上の構成において、第２図（ａ）に示すように、前
記テーブル３がハウジング１の内部に収納されている状
態では、ガイドアーム５はハウジング１の内底面に接し
た状態でテーブル３の底面に折畳まれ、また、前記トレ
イ４もこれと交差する状態でく字形に折畳まれている。

この状態から、テーブル３のプルハンドル部７を手前
側に引き出すと、ガイドアーム５は前記巻バネ11の付勢
力および自重によって支持軸10を基点として下方に回動
する。これと同時にトレイ４側も支持軸８を基点にその
回動端であるガイド軸９をガイド溝5aにスライドさせつ
つ下方に回動し、ガイド溝5aの端部によって回動位置が
規制され、この状態でバネ圧によって固定される。

そして、この固定位置は、第２図（ｂ）に示すよう
に、前記トレイ４のトレイ部4bがテーブル３のカップホ
ールド穴６の直下であって、テーブル３と平行状態の位
置であり、振動、発進、停止時の慣性によってもトレイ
４は逆台形状態を保った状態に固定される。

したがって、前記カップホールド穴６にカップＣを差
し込んだ状態で、カップＣの外周はカップホールド穴６
の内周部で支持され、カップＣの底面はトレイ部4bで支
持され、安定した固定状態を得ることができる。

次に、この引出し状態からテーブル３を押してハウジ
ング１の内部に収納すると、前記ガイドアーム５はハウ
ジング１の開口縁下部に当接し、この状態でさらにテー
ブル３を押し込むことによってテーブル３側に折畳ま
れ、これに応じてトレイ４も折畳まれ、再び第２図
（ａ）に示すような収納状態となる。収納状態において
は、巻バネ11のバネ圧によって常時ガイドアーム５およ
びトレイ４はハウジング１の内底面に接しているので、
振動などによってがたつくことがなく、騒音の発生を未
然に防止できる。

なお、以上の実施例では、巻バネ11をガイドアーム５
側に設けたが、トレイ４のアーム部4a側に設け、これを
回動側に付勢するようにしても効果は同一である。

また、前記実施例では、手でテーブルを持って引出す
ように構成しているが、例えばテーブル３を押出し側に
付勢するバネ手段とハートカム機構などによるラッチア
ッセンブリとの組合わせるようにすれば、ワンプッシュ
収納でき、ツウプッシュで自動的に突出させることがで
き、引出し操作がより簡略化できる。

また、このように構成する場合の望ましい補助手段と
して、ダンパー機構などの介在によって緩慢な突出動作
をさせるようにすれば、動作に高級感を与えることがで
きる。

《発明の効果》 以上実施例によって詳細に説明したように、この発明
によるカップホルダー装置にあっては、以下の効果があ
る。

テーブルを引き出した状態でアームおよびトレイはバ
ネ圧によって下方に回動し、トレイとの間で逆台形状と
なってテーブルの下部に展開位置し、展開位置で、前記
アームはバネ圧によって常時トレイをテーブルの下部側
位置すべく付勢しているため、トレイを安定してテーブ
ルの下部に展開固定できる。また、この発明によれば、
テーブルの収納状態でトレイおよびガイドアームはハウ
ジングに対してバネ圧によって固定状態に保持されてい
るので、車体振動などによるがたつきがなく、低級雑音
などの発生がない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のカップホルダー装置の斜視図、第２
図（ａ），（ｂ）は同断面図であり、（ａ）はテーブル
収納状態を、（ｂ）は引出し状態を示す図である。 １……ハウジング ３……テーブル ４……トレイ ５……ガイドアーム 5a……ガイド溝 8,10……支持軸 ９……ガイド溝 11……巻バネ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ハウジングと、該ハウジング内に引き出し
   収納可能に保持され、かつカップホールド穴を形成した
   テーブルと、該テーブルの下面に一端をそれぞれ折り畳
   み展開可能に支持されたカップ支持用トレイと、一端を
   前記テーブルの下面に回動可能に支持されるとともに、
   前記トレイの揺動端に摺動可能に連結したガイドアーム
   と、該ガイドアームをトレイとともに常時展開側に付勢
   するバネ手段とを備えたことを特徴とするカップホルダ
   ー装置。