JP2691378B2 - シリコン―ゲルマニウム合金熱電素子及び熱電素子用シリコン―ゲルマニウム合金の製造方法 - Google Patents

シリコン―ゲルマニウム合金熱電素子及び熱電素子用シリコン―ゲルマニウム合金の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換
する材料、すなわち熱電材料のうち、特にシリコンとゲ
ルマニウムの組成比が連続的に変化しているシリコン−
ゲルマニウム合金熱電素子と、この合金の気相成長法に
よる好適な製造方法に関する。
[従来の技術] 熱電材料用シリコン−ゲルマニウム合金の製造方法と
しては、例えば、アール、エー、レフェーバー、ジー、
エル、マクベー、アンド アール、ジェー、バウマン:
“プレパレーション オブ ホット プレスド シリコ
ン ゲルマニウム インゴット;パートIII バキュー
ム ホット プレッシング",マテリアルズ リサーチ
ブリティン, 863(1974)(R.A.Lefever,G.L.Mcvay
and R.J.Baughman:“Preparation of Hot−Pressed Sil
icon−Germanium Ingot:PartIII−Vacuum Hot Pressin
g",Mat.Res.Bull. 863(1974))及びそのシリーズ
(パートI及びパートII)に示されている様な粉末焼結
法、あるいは特開昭63-285923号公報に開示される気相
成長法による方法がある。
前者の粉末焼結法によれば、 金属シリコン、金属ゲルマニウム及びドープ材を溶融
する工程。
の工程で得た融液を冷却する工程。
の工程で得たシリコン−ゲルマニウム合金を10メッ
シュ程度まで破砕する工程。
の工程で得たシリコン−ゲルマニウム合金粒をさら
に細かくすりつぶす(粉砕)工程。
の工程で得たシリコン−ゲルマニウム合金粉末を10
-5torr以下の真空容器中、約1300℃、約2000kg/cm2の高
圧下でホットプレスする工程。等の工程を有する。
また、後者の気相成長法法によれば、原料としてSiH4
ガス、GeCl4ガス、P型あるいはN型のドーピングガス
及びキャリアガスを用い、これらのガスを、高温に保持
した基体を据えた反応容器内に導入して、この基体上に
直接シリコン−ゲルマニウム合金を堆積させることがで
きる。
一方、熱電材料用シリコン−ゲルマニウム合金(素
子)としては、前述の粉末焼結法により得たシリコン−
ゲルマニウム合金をそのまま使用したり、あるいはパト
リック エー オリオーダン:“ザ ユー エス デパ
ートメント オブ エナジーズ サーモエレクトリック
デベロップメント プログラム フォア スペース
パワー";プロシーディング オブ インターナショナル
コンファレンス オン サーモエレクトリック エナ
ジー コンバージョン(1982)(Patric A.O'Riordan:"
The U.S.Departmet of Energy's Thermoelectric Devel
opment Program for Space Power";Proceeding of the
International Conference on Thermoelectric Energy
Conversion(1982))に示されているように、中温領域
で性能指数が大きい63.5at%Si-Ge合金と、高温領域で
性能指数が大きな78at%Si-Ge合金とを熱間プレス法で
接合し、より有効に熱電変換すべく試みがなされてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] 熱電素子は動作状態において温度勾配を持っている。
シリコン−ゲルマニウム合金は熱電材料の中でも動作温
度範囲が広い、高効率の高温用熱電材料であるが、温度
により性能指数が最も大きくなるようなシリコンとゲル
マニウムの組成比がある。
また、次式に示すように、性能指数が大きいほど、熱
電変換効率も大きくなる。
ここで、Th,Tcはそれぞれ高温側温度、低温側温度
で、ΔTが温度差、Ζが性能指数、ηが効率である。
したがって、熱電素子として最大の発電効率を得よう
とすれば、動作状態における熱電素子の高温端から低温
端にかけての温度勾配に従って各部位において、それぞ
れの部位を性能指数が最大となる組成比にしてやること
が理想的である。
前述のパトリック エー オリオーダン(Patric A.
O'Riodan)による熱電素子は、これを考慮したものであ
るが、温度勾配が連続的なものであるのに対し、組成の
変化は不連続の2段階にだけとどまっており、まだ充分
な効率の向上が図られていない。また、製造上もこうし
た多層構造の熱電素子では、その接合のための熱間プレ
スの工程が新たに必要となる。
また粉末焼結法は、すでに述べたように原料の溶融工
程で1400℃以上の高温、さらにホットプレスでは、1300
℃近い高温と約2000kg/cm2の高圧、及びその雰囲気は1
×10-5torr以下の高真空度が要求される等、特殊な製造
条件と、それを達成するための高度な技術を必要とす
る。
この他、より高効率の熱電素子とするため、さらに多
段の組成比を持つ素子を考えた場合は、あらかじめこれ
に相当する種類の素材を準備しなければならず、工程が
非常に複雑になり好ましくなかった。
特開昭63-285923号公報に開示されている気相成長法
法による熱電素子用シリコン−ゲルマニウム合金及びそ
の製造法では、組成比率が一定のシリコン−ゲルマニウ
ム合金に関するものであり、従って本発明のようなシリ
コン−ゲルマニウム合金については何ら言及していな
い。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、従来の熱電素子用シリコン−ゲルマニウム
合金熱電素子及びその製造方法の持つこれらの問題点を
解決するものである。
すなわちシリコン−ゲルマニウム合金熱電素子におい
て、熱電素子中のシリコンの含有率が一端(低温端)か
ら他端(高温端)にかけて連続的に増加していることを
特徴としている。
また、気相成長法を用いた熱電素子用シリコン−ゲル
マニウム合金の製造方法において、モノシランガス、四
塩化ゲルマニウムガス、P型またはN型のドーピングガ
ス及びキャリアガスから成る原料ガスのそれぞれの流量
が、熱電素子として動作するときの温度勾配に沿った各
部位の性能指数が最大になる合金組成を与える、予め求
めた、成長各時点における原料ガス流量であることを特
徴とする。
また前記原料ガスのそれぞれの流量は、気相成長炉内
に副生するジクロルシランガス、トリクロルシランガス
またはテトラクロルシランガスのうち少なくとも一種の
ガス濃度に対応させて予め求めた、熱電素子として動作
するときの温度勾配に沿った各部位の性能指数が最大に
なる合金組成を与える、成長各時点における原料ガス流
量であっても良い。すなわち、性能指数を最大にするシ
リコンとゲルマニウムの組成比率を与えるときの、気相
成長炉内のジクロルシランガス、トリクロルシランガス
またはテトラクロルシランガスの少なくとも一種の濃度
と、原料ガス流量との関係を予め求めておき、この関係
に従って気相成長炉内に原料ガスを供給することもでき
る。
以下図面に基づいて本発明を詳説する。
第1図は、本願発明の熱電素子に用いるシリコン−ゲ
ルマニウム合金を示す。第1図(A)は、堆積を終えた
基体31及びシリコン−ゲルマニウム合金100の横断面斜
視図であり、第1図(B)に示すように切り出すと、基
体近傍の地点aから表面bまでの間で、シリコンとゲル
マニウムの組成比が連続的に変化したシリコン−ゲルマ
ニウム合金熱電素子200を得ることができる。これを用
いて熱電素子を製作するときは、第2図に示したよう
に、一端a部すなわちSi濃度の高い側を高温受熱側300
に、他端b部すなわちSi濃度の低い側を低温放熱側400
にする。
第3図は、本発明のシリコン−ゲルマニウム合金熱電
素子を製造するための装置の全体構成図を示す。本発明
に使用される原料ガスのうち窒素(N2)ガス、モノシラ
ン(SiH4)ガス、ドーピングガス、水素(H2)ガスはそ
れぞれ図中番号1,2,3,4のガス供給ラインにより供給さ
れる。図中番号11,12,13は各ガスの流量コントローラで
ある。ガス供給ライン4により供給される水素ガスは気
相成長炉32内の置換用ガスとして、また四塩化ゲルマニ
ウム(GeCl4)のキャリアガスとして使用される。四塩
化ゲルマニウム供給装置402は、四塩化ゲルマニウムタ
ンク401内の四塩化ゲルマニウムを所定流量で、蒸発器4
03に送り、前述の水素ガスをキャリアガスにして、気相
成長炉32内に送り込む。
本発明による熱電素子に用いるシリコンゲルマニウム
合金の製造は以下のように行なわれる。
まず、気相成長炉32には基体31がセットされる。堆積
に先立ち気相成長炉32内は真空ポンプ23によって真空に
引かれた後、水素ガスで置換し、その後水素が流され
る。この水素は保圧装置24で所定圧にされ放出される。
この操作の間並行して初期成長条件と同量のモノシラ
ン、ドーピングガス、それに四塩化ゲルマニウム/水素
ガスがパージライン50より除害装置27に流される。電源
35より電力が供給され、基体が所定の温度に上げられ
る。本実施例では、基体に直接通電し加熱する方法を採
用したが、高周波その他による加熱であってもよい。の
ぞき窓33を通し赤外線放射温度計34で基体表面温度を計
測して所定温度に制御する。成長は水素ガスを止めると
同時にパージライン50に流れていた原料ガスを気相成長
炉32内に導いて行なう。
原料ガスの各流量は、熱電素子の性能指数を最大にす
る組成比率を与える、シリコン−ゲルマニウム合金の成
長速度及び各ガスの分解効率から予めプログラムしてや
るか、あるいは成長中の気相成長炉内に副生するガスを
サンプリングし、ジクロルシランガス、トリクロルシラ
ンガスまたはテトラクロルシランガスの少なくとも一種
をガスクロマトグラフ90により分析定量して、このデー
タを演算装置91に入力し、性能指数を最大にする組成を
与える、予め求めておいた値と、この定量値と原料ガス
流量の関係から、適正なガス流量を、各流量コントロー
ラーと四塩化ゲルマニウム供給装置402を操作して供給
する。
このようにして、所定厚みのシリコン−ゲルマニウム
合金を成長した後は、原料ガスを止め水素ガスのみにす
る。所定時間経過後に基体の温度を下げる。基体の温度
が完全に下がってから気相成長炉内に窒素ガスを流し、
内部を置換する。さらに置換を完全にするため、真空ポ
ンプ23を使い気相成長炉32内を窒素ガスで置換し、基体
31と共にその上に成長したシリコン−ゲルマニウム合金
を取り出す。
また取り出したシリコン−ゲルマニウム合金は、厚み
の方向に温度勾配がとれるように切断、加工し、素子と
する。
[作用] 本発明によるシリコン−ゲルマニウム合金熱電素子、
あるいは熱電素子用シリコン−ゲルマニウム合金の製造
方法は、次のような作用に依っている。
すなわち、熱電素子用シリコン−ゲルマニウム合金の
物性値は、シリコンとゲルマニウムの組成比率あるいは
温度によって大きく変わる。従って高効率の熱電発電を
行なうには、熱電素子の温度勾配に沿い各温度において
性能指数が最も大きくなるようなシリコンとゲルマニウ
ムの組成比にしてやらねばならない。本発明のシリコン
−ゲルマニウム合金熱電素子は、想定される熱電素子内
の温度プロファイルに合わせて連続的にシリコンとゲル
マニウムの比率、すなわち組成比を変化させているた
め、単一組成比のシリコン−ゲルマニウム合金より高効
率を達成する。
また、本発明による熱電素子用シリコン−ゲルマニウ
ム合金の製造方法は、まず原料としてガス状化合物を用
いていること、そして、この原料ガスが気相成長炉内の
自然対流により充分撹拌されることにより気相成長炉内
のガスが均質となる。次いで、これらの原料ガスが基体
表面に達して、ここで基体の持つ熱エネルギーを受けて
分解し、目的のシリコン−ゲルマニウム合金が次々と成
長していく。このときシリコン−ゲルマニウム合金は溶
融状態を経ないので偏析作用を受けず、その結果非常に
均質なものを得ることができる。
ところで、このときのシリコン−ゲルマニウム合金の
組成比すなわちシリコンとゲルマニウムの比は原料であ
るモノシランと四塩化ゲルマニウムの気相成長炉への導
入比及び基体の温度によく対応する。そこで原料ガスで
あるモノシラン、四塩化ゲルマニウムの導入比を変える
ことで任意の組成のシリコン−ゲルマニウム合金を得る
ことができる。また、成長の反応の過程において、HC
l、SiHCl3、SiH2Cl2、SiCl4等が副生ガスとして気相成
長炉内に滞在するが、これら副生ガスの濃度もまた成長
するシリコン−ゲルマニウム合金の組成比とよく対応す
ることが実験により確かめられている。
したがって、合金成長層のある部分が、熱電素子とし
て動作状態に置かれたとき、どのくらいの温度に達する
かを求めておき、その温度での性能指数が最大になると
きの組成を成長する流量で、原料ガスのそれぞれを流せ
ば、高効率のシリコン−ゲルマニウム合金を得ることが
できる。熱電素子に成型した場合、動作しているとき
は、素子中の高温側から低温側にかけて温度に勾配があ
るから、性能指数を最大にするためには素子用合金の成
長が進むにつれて、組成も変化させなければならない。
したがって、各原料ガスの流量は、連続的に変化させる
ことになる。
また、さらに前記の副生ガスの濃度をモニターしなが
らこれを基に、原料ガスの流量を制御しても、同様な高
効率のシリコン−ゲルマニウム合金を得ることができ
る。
なお、成長段階にある成長層の厚さは、測定器により
直接求めることもできるし、成長時間と原料ガスの積算
導入量及び分解効率(収率)とから間接的に求めること
もできる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1] 第3図に示す気相成長炉32内の23mm×3mm×920mmのグ
ラファイト基体31を直接通電して加熱し、920℃に保持
した。ドーピングガスにはホスフィン(PH3)を用い
た。成長開始時は、モノシランガスと四塩化ゲルマニウ
ムはそれぞれ175Nml/min.,600mg/min.で流した。四塩化
ゲルマニウムは常温で液体であるため、蒸発器403で気
化させ、キャリアガス(H2)で気相成長炉32内に導入し
た。ドーピングガスは2.5Nml/min.の割合で流した。基
体温度は、成長中は常時一定に保った。また、反応中成
長炉32内は1.5気圧に保持した。
シリコン−ゲルマニウム合金の成長に伴い、単位時間
当りの成長厚みが一定となるよう、また、予め予備実験
により求めた第4図に示す、素子が最大性能指数を有す
る組成比率を与えるときの原料ガスのそれぞれの流量の
関係から、成長とともに、シリコンの組成比率が低下し
ていくよう、SiH4はcの曲線に従い、またGeCl4はdの
曲線に従って原料ガスの導入量を変化させた。ドーパン
トPH3は成長に伴う表面積の増加に見合う分だけ流量を
増やした。こうして145時間の成長を行なった。
得られた合金の組成は、成長開始時はSi0.805G
e0.195、P濃度5.0×1019atoms/cm3、成長終了時はSi0.
651Ge0.349、P濃度5.1×1019atoms/cm3であった。この
ときの成長速度は2.37μm/min.であった。なお、シリコ
ンの合金中の組成変化は第1図(B)のようであった。
また、これと導電型の異なるシリコン−ゲルマニウム
合金は、ドーピングガスにジボラン(B2H6)を用いて製
造した。得られた合金の組成は、成長開始時はSi0.805G
e0.195、B濃度5.0×1019atoms/cm3、成長終了時はSi0.
651Ge0.349、B濃度5.1×1019atoms/cm3であった。シリ
コンの合金中の組成変化は第1図(B)とほぼ同じであ
った。
[実施例2] 第3図に示す気相成長炉32内の23mm×3mm×920mmのグ
ラファイト基体31を直接通電して加熱し、920℃に保持
した。ドーピングガスにはホスフィン(PH3)を用い
た。成長開始時は、モノシランガスと四塩化ゲルマニウ
ムはそれぞれ175Nml/min.,600mg/min.で流した。四塩化
ゲルマニウムは常温で液体であるため、蒸発器403で気
化させ、キャリアガス(H2)で気相成長炉32内に導入し
た。ドーピングガスは2.5Nml/min.の割合で流した。基
体温度は、成長中は常時一定に保った。また、反応中成
長炉32内は1.5気圧に保持した。
成長開始から1時間経ったときから、成長層の厚さと
狙いの組成比との関係、さらにまた基体上のシリコン−
ゲルマニウム合金の組成比と気相成長炉内に副生するト
リクロルシランガス濃度との関係の二者の関係から、あ
らかじめ導いた第5図に示す、成長層の厚さと気相成長
炉内に副生するトリクロルシランガス濃度の関係に従う
よう、モノシランガス及び四塩化ゲルマニウムの供給
を、流量コントローラ11及び四塩化ゲルマニウム供給装
置402により増減制御しつつ成長を行なった。実際に
は、ガスクロマトグラフ90で計測した気相成長炉内のト
リクロルシランガス濃度と、成長厚さとの関係を演算装
置91で前記の関係と比較し、偏差に見合う分だけ原料ガ
スの供給量をそれぞれ制御した。また、ドーパントPH3
は成長に伴う表面積の増加に見合う分だけ流量を増やし
た。こうして145時間の成長を行なった。
得られた合金は、成長開始時はSi0.805Ge0.195、P濃
度5.0×1019atoms/cm3、成長終了時はSi0.651Ge0.349
P濃度5.1×1019atoms/cm3であった。このときの成長速
度は2.37μm/min.であった。なお、シリコンの合金中の
組成変化は第1図(B)とほぼ同じであった。
また、これと導電型の異なるシリコン−ゲルマニウム
合金は、ドーピングガスにジボラン(B2H6)を用いて製
造した。得られた合金の組成は、成長開始時はSi0.805G
e0.195、B濃度5.0×1019atoms/cm3、成長終了時はSi0.
651Ge0.349、B濃度5.1×1019atoms/cm3であった。シリ
コンの合金中の組成変化は第1図(B)とほぼ同じであ
った。
なお、本発明によるシリコン−ゲルマニウム合金の製
造方法は、原料ガス流量を変化させることで、成長層の
シリコンとゲルマニウムの組成割合を変えるものである
が、基体の温度を変えることによってでも、このことは
可能である。たとえば、基体温度を上げると、四塩化ゲ
ルマニウムの分解効率が上がるので成長層のゲルマニウ
ム比率を上げることができる。
[発明の効果] 本発明のシリコン−ゲルマニウム合金熱電素子及びそ
の製造方法により、以下のような効果がもたらされる。
1)本発明によるシリコン−ゲルマニウム合金熱電素子
は、シリコンとゲルマニウムの組成割合が、動作時の素
子中の温度勾配による性能指数が最大になるよう連続的
に変化しているから、きわめて高効率になる。
2)気相成長法による合金であるからきわめて均質で、
したがって、焼結法によるものに比べ強度が大である。
3)気相成長法によるから、シリコンとゲルマニウムの
組成割合を自由に変えることができ、素子として使用さ
れる温度の違いに応じ、合金製造の際に最大性能指数を
与えるよう自由に対応できる。
4)気相成長法によるから、容易にかつ連続的に組成を
変えることができ、効率のよい熱電素子を製作すること
ができる。
5)気相成長法によるから、容易にかつ連続的に組成を
変えることができ、あらかじめ組成の異なった2種以上
のシリコン−ゲルマニウム合金を準備したり、これらを
接着や圧着したりすることなく高効率の素子が得られる
上に、工程の簡略化が可能となり、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のシリコン−ゲルマニウム合金熱電素
子とその組成を示す図。 第2図は、本発明のシリコン−ゲルマニウム合金熱電素
子より作製した熱電発電装置の一実施例を示す図。 第3図は、本発明のシリコン−ゲルマニウム合金熱電素
子の製造に用いる装置の一実施例を示す構成図。 第4図は、本発明の熱電素子用シリコン−ゲルマニウム
合金の製造方法の一実施例における、性能指数を最大に
するときの原料ガスと成長時間の関係を示す図。 第5図は、本発明の熱電素子用シリコン−ゲルマニウム
合金の製造方法の一実施例における、性能指数を最大に
するときの副生トリクロルシランガス濃度と成長層の厚
さの関係を示す図。 1,2,3,4……ガス供給ライン 11,12,13……流量コントローラ 21……圧力計 23……真空ポンプ 24……保圧装置 27……除害装置 31……基体 32……気相成長炉 33……のぞき窓 34……赤外線放射温度計 35……電源 50……パージライン 90……ガスクロマトグラフ 91……演算装置 100……シリコン−ゲルマニウム合金 200……シリコン−ゲルマニウム合金熱電素子 300……高温受熱側 400……低温放熱側 401……四塩化ゲルマニウムタンク 402……四塩化ゲルマニウム供給装置 403……蒸発器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン−ゲルマニウム合金熱電素子にお
    いて、該熱電素子のシリコン含有率が低温放熱側の一端
    から高温受熱側の他端にかけて連続的に増加しているこ
    とを特徴とするシリコン−ゲルマニウム合金熱電素子。
  2. 【請求項2】気相成長法による熱電素子用シリコン−ゲ
    ルマニウム合金の製造方法において、モノシランガス、
    四塩化ゲルマニウムガス、P型またはN型のドーピング
    ガス及びキャリアガスから成る原料ガスのそれぞれの流
    量が、熱電素子として動作するときの温度勾配に沿った
    各部位の性能指数が最大になる合金組成を与える、予め
    求めた、成長各時点における原料ガスのそれぞれの流量
    であることを特徴とする気相成長法による熱電素子用シ
    リコン−ゲルマニウム合金の製造方法。
  3. 【請求項3】原料ガスのそれぞれの流量が、気相成長炉
    内に副生するジクロルシランガス、トリクロルシランガ
    スまたはテトラクロルシランガスのうち少なくとも一種
    のガス濃度に対応させて予め求めた、素子として動作す
    るときの温度勾配に沿った各部位の性能指数が最大にな
    る合金組成を与える、成長各時点における原料ガス流量
    であることを特徴とする請求項2記載の熱電素子用シリ
    コン−ゲルマニウム合金の製造方法。
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